説明

支柱

【課題】制振機能を備えた支柱の提供
【解決手段】支柱100は、支柱本体102と、第1ブラケット202と、第2ブラケット204と、高減衰ゴムの成形体206とを備えている。支柱本体102は、被設置部300に基端部102aが取り付けられることによって、被設置部300に立てられている。第1ブラケット202は、支柱本体102に対して直交する面に沿って延びた第1フランジ部220を有し、被設置部300に固定されている。第1ブラケット202は、支柱本体102に対して直交する面に沿って延び、かつ、第1フランジ部220に対向する第2フランジ部240を有し、支柱本体102に固定されている。高減衰ゴムの成形体206は、第1フランジ部220と第2フランジ部240との間に配置され、第1フランジ部220と第2フランジ部240とにそれぞれ取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱、例えば、道路標識又は道路設備などの支柱に関する。
【背景技術】
【0002】
道路標識又は道路設備などの支柱は、風や車両の走行の影響で振動する。例えば、高架橋などでは、車両の走行に伴って高架橋が揺れる。高架橋に設置された道路標識や道路敷設設備は、高架橋の揺れに伴い振動する。かかる振動は小さいが、長期に、かつ、継続して支柱に与えられる。このため、道路標識や道路設備の支柱は、疲労により破損(支柱が、中空管であれば、亀裂が生じる)することがある。
【0003】
かかる道路標識や道路設備の支柱について、風や車両の走行などによる入力振動を減衰させる制振装置に関しては、種々の提案がある。例えば、重りとバネを組み合わせた形態(特開平9−143939号公報)や、バネとオイルダンパーを組合せた形態(特開平5−187482号公報)や、粘性流体中に浸漬した形態(特開2006−71095号公報)、振り子として支柱外部に取り付ける形態(特開2007−239906号公報)が提案されている。また、支柱と固定部の間に振動吸収体を挟んだ形態(特開2001−73329号公報)、支柱内部に振動吸収体を埋設した形態(特開2001−207688号公報)が提案されている。他に、支柱内部にチェーンを垂らした形態(特許第4493090号、特開2006−2260368号公報)、支柱内部に粘性流体とその流れを制限する板を配したブロックを設置する形態(特開2007−127210号公報)、振り子をつるした形態(特開2007−170415号公報、特許第3222863号公報)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−143939号公報
【特許文献2】特開平5−187482号公報
【特許文献3】特開2006−71095号公報
【特許文献4】特開2007−239906号公報
【特許文献5】特開2001−73329号公報
【特許文献6】特開2001−207688号公報
【特許文献7】特許第4493090号
【特許文献8】特開2006−2260368号公報
【特許文献9】特開2007−127210号公報
【特許文献10】特開2007−170415号公報
【特許文献11】特許第3222863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
重りを支柱上部に取り付ける形態は、既存の道路標識又は道路設備に取り付ける場合、クレーンを介した大掛りなものになる。場合によっては、大掛かりに道路交通を制限する必要が生じる。また、上部に配されるため、外観が悪くなるし、支柱上部に重量が配分されるため、地震の際に大きな揺れが生じる可能性がある。またバネ単体では振動吸収がオイルダンパーを組合せたものよりも劣る。また、バネやダンパーを組合せたものは基本的にストローク方向と平行した成分の振動は吸収できるが、バネやダンパーに対して直交する成分の振動は吸収できない。また、振動吸収体を用いるものは振動吸収体に圧縮力や引っ張り荷重が作用する。振動吸収体にゴムを用いる場合、ゴムは圧縮に対する耐力が弱いため、許容される振幅が制限される。他に、支柱内部に振動吸収体を配するものは、外観に影響は無いが、基本的に新設分しか対応できず、既設分を改造する場合は、一旦標識を取り外すなどの大掛りの工事が必要となる。オイルや粘性体は温度依存性が高く、気温の影響で性能が不安定になる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る支柱は、支柱本体と、第1ブラケットと、第2ブラケットと、高減衰ゴムの成形体とを備えている。支柱本体は、被設置部に基端部が取り付けられることによって、被設置部に立てられている。第1ブラケットは、支柱本体に対して直交する面に沿って延びた第1フランジ部を有し、被設置部に固定されている。第2ブラケットは、支柱本体に対して直交する面に沿って延び、かつ、第1フランジ部に対向する第2フランジ部を有し、支柱本体に固定されている。高減衰ゴムの成形体は、第1フランジ部と第2フランジ部との間に配置され、第1フランジ部と第2フランジ部とにそれぞれ取り付けられている。支柱本体に生じる振動を減衰でき、支柱本体に生じるねじれを緩和できる。
【0007】
第1ブラケットは、支柱本体を囲む筒状の部材であり、かつ、周方向に分割可能な部材であってもよい。また、支柱は、被設置部に埋められた基礎と、基礎に設けられたアンカーボルトとを備えていてもよい。この場合、第1ブラケットは、アンカーボルトに取り付けられていてもよい。アンカーボルトを共通化できる。この場合、支柱本体は、基礎に設けられたアンカーボルトに取り付けられており、支柱本体と第1ブラケットとは、同じアンカーボルトに取り付けられていてもよい。このように、支柱本体と第1ブラケットを被設置部に固定するアンカーボルトを共通化してもよい。
【0008】
第2ブラケットは、それぞれ支柱本体を囲む筒状の部材であり、かつ、周方向に分割可能な部材であってもよい。これにより、それぞれ既設の支柱への取り付けが容易になる。さらに、第2ブラケットとは、分割された各構成部材で支柱本体を挟み、かつ、分割された各構成部材の間隔をボルトナットで締め付けることによって、支柱本体に固定されていてもよい。この場合、第2ブラケットと支柱本体との間には、支柱本体を保護する保護シートが挟まれているとよい。保護シートは、例えば、樹脂シート又はゴムシートであるとよい。
【0009】
また、複数の高減衰ゴムの成形体が支柱本体の周囲に配置されているとよい。この場合、複数の高減衰ゴムの成形体は、支柱本体の周囲に均等に配置されているとよい。また、高減衰ゴムは、せん断歪み10%〜30%において損失係数tanδが0.3〜1.0であるとよい。また、高減衰ゴムは、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびブタジエンスチレンゴムの中から選ばれた1又は2以上のゴムの配合物からなり、損失係数tanδが0.5以上であるとよい。また、高減衰ゴムは、耐候性に優れたゴムで被覆されているとよい。また、この場合、高減衰ゴムは、耐候性に加えて通気遮断性にも優れたゴムで被覆されているとよい。また、第2ブラケットおよび高減衰ゴムの成形体を覆う防水カバーを備えていてもよい。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る支柱用制振装置は、支柱本体に取り付けられる制振装置である。かかる支柱用制振装置は、第1ブラケットと、第2ブラケットと、高減衰ゴムの成形体とを備えている。第1ブラケットは、支柱本体に対して直交する面に沿って延びた第1フランジ部を有し、支柱本体が取り付けられた被設置部に固定されているとよい。第2ブラケットは、支柱本体に対して直交する面に沿って延び、かつ、第1フランジ部に対向する第2フランジ部を有し、支柱本体に固定されているとよい。また、高減衰ゴムの成形体は、第1フランジ部と第2フランジ部との間に配置され、第1フランジ部と第2フランジ部とにそれぞれ取り付けられているとよい。
【0011】
かかる支柱用制振装置において、第1ブラケットは、支柱本体を囲む筒状の部材であり、かつ、周方向に分割可能な部材であってもよい。また、支柱は、被設置部に埋められた基礎と、基礎に設けられたアンカーボルトとを備えており、当該アンカーボルトに支柱本体を固定する構成でもよい。この場合、第1ブラケットは、アンカーボルトに取り付けられる取付部を備えているとよい。これにより、支柱本体と、アンカーボルトを共通化できる。
【0012】
また、支柱用制振装置において、第2ブラケットは、それぞれ支柱本体を囲む筒状の部材であり、かつ、周方向に分割可能な部材であってもよい。これにより、それぞれ既設の支柱への取り付けが容易になる。さらに、第2ブラケットとは、分割された各構成部材で支柱本体を挟み、かつ、分割された各構成部材の間隔をボルトナットで締め付けることによって、支柱本体に固定されていてもよい。この場合、第2ブラケットと支柱本体との間には、支柱本体を保護する保護シートが挟まれているとよい。保護シートは、例えば、樹脂シート又はゴムシートであるとよい。
【0013】
また、複数の高減衰ゴムの成形体は、第1ブラケットおよび第2ブラケットが取り付けられる支柱本体に対して、支柱本体の周囲に均等に配置されるように設けてもよい。また、高減衰ゴムは、せん断歪み10%〜30%において損失係数tanδが0.3〜1.0であるとよい。また、高減衰ゴムは、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびブタジエンスチレンゴムの中から選ばれた1又は2以上のゴムの配合物からなり、損失係数tanδが0.5以上であるとよい。また、高減衰ゴムは、耐候性に優れたゴムで被覆されているとよい。また、この場合、高減衰ゴムは、耐候性に加えて通気遮断性にも優れたゴムで被覆されているとよい。また、第2ブラケットおよび高減衰ゴムの成形体を覆う防水カバーを備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る支柱を示す側面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る支柱本体の取り付け構造を示す図である。
【図3】図3は、支柱本体の基端部を示し、図2中のIII−III断面を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る支柱用制振装置の構造を示す側面図である。
【図5】図5は、第2ブラケット204を取り外した状態における、第1ブラケットの上面図であり、図4中のV−V断面を示す断面図である。
【図6】図6は、支柱用制振装置の上面図であり、図4中のVI−VI断面を示す断面図である。
【図7】図7は、高減衰ゴムの成形体の側面図である。
【図8】図8は、図7中のVIII−VIII断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る支柱を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、同じ作用を奏する部材又は部位には、適宜に同じ符号を付している。
【0016】
≪支柱100≫
図1は、本発明の一実施形態に係る支柱を示す図である。この支柱100は、図1に示すように、支柱本体102と、支柱用制振装置200とを備えている。支柱用制振装置200は、第1ブラケット202と、第2ブラケット204と、高減衰ゴムの成形体206と、防水カバー208を備えている。ここでは、まず支柱100について説明し、その後、支柱用制振装置200を説明する。
【0017】
≪支柱本体102≫
支柱本体102は、基端部102aが被設置部300に取り付けられることによって、被設置部300に立てられている。ここで、被設置部300は、地面や道路の路肩など、支柱100が設置される部位(場所)である。
【0018】
図2は、支柱本体102を被設置部300に取り付ける取り付け構造を示している。図3は、支柱本体102の基端部102aを示し、図2中のIII−III断面を示す断面図である。なお、図1は、支柱用制振装置200が描かれているため、支柱本体102を被設置部300に取り付ける構造は、図2に比べて簡素に描かれている。
【0019】
この実施形態では、被設置部300は、基礎として、杭基礎302と、コンクリート基礎304とを備えている。杭基礎302は、鋼管で構成されており、被設置部300に深く埋め込まれている。コンクリート基礎304は、図2に示すように、杭基礎302の上端に取り付けられている。コンクリート基礎304の上部には、支柱本体102の基端部102aを取り付ける取付部304aが設けられている。ここで、取付部304aは、支柱本体102の基端部102aに応じて被設置部300から少し盛り上がっている。コンクリート基礎304の取付部304aには、図3に示すように、8つのアンカーボルト306a〜306hが取り付けられている。支柱本体102の基端部102aは、かかるアンカーボルト306a〜306hに取り付けられている。なお、アンカーボルト306について、特に区別を明確にする場合に、a〜hの添え字を付している。特に区別を要さない場合には、添え字を付さず「アンカーボルト306」とする。
【0020】
≪支柱本体102の基端部102a≫
この実施形態では、図3に示すように、支柱本体102は中空の鋼管で構成されている。支柱本体102の基端部102aには、平板121が取り付けられている。この実施形態では、平板121は、基端部102aに溶接されている。支柱本体102の基端部102aの外周には、8つのリブ122が設けられている。なお、リブ122について、特に区別を明確にする場合に、a〜hの添え字を付している。特に区別を要さない場合には、添え字を付さず「リブ122」とする。リブ122a〜122hは、それぞれ支柱本体102の基端部102aと平板121とに溶接されており、支柱本体102の基端部102aと平板121との接合部位を補強している。
【0021】
支柱本体102の基端部102aの平板121には、アンカーボルト306a〜306hを挿し込む穴が形成されている。支柱本体102の基端部102aは、平板121をアンカーボルト306a〜306hに挿し込み、ナット(図示省略)で、アンカーボルト306a〜306hに止められている。
【0022】
図1に示す例では、支柱100は、道路標識用の支柱であり、上部に道路標識が取り付けられている。道路標識105が取り付けられる標識取付部110は、図2に示すように、支柱本体102の上部に、支柱本体102に直行する一方向に延びた枠体111で構成されている。この実施形態では、枠体111は、支柱本体102に直行する一方向に所定の間隔で平行に延びた2本の主軸112、113と、主軸112、113間に架け渡された架設軸114、115とを備えている。この実施形態では、主軸112、113と架設軸114、115とは、矩形の道路標識105の裏面に沿うように、矩形の枠組みに組まれた状態で溶接されている。かかる枠体111は、主軸112、113の基端が支柱100の上部に取り付けられている。
【0023】
かかる支柱100は、上部に支柱本体102に直行する一方向に沿って2本の軸が平行に延びている。このため、F型標識とも称される。また、図示は省略するが、支柱本体102に直行する一方向に沿って軸が延びており、当該軸に道路標識105が掲げられる場合がある。この場合は、L型標識とも称される。F型標識やL型標識は、片持ち梁型標識とも称される。
【0024】
かかるF型標識では、支柱本体102には、片持ち状態で、被設置部300に取り付けられている。かつ、F型標識では、支柱本体102上部において支柱本体102に直行する一方向に沿って2本の軸に、枠体111および道路標識105の重量が掛かっている。このため、図1に示すように、支柱本体102には、当該道路標識105が掲げられた側に力のモーメントNが作用する。また、道路標識105に風が吹き付けられた場合には、道路標識105の法線方向に外力Fが作用する。当該外力は支柱本体102にねじれを生じさせうる。
【0025】
このように、かかる支柱100には、支柱本体102にはモーメントNやねじれが生じる。道路標識のように道路に近接して設置される用途では、交通振動が加わり、継続して複雑な振動が支柱本体102に作用し得る。さらに高架橋に取り付けられている場合には、高架橋の揺れが加わるため、振幅が大きくなる。支柱本体102は、片持ち状態であり、特に、支柱本体102の基端部102aが破損し易い。この実施形態では、支柱100には、支柱本体102に生じる振動を軽減するべく、制振装置が取り付けられている。
【0026】
≪支柱用制振装置200≫
支柱用制振装置200は、支柱本体102に取り付けられる制振装置である。支柱用制振装置200は、第1ブラケット202と、第2ブラケット204と、高減衰ゴムの成形体206とを備えている。図4は、支柱用制振装置200の構造を示す側面図である。図5は、第2ブラケット204を取り外した状態における、第1ブラケット202の上面図であり、図4中のV−V断面を示す断面図である。図6は、支柱用制振装置200の上面図であり、図4中のVI−VI断面を示す断面図である。なお、図1では、防水カバー208が取り付けられているが、図4から図6では、防水カバー208が取り外された状態で図示されている。
【0027】
≪第1ブラケット202≫
第1ブラケット202は、支柱本体102が取り付けられた被設置部300に固定されている。
【0028】
この実施形態では、第1ブラケット202は、図4および図5に示すように、支柱本体102の基端部102aとの間に隙間212を作り、かつ、当該基端部102aの周囲を囲む略筒形状の部材である。第1ブラケット202は、周方向に分割可能に構成されている。第1ブラケット202は、被設置部300のアンカーボルト306(図3参照)に取り付けられる取付部222を備えているとよい。この実施形態では、取付部222として、第1ブラケット202の底224に取付穴が形成されている。かかる取付部222にアンカーボルト306を通し、ナットで止めることによって、支柱本体102の基端部102aに被設置部300のアンカーボルト306(図3参照)に取り付けるとよい。かかる構成によって、既存構造を用いて第1ブラケット202を被設置部300に固定することができ、第1ブラケット202を被設置部300に固定するために、被設置部300に新たな構造を設ける必要はない。
【0029】
なお、第1ブラケット202は、被設置部300に固定されていればよい。このため、必ずしも支柱本体102を取り付けるために設けられたアンカーボルト306に取り付けなくてもよい。この実施形態では、アンカーボルト306は、図3に示すように、8つある。第1ブラケット202は、被設置部300に固定されていればよく、全てのアンカーボルト306a〜306hに固定してもよいし、アンカーボルト306a〜306hのうち一部のアンカーボルト306に固定してもよい。また、この実施形態では、支柱本体102の基端部102aの平板121に対して、第1ブラケット202の底224が広い。このため、第1ブラケット202の底224を安定させるため、第1ブラケット202と被設置部300との間にスペーサ226が挟まれている。また、第1ブラケット202の底224は、支柱本体102の基端部102aのリブ122a〜122hと干渉しないように、リブ122a〜122hの部分に切り欠き(図示省略)が設けられている。
【0030】
≪第1ブラケット202の組み付け≫
第1ブラケット202は、周方向において分割可能である。第1ブラケット202を構成する各分割部材は、支柱本体102の外側に支柱本体102を囲むように組みつけられている。第1ブラケット202を構成する各分割部材には、対向するように締付片228、230が設けられている。この実施形態では、かかる締付片228、230をボルトナットで締め付けることによって、支柱本体102を囲むように、第1ブラケット202を固定している。このように、この実施形態では、第1ブラケット202は、被設置部300のアンカーボルト306に固定されている。かかる第1ブラケット202は、、第1ブラケット202の上部に第1フランジ部220を有している。
【0031】
≪第1フランジ部220≫
第1フランジ部220は、支柱本体102に対して直交する面に沿って延びている。この実施形態では、第1フランジ部220は、第1ブラケット202の上部において、支柱本体102の軸方向に対して直交する面に沿って延びた平板で構成されている。第1フランジ部220の上には、図4に示すように、第2ブラケット204の第2フランジ部240が対向している。以下、第2ブラケット204を説明する。
【0032】
≪第2ブラケット204≫
第2ブラケット204は、支柱本体102に固定されている。また、第2ブラケット204は、支柱本体102に対して直交する面に沿って延び、さらに第1ブラケット202の第1フランジ部220に対向する第2フランジ部240を有している。
【0033】
この実施形態では、第2ブラケット204は、図4および図6に示すように、支柱本体102に固定されている。略筒形状のボス部242を備えている。第2フランジ部240は、ボス部242の下端から、支柱本体102に対して直交する面に沿って延び、第1ブラケット202の第1フランジ部220に対向している。ボス部242と、第2フランジ部240との角部には、リブ244、246が設けられている。この実施形態は、第2ブラケット204は、図6に示すように、周方向に2つに分割可能に形成されており、リブ244は、第2ブラケット204を構成する各分割部材の周方向の両端に設けられている。この実施形態では、リブ246は、第2ブラケット204を構成する各分割部材の周方向の中間部位に設けられている。
【0034】
≪第2ブラケット204の組み付け≫
第2ブラケット204を構成する各分割部材は、支柱本体102の外側において、周方向に配設され、支柱本体102を挟むように組みつけられている。この実施形態では、第2ブラケット204を構成する各分割部材には、対向するように締付部248が設けられている。具体的には、第2ブラケット204を構成する各分割部材のうち、周方向の両端に設けられたリブ244が対向する。締付部248は、第2ブラケット204を構成する各分割部材のうち、周方向に対向するリブ244に設けられている。そして、かかるリブ244に設けられた締付部248をボルトナットで締め付けることによって、第2ブラケット204が支柱本体102に固定されている。
【0035】
≪保護シート≫
第2ブラケット204と支柱本体102との間には、支柱本体102を保護する保護シート210が挟まれている。この実施形態では、ボス部242の内径は、支柱本体102の外径と概ね同じか、支柱本体102の外径よりも少し広い。かかるボス部242と支柱本体102の間には、保護シート210が挟まれている。保護シート210は、第2ブラケット204を支柱本体102に固定するのに支障がなく、かつ、第2ブラケット204のボス部242によって挟まれる支柱本体102を保護できればよい。かかる保護シート210には、例えば、樹脂シート又はゴムシートを用いるとよい。
【0036】
≪高減衰ゴムの成形体206≫
高減衰ゴムの成形体206は、図4に示すように、第1フランジ部220と第2フランジ部240との間に配置され、第1フランジ部220と第2フランジ部240とにそれぞれ取り付けられている。図7は、高減衰ゴムの成形体206の側面図である。図8は、図7中のVIII−VIII断面を示す断面図である。
【0037】
高減衰ゴムの成形体206は、図7および図8に示すように、上プレート262と、下プレート264と、高減衰ゴム266とを備えている。この実施形態では、上プレート262と下プレート264は、それぞれ矩形のプレートである。高減衰ゴム266は、上プレート262と下プレート264とを対向させた型内にゴム素材を配置し、加硫成形し、上プレート262と下プレート264とにそれぞれ加硫接着しつつ、概ね中実円筒形状に成形されている。この実施形態では、成形の都合、高減衰ゴム266の中心部に、上下に貫通した貫通孔268が形成されている。
【0038】
高減衰ゴムの成形体206の下プレート264は、図4に示すように、第1ブラケット202の第1フランジ部220に取り付けられている。高減衰ゴムの成形体206の上プレート262は、第2ブラケット204の第2フランジ部240に取り付けられている。かかる取り付けはボルトナットでもよいし、溶接によってもよい。
【0039】
この実施形態では、高減衰ゴムの成形体206は、支柱本体102の周囲の複数(図5および図6に示す例では、6つの位置に配置されている。6つの高減衰ゴムの成形体206は、支柱本体102の周囲に概ね均等に配置されている。
【0040】
第1ブラケット202は、被設置部300に固定されており、第2ブラケット204は、支柱本体102の中間部位に固定されている。支柱本体102に振動が生じた場合には、高減衰ゴムの成形体206の上プレート262と下プレート264とは、相対的にせん断方向に変位する。このため、高減衰ゴム266には、上プレート262と下プレート264とのせん断変位に応じて、せん断変形が生じる。高減衰ゴム266は、支柱本体102に入力されるせん断変形に対して適当な抗力を発揮し、支柱本体102に作用する振動を減衰させることができる。
【0041】
また、F型標識やL型標識では、支柱本体102の一方向に標識が掲げられている。標識に対して風が引き付ける場合などでは、支柱本体102をねじる方向に力が作用する。この実施形態では、高減衰ゴムの成形体206は、支柱本体102の周囲に配置されており、上プレート262は、支柱本体102の中間部位に固定され、下プレート264は支柱本体102の基端部102aに固定されている。このため、支柱本体102にねじれが生じる場合には、上プレート262と下プレート264との間にせん断変位が生じる。このため、支柱本体102にねじれが生じた場合、高減衰ゴム266にせん断変位が生じ、高減衰ゴム266は支柱本体102のねじれに対して抗力を生じさせる。このため、この支柱用制振装置200は、支柱本体102に生じるねじれを緩和することができる。さらに、高減衰ゴムの成形体206は、地震などの大きな揺れに対しても機能し、支柱本体102に生じる揺れを緩和することができる。
【0042】
この実施形態では、高減衰ゴムの成形体206は、支柱本体102の周囲に複数の高減衰ゴムの成形体206が均等に配置されている。このため、支柱本体102がどの方向に振動しても減衰できる。また、この実施形態では、高減衰体として高減衰ゴム(ゴム)が用いられている。ゴムは、オイルや粘性体より温度依存性が小さく、オイルまたは粘性体に比べて気温による影響を受けにくい。
【0043】
また、この実施形態では、支柱用制振装置200の各部材(第1ブラケット202、第2ブラケット204および高減衰ゴムの成形体206)は、支柱本体102の基端部102aの外周に設置されている。このため、既設の支柱100に対して施工が容易である。
【0044】
≪高減衰ゴム266の物性≫
ここで、高減衰ゴム266は、せん断歪み10%〜30%において損失係数tanδが凡そ0.3〜1.0であるとよい。これにより、支柱用制振用として、入力されるせん断変形に対して適当な抗力を発揮し、支柱本体102に作用する振動を減衰させることができる。
【0045】
例えば、高減衰ゴム266は、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびブタジエンスチレンゴムの中から選ばれた1又は2以上のゴムの配合物からなり、損失係数tanδが0.5以上であるとよい。
【0046】
≪耐候性ゴム270≫
また、高減衰ゴム266の成形体は、図7および図8に示すように、耐候性に優れたゴム270で被覆してもよい。また、かかるゴム270は、耐候性に加えて通気遮断性にも優れたゴムであるとよい。
【0047】
≪防水カバー208≫
さらに図1に示すように、この実施形態では、第2ブラケット204および高減衰ゴムの成形体206は、防水カバー208によって覆われている。防水カバー208は、例えば、第1ブラケット202の上部から、第2ブラケット204および高減衰ゴムの成形体206を覆い、かつ、第2ブラケット204の上部において、支柱本体102に固定するとよい。防水カバー208は、例えば、ベルトを用い、支柱本体102や、第1ブラケット202の上部に取り付けるとよい。
【0048】
このように、この実施形態では、高減衰ゴム266を耐候性や通気遮断性に優れたゴム270で被覆し、さらに、防水カバー208を取り付けている。これにより、高減衰ゴム266の酸化劣化、紫外線およびオゾン破壊から、高減衰ゴム266を保護することができ、支柱用制振装置200の耐久性を向上させることができる。また、虫や小動物が、高減衰ゴムの成形体206およびその取付部に入り込むのを防止できる。また、防水カバー208は、高減衰ゴムの成形体206およびその取付部を隠すことができるので、支柱100の美感を保つことができる。
【0049】
≪試験および評価方法≫
さらに、本発明者は、図1に示すような、F型標識(片持ち梁型標識)を用いて、上記支柱用制振装置200を取り付けて試験をした。また、この際、高減衰ゴム266の物性を変えて、かかる支柱用制振装置200に用いる高減衰ゴム266として適当な物性を検討した。
【0050】
ここでは、支柱本体102は、基端部102aの外径が凡そ320mm、支柱の高さが凡そ6500mm、支柱本体102に取り付けられる枠体111の横方向の長さが凡そ3500mmの片持ち梁型標識を用いた。また、標識として、凡そ120kgの標識105を枠体111に取り付けた。なお、ここでは、標識自体の重量は凡そ120kgであり、標識105、枠体111、支柱本体102を合わせると凡そ316kgとなる。
【0051】
この際、第1ブラケット202は、高さ800mm、外径が800mmの鋼板製の中空筒で構成し、図4とは異なり、道路にコンクリートアンカーで固定した。第1ブラケット202には、同心円上に高減衰ゴムの成形体206の下プレート264を固定した。次に、高減衰ゴムの成形体206の上プレート262を、第2ブラケット204に固定するとともに、第2ブラケット204を支柱本体102に固定した。
【0052】
高減衰ゴム266については、複数のサンプルを用意して、かかる支柱用制振装置200に用いられるのに適当な高減衰ゴム266の物性を評価した。例えば、サンプル1では、天然ゴム配合し、損失係数tanδが0.35の高減衰ゴムを用いた。サンプル2では、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)配合を採用し、損失係数tanδが0.25のゴムを用いた。さらに、比較のため、サンプル3では、高減衰ゴムの成形体206を取り付けない状態、すなわち支柱用制振装置200が取り付けられていない状態を評価した。
【0053】
試験では、凡そ3m/sの軽風時に、支柱本体102の頂部の最大振幅を測定した。その結果を、表1に示す。表1に示すように、支柱用制振装置200を取り付けることより本発明によって支柱の振動が抑制される。
【0054】
高減衰ゴムの成形体206に用いられる高減衰ゴム266は、せん断歪み10%〜30%において損失係数tanδが概ね0.3〜1.0であるとよいとの知見を得た。ここで、高減衰ゴム266のせん断歪みは、高減衰ゴム266の厚さh(上プレート262と下プレート264の間隔)に対する、上プレート262と下プレート264のせん断変位Δrの比(Δr/h)である。
【0055】
【表1】

【0056】
なお、せん断歪み10%〜30%において高減衰ゴム266の損失係数tanδが0.3より小さいと所望の減衰効果を得ることができない。また、せん断歪み10%〜30%において高減衰ゴム266の損失係数tanδが1.0より大きいと、減衰効果は大きいが、温度依存性や振幅依存性が大きくなり制振効果が不安定となる傾向がある。なお、ここで、高減衰ゴム266について、高減衰とは、20℃、せん断歪み25%下で損失係数tanδ≧0.05であることを意味する。
【0057】
また、この実施形態では、支柱本体102の周りに6つの高減衰ゴムの成形体206が均等に配置されている。第1ブラケット202と第2ブラケット204のあらゆる方向のせん断変位に対して、高減衰ゴムの成形体206を作用させるには、高減衰ゴムの成形体206を周方向においてバランスよく配置するのがよい。この場合、3個以上の高減衰ゴムの成形体206を支柱本体102の周りにバランスよく配置するのが好ましい。また、複数の高減衰ゴムの成形体206を取り付ける場合には、周方向において概ね均等に配置するのがよい。さらに、高減衰ゴム266は、温度依存性が小さい方が好ましい。
【0058】
この場合、高減衰ゴム266のせん断歪み10%〜30%における損失係数tanδや、高減衰ゴム266の数、支柱本体102の周りに配置される高減衰ゴム266のせん断断面積の総和などを考慮して、支柱本体102の想定される振動、振幅に対して、所要のせん断力が得られるように設計するとよい。かかる観点において、高減衰ゴムの成形体206に用いられる高減衰ゴム266は、例えば、せん断歪み10%〜30%において損失係数tanδが概ね0.3〜1.0であるとよい。これにより、高減衰ゴム266の使用量を抑えつつ、適切な機能を奏する支柱用制振装置200を得ることができる。
【0059】
高減衰ゴム266の具体例として、天然ゴム以外にも、例えば、SBR、NBR、BR、シリコンゴム、EPDM、ブチルゴム等のゴム、又はこれらのゴムに充填剤、オイル、カップリング剤を配合したゴム配合物等があり、特に、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブタジエンスチレンゴムが好ましい。高減衰ゴム266の特に好ましい例としては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびブタジエンスチレンゴムの中から選ばれた1又は2以上のゴムの配合物からなり、損失係数tanδが0.5以上であるとよい。
【0060】
高減衰ゴムの成形体206は、硬質板との積層体(いわゆる積層ゴム)であってもよい。また、高減衰ゴム266の断面形状は、円形に限らず、例えば、その他、角形、菱形、扇形などその形状を問わないが、製作上、円形が好ましい。また、高減衰ゴム266は、中空状でもよい。
【0061】
また、第2ブラケット204は、例えば、支柱本体102の基端から支柱本体102の基端から0.5mから2mの位置に取り付けるとよい。すなわち、第2ブラケット204の支柱本体102への取り付け位置が、支柱本体102の基端に近すぎると、高減衰ゴムの成形体206に所要のせん断変位が入力されず、所要の減衰効果が得られない。第2ブラケット204を支柱本体102の高い位置に取り付けると、取り付け作業や交換作業が難しくなる。
【0062】
また、高減衰ゴム266に圧縮荷重が掛からないように、第1ブラケット202の第1フランジ部220と第2ブラケット204の第2フランジ部240との間にスペーサを介在させてもよい。かかるスペーサは、転動可能な球体や、摺動可能な摺動体を設けてもよい。また、高減衰ゴム266のせん断変形を規制するストッパを設けてもよい。
【0063】
また、支柱本体102の振動減衰に最適なばね定数は、支柱の設計諸元、高減衰ゴムの成形体206の取り付け位置(第2ブラケット204の取り付け位置)、及び、高減衰ゴム266の損失係数tanδから求められる。ばね定数Kは、高減衰ゴム266のせん断弾性率をG、高さをH(図7参照)、剪断断面積をA(図8参照)とすると、K=G*A/Hで求められる。
【0064】
一般に、高減衰ゴム266のせん断歪みによる影響は、高減衰ゴム266の径に対して高さが小さい方が少なく、繰り返し疲労に対してはせん断歪みが小さい方が長期的に安定している。一方、支柱本体102の振動に対して、上プレート262と下プレート264のせん断変位は、ほぼ2mm未満である。これに対して、せん断歪みは50%以下、より好ましくは30%以下になるように設定する。従って、1個の高減衰ゴム266のばね定数が100〜350kgf/cmであるとき、高減衰ゴム266は、その高さが10mm〜50mm程度、円柱断面の径が40mm〜80mm程度が好適である。
【0065】
装置全体としてのばね定数を増減させる場合、上述した高減衰ゴム266の剪断断面積を増減させる以外にも、支柱本体102に対して高減衰ゴム266の個数を増減させることでも実現できる。高減衰ゴム266の個数を増減させる場合、支柱本体102を中心として、周方向に均一にバランスよく配置することが望ましい。
【0066】
また、上述したように、F型標識やL型標識では、支柱本体102の一方向(標識が掲げられた方向)に常時荷重がかかっている。この場合、高減衰ゴム266は、支柱本体102に対して必ずしも均等に配置する必要はない。例えば、標識が掲げられた方向に応じて、高減衰ゴム266の配置を偏らせてもよい。
【0067】
以上、本発明の一実施形態に係る支柱および支柱用制振装置を説明したが本発明は上述した実施形態に限定されない。
【0068】
例えば、上述した実施形態では、道路標識用の支柱を例示したが、本発明に係る支柱および支柱用制振装置は、道路標識用の用途に限定されず、例えば、アンテナの支柱や、旗を立てる支柱など、種々の支柱に適用できる。
【符号の説明】
【0069】
100 支柱
102 支柱本体
102a 支柱本体の基端部
105 道路標識(標識)
110 標識取付部
111 枠体
112、113 主軸
114、115 架設軸
121 平板
122、122a〜122h リブ
200 支柱用制振装置
202 第1ブラケット
204 第2ブラケット
206 高減衰ゴムの成形体
208 防水カバー
210 保護シート
212 隙間
220 第1フランジ部
222 取付部(取付穴)
224 第1ブラケットの底
226 スペーサ
228、230 締付片
240 第2フランジ部
242 ボス部
244、246 リブ
248 締付部
262 上プレート
264 下プレート
266 高減衰ゴム
268 貫通孔
270 ゴム(耐候性ゴム)
300 被設置部
302 杭基礎
304 コンクリート基礎
304a 取付部
306、306a〜306h アンカーボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被設置部に基端部が取り付けられることによって、前記被設置部に立てられた支柱本体と、
前記支柱本体に対して直交する面に沿って延びた第1フランジ部を有し、前記被設置部に固定された第1ブラケットと、
前記支柱本体に対して直交する面に沿って延び、かつ、前記第1フランジ部に対向する第2フランジ部を有し、前記支柱本体に固定された第2ブラケットと、
前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に配置され、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とにそれぞれ取り付けられた、高減衰ゴムの成形体と
を備えた、支柱。
【請求項2】
前記第1ブラケットは、前記支柱本体を囲む筒状の部材であり、かつ、周方向に分割可能な部材である、請求項1に記載された支柱。
【請求項3】
前記被設置部に埋められた基礎と、
前記基礎に設けられたアンカーボルトと
を備え、
前記第1ブラケットは、前記アンカーボルトに取り付けられている、請求項1又は2に記載された支柱。
【請求項4】
前記支柱本体は前記基礎に設けられたアンカーボルトに取り付けられており、
前記支柱本体と第1ブラケットとは、同じアンカーボルトに取り付けられている、請求項3に記載された支柱。
【請求項5】
前記第2ブラケットは、前記支柱本体を囲む筒状の部材であり、かつ、周方向に分割可能な部材である、請求項1から4までの何れか一項に記載された支柱。
【請求項6】
前記第2ブラケットは、分割された各構成部材で前記支柱本体を挟み、かつ、分割された各構成部材の間隔をボルトナットで締め付けることによって、前記支柱本体に固定された、請求項5に記載された支柱。
【請求項7】
前記第2ブラケットと前記支柱本体との間には、前記支柱本体を保護する保護シートが挟まれている、請求項6に記載された支柱。
【請求項8】
前記保護シートは、樹脂シート又はゴムシートである、請求項7に記載された支柱。
【請求項9】
前記高減衰ゴムの成形体は、前記支柱本体の周囲の複数の位置に配置されている、請求項1から8までの何れか一項に記載された支柱。
【請求項10】
前記高減衰ゴムの成形体は、前記支柱本体の周囲に均等に配置されている、請求項9に記載された支柱。
【請求項11】
前記高減衰ゴムは、せん断歪み10%〜30%において損失係数tanδが0.3〜1.0である、請求項1から10までの何れか一項に記載された支柱。
【請求項12】
前記高減衰ゴムは、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムおよびブタジエンスチレンゴムの中から選ばれた1又は2以上のゴムの配合物からなり、損失係数tanδが0.5以上である、請求項1から11までの何れか一項に記載された支柱。
【請求項13】
前記高減衰ゴムは、耐候性に優れたゴムで被覆されている、請求項1から12までの何れか一項に記載された支柱。
【請求項14】
前記高減衰ゴムは、耐候性に加えて通気遮断性にも優れたゴムで被覆されている、請求項13に記載された支柱。
【請求項15】
前記第2ブラケットおよび前記高減衰ゴムの成形体を覆う防水カバーを備えた、請求項1から14までの何れか一項に記載された支柱。
【請求項16】
支柱本体に取り付けられる制振装置であって、
前記支柱本体に対して直交する面に沿って延びた第1フランジ部を有し、前記支柱本体が取り付けられた被設置部に固定された第1ブラケットと、
前記支柱本体に対して直交する面に沿って延び、かつ、前記第1フランジ部に対向する第2フランジ部を有し、前記支柱本体に固定された第2ブラケットと、
前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に配置され、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とにそれぞれ取り付けられた、高減衰ゴムの成形体と
を備えた、支柱用制振装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−28948(P2013−28948A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165364(P2011−165364)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】