説明

改良電極形状による外来振動抑制形加速度計

【課題】くし歯状電極を有する静電容量型加速度計の機械的な振動に由来するノイズレベルを改善する。
【解決手段】可動質量部5及び/又は固定部2の各電極3、4のうち、少なくとも一つが幅広の基部と先端部で幅狭の輪郭をもつフィンガー形状を有する。更に静電容量の変化を検出する電子回路による反復的な復帰用静電気力を、可動質量部5及び/又は固定部2の各電極3、4の機械的共振周波数で実質的にゼロ出力となる領域をもつように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地球物理学的用途(地震探査法による地層構造図の作成)のための地層の移動を測定可能にするマイクロマシニングによる加速度計に関するものである。
【0002】
本発明は、特に可動質量部の一連のくし歯状のフィンガー電極と固定部の対応するフィンガー電極とを互いに入り込むように組み合せて質量/ばね系を実現した加速度計に関するものである。
【背景技術】
【0003】
この種の装置においては、それぞれ対をなして互いに入り込むように組み合されたフィンガー電極同士が測定用のコンデンサーを形成している。
【0004】
また、測定用コンデンサーを構成するフィンガー電極は、静電容量の変化を測定することにより変位をの測定するだけでなく、対向電極間にそれぞれ形成されているコンデンサーの内部に静電気力を印加することにより可動質量部をその原位置に復帰させる動作も同時に果たすことができる。この復帰用静電気力は、先行する静電容量変化の検出による変位測定に従動するように追従して行うことができる。
【0005】
これらの事項は、例えば特許文献1に開示されているように、いずれも周知である。
【特許文献1】仏国特許出願公開第2769369号明細書
【0006】
この形式の加速度計では、当業者は測定信号に重畳するノイズの存在と格闘せざるを得ないのが通常である。
【0007】
一連のくし歯状のフィンガー電極対を互いに入り込むように組み合せて内蔵する加速度計におけるノイズ成分は、各フィンガー電極部分に望ましくない態様で生じる機械的な振動に由来する。このノイズの発生源は様々であるが、特にフィンガー電極の固有振動周波数をカバーする周波数スペクトルの外来振動に由来するものが主体である。
【0008】
特に可動質量部の復帰を伴う加速度計、就中、測定結果に応じた従動的な復帰方式を採用した加速度計の場合には、外来振動が可動質量部に反復的に印加される復帰力に随伴して機械的に付加される可能性もある。この場合、外来振動によって復帰力の振幅が変調を受け、その結果、所定の帯域における不要ノイズの発生に至ることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の課題は、上述のような種々の発生源のいずれかに由来するノイズの存在による問題点を解決することにある。
【0010】
本発明の第2の課題は、フィンガー電極が曲げに対して弱いという事実に対処することにある。即ち、共振するか或いは単に強度の加速度にさらされるかにかかわりなく、フィンガー電極は曲げ変形されて損傷を受けやすいのを回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの課題の一方又は両方を共に解決するため、本発明は可動質量部と固定部により静電容量の変化を利用して可動質量部の変位を検出する加速度計、特に可動質量部に固設された一連のくし歯状の可動側電極と固定部に固設された一連のくし歯状の固定側電極とが互いに入り込むように組み合わされ、各可動側電極と各固定側電極とによって可動質量部の位置の関数として変化する可変静電容量が形成され、可動質量部の変位を測定するために可動質量部と固定部との間の少なくとも一カ所における静電容量の変化を検出する電子回路を備えている形式の加速度計を提供するものであり、この加速度計は、可動質量部及び/又は固定部の各電極のうちの少なくとも一つが幅広の基部と先端部で幅狭の輪郭をもつフィンガー形状を有することを特徴とするものである。
【0012】
本発明のその他の特徴と目的及び利点を添付図面と共に詳述すれば以下の通りである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明による加速度計のセンサー部の一実施形態を模式的に示しており、このセンサー部は同一半導体基板1に組み込まれた以下の構成要素を備えている。
・固定部としてのアーマチュア2
・アーマチュア2に固設された2組のくし歯状の固定側電極3、7
・可動質量部としての可動プレート5に固設された1組のくし歯状の可動側電極4
・可動プレート5とアーマチュア2との間を連結するばね6(図示の理解を容易にするため、ここでは単一のばねを示す)。
【0014】
可動側電極4は、固定側電極3、7から電気的に絶縁されている。
【0015】
一方の固定側電極3は対向する可動側電極4との間でコンデンサーC1を形成し、他方の固定側電極7は対向する可動側電極4との間でコンデンサーC2を形成している。
【0016】
可動質量部が固定部に対して変位すると、コンデンサーC1とC2の静電容量が相補的に変化する。これにより固定部に対する可動質量部の相対位置を測定することが可能になる。また、本実施形態において、コンデンサーC1の両端間に印加される電圧は両固定側電極3と4を互いに接近させて可動質量部を一方向に変位させようとする静電力を生じ、これに対してコンデンサーC2の両端間に印加される電圧は可動質量部を他方向に変位させようとする。
【0017】
また、図示しない当業者に周知の電子回路が各組の一連の固定側電極3と7及びこれらと対をなす一連の可動側電極4に接続されている。
【0018】
この電子回路は好ましくはスイッチ・キャパシタ方式のものであり、クロック信号に同期して制御されて一連の動作期間毎に周期的に各コンデンサーの両端子間に測定電圧を印加し、その静電容量の測定(隣接する2組の静電容量の差動測定)を可能にするものである。測定変位は、存在する加速度による可動質量部としての可動プレート5の変位を示すものとして電子回路内で信号処理される。測定電圧が印加される期間Tcはローディング期間又は検出器動作期間とも呼ばれ、これはセンサー部の共振周期(従って地層の振動周期)よりも遙かに短い。
【0019】
この周期的な一連の動作期間のそれぞれにおいて検出動作に追従して一連のくし歯状の可動側電極と一方又は他方のくし歯状の固定側電極との間(C1又はC2)に或る力を印加することにより可動質量部のプレート5の相対変位をキャンセルする動作が行われる。この力は静電気力であり、従ってこの追従動作は係る静電気力を検出動作と時間的に異なる時点で印加する駆動操作である。
【0020】
ここで、可動質量部の変位測定と、コンデンサーC1及び/又はC2の両端子間に適切な電圧を印加することによる可動質量部の初期位置への復帰動作とは、同一の電子回路によって二者択一的に行うことが好ましい。
【0021】
この場合、電子回路は測定値と帰還量との間の多重化処理を行い、これらの2つの段階の間で各コンデンサーの放電を果たすようにすることが好ましい。
【0022】
この多重化のための周波数範囲は、例えばセンサー部の共振周波数の100〜500倍である。
【0023】
尚、別の実施形態として、この可動質量部の復帰動作を変位測定と同時に行うことも可能である。
【0024】
機械的なチップからなるセンサー部は例えば500Hz程度でで共振する。この共振周波数は測定対象の地層の振動周波数にできるだけ近づくように選択されるが、本実施形態では静電剛性keを合わせることによって調整される。この静電剛性は機械的な剛性に重畳され、各コンデンサーに対する測定電圧のローディング期間を通じて調整される。
【0025】
ここでは、静電剛性はセンサー部の共振周波数を低下させるように設定され、機械的剛性は意図的に設定帯域の最高周波数よりも高い値に設定される。
【0026】
このような選択的な設定は特許文献1により知られているが、減衰を抑制すると共に電極間の距離を減少させ、以て強い電場(従って高い静電剛性)を利用可能とするのに有効である。
【0027】
更にこのような構成は、有効通過帯域における性能を最適化すると共に従来の製造プロセスで一般的に見受けられる可動プレートの懸垂用ばねの機械的剛性のばらつきを補償することも可能にする。
【0028】
静電剛性により見掛けの共振周波数は例えば140Hzに引き下げられ、有効通過帯域(0〜200Hz)においてノイズを最良の形で低下させることができるようになる。
【0029】
固定側電極と可動側電極は、それぞれくし歯状の形態で基部が互いに連結された通常の平行六面体のシリコン梁からなる一連のフィンガー状の電極である。これら各フィンガー電極の共振周波数は、同様の所謂片持梁の共振周波数に等しい。
【0030】
本実施形態においては、フィンガー電極の共振周波数は約90kHzであったが、後述の変形実施形態においては585kHzに達した。
【0031】
これらのフィンガー電極はかなり共振しやすい傾向を有しており、センサーチップ内の雰囲気圧力が極めて低い場合には更に大きな振幅で共振する傾向をもつことが確認されている。
【0032】
共振で生じる変位は、追従動作で発生される静電気力に含まれるノイズ成分の周波数転移によってベースバンドの折り返しの原因となり、従って特に駆動操作で最大補償可能加速度(Amax)が増加されると地中受振器(ジオフォン)の全域的なノイズ劣化を招くもとになる。
【0033】
以下に可動質量部に印加される各復帰動作信号のスペクトル成分を分析する。
【0034】
フィンガー電極の共振を抑制するための手段を説明するにあたり、先ず始めに可動プレート5に印加される反復的な追従力FをF=(ε・S・V2)/(2・d2)で表し、ここでSは電極の対向表面積、Vは電極間の電圧、dは電極間の距離である。Vとdが時間と共に変化するとすれば、F(t)=F1(t)・F2(t)と表現することができ、ここでF1(t)=V(t)2であり、F2(t)=ε・S/2・d(t)2である。
【0035】
時間領域の積が周波数領域の畳み込み積分(コンボリューション)を与え、F(f)=F1(f)*F2(f)が得られる。
【0036】
F1(f)の波形を図2aに曲線10(いかなる加速度信号もない場合)で示し、F2(f)の波形を図2b(曲線20:フィンガー電極の共振時、曲線30:フィンガー電極の非共振時)に示す。また、力のスペクトルF(f)の波形を図2c(曲線40:フィンガー電極の共振時、曲線50:フィンガー電極の非共振時)に示す。
【0037】
フィンガー電極の共振によりベースバンド内に望ましくないノイズが増加することは明らかである。
【0038】
即ち、フィンガー電極は自身の固有振動周波数がこの種の加速度計において採用される反復的な追従復帰静電気力のエネルギースペクトル内に顕著に表れることによって共振を始める。
【0039】
サンプリング結果からも、図3に符号60で示すように反復的な力のエネルギースペクトルがサンプリング周波数Feで無限に繰り返されることが判る。
【0040】
ここで、帰還される力はディラック波形(ゼロ幅)ではなく幅Taの繰返しパルス波形であるから、これは、スペクトル60に周波数1/Taに最初の零点を有する基本サイン関数が乗じらていることを意味するという点は注目に値する。
【0041】
図3において、曲線60は短いパルス幅のパルス(デュラック)の場合の静電気力の周波数スペクトルであり、一方、曲線80はパルス幅Taの実パルスの場合の周波数スペクトルであって、殆ど力の存在しないかなり幅広の帯域を有している。図3には、縦座標に沿って追従力Fcontrolの値を周波数fの関数としてプロットしてある。
【0042】
図3において、曲線70はパルス幅Taのパルスを有する信号の周波数変化を示しているが、これは式sin(Pi・T・Fa)/(Pi・Fa・Ta)の基本サイン関数(周波数1/Taに最初の零点を有する)である。
【0043】
従って、曲線80は、曲線60と曲線70との積に相当する。
【0044】
ここで、これらの今まで利用されなかった力の低下を如何にして活用するかを以下に説明する。
【0045】
即ち、これらの力の低下の一つとフィンガー電極の共振周波数との整合をとる。
【0046】
第1の好適な構成は、基本サイン関数の配置を選択して、力のゼロ点復帰をフィンガー電極の共振周波数上に置き、それによりこの積によって得られるスペクトルもまた共振周波数でゼロ点復帰するようにすることである。
【0047】
このような配置は、例えばTaの価を適切に選んで1/Taがフィンガー電極の共振周波数上にくるようにすることによって行なわれる。同様にして、基本サイン関数70の別のゼロ点復帰位置を採用することも可能である。
【0048】
但し、この提案はフィンガー電極の振動周波数がサンプリング周波数Feより高く、従ってTaがサンプリング周期Teより長くなり得ないことを前提とする。
【0049】
このような配置でスペクトルを選択することにより、加速度計のノイズレベルが顕著に改善可能である。
【0050】
また別の配置例として、固定側及び/又は可動側の各フィンガー電極3及び4は、駆動操作継続時間Taに亘り復帰力のゼロ点復帰に隣接して力を印加することによる自然のエネルギー低下で共振が減衰されるように構成することもできる。フィンガー電極の好適な共振周波数は1/Taに相当する周波数であり、これは時間帯毎の復帰動作信号の変化の基本サイン関数における最初の零点交叉に対応する周波数である。
【0051】
一般に、Taは14/32Teに等しくし、従ってFe=256kHzの場合は1/Ta=585kHzとすることが好ましい。
【0052】
平行六面体のフィンガー電極の共振周波数を例えば6.5倍に高めようとする場合、フィンガー電極の長さが6.5の平方根の割合で短くならないようにするには、長さ160μmのフィンガー電極が必要になり、これは電子部品の電圧容量と相容れない(可動質量部を駆動するのに高電圧が必要になる)。
【0053】
そこで本発明の好適な一実施形態では、フィンガー電極の共振周波数を変えるために好ましくは図4に示すような台形状の電極形状を採用する。
【0054】
長さ240μm、基部の幅L=20μm、先端部の幅I=4μmのフィンガー電極形状を用いると、共振周波数585kHzを達成することができる。
【0055】
また、本発明の別の好適な実施形態として、図5に示すように先端の自由端へ向うに従って幅が段階的に急変するフィンガー電極形状を採用することもできる。
【0056】
いずれの実施形態も、主要部を単純な形抜きプレス機で容易に製造可能であるという利点を有する。特にこのような形状のフィンガー電極は傾斜断面の切断を必要とせず、従って形抜きプレス作業は容易である。
【0057】
先端部が細幅で基部が幅広の電極形状を採用することにより、曲げ質量が減少すると共に基部における機械的強度が増加し、曲げ振動の共振周波数が著しく高くなる。更に、振動の振幅も著しく減小する。それにも拘わらず、互いに入り込むように組み合わされた隣接フィンガー電極間の対向表面積は殆ど変わることなく維持され、従って実用上は存在するコンデンサーの電気的特性に影響が及ぶこともない。
【0058】
上述の台形状の電極形状は、直線的な段部、即ち特の局所的な曲げに弱い部分を含んでいないので好適である。
【0059】
更に別の変形実施形態として、湾曲した縁部、例えば凸状であるが凹状でもよい外縁の湾曲部を有し、概ね丸味のついた台形状のフィンガー電極も採用可能である。このような形状は、より小形化が可能であると共に更に高い共振周波数を示すようになる。
【0060】
先端の自由端へ向かうにつれて幅が連続的又は段階的に減少するフィンガー電極形状は曲げ剛性に関して有益であるが、特に共振周波数をより高い周波数へシフトさせる点に関しては別の電極形状を採用するほうが有利な場合もある。
【0061】
以下に内部振動源に関連して述べるフィンガー電極の共振周波数の幾何学的改変によって別種の振動源の発生も排除できる点に留意すべきである。
【0062】
即ち、追従復帰動作形式を採用していない加速度計や非多重化形式の加速度計(つまり復帰動作が測定と同時に行なわれるもの)の場合は、フィンガー電極の共振周波数を変更することによって外部振動源の周波数による障害を好適に排除することが可能である。
【0063】
この目的でフィンガー電極は、その共振周波数が負荷の増加を生じる外部振動源の振動周波数範囲の外側に位置するような形状に構成される。
【0064】
尚、共振周波数が高ければ高いほど、変位の振幅は小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明による加速度計のセンサー部分の一実施形態を示す模式構成図である。
【図2a】可動質量部の復帰動作信号電圧に関するノイズの周波数スペクトルを示す線図である。
【図2b】可動質量部の復帰動作信号電圧を力に変換する関数の周波数スペクトルをフィンガー電極の共振時と非共振時について示す線図である。
【図2c】結果的に得られる力の周波数スペクトルをフィンガー電極の共振時と非共振時について示す線図である。
【図3】追従パルス電圧とこの電圧の時間帯ウィンドウ機能の周波数スペクトルを示す線図である。
【図4】本発明の一変形実施形態によるくし歯状組み合わせ電極対を示す模式部分構成図である。
【図5】本発明の別の変形実施形態によるくし歯状組み合わせ電極対を示す模式部分構成図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動質量部(5)と固定部(2)により静電容量(3、4)の変化を利用して可動質量部(5)の変位を検出する加速度計であって、可動質量部(5)に固設された一連のくし歯状の可動側電極(4)と固定部(2)に固設された一連のくし歯状の固定側電極とが互いに入り込むように組み合わされ、各可動側電極(4)と各固定側電極(3)とによって可動質量部(5)の位置の関数として変化する可変静電容量が形成され、可動質量部の変位を測定するために可動質量部(5)と固定部(2)との間の少なくとも一カ所における静電容量の変化を検出する電子回路を備えているものにおいて、可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)のうちの少なくとも一つが幅広の基部と先端部で幅狭の輪郭をもつフィンガー形状を有することを特徴とする加速度計。
【請求項2】
電子回路が可動質量部(5)を原位置に復帰させるための静電気力を発生するものであることを特徴とする請求項1に記載の加速度計。
【請求項3】
電子回路が可動質量部(5)の変位の測定結果に追従して復帰用静電気力を発生するものであることを特徴とする請求項2に記載の加速度計。
【請求項4】
可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)が、少なくとも一部に亘って横断面の幅が連続的に変化している部分を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加速度計。
【請求項5】
可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)が、少なくとも一部において横断面の幅が急変している部分を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加速度計。
【請求項6】
可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)が、少なくとも一部において横断面の幅が先端へ向かって減少している部分を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の加速度計。
【請求項7】
可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)が、先端へ向かって幅(L、I)が減少する台形部分を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の加速度計。
【請求項8】
可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)が、横断面の幅(L、I)が一定幅ずつ段階的に変化する部分を有し、この幅(L、I)が各段毎に急変していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の加速度計。
【請求項9】
可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)が、先端へ向かって幅が徐々に減少して少なくとも一つの丸味のついた縁部を形成している部分を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の加速度計。
【請求項10】
固定部(2)側の各電極(3)が可動質量部(5)側のそれぞれ隣接する二つの電極(4)間の隙間と相補的な形状を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の加速度計。
【請求項11】
電子回路が反復的な復帰用静電気力を発生するものであり、この反復的な復帰用静電気力は特にその機械的出力の周波数スペクトル(10、20)が可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)の機械的共振周波数で実質的にゼロ出力となる領域をもつように設定されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の加速度計。
【請求項12】
電子回路が予め定められた時間幅の時間帯(Ta)内における可動質量部の復帰動作を可動質量部の変位の測定結果に追従して反復的に実行するものであり、対応する時間帯の復帰動作信号の周波数変化(20)が可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)の共振周波数で実質的にゼロ点へ復帰するように設定されていることを特徴とする請求項11に記載の加速度計。
【請求項13】
復帰動作信号の周波数変化(20)が可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)の共振周波数でゼロ点へ復帰するように時間帯(Ta)の平均持続時間幅が設定されていることを特徴とする請求項12に記載の加速度計。
【請求項14】
復帰動作信号の周波数変化(20)が可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)の共振周波数で最初にゼロ点(1/Ta)へ復帰するように時間帯(Ta)の平均持続時間幅が設定されていることを特徴とする請求項13に記載の加速度計。
【請求項15】
復帰用静電気力が平均持続時間幅Taの時間帯を通じて出力され、この時間幅Taが、可動質量部(5)及び/又は固定部(2)の各電極(3、4)の共振周波数をfとするとき、式1/Ta=fに従って設定されていることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の加速度計。
【請求項16】
復帰動作信号の周波数変化が基本サイン波形状を示すことを特徴とする請求項15に記載の加速度計。
【請求項17】
各電極のフィンガー形状の先端部が曲率ゼロ又は凸状湾曲の縁部を形成していることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の加速度計。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−127971(P2012−127971A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28705(P2012−28705)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【分割の表示】特願2006−523032(P2006−523032)の分割
【原出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(500160789)
【Fターム(参考)】