説明

操作パネル、操作パネルの制御方法、および操作パネルの制御プログラム

【課題】ユーザーの利便性を向上することのできる操作パネル、操作パネルの制御方法、および操作パネルの制御プログラムを提供する。
【解決手段】操作パネル100は、LCD画面101と、操作に関するLCD画面101へのタッチ入力を受け付けるタッチパネルセンサー部102と、ハードウェアキー104と、タッチパネルセンサー部102にて受け付けたタッチ入力の位置を検出するタッチパネル制御用マイコン103とを備えている。操作パネル制御部156は、タッチパネル制御用マイコン103がタッチ入力の位置を検出できない状態である暴走を検出した場合に、タッチパネルセンサー部102にて受け付けていた操作をハードウェアキー104に割り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は操作パネル、操作パネルの制御方法、および操作パネルの制御プログラムに関し、より特定的には、表示部と、操作に関する表示部へのタッチ入力を受け付けるタッチパネルと、ハードウェアキーとを備えた操作パネル、操作パネルの制御方法、および操作パネルの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な複合機などの画像形成装置には、ユーザーインターフェースとして、標準出力手段としてのタッチパネルディスプレイと、標準入力手段としてのソフトウェアキーおよびハードウェアキーとを有する操作パネルが設けられている。操作パネルは、画面を表示するタッチパネルディスプレイと、タッチパネルディスプレイの前面などに設けられ、ユーザーからのタッチ入力を受け付けるタッチパネル(タッチパッド)と、タッチパネルにて受け付けたタッチ入力の位置を検出するタッチパネル制御用マイコンとを有している。
【0003】
ソフトウェアキーとは、タッチパネルディスプレイ上に表示されるキー群である。ユーザーは、タッチパネルディスプレイの所定の領域に触れることによりソフトウェアキーの操作を行う。タッチパネルディスプレイ上には、所定の機能が割り付けられたソフトウェアキーが様々な形状で表示され、不要になれば画面上から消去(削除)される。
【0004】
ハードウェアキーとは、物理的な実体性を備えたボタン状のキー群である。ユーザーは、ハードウェアキーを押下することによりハードウェアキーの操作を行う。ハードウェアキーは、一般的に、視認性および操作性の点でソフトウェアキーよりも優れている。一方でハードウェアキーは、ソフトウェアキーのように容易に形状を変更したり、削除したりすることは不可能である。しかし、複合機の状態に応じて可変的に、ハードウェアキーに様々な機能を割り付けることは可能である。たとえば複合機の操作パネルには、通常、ハードウェアキーとしてスタートキーが設けられている。スタートキーには、複合機の現在のモードに応じて、スキャンの実行、複写の実行、またはファクシミリ送信の実行などの機能が動的に割り付けられる。スタートキーは、複合機におけるキー群の中でも特に使用頻度が高いため、通常、視認性および操作性に格別に優れた大型のキーとして構成されている。複合機のハードウェアキーには、スタートキーの他にもテンキーやストップキーなどが設けられている。
【0005】
ユーザーによる操作パネルの操作時に、静電気放電が発生し、タッチパネル制御用マイコンが暴走(誤作動)することがある。これは、ユーザーの指などに帯電した電荷がタッチパネル制御用マイコンに対して直接放電して、タッチパネル制御用マイコンの基板内に入り込むことや、静電気放電により発生する電磁波が間接的にタッチパネル制御用マイコンに影響を及ぼすことに起因する。静電気放電の影響を排除するために、従来、タッチパネルやハードウェアキーの近傍に、接地電位(筐体GND)に接続された放電シートを接地することで、電気信号ラインへの直接的な放電を回避する対策が採られている。しかし、この対策では、電磁波による間接的な影響を回避することができない。
【0006】
また、近年普及が著しい静電型タッチパネルなどでは、タッチパネル制御用マイコンが、タッチパネルの静電容量の変化に基づいてタッチ入力された位置を検出している。静電型タッチパネルでは、タッチパネル以外の部分の静電容量の変化に起因するノイズを減少させ、良好な検出感度を得るために、タッチパネル(タッチパネルセンサー部)と、タッチパネル制御用マイコンとの距離を極力短くする必要がある。このため、静電気放電が発生する近傍にタッチパネル制御用マイコンを配置する必要があり、タッチパネル制御用マイコンが静電気放電に対して極めて敏感な実装状態となる傾向がある。
【0007】
画像形成装置にトラブルが生じた時の操作パネルの表示動作の制御に関する技術が、たとえば下記特許文献1〜3に開示されている。
【0008】
下記特許文献1は、タッチパネルと複数のハードキーとを備えた画像形成装置において、複数のハードキーのいずれかの故障を検知した場合に、故障を検知したハードキーが使用できない旨のエラーをハードキーの機能毎に表示する技術を開示している。
【0009】
下記特許文献2には、各データ処理装置から受信するジョブの解析結果に基づき、レンダラがビットマップイメージ展開中に、エラー検知機構が軽度のエラーを検知した場合に、そのジョブ処理をそのまま継続させつつ、次ジョブを処理可能状態に遷移させておく印刷制御装置が開示されている。この印刷制御装置は、検知したエラーをパネルディスプレイに表示し、パネルキーからの指示に従い、エラーとなっているジョブに対する印刷処理の続行または取消しを制御する。
【0010】
さらに下記特許文献3には、ユーザーに対し情報を提示するユーザーインターフェース表示部と、ユーザーからの入力を受け付けるハードウェアキーを備えたユーザーインターフェース入力部と、ウェブサーバから取得したページデーターに基づいて表示画面をユーザーインターフェース表示部に表示させるウェブブラウザ部と、ハードウェアキーに対して割り当てる機能をページデーターに基づいて決定するハードウェアキー機能割り当て部と、ハードウェアキー機能割り当て部によるハードウェアキーに対する機能の割り当ての決定に従ってハードウェアキーを制御するハードウェアキー制御部とを有する画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−111044号公報
【特許文献2】特開2002―248840号公報
【特許文献3】特開2010―146078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
タッチパネル制御用マイコンが暴走した場合には、ユーザーがタッチパネルにタッチ入力を行っても、パネル制御用マイコンは入力された位置を検出できない状態となる。このため、従来、操作パネルに入力を行っていたユーザー(オペレーター)は、操作パネルへの入力を継続することができなかった。したがって、従来の操作パネルには、ユーザーの利便性が悪いという問題があった。
【0013】
特許文献1および2の技術では、使用不可能なトラブル状態をユーザーに対して表示したり、タッチパネルからの操作でジョブに対する印刷処理の続行または取り消しを制御したりしているが、タッチパネル制御用マイコンが暴走した場合についての配慮はされていなかった。したがって、これらの技術においても、タッチパネル制御用マイコンが暴走した場合には、操作パネルへの入力を継続できない状態(操作不能状態)となっていた。
【0014】
また特許文献3の技術では、ウェブブラウザ表示時に、ページデーターに基づくブラウザ画面の機能キーをハードウェアキーに割り当てることはできるが、タッチパネル制御用マイコンが暴走した場合についての配慮がされていなかった。たとえば、親展ファックス受信時や受信済みのデータが存在する場合において、タッチパネル制御用マイコンが暴走したときは、ユーザーは、タッチパネル内のソフトウェアキーで次操作を行うことができず、受信した親展ファックスの文書を開くことや、受信済みのデータのプリント出力を行うことができなかった。また、印刷出力をする予約ジョブが存在する場合において、タッチパネル制御用のマイコンが暴走したときは、ユーザーは、不要な印刷出力をしないようジョブを削除したくても、ジョブを削除することができず、無駄な印刷出力が実行されていた。
【0015】
また、ソフトウェアキーに対応するキーを常にハードウェアキーに常に割り当てておく方法も考えられるが、この方法では、ソフトウェアキーで受け付ける全ての操作入力をハードウェアキーに割り当てる必要がある。その結果、膨大な数のハードウェアキーを操作パネルに設ける必要があり、現実的ではない。
【0016】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、ユーザーの利便性を向上することのできる操作パネル、操作パネルの制御方法、および操作パネルの制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一の局面に従う操作パネルは、表示部と、操作に関する表示部へのタッチ入力を受け付けるタッチパネルと、ハードウェアキーと、タッチパネルにて受け付けたタッチ入力の位置を検出するタッチパネル制御手段と、タッチパネル制御手段がタッチ入力の位置を検出できない状態である暴走を検出する暴走検出手段と、暴走検出手段にて暴走を検出した場合に、タッチパネルにて受け付けていた操作をハードウェアキーに割り付ける割付手段とを備える。
【0018】
上記操作パネルにおいて好ましくは、暴走検出手段にて暴走を検出した場合に、ハードウェアキーに割り付けられている操作を通知する表示を表示部に行う通知手段をさらに備える。
【0019】
上記操作パネルにおいて好ましくは、親展ファックスの受信ジョブを実行している場合、親展ファックスの受信ジョブで受信済みのデータが存在する場合、および親展ファックスの予約受信ジョブが存在する場合のうち少なくともいずれか1つの場合において、暴走検出手段にて暴走を検出したときは、割付手段は、受信ジョブに関するデータを出力する指示を行うキーまたは受信ジョブを破棄する指示を行うキーをハードウェアキーに割り付ける。
【0020】
上記操作パネルにおいて好ましくは、タッチパネルが次操作に関するタッチ入力を受け付けている場合において、暴走検出手段にて暴走を検出したときは、割付手段は、次操作を行うキーをハードウェアキーに割り付ける。
【0021】
上記操作パネルにおいて好ましくは、割付手段が操作を割り付けた場合に、光および音のうち少なくともいずれか一方により警告を行う第1の警告発生手段をさらに備える。
【0022】
上記操作パネルにおいて好ましくは、暴走検出手段にて暴走を検出した場合に、タッチパネル制御手段を初期化する初期化手段をさらに備え、初期化手段による初期化が完了した後で、割付手段は操作を割り付けることを中止する。
【0023】
上記操作パネルにおいて好ましくは、割付手段が操作を割り付けることを中止した場合に、光および音のうち少なくともいずれか一方により警告を行う第2の警告音発生手段をさらに備える。
【0024】
本発明の他の局面に従う操作パネルの制御方法は、表示部と、操作に関する表示部へのタッチ入力を受け付けるタッチパネルと、ハードウェアキーと、タッチパネルにて受け付けたタッチ入力の位置を検出するタッチパネル制御手段とを備えた操作パネルの制御方法であって、タッチパネル制御手段がタッチ入力の位置を検出できない状態である暴走を検出する暴走検出ステップと、暴走検出ステップにて暴走を検出した場合に、タッチパネルにて受け付けていた操作を、ハードウェアキーに割り付ける割付ステップとを備える。
【0025】
本発明のさらに他の局面に従う操作パネルの制御プログラムは、表示部と、操作に関する表示部へのタッチ入力を受け付けるタッチパネルと、ハードウェアキーと、タッチパネルにて受け付けたタッチ入力の位置を検出するタッチパネル制御手段とを備えた操作パネルの制御プログラムであって、タッチパネル制御手段がタッチ入力の位置を検出できない状態である暴走を検出する暴走検出ステップと、暴走検出ステップにて暴走を検出した場合に、タッチパネルにて受け付けていた操作を、ハードウェアキーに割り付ける割付ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ユーザーの利便性を向上することのできる操作パネル、操作パネルの制御方法、および操作パネルの制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複合機(MFP)の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】デジタルカラー複合機のエンジン部分を詳細説明するための断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるデジタルカラー複合機の制御構成を示すブロック図である。
【図4】操作パネル100の構成を示すブロック図である。
【図5】デジタルカラー複合機に登録済みのジョブリスト(実行中リスト)がLCD画面101に表示された状態の操作パネル100の構成を示す平面図である。
【図6】デジタルカラー複合機に登録済みのジョブリストがLCD画面101に表示された状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合の操作パネル100の画面表示を模式的に示す図である。
【図7】親展ファックスの受信リストがLCD画面101に表示された状態を示す図である。
【図8】親展ファックスの受信リストがLCD画面101に表示された状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合の操作パネル100の画面表示を模式的に示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における操作パネル制御部156が行う制御についてのフローチャートである。
【図10】コピージョブの実行中の画面がLCD画面101に表示された状態を示す図である。
【図11】コピージョブの実行中の画面がLCD画面101に表示された状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合の操作パネル100の画面表示を模式的に示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における操作パネル制御部156が行う制御についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0029】
以下の実施の形態においては、操作パネルが画像形成装置の操作を行うものである場合について説明する。画像形成装置は、たとえば電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行うものであり、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)や、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどであってもよい。画像形成装置はインクジェット方式により画像形成を行うものであってもよい。操作パネルは、画像形成装置の他、たとえば家電製品や音響映像機器など、どのような装置の操作を行うものであってもよい。
【0030】
以下の実施の形態の画像形成装置は、LCD(Liquid Crystal Display)画面などの操作情報の表示画面(表示部)と、その前面に配置されたタッチパネルと、ハードウェアキー(外キー)などで構成される操作パネルを備えている。操作パネルは、機器のオペレーション操作を行うためのものである。操作パネルは、操作パネル制御部がタッチパネル制御用マイコン(タッチパネル用CPU)の暴走を検出した場合において、特に緊急操作が求められる画面表示であるときは、本来はタッチパネル内のソフトウェアキーで操作する次操作のための実行操作キーを、予め定められたLCD画面近傍のハードウェアキーに自動で割り付ける。それとともに操作パネルは、LCD画面にてハードウェアキーで操作できることを示すガイダンス表示を行い、警告音でオペレータに通知を行う。これにより、緊急操作を必要とするユーザーが迷うことなくハードウェアキーに割りつけられた実行キーで画像形成装置を操作することができる。
【0031】
[第1の実施の形態]
始めに、本実施の形態における画像形成装置の構成について説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複合機(MFP)の構成を模式的に示す断面図である。図2は、デジタルカラー複合機のエンジン部分を詳細説明するための断面図である。
【0033】
図1および図2を参照して、本発明の実施の形態のデジタルカラー複合機は、いわゆるデジタル複合機と呼ばれる装置である。デジタルカラー複合機は、セットされた原稿の画像を読み取ってHDD(Hard Disk Drive)などに蓄積するスキャンジョブ、スキャンジョブによって蓄積した画像を用紙などに印刷するコピージョブ、PC(Personal Computer)などの外部端末から印刷指示を受けた指示に基づいて、用紙に印刷するプリントジョブ、ファクシミリ装置などからファクシミリデータを受信してHDDなどに蓄積するファクシミリジョブ、およびHDDなどに蓄積している画像を用紙などに印刷するジョブなどを実行する機能を有する。
【0034】
デジタルカラー複合機は、デジタルカラー複合機の本体1と、本体1の上部に設けられた自動原稿搬送装置(ADF)3と、本体1と自動原稿搬送装置3との間に設けられた画像読取装置4とを備えている。自動原稿搬送装置3は、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する。画像読取装置4は、自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る。
【0035】
画像読取装置4は、原稿2が載置されるプラテンガラス5と、原稿2を照明する光源6と、原稿2からの反射光像を反射するフルレートミラー7ならびにハーフレートミラー8および9と、原稿2からの反射光像を結像する結像レンズ10と、CCD(Charge Coupled Device)などからなる画像読取素子11とを含んでいる。
【0036】
プラテンガラス5上に原稿2が載置されると、光源6は原稿2を照明する。原稿2からの反射光像(色材反射光像)は、フルレートミラー7、ハーフレートミラー8および9、ならびに結像レンズ10からなる縮小光学系を介して、画像読取素子11上に走査露光される。画像読取素子11は、原稿2の反射光像を所定のドット密度(たとえば、16ドット/mm)で読み取る。
【0037】
画像読取装置4は、ファックス送信原稿の読み取りや、スキャンしたデータの電子メールでのダイレクトな送信やダイレクトなボックス保存(Scan to E−Mail/Box)などの、複合機としての原稿読み取り機能を備えている。
【0038】
画像読取装置4によって読み取られた原稿2の色材反射光像は、たとえば、それぞれ8ビットのサイズを持つ赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色の原稿反射率データとして、本体1の画像処理部12に送られる。
【0039】
本体1は、画像処理部12と、画像形成ユニット13Y、13M、13C、および13Kと、中間転写ベルト25と、二次転写ロール29と、定着器31と、搬送部50とを含んでいる。
【0040】
画像処理部12では、原稿2の反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、または色/移動編集などの所定の画像処理が施される。また、画像処理部12は、外部端末などから送られてくる画像データに対しても、所定の画像処理を行なう。
【0041】
画像処理部12で所定の画像処理が施された画像データは、画像処理部12によって、たとえば、それぞれ8ビットのサイズを持つYMCKの原稿再現色材階調データに変換され、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、および13Kのプリントヘッド部14に送られる。
【0042】
画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの各々は、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されている。これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、および13Kの各々は同様の構成を有している。画像形成ユニット13Y、13M、13C、および13Kの各々は、大まかには、所定の速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム15と、感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール16と、感光体ドラム15の表面に所定の色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する画像露光装置としてのプリントヘッド部14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像する現像器17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とを含んでいる。
【0043】
プリントヘッド部14は、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、および13Kに共通に構成されている。プリントヘッド部14は、図示しない4つの半導体レーザーを各色の原稿再現色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザーからレーザービームLB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを階調データに応じて出射するように構成されている。なお、プリントヘッド部14は、複数の画像形成ユニット毎に個別に構成されていてもよい。プリントヘッド部14は、回転多面鏡19と、反射ミラー20と、ウインドウ21とを含んでいる。
【0044】
プリントヘッド部14の4つの半導体レーザーから出射された各レーザービームLB−Y、LB−M、LB−C、およびLB−Kは、1つの回転多面鏡19に照射され、回転多面鏡19によって偏向走査される。その際、レーザービームLB−YおよびLB−Mは、回転多面鏡19の一方の側面に照射され、レーザービームLB−CおよびレーザービームLB−Kは、回転多面鏡19の反対側の側面に照射される。その結果、レーザービームLB−YおよびLB−Mと、レーザービームLB−CおよびLB−Kとでは、回転多面鏡19によって偏向走査される方向が互いに逆方向となる。回転多面鏡19によって偏向走査されたレーザービームLB−Y、LB−M、LB−C、およびLB−Kは、図示しないf−θレンズを介して、複数枚の反射ミラー20によって反射され、各画像形成ユニットの感光体ドラム15上に、ウインドウ21を通して斜め下方から走査露光される。
【0045】
レーザービームLB−Y、LB−M、LB−C、およびLB−Kによって、感光体ドラム15の表面には静電潜像が形成される。レーザービームLB−Y、LB−Mと、レーザービームLB−C、LB−Kとでは、感光体ドラム15上に走査露光されるレーザービームの走査方向が、互いに反対方向となる。感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17によって、YMCKの各色のトナーにより現像される。感光体ドラム15上に形成されたトナー像は、感光体ドラム15の上方に配置された中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26Y、26M、26C、および26Kによって転写される。これにより、YMCK各色のトナー像が中間転写ベルト25上で重ね合わせられる。一次転写後、感光体ドラム15の表面に残存するトナーはクリーニング装置18により除去される。
【0046】
中間転写ベルト25は、ドライブロール27と、バックアップロール28と、テンションロール24との間に一定のテンションで掛け回されている。ドライブロール27は、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動され、所定の方向に所定の速度で循環駆動される。中間転写ベルト25としては、たとえば、可撓性を有するポリイミドなどの合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着などの手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0047】
搬送部50は、給紙ロール35と、ロール対36と、レジストロール38と、排出ロール32と、ロール対39とを含んでいる。
【0048】
転写用紙30は、給紙カセット34から所定のサイズのものが、給紙ロール35および用紙分離搬送用のロール対36により給紙される。給紙された転写用紙30は、用紙搬送路37を介して、レジストロール38まで一旦搬送され、停止される。そして転写用紙30は、所定のタイミングで回転するレジストロール38によって中間転写ベルト25の二次転写位置へ送出される。
【0049】
二次転写ロール29は、バックアップロール28の側方に位置している。中間転写ベルト25上のトナー像は、バックアップロール28に圧接する二次転写ロール29によって、圧接力および静電気力を用いて、転写材としての転写用紙30上に二次転写される。トナー像が転写された転写用紙30は、上方に位置する定着器31へと搬送される。
【0050】
トナー像が転写された転写用紙30は、定着器31によって熱および圧力を用いてトナー像の定着処理を受けた後、排出ロール32によって、本体1の上部に設けられた排出トレイ33上に排出される。
【0051】
なお、デジタルカラー複合機においてフルカラーなどの両面コピーをとる場合には、表面に画像が定着された転写用紙30を、排出ロール32によって排出トレイ33上にそのまま排出せずに、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、用紙搬送用のロール対39を介して両面用搬送ユニット40へと搬送する。両面用搬送ユニット40は、用紙搬送路41に沿って設けられた図示しない搬送用のロール対により、転写用紙30の表裏を反転し、転写用紙30を再度レジストロール38へと搬送する。その後、転写用紙30の裏面には画像が転写および定着され、排出トレイ33上に排出される。
【0052】
なお、中間転写ベルト25の上部には、YMCK各色の現像器17にトナーを供給するトナーカートリッジ44Y、44M、44C、および44Kが設けられている。
【0053】
図3は、本発明の第1の実施の形態におけるデジタルカラー複合機の制御構成を示すブロック図である。
【0054】
図3を参照して、デジタルカラー複合機は、操作パネル100と、入力装置200と、認証装置210と、画像出力装置220とを備えている。操作パネル100は、たとえばLCDなどの各種ディスプレイ装置と、タッチパネルと、ハードウェアキーとを主に備えている。操作パネル100の詳細な構成は後述する。入力装置200は、図示しないキーボードやマウスなどから構成されている。認証装置210は、接触型または非接触型のIC(Integrated Circuit)カード認証装置や、指静脈認証装置などで構成されている。画像出力装置220は、プリンタ出力機能を有する。
【0055】
デジタルカラー複合機は、さらに、CPU(Central Processing Unit)151と、ROM(Read Only Memory)152と、RAM(Random Access Memory)153と、HDD154と、通信制御部155と、操作パネル制御部156と、入力装置制御部157と、認証装置制御部158と、画像出力装置制御部159と、認証制御部160とを備えている。CPU151のバスには、ROM152、RAM153、HDD154、通信制御部155、操作パネル制御部156、入力装置制御部157、認証装置制御部158、画像出力装置制御部159、および認証制御部160の各々が接続されている。
【0056】
CPU151は、デジタルカラー複合機の全体の動作を統括制御するものである。ROM152はCPU151の動作プログラムが格納されたメモリである。RAM153は、CPU151の動作する際の作業領域を提供するメモリである。HDD154は、コピー画像のデータやPCなどのプリント指示端末(外部端末PC1〜PC3)から送信されてきた画像のデータを一時格納したり、スキャンした画像のデータなどをボックスに保存したりする。通信制御部155は、ネットワーク300を通じて互いに接続された外部端末PC1〜PC3の各々とデジタルカラー複合機との通信を制御する。操作パネル制御部156、入力装置制御部157、認証装置制御部158、および画像出力装置制御部159の各々は、操作パネル100、入力装置200、認証装置210、および画像出力装置220の各々を制御する。認証制御部160は、デジタルカラー複合機の全体のセキュリティ認証の制御を行う。
【0057】
ネットワーク300は、有線または無線のLAN(Local Area Network)である。ネットワーク300は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のプロトコルを用いて接続される。ネットワーク300に接続された機器は、お互いに各種データのやり取りが可能となっている。なお、ネットワーク300に代えて、インターネット・専用線などの広域ネットワークを用いて各機器を接続してもよい。
【0058】
図4は、操作パネル100の構成を示すブロック図である。
【0059】
図4を参照して、操作パネル100は、LCD画面(液晶ディスプレイ装置)101(表示部の一例)と、タッチパネルTPと、ハードウェアキー104と、警告LEDまたはブザー105と、タッチパネルIF(インターフェース)106とを含んでいる。操作パネル100はさらに図示しない表示LEDなどをさらに含んでいてもよい。LCD画面101と、タッチパネルTPと、ハードウェアキー104と、警告LEDまたはブザー105との各々は、それぞれ操作パネル制御部156と接続されている。
【0060】
操作パネル制御部156は操作パネル100に内蔵されていてもよいし、操作パネル100の外部に設けられていてもよい。CPU151が操作パネル制御部156としての機能を果たしてもよい。
【0061】
タッチパネルTPは、タッチパネルセンサー部102(タッチパネルの一例)と、タッチパネル制御用マイコン103(タッチパネル制御手段の一例)とにより構成されている。タッチパネル制御用マイコン103は、たとえばFPC(Flexible Printed Circuits)に搭載されている。タッチパネルTPは、タッチパネルセンサー部102と、タッチパネル制御用マイコン103が搭載されたFPCとが一体化したモジュールで構成されていることが好ましい。タッチパネルTPがモジュールで構成されている場合には、タッチパネル制御用マイコン103がユーザーの操作領域に極めて近くなる。このため、ユーザーによるタッチパネル操作時に発生する静電気放電の影響で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走する可能性が高くなる。タッチパネル制御用マイコン103の暴走とは、タッチパネル制御用マイコン103がタッチ入力の位置を検出できない状態を意味している。
【0062】
LCD画面101は、デジタルカラー複合機の操作や各種情報に関する表示を行う。
【0063】
タッチパネルセンサー部102は、たとえばLCD画面101の前面に配置されている。タッチパネルセンサー部102は、デジタルカラー複合機の操作に関するLCD画面101へのタッチ入力(機器の操作入力)を受け付ける。
【0064】
タッチパネル制御用マイコン(タッチパネル制御CPU)103は、タッチパネルセンサー部102の近傍に配置されており、タッチパネルセンサー部102にて受け付けたタッチ入力の位置検出(座標検出制御)を行う。タッチパネル制御用マイコン103は、静電容量方式によりタッチ入力の位置を感知することが好ましいが、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、または電磁誘導方式などの他の方式により位置検出を行うものであってもよい。
【0065】
ハードウェアキー104は、タッチパネルTPの周辺に配置されており、デジタルカラー複合機の操作に関する入力を受け付ける。
【0066】
警告LEDまたはブザー105は、所定の場合に、LEDの警告表示または警告音によりユーザーに通知する。警告LEDまたはブザー105は、光および音のうち少なくともいずれか一方により警告を行うものであればよい。
【0067】
操作パネル制御部156は、LCD画面101の駆動制御、タッチパネルTPの制御、ハードウェアキー104の制御(機能の割り付け)、タッチパネル制御用マイコン103の暴走検出、および警告LEDまたはブザー105による表示または警告音の制御などを行う。
【0068】
具体的には、操作パネル制御部156は、矢印A1で示すようにLCD制御データをタッチパネルTPへ送信することにより、LCD画面101の表示状態を制御する。タッチパネル制御用マイコン103のFW(ファームウエア)は、タッチパネル制御用マイコン103の動作状態を示すマイコン出力信号を、矢印A2で示すようにタッチパネルIF106に出力する。タッチパネルIF106はこのマイコン出力信号を監視し、タッチパネル制御用マイコン103が暴走状態か否かを識別する。タッチパネル制御用マイコン103が暴走状態にあるとタッチパネルIF106が識別した場合、タッチパネルIF106は矢印A3で示すように、タッチパネル制御用マイコン103の暴走を操作パネル制御部156へ伝える。タッチパネル制御用マイコン103の暴走を検知した場合、操作パネル制御部156は、矢印A4で示すように、タッチパネル制御用マイコンへ送信するハードウェアリセット信号をアクティブにして、タッチパネル制御用マイコン103のリセット処理および初期化処理を実行する。これにより、タッチパネル制御用マイコン103は、暴走状態から自動的に復帰する。操作パネル制御部156は、所定の場合に、矢印A5で示すように、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させる。操作パネル制御部156は、矢印A6で示すように、ハードウェアキー104が受け付けた入力に関する情報を受信する。
【0069】
なお、タッチパネル制御用マイコン103のリセット処理とは、タッチパネル制御用マイコン103を始動の状態に戻す処理を意味している。タッチパネル制御用マイコン103の初期化処理とは、タッチパネルセンサー部102の初期調整を行う処理(キャリブレーション)を意味している。
【0070】
続いて、本実施の形態における操作パネル100の動作について説明する。
【0071】
図5は、デジタルカラー複合機に登録済みのジョブリストがLCD画面101に表示された状態の操作パネル100の構成を示す平面図である。
【0072】
図5を参照して、操作パネル100は、LCD画面101と、ボックスキーであるキー181と、ファックスキーであるキー182と、コピーキーであるキー183と、スタートキーであるキー184と、ストップキーであるキー185と、テンキーであるキー186などを含んでいる。
【0073】
キー181は、スキャナで読み取ったファイルや外部端末から送信されてきたファイルなどをHDD154のボックスに保存するジョブに関する画面へ移行する際に押下されるキーである。キー182は、デジタルカラー複合機から外部端末へファックス送信を行うジョブに関する画面へ移行する際に押下されるキーである。キー183は、コピージョブに関する画面へ移行する際に押下されるキーである。キー184は、各種ジョブを実行する際に押下されるキーである。キー185は、実行しているジョブを停止する際に押下されるキーである。キー186は、数字の入力を受け付けるキーである。キー181〜186は、ハードウェアキー104の一例である。
【0074】
図5では、デジタルカラー複合機に登録済みのジョブリスト(実行中リスト)がLCD画面101に表示されている。以下、図5および図7の画面を緊急操作画面と呼ぶことがある。図5の画面は、たとえば待機時のLCD画面101に表示される所定のソフトウェアキーが押下された場合に表示される。
【0075】
ジョブリストには、各ジョブの情報を示す「番号」、「登録元」、「状態」、および「文書名」の各欄が設けられている。これら以外のジョブの情報が示されていてもよい。「番号」の欄には、登録順に付された番号が表示されている。「登録元」の欄には、そのジョブを登録したユーザーの識別情報(たとえばID(Identification)が表示されている。「状態」の欄には、そのジョブの実行状態(実行中か待機中か)が表示されている。「文書名」の欄は、ジョブに使用される文書またはデータの名称が表示されている。
【0076】
ジョブリストに登録された4つのジョブのうち、123番のジョブは、現在実行中(印刷中)であり、実行が終了すると、ジョブリストから消去される。他の3つのジョブは待機中であり、デジタルカラー複合機に蓄積された状態である。LCD画面101には、ジョブリストの他に、「削除」、「優先出力」、および「蓄積解除」の各操作を行うキー(アイコン)301〜303が表示されている。
【0077】
たとえば、125番のジョブが表示されたキーIT1が押下されると、キーIT1の色が変わり、125番のジョブが選択された状態となる。125番のジョブが選択された状態で「削除」キー301が押下されると、125番のジョブがジョブリストから消去される。また、「優先出力」キー302が押下されると、125番のジョブが他の実行中のジョブよりも優先して実行される。さらに、「蓄積解除」キー303が押下されると、125番のジョブが実行可能となった場合(他のジョブの実行が終了した後)に、125番のジョブが実行される。キーIT1および301〜303は、いずれもソフトウェアキーである。すなわち、これらのキーは、LCD画面101に表示されたキーであり、LCD画面101へのタッチ入力をタッチパネルTPで検出することにより、これらのキーの押下を操作パネル100は検出する。
【0078】
LCD画面101にジョブリストを表示している状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合、LCD画面101の表示状態は変わらない一方で、タッチパネル制御用マイコン103はタッチ入力の位置を検出できない状態となる。このためユーザーは、ジョブの削除、優先出力、または蓄積解除などの緊急操作が必要な場合に、ソフトウェアキーを用いてそれらの操作を行うことができない。タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合、タッチパネル制御用マイコン103のリセット処理および初期化処理が完了するまでの相当な時間の間、ユーザーはソフトウェアキーを用いることはできない。
【0079】
このため、緊急操作が必要な時にタッチパネルTPが応答しない状態となり、ユーザーによる操作が不能となる。その結果、ユーザーが削除したかった無駄なジョブの印刷出力が継続されたり、優先出力したかったジョブが、そのジョブよりも前に登録されたジョブの印刷出力が終了するまで実行されず、ユーザーが長時間待たされたりする事態が起こり得る。
【0080】
このような事態を防止するため、本実施の形態では、タッチパネル制御用マイコン103の暴走を検出した場合に、操作パネル制御部156は、暴走を検出した時にLCD画面101(タッチパネルTP)のソフトウェアキーにて受け付けていた操作(次操作の実行操作キー)をハードウェアキー104に割り付ける。
【0081】
図6は、デジタルカラー複合機に登録済みのジョブリストがLCD画面101に表示された状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合の操作パネル100の画面表示を模式的に示す図である。
【0082】
図6を参照して、タッチパネルTPが次操作に関するタッチ入力を受け付けている状態(タッチパネルTPによる次操作待ち状態)で、タッチパネル制御用マイコン103の暴走を検出した場合、操作パネル制御部156は、次操作を行うキーをLCD画面101近傍のハードウェアキー104に割り当てるとともに、ハードウェアキー104で次操作を行うことができることを示すガイダンス表示(ハードウェアキー104に割り付けられている操作を通知する表示)をLCD画面101に行う。
【0083】
具体的には、LCD画面101近傍下側のキー181〜183の各々に、「削除」、「優先出力」、および「蓄積解除」の各操作を行うキー301〜303の各々の機能が割り当てられる。キー181には「削除」キー301の機能が割り当てられ、キー182には「優先出力」キー302の機能が割り当てられ、キー183には「蓄積解除」キー303の機能が割り当てられる。
【0084】
LCD画面101には、キー301〜303の各々の機能がキー181〜183の各々に割り当てられていることを示す表示311〜313が行われる。表示311は、キー181には「削除」キー301の機能が割り当てられていることを通知しており、表示312は、キー182には「優先出力」キー302の機能が割り当てられていることを通知しており、表示313は、キー183には「蓄積解除」キー303の機能が割り当てられていることを通知している。表示311〜313自体は、ユーザーからの押下を受け付けるものではない。
【0085】
タッチパネル制御用マイコン103の暴走前にジョブリストの表示画面(図5)で表示していた、選択したジョブの「削除」、「優先出力」、および「蓄積解除」の各操作を行うキー301〜303は、LCD画面101から削除される。さらに、ソフトウェアキーからハードウェアキー104への変更をユーザーに知らせるため、たとえば「実行キー変更中」などのメッセージM1がLCD画面101に表示される。
【0086】
タッチパネル制御用マイコン103のリセット処理および初期化処理が完了し、タッチパネルTPによる操作が可能な状態になった後で、操作パネル制御部156は、ハードウェアキー104に操作を割り付けることを中止し、LCD画面101の表示をジョブリストの表示画面(図5、通常表示画面)に戻す処理を行う。
【0087】
また、操作パネル制御部156がタッチパネル制御用マイコン103の暴走を検出し、ハードウェアキー104に操作を割り付けた場合(図5から図6の画面に切り替えた場合)に、操作パネル制御部156は、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させてもよい。さらに、ハードウェアキー104への操作の割り付けを中止した場合(図6から図5の画面に切り替えた場合)に、操作パネル制御部156は、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させてもよい。
【0088】
上述の場合の他、親展ファックスを受信中の状態や、親展ファックスに関する受信ジョブの一覧である受信リストがLCD画面101に表示されている状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合などに、操作パネル制御部156は、たとえば親展ジョブ印刷指示キーやジョブ破棄用キーなどをハードウェアキー104に割り付けてもよい。これについて以下に説明する。
【0089】
図7は、親展ファックスの受信リストがLCD画面101に表示された状態を示す図である。図7の画面は、たとえば待機時のLCD画面101に表示される所定のソフトウェアキーが押下された場合に表示される。
【0090】
受信リストには、受信ジョブの情報を示す「番号」、「登録元」、「状態」、および「文書名」の各欄が設けられている。これら以外の受信ジョブの情報が示されていてもよい。「番号」の欄には、デジタルカラー複合機が受信を開始した順に付された番号が表示されている。「登録元」の欄には、その受信ジョブの送信元のユーザーの識別情報(たとえばID)が表示されている。「状態」の欄には、その受信ジョブの実行状態(印刷中か待機中か)が表示されている。「文書名」の欄は、受信した文書またはデータの名称が表示されている。
【0091】
受信リストに登録された4つの受信ジョブのうち、123番のジョブは、現在実行中(印刷中)であり、実行が終了すると、受信リストから消去される。他の3つのジョブは待機中であり、その受信データがHDD154に蓄積された状態である。LCD画面101には、受信リストの他に、「削除」、「優先出力」、および「蓄積解除」の各操作を行うキー(アイコン)301〜303が表示されている。
【0092】
たとえば、125番のジョブが表示されたキーIT2が押下されると、キーIT2の色が変わり、125番のジョブが選択された状態となる。125番のジョブが選択された状態で「削除」キー301が押下されると、125番のジョブが受信リストから消去され、その受信データはHDD154から削除される。また、「優先出力」キー302が押下されると、125番のジョブが他の実行中のジョブよりも優先して実行(印刷または出力)される。さらに、「蓄積解除」キー303が押下されると、125番のジョブが実行可能となった場合(他のジョブの実行が終了した後)に、125番のジョブが実行される。キーIT2および301〜303は、いずれもソフトウェアキーである。
【0093】
親展ファックスの受信ジョブを実行している場合、親展ファックスの受信ジョブで受信済みのデータが存在する場合、および親展ファックスの予約受信ジョブが存在する場合のうち少なくともいずれか1つの場合において、タッチパネル制御用マイコン103の暴走を検出したときは、操作パネル制御部156は、LCD画面101(タッチパネルTP)のソフトウェアキーにて受け付けていた、受信ジョブに関する受信データを出力する指示を行うキー302および303、ならびに受信ジョブを破棄する指示を行うキー301の機能を、ハードウェアキー104に割り付ける。
【0094】
図8は、親展ファックスの受信リストがLCD画面101に表示された状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合の操作パネル100の画面表示を模式的に示す図である。
【0095】
図8を参照して、具体的には、LCD画面101近傍下側のキー181〜183の各々に、キー301〜303の各々の機能が割り当てられる。キー181には「削除」キー301の機能が割り当てられ、キー182には「優先出力」キー302の機能が割り当てられ、キー183には「蓄積解除」キー303の機能が割り当てられる。
【0096】
LCD画面101には、キー181〜183の各々にキー301〜303の各々の機能が割り当てられていることを示す表示311〜313が行われる。表示311は、キー181には「削除」キー301の機能が割り当てられていること通知しており、表示312は、キー182には「優先出力」キー302の機能が割り当てられていることを通知しており、表示313は、キー183には「蓄積解除」キー303の機能が割り当てられていることを通知している。表示311〜313自体は、ユーザーからの押下を受け付けるものではない。
【0097】
受信リストの表示画面(図7)で表示していた、選択したファクシミリの「削除」、「優先出力」、および「蓄積解除」の各操作を行うキー301〜303は、LCD画面101から削除される。さらに、ソフトウェアキーからハードウェアキー104への変更をユーザーに知らせるため、たとえば「実行キー変更中」などのメッセージM2がLCD画面101に表示される。
【0098】
タッチパネル制御用マイコン103のリセット処理および初期化処理が完了し、タッチパネルTPによる操作が可能な状態になった後で、操作パネル制御部156は、ハードウェアキー104に操作を割り付けることを中止し、LCD画面101の表示を受信リストの表示画面(図7、通常表示画面)に戻す処理を行う。
【0099】
また、操作パネル制御部156がタッチパネル制御用マイコン103の暴走を検出し、ハードウェアキー104に操作を割り付けた場合(図7から図8の画面に切り替えた場合)に、操作パネル制御部156は、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させてもよい。さらに、ハードウェアキー104への操作の割り付けを中止した場合(図8から図7の画面に切り替えた場合)に、操作パネル制御部156は、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させてもよい。
【0100】
図9は、本発明の第1の実施の形態における操作パネル制御部156が行う制御についてのフローチャートである。
【0101】
図9を参照して、操作パネル制御部156は、LCD画面101の表示制御を開始し(S1)、LCD画面101の表示が、予め定められた緊急操作画面(たとえば図5または図7の画面)に遷移したか否かを判別する(S3)。ステップS3において、緊急操作画面に遷移しないと判別した場合(S3でNO)、操作パネル制御部156はステップS3の処理を繰り返す。
【0102】
ステップS3において、緊急操作画面に遷移したと判別した場合(S3でYES)、操作パネル制御部156は、タッチパネルIF106からの信号に基づいて、タッチパネル制御用マイコン103の暴走を監視する処理を行う(S5)。続いて操作パネル制御部156は、LCD画面101が緊急操作画面を表示している間にタッチパネル制御用マイコン103が暴走したか否かを判別する(S7)。ステップS7において、タッチパネル制御用マイコン103が暴走しないと判別した場合(S7でNO)、操作パネル制御部156はステップS7の処理を繰り返す。
【0103】
ステップS7において、タッチパネル制御用マイコン103が暴走したと判別した場合(S7でYES)、操作パネル制御部156は、LCD画面101のソフトウェアキーにて受け付けていた操作(「削除」、「優先出力」、および「蓄積解除」のキー301〜303の機能)を、LCD画面101近傍のハードウェアキー104(キー181〜183)に割り付ける(S9)。次に操作パネル制御部156は、割付ガイダンスを実行する(S11)。ステップS11において、操作パネル制御部156は、キー301〜303の各々の機能がキー181〜183の各々に割り当てられていることを示す表示311〜313を行い、あわせて「実行キー変更中」などのメッセージM1またはM2をLCD画面101に表示し、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させる。次に操作パネル制御部156は、タッチパネル制御用マイコン103のリセット処理および初期化処理を実行する(S13)。これらの処理が完了した後、操作パネル制御部156は、ハードウェアキー104に割り付けていた操作を解除する(S15)。次に操作パネル制御部156は、解除ガイダンスを実行する(S17)。ステップS17において、操作パネル制御部156は、元のLCD画面101内のソフトウェアキーで操作を受け付け可能となるように、ハードウェアキー104への割り付けを中止し、表示311〜313をLCD画面101から消去する。また操作パネル制御部156は、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させる。その後操作パネル制御部156は、ステップS1の処理へ進み、LCD画面101の表示制御を継続する。
【0104】
[第2の実施の形態]
本実施の形態においては、ジョブの実行中の画面をLCD画面101が表示している場合において、タッチパネル制御用マイコン103が暴走したときの操作パネル制御部156の動作について説明する。本実施の形態のデジタルカラー複合機の構成は、第1の実施の形態の場合と同様であるので、その説明は繰り返さない。
【0105】
本実施の形態の操作パネル100は、各種ジョブを実行する際に押下されるスタートキー(図5のキー184)および実行しているジョブを停止する際に押下されるストップキー(図5のキー185)に相当するハードウェアキーを含んでいない。スタートキーおよびストップキーは、所定の場合にソフトウェアキーとしてLCD画面101に表示され、LCD画面101に表示されたスタートキーまたはストップキーがユーザーによって押下された場合に、デジタルカラー複合機は、ジョブを実行または停止する。
【0106】
図10は、コピージョブの実行中の画面がLCD画面101に表示された状態を示す図である。
【0107】
図10を参照して、LCD画面101に表示されたスタートキー(図示無し)がユーザーによって押下され、デジタルカラー複合機がコピージョブの実行を開始すると、操作パネル制御部156は、コピージョブの実行中の画面をLCD画面101に表示する。LCD画面101には、たとえば「コピーしています」という文字とともに、ストップキーであるキー304が表示される。そして、コピージョブが完了すると、操作パネル制御部156は、ジョブ待機中(通常状態)の画面をLCD画面101に表示する。LCD画面101には、「コピーしています」の文字の代わりにたとえば「コピーできます」という文字が表示され、たとえばストップキーであるキー304の位置にスタートキー(図示無し)がさらに表示される。
【0108】
コピージョブの実行中の画面をLCD画面101が表示している状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合、ユーザーは、ジョブの停止が必要な場合に、ソフトウェアキーを用いてこの操作を行うことができない。その結果、ユーザーが望まない無駄なコピージョブの印刷出力が継続される事態が起こり得る。このような事態を防止するため、本実施の形態では、タッチパネル制御用マイコン103の暴走を検出した場合に、操作パネル制御部156は、暴走を検出した時にLCD画面101(タッチパネルTP)のソフトウェアキーにて受け付けていたジョブ停止の操作をハードウェアキー104に割り付ける。
【0109】
図11は、コピージョブの実行中の画面がLCD画面101に表示された状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合の操作パネル100の画面表示を模式的に示す図である。
【0110】
図11を参照して、具体的には、LCD画面101近傍下側のキー182に、キー304の機能が割り当てられる。LCD画面101には、キー182にキー304の機能が割り当てられていることを通知する表示314が行われる。表示314自体は、ユーザーからの押下を受け付けるものではない。コピージョブの実行中の画面(図10)で表示していたキー304は、LCD画面101から削除される。さらに、ソフトウェアキーからハードウェアキー104への変更をユーザーに知らせるため、たとえば「実行キー変更中」などのメッセージM3がLCD画面101に表示される。
【0111】
タッチパネル制御用マイコン103のリセット処理および初期化処理が完了し、タッチパネルTPによる操作が可能な状態になった後で、操作パネル制御部156は、ハードウェアキー104に操作を割り付けることを中止し、LCD画面101の表示をコピージョブの実行中の画面(図10)に戻す処理を行う。
【0112】
また、操作パネル制御部156がタッチパネル制御用マイコン103の暴走を検出し、ハードウェアキー104に操作を割り付けた場合(図10から図11の画面に切り替えた場合)に、操作パネル制御部156は、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させてもよい。さらに、ハードウェアキー104への操作の割り付けを中止した場合(図11から図10の画面に切り替えた場合)に、操作パネル制御部156は、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させてもよい。
【0113】
また、ジョブ待機中と表示されている通常状態で、タッチパネル制御用マイコン103が暴走した場合、ユーザーが緊急で実行したいジョブの実行を受け付けるために、スタートキーについても同様に、ハードウェアキーへの割り付けが行われてもよい。
【0114】
図12は、本発明の第2の実施の形態における操作パネル制御部156が行う制御についてのフローチャートである。
【0115】
図12を参照して、操作パネル制御部156(タッチパネルTP)に電源が投入されると(S101)、操作パネル制御部156は、タッチパネル制御用マイコン103およびタッチパネルセンサー部102(タッチパネルTPに内蔵されるセンサーIC)をリセット解除し(S103)、タッチパネル制御用マイコン103およびタッチパネルセンサー部102が起動完了したか否かを、たとえばI2Cバスなどのシリアルインターフェースを介して判別する(S105)。ステップS105において、起動完了しないと判別した場合(S105でNO)、操作パネル制御部156はステップS105の処理を繰り返す。
【0116】
ステップS105において、起動完了したと判別した場合(S105でYES)、操作パネル制御部156は、タッチパネル制御用マイコン103に対して、タッチパネルTPの感度調整のための初期調整コマンドを発行し、タッチパネル制御用マイコン103の初期調整(初期化処理)を開始する(S107)。次に操作パネル制御部156は、初期調整が完了したか否かを判別する(S109)。ステップS109において、初期調整が完了しないと判別した場合(S109でNO)、操作パネル制御部156はステップS109の処理を繰り返す。
【0117】
ステップS109において、初期調整が完了したと判別した場合(S109でYES)、操作パネル制御部156は、タッチパネルTPのタッチ操作の検出動作を開始し(S111)、LCD画面101の表示制御を開始する(S112)。続いて操作パネル制御部156は、タッチパネルIF106からの信号に基づいて、タッチパネル制御用マイコン103の暴走を監視する処理を行う(S113)。続いて操作パネル制御部156は、タッチパネル制御用マイコン103が暴走したか否かを判別する(S115)。ステップS115において、タッチパネル制御用マイコン103が暴走しないと判別した場合(S115でNO)、操作パネル制御部156はステップS115の処理を繰り返す。
【0118】
ステップS115において、タッチパネル制御用マイコン103が暴走したと判別した場合(S115でYES)、操作パネル制御部156は、LCD画面101のソフトウェアキーにて受け付けていた操作(キー304の機能)を、LCD画面101近傍のハードウェアキー104(キー182)に割り付ける(S117)。次に操作パネル制御部156は、割付ガイダンスを実行する(S119)。ステップS119において、操作パネル制御部156は、キー304〜303の機能がキー182に割り当てられていることを示す表示314を行い、あわせて「実行キー変更中」などのメッセージM3をLCD画面101に表示し、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させる。次に操作パネル制御部156は、タッチパネル制御用マイコン103のリセット処理および初期化処理を実行する(S121)。これらの処理が完了した後、操作パネル制御部156は、ハードウェアキー104に割り付けていた操作を解除する(S123)。次に操作パネル制御部156は、解除ガイダンスを実行する(S125)。ステップS125において、操作パネル制御部156は、元のLCD画面101内のソフトウェアキーで操作を受け付け可能となるように、ハードウェアキー104への割り付けを中止し、表示314をLCD画面101から消去する。また操作パネル制御部156は、警告LEDまたはブザー105によりLEDの警告表示または警告音を発生させる。その後操作パネル制御部156は、ステップS112の処理へ進み、LCD画面101の表示制御を継続する。
【0119】
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、静電気放電(静電気ノイズ)に起因してタッチパネル制御用マイコン(タッチパネル用CPU)の暴走が発生した場合に、タッチパネルにて受け付けていた操作をハードウェアキーに割り付けるので、デジタルカラー複合機への操作入力を継続することができ、タッチパネル操作できない事態を回避することができる。特に、デジタルカラー複合機の緊急操作が必要な場合にも、操作を継続することができない事態を回避することができる。
【0120】
また、タッチパネル制御用マイコンの暴走が発生した場合に、ジョブリストを表示中であるときは、ジョブの「削除」、「優先出力」、および「蓄積解除」の各操作を行うキーをLCD画面近傍のハードウェアキーに割り付けるので、ユーザーはこれらの操作を行うことができる。
【0121】
また、タッチパネル制御用マイコンの暴走が発生した場合に、親展ファックス受信中であったり、親展ファックスの受信済みのデータが存在していたり、親展ファックスの予約受信ジョブが存在しているときは、親展ジョブ印字指示キーやジョブ破棄用キーなどをLCD画面近傍のハードウェアキーに割り付けるので、ユーザーは親展ファックスに関するジョブの操作を継続することができる。
【0122】
また、タッチパネル制御用マイコンの暴走が発生した場合に、デジタルカラー複合機がジョブを実行中であるときは、ジョブを停止するキーをLCD画面近傍のハードウェアキーに割り付けるので、ユーザーはジョブを停止するための操作を行うことができる。
【0123】
また、ハードウェアキーに操作を割り付けられ場合に警告音を発生することにより、ユーザーにタッチパネルの暴走を通知することができる。
【0124】
さらに、ハードウェアキーに操作を割り付けることを中止した場合に警告音を発生することにより、ユーザーにタッチパネルが暴走から復帰したことを通知することができる。
【0125】
[その他]
第2の実施の形態においては、コピージョブの実行中にタッチパネル制御用マイコンが暴走した場合について示したが、コピージョブ以外のジョブの実行中にタッチパネル制御用マイコンが暴走した場合にも、操作パネル制御部は同様の制御を行ってもよい。
【0126】
上述の実施の形態は適宜組み合わせることができる。たとえば、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせることにより、デジタルカラー複合機に登録済みのジョブリストがLCD画面に表示された状態、親展ファックスの受信リストがLCD画面に表示された状態、またはジョブの実行中の画面がLCD画面に表示された状態で、タッチパネル制御用マイコンが暴走した場合に、ハードウェアキーへの割り付けを行ってもよい。
【0127】
上述の実施の形態においては、図5または図7に示すような緊急操作画面、または図10に示すようなジョブの実行中の画面をLCD画面が表示している場合において、タッチパネル制御用マイコンが暴走したときに、LCD画面のソフトウェアキーにて受け付けていた操作をハードウェアキーに割り付ける場合について示した。しかし本発明は、暴走を検出した場合に、暴走を検出した時にタッチパネルにて受け付けていた操作をハードウェアキーに割り付けるものであればよく、暴走を検出した時の表示部の表示状態に制限はない。
【0128】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0129】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0130】
1 本体
2 原稿
3 自動原稿搬送装置
4 画像読取装置
5 プラテンガラス
6 光源
7 フルレートミラー
8,9 ハーフレートミラー
10 結像レンズ
11 画像読取素子
12 画像処理部
13Y,13M,13C,13K 画像形成ユニット
14 プリントヘッド部
15 感光体ドラム
16 帯電ロール
17 現像器
18 クリーニング装置
19 回転多面鏡
20 反射ミラー
21 ウインドウ
24 テンションロール
25 中間転写ベルト
26Y,26M,26C,26K 一次転写ロール
27 ドライブロール
28 バックアップロール
29 二次転写ロール
30 転写用紙
31 定着器
32 排出ロール
33 排出トレイ
34 給紙カセット
35 給紙ロール
36,39 ロール対
37,41 用紙搬送路
38 レジストロール
40 両面用搬送ユニット
44Y,44M,44C,44K トナーカートリッジ
50 搬送部
100 操作パネル
101 LCD画面
102 タッチパネルセンサー部
103 タッチパネル制御用マイコン
104 ハードウェアキー
105 警告LEDまたはブザー
106 タッチパネルIF
151 CPU
152 ROM
153 RAM
154 HDD
155 通信制御部
156 操作パネル制御部
157 入力装置制御部
158 認証装置制御部
159 画像出力装置制御部
160 認証制御部
181〜186,301〜304,IT1,IT2 キー
200 入力装置
210 認証装置
220 画像出力装置
300 ネットワーク
311〜314 表示
LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K レーザービーム
M1〜M3 メッセージ
PC1〜PC3 外部端末
TP タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
操作に関する前記表示部へのタッチ入力を受け付けるタッチパネルと、
ハードウェアキーと、
前記タッチパネルにて受け付けたタッチ入力の位置を検出するタッチパネル制御手段と、
前記タッチパネル制御手段がタッチ入力の位置を検出できない状態である暴走を検出する暴走検出手段と、
前記暴走検出手段にて暴走を検出した場合に、前記タッチパネルにて受け付けていた操作を前記ハードウェアキーに割り付ける割付手段とを備えた、操作パネル。
【請求項2】
前記暴走検出手段にて暴走を検出した場合に、前記ハードウェアキーに割り付けられている操作を通知する表示を前記表示部に行う通知手段をさらに備えた、請求項1に記載の操作パネル。
【請求項3】
親展ファックスの受信ジョブを実行している場合、親展ファックスの受信ジョブで受信済みのデータが存在する場合、および親展ファックスの予約受信ジョブが存在する場合のうち少なくともいずれか1つの場合において、前記暴走検出手段にて暴走を検出したときは、前記割付手段は、受信ジョブに関するデータを出力する指示を行うキーまたは受信ジョブを破棄する指示を行うキーを前記ハードウェアキーに割り付ける、請求項1または2に記載の操作パネル。
【請求項4】
前記タッチパネルが次操作に関するタッチ入力を受け付けている場合において、前記暴走検出手段にて暴走を検出したときは、前記割付手段は、次操作を行うキーを前記ハードウェアキーに割り付ける、請求項1〜3のいずれかに記載の操作パネル。
【請求項5】
前記割付手段が操作を割り付けた場合に、光および音のうち少なくともいずれか一方により警告を行う第1の警告発生手段をさらに備えた、請求項1〜4のいずれかに記載の操作パネル。
【請求項6】
前記暴走検出手段にて暴走を検出した場合に、前記タッチパネル制御手段を初期化する初期化手段をさらに備え、
前記初期化手段による初期化が完了した後で、前記割付手段は操作を割り付けることを中止する、請求項1〜5のいずれかに記載の操作パネル。
【請求項7】
前記割付手段が操作を割り付けることを中止した場合に、光および音のうち少なくともいずれか一方により警告を行う第2の警告音発生手段をさらに備えた、請求項6に記載の操作パネル。
【請求項8】
表示部と、操作に関する前記表示部へのタッチ入力を受け付けるタッチパネルと、ハードウェアキーと、前記タッチパネルにて受け付けたタッチ入力の位置を検出するタッチパネル制御手段とを備えた操作パネルの制御方法であって、
前記タッチパネル制御手段がタッチ入力の位置を検出できない状態である暴走を検出する暴走検出ステップと、
前記暴走検出ステップにて暴走を検出した場合に、前記タッチパネルにて受け付けていた操作を、前記ハードウェアキーに割り付ける割付ステップとを備えた、操作パネルの制御方法。
【請求項9】
表示部と、操作に関する前記表示部へのタッチ入力を受け付けるタッチパネルと、ハードウェアキーと、前記タッチパネルにて受け付けたタッチ入力の位置を検出するタッチパネル制御手段とを備えた操作パネルの制御プログラムであって、
前記タッチパネル制御手段がタッチ入力の位置を検出できない状態である暴走を検出する暴走検出ステップと、
前記暴走検出ステップにて暴走を検出した場合に、前記タッチパネルにて受け付けていた操作を、前記ハードウェアキーに割り付ける割付ステップとをコンピュータに実行させる、操作パネルの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−59986(P2013−59986A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201573(P2011−201573)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】