説明

改良された酸化毛髪染色剤及び関連した局所用組成物

酸化毛髪染色系は、毛髪染色剤、有機金属化合物及び酸化剤を含む。該有機金属化合物は、好ましくは、オルガノチタネート化合物、とりわけテトラアルキルチタネート又はチタネートキレートである。このような化合物は、1種又は複数の化粧及び/又は治療有益剤、加水分解性又は交換性リガンドを有する結合剤、並びに担体を含む、身体に適用される局所用組成物の持続性を増強するために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された酸化毛髪染色系、及び毛髪に色を付与するためのかかる組成物の使用方法に関する。本発明は、同様に、皮膚、毛髪、爪、唇及び粘膜を含めた種々の下地への局所適用のための組成物に関する。これらの組成物は、加水分解性又は交換性リガンドを有する1種又は複数の結合剤を含み、この結合剤は、化粧又は治療有益剤を下地に付着させることができる。
【背景技術】
【0002】
毛髪の色は、毛幹の皮質中のメラニン色素の存在による。2種類の色素、即ち、黒い髪及びブルネットに優勢である暗い色素であるユーメラニン、並びに赤毛及びブロンドに見出される明るい色素であるフェオメラニンがある。キューティクルは、皮質を取り囲んでいる、滑らかな、無色且つ半透明の覆いである。我々が見る色は、有色の皮質を透過した光及びキューティクルによって反射された光の組合せによる。
【0003】
長年、毛髪の色は、天然及び人工物質を使用して変えられてきた。現代の毛髪着色剤は、天然、プログレッシブ(progressive)、一時的、セミパーマネント、デミパーマネント及びパーマネントとして表される6タイプに広く分類することができる。
【0004】
天然毛髪着色剤は、毛髪の色合いを変えるために古代から使用されてきた。ヘナは、最もよく使われる天然毛髪着色剤である。それは、毛髪、特に黒い毛髪を赤くするのに広く使用されるが、生じた色は、数回の洗髪の間しか続かない。又、濃度を、制御するのが難しいので、結果は、いくぶん予想できないことがある。
【0005】
プログレッシブ毛髪着色剤は、空気にさらされた状態で酸化して黒い色の化合物を形成する金属塩(例えば鉛又はビスマス)でできている。
【0006】
一時的な毛髪着色剤は、毛幹に著しい程度には浸透せず、1又は2回の洗いの後には毛髪からほとんど洗い落とされる酸性染色剤である。それらは、キューティクルが光を反射する状態に影響を与え、それらは、毛髪が光沢のないように見せる傾向がある。例には、Ponceau Red及びC.I.Acid Yellowなどの染料が含まれる。
【0007】
直接染色剤としてしばしば知られる、セミパーマネント毛髪染色剤は、容易に、且つキューティクルのうろこ(scale)を損傷することなく、キューティクルを通して皮質に入ることができる小分子である。これは、一時的染色剤に比べてより多くの持続性を提供するが、これらの染色剤も、容易に洗い落とすことができ、一般的に約6〜8回の洗いまでしか続かない。漂白剤が、使用されないので、セミパーマネント染色剤を用いて毛髪の色を明るくすることは可能ではない。このような染色剤の例には、HC Blue 2及びHC Orange 1が含まれる。
【0008】
酸化毛髪染色剤とも呼ばれるパーマネント毛髪染色剤は、一般的に、2成分キットとして市販されている。1成分は、毛幹に浸透するのに十分小さい染色剤前駆体分子を含む。もう一方の成分は、顕色ローション(developing lotion)として表すことができるが、酸化剤、例えば過酸化水素を含む。2つの成分は、毛髪への適用の直前に混合される。前駆体分子及び酸化剤は、毛幹中に拡散し、毛幹中で、酸化剤は、反応のカスケードを開始し、染色剤分子が結合して色の二量体、三量体及びより大きな分子を形成する原因となる。分子サイズにおける増加は、染色剤が、毛髪のキューティクルの下に捕捉されるようになり、洗い落とされなくなることを意味する。重合反応を開始することに加えて、酸化剤は、毛髪の天然メラニンを漂白し、従って元の色に比べてより明るい色が、達成されうる。
【0009】
パーマネント毛髪染色系の別の不可欠な部分は、アルカリ性物質、通常はアンモニアであり、これは、染色剤前駆体分子が、より容易に浸透するように髪キューティクルを起こすのに使用される。アルカリ性pHも、過酸化水素が分解して酸素を発生するために必要である。更に、pHを変えることによって、染色剤分子間の重合反応の相対的反応速度を変え、それにより生ずる髪色の色調に影響を与えることができる。アルカリは、通常、染色剤前駆体分子を含む組成物中に含まれる。
【0010】
色の形成は、存在する前駆体及び直接染色剤、pH、並びに毛髪染色剤組成物と毛髪との接触期間による。パーマネント毛髪着色剤によって達成される色は、比較的長く継続するが、それは、時間がたてば色あせ(一般的には20〜24回の洗いで目立つ)、従って再適用の時期は、一般的に、色を増強したい欲求、及び新しい未染色の根元の出現によって左右される。
【0011】
デミパーマネント染色剤は、過酸化水素のより低いレベルが使用され、アンモニアが使用されず、製品がより低刺激性であるが、より持続しないことを意味することを除いて、パーマネント着色剤と非常に類似している。一般的には、12から24回の洗いの間、色は継続する。
【0012】
本発明においては、「酸化毛髪染色剤」は、酸化剤を含むデミパーマネント又はパーマネント染色系を意味する。
【0013】
セミパーマネント、デミパーマネント及びパーマネント毛髪着色剤は、米国においてそれぞれレベル1、2及び3着色剤として表される。
【0014】
パーマネント毛髪染色剤は、単独で又は、より一般的には、他の染色剤(約10種までになることもある)と組み合わせて使用することができる。それら自体と反応して色を形成する染色剤は、「ベース(base)」(又は「初期中間体」)として知られており、これらのうち最も知られているのは、p−フェニレンジアミン(PPD)である。ベースは、組み合わせて様々な色を生じることができる。ベースと結合して色の分子を形成するが、1種又は複数のベースの不存在下では色を形成することができない別のグループの染色剤がある。これらの染色剤は、「カップラー(coupler)」(又は「調色剤」)と呼ばれる。全ての通常のパーマネント毛髪染色剤は、少なくとも1種のベースを含む。
【0015】
次の表は、いくらかのよく使われるベース及びカップラーを示しているが(J.F.Corbett,Hair colorants:chemistry and toxicology,H.Butler(ed).Weymouth:Micelle Press,1998)、使われることがより少ない表に記載されていない多数の他の毛髪染色剤があることを留意されたい。
【表1】


【表2】

【0016】
主として毛髪を染色する時間の長さ又は洗いの回数において、天然、プログレッシブ又はセミパーマネント毛髪染色剤の代わりに酸化毛髪染色剤を使用することの明らかな利点がある。毛髪の色が、より一貫性があることもある。
【0017】
しかしながら、酸化毛髪染色剤の使用は、いくつかの不利も伴う。酸化剤は、毛髪のケラチンのジスルフィド結合を破壊することがあり、酸化毛髪染色剤の常用は、最終的に毛髪のタンパク質が、毛髪が切れるほど弱くなる原因となることがある。
【0018】
現在の酸化毛髪染色剤によって生じうる色の範囲は、入手可能なベース分子の数によって制限される。特に、永続する赤の色調は、従来の酸化染色剤の組合せを用いて達成するのは難しく、直ぐに洗い落ちる傾向がある。
【0019】
更に、いく種類かのパーマネント毛髪染色剤は、健康上のリスクと関係していることが推測されてきた。ある種類は、周知のアレルゲン(いく種類かの一般的な酸化染色剤が使用される場合に、「アレルギー反応を引き起こすことがある」という句が、包装上に示されなければならない)であり、ある種類は、議論は継続中であるが、癌と関連付けられてきた。健康理由上の最大の不安のある染色剤は、PPDであり、この染色剤を含む製品は、「フェニレンジアミンを含む」という記述を表示しなければならない。より黒ずんだ染色剤は、発癌性のコールタールに化学的に類似しており、最も安全でないとしばしば言われるが、残念ながら、PPDの使用をしないで黒の永続する色を生じることは難しい。PPDの使用は、代替のベース(2,5−ジアミノトルエン)が代わりに使用されたフランス及びドイツで以前は禁止されていたが、この禁止は、それ以来、解除されている。
【0020】
パーマネント毛髪染色剤は、アンモニアを使用し、これは、製品包装上に記載されなければならない。アンモニアは、不快な臭気を有し、毛髪を傷めることもある。浸透のためにキューティクルのうろこを酸化剤によって起こすことは、それ自体、潜在的に傷をつけるプロセスである。パーマネント毛髪着色剤の反復使用は、永続的に起こされたうろこを残し、毛髪の含水量を混乱させ、毛髪を弱く傷つきやすく、光又はつやをなくすことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
従って、それらに関係した安全性又は毒性の不安を有する染料分子を含まない改良された酸化毛髪染色剤組成物の必要性が存在する。アンモニア又は他の強烈なアルカリ物質の使用を回避し、色あせしない色を生ずる酸化毛髪染色剤組成物は、明らかに従来技術に対して著しい利点を提示するであろう。
【0022】
更に、より大きな範囲の色、とりわけ赤色を生じる酸化毛髪染色剤組成物の必要性が存在する。
【0023】
多くの種類の化粧有益剤を、皮膚、毛髪、唇又は粘膜に適用することができる。これらの薬剤は、種々の目的、例えば、モイスチャライザー、保潤剤、カラー化粧品などに適用される。共通の問題は、しかしながら、化粧有益剤の、それらが適用される表面への持続性(substantivity)の欠如であり、長期の磨耗特性及び退色抵抗性が、使用者によって望まれるほどには良くないことを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
従って、改良された持続性を有し、その上、安全且つ有効である薬剤を含む化粧用組成物の必要性が存在する。本発明は、このような組成物を提供することを目的とする。
【0025】
同様に、多くの治療有益剤が、皮膚に適用される。例には、抗菌剤、にきび抑制剤、抗真菌剤、抗炎症剤、及びその他多くが含まれる。このような薬剤の効能は、それが適用される表面からの薬剤の損失によって弱められうる。このような組成物の作用の期間は、従って、それらの持続性への改良によって改良することができ、これも、本発明によって取り組まれる。
【0026】
従来技術の上記の及び/又は他の不利を克服する又は実質的に軽減する、身体の種々の表面への局所適用のための、酸化毛髪染色剤組成物、及び関連した組成物の改良形態が考案された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の第1の態様によれば、毛髪染色剤、有機金属化合物及び酸化剤を含む酸化毛髪染色系が提供される。
【0028】
本発明の文脈においては、「有機金属」は、1種又は複数の有機基又は分子と主族、遷移、ランタニド若しくはアクチニドの金属原子、又は半金属(例えば、ホウ素、ケイ素若しくはゲルマニウム)との間に結合相互作用がある化合物を意味する。有機金属分子は、通常、金属−炭素結合を含む分子である。しかしながら、これに関連して、我々は、結合相互作用が、有機部分上の1種又は複数の他の原子、例えば酸素原子との間にある化合物も含む。このような有機金属化合物は、とりわけ、次のクラス、即ち、分子の金属水素化物、金属アルコキシド、チオラート、アミド、及びリン化物、並びに金属キレートからの代表を含むことができる。
【0029】
本発明による酸化毛髪染色系は、主として、有機金属化合物の含有が、安全でない又は毒性(例えばPPD)がありうる染色剤分子を使用せずに種々の永続的な毛髪の色及び色調が生じることを可能にする点で有利である。より安全なパーマネント毛髪着色剤組成物も、アンモニア又は他の有害なアルカリ物質を使用せずに作製することができる。本発明による系は、標準の酸化染色剤の組合せに比べてより強い色を生じることもでき、その色がより長く続きうる(アンモニアを使用しなくても)。これらの毛髪染色系は、同じ色を維持するのに同じように頻繁に適用する必要がないことがあり、これは、使用者にとってより好都合であり、費用を節約し、酸化剤の反復使用に関係する潜在的な毛髪の傷つきを減少させる。本発明による系は、毛髪により低刺激性でより穏やかであり、それらの使用は、従って、より少ない毛髪の傷つきしかもたらさない。
【0030】
本発明の別の態様においては、毛髪を着色するための方法が提供され、この方法は、毛髪染色剤、有機金属化合物及び酸化剤の毛髪への適用を含む。
【0031】
毛髪染色剤、有機金属化合物及び酸化剤は、単一の配合物中、又は2つ若しくは3つの別個の配合物中に含むことができる。
【0032】
好ましくは、毛髪染色系は、2つの別個の配合物を含み、そのうちの一方は、毛髪染色剤を含み、そのうちの他方は、酸化剤を含む。有機金属化合物は、毛髪染色剤を含む配合物中、又は酸化剤を含む配合物中のいずれかに含むことができる。
【0033】
別個の配合物は、それらが、毛髪上で混合されるか、より好ましくは、別個の配合物が、毛髪への適用の直前に使用者によって予め混合されるように毛髪に別個に適用されうる。
【0034】
本発明において利用することができる有機金属化合物の好ましい一クラスは、オルガノチタネート(organotitanate)である。好ましいオルガノチタネートは、次の一般式のテトラアルキルチタネート又はチタネートキレート化合物である。
テトラアルキルチタネート:Ti(OR)
チタネートキレート:
【化1】


ここで、
Rは、リガンドであり、
Xは、酸素又は窒素を含む官能基を表し、
Yは、2個又は3個の炭素鎖を表す。
【0035】
有機金属が、Rで表される少なくとも1個のリガンドを含む場合、好ましくは、各Rは、直鎖又は分枝鎖C2〜20アルキル基を表す。結合剤中のRで表されるリガンドは、同じであるか、異なっていてよい。
【0036】
適切なテトラアルキルチタネートの具体的な例には、それだけには限らないが、テトライソプロピルチタネート(DuPont de Nemours and Company,LLCからTYZOR TPTの商標で入手可能な)、テトラ−n−ブチルチタネート(TYZOR TnBTの商標でDuPontから入手可能な)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート(DuPontからTYZOR TOTとして入手可能な)、ジイソプロピルジイソステアリルチタネート又は一般式Ti(OR)によって表せる他の物質が含まれる。
【0037】
適切なチタネートキレートの具体的な例には、それだけには限らないが、アセチルアセトネートチタネートキレート(DuPontからTYZOR TPTの商標で入手可能)、エチルアセトアセテートチタネートキレート(DuPontからTYZOR DCとして入手可能)、ジイソプロピルジトリエタノールアミノチタネートキレート(DuPontからTYZOR TEとして入手可能)、乳酸チタネートキレート(アンモニウム塩)(DuPontからTYZOR LAとして入手可能)又は上記の一般式によって表せる他の物質が含まれる。
【0038】
最も好ましいオルガノチタネートは、ジイソプロピルジトリエタノールアミノチタネートキレートである。
【0039】
有機金属の濃度は、一般的に、系全体(即ち毛髪に適用される)の0.0001重量%を上回り、より一般的には、系全体の0.001重量%を上回り、好ましくは、系全体の0.05重量%を上回る。有機金属の濃度は、好ましくは、系全体の10重量%未満、好ましくは、系全体の1%重量未満である。有機金属の濃度は、従って、系全体の0.0001重量%から10重量%、より好ましくは、0.001重量%から1重量%、最も好ましくは、系全体の0.05重量%から1重量%の範囲に収まりうる。
【0040】
本発明で利用される毛髪染色剤は、1種若しくは複数のベース、1種若しくは複数のカップラー、又はベースとカップラーの混合物であってよい。好ましくは、毛髪染色剤は、p−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、3−メチル−4−アミノフェノール、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール及びN−メチル−p−アミノフェノールを含めたベース、並びにレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、1−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、5−ヒドロキシベンゾジオキサン、2,5−ジヒドロキシ−4−メチルピリジン、m−アミノフェノール、5−アミノ−2−メチルフェノール、5−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、2,6−ジアミノピリジン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルアミン、o−アミノフェノール及び2−メチル−5−アミノ−6−クロロフェノールを含めたカップラーからなる群から選択される。
【0041】
より好ましくは、毛髪染色剤は、ベースとカップラーの混合物である。ベース及びカップラーのとりわけ好ましい組合せは、p−アミノフェノール及び5−アミノ−o−クレゾールである。
【0042】
全ての許可された酸化染色剤の最大使用水準は、本明細書の執筆時点でのThe Cosmetics Products(Safety)Regulations 2004に記載されており、これに従わなければならない。一般的に、毛髪染色剤の濃度は、一般的には、系全体(即ち、毛髪に適用される)の0.001重量%を上回り、好ましくは、系全体の0.01重量%を上回る。毛髪染色剤の濃度は、好ましくは、系全体の10重量%未満、より一般的には、5%重量未満、好ましくは、3%重量未満である。毛髪染色剤の濃度は、従って、系全体の0.001重量%から10重量%、より好ましくは、系全体の0.01重量%から5重量%の範囲に収まりうる。
【0043】
酸化剤は、好ましくは過酸化水素である。別法として、上記配合物は、使用時に過酸化水素を発生することができる化合物を含むことができる。後者のクラスの化合物の例には、過酸化尿素(過酸化カルバミド)、過硫酸アンモニウム及び過酸化亜鉛が含まれる。
【0044】
過酸化水素、及び過酸化水素を放出する化合物(例えば、過酸化亜鉛)の最大使用レベルは、本明細書の執筆時点でのThe Cosmetics Products(Safety)Regulations 2004のもとに制限され、これらの制限に従わなければならない。他の酸化剤は、特定の法的制限を有することもあり、有さないこともある。一般的に、酸化剤の濃度は、一般的には、系全体(即ち、毛髪に適用される)の0.01重量%を上回り、より一般的には、系全体の1重量%を上回り、好ましくは、系全体の3重量%を上回る。酸化剤の濃度は、好ましくは、系全体の15重量%未満、好ましくは、10%重量未満である。酸化剤の濃度は、従って、系全体の0.01重量%から15重量%、より好ましくは、1重量%から10重量%、最も好ましくは系全体の3重量%から10重量%の範囲に収まりうる。
【0045】
想像可能であるように、酸化剤及び染色剤の反応のカスケードは、特にベース及びカップラーの組合せが使用される場合に複雑である。従って、多くの従来のパーマネント毛髪染色剤において、最終の対になった染色剤分子の構造は、完全には理解できないことは当然である。毛髪染色剤は、本質的に試行錯誤手法である手法によって、特定の色に普通に配合される。
【0046】
本発明の配合物は、従来の酸化毛髪染色剤に比べて、より強い色、より長持ちする色及び新規な色及び色調を生じることが見出された。更に、これは、安全でない又は毒性のある(例えばPPD)染色剤を使用せずに、且つアンモニア(又は同等の強烈なアルカリ物質)を使用せずに達成される。
【0047】
オルガノチタネートが、パーマネント毛髪染色系に添加される場合、得られる色は、強められうることが実証された。本出願の文脈においては、色の「強度」によって、彩度又は色度(マンセル表色系による)を意味する。色のより大きな強度は、洗いの後に毛髪に残っているより多くの染色剤に起因しうると考えられていたかもしれない。しかしながら、染色剤溶液自体は、ある時間が経過した後に、目に見えて色がより強く、発色団自体の形成が影響を受けていることを示唆している。機構が、単に染色剤が毛髪により強く結合している機構であるならば、溶液の色強度の増加を説明することは難しくなる。
【0048】
有機金属が、パーマネント染色系に添加される場合、色相は、著しく変化する。「色相」によって、我々は、それにより、赤、紫、緑などと認識される色の属性を意味し、それは、その優勢な波長におおよそ対応する。有機金属の作用が、単により多くの染色剤を毛髪に結びつけることであるならば、これは、強度に影響を及ぼすが、色相には影響を及ぼさないことが予想される。
【0049】
従来のパーマネント染色系においては、ベース染色剤は、色を形成するために存在しなければならない。追加のカップラー染色剤も、存在しうるが、カップラーは、少なくとも1種のベースなしで使用されない。驚くべきことに、有機金属及び酸化剤と混合して、カップラー染色剤分子(ベースなし)のみを含む本発明の毛髪染色系は、強い色を生じることが見出された。従来、ベースであるPPD(又はその誘導体)の使用でしか可能でなかった色相が、従って、PPD又は他の潜在的に毒性のあるベースなしで形成することができる。
【0050】
驚くべきことに、本発明の酸化毛髪染色系は、追加のアルカリ物質を含むことを必要としない。とりわけ、本発明の系は、改良されたパーマネント毛髪着色剤として機能することにアンモニアを必要としない。有機金属の添加によって、アンモニアを含む従来の酸化毛髪染色系と比べても、色の持続性が改良される。
【0051】
アンモニアを含まない系は、それらが低刺激性であり、毛髪へのダメージをより少なくし、それらがより良い香りを有することができ、おそらく一般的に使用が快適でありうるため、特に有利である。しかしながら、本発明のいくらかの実施形態においては、アルカリ物質、例えばアンモニアの使用は、望ましいことがある。アンモニアは、従来の酸化毛髪染色剤中に使用されるレベルに匹敵するレベルで含まれてよく、より好ましくは、アンモニアは、より低い量で存在してよい。
【0052】
本発明の系は、コンディショナー、抗酸化剤、保湿剤、タンパク質、アミノ酸、ビタミン、エッセンシャルオイル、光沢剤、日焼け防止剤、ふけ予防活性剤、香料及び例えばシリコーンのような潤滑助剤を含めた他の適切な成分を組み込むことによって毛髪に追加の審美的又は治療的利益を提供するのに適している。
【0053】
本発明に使用される配合物は、毛髪染色剤用の許容される担体、有機金属及び任意の追加の有益成分を含む。適切な担体の選択は、目的の製品タイプ並びに所望の感覚的及び審美的特性に基づく。担体及び配合物は、それだけには限らないが、水中油型、油中水型、水中油中水型、油中水中油型、シリコーン中水型及びシリコーン中水中油型エマルジョンを含めたエマルジョンを含めたいくつかの方法で配合することができる。
【0054】
これらのタイプの配合物においては、許容される担体における成分の範囲は、広いといえる。このような成分は、一般的に、界面活性剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、ワックス、油、シリコーン、ゲル化剤、真珠光沢剤、pH調節剤、乳化剤、保存料、香料及び着色剤である。
【0055】
上記配合物は、アルキルエーテルスルフェート(ラウレス硫酸アンモニウム又はラウレス硫酸ナトリウムなどの)、アルキル及びアルキルアミドアルキルベタイン(コカミドプロピルベタインなどの)の化粧品として許容される塩、エトキシル化アルコール、ポリエチレングリコールカルボキシレート、アルキルスルフェート(ラウリル硫酸アンモニウム又はラウリル硫酸ナトリウムなどの)、スルホスクシネート(スルホコハク酸ラウレス二ナトリウムなどの)、アンホアセテート及びアンホジアセテート(ココアンホジ酢酸二ナトリウムなどの)の許容される塩、アルキルグルコシド及びアルコールスルホネートなどの界面活性剤を含むことができる。
【0056】
上記配合物は、適切に上記配合物の約0.5重量%から約10重量%の量で、アミンオキシド、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックポリマー(例えば、「Pluronic」(登録商標)の商標でBASF Wyandotteから入手可能なもの)、エトキシル化脂肪アルコール、セルロース誘導体(ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの)、塩(NaCl)、フタル酸アミド、ポリビニルアルコール及び脂肪アルコールなどの増粘剤又は粘度調整剤も含むことができる。
【0057】
上記配合物は、適切に上記配合物の約0.1重量%から2.0重量%の量で、PVM、MA又はデカジエンクロスポリマー(Stabilez 06の商標で入手可能な)などのゲル化剤も含むことができる。
【0058】
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩などの金属イオン封鎖剤を、適切に上記配合物の約0.005重量%から約0.5重量%の量で、上記配合物に添加することができる。
【0059】
同様に、適切に上記配合物の約0.01重量%から約1.0重量%の量で、上記配合物中に含むことができるのは、ココアバターなどのワックスである。
【0060】
真珠光沢剤、例えば、ステアリン酸モノエタノールアミンを、適切に上記配合物の約0.01重量%から約10重量%の量で含むことができる。
【0061】
上記配合物のpHは、好ましくは、8から12の、より好ましくはpH9から10.5の範囲である。これを達成するためには、上記配合物は、コハク酸、クエン酸、乳酸及びそれらの許容される塩、リン酸、リン酸一ナトリウム又はリン酸二ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含む系などの当技術分野で周知の手段を用いて緩衝化される必要がありうる。pHは、適切に上記配合物の約0.01重量%から約10重量%の量で、水酸化ナトリウム、アミノメチルプロパノール、トリタノールアミン及び苛性カリなどの薬剤で調整することができる。
【0062】
オルガノチタネートのリガンドは、上記配合物のpH及び従って緩衝化の必要性に影響を及ぼすことがある。例えば、Tyzor TEの加水分解でのトリエタノールアミンの放出は、毛髪染色系のpHを増加させる。
【0063】
上記配合物が、エマルジョンの形態である場合、使用される乳化剤は、油中水型又は水中油型エマルジョンでの使用のための当技術分野で周知の任意の乳化剤であってよく、それらの例は次の通りである。
a)例えばArlacel 83(ICI)の商標で市販されているソルビタンセスキオレエート、又はポリグリセリル−2−セスキオレエートなどのセスキオレエート、
b)例えばArlacel 989(ICI)の商標で市販されている水素添加ヒマシ油のポリエトキシル化エステルなどの天然油の誘導体のエトキシル化エステル、
c)例えば、ABIL WS08(Th.Goldschmidt AG)の商標で市販されているシリコーンポリオールなどのシリコーン乳化剤、
d)脂肪酸石鹸、例えば、ステアリン酸カリウム及び脂肪酸スルフェート、例えばDehydag(Henkel)の商標で市販されているナトリウムセトステアリルスルフェートなどのアニオン乳化剤、
e)エトキシル化脂肪アルコール、例えば、Brij(ICI)の商標で市販されている乳化剤、
f)ソルビタンエステル、例えば、Span(ICI)の商標で市販されている乳化剤、
g)エトキシル化ソルビタンエステル、例えば、Tween(ICI)の商標で市販されている乳化剤、
h)エトキシル化ステアリン酸エステルなどのエトキシル化脂肪酸エステル、例えば、Myrj(ICI)の商標で市販されている乳化剤、
i)エトキシル化モノ、ジ、及びトリグリセリド、例えば、Labrafil(Alfa Chem.)の商標で市販されている乳化剤、
j)非イオン自己乳化ワックス、例えば、Polawax(Croda)の商標で市販されているワックス、
k)エトキシル化脂肪酸、例えば、Tefose(Alfa Chem.)の商標で市販されている乳化剤、並びに
l)それらの混合物。
【0064】
上記配合物は、シャンプー、コンディショナー、ローション、クリーム、ペースト、スプレー、ゲル、ワックス、セラム、ムース及びトニックを含めた多種多様の製品タイプに配合することができる。好ましい配合物は、毛髪にむらなく適用するのが容易であるが、十分に粘性があって、適用すると毛髪から流れ落ちない、又は滴らない。好ましい配合物は、従って、ローション、クリーム、ゲル、ムース、シャンプー及びコンディショナーに配合される。
【0065】
本発明のパーマネント毛髪染色系は、最初は、1種又は複数の別個の配合物(使用中に一緒にされる)であってよい。別個の配合物の製品タイプは、同じであるか又は異なっていてよい。最も好ましくは、適用の前に一緒に混合される2種の配合物があり、一方が、染色剤を含むシャンプー又はコンディショナータイプの製品であり、他方が、酸化剤を含むローションタイプの製品である。オルガノチタネートを、どちらかの配合物中に含むことができ、別個の配合物の同一又は類似の量が、湿った又は乾燥した毛髪への適用の直前に一般的に混合される。
【0066】
他の実施形態においては、上記系の成分のいくらか又は全ては、乾燥粉末混合物として供給されうる。水が、次いで、配合物を作製するための使用の直前に添加される。
【0067】
上記配合物は、一般的に乾燥した毛髪に適用され、所定の時間放置され、その間に色が発現する。この時間は、好ましくは、約1から120分である。色の発現を促進するために、熱を適用することができる。
【0068】
毛髪を、次いで、水ですすぎ落とし、通常、シャンプー及び/又はコンディショナーが、適用される。
【0069】
一般的には、ストランド及びパッチテストが、酸化毛髪染色剤製品を使用する48時間前に実施される。本発明の酸化毛髪染色剤配合物に使用される、特定の有機金属及び/又は毛髪染色剤に対する接触アレルギーに関して特に点検を行うテストパッチが開発されることが期待される。
【0070】
次の実験結果は、本発明の利点を実証し、現在入手可能な毛髪着色剤に対する改良を強調する。
【0071】
、a及びbの数値は、CIELAB測色法においてCIE(Commission Internationale de I’Eclairage)によって使用される数値である。Lは、明(ここでL=100)及び暗(ここでL=0)の差異を表し、aは、緑(−a)及び赤(+a)の差異を表し、bは、黄(+b)及び青(−b)の差異を表す。これらの座標を用いて、任意の色を、定義することができる。L、a、b又はEにおける差異は、L、a、b又はEとして表され、ここで、E=(L*2+a*2+b*2)である。Eは、色の差異の等級を表すが、色の差異の性質を表さない。
【0072】
1.標準の染色剤組合せを用いた改良された色の強度
オルガノチタネートが、パーマネント毛髪染色系に添加される場合に、得られる色は、強められうることが実証された。
【0073】
p−アミノフェノール(PAP)及び4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン(5−アミノ−o−クレゾールとしても知られる)(PAOC)の溶液を、水中0.25%の濃度で調製した。各溶液の10mlを、3つの30mlガラス瓶に添加し、それらの各中に、漂白された毛髪の見本を浮遊させた。過酸化水素水溶液(30%)の1滴を、各瓶に添加し、次いで、1滴のトリエタノールアミンチタネートキレート溶液(Tyzor TEとしてDupontから入手した)を、1つの瓶だけに添加した。これらの瓶を、密閉して振とうし、次いで2時間放置の後、見本を取り出し、洗浄して送風して乾かした。これらの見本の色を、ミノルタ比色計を用いて測定した。結果(オルガノチタネートを添加した、及びオルガノチタネートを添加していない酸化毛髪染色系で染めた毛髪の見本の色)が、表1に与えられている。
【表3】


ΔEは、処置されていない見本及び処置された見本の色差異の測度を示し、オルガノチタネートの添加が、色を強くすることを示している。追加の染色剤の存在なしに使用されたオルガノチタネートは、毛髪に多くの色を与えず、オルガノチタネートは、それ自体、染色剤として作用しないことを示していることを留意されたい。
【0074】
2.標準の染色剤の組合せを用いた色度における変化
表1中のデータは、オルガノチタネートを使用して、及びオルガノチタネートを使用しないで染めた毛髪の見本の色を表している。特に、a及びbは、色相の情報を提供する。色相(hab)は、次の式を用いて定量的に表すことができる。
ab=tan−1(b/a
オルガノチタネートを添加した、及びオルガノチタネートを添加していない酸化毛髪染色系で染めた毛髪の見本の色相の算出は、表2に示されている。
【表4】


オルガノチタネート(Tyzor TE)が添加される場合に、色相が変わることを、表2中のhabの数値を比較することによって見ることができる。
【0075】
3.長持ちする色
上記で作製された見本を使用して、標準のシャンプーを使用して各見本を手で30秒間洗い、次いで30秒間冷水ですすぐことによって、洗い流し試験を行った。1滴のアンモニア溶液が着色溶液に添加された更なる見本も、試験に含まれた。5回の洗い及びすすぎの各セットの後、見本を送風して乾かし、比色計を使用して色を測定した。前述の結果が示したように、着色直後のΔEは、全ての見本で同じではなく、これは、洗い流し比率をΔEを直接使用して比較することは難しいことを意味する。従って、各色の測定のために、ΔEが、ΔEの最初の値の百分率として計算され、色損失(色あせ)の相対的比率が見えるようになる。結果は、表3に示されている。
【表5】


表3の結果は、オルガノチタネートの添加は、アンモニア含有系と比較しても色の持続性を改良することを示している。
【0076】
4.新規の染色剤組合せ(ベースを含まない着色剤)
通常、ベースが、色を形成するために存在しなければならない。追加のカップラーも、存在してよいが、カップラーは、少なくとも1種のベースも存在せずに使用されることはない。表4は、どのようにオルガノチタネートの存在が、カップラーがベースに同様に作用する原因となるかを示している。ΔEは、処置されていない見本及び処置された見本の色差異の測度を示している。
【表6】


2つの例が示され、一方は、1種のカップラー、m−アミノフェノール(MAP)を使用し、他方は、PAP及び2−メチル−5−アミノ−6−クロロフェノール(5−アミノ−6−クロロ−o−クレゾールとしても知られる)(5A6COC)を使用する。明らかに、カップラーが、それ自体に使用される場合(予想されるように)、ほとんど色が形成されない。しかしながら、オルガノチタネートが添加される場合、強い色が形成される。これらは、染色剤分子の新規の組合せであり、通常はPPD又はその誘導体に依存する色調を形成する能力と共に、これは、PPDが含まれていない着色剤、及びPPD誘導体が含まれていない着色剤の可能性を提供する。それは、同様に、従来の酸化毛髪染色剤の組合せを使用して可能ではない、新しい、改良された色(例えばより良い赤)が得られるかもしれないという可能性を広げる。
【0077】
上記に記載されたものなどの有機金属化合物、及び他の関連した化合物は、化粧又は治療有益剤を含む局所用組成物により大きな直接性を与えることができることも見い出された。
【0078】
従って、本発明の別の態様によれば、
a)1種又は複数の化粧及び/又は治療有益剤と、
b)組成物が適用される下地に対する、前記有益剤の少なくとも1種に共有結合するように作用する、加水分解性又は交換性リガンドを有する結合剤と、
c)許容される担体と
を含む身体への局所適用のための化粧組成物が提供される。
【0079】
このような組成物は、主として、組成物が改良された「持続性(substantivity)」を示す、即ち、その効果の期間、長期の磨耗特性及び退色抵抗性が強化されるという点で有利である。
【0080】
結合剤は、加水分解によって開裂され、又は別のリガンドと交換されて除去され、有益剤及び下地(substrate)、例えば皮膚、毛髪、爪、唇又は粘膜中に見い出される1種又は複数の官能基の間の結合剤として役立つ反応物質を残すことができるリガンドによって囲まれた中心原子(1つ又は複数)を有する物質である。とりわけ、オルガノチタネート、オルガノジルコネート又はオルガノシリケートは、種々の有益剤の改善された直接性が、皮膚、毛髪、爪、唇又は粘膜に観察されるほどに、適切な結合剤として役立つことが見い出された。
【0081】
理論に制限されずに、結合基は、皮膚、毛髪、爪、唇及び粘膜などの下地中に存在する特定の官能基と共有結合して、同様に適切な官能基を含む下地に対する所望の有益剤の実質的な結合を形成すると考えられる。このような反応の一実施形態は、次の反応スキームによって表すことができる。
下地−A+活性剤−A+M−(O−R)→下地−O−M−((OR)n−2)O−活性剤
式中、
「下地」は、組成物が適用される表面、例えば皮膚、毛髪、爪、唇又は粘膜を表し、
「活性剤」は、有益剤を表し、
Aは、下地の表面に、又は活性剤に存在する、ヒドロキシル、アミノ、アミド、チオ又はカルボキシルなどの官能基を表し、
nは、リガンドの数を表し、
Mは、チタニウム、ジルコニウム又はケイ素を表し、
Rは、加水分解性又は交換性リガンドを表す。
【0082】
関係するリガンドR、及び官能基Aは、全て同じであってよく、又は異なっていてよいことは理解されたい。
【0083】
本発明で使用される結合剤は、好ましくは、オルガノチタネート、オルガノジルコネート又はオルガノシリケート、より好ましくはテトラアルキルチタネート又は次の一般構造のチタネートキレートである。
テトラアルキルチタネート:Ti(OR)
チタネートキレート:
【化2】


オルガノジルコネート:Zr(OR)
オルガノシリケート:Si(OR)
ここで、
Rは、リガンドであり、
Xは、酸素又は窒素を含む官能基を表し、
Yは、2個又は3個の炭素鎖を表す。
【0084】
結合剤が、少なくとも1種のRで表されるリガンドを含む場合、好ましくは、各Rは、直鎖又は分枝鎖C2〜20アルキル基を表す。結合剤中のRで表されるリガンドは、同じで又は異なっていてよい。
【0085】
リガンド及び中心原子の間の結合は、加水分解を受けやすいことがあり、適切な条件下で、開裂されて、下地の上の官能基及び有益剤と反応することによって結合剤として作用しうる反応性物質を残しうる。1つのこのような加水分解反応は、次のスキームで表される。
Ti(OR)+HO→Ti(OR)OH+ROH
Ti(OR)OH+Ti(OR)→(RO)TiOTi(OR)+ROH
(RO)TiOTi(OR)+2HO→2[HOTi(OR)OH]+2ROH
HOTi(OR)OH→TiO・2HO+4ROH
適切な官能基(本例において、ヒドロキシル)を有する下地及び活性剤の存在下で、次のタイプの反応が発生しうる。
Ti(OR)+下地−OH→下地−O−Ti(OR)+ROH
下地−O−Ti(OR)+HO−活性剤→下地−O−Ti(OR)O−活性剤
上記の反応は、テトラアルキルチタネートを含み、類似の代表が、本明細書に引用される他のタイプの結合剤のために提案されうる。
【0086】
別法として、リガンドを、加水分解を関与させない機構によって他のリガンドと交換して、下地に有益剤を共有結合させるように作用しうる反応性物質を残すことができる。
【0087】
本発明の別の態様においては、有益剤の耐久性を改善する方法が提供され、その方法は、別個の組成物が、下地の上で混合されるように別個の組成物の下地への適用を含み、その組成物の1つは、上記に記載された結合剤を含み、その組成物の他方は、有益剤を含む。
【0088】
本発明は、結合剤を、安全且つ有効な量で使用する。「安全且つ有効な量」によって、当業者によって判断されて、知覚できる且つ/又は著しい利点を与えるのに十分であるが、任意の著しい副作用を回避するのに十分低い量を意味する。本明細書で使用される「化粧有益剤」は、それが適用される下地、特に、皮膚、毛髪、爪、唇又は粘膜の表面に、審美的、感覚的又は機能的属性を与える化合物、物質、及び/又は活性剤を意味する。同様に、「治療有益剤」は、それが適用される下地の表面に治療効果を有する、又はその下地を経由して送達されるときに、身体の他の場所で治療効果を有する化合物、物質、及び/又は活性剤を意味する。
【0089】
本発明の本態様における使用のための好ましい結合剤は、テトラアルキルチタネート又は次の一般式のチタネートキレート化合物である。
Ti(OR)
【化3】


式中、R、X及びYは、上記で定義された通りである。
【0090】
具体的な例には、それだけには限らないが、アセチルアセトネートチタネートキレート(DuPontからTYZOR TPTの商標で入手可能)、エチルアセトアセテートチタネートキレート(DuPontからTYZOR DCとして入手可能)、トリエタノールアミノチタネートキレート(DuPontからTYZOR TEとして入手可能)、乳酸チタネートキレート(アンモニウム塩)(DuPontからTYZOR LAとして入手可能)又は上記の一般式によって表せる他の物質が含まれる。
【0091】
有用でありうる他の結合剤は、次の一般的なタイプのオルガノジルコネート及びオルガノシリケート化合物である。
オルガノジルコネート
Zr(OR)
式中、Rは、上記で定義された通りである。
具体的な例には、それだけには限らないが、ジルコニウムテトラ−n−ブタノレート、ジルコニウムテトラ−n−プロパノレート、又は一般式Zr(OR)で表しうる任意の他の物質が含まれる。
【0092】
オルガノシリケート
Si(OR)
式中、Rは、上記で定義された通りである。
具体的な例には、それだけには限らないが、テトラエチルオルトシリケート又は一般式Si(OR)で表しうる任意の他の物質が含まれる。
【0093】
本発明による組成物は、好ましくは、組成物の約0.001重量%から約25重量%、より好ましくは、約0.1重量%から約10重量%の結合剤を含む。
【0094】
本発明の組成物は、皮膚、毛髪、爪、唇又は粘膜に対する堆積及び付着によって治療的又は審美的利益を提供するのに適切である。適切な化粧用薬剤には、それだけには限らないが、吸収剤、抗セルライト剤、ふけ予防剤、抗酸化剤、制汗剤/デオドラント活性剤、抗漏脂薬、抗皮膚萎縮活性剤、皺取り活性剤、人工日焼け剤及び促進剤、収斂剤、殺菌剤、バリア修復剤、バインダー、漂白剤、緩衝剤、増量剤、カロテノイド、キレート剤、瘢痕剤、着色剤、染色剤、エラストマー、皮膚軟化剤、酵素、エッセンシャルオイル、脂肪酸、皮膜形成剤、着香料、芳香剤、清涼化剤、ヘアコンディショナー、ホルモン、保潤剤、親水コロイド、防虫剤、角質溶解薬、光拡散剤、ネイルエナメル、油吸収剤、乳白剤、蛍光増白剤、光学的変性剤、酸化剤、微粒子、香料、pH調整剤、顔料、植物組織エキス、還元剤、樹脂、レチノイド、皮脂調整剤、金属イオン封鎖剤、スキンコンディショナー/モイスチャライザー、肌触り変性剤、皮膚保護薬、皮膚処理剤、皮膚角質除去剤、皮膚美白剤、皮膚鎮静剤及び/又は治癒剤、皮膚肥厚剤、整髪剤、トニック、水溶性及び脂溶性日焼け止め活性剤、紫外線安定剤、ビタミン化合物、並びにそれらの組合せからなる群から選択されるものが含まれる。適切な治療有益剤には、それだけには限らないが、にきび抑制剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗菌剤、局所麻酔剤及び抗ウイルス剤からなる群から選択されるものが含まれる。
【0095】
適切な着色剤には、ファンデーション、頬紅、しみ被覆組成物、及び他の典型的なカラー化粧品に使用されるものが含まれる。このような薬剤は、実際において、メイクアップ用途に適した化粧組成物をもたらす。
【0096】
本発明の組成物は、結合剤及び有益剤及び任意の追加の成分のための化粧上又は薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む。適切な担体の選択は、組成物の目的の用途に基づく。担体及び組成物は、それだけには限らないが、水中油型、油中水型、水中油中水型、油中水中油型、シリコーン中水型及びシリコーン中水中油型エマルジョンを含めたいくつかの様式で配合することができる。
【0097】
本発明の組成物は、クリーム、ワックス、ペースト、パテ、ローション、ミルク、ムース、ゲル、油、トニック、及びスプレーを含めた多種多様の製品タイプに配合することができる。好ましい組成物は、ローション、クリーム、ゲル、スプレー、口紅及びリップグロスである。これらの製品形態は、それだけには限らないが、ハンドローション及びボディローション、コールドクリーム、フェーシャルモイスチャライザー、にきび抑制製剤、局所鎮痛剤、ファンデーション、アイシャドウ、リップ化粧品を含めたメイクアップ/化粧品などを含めた多くの用途に使用することができる。このような製品を配合するのに必要な任意の追加の成分は、製品タイプによって異なり、当業者によって、ごく普通に選択されうる。
【0098】
本発明の組成物は、結合剤を使用して付着される有益剤の性質に応じて、皮膚、毛髪、爪、唇及び粘膜を含めた種々の用途に有用である。本願で開示され特許請求された組成物の使用方法には、それだけには限らないが、化粧活性剤の皮膚に対する直接性の増加方法、皮膚の保湿方法、皮膚の自然の外観の改良方法、皮膚又は唇へのカラー化粧品の適用方法、皮膚の臭気除去方法、皮膚への制汗効果の提供方法、皺の予防、抑制、及び/又は治療方法、皮膚への紫外線保護の提供方法、セルライトの予防、抑制、及び/又は治療方法、油の発生の予防、抑制、及び/又は制御方法、皮膚の感触及び質感の改変方法、一様な肌の色合いの提供方法、ヒトの皮膚の染み及び/又は欠点の隠ぺい方法、皮膚の悪臭の予防又は治療方法、毛髪の着色方法、整髪方法並びに髪のコンディショニング方法が含まれる。
【0099】
本発明が、例示のみのために、次の実施例を参照して、より詳細に記載され、ここで、実施例1から3は、酸化毛髪染色剤を例証し、実施例4から18は、改善された持続性を有する局所用組成物に関する。本発明による酸化毛髪染色剤中に組み込まれる毛髪染色剤のタイプ及び量は、所望の着色効果による。
【実施例】
【0100】
(実施例1)
毛髪染色剤及び有機金属成分を含む界面活性剤(シャンプー)ベース成分
成分 重量%
1.コカミドMEA 3.5
2.ジステアリン酸グリコール 3.5
3.ナトリウムグルセプテート 0.25
4.ナトリウムメタビスルフェート 2.0
5.ナトリウムエルブソロボレート(Sodiumerbthroborate) 0.3
6.コカミドプロピルベタイン 6.625
7.希釈ナトリウムラウリルエーテルスルフェート 25.75
8.ラウレス−3 10.0
9.オレイン酸 4.0
10.アンモニア 3.5
11.クエン酸一水和物 0.1
12.毛髪染色剤 適量
13.オルガノチタネート 適量
14.純水 100%まで適量
方法
1.1、2及び8を70〜75℃に融解されるまで加熱する。
2.3、4、5、11及び12を14中に分散して70〜75℃に加熱する。
3.6及び7を撹拌しながら水相に入れ、70〜75℃に保つ。
4.水相に油相を添加して10分間ホモジナイズする。
5.<35℃に冷却する。
6.9及び10をゆっくりと撹拌しながら入れる。
【0101】
(実施例2)
毛髪染色剤及び有機金属を含むエマルジョン(コンディショナー)ベース成分
成分 重量%
1.テトラナトリウムEDTA 0.14
2.安息香酸ナトリウム 0.1
3.フェノキシエタノール 0.1
4.クエン酸一水和物 1.5
5.セテアス−25 1.5
6.セテアリルアルコール 2.25
7.ステアリルアルコール 2.25
8.毛髪染色剤 適量
9.オルガノチタネート 適量
10.純水 100%まで適量
方法
1)5、6及び7を70〜75℃に加熱する。
2)1、2及び8を9に分散する。70〜75℃に加熱する。
3)水相に油を添加して10分間ホモジナイズする。
4)<35℃に冷却する。
5)3を撹拌しながら入れる。
【0102】
(実施例3)
酸化剤を含む顕色ローション成分
成分 重量%
1.テトラナトリウムEDTA 0.1
2.リン酸 0.1
3.過酸化水素溶液(65%) 25.0
4.セテアス−20 2.0
5.セテアリルアルコール 4.0
6.錫酸ナトリウム 0.005
7.純水 100%まで適量
方法
1.1、2及び6を7に分散する。70〜75℃に加熱する。
2.4及び5を70〜75℃に融解されるまで加熱する。
3.油を水に添加して10分間ホモジナイズする。
4.<35℃に冷却する。
5.3を、次いで7を撹拌しながら入れる。
使用時、適切な製品組合せは、毛髪染色剤分子及び有機金属を含むシャンプー又はコンディショナーベース製品(例えば、実施例1又は実施例2の配合物)、及び酸化剤を供給する顕色ローション(例えば、実施例3の配合物)である。有機金属は、酸化剤を含む顕色ローションに含まれてよいが、より好ましくは毛髪染色剤を含むベース配合物中に含まれてよい。一般的に、ベース配合物及び顕色ローションの等量を、一緒に混合して反応を開始する。この反応物を、次いで乾燥した毛髪に約1分から約120分間適用する。この毛髪を、次いで、水ですすぎ、通常はシャンプー又はコンディショナーを使用する。この毛髪を、次いで、自然に乾燥させるか、又はタオルで若しくはヘアドライアーを用いて乾燥させてよい。
【0103】
(実施例4)
ヒトの皮膚の2つの領域を、Blue No1 Dyeを用いて処置し、このうち1つは、いくらかのテトラ−n−ブチルチタネートを予め適用してあった。染色剤を適用した1分後、染色剤を、石鹸及び水を用いて皮膚から洗い落とした。青色は、テトラ−n−ブチルチタネートが適用された場所で目に見えてより強く、対照(未処置)領域の着色に比べてより長持ちした。
【0104】
(実施例5)
2つのヒトの毛髪の見本を、オリーブ油を用いて処置し、このうちの1つはいくらかのテトラ−n−ブチルチタネートを予め適用してあった。油を適用した1分後、油を、石鹸及び水を用いて毛髪から洗い落とした。テトラ−n−ブチルチタネートで処置した毛髪は、対照(未処置)見本に比べて著しく油っぽかった。驚くべきことに、ラウリル硫酸ナトリウムを用いた数回の洗いの後でも、油を除去することができなかった。
【0105】
(実施例6)
デイクリーム
重量%
水 100まで適量
ブチレングリコール 5
ジカプリリルマレエート 4
鉱物油 4
オクチルメトキシシンナメート 3
ペトロラタム 3
セチルアルコール 2
グリセリン 2
ジメチコーン 2
セテアリルアルコール 1.6
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 1
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
PEG−20ステアレート 0.4
ポリアクリルアミド 0.4
パルファム 0.3
C13〜14イソパラフィン 0.215
レチニルパルミテート 0.15
テトラナトリウムEDTA 0.1
クエン酸 0.08
ラウレス−7 0.055
BHT 0.0024
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩 1
保存料 適量
段階1
テトラナトリウムEDTA及びクエン酸を、プロペラ撹拌機を用いて水に添加する。ヒドロキシエチルセルロースを、添加しホモジナイザーを用いて分散する。ブチレングリコール、グリセリン及びメチルパラベンを添加し、このバルクを70℃に加熱する。
段階2
ジカプリリルマレエート、鉱物油、オクチルメトキシシンナメート、ペトロラタム、セチルアルコール、ジメチコーン、セテアリルアルコール、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、PEG−20ステアレート、C13〜14イソパラフィン、ラウレス−7及びBHTを、混合し70℃に加熱してワックスを融解する。
段階3
ホモジナイザーを用いて、段階2を、段階1に添加し、このバルクを、乳化されて安定するまで混合する。この生成物を、次いで、撹拌を用いながら35℃未満に冷却する。乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残余の原材料を添加し、この生成物を、プロペラ撹拌機を用いて均一になるまで混合する。この生成物を、純水を用いて所定の重量にする。
この配合物は、長持ちする保湿利益をもたらす。
【0106】
(実施例7)
ナイトクリーム
重量%
水 100まで適量
グリセリン 5
鉱物油 4.5
ジカプリリルマレエート 3
ジメチコーン 3
ペトロラタム 3
パラフィン 2.9
セチルアルコール 2
ステアレス−2 2
グリセリルステアレート 1.5
ブチロスパーマムパーキー 1.5
ステアレス−21 1
マンニトール 1
微結晶ろう 0.262
ホホバ油 0.5
プロピレングリコール 0.48
パルファム 0.4
ボリジ油 0.3
ヒドロキシエチルセルロース 0.3
乳漿タンパク 0.3
キサンタンガム 0.25
変性アルコール 0.08
クエン酸ナトリウム 0.08
レシチン 0.075
BHT 0.05
フェックス(Faex) 0.04
リン脂質 0.03
クエン酸 0.025
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 1
保存料 適量
段階1
水中に、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを、添加し分散する。ヒドロキシエチルセルロースを、プロペラ撹拌機を用いて添加し水和させる。キサンタンガムを、グリセリン中に予め分散し、このバルクに添加する。これを、均一になるまで撹拌する。この水相を、次いで70℃に加熱する。
段階2
鉱物油、ジカプリリルマレエート、ジメチコーン、ペトロラタム、パラフィン、セチルアルコール、ステアレス−2、グリセリルステアレート、ステアレス−21、微結晶ろう及びBHTを、混合し70℃に加熱してワックスを融解する。
段階3
ホモジナイザーを用いて、段階2を、段階1に添加し、これを、乳化されて均一になるまで混合する。このエマルジョンを、次いで、撹拌を用いながら35℃未満に冷却する。乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残余の材料を、次いで添加し混合する。この生成物を、次いで、純水を用いて所定の重量にし、均一になるまで撹拌する。
この配合物は、保湿性などの長持ちする皮膚利益をもたらす。
【0107】
(実施例8)
眼用クリーム
重量%
水 100まで適量
ブチレングリコール 6
鉱物油 5
オクチルメトキシシンナメート 4
ジメチコーン 2
ペトロラタム 2
セテアリルオクタノエート 1.8
セテアリルアルコール 1.6
グリセリルステアレート 1.5
セチルアルコール 1
プルーナス・ダルシス 1
グリセリン 0.57
水素化植物性グリセリドシトレート 0.5
トコフェリルアセテート 0.5
ビサボロール 0.475
パンテノール 0.45
リン酸ナトリウム 0.42
PEG−20ステアレート 0.4
イソプロピルミリステート 0.2
カルボマー 0.15
PEG−12イソステアレート 0.125
アラントイン 0.1
テトラナトリウムEDTA 0.1
乳酸 0.088
リン酸二ナトリウム 0.083
水酸化カリウム 0.051
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 1
保存料 適量
段階1
水中に、クエン酸、EDTA、リン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム及び乳酸を、添加し分散する。ホモジナイザーを用いて、カルボマーを、添加し水和させる。この水相を、次いで、70℃に加熱する。
段階2
鉱物油、オクチルメトキシシンナメート、ジメチコーン、ペトロラタム、セテアリルオクタノエート、セテアリルアルコール、グリセリルステアレート、セチルアルコール、水素化植物性グリセリドシトレート、トコフェリルアセテート、PEG−20ステアレート、イソプロピルミリステート及びPEG−12イソステアレートを、混合し70℃に加熱してワックスを融解する。
段階3
ホモジナイザーを用いて、段階2を、段階1に添加し、これを、乳化されて均一になるまで混合する。このエマルジョンを、次いで、撹拌を用いながら35℃未満に冷却する。乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残余の材料を、次いで添加し混合する。この生成物を、次いで、純水を用いて所定の重量にし、均一になるまで撹拌する。
この配合物は、眼を取り囲む領域に長持ちする有益性をもたらす。
【0108】
(実施例9)
眼用クリーム
重量%
水 100まで適量
ブチレングリコール 6
鉱物油 5
オクチルメトキシシンナメート 4
ジメチコーン 2
ペトロラタム 2
セテアリルオクタノエート 1.8
セテアリルアルコール 1.6
グリセリルステアレート 1.5
セチルアルコール 1
プルーナス・ダルシス 1
グリセリン 0.57
水素化植物性グリセリドシトレート 0.5
トコフェリルアセテート 0.5
ビサボロール 0.475
パンテノール 0.45
リン酸ナトリウム 0.42
PEG−20ステアレート 0.4
イソプロピルミリステート 0.2
カルボマー 0.15
PEG−12イソステアレート 0.125
アラントイン 0.1
テトラナトリウムEDTA 0.1
乳酸 0.088
リン酸二ナトリウム 0.083
水酸化カリウム 0.051
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 10
保存料 十分量
段階1
水中に、クエン酸、EDTA、リン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム及び乳酸を、添加し分散する。ホモジナイザーを用いて、カルボマーを、添加し水和させる。この水相を、次いで、70℃に加熱する。
段階2
鉱物油、オクチルメトキシシンナメート、ジメチコーン、ペトロラタム、セテアリルオクタノエート、セテアリルアルコール、グリセリルステアレート、セチルアルコール、水素化植物性グリセリドシトレート、トコフェリルアセテート、PEG−20ステアレート、イソプロピルミリステート及びPEG−12イソステアレートを、混合し70℃に加熱してワックスを融解する。
段階3
ホモジナイザーを用いて、段階2を、段階1に添加し、これを、乳化されて均一になるまで混合する。このエマルジョンを、次いで、撹拌を用いながら35℃未満に冷却する。乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残余の材料を、次いで添加し混合する。この生成物を、次いで、純水を用いて所定の重量にし、均一になるまで撹拌する。
この配合物は、眼を取り囲む領域に長持ちする有益性をもたらす。
【0109】
(実施例10)
皮膚保護ローション
重量%
水 100まで適量
ジメチコーン 5
グリセリン 3
カオリン 3
ジカプリリルマレエート 2.5
イソプロピルミリステート 2.5
ステアレス−2 2
オクチルメトキシシンナメート 1
ステアレス−21 1
セチルアルコール 0.75
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.5
プロピレングリコール 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
キサンタンガム 0.24
セリカ(Serica) 0.1
ナトリウムC8〜16イソアルキルスクシニルラクトグロブリンスルホネート 0.1
テトラナトリウムEDTA 0.1
クエン酸 0.05
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 1
保存料 適量
段階1
水中に、クエン酸及びEDTAを、添加し分散する。ヒドロキシエチルセルロースを、プロペラ撹拌機を用いながら添加し水和する。キサンタンガムを、グリセリン中に予め分散し、このバルクに添加する。これを、均一になるまで撹拌する。この水相を、次いで70℃に加熱する。
段階2
ジメチコーン、ジカプリリルマレエート、イソプロピルミリステート、ステアレス−2、オクチルメトキシシンナメート、ステアレス−21、セチルアルコール及びブチルメトキシジベンゾイルメタンを、混合し70℃に加熱してワックスを融解する。
段階3
ホモジナイザーを用いて、段階2を、段階1に添加し、これを、乳化されて均一になるまで混合する。このエマルジョンを、次いで、撹拌を用いながら35℃未満に冷却する。乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残余の材料を、次いで添加し混合する。この生成物を、次いで、純水を用いて所定の重量にし、均一になるまで撹拌する。
この配合物は、長持ちする皮膚利益をもたらす。
【0110】
(実施例11)
日焼けローションSPF8
重量%
水 100まで適量
C12〜15アルキルベンゾエート 8
ブチレングリコール 5
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2.2
ジメチコーン 2
ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート 2
PVP/ヘキサデセンコポリマー 1.75
オクチルメトキシシンナメート 1.7
テオブロマカカオ 0.5
パルファム 0.5
トコフェリルアセテート 0.2
アクリレート/ビニルイソデカノエートクロスポリマー 0.15
水酸化カリウム 0.034
テトラナトリウムEDTA 0.02
保存料 適量
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 10
段階1
EDTAを、水中に分散する。プロペラ撹拌機を用いながら、アクリレート/ビニルイソデカノエートクロスポリマーを、添加し分散し水和する。ブチレングリコールを、添加し、水相を、70℃に加熱する。
段階2
C12〜15アルキルベンゾエート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジメチコーン、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート、PVP/ヘキサデセンコポリマー、オクチルメトキシシンナメート、テオブロマカカオ及びトコフェロールアセテートを、混合し70℃に加熱してワックスを融解する。
段階3
ホモジナイザーを用いて、段階2を、段階1に添加し、このバルクを、乳化され均一になるまで混合する。このエマルジョンを、撹拌しながら35℃未満に冷却する。乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残りの材料を、添加し混合する。この生成物を、純水を用いて所定の重量にし、均一になるまで撹拌する。
この配合物は、紫外線からの長持ちする保護をもたらす。
【0111】
(実施例12)
老化防止ファンデーション
重量%
水 100まで適量
ブチレングリコール 9.8
セテアリルイソノナノエート 4.9
ジメチコーン 3.2
グリセリン 1.96
シリカ 1.9
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 1.67
鉱物油 1.67
ペトロラタム 1.67
水素化ココグリセリド 1.67
セテアリルオクタノエート 1.5
セテアリルアルコール 1.35
オクチルメトキシシンナメート 1.28
タルク 1
グリセリルステアレート 0.95
PEG−100ステアレート 0.9
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.6
異性化糖 0.54
乳酸 0.45
ナトリウムポリアクリレート 0.45
窒化ホウ素 0.42
ナトリウムPCA 0.4
ボラゴオフィシナリス(Boragoofficinalis) 0.4
トコフェリルアセテート 0.4
PVP/ヘキサデセンコポリマー 0.4
PEG−20ステアレート 0.33
グリコール酸 0.2
ナトリウムステアロイルラクチレート 0.2
イソプロピルミリステート 0.17
ポリアミノプロピルビグアニド 0.16
テトラナトリウムEDTA 0.1
キサンタンガム 0.1
クエン酸 0.06
変性アルコール 0.04
レシチン 0.037
保存料 適量
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 10
段階1
水中に、クエン酸、EDTA及び乳酸を、添加し分散する。キサンタンガムを、ブチレングリコール中に予め分散し、このバルクに添加する。水相を、次いで70℃に加熱する。
段階2
セテアリルイソノナノエート、ジメチコーン、シリカ、PVP/ヘキサデセンコポリマー、カプリリック/カプリックトリグリセリド、鉱物油、ペトロラタム、水素添加ココグリセリド、セテアリルオクタノエート、セテアリルアルコール、オクチルメトキシシンナメート、タルク、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ボラゴオフィシナリス、トコフェリルアセテート、ナトリウムステアロイルラクチレート、イソプロピルミリステート及びレシチノイル相を、混合し70℃に加熱してワックスを溶解する。
段階3
ホモジナイザーを使用して、段階2を、段階1に添加し、これを、乳化されて均一になるまで混合する。このエマルジョンを、次いで、撹拌を用いながら35℃未満に冷却する。乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残りの材料を、次いで添加し混合する。この生成物を、次いで、純水を用いて所定の重量にし、均質になるまで撹拌する。
この配合物は、皮膚に長持ちする老化防止利益をもたらす。
【0112】
(実施例13)
口紅
重量%
トウゴマ 20
オクチルドデカノール 15
ペンタエリスリチルテトラカプリレート/カプレート 14
雲母 10
ビス−ジグリセリルカプリレート/カプレート
/イソステアレート/ステアレート/ 7.5
ヒドロキシステアレートアジペート
パラフィン 5
微結晶ろう 5
プロピレングリコール 2
水素化ヒマシ油 2
カンデリラセラ(Candelillacera) 1
カルナバ 1
合成ワックス 1
ブチロスパーマムパーキー 1
二酸化チタン 0.5
トコフェリルアセテート 0.2
ポリクオタニウム−37 0.2
赤色着色剤 適量
テトラ−n−ブチルチタネート 1
段階1
テトラ−n−ブチルチタネートを、プロピレングリコール中に撹拌しながら予め分散する。
段階2
残りの材料を、容器中で混合し、融解し均一になるまで85℃に加熱する。この生成物を、冷却し、テトラ−n−ブチルチタネートプレミックスを、70℃未満で添加する。この生成物を、適切な容器中に注ぎ、室温に冷却して硬化させた。
この配合物は、乾燥することなく長持ちする口紅を提供する。
【0113】
(実施例14)
口紅
重量%
トウゴマ 20
オクチルドデカノール 15
ペンタエリスリチルテトラカプリレート/カプレート 14
雲母 10
ビス−ジグリセリルカプリレート/カプレート
/イソステアレート/ステアレート/ 7.5
ヒドロキシステアレートアジペート
パラフィン 5
微結晶ろう 5
プロピレングリコール 2
水素添加ヒマシ油 2
カンデリラセラ(Candelillacera) 1
カルナバ 1
合成ワックス 1
ブチロスパーマムパーキー 1
二酸化チタン 0.5
トコフェリルアセテート 0.2
ポリクオタニウム−37 0.2
赤色着色剤 適量
テトラ−n−ブチルチタネート 10
段階1
テトラ−n−ブチルチタネートを、プロピレングリコール中に撹拌しながら予め分散する。
段階2
残りの材料を、容器中で混合し、融解し均一になるまで85℃に加熱する。この生成物を、冷却し、テトラ−n−ブチルチタネートプレミックスを、70℃未満で添加する。この生成物を、適切な容器中に注ぎ、室温に冷却して硬化させた。
この配合物は、乾燥することなく長持ちする口紅を提供する。
【0114】
(実施例15)
ヘアコンディショナー
重量%
水 100まで適量
セチルアルコール 3
塩化セトリモニウム 0.8
ヒドロキシエチルセルロース 0.6
プロピレングリコール 0.5
パンテノール 0.5
パルファム 0.3
ベンゾフェノン−4 0.2
塩化ナトリウム 0.1
小麦アミノ酸 0.14
クエン酸 0.02
テトラナトリウムEDTA 0.02
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 1
段階1
EDTA及びヒドロキシエチルセルロースを、水に添加し、ホモジナイザーを用いて混合してポリマーを水和した。クエン酸、ベンゾフェノン及び塩化セトリモニウムを、添加した。これを、次いで70℃に加熱した。
段階2
セチルアルコールを、別の容器中で70℃に加熱した。
段階3
融解したセチルアルコールを、次いで、ホモジナイザーを用いて段階1に添加した。
段階4
この混合物を、次いでプロペラ撹拌機を用いて40℃未満に冷却した。乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残余の材料を、次いで添加し、この生成物を、純水を用いて所定の重量にした。
この配合物は、毛髪に長持ちするコンディショニング利益をもたらす。
【0115】
(実施例16)
インテンシブコンディショナー
重量%
水 100まで適量
セテアリルアルコール 4.5
アラキジルプロピオネート 2
ジメチコーン 2
パンテノール 0.75
ステアラミドプロピルジメチルアミン 1.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
アモジメチコーン 0.7
クエン酸 0.5
塩化セトリモニウム 0.4
PEG−20ステアレート 0.4
パルファム 0.3
プロピレングリコール 0.3
ベンゾフェノン−4 0.2
塩化ナトリウム 0.15
小麦アミノ酸 0.15
ポリクオタニウム−39 0.1
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 1
段階1
EDTA及びHECを、水に添加し、ホモジナイザーを用いて混合してポリマーを水和した。
段階2
クエン酸及び塩化セトリモニウムを、プロペラ撹拌機を用いて添加し混合した。この混合物を、次いで70℃に加熱した。
段階3
別の容器中で、ワックス、ジメチコーン及びBHTを、混合し融解されて均一になるまで70℃に加熱した。
段階4
段階3を、段階2に添加し、これを、均一になるまで混合した。この混合物を、次いで撹拌しながら40℃未満に冷却した。
段階5
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残余の材料を、次いで添加し、この生成物を、純水を用いて所定の重量にした。
この配合物は、毛髪に長持ちするコンディショニング利益をもたらす。
【0116】
(実施例17)
リーブインコンディショナー
重量%
水 100まで適量
PEG−40水素化ヒマシ油 2
ジプロピレングリコール 1
フェノキシエタノール 0.8
パルファム 0.3
パンテノール 0.4
プロピレングリコール 0.25
メチルパラベン 0.2
ベンゾフェノン−4 0.2
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 1
段階1
ポリクオタニウム−10を、プロペラ撹拌機を用いて水に添加し水和した。
段階2
メチルパラベンを、ジプロピレングリコール中に予め分散し、穏やかに加熱して融解させ、次いで段階1に添加した。
段階3
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を含む残余の材料を、次いで添加し、この生成物を、混合し純水を用いて所定の重量にした。
この配合物は、毛髪に長持ちするコンディショニング利益をもたらす。
【0117】
(実施例18)
ふけ予防シャンプー
重量%
水 100まで適量
ナトリウムラウレススルフェート 6
ジナトリウムラウレススルホスクシネート 4
ラウレス−3 3
コカミドプロピルベタイン 2.5
塩化ナトリウム 2
ジプロピレングリコール 1
パルファム 0.5
ピロクトンオラミン 0.5
パンテノール 0.4
プロピレングリコール 0.3
リン酸二ナトリウム 0.25
ベンゾフェノン−4 0.2
小麦アミノ酸 0.15
乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液 1
段階1
EDTA、クエン酸及びベンゾフェノン−4を、水中に添加し混合した。ナトリウムラウレススルフェート、ジナトリウムラウレススルホスクシネート及びジプロピレングリコールを、次いで添加した。
段階2
リン酸二ナトリウム、小麦アミノ酸及び乳酸チタネートキレート、アンモニウム塩溶液を、添加し、この生成物を、均一になるまで撹拌した。
段階3
ピロクトンオラミンを、パルファム中に分散し、ラウレス−3に添加した。この混合物を、このバルクに添加し撹拌した。
段階4
残りの材料を、次いで添加し、この生成物を、純水を用いて所定の重量にした。この配合物は、毛髪に長持ちするふけ予防利益をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪染色剤、有機金属化合物及び酸化剤を含む酸化毛髪染色系。
【請求項2】
前記有機金属化合物がオルガノチタネートである、請求項1に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項3】
前記オルガノチタネートが、一般式Ti(OR)で表されるテトラアルキルチタネートである、請求項2に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項4】
前記オルガノチタネートが、一般式
【化1】


(式中、
Rは、リガンドであり、
Xは、酸素又は窒素を含む官能基を表し、
Yは、2個又は3個の炭素鎖を表す)
で表されるチタネートキレート化合物である、請求項2に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項5】
Rで表される各リガンドが、直鎖又は分枝鎖C2〜20アルキル基である、請求項3又は4に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項6】
前記テトラアルキルチタネートが、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート及びジイソプロピルジイソステアリルチタネートからなる群から選択される、請求項3に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項7】
前記チタネートキレート化合物が、アセチルアセトネートチタネートキレート、エチルアセトアセテートチタネートキレート、ジイソプロピルジトリエタノールアミノチタネートキレート及び乳酸チタネートキレート(アンモニウム塩)からなる群から選択される、請求項4に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項8】
前記チタネートキレート化合物が、ジイソプロピルジトリエタノールアミノチタネートキレートである、請求項7に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項9】
有機金属化合物の濃度が、系全体の0.0001重量%を上回る、請求項1〜8までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項10】
有機金属化合物の濃度が、系全体の0.05重量%を上回る、請求項9に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項11】
有機金属化合物の濃度が、系全体の10重量%未満である、請求項1〜10までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項12】
有機金属化合物の濃度が、系全体の1重量%未満である、請求項11に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項13】
有機金属の濃度が、系全体の0.0001重量%から10重量%の範囲である、請求項1〜8までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項14】
有機金属の濃度が、系全体の0.05重量%から1重量%の範囲である、請求項13に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項15】
前記毛髪染色剤が、1種又は複数のベースを含む、請求項1〜14までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項16】
前記毛髪染色剤が、1種又は複数のカップラーを含む、請求項1〜14までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項17】
前記毛髪染色剤が、1種又は複数のベース及び1種又は複数のカップラーの混合物を含む、請求項1〜14までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項18】
前記1種又は複数のベースが、p−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、3−メチル−4−アミノフェノール、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール及びN−メチル−p−アミノフェノールからなる群から選択される、請求項15又は17に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項19】
1種又は複数のカップラーが、レゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、1−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、5−ヒドロキシベンゾジオキサン、2,5−ジヒドロキシ−4−メチルピリジン、m−アミノフェノール、5−アミノ−2−メチルフェノール、5−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、2,6−ジアミノピリジン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルアミン、o−アミノフェノール及び2−メチル−5−アミノ−6−クロロフェノールからなる群から選択される、請求項16又は17に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項20】
前記毛髪染色剤が、p−アミノフェノールと5−アミノ−o−クレゾールの混合物を含む、請求項17に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項21】
毛髪染色剤の濃度が、系全体の0.001重量%から10重量%の範囲である、請求項1〜20までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項22】
毛髪染色剤の濃度が、系全体の0.01重量%から5重量%の範囲である、請求項21に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項23】
前記酸化剤が、過酸化水素である、請求項1〜22までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項24】
前記酸化剤が、使用時に過酸化水素を発生させることができる化合物である、請求項1〜22までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項25】
酸化剤の濃度が、系全体の0.01重量%を上回る、請求項1〜24までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項26】
酸化剤の濃度が、系全体の3重量%を上回る、請求項25に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項27】
酸化剤の濃度が、系全体の15重量%未満である、請求項1〜26までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項28】
酸化剤の濃度が、系全体の0.01重量%から15重量%の範囲である、請求項1〜14までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項29】
酸化剤の濃度が、系全体の3重量%から10重量%の範囲である、請求項28に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項30】
1種又は複数の審美的有益剤又は治療有益剤を更に含む、請求項1〜29までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項31】
前記1種又は複数の有益剤が、コンディショナー、抗酸化剤、保湿剤、タンパク質、アミノ酸、ビタミン、エッセンシャルオイル、光沢剤、日焼け防止剤、ふけ予防活性剤、香料及び潤滑助剤からなる群から選択される、請求項30に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項32】
担体を含む、請求項1〜31までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項33】
前記担体が、界面活性剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、ワックス、油、シリコーン、ゲル化剤、真珠光沢剤、pH調節剤、乳化剤、保存料、香料及び着色剤からなる群からの1種又は複数の成分を含む、請求項32に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項34】
上記系のいくつか又は全ての成分が、乾燥粉末混合物として供給される、請求項1〜33までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項35】
2種以上の別個の配合物を含む、請求項1〜34までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項36】
2つの別個の配合物を含み、このうちの一方が前記毛髪染色剤及び前記有機金属を含有し、このうちの他方が前記酸化剤を含有する、請求項35に記載の酸化毛髪染色系。
【請求項37】
請求項1〜36までのいずれか一項に記載の酸化毛髪染色系の、毛髪への適用を含む、毛髪を着色する方法。
【請求項38】
a)1種又は複数の化粧及び/又は治療有益剤と、
b)組成物が適用される下地に対する、前記有益剤の少なくとも1種に共有結合するように作用する、加水分解性又は交換性リガンドを有する結合剤と、
c)許容される担体と
を含む、身体への局所適用のための化粧組成物。
【請求項39】
前記結合剤が、オルガノチタネート、オルガノジルコネート及びオルガノシリケートからなる群から選択される、請求項38に記載の化粧組成物。
【請求項40】
前記結合剤が、
一般式
Ti(OR)
のテトラアルキルチタネート、
一般式
【化2】


のチタネートキレート、
一般式
Zr(OR)
のオルガノジルコネート、
及び
一般式
Si(OR)
のオルガノシリケート
(式中、
Rは、リガンドであり、
Xは、酸素又は窒素を含有する官能基を表し、
Yは、2個又は3個の炭素鎖を表す)
からなる群から選択されるテトラアルキルチタネート又はチタネートキレートである、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記結合剤が、Rで表される少なくとも1種のリガンドを含み、各Rが、独立に、直鎖又は分枝鎖C2〜20アルキル基を表す、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記結合剤が、式
Ti(OR)
のテトラアルキルチタネート化合物(式中、Rは、上記で定義された通りである)である、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記結合剤が、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート及びジイソプロピルジイソステアリルチタネートからなる群から選択される、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
前記結合剤が、式
【化3】


のチタネートキレート化合物(式中、R、X及びYは、上記で定義された通りである)である、請求項41に記載の組成物。
【請求項45】
前記結合剤が、アセチルアセトネートチタネートキレート、エチルアセトアセテートチタネートキレート、トリエタノールアミンチタネートキレート、及び乳酸チタネートキレート(アンモニウム塩)からなる群から選択される、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記結合剤が、式
Zr(OR)
のオルガノジルコネート化合物(式中、Rは、上記で定義された通りである)である、請求項41に記載の組成物。
【請求項47】
前記結合剤が、ジルコニウムテトラ−n−ブタノレート及びジルコニウムテトラ−n−プロパノレートからなる群から選択される、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記結合剤が、式
Si(OR)
のオルガノシリケート化合物(式中、Rは、上記で定義された通りである)である、請求項41に記載の組成物。
【請求項49】
前記結合剤がテトラエチルオルトシリケートである、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
組成物の約0.001重量%から約25重量%の前記結合剤を含む、請求項37〜51までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
組成物の約0.1重量%から約10重量%の前記結合剤を含む、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
前記有益剤が、化粧有益剤である、請求項37〜51までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記化粧有益剤が、吸収剤、抗セルライト剤、ふけ予防剤、抗酸化剤、制汗剤/デオドラント活性剤、抗漏脂性薬、抗皮膚萎縮活性剤、皺取り活性剤、人工日焼け剤及び促進剤、収斂剤、殺菌剤、バリア修復剤、バインダー、漂白剤、緩衝剤、増量剤、カロテノイド、キレート剤、瘢痕剤、着色剤、染色剤、エラストマー、皮膚軟化剤、酵素、エッセンシャルオイル、脂肪酸、皮膜形成剤、着香料、芳香剤、清涼化剤、ヘアコンディショナー、ホルモン、保潤剤、親水コロイド、防虫剤、角質溶解薬、光拡散剤、ネイルエナメル、油吸収剤、乳白剤、蛍光増白剤、光学的変性剤、酸化剤、微粒子、香料、pH調整剤、顔料、植物組織エキス、還元剤、樹脂、レチノイド、皮脂調整剤、金属イオン封鎖剤、スキンコンディショナー/モイスチャライザー、肌触り変性剤、皮膚保護薬、皮膚処理剤、皮膚角質除去剤、皮膚美白剤、皮膚鎮静剤及び/又は治癒剤、皮膚肥厚剤、整髪剤、トニック、水溶性及び脂溶性日焼け止め活性剤、紫外線安定剤、ビタミン化合物、並びにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記有益剤が治療有益剤である、請求項37〜51までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項55】
前記治療有益剤が、にきび抑制剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗菌剤、局所麻酔剤及び抗ウイルス剤からなる群から選択される、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
水中油型、油中水型、水中油中水型、油中水中油型、シリコーン中水型及びシリコーン中水中油型エマルジョンを含めたエマルジョンとして配合される、請求項37〜55までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項57】
請求項1〜56までのいずれか一項に記載の組成物をヒトの皮膚、毛髪、爪、唇又は粘膜に適用することを含む、化粧及び/又は治療利益をヒトに与える方法。
【請求項58】
化粧活性剤の皮膚に対する持続性の増加方法、
皮膚の保湿方法、
皮膚の自然の外観の改良方法、
皮膚又は唇へのカラー化粧品の適用方法、
皮膚の臭気除去方法、
皮膚への制汗効果の提供方法、
皺の予防、抑制、及び/又は治療方法、
皮膚への紫外線保護の提供方法、
セルライトの予防、抑制、及び/又は治療方法、
油の発生の予防、抑制、及び/又は制御方法、
皮膚の感触及び質感の改変方法、
一様な肌の色合いの提供方法、
ヒトの皮膚の染み及び/又は欠点の隠ぺい方法、
皮膚の悪臭の予防又は治療方法、
毛髪の着色方法、
整髪の方法並びに
毛髪のコンディショニングの方法
からなる群から選択される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
別個の組成物が下地の上で混合されるように、別個の組成物の下地への適用を含む、有益剤の持続性を改善する方法であって、これらの組成物の1つは、加水分解性又は交換性リガンドを有する結合剤であって、有益剤をこれらの組成物が適用される下地に共有結合するように作用する結合剤を含有し、これらの組成物の他方は、有益剤を含有する方法。
【請求項60】
前記結合剤が、オルガノチタネート、オルガノジルコネート及びオルガノシリケートからなる群から選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記結合剤が、
一般式
Ti(OR)
のテトラアルキルチタネート、
一般式
【化4】


のチタネートキレート、
一般式
Zr(OR)
のオルガノジルコネート、
及び
一般式
Si(OR)
のオルガノシリケート
(式中、
Rは、リガンドであり、
Xは、酸素又は窒素を含有する官能基を表し、
Yは、2個又は3個の炭素鎖を表す)
からなる群から選択されるテトラアルキルチタネート又はチタネートキレートである、請求項60に記載の方法。

【公表番号】特表2008−534668(P2008−534668A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504858(P2008−504858)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050080
【国際公開番号】WO2006/106366
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(507333719)ザ ブーツ カンパニー ピーエルシー (1)
【Fターム(参考)】