説明

攪拌装置と分析装置

【課題】音波の伝搬経路が短く、伝搬に伴う音波の減衰を抑えて液体の攪拌効率を向上させることが可能な攪拌装置と分析装置を提供すること。
【解決手段】攪拌対象の液体を保持する容器と、液体へ音波を照射すると共に、音波によって液体を攪拌する表面弾性波素子とを備えた攪拌装置と分析装置。攪拌装置20の表面弾性波素子22は、圧電基板22aと、圧電基板に設けられると共に、容器7及び圧電基板を介して液体に隣接する容器外側に配置され、液体を攪拌する音波を発生する発音部22bとを有している。容器及び圧電基板は、音波の透過する面の表面粗さが、前記発音部の発生する音波の波長よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌装置と分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、分析装置は、検体と試薬を含む液体試料を攪拌して反応させ、反応液を分析することにより、検体中の成分濃度等を分析している。このとき、液体試料を攪拌する攪拌装置は、いわゆるキャリーオーバーを回避すべく検体と試薬を含む液体試料を音波によって被接触で攪拌するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−257406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された液体攪拌デバイスは、音波発生体が発生した音波を伝達させると共に、少なくとも一部が液体と接触する伝達部を有しており、音波発生体が発生した音波を伝達部によって液体と接触する部分まで伝達し、液体と接触する部分で音波を液体中に放出している。このため、特許文献1の液体攪拌デバイスは、音波発生体から液体と接触する部分までの音波の伝達経路が長く、伝達部に沿って伝達される間に音波が減衰することから攪拌効率が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、音波の伝搬経路が短く、伝搬に伴う音波の減衰を抑えて液体の攪拌効率を向上させることが可能な攪拌装置と分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る攪拌装置は、攪拌対象の液体を保持する容器と、前記液体へ音波を照射すると共に、当該音波によって液体を攪拌する音波発生手段と、を備えた攪拌装置であって、前記音波発生手段は、圧電基板と、前記圧電基板に設けられると共に、前記容器及び前記圧電基板を介して前記液体に隣接する前記容器外側に配置され、前記液体を攪拌する音波を発生する発音部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る攪拌装置は、上記の発明において、前記容器及び前記圧電基板は、前記音波の透過する面の表面粗さが、前記発音部の発生する音波の波長よりも小さいことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る攪拌装置は、上記の発明において、前記発音部は、櫛歯状電極であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る攪拌装置は、上記の発明において、前記音波は、バルク波であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る攪拌装置は、上記の発明において、前記発音部が発生したバルク波の伝搬経路上に存在する第一の媒質は、複数の音波モードを有し、それぞれの音波モードの音響インピーダンスは、前記第一の媒質に隣り合う第二の媒質が有する複数の音波モードそれぞれの音響インピーダンスのうちの少なくとも一つと略等しいことを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る攪拌装置は、上記の発明において、前記音波発生手段は、前記容器に固定されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る攪拌装置は、上記の発明において、前記音波発生手段は、前記液体を攪拌する際に前記容器の外側に接触することを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項8に係る分析装置は、複数の異なる液体を攪拌して反応させ、反応液の光学的特性を測定して前記反応液を分析する分析装置であって、前記攪拌装置を用いて検体と試薬との反応液を光学的に分析することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる攪拌装置は、音波発生手段が、圧電基板と、圧電基板に設けられると共に、容器及び圧電基板を介して液体に隣接する容器外側に配置され、液体を攪拌する音波を発生する発音部とを有しており、分析装置は、前記攪拌装置を用いて検体と試薬との反応液を光学的に分析する。このため、本発明の攪拌装置と分析装置は、発音部が発生した音波が容器壁面を介して隣接する液体に入射することから音波の伝搬経路が短く、音波の伝搬に伴う減衰を抑えて液体の攪拌効率を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、本発明の攪拌装置と分析装置にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。図2は、実施の形態1の自動分析装置で使用する反応容器及び反応ホイールの一部を攪拌装置の概略構成図と共に示す斜視図である。図3は、実施の形態1の攪拌装置の構成を示すブロック図を反応容器の斜視図と共に示す図である。図4は、図3の反応容器の側壁に取り付ける表面弾性波素子の斜視図である。
【0016】
自動分析装置1は、図1に示すように、作業テーブル2上に検体テーブル3、検体分注機構5、反応ホイール6、測光装置10、洗浄装置11、試薬分注機構12及び試薬テーブル13が設けられ、攪拌装置20を備えている。
【0017】
検体テーブル3は、図1に示すように、駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って等間隔で配置される収納室3aが複数設けられている。各収納室3aは、検体を収容した検体容器4が着脱自在に収納される。
【0018】
検体分注機構5は、反応ホイール6に保持された複数の反応容器7に検体を分注する手段であり、図1に示すように、検体テーブル3の複数の検体容器4から検体を順次反応容器7に分注する。
【0019】
反応ホイール6は、検体テーブル3とは異なる駆動手段によって図1に矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って複数の凹部6aが等間隔で設けられている。反応ホイール6は、各凹部6aの半径方向両側に測定光が通過する開口6b(図2参照)が形成されている。反応ホイール6は、一周期で時計方向に(1周−1反応容器)/4分回転し、四周期で反時計方向に凹部6aの1個分回転する。反応ホイール6の外周近傍には、測光装置10、洗浄装置11及び攪拌装置20が配置されている。
【0020】
反応容器7は、容量が数nL〜数十μLと微量な容器であり、測光装置10の光源10aから出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する透明素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。反応容器7は、図2及び図3に示すように、側壁7a,7bと底壁7c(図5参照)とによって液体を保持する水平断面が正方形の液体保持部7dが形成され、液体保持部7dの上部に開口7eを有する四角筒形状のキュベットである。反応容器7は、側壁7aに取り付けられる表面弾性波素子22と共に攪拌装置20を構成しており、液体保持部7dの内面には検体や試薬等の液体に対する親和性処理が施されている。反応容器7は、側壁7aを反応ホイール6の半径方向に向けると共に、側壁7bを反応ホイール6の周方向に向けて、凹部6aに配置される。
【0021】
測光装置10は、図1に示すように、反応ホイール6の外周近傍に配置され、反応容器7に保持された液体を分析する分析光(340〜800nm)を出射する光源と、液体を透過した分析光を分光して受光する受光器とを有している。測光装置10は、前記光源と受光器が反応ホイール6の凹部6aを挟んで半径方向に対向する位置に配置されている。
【0022】
洗浄装置11は、反応容器7から液体や洗浄液を排出する排出手段と、洗浄液の分注手段とを有している。洗浄装置11は、測光終了後の反応容器7から測光後の液体を排出した後、洗浄液を分注する。洗浄装置11は、洗浄液の分注と排出の動作を複数回繰り返すことにより、反応容器7の内部を洗浄する。このようにして洗浄された反応容器7は、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0023】
試薬分注機構12は、反応ホイール6に保持された複数の反応容器7に試薬を分注する手段であり、図1に示すように、試薬テーブル13の所定の試薬容器14から試薬を順次反応容器7に分注する。
【0024】
試薬テーブル13は、検体テーブル3及び反応ホイール6とは異なる駆動手段によって図1に矢印で示す方向に回転され、扇形に成形された収納室13aが周方向に沿って複数設けられている。各収納室13aは、試薬容器14が着脱自在に収納される。複数の試薬容器14は、それぞれ検査項目に応じた所定の試薬が満たされ、外面には収容した試薬に関する情報を表示するバーコードラベル(図示せず)が貼付されている。
【0025】
ここで、試薬テーブル13の外周には、図1に示すように、試薬容器14に貼付した前記バーコードラベルに記録された試薬の種類,ロット及び有効期限等の情報を読み取り、制御部16へ出力する読取装置15が設置されている。
【0026】
制御部16は、検体テーブル3、検体分注機構5、反応ホイール6、測光装置10、洗浄装置11、試薬分注機構12、試薬テーブル13、読取装置15、分析部17、入力部18、表示部19及び攪拌装置20等と接続され、例えば、分析結果を記憶する記憶機能を備えたマイクロコンピュータ等が使用される。制御部16は、自動分析装置1の各部の作動を制御すると共に、前記バーコードラベルの記録から読み取った情報に基づき、試薬のロットや有効期限等が設置範囲外の場合、分析作業を停止するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する。
【0027】
分析部17は、制御部16を介して測光装置10に接続され、受光器が受光した光量に基づく反応容器7内の液体の吸光度から検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部16に出力する。入力部18は、制御部16へ検査項目等を入力する操作を行う部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。表示部19は、分析内容や警報等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。
【0028】
攪拌装置20は、表面弾性波素子22を駆動して発生する音波によって反応容器7に保持された液体を攪拌するもので、反応容器7の他に、図2及び図3に示すように、表面弾性波素子22に電力を送電する送電体21と、表面弾性波素子22とを有している。
【0029】
送電体21は、RF送信アンテナ21a、駆動回路21b及びコントローラ21cを有している。送電体21は、数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電源から供給される電力をRF送信アンテナ21aから駆動信号として表面弾性波素子22に発信する。RF送信アンテナ21aは、反応ホイール6の凹部6a側壁に取り付けられている。このため、攪拌装置20は、例えば、コントローラ21cによって制御されるスイッチを切り替えることにより、供給される電力を複数のRF送信アンテナ21aの中から特定のRF送信アンテナ21aに出力するように切り替える。
【0030】
駆動回路21bは、コントローラ21cからの制御信号に基づいて発振周波数を変更可能な発振回路を有しており、数十MHz〜数百MHz程度の高周波の発振信号をRF送信アンテナ21aへ出力する。ここで、RF送信アンテナ21aと駆動回路21bとの間は、反応ホイール6が回転しても電力が電送されるように、接触電極を介して接続されている。コントローラ21cは、駆動回路21bの作動を制御し、例えば、表面弾性波素子22が発する音波の特性(周波数,強度,位相,波の特性)、波形(正弦波,三角波,矩形波,バースト波等)或いは変調(振幅変調,周波数変調)等を制御する。また、コントローラ21cは、内蔵したタイマに従って駆動回路21bが発振する発振信号の周波数を切り替えることができる。
【0031】
表面弾性波素子22は、RF送信アンテナ21aから発信される駆動信号(電力)を受信して音波を発生する音波発生手段である。表面弾性波素子22は、図3及び図4に示すように、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等からなる圧電基板22a上に櫛歯状電極(IDT)からなる振動子22bとアンテナ22cが形成されている。振動子22bは、RF送信アンテナ21aから発信される駆動信号(電力)をアンテナ22cで受信することによって音波を発生する発音部である。振動子22bは、反応容器7及び圧電基板22aを介して反応容器7が保持した液体に隣接する反応容器7の外側に配置される。即ち、表面弾性波素子22は、図5及び図6に示すように、振動子22bを外側に向け、エポキシ樹脂や紫外線硬化樹脂等の音響整合層23を介して反応容器7の側壁7aに取り付けられる。なお、表面弾性波素子22は、圧電基板22a,振動子22b及びアンテナ22cの厚みの他、音響整合層23の厚みを含め、構成を明示するために実際の厚さを無視して模式的に描いており、他の実施の形態においても同様である。
【0032】
ここで、反応容器7及び圧電基板22aは、互いに重なり合い、音波が透過する面の表面粗さが、振動子22bの発生する音波の波長よりも小さくなるように表面を平滑に加工しておくことが望ましい。反応容器7及び圧電基板22aは、音波が透過する面の表面粗さが、振動子22bの発生する音波の波長よりも大きいと、発生した音波が反応容器7や圧電基板22aの表面で散乱される結果、図6に示す一定の方向に出射されなくなり、反応容器7に保持された液体の攪拌効率が低下してしまう。
【0033】
以上のように構成される自動分析装置1は、回転する反応ホイール6によって周方向に沿って搬送されてくる複数の反応容器7に試薬分注機構12が試薬容器14から試薬を順次分注する。試薬が分注された反応容器7は、反応ホイール6によって周方向に沿って搬送され、検体分注機構5によって検体テーブル3に保持された複数の検体容器4から検体が順次分注される。そして、検体が分注された反応容器7は、反応ホイール6によって攪拌装置20へ搬送され、分注された試薬と検体が順次攪拌されて反応する。このようにして検体と試薬が反応した反応液は、反応ホイール6が再び回転したときに測光装置10を通過し、光源から出射された分析光が透過する。このとき、反応容器7内の試薬と検体の反応液は、受光部で側光され、制御部16によって成分濃度等が分析される。そして、分析が終了した反応容器7は、洗浄装置11によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
【0034】
このとき、攪拌装置20は、制御部16を介して入力部18から予め入力された制御信号に基づき、反応ホイール6の停止時にコントローラ21cが駆動回路21bに駆動信号を入力する。これにより、表面弾性波素子22は、入力される駆動信号の周波数に応じて振動子22bが駆動され、図6に示すように、バルク波Wbを誘起する。誘起されたバルク波Wbは、圧電基板22a,音響整合層23を伝搬してから反応容器7の側壁7aへ入射し、側壁7a内を矢印で示すように伝搬した後、音響インピーダンスが近い液体Lへ漏れ出してゆく。
【0035】
この結果、漏れ出したバルク波によって反応容器7内の液体L中には、図5に示すように、振動子22bの斜め上方向に向かう流れFccが生じると共に、振動子22bの斜め下方向に向かう流れFcwが生じ、分注された試薬と検体とが攪拌される。
【0036】
このとき、攪拌装置20は、振動子22bを液体Lに隣接する側壁7aに向け、表面弾性波素子22が音響整合層23を介して側壁7aに取り付けられている。このため、攪拌装置20及び自動分析装置1は、振動子22bが発生した音波が反応容器7の側壁7aを介して隣接する液体Lに入射することから音波の伝搬経路が短いので、音波の伝搬に伴う減衰を抑えて液体Lの攪拌効率を向上させることができる。また、表面弾性波素子22は、圧電基板22aの外側に振動子22bが配置され、振動子22bは大気に曝されて固体に覆われていないので、振動子22bの励振が抑制され難く、駆動の際のエネルギー損失を小さく抑えることができる。
【0037】
ここで、一般に、気体や液体の流体中ではずれ弾性が存在しないため、音波は、疎密波として伝搬する縦波である。これに対し、固体中では、縦波の他、横波も存在する。一方、振動子22bを圧電基板22aの外側に配置した表面弾性波素子22によって音波を誘起する場合、振動子22bから圧電基板22aの内部へ伝搬し、音響整合層23を介して反応容器7の側壁7aに入射するには、発生させる音波は、バルク波である必要がある。この場合、表面弾性波素子22が発生した音波(バルク波)は、最小の伝搬ロスの下に液体Lに出射され、効率良く液体Lを攪拌する。
【0038】
このとき、振動子22bが発生した音波は、伝搬経路上に存在する音響インピーダンスの差が小さい媒質を通って伝搬される。このため、攪拌装置20は、表面弾性波素子22が発生する音波の伝搬経路上に存在する媒質を適宜選択することによって音響インピーダンスの差を小さくし、伝搬ロスを抑制することにより効率の良い攪拌を実現することができる。この場合、振動子22bが発生する音波の伝搬経路上に存在する第一の媒質は、複数の音波モードを有し、それぞれの音波モードの音響インピーダンスは、前記第一の媒質に隣り合う第二の媒質が有する複数の音波モードそれぞれの音響インピーダンスのうちの少なくとも一つと略等しい。
【0039】
即ち、攪拌装置20は、表面弾性波素子22の振動子22bが発生した音波の伝搬経路上に第一の媒質として圧電基板22a、第二の媒質として音響整合層23、第三の媒質として反応容器7の側壁7a、第四の媒質として液体Lが存在する。このとき、これら媒質の素材として、圧電基板22aはニオブ酸リチウム、音響整合層23は紫外線硬化樹脂、反応容器7はポリスチレン樹脂、液体Lは水とし、密度をρ、縦波の速度をVL、横波の速度をVS、縦波のインピーダンスをZL(=ρ・VL)、横波のインピーダンスをZS(=ρ・VS)とする。
【0040】
すると、圧電基板22aは、ρB=4.70g/cm3,VLB=4800m/s,VSB=3500m/sより、ZLB=22.56MRayl,ZSB=16.45MRaylとなる。音響整合層23は、ρM=1.15g/cm3,VLM=2600m/s,VSM=1070m/sより、ZLM=2.99MRayl,ZSM=1.23MRaylとなる。反応容器7は、ρC=1.05g/cm3,VLC=2400m/s,VSC=1070m/sより、ZLC=2.52MRayl,ZSC=1.12MRaylとなる。また、液体Lは、ρW=1.00g/cm3,VLW=1500m/sより、ZLW=1.5MRaylとなる。
【0041】
このとき、振動子22bが音波を発生した場合、各媒質では、図7に示すような音波モードが存在する。音波は、圧電基板22a内では縦波LB(ZLB=22.56MRayl)と横波SB(ZSB=16.45MRayl)の二つの音波モードが存在する。音響整合層23内では縦波LM(LB),LM(SB)(ZLM=2.99MRayl)と横波SM(LB),SM(SB)(ZSM=1.23MRayl)の二つの音波モードが存在する。また、反応容器7の側壁7a内では、音響整合層23内の縦波LM(LB),LM(SB)に起因する縦波LC(LM(LB)),LC(LM(SB))(ZLC=2.52MRayl)と横波SC(LM(LB)),SC(LM(SB))(ZSC=1.12MRayl)、音響整合層23内の横波SM(LB),SM(SB)に起因する縦波LC(SM(LB)),LC(SM(SB))(ZLC=2.52MRayl)と横波SC(SM(LB)),SC(SM(SB))(ZSC=1.12MRayl)の二つの音波モードが存在する。このように、音響整合層23が有する一つの音波モードの音響インピーダンスは、隣り合う反応容器7が有する複数の音波モードそれぞれの音響インピーダンスのうちの少なくとも一つと略等しくなるように構成されている。これらの縦波及び横波は、液体L中に入射すると総て縦波LWとなる。ここで、振動子22bが二方向性櫛歯状電極の場合、図7においては、音波の縦波及び横波は、線Lsの上下に対称に生ずるが、図面表示の簡単のため線Lsの上側の縦波及び横波についてのみ図示している。
【0042】
従って、攪拌装置20は、音響整合層23、反応容器7及び液体Lの素材を上記のように選択すると、隣接する媒質間の音響インピーダンスの差から、図7に示すように、振動子22bが発生した音波により、主に横波SBが、圧電基板22a内から音響整合層23に入射し、音響整合層23内を主に縦波LM(SB)として伝搬した後、反応容器7に入射する。その後、反応容器7の側壁7a内を主に縦波LC(LM(SB))として伝搬し、縦波LWのモードで液体L中に入射する。この場合、振動子22bが発生した音波は、圧電基板22a内を縦波LBも伝搬するが、音響インピーダンスの差が大きいことから音響整合層23には入射し難い。同様に、音響整合層23内を伝搬する横波SM(SB)は、側壁7aに縦波LC(SM(SB))としても入射するが、音響インピーダンスの差が大きいことから側壁7aに入射し難い。以下同様にして、境界における音響インピーダンスの差の大小関係によって縦波或いは横波の入射のし易さを判断することができる。
【0043】
ここで、本発明の攪拌装置20は、表面弾性波素子22の振動子22bとして櫛歯状電極(IDT)を使用しているので、構造が簡単であり、特に、振動子22bの部分を薄く構成することができる。また、攪拌装置20は、表面弾性波素子22が反応容器7に固定されているので、表面弾性波素子22を反応容器7と共に簡単に取り扱うことができる。
【0044】
このため、攪拌装置20は、図8に示すように、側壁7aを薄肉にして成形した凹部7fに振動子22bを反応容器7の外側に向け、音響整合層を介して表面弾性波素子22を凹部7fに埋め込んだ反応容器7を使用してもよい。この場合、攪拌装置20は、図9に示すように、反応容器7に取り付ける表面弾性波素子22の振動子22bを2つにしてもよい。このようにすると、攪拌装置20は、2つの振動子22bを時分割で駆動し、或いは2つの振動子22bの中心周波数を異ならせて同時に駆動する等、種々に組み合わせて使用することにより攪拌能力を向上させることができ、保持した液体が多い場合であっても液体を短時間で攪拌することができる。
【0045】
また、表面弾性波素子22を小型に構成することができるので、攪拌装置20は、図10に示す反応容器7のように、表面弾性波素子22を側壁7aの一部として用い、振動子22bを反応容器7の外側に向けて表面弾性波素子22を側壁7aの上部に埋め込んでもよい。
【0046】
一方、攪拌装置20は、図11に示す反応容器7のように、表面弾性波素子24を底壁7c下面に取り付けてもよい。表面弾性波素子24は、図12に示すように、基板24aの表面の中央に櫛型電極(IDT)からなる振動子24bが設けられ、受電手段となるアンテナ24cは振動子24bを囲むようにして一体に設けられている。この場合、表面弾性波素子24は、図13に示すように、振動子22bを反応容器7の外側に向け、音響整合層23を介して底壁7cに取り付ける。また、攪拌装置20は、送電体21のRF送信アンテナ21aを反応ホイール6の凹部6a底壁に設ける。
【0047】
さらに、攪拌装置20は、図14に示す反応容器7のように、表面弾性波素子24の圧電基板24aを底壁として用いてもよい。このとき、表面弾性波素子24は、振動子24bを反応容器7の外側に向けて圧電基板24aを側壁7aの下部に取り付ける。
【0048】
(実施の形態2)
次に、本発明の攪拌装置と分析装置にかかる実施の形態2について、図面を参照しつつ詳細に説明する。実施の形態1は、表面弾性波素子に無線によって電力を供給したが、実施の形態2は、有線によって表面弾性波素子に電力を供給している。図15は、攪拌装置を備えた自動分析装置の概略構成図である。図16は、図15の自動分析装置の構成を示すブロック図である。図17は、図15の自動分析装置で使用される攪拌装置の表面弾性波素子と、表面弾性波素子を取り付けた反応容器とを示す斜視図である。図18は、表面弾性波素子が取り付けられ、図15の自動分析装置で使用される反応容器を送電体と共に示す斜視図である。ここで、実施の形態2の自動分析装置は、攪拌装置が実施の形態1の攪拌装置20と同じ反応容器を使用しているので、反応容器については同じ符号を使用して説明している。
【0049】
自動分析装置30は、図15及び図16に示すように、試薬テーブル321,32、反応ホイール33、検体容器移送機構37、測光系42、洗浄機構43、制御部45及び攪拌装置50を備えている。
【0050】
試薬テーブル31,32は、図15に示すように、それぞれ周方向に配置される複数の試薬容器31a,32aを保持し、図示しない駆動手段に回転されて試薬容器31a,32aを周方向に搬送する。
【0051】
反応ホイール33は、図15に示すように、複数の反応容器7が周方向に沿って配列され、図示しない駆動手段によって正転或いは逆転されて反応容器7を搬送する。反応容器7は、近傍に設けた試薬分注機構35,36によって試薬テーブル321,32の試薬容器31a,32aから試薬が分注される。ここで、試薬分注機構35,36は、それぞれ水平面内を矢印方向に回動するアーム35a,36aに試薬を分注するプローブ35b,36bが設けられ、洗浄水によってプローブ35b,36bを洗浄する洗浄手段を有している。
【0052】
反応容器7は、図16に示すように、側壁7aに取り付けられる表面弾性波素子54と共に攪拌装置50を構成している。
【0053】
検体容器移送機構37は、図15に示すように、フィーダ38に配列した複数のラック39を矢印方向に沿って1つずつ移送する移送手段であり、ラック39を歩進させながら移送する。ラック39は、検体を収容した複数の検体容器39aを保持している。ここで、検体容器39aは、検体容器移送機構37によって移送されるラック39の歩進が停止するごとに、水平方向に回動する駆動アーム57bとプローブ41bとを有する検体分注機構41によって検体が各反応容器7へ分注される。このため、検体分注機構41は、洗浄水によってプローブ41bを洗浄する洗浄手段(図示せず)を有している。
【0054】
測光系42は、試薬と検体とが反応した反応容器7内の液体を分析するための分析光(340〜800nm)を出射するもので、図15に示すように、発光部42a,分光部42b及び受光部42cを有している。発光部42aから出射された分析光は、反応容器7内の液体を透過し、分光部42bと対向する位置に設けた受光部42cによって受光される。受光部42cは、制御部45と接続されている。
【0055】
洗浄機構43は、ノズル43aによって反応容器7内の液体を吸引して排出した後、ノズル43aによって洗剤や洗浄水等の洗浄液等を繰り返し注入し、吸引することにより、測光系42による分析が終了した反応容器7を洗浄する。
【0056】
制御部45は、自動分析装置30の各部の作動を制御すると共に、発光部42aの出射光量と受光部42cが受光した光量に基づく反応容器7内の液体の吸光度に基づいて検体の成分濃度等を分析し、例えば、マイクロコンピュータ等が使用される。制御部45は、図15及び図16に示すように、キーボード等の入力部46及びディスプレイパネル等の表示部47と接続されている。
【0057】
攪拌装置50は、表面弾性波素子54を駆動して発生する音波によって反応容器7に保持された液体を攪拌するもので、反応容器7の他に、図15及び図16に示すように、送電体51と表面弾性波素子54とを有している。送電体51は、反応ホイール33外周の互いに対向する位置に反応容器7と水平方向に対向させて配置され、数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電源から供給される電力を表面弾性波素子54に送電する。送電体51は、駆動回路とコントローラとを備えており、図18に示すように、表面弾性波素子54の電気端子54dに当接するブラシ状の接触子51aを有している。このとき、送電体51は、図15に示すように、配置決定部材52に支持されており、反応ホイール33の回転が停止したときに接触子51aから電気端子54dに電力を送電する。
【0058】
配置決定部材52は、制御部45によって作動が制御され、送電体51から電気端子54dに電力を送電する送電時に、送電体51を移動させて送電体51と電気端子54dとの反応ホイール33の周方向並びに半径方向における相対配置を調整するもので、例えば、2軸ステージが使用される。具体的には、配置決定部材52は、反応ホイール33が回転し、送電体51から電気端子54dに電力を送電していない非送電時は、作動が停止されて、送電体51と電気端子54dとを一定の距離に保持している。そして、配置決定部材52は、反応ホイール33が停止し、送電体51から電気端子54dに電力を送電する送電時には、制御部45の制御の下に作動して送電体51を移動させ、送電体51と電気端子54dとが対向するように反応ホイール33の周方向に沿った位置を調整すると共に、送電体51と電気端子54dとを近接させて接触子51aと電気端子54dとを接触させることで送電体51と電気端子54dとの相対配置を決定する。
【0059】
ここで、攪拌装置50は、自動分析装置30の制御部45を配置決定手段として使用し、反応ホイール33を回転駆動するモータ等の駆動手段を制御部45によって制御することにより反応ホイール33の周方向に沿った送電体51と電気端子54dとの相対配置を調整してもよい。このように、配置決定部材52は、送電体51と電気端子54dとが対向するように少なくとも反応ホイール33の周方向に沿った送電体51と電気端子54dとの相対配置を調整することができればよい。一方、送電体51と電気端子54dとの相対配置は、例えば、送電体51側に反射センサを設け、反応容器7或いは表面弾性波素子54の特定個所に設けた反射体からの反射を利用する等によって検出する。このとき、検出した相対配置のデータは制御部45に入力しておく。
【0060】
表面弾性波素子54は、図17及び図19に示すように、圧電基板54aの一方の面に櫛歯状電極(IDT)からなる振動子54bが設けられると共に、バスバー54cが他方の面まで延設され、バスバー54cの端部に電気端子54dが設けられた音波発生手段である。振動子54bは、送電体51から送電された電力によって音波を発生する発音部である。表面弾性波素子54は、自動分析装置30に反応容器7をセットしたとき、振動子54bを構成する複数の櫛歯状電極が鉛直方向に配列されるように、表面弾性波素子54を反応容器7の側壁7aに取り付ける。表面弾性波素子54は、振動子54bを反応容器7の外側に向け、エポキシ樹脂や紫外線硬化樹脂等の音響整合層55(図20参照)を介して反応容器7の側壁7aに取り付けられる。
【0061】
このとき、受電手段となる電気端子54dを含めて表面弾性波素子54は、測光系42による測光を妨げないように、図17に示すように、測光用の窓となる側壁7aの下部を避けて側壁7aの上下方向中間位置に配置する。表面弾性波素子54は、振動子54bとして櫛歯状電極(IDT)を使用するので、構造が簡単で小型な構成とすることができる。ここで、振動子54bは、櫛歯状電極(IDT)に代えてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を使用してもよい。
【0062】
以上のように構成される自動分析装置30は、制御部45の制御の下に作動し、回転する反応ホイール33によって周方向に沿って搬送されてくる複数の反応容器7に試薬分注機構35,36が試薬容器31a,32aから試薬を順次分注する。試薬が分注された反応容器7は、検体分注機構41によってラック39に保持された複数の検体容器39aから検体が順次分注される。そして、試薬と検体が分注された反応容器7は、反応ホイール33が停止する都度、攪拌装置50によって順次攪拌されて試薬と検体とが反応し、反応ホイール33が再び回転したときに測光系42を通過する。このとき、反応容器7内の液体は、受光部42cで側光され、制御部45によって成分濃度等が分析される。そして、分析が終了した反応容器7は、洗浄機構43によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
【0063】
このとき、攪拌装置50は、反応ホイール33が停止したときに送電体51が接触子51aから電気端子54dに電力を送電する。これにより、表面弾性波素子54は、振動子54bが駆動され、音波を誘起する。この誘起された音波が、音響整合層55から反応容器7の側壁7a内へと伝搬し、音響インピーダンスが近い液体中へ漏れ出してゆく。この結果、反応容器7内には、液体L中の振動子54bに対応する位置を起点として、図20に矢印で示すように、斜め上方向に向かう流れFccと、斜め下方向に向かう流れFcwが、それぞれ生じる。この2つの流れによって、反応容器7は、保持した液体Lが攪拌される。このとき、攪拌装置50は、配置決定部材52によって送電体51を電気端子54dに近接させると共に、送電体51と電気端子54dとが対向するように位置を調整するので、送電体51から電気端子54dへの送電が円滑に行われる。
【0064】
また、反応容器7は、振動子54bを液体Lに隣接する側壁7aに向け、表面弾性波素子54が音響整合層55(図20参照)を介して側壁7aに取り付けられている。このため、攪拌装置50及び自動分析装置30は、振動子54bが発生した音波が音響整合層55から側壁7aを通って隣接する液体Lに入射する。従って、攪拌装置50及び自動分析装置30は、音波の伝搬経路が短いため、伝搬に伴う音波の減衰が抑制されるので、液体Lの攪拌効率を向上させることができる。
【0065】
このため、攪拌装置50は、表面弾性波素子54が発生した音波の伝搬効率に優れており、構造も簡単である。この結果、自動分析装置30は、従来の分析装置に比べて小型化が可能であり、メンテナンスも容易になるという利点がある。また、表面弾性波素子54は、圧電基板54aの外側に振動子54bが配置され、振動子54bは大気に曝されて固体に覆われていないので、振動子54bの励振が抑制され難く、駆動の際のエネルギー損失を小さく抑えることができる。
【0066】
なお、実施の形態2の攪拌装置50は、送電体51がブラシ状の接触子51aを電気端子54dに当接させて電力を表面弾性波素子54に送電するように構成した。しかし、攪拌装置50は、表面弾性波素子54に送電する際、反応ホイール33が停止した後、ラックとピニオンとを有する配置決定部材52によって送電体51を反応容器7に近接させ、図21に示すように、送電体51に設けたばね付き端子51bが電気端子54dへ当接するように構成してもよい。このような構成とした場合、自動分析装置30は、反応ホイール33を回転させて反応容器7を搬送するときに、ばね付き端子51bが表面弾性波素子54と干渉しないように、配置決定部材52によって送電体51を反応容器7から遠ざける。
【0067】
また、攪拌装置50は、送電体51が接触子51aを電気端子54dに当接させて電力を表面弾性波素子54に送電する構成から、例えば、図22に示すように、送電体51にアーム部材57を設けると共に、アーム部材57の先端に表面弾性波素子58を設け、液体を攪拌する際にアーム部材57を繰り出して反応容器7の側壁7a外側に表面弾性波素子58が接触するようにしてもよい。このようにすると、攪拌装置は、表面弾性波素子の取り付け対象を設計に応じてアーム部材57又は反応容器7へと適宜変更することができ、設計上の自由度が増す。
【0068】
この場合、アーム部材57は、支持筒57aに駆動アーム57bが出没自在に支持されている。表面弾性波素子58は、圧電基板58aの一方の面に振動子58bが形成され、振動子58bを内側に向けて駆動アーム57bの端面に接着剤Adによって接着され、支持筒57a及び駆動アーム57bの内部に配線した電力線によって供給される電力によって駆動される。
【0069】
このように構成することにより、攪拌装置50は、表面弾性波素子58による液体の攪拌に際し、制御部45による制御の下、図23に示すように、音響整合液分注機構が有するノズル59から表面弾性波素子58に音響整合液Lmを吐出する。次に、攪拌装置50は、制御部45の制御の下、駆動アーム57bを繰り出し、図24に示すように、駆動アーム57b端面の表面弾性波素子58を反応容器7の側壁7aに当接させる。
【0070】
これにより、攪拌装置50は、表面弾性波素子58と側壁7aとの間に配置される音響整合液Lmの薄い膜を介して、表面弾性波素子58の振動子58bが発生する音波(バルク波)が、反応容器7の側壁7aから液体L中に漏れ出す。この結果、反応容器7は、漏れ出した音波(バルク波)によって液体L中の振動子58bの斜め上方向に向かう流れFccが生じると共に、振動子58bの斜め下方向に向かう流れFcwが生じ、液体Lが攪拌される。
【0071】
このとき、攪拌装置50は、振動子58bを側壁7aに向けて表面弾性波素子58が音響整合液Lmを介して側壁7aに接触し、音波(バルク波)が液体Lに照射されるまでの伝搬経路が短いので、音波の減衰を抑えて攪拌効率を向上することができる。そして、液体Lの攪拌が終了すると、攪拌装置50は、制御部45による制御の下、駆動アーム57bを引き戻し、表面弾性波素子58と反応容器7の側壁7aとの当接を解除する。
【0072】
なお、表面弾性波素子による液体の攪拌に際し、表面弾性波素子を反応容器7の側壁7aに当接させる攪拌装置50の構成は、実施の形態1の攪拌装置20にも適用することができる。このような構成を採用する場合、攪拌装置20は、反応ホイール6の外周近傍に表面弾性波素子22を取り付けたアーム部材57を配置すると共に、開口6bの上部に駆動アーム57bを挿通して表面弾性波素子22を反応容器7の側壁7aに当接させる当接用の開口を形成しておけばよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1の自動分析装置で使用する反応容器及び反応ホイールの一部を攪拌装置の概略構成図と共に示す斜視図である。
【図3】実施の形態1の攪拌装置の構成を示すブロック図を反応容器の斜視図と共に示す図である。
【図4】図3の反応容器の側壁に取り付ける表面弾性波素子の斜視図である。
【図5】保持した液体中に生ずる流れを示す図3に示す反応容器の断面図である。
【図6】図5に示す反応容器のA部拡大図である。
【図7】音波の伝搬経路上に存在する媒質の音響インピーダンスと縦波と横波の伝搬を説明する図である。
【図8】実施の形態1の攪拌装置で使用する反応容器の第1の変形例を示す断面図である。
【図9】実施の形態1の攪拌装置で使用する反応容器の第2の変形例を示す断面図である。
【図10】実施の形態1の攪拌装置で使用する反応容器の第3の変形例を示す断面図である。
【図11】実施の形態1の攪拌装置で使用する反応容器の第4の変形例を示す断面図である。
【図12】図11に示す反応容器で使用する表面弾性波素子の正面図である。
【図13】図11に示す反応容器のB部拡大図である。
【図14】実施の形態1の攪拌装置で使用する反応容器の第5の変形例を示す断面図である。
【図15】攪拌装置を備えた自動分析装置の概略構成図である。
【図16】図15の自動分析装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図15の自動分析装置で使用される攪拌装置の表面弾性波素子と、表面弾性波素子を取り付けた反応容器とを示す斜視図である。
【図18】表面弾性波素子が取り付けられ、図15の自動分析装置で使用される反応容器を送電体と共に示す斜視図である。
【図19】表面弾性波素子が取り付けられた反応容器の正面図である。
【図20】図19に示す反応容器のC1−C1線に沿った断面図である。
【図21】接触子をばね付き端子に代えた送電体の変形例を反応容器と共に示した斜視図である。
【図22】実施の形態2の攪拌装置の変形例を示す斜視図である。
【図23】図22に示す攪拌装置の変形例において、表面弾性波素子に音響整合液を吐出する様子をアーム部材、反応ホイールの一部及び反応容器を断面にして示す図である。
【図24】図23において、駆動アームを繰り出して端面の表面弾性波素子を反応容器の側壁に当接させた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 自動分析装置
2 作業テーブル
3 検体テーブル
4 検体容器
5 検体分注機構
6 反応ホイール
7 反応容器
10 測光装置
11 洗浄装置
12 試薬分注機構
13 試薬テーブル
14 試薬容器
15 読取装置
16 制御部
17 分析部
18 入力部
19 表示部
20 攪拌装置
21 送電体
22,24 表面弾性波素子
23 音響整合層
30 自動分析装置
31,32 試薬テーブル
33 反応ホイール
35,36 試薬分注機構
37 検体容器移送機構
38 フィーダ
39 ラック
41 検体分注機構
42 測光系
43 洗浄機構
45 制御部
46 入力部
50 攪拌装置
51 送電体
52 配置決定部材
54 表面弾性波素子
57 アーム部材
58 表面弾性波素子
Ad 接着剤
Fcc,Fcw 流れ
L 液体
Lm 音響整合液
Wb バルク波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
攪拌対象の液体を保持する容器と、
前記液体へ音波を照射すると共に、当該音波によって液体を攪拌する音波発生手段と、
を備えた攪拌装置であって、
前記音波発生手段は、
圧電基板と、
前記圧電基板に設けられると共に、前記容器及び前記圧電基板を介して前記液体に隣接する前記容器外側に配置され、前記液体を攪拌する音波を発生する発音部と、
を有することを特徴とする攪拌装置。
【請求項2】
前記容器及び前記圧電基板は、前記音波の透過する面の表面粗さが、前記発音部の発生する音波の波長よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項3】
前記発音部は、櫛歯状電極であることを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項4】
前記音波は、バルク波であることを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項5】
前記発音部が発生したバルク波の伝搬経路上に存在する第一の媒質は、複数の音波モードを有し、それぞれの音波モードの音響インピーダンスは、前記第一の媒質に隣り合う第二の媒質が有する複数の音波モードそれぞれの音響インピーダンスのうちの少なくとも一つと略等しいことを特徴とする請求項4に記載の攪拌装置。
【請求項6】
前記音波発生手段は、前記容器に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項7】
前記音波発生手段は、前記液体を攪拌する際に前記容器の外側に接触することを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
【請求項8】
複数の異なる液体を攪拌して反応させ、反応液の光学的特性を測定して前記反応液を分析する分析装置であって、請求項1〜7のいずれか一つに記載の攪拌装置を用いて検体と試薬との反応液を光学的に分析することを特徴とする分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−232522(P2007−232522A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−53440(P2006−53440)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】