説明

改善されたカーボンナノチューブ・ベースの半導体デバイス、およびそれらの製造方法

光起電デバイスを製造する方法であって、カーボンナノチューブを合成するステップと、合成されたカーボンナノチューブを、有効バンドギャップを生成するように表面欠陥を設けるべく改作するステップと、カーボンナノチューブとの間の効率的なエネルギ伝達を促進する有機半導体材料を、HOMOおよびLUMOのエネルギ・レベルの間に形成されるエネルギ・バンドギャップが、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップの範囲内にあるように選択するステップと、改作されたカーボンナノチューブと選択された有機材料とを組み合わせて複合材料を形成するステップと、を含んでいる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された光起電または発光デバイス、ならびにそれらの製造方法に関する。とくには、本発明は、複合材料を形成すべくカーボンナノチューブが特定の有機半導体材料に組み合わせられる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この出願において、カーボンナノチューブ(CNT)が、単層の導電性または半導電性の単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、および両者の混合物を意味することを意図していることに、注意すべきである。また、本発明が、特定の長さまたは直径のCNTに限定されないことを、理解すべきである。さらに、カーボンナノチューブは、いくつかの異なる方法(例えば、化学気相成長法(CVD)、アーク放電法、およびレーザ・アブレーション法)によって合成することができるため、本出願が、いかなる特定のカーボンナノチューブの製造方法にも限定されないことを、理解すべきである。
【0003】
また、本出願において、有機マトリクスが、分子、オリゴマー、またはポリマー形式、あるいはこれらの任意の組み合わせの有機半導体を意味することを意図していることに、注意すべきである。さらに、有機マトリクスは、1つ以上の有機絶縁材料に組み合わせられた1つ以上の有機半導体も意味しうる。
【0004】
カーボンナノチューブの製造の分野において、研究および開発が大いになされてきている。本出願の出願人は、これまでに、カーボンナノチューブの製造に関する特許を出願している。そのような出願の1つ(PCT/GB02/003438(WO03/011755))は、プラスチックなどの有機材料との適合性を改善する低温でのカーボンナノチューブの製造に関係している。
【0005】
膨大な量の研究および開発が、有機半導体材料およびデバイスへと行われてきた。本出願の出願人は、これまでに、カーボンナノチューブを一様に分散させて有している有機半導体薄膜の製造方法、およびそのような薄膜を取り入れてなるデバイスに関し、有機半導体およびカーボンナノチューブ(英国特許出願第0514038.9号)の複合材料に関する特許を出願している。
【0006】
有機半導体を、スピンコーティングまたは印刷の技術を使用して室温にて大面積の薄膜へと加工することが可能であり、これが、有機半導体を、太陽電池および発光ダイオードなどといった低コストな電子デバイスのための基礎として魅力的なものにしている。有機発光ダイオードが、今やニッチな用途において市場へと導入されているが、大面積の表示装置および照明全般のための白色光源という最終的な目標は、デバイスの性能がさらに改善されない限り、実現することができない。有機太陽電池が、クリーンかつ低コストなエネルギの解決策としての潜在能力を達成するためには、溶液プロセスのコストの利点を維持しつつ、電力変換効率および動作の安定性を改善しなければならない。従来からのシリコン太陽電池は、高い効率およびデバイスの耐久性を呈するが、製造コストがきわめて高い。クリーンかつ低コストなエネルギの解決策を求める緊急の世界的ニーズに鑑み、太陽電池は、有機半導体の最も重要な潜在的用途の1つである。
【0007】
カーボンナノチューブが、複合材料を形成すべく組み合わせられたときに、有機材料からの発光の放射を消してしまうことが広く知られている。すなわち、有機材料の発光特性
が、複合材料を形成すべくカーボンナノチューブと組み合わせた場合に損なわれてしまう。
【0008】
カーボンナノチューブが、コヒーレントな光(レーザ光)で励起されたときに可視の発光材料であることが知られている。すなわち、カーボンナノチューブは、紫外、可視、または赤外の光を効率的に吸収し、可視光を放射する。典型的には、吸収される光のエネルギが、放射される光よりも大きい。しかしながら、吸収される光のエネルギが、放射される光のエネルギよりも少ないことも可能であり、その場合には、吸収プロセスが、多光子吸収として説明される。カーボンナノチューブからの発光は、一般に、固体基板上に支持され、あるいは溶液中に懸濁させられた孤立のカーボンナノチューブに限られる。
【0009】
また、カーボンナノチューブからの可視の発光を、外表面を官能化することによって大幅に向上できることも知られている。外表面の化学的な修飾によるカーボンナノチューブの可視の発光の改善は、官能化の際に形成される欠陥によって達成されると考えられ、特定の官能基に限定されない。改作されたカーボンナノチューブからの可視の発光が、カーボンナノチューブに付着させた可視の発色団からの発光とは別個であることに、注意することが重要である。
【0010】
有機太陽電池(光起電デバイス)および有機発光ダイオードなど、薄膜有機半導体層を使用してデバイスを製造することが、知られている。これらの用途においては、有機半導体の低い電荷担体移動度(10−6cm−1−1〜10−1cm−1−1)ゆえ、これらの材料のきわめて薄い層(<200nm)を使用する必要がある。有機太陽電池においては、きわめて薄い有機膜を使用しなければならないというこの要件ゆえに、光の吸収が限られる。この問題は、有機半導体の吸収の波長の範囲が限られていることによって、さらに深刻である。これらの要因が、太陽のスペクトルの大部分が電気エネルギの生成に使用されないために、有機太陽電池の効率を大幅に制限している。
【0011】
Liらによる研究(Materials Chemistry and Physics 2004 vol.88 53〜58頁)において、改作されたカーボンナノチューブとポリアクリルアミドとの複合材料の製造が、文献化されている。この研究は、ポリアクリルアミド薄膜の耐荷重および耐摩耗性の改善を目的としている。ポリアクリルアミドからの可視のPL(発光)が、複合材料を形成するために改作されたカーボンナノチューブに組み合わせられたとき、わずかにしか向上しない旨(係数1.6の向上)が記載されている。このようなわずかな効果は、励起光の散乱に起因すると考えることができ、有機マトリクス材料のエネルギ・レベルが、改作されたカーボンナノチューブからポリマー・マトリクスへの効率的なエネルギ伝達を可能にしていないことを示している。また、この研究において使用されているポリマーは、絶縁体であり、光電子デバイスの用途における能動部品として適さないものになっている。
【0012】
さらに、着色された有機材料、とくには有機半導体が、光による退色を受けやすいことも知られている。すなわち、長期にわたって光にさらされることで、有機材料のうちの発色部分の劣化が生じ、それらの吸収および/または放射の特性が不可逆的に劣化する。有機半導体が光による退色を受けやすい点が、商業的に成立可能な有機太陽電池(長年にわたる強力な太陽放射に対して安定していなければならない)の実現における大きな制限因子である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述の問題を克服し、あるいは少なくとも軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様において、本発明は、光起電デバイスを製造する方法であって、カーボンナノチューブを合成するステップと、合成されたカーボンナノチューブを、有効バンドギャップを生成するように表面欠陥を設けるべく改作するステップと、カーボンナノチューブとの間の効率的なエネルギ伝達を促進する有機半導体材料を、最高占有分子軌道(HOMO)および最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギ・レベルの間に形成されるエネルギ・バンドギャップが、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップの範囲内にあるように選択するステップと、改作されたカーボンナノチューブと選択された有機材料とを組み合わせて複合材料を形成するステップと、を含んでいる方法を提供する。
【0015】
さらなる態様において、本発明は、発光デバイスを製造する方法であって、カーボンナノチューブを合成するステップと、合成されたカーボンナノチューブを、有効バンドギャップを生成するように表面欠陥を設けるべく改作するステップと、改作されたカーボンナノチューブへの効率的なエネルギ伝達を促進する有機半導体材料を、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップが、有機材料のHOMOおよびLUMOのエネルギ・レベルによって形成されるエネルギ・ギャップの範囲内にあるように選択するステップと、改作されたカーボンナノチューブと選択された有機材料とを組み合わせて複合材料を形成するステップと、を含んでいる方法を提供する。
【0016】
またさらなる態様において、本発明は、カーボンナノチューブを有機材料に埋め込んでなる光起電デバイスであって、カーボンナノチューブが、有効バンドギャップを生成するように表面欠陥を設けるべく改作されており、有機材料のHOMOおよびLUMOの間のエネルギ・ギャップが、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップの範囲内にあるデバイスを提供する。
【0017】
またさらなる態様において、本発明は、カーボンナノチューブを有機材料に埋め込んでなる発光デバイスであって、カーボンナノチューブが、有効バンドギャップを生成するように表面欠陥を設けるべく改作されており、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップが、有機材料のHOMOおよびLUMOのレベルの間のエネルギ・ギャップの内側にあるデバイスを提供する。
【発明の効果】
【0018】
有機ホスト・マトリクスに埋め込まれた改作されたカーボンナノチューブを、2つのやり方のうちの1つにて電子的に励起された状態へと刺激することができる。すなわち、(i)コヒーレントな光および/またはインコヒーレントな光を使用した直接的な光による励起であり、有機ホスト・マトリクス内に支持された改作されたカーボンナノチューブを、紫外、可視、または赤外の光の吸収によって電子的に励起させることができ、あるいは(ii)間接的な電子励起であって、電界を印加することによって負(電子)および正(正孔)の両方の電荷担体を注入することによって有機ホストを電子的に励起させることができ、これらの電荷担体が有機マトリクス内のカーボンナノチューブに達したときに、前記カーボンナノチューブについて電子的に励起された状態を形成する。本出願の全体を通して、改作されたカーボンナノチューブの基底および励起状態を構成するエネルギ・レベルの間のエネルギ・ギャップが、改作されたカーボンナノチューブの「有効バンドギャップ」と説明される。また、改作されたカーボンナノチューブの基底および励起の電子状態が、状態の分布を有することを理解すべきである。
【0019】
エネルギを、(i)電子および正孔のペアのコヒーレントな伝達(Dexter移動)、(ii)電子および正孔の順次の伝達(電荷移動)、(iii)共振結合伝達(Foerster移動)、または(i)〜(iii)の任意の組み合わせによって、有機マトリクスとカーボンナノチューブとの間で用途に応じてどちらの方向にも伝達できる。さらに
、本出願において、用語「エネルギ伝達」が、エネルギの完全または部分的な伝達を意味して使用されることを、理解できるであろう
さらに、有機マトリクス内に埋め込まれたカーボンナノチューブが、有機マトリクスの光による劣化を遅らせ、有機マトリクスの寿命を長くする。
【0020】
さらに、有機マトリクス内に埋め込まれたカーボンナノチューブが、この複合材料内の熱の管理を改善することによって、有機マトリクスの熱による劣化を遅らせ、有機マトリクスおよびこの有機マトリクスを利用してなるデバイスの寿命を長くする。さらに、前記材料における熱の管理の向上は、そのような材料を高出力のデバイスにおいて使用できるようにもする。
【0021】
本発明は、材料技術における大きな前進を呈しており、有機半導体を使用する電子デバイスの性能向上を可能にする。さらに具体的には、本発明は、有機太陽電池の市場への売り込みの可能性を高め、そのような太陽電池は、優れた効率、良好な動作安定性、ならびにインクジェット印刷またはスピンコーティングなどといった溶液による加工技法を使用する大面積の低コストでの堆積の可能性を提供する。
【0022】
また、本発明は、大面積のフラットパネル・ディスプレイおよび照明全般のための有機発光ダイオードの市場への売り込みの可能性を高め、そのようなダイオードは、良好な動作安定性および大面積の低コストでの堆積の可能性を提供する。
【0023】
カーボンナノチューブは、とくには有機太陽電池において、有機材料との複合材料の一部として、莫大な可能性を有している。これらの材料は、
i.入射光子を収穫するためにカーボンナノチューブを使用し、あるいは有機半導体と組み合わせることによって、太陽スペクトルをより大きく利用することによって、電力変換効率の向上をもたらし、
ii.有機マトリクスの光による退色に対する耐性を向上させることで、デバイスの寿命を延ばし、
iii.光吸収体としてのカーボンナノチューブが、有機半導体よりも物理的および化学的な劣化を受けにくいため、デバイスの寿命を向上させ、
iv.光を散乱させるというカーボンナノチューブの傾向ゆえに、太陽電池において光の捕捉を向上させ、
v.有機マトリクスおよびカーボンナノチューブの両者の電子的および光学的特性を調整できるがゆえの万能性ゆえ、潜在的な用途を最大にし、
vi.柔軟な低コスト基板および既存の低コストかつ大面積の溶液を用いる加工技術との適合性をもたらし、
vii.カーボンナノチューブの高い熱伝導率ゆえに有機マトリクスにおける熱の管理が改善されることで、有機マトリクスの熱による劣化を遅らせ、有機マトリクスおよび有機マトリクスを利用してなるデバイスの寿命を延ばし、
viii.カーボンナノチューブの高い熱伝導率ゆえに有機マトリクスにおける熱の管理が改善されることで、有機ホストにおいて熱に起因する励起子拡散長さまたは電荷担体移動度の低下を最小限にし、複合材料が使用されてなる太陽電池デバイスの効率の維持を助ける。
【0024】
また、カーボンナノチューブは、フラットパネル・ディスプレイおよび照明全般ための有機発光ダイオードにおいて、有機材料との複合材料の一部として、莫大な可能性を有している。これらの材料は、
i.改作されたカーボンナノチューブの発光特性ゆえの広帯域の可視光の放射を
もたらし、
ii.有機マトリクスの光による退色に対する耐性を向上させることで、デバイスの寿命
を延ばし、
iii.光放射体としてのカーボンナノチューブが、有機半導体よりも物理的および化学的な劣化を受けにくいため、デバイスの寿命を向上させ、
iv.有機マトリクスおよびカーボンナノチューブの両者の電子的および光学的特性を調整できるがゆえの万能性ゆえ、潜在的な用途を最大にし、
v.柔軟な低コスト基板および既存の低コストかつ大面積の溶液を用いる加工技術との適合性をもたらし、
vi.カーボンナノチューブの高い熱伝導率ゆえに有機マトリクスにおける熱の管理が改善されることで、有機マトリクスの熱による劣化を遅らせ、OLEDの用途において、熱の管理の改善によってデバイスがデバイスの明るさおよび効率を改善する高い電流密度を維持でき、
vii.カーボンナノチューブの高い熱伝導率ゆえに有機マトリクスにおける熱の管理が改善されることで、加熱に起因する有機ホスト・マトリクス内の電荷担体移動度の低下を最小限にし、
viii.カーボンナノチューブを有機ホスト・マトリクス内で整列させることによって、高度に偏光した光の可能性をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明の特定の実施の形態を、添付の図面を参照しつつ、あくまで例として説明する。
【0026】
第1の実施形態
この実施の形態においては、有機マトリクスに埋め込まれた改作されたカーボンナノチューブが、コヒーレントな可視および紫外光によって励起電子状態へと刺激される。しかしながら、本発明において、改作されたカーボンナノチューブの光による励起を、コヒーレントな光(例えば、レーザ光)および/またはインコヒーレントな光(例えば、太陽光)を使用して達成できることに、注意すべきである。次いで、光によって励起されたカーボンナノチューブが、励起エネルギを、少なくとも部分的に、有機マトリクス内の放射中心へと伝達し、次いで、有機マトリクス内の放射中心が、可視光の放射を伴って基底状態へと戻る。この実施の形態においては、有機ホスト・マトリクスによって放射される光が、改作されたカーボンナノチューブによって吸収された光よりも低いエネルギである。すなわち、この実施の形態においては、改作されたカーボンナノチューブおよび有機マトリクスの複合材料が、紫外および可視の光のダウン・コンバータとして機能する。
【0027】
カーボンナノチューブを有機材料の母材に分散させてなる複合材料を製作するためには、いくつかの段階が必要である。すなわち、(i)カーボンナノチューブの合成、(ii)カーボンナノチューブの精製、(iii)発光特性を向上させるためのカーボンナノチューブの改作、(iv)有機材料の賢明な選択、および(v)改作されたカーボンナノチューブの有機材料との組み合わせである。
【0028】
第1の段階は、任意の公知のカーボンナノチューブ成長法を使用して、カーボンナノチューブを成長させることである。上述のように、カーボンナノチューブを、化学気相成長法(CVD)、アーク放電法、およびレーザ・アブレーション法など、いくつかの異なる方法によって合成することができる。特許出願PCT/GB02/003438(WO03/011755)に記載の低温カーボンナノチューブ成長プロセスを、固体基板上に高純度のカーボンナノチューブからなる垂直に整列した高度に秩序立ったアレイをもたらすために使用できることを、理解できるであろう。重要なことに、低温で成長させたカーボンナノチューブは、本質的に、高温で成長させたカーボンナノチューブよりも欠陥が多く、これが化学的な改作を容易にする。この実施の形態においては、MWCNTが利用され、任意の公知の高温(>500℃)CVD法を使用して成長させられる。
【0029】
次いで、得られたカーボンナノチューブが、非晶質炭素、炭素殻、フラーレン、および金属触媒粒子を取り除くべく精製される。この実施の形態においては、カーボンナノチューブが、塩酸での洗浄の繰り返し、およびその後の純水での洗浄によって精製される。しかしながら、本発明が、いかなる特定のカーボンナノチューブの精製方法にも限定されないことを、注意すべきである。図1が、この実施の形態において使用されるMWCNTのSEM画像を示している。大きな非晶質炭素および金属不純物が見あたらないため、試料が高純度であることが明らかである。
【0030】
有機マトリクスとの適合性を改善するため、および発光特性を向上させるために、カーボンナノチューブの外表面が改作される。この実施の形態においては、最初にMWCNTが、高濃度の硫酸および硝酸の3:1の混合物にて酸化され、表面のカルボン酸官能基が生成される。典型的な酸による酸化処理においては、10gの初期のMWCNTが、200mlの高濃度の硫酸および硝酸の混合物(体積3:1、それぞれ98%および60%)へと加えられる。次いで、この混合物が、30分間にわたって40kHzで超音波攪拌され、その後に135℃で2時間にわたって攪拌される。次いで、この混合物が、純水によって10倍に希釈され、0.22μmのポリカーボネート膜フィルタを使用して真空ろ過される。次いで、固形物が、ろ液のpH値が7になるまで、蒸留水で繰り返し洗浄される。ろ過された固形物を、60℃で12時間にわたって真空のもとで乾燥させ、5.8gの酸化MWCNTを得る。精製および酸による官能化の後で、カーボンナノチューブが、有機材料をカーボンナノチューブとともにその場で合成することによって、有機マトリクスに組み合わせられる。この実施の形態においては、ポリマーが、酸によって官能化させたMWCNTの存在下で、二塩基酸およびジアミンの前駆体から合成される。典型的には、36グラムのモノマー塩(二塩基酸(1,10−デカン二酸)およびジアミン(1,10−ジアミノデカン)モノマーの再結晶によって用意される)が、窒素雰囲気において190℃で2時間にわたって加熱される。次いで、前もって酸による酸化を加えたMWCNT(4グラム)を追加し、4時間にわたって225℃で真空のもとで加熱する。このやり方で、酸によって官能化されたMWCNTが、アミド結合によって付着したナイロン10,10(ポリアミド)部分によってさらに官能化される。したがって、固体複合材料は、ナイロン部分および先の酸による酸化からの未処理の官能基(例えば、カルボン酸部分)によって官能化されたMWCNTを、ナイロン10,10のマトリクス中に含んでいる。
【0031】
本発明が、特定の種類の官能基またはカーボンナノチューブへの付着の方法に限定されないことに、注意すべきである。さらに、本発明において、カーボンナノチューブを、この実施の形態において説明したとおり有機マトリクスの合成とともにその場で改作することができ、あるいは完全に別個のプロセスにおいて改作し、単純に有機マトリクスに混合して、有機ホスト内に改作されたカーボンナノチューブを分散させてなる複合材料を形成してもよいことに、注意すべきである。
【0032】
有機マトリクス材料の成分は、最高占有分子軌道(HOMO)と最低非占有分子軌道(LUMO)との間のエネルギ・ギャップを、改質されたカーボンナノチューブの電子励起の基底状態と励起電子状態との間に位置するように選択することによって選択される。カーボンナノチューブの励起電子状態は、欠陥のあるカーボンナノチューブに関連付けられる。有機材料が、電子的に励起させられたカーボンナノチューブが、励起エネルギの少なくとも一部分を有機マトリックスへと伝達して有機マトリクスの電子励起を生じさせることによって基底状態へと戻ることができるように、選択される。
【0033】
この方法を使用して作成されるMWCNTおよびナイロンの複合材料は、MWCNTが30重量%まで増えても電気的に絶縁性のままであり、すなわちMWCNTが連続的な相互貫入ネットワークを形成することがなく、おおむね電気的に孤立していることを示して
いる。MWCNTの量が10%w/w未満である場合、複合材料は半透明であった。
【0034】
この実施の形態において、有機マトリクスであるナイロン10,10は、放射性でない塊の中に少量の固有の放射中心を含んでいる。これらの放射中心の数密度は、きわめて低く(<0.001%)、したがって発光は、きわめて強い励起放射においてのみ観察される。ナイロン中の放射中心の正確な構造は、未だ議論の対象であるが、それらがナイロンの合成の際に形成され、1つの構造的形態に限定されないことは、広く認められている。この実施の形態においては、これらの発光中心が、有機マトリクスの有機半導体成分に相当し、それらの一部へと、改作されたCNTからエネルギが伝達される。図2が、488nmの励起の光を使用するナイロン10,10の発光スペクトルを示している。≒580nmに中心を有するPLバンドの段部が、異なる放射中心からのいくつかの寄与の重ね合わせであることを示している。強いレーザ光への長時間(>5分)にわたる曝露の後で、このPLの特徴の形状が変化し始め、光による退色を示唆している。したがって、≒580nmにおける発光バンドは、光退色の受けやすさがそれぞれ相違する2つ以上の構造的に関係したナイロン不純物に起因している。
【0035】
図3が、488nmの励起について、ナイロン:MWCNT複合材料の発光スペクトルを、MWCNTの重量パーセントの関数として示している。全てのMWCNT濃度において、≒580の強力なバンドは、純粋なナイロン試料において観察されるきわめて弱いバンドと同じ位置、半値全幅、および形態を有している。これは、MWCNTの存在下でのナイロン合成の際に形成される新規な発光中心ではなく、同じ発光中心が、発光の放射の原因であることを示している。488nmの励起における積分発光強度のプロットが、MWCNTの量(重量パーセント)の関数として、図4に示されている。MWCNTの重量パーセントが0から30%へと増加するとき、発光強度の劇的な増加(2桁の大きさ)が観察されている。これは、改作されたMWCNTが488nmの光を吸収し、励起エネルギをナイロン・マトリクスの固有の放射中心へと効率的に伝達し、これらの前記放射中心における電子励起を生じさせ、次いでこれらが可視光の放射を伴って基底状態へと戻ることを示している。30%を超えると、発光信号の増加は飽和し始める。≒580nmのバンドが、ナイロンに固有の放射中心に由来しており、複合材料においてナイロンの割合が徐々に少なくなると、放射中心の数が少なくなり、最終的に発光強度を下げることになる。結果として、放射強度は、30%のMWCNTの付近で飽和し始める。発光を時間分解すると、ナイロン:30%のMWCNTの試料からの≒580nmにおいて検出される放射の減衰時間が60ns未満であることが発見され、これは、リン光発光ではなく、蛍光を示している。
【0036】
図5は、325nmの励起についてナイロン10:10試料の発光スペクトルを示している。図6は、15%のMWCNTを含んでいるナイロン:MWCNTついて、やはり325nmの光で励起した発光スペクトルを示している。ナイロン試料からの325〜700nmの間のバンドは、明らかに、いくつかの異なる放射中心を表わすいくつかの別個のピークで構成されている。明らかに、ナイロン:MWCNT複合材料のスペクトルの最大値(≒550nm)は、ナイロンの発光スペクトルの最大値(≒600nm)に相関していない。しかしながら、ナイロンのスペクトルの325〜475nmの間の弱いバンドの増強が、図6に示されているスペクトルの高いエネルギの肩として明らかである。この結果は、MWCNTが入射の325nmの光を吸収し、励起エネルギをナイロン・マトリクスの固有の放射中心へと効率的に伝達し、これらの前記放射中心における電子励起を生じさせ、次いでこれらが可視光の放射を伴って基底状態へと戻ることの証拠である。≒600nmのバンドの増強についての証拠は存在しない(すなわち、段部がない)。これは、エネルギの伝達が、発光中心のイオン化エネルギおよび最低の励起状態が、MWCNTの励起を構成する電子および正孔のエネルギ状態の間に位置する場合にのみ生じるためである。結果として、エネルギを、ナイロン・マトリクスの全ての潜在的な放射中心へと接続
することができず、325nmの励起において600nmのピークにいかなる増強も存在しないことを説明している。325nmの励起について得られた発光スペクトル(図6)の≒550nmの新たなピークは、ナイロンに固有の発光中心ではなく、改作されたMWCNTからの発光に起因している。MWCNTの量と積分強度との関係については、488nmの励起と同様の関係を得ることができる(図示せず)。
【0037】
図7は、石英上に支持された酸で官能化されたMWCNTの薄膜について、光吸収特性を示している。MWCNTの量の関数として測定した試料の光吸収特性が、図8に示されている。MWCNTが、すでに特定された状態密度からのπ−π光学遷移へと割り当てられた≒269nmのピーク最大値を有しつつ、測定されたエネルギ範囲の全体にわたって吸収を行う[H.Agoら、Journal of Physical Chemistry B 1999 8116〜8121頁]。ナイロンのスペクトル(図8(c))は、MWCNTのスペクトル(図7)にきわめて類似した形状を有しており、≒260nmにピーク最大値を有している。ナイロンの260〜270nmの幅広い最大値の特徴の他に、≒320nmおよび≒366nmにおいて複合材料の吸収スペクトル(図8(a)および8(b))に2つのさらなるピークが存在し、酸によって酸化されたMWCNTとナイロン・マトリクスとの間の基底状態の電子的相互作用の証拠である。MWCNTの外表面を有機分子で官能化することは、MWCNTのπ−π光吸収の最大値を80nmほども赤方遷移させることが知られており、これは、初期のMWCNTのπおよびπの分子軌道のそれらに比肩する結合および反結合のエネルギを有する新たな状態の幅広い連続体の形成を示す。したがって、複合材料の吸収スペクトルにおけるこの2つの新しいピークは、ナイロン・マトリクス内の2つの化学的に別個のやり方で官能化されたMWCNTの光吸収の最大値に起因する。すなわち、(i)アミド結合によってナノチューブ表面へとつながれたナイロン鎖でのカーボンナノチューブ表面の共有結合による官能化、(ii)ナイロン上のイミン窒素と酸化されたMWCNT表面のカルボン酸官能基との間の非共有の酸塩基の相互作用である。重要なことに、それらの起源にかかわらず、複合材料の吸収スペクトルのこれらの新しいピークはどちらも、488nmの励起を使用する大いに増強されたPL放射を説明することができない。
【0038】
ポリマー系からの蛍光およびリン光が、光による退色に悩まされることが、しばしば観察される。このプロセスにおいて、発光の強度が、光への曝露によって恒久的に減少する。ここに提示される試料において、蛍光も、325nmおよび488nmのレーザ光子への曝露によって減少することが観察された。図9が、30%のMWCNT:ナイロン複合材料の488nmのレーザへの曝露の際の光退色ゆえの発光強度の低下のプロットを示している。図10に、(i)1分間、(ii)4分間、(iii)8分間、(iv)11分間、および(v)40分間の曝露の後に採取された一連のPLスペクトルが示されている。発光強度の低下に加え、放射バンドの形状の変化も観察される。バンドの赤方遷移につながるこの形状の変化は、放射バンドを構成している異なる放射の特徴の光退色の速度が異なることに起因する。純粋なポリマーおよび複合材料について、光退色の速度を比較するために、発光スペクトルの積分強度を、曝露時間tの関数として測定した。図9は、(i)30%のMWCNT:ナイロン複合材料、および(ii)純粋なポリマーについて、そのような2つの減少曲線を示している。減少定数tは、形態exp(−t/t)の指数関数を仮定し、複合材料およびポリマーについて、それぞれ3.3±0.3および2.1±0.1である。これらの値は、複合材料の方が光退色しにくいことを示している。MWCNTの高い熱伝導率が、ポリマー膜において熱の管理を向上させていると考えられる。
【0039】
要約すると、この実施の形態は、改作されたMWCNTが、325nmおよび488nmの光を吸収し、励起エネルギをナイロン10,10のホスト・マトリクスの固有の所定の放射中心へと効率的に伝達し、これらの前記放射中心において電子励起を生じさせるこ
とを示している。
【0040】
さらに、この実施の形態は、光によって励起されたMWCNTから周囲の有機マトリクスへのエネルギの伝達のプロセスが、放射(蛍光)中心の最高占有分子軌道(HOMO)および最低非占有分子軌道(LUMO)が、MWCNTの励起を構成する電子および正孔のエネルギ状態の間に位置する場合にのみ生じうることを示している。このプロセスが、図11に概念的に示されている。図11においては、欠陥のあるカーボンナノチューブに関連付けられたただ1つの不連続な基底および励起電子状態が示されていることに、注意すべきである。実際には、それぞれの改作されたCNTに関連付けられた基底および励起電子状態の分布が存在する。
【0041】
第1の実施の形態における結果は、蛍光の種をきわめて低いレベルで取り入れて含んでいる試料から得られた。選択された蛍光分子をより高い濃度で意図的に導入することによって、はるかに高い発光強度を予想することができる。このやり方で、MWCNTを、有機太陽電池において太陽放射を収穫するためのきわめて吸収性の有機半導体に代えて利用することができ、あるいはそのような有機半導体に組み合わせて利用することができる。
【0042】
また、この実施の形態は、有機マトリクスに埋め込まれたMWCNTが、有機マトリクスの光退色を遅らせることができ、長時間にわたる光への曝露の有害な作用に対して有機マトリクスの電子特性を保存するうえで役立つことを実証している。
【0043】
第2の実施形態
本発明を利用する有機太陽電池の製造:
有機太陽電池が、1つ以上の半導体有機膜を2つの電極の間に挟んで有している。それぞれの膜は、ただ1つの材料または2つ以上の異なる材料からなる複合材料を含むことができる。
【0044】
図12Aが、この実施の形態によるヘテロ接合有機太陽電池デバイスの概略を示している。このデバイスは、100オーム/スクエア未満のシート抵抗を有する酸化インジウムすず(ITO)の被膜付きのガラスで作られた透明なアノード301を有している。ガラス基板上のITO被膜は、典型的には、100〜300nmの厚さである。導電ポリマー膜においてMWCNTの連続的なネットワークが導電率を高めるように機能しているポリ(3,4−エチレンジオキシ−2,4−チオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)−MWCNT複合材料などといった導電性のポリマー−カーボンナノチューブ複合材料など、任意の半透明な導電性基板を透明電極として使用できることを、理解すべきである。また、透明電極が導電性の層の積層構造(例えば、酸化物/金属/ポリマー)を構成してもよいことを、理解できるであろう。透明なアノード(301)に隣接して、4つの有機層、すなわち正孔注入層302、複合ドナー層303、アクセプタ層304、および励起ブロック層305が存在している。励起ブロック層に隣接し、カソード306が存在している。光308が、透明なアノード(301)を通ってデバイスに進入する。電気負荷307も示されている。
【0045】
図12Bは、図12Aに示した有機太陽電池デバイスに相当するエネルギ・レベルの図を示している。図を簡単にするため、正孔注入層およびITO電極が合成されている。光がデバイスのITOガラス側から入射するとき、ドナーおよびアクセプタ層(303、304)によって吸収され、強固に結合した電子−正孔ペア(励起子)が形成される。励起子は、アクセプタおよびドナー層において可動である。励起子は、ドナー−アクセプタのヘテロ接合に達すると、分離して自由電荷を形成する。励起ブロック層(305)が、カソードへの電子の流れを減速させることなく、カソード(306)による励起子の消滅を減少させる。ドナー−アクセプタのヘテロ接合において形成された自由電荷が、電極(3
01、306)を介して外部の回路へと抽出される。この実施の形態においては、改作されたカーボンナノチューブおよび有機半導体の複合材料が、ドナー層(303)を構成している。図12Bにおいて、ドナー層の半導体マトリクスの内部の改作されたカーボンナノチューブが、このカーボンナノチューブの基底および励起電子状態に対応する2つの不連続なエネルギ・レベルによって概念的に示されている。図12Bの概略図が、改作されたMWCNTに関してきわめて簡略化されている点に注意すべきである。実際には、改作されたカーボンナノチューブに関連付けられた基底および励起電子状態の分布が存在する。また、この実施の形態における改作されたMWCNTを、ただ1つの光子または複数の光子の吸収によって励起電子状態へと刺激できることに、注意すべきである。
【0046】
この実施の形態において、ITOガラス基板が、チッ素ガスの流れの中での乾燥に先立ち、トルエン、界面活性剤であるデコン・ニュートラコン(Decon Neutracon)の水溶液、および最後にアセトン中での超音波攪拌を含む3段階の湿式プロセスを使用して清浄化される。正孔注入層(302)であるPEDOT:PSSが、1.3%の水溶液からITO基板へとスピン・キャストされ、150℃で空気中で15分間にわたって熱処理される。PEDOT:PSS層の公称の厚さは、50nmである。
【0047】
この実施の形態においては、改作されたカーボンナノチューブおよび有機半導体の複合材料が、図12Aに示したデバイス構造のドナー層を形成する。複合材料は、本明細書の第1の実施の形態において説明した手順に従い、ナノチューブの表面にカルボン酸およびヒドロキシル官能基を生成すべく高濃度の硫酸および硝酸の3:1の混合物にて酸化されたMWCNTから製造される。乾燥した酸で処理したMWCNT(0.9g)を、30mlの純な塩化チオニル(SOCl)に分散させ、22時間にわたって還流させて、カルボン酸を塩化アシルへと変換する。残余の塩化チオニルを、真空蒸発(あるいは、無水テトラヒドロフランでの洗浄およびろ過)によって取り除き、真空のもとで乾燥させる。得られる酸塩化物で官能化されたカーボンナノチューブを、連続的に攪拌しつつ48時間にわたって120℃で1H,1H−パーフルオロ−1−テトラデカノール(CF(CF12CHOH)と反応させ、適切に改作されたカーボンナノチューブを形成する。典型的な反応においては、酸塩化物で官能化された20mgのカーボンナノチューブが、30mlの無水クロロホルムにおいて1gの1H,1H−パーフルオロ−1−テトラデカノールと反応させられる。改作されたMWCNTが、真空ろ過および無水クロロホルムでの繰り返しの洗浄によって分離される。
【0048】
この実施の形態においては、改作されたMWCNTが、クロロホルム中でのペンタセンのN−スルフィニルアセトアミドおよびメチルトリオキソレニウムとの反応によって形成される可溶ペンタセン前駆体(PP)と混合される。典型的な反応においては、1gのペンタセンが、60mlのクロロホルム中の1.14gのスルフィニルアセトアミドおよび触媒量(0.009g)のメチルトリオキソレニウムへと加えられる。反応混合物が、2日間にわたって還流させられる。反応収率は、>90%であり、次いでPP生成物が、フラッシュ・クロマトグラフィによって精製される。改作されたMWCNTが、クロロホルム中でPPに混合(典型的には、9.5mg/mlのPP:0.5mg/mlの改作されたMWCNT)され、複合溶液が形成される。次いで、この複合溶液が、PEDOT:PSS正孔注入層であらかじめコートされたITO基板へと、チッ素雰囲気中で2000r.p.m.でスピン・キャストされ、改作されたカーボンナノチューブがPPマトリクス中に一様に分布している厚さ約50nmの膜が形成される。PPをペンタセンへと変換するために、膜が、チッ素雰囲気において5分間にわたって150℃で熱処理される。複合材料膜が、例えば10〜200nmなど、任意の他の適切な厚さであってよいことを理解できるであろう。また、カーボンナノチューブの量が定められないことを理解できるであろう。
【0049】
この実施例においては、半導体ヘテロ接合が、アクセプタ層の真空堆積、ならびにその後の励起ブロック層および上部電極の真空堆積によって完成される。しかしながら、アクセプタ層を、例えば[6,6]−フェニル−C61などの可溶な電子受容体を使用して溶液から堆積させてもよいことを理解すべきである。この実施の形態においては、アクセプタ層が、蒸着によって堆積させられたバックミンスターフラーレン(C60)の50nmの層からなる。励起ブロック層は、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)の12nmの層からなる。カソードは、アルミニウムの50nmの層からなる。C60およびBCPは、0.2nm/sの速度で真空蒸着される。Al電極は、0.5nm/sで真空蒸着される。
【0050】
この実施の形態において、半導体有機材料は、改作されたカーボンナノチューブから半導体有機材料への効率的なエネルギ伝達を促進するように選択され、有機材料が、HOMOおよびLUMOのエネルギ・レベルによって形成されるエネルギ・ギャップが、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップの範囲内にあるように選択される。この実施の形態において、改作されたカーボンナノチューブは、2つの主たる機能を有している。すなわち、(i)直接的には、吸収の向上によって電気の生成のために抑制される入射光の量を増加させることで、電池の効率を高め、(ii)有機マトリクスの光による劣化を遅らせて、デバイスの寿命を長くする。
【0051】
第3の実施形態
さらに、本発明を、この実施の形態において説明されるように、有機発光ダイオード(OLED)において利用することも可能である。
【0052】
有機発光ダイオードが、1つ以上の半導体有機膜を2つの電極の間に挟んで有している。それぞれの膜は、ただ1つの化合物または2つ以上の異なる化合物からなる複合材料を含むことができる。
【0053】
図13Aが、この実施の形態による多層OLEDデバイスの概略図を示している。このデバイスは、100オーム/スクエア未満のシート抵抗を有する酸化インジウムすず(ITO)の被膜付きのガラスで作られた透明なアノード901を有している。ガラス基板上のITO被膜は、典型的には、100〜300nmの厚さである。透明なアノード901に隣接して、2つの有機層、すなわち正孔輸送層902およびエミッタ層903が存在している。この実施の形態においては、エミッタ層が、改作されたカーボンナノチューブと有機半導体との複合材料からなる。このデバイスは、低仕事関数の金属カソード904によって完成される。外部電源905も、図中に示されている。光906が、エミッタ層(903)において生成され、正孔輸送層(902)およびITOアノード(901)を通ってデバイスを出る。
【0054】
図13Bが、図13Aに示したOLEDデバイスに相当するエネルギ・レベルの図を示している。外部の電源(905)によって電極をまたいで順方向のバイアスが加えられると、正孔がアノード(901)から正孔輸送層(902)へと注入され、最終的には複合材料のエミッタ層(903)へと注入される。電子は、カソード(904)から複合材料のエミッタ層(903)へと注入される。電子および正孔が、エミッタ層の有機マトリクスを通って運ばれ、改作されたカーボンナノチューブにおいて光(906)の放射を伴って再結合する。図13Bの概略図が、改作されたMWCNTに関してきわめて簡略化されている点に注意すべきである。実際には、改作されたカーボンナノチューブに関連付けられた基底および励起電子状態の分布が存在する。重要なことに、この文脈において、後に可視光の放射を伴って元の状態に戻る改作されたカーボンナノチューブに関連付けられた基底および励起状態が、有機ホスト・マトリクスのHOMOおよびLUMOエネルギの間にある。光は、正孔輸送層(902)およびアノード(901)を通ってデバイスを出る

【0055】
この実施の形態において使用されるOLEDは、ITOガラス・アノード/50nmのポリTPD/100nmの複合材料エミッタ/50nmのCaを有しており、ここで、ポリTPDは、ポリ(N,N’−ジフェニルベンジジン・ジフェニルエーテル)であり、Caは、カルシウムである。この実施の形態において、ITOガラス基板が、チッ素ガスの流れの中での乾燥に先立ち、トルエン、界面活性剤であるデコン・ニュートラコンの水溶液、および最後にアセトン中での超音波攪拌を含む3段階のプロセスを使用して清浄化される。これに続き、残余の炭素汚染物を取り除くための酸素プラズマ処理が行われる。ポリTPD層が、0.2%w/wのテトラヒドロフラン溶液からスピン・キャストされる。
【0056】
複合材料は、本明細書の第1の実施の形態において説明した手順に従い、ナノチューブの表面にカルボン酸およびヒドロキシル官能基を生成すべく高濃度の硫酸および硝酸の3:1の混合物にて酸化されたMWCNTから製造される。乾燥した酸で処理したMWCNT(0.9g)を、30mlの純な塩化チオニル(SOCl)に分散させ、22時間にわたって還流させて、カルボン酸を塩化アシルへと変換する。残余の塩化チオニルを、真空蒸発(あるいは、無水テトラヒドロフランでの洗浄およびろ過)によって取り除き、真空のもとで乾燥させる。得られる酸塩化物で官能化されたカーボンナノチューブを、連続的に攪拌しつつ48時間にわたって120℃でペンタデシルアミンと反応させ、適切に改作されたカーボンナノチューブを形成する。典型的な反応においては、酸塩化物で官能化された20mgのカーボンナノチューブが、30mlの無水クロロホルムにおいて0.5gのペンタデシルアミンと反応させられる。改作されたMWCNTが、真空ろ過および無水クロロホルムでの繰り返しの洗浄によって分離される。
【0057】
改作されたMWCNTが、複合材料を形成すべくキシレン中でPFO、すなわちポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)と混合(典型的には、14.25mg/mlのPFO:0.75mg/mlの改作されたMWCNT)され、前もって正孔輸送層でコートしたITOガラス基板へとスピン・キャストされる。この実施の形態においては、複合材料膜は、約100nmの厚さである。しかしながら、膜は、例えば10〜100nmなど、任意の適切な厚さであってよい。この文脈において、複合材料は、エミッタ層として機能する。Ca電極が、0.5nm/sの速度で真空蒸着される。
【0058】
この実施の形態において、半導体有機材料は、半導体有機材料から改作されたカーボンナノチューブへの効率的なエネルギ伝達を促進するように選択され、有機材料が、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップが、有機材料のHOMOおよびLUMOのエネルギ・レベルによって形成されるエネルギ・ギャップの範囲内にあるように選択される。この実施の形態において、有機ホスト・マトリクスは、ただ1種類の有機半導体を含んでいる。しかしながら、有機マトリクスが、白色光の放射を促進するために、異なるバンドギャップを有するいくつかの異なる有機半導体を含んでもよいことを、理解すべきである。
【0059】
この文脈において、カーボンナノチューブは、2つの主たる機能を有している。すなわち、(i)或る波長の範囲にわたる可視光を放射し、(ii)有機マトリクスの光による劣化を遅らせて、デバイスの寿命を長くする。
【0060】
さらなる実施形態
本明細書において説明される本発明の実施の形態が、あくまで例にすぎず、本発明の技術的範囲から離れることなくさまざまな変更および変形が可能であることを、理解できるであろう。
【0061】
さらに、カーボンナノチューブを発光特性を向上させるべく修飾または改作することを、例えば以下の方法など、任意の適切な方法を使用して実行することができる。すなわち、カーボンナノチューブの外表面を、有機官能基をカーボンナノチューブの表面へと結合させるべく、アミドまたはエステル結合を使用して共有結合によって官能化させることができる。
【0062】
カーボンナノチューブを、それらの内部構造を改作または修飾することによってさらに官能化できることを、理解できるであろう。例えば、分子性半導体を含んでいる有機材料を、カーボンナノチューブの内部の空洞へと挿入することができる。そのような材料の挿入は、カーボンナノチューブの電子特性を変化させ、カーボンナノチューブを特定の用途に合わせて電子的に調整することを可能にする。
【0063】
さらに、カーボンナノチューブを、カーボンナノチューブへとチッ素またはホウ素などの侵入または置換の欠陥を導入することによってドープできることを、理解できるであろう。ドーピングが、カーボンナノチューブの電子および光学特性を変化させ、カーボンナノチューブを特定の用途に合わせて調整することを可能にする。
【0064】
複合材料を利用するデバイスに応じて、エネルギを有機マトリクスとカーボンナノチューブとの間でどちらの方向にも伝達できることを、理解できるであろう。
【0065】
エネルギを、(i)電子および正孔のペアのコヒーレントな伝達(Dexter移動)、(ii)電子および正孔の順次の伝達(電荷移動)、または(iii)共振結合伝達(Foerster移動)によって、有機マトリクスとカーボンナノチューブとの間でどちらの方向にも伝達できることを、理解できるであろう。さらに、用語「エネルギ伝達」が、エネルギの完全または部分的な伝達を意味して使用されることも、理解できるであろう。
【0066】
改作されたカーボンナノチューブと有機半導体との複合材料について、意図される用途が有機太陽電池における光収穫器である場合に、改作されたカーボンナノチューブが光の吸収によって電子的に励起され、次いでエネルギが周囲の有機マトリクスへと完全または部分的に伝達されることを、理解できるであろう。この文脈においては、有機マトリクスの一部または全てが、イオン化エネルギが5.5eV以下であるという基準にもとづいて選択される。さらに、5.5eV以下のイオン化エネルギを有する有機マトリクスの成分のHOMOおよびLUMOの間のエネルギ・ギャップは、2.8eV以下である。
【0067】
また、改作されたカーボンナノチューブと有機半導体との複合材料について、意図される用途が有機発光ダイオードにおける光エミッタである場合には、有機半導体マトリクスが電気的に励起され、このエネルギの少なくとも一部が改作されたカーボンナノチューブへと伝達され、次いでカーボンナノチューブが光の放射を伴って基底状態へと復帰することを、理解できるであろう。この文脈においては、有機マトリクスの一部または全てが、イオン化エネルギが4.8eV以上であるという基準にもとづいて選択される。さらに、4.8eV以上のイオン化エネルギを有する有機マトリクスの成分のHOMOおよびLUMOの間のエネルギ・ギャップは、2.2eV以上である。
【0068】
また、適切なマトリクス材料として、(i)ポルフィリン、アセン、またはフタロシアニンなどの分子性半導体の可溶の誘導体、ならびに(ii)ポリフェニレン・ビニレン、フルオレン共重合体、またはポリチオフェンを含む共役高分子の可溶の誘導体が挙げられることを、理解できるであろう。
【0069】
さらに、本明細書に記載のカーボンナノチューブを備える複合材料を、例えば(i)ス
ピンコーティング、(ii)インクジェット印刷、(iii)スクリーン印刷、および(iv)ドクター・ブレードなどといった任意の適切なプロセスを使用して、有機電子デバイスにおける用途に適した薄膜へと処理できることを、理解できるであろう。
【0070】
有機材料とのカーボンナノチューブ複合材料を、有機太陽電池において光収穫層として使用できることを、理解できるであろう。
【0071】
有機材料とのカーボンナノチューブ複合材料を、光による退色を受けにくくした有機太陽電池において使用できることを、理解できるであろう。
【0072】
有機材料とのカーボンナノチューブ複合材料を、有機発光ダイオードにおいて光エミッタとして使用できることを、理解できるであろう。
【0073】
有機材料とのカーボンナノチューブ複合材料を、光による退色を受けにくくした有機発光ダイオードにおいて使用できることを、理解できるであろう。
【0074】
さらに、有機材料とのカーボンナノチューブ複合材料を、太陽電池構造を有するガス検出デバイスにおいて使用でき、太陽電池の開路電圧、短絡電流、および電力変換効率が、その動作の環境に依存することを、理解できるであろう。すなわち、照明されたときのデバイスの第4象限の電気応答が、周囲の環境のガスについての知らせをもたらす。この文脈において、太陽電池の電気特性の変化の機構は、ガスによるデバイスの有機半導体成分のドーピングである。重要なことに、この形式のガスセンサは、自身の電力を供給し、チップ上のシステムにおける利用に理想的に適するようにしている。
【0075】
上述のような薄膜を利用できるデバイスの他の例は、光検出器、任意の種類の光放射デバイス、またはガスセンサである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】精製されたMWCNTの走査型電子顕微鏡画像を示している。
【図2】488nmの励起を使用したときの純粋なナイロン10,10膜の発光スペクトルを示している。
【図3】488nmの励起波長を使用したときのナイロン10,10:MWCNT複合材料の発光スペクトルを、MWCNTが5重量%、10重量%、およい30重量%である場合について示している。
【図4】488nmの励起波長を使用したときのナイロン10,10:MWCNT複合材料からの積分発光強度のグラフを、MWCNTの重量パーセントの関数として示している。
【図5】325nmの励起を使用したときのナイロン10,10膜の発光スペクトルを示している。
【図6】325nmの励起波長を使用したときのナイロン:MWCNT複合材料(MWCNTが15重量%)の典型的な発光スペクトルを示している。
【図7】酸で処理したMWCNT薄膜の吸光度のグラフを、波長の関数として示している。
【図8】MWCNTが(a)5重量%、(b)2.5重量%、および(c)0重量%であるナイロン10,10:MWCNT複合材料について、吸光度のグラフを波長の関数として示している。
【図9】(i)MWCNTが30重量%であるナイロン10,10:MWCNT複合材料、および(ii)純粋なナイロンについて、発光の減少曲線を示している。
【図10】MWCNTが30重量%であるナイロン10,10:MWCNT複合材料について、488nmの励起を使用して得られた発光スペクトルを示している。一連のスペクトルは、(i)1分間、(ii)4分間、(iii)8分間、(iv)11分間、および(v)40分間の曝露の後に記録されたスペクトルに相当する。
【図11】MWCNTの光誘起の電子励起のプロセス、ならびにその後のMWCNTから隣接の誘起マトリクス中の放射中心へのエネルギ伝達、および前記放射中心からの放射のプロセスについて、簡単化したエネルギ・レベルの図を示している。
【図12A】多層有機太陽電池(OSC)デバイスの概略図を示している。
【図12B】図12Aのデバイスに相当する概略のエネルギ・レベルの図を示している。
【図13A】多層有機発光ダイオード(OLED)の概略図を示している。
【図13B】図13Aのデバイスに相当する概略のエネルギ・レベルの図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電デバイスを製造する方法であって、
カーボンナノチューブを合成するステップと、
合成されたカーボンナノチューブを、有効バンドギャップを生成するように表面欠陥を設けるべく改作するステップと、
カーボンナノチューブとの間の効率的なエネルギ伝達を促進する有機半導体材料を、HOMOおよびLUMOのエネルギ・レベルの間に形成されるエネルギ・バンドギャップが、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップの範囲内にあるように選択するステップと、
改作されたカーボンナノチューブと選択された有機材料とを組み合わせて複合材料を形成するステップと
を含んでいる方法。
【請求項2】
発光デバイスを製造する方法であって、
カーボンナノチューブを合成するステップと、
合成されたカーボンナノチューブを、有効バンドギャップを生成するように表面欠陥を設けるべく改作するステップと、
改作されたカーボンナノチューブへの効率的なエネルギ伝達を促進する有機半導体材料を、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップが、有機材料のHOMOおよびLUMOのエネルギ・レベルによって形成されるエネルギ・ギャップの範囲内にあるように選択するステップと、
改作されたカーボンナノチューブと選択された有機材料とを組み合わせて複合材料を形成するステップと
を含んでいる方法。
【請求項3】
カーボンナノチューブを精製するステップ
をさらに含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
エネルギが、電子および正孔のペアのコヒーレントな伝達によってカーボンナノチューブと有機マトリクスとの間を伝達される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
エネルギが、電子および正孔の連続的な伝達によってカーボンナノチューブと有機マトリクスとの間を伝達される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
エネルギが、共振結合伝達によってカーボンナノチューブと有機マトリクスとの間を伝達される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
エネルギが、請求項4〜6のエネルギ伝達プロセスの任意の組み合わせによって伝達される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
有機材料が、半導体の有機材料である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
組み合わせるステップが、選択された有機材料をカーボンナノチューブと混合するステップを含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
組み合わせるステップが、有機材料をカーボンナノチューブと一緒にその場で合成するステップを含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
改作するステップが、発光特性を向上させるべくカーボンナノチューブを改作するステ
ップをさらに含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
改作するステップが、組み合わせるステップの際の共有結合法を含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
カーボンナノチューブが、アミドまたはエステル結合を使用して改作される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
改作するステップが、組み合わせるステップの際の非共有結合法を含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項15】
改作するステップが、置換ドーピングのステップを含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項16】
改作するステップが、格子間ドーピングのステップを含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項17】
改作するステップが、カーボンナノチューブの内部構造を改作するステップを含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項18】
有機材料が、5.5電子ボルト以下のイオン化エネルギを有する有機材料から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項19】
有機材料が、2.8電子ボルト以下のHOMO−LUMOギャップを有する有機材料から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
有機材料が、4.8電子ボルト以上のイオン化エネルギを有する有機材料から選択される請求項2に記載の方法。
【請求項21】
有機材料が、2.2電子ボルト以上のHOMO−LUMOギャップを有する有機材料から選択される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
複合材料を薄膜を形成すべく処理するステップ
をさらに含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項23】
カーボンナノチューブを有機材料に埋め込んでなる光起電デバイスであって、カーボンナノチューブが、有効バンドギャップを生成するように表面欠陥を設けるべく改作されており、有機材料のHOMOおよびLUMOの間のエネルギ・ギャップが、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップの範囲内にあるデバイス。
【請求項24】
カーボンナノチューブを有機材料に埋め込んでなる発光デバイスであって、カーボンナノチューブが、有効バンドギャップを生成するように表面欠陥を設けるべく改作されており、改作されたカーボンナノチューブの有効バンドギャップが、有機材料のHOMOおよびLUMOのレベルの間のエネルギ・ギャップの内側にあるデバイス。
【請求項25】
有機材料が、半導体の材料である請求項23または24に記載のデバイス。
【請求項26】
有機半導体太陽電池である請求項23または24に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【公表番号】特表2009−522765(P2009−522765A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548026(P2008−548026)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004908
【国際公開番号】WO2007/074339
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(595042184)ユニバーシティ オブ サリー (7)
【Fターム(参考)】