説明

放熱基板

【課題】本発明は、LEDパッケージに適用される放熱基板に関する。
【解決手段】本発明による放熱基板は、金属材質からなり、上面に発光素子が実装される印刷回路基板と、前記印刷回路基板の下面に備えられ、前記発光素子から前記印刷回路基板に伝導された熱の伝達を受けて外部に放出する放熱板と、前記印刷回路基板の側面に形成され、前記印刷回路基板に伝導された熱を前記印刷回路基板の側面を介して外部に放出する放熱層と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放熱基板に関し、より詳細には、放熱効率を向上させた放熱基板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、LEDの応用分野がLCDテレビのバックライトだけでなく、照明へも次第に広がっている。
【0003】
照明は室内照明と室外照明とに大別されるが、特に室外照明の場合、室内照明と異なって印加される電圧または電流値が大きく、LEDパッケージ自体も一般的に1W級以上の高電力パッケージをアレイ(Array)させて適用する。
【0004】
LEDは一般的なランプと異なって、駆動時に光と熱を発散するが、光が約20〜30%、熱が70〜80%を占める。特に、駆動時に発生する熱を迅速に放熱させることにより光効率が高くなるが、このような放熱を効果的に伝達するために、一般的に放熱基板を用いてLEDなどのような発光素子をパッケージ化して使用する。
【0005】
以下、図1を参照して従来のLEDパッケージに適用される放熱基板をより詳細に説明すると次の通りである。
【0006】
図1に図示されたように、従来の放熱基板1は、金属材質、特にアルミニウム(Al)材質からなり、LEDのような発光素子11が実装された印刷回路基板10と、前記印刷回路基板10の下面に備えられ、前記発光素子11から前記印刷回路基板10に伝導された熱を外部に放熱する放熱板20と、を含んで構成される。
【0007】
ここで、前記印刷回路基板10の上面には前記発光素子11が電気的に連結されるための回路配線12が形成され、前記発光素子11はワイヤボンディングのような方式によって前記回路配線12と電気的に連結される。
【0008】
しかし、上記のように構成された従来の放熱基板1は、次のような問題点を有する。
【0009】
即ち、従来の放熱基板1は、金属材質、特にアルミニウムからなる印刷回路基板10を主に用いるが、この際、アルミニウムは通常熱伝導性には優れるが、熱輻射率が悪い。即ち、前記印刷回路基板10を介して、直接的に熱を放出することが困難である。これにより、従来の放熱基板1は実質的に、前記発光素子11から前記印刷回路基板10に伝導された熱を、前記印刷回路基板10の下面に備えられた前記放熱板20を介してのみ外部に放熱する構造を有する。
【0010】
従って、従来の放熱基板1は前記放熱板20に依存する放熱構造を有するため、放熱性を高めるには限界があり、放熱性を高めるためには前記放熱板20のサイズを大きくするしかないため、非効率的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2010−0073364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、発光素子から印刷回路基板に伝導された熱を、放熱板を介して外部に放出すると同時に、前記発光素子から発生する熱を、前記印刷回路基板を介して外部に直接放出するようにすることにより、放熱性に優れており、既存と同様の放熱性を有する放熱基板に適用する場合、小型化が可能な放熱基板を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の前記目的は、金属材質からなり、上面に発光素子が実装される印刷回路基板と、前記印刷回路基板の下面に備えられ、前記発光素子から前記印刷回路基板に伝導された熱の伝達を受けて外部に放出する放熱板と、前記印刷回路基板の側面に形成され、前記印刷回路基板に伝導された熱を、前記印刷回路基板の側面を介して外部に放出する放熱層と、を含む放熱基板が提供されることにより果たされる。
【0014】
ここで、前記放熱層は、前記印刷回路基板の側面に、放熱コーティング剤を塗布して形成される薄膜層を含むことができる。
【0015】
この際、前記放熱コーティング剤は、前記印刷回路基板との接合性を向上させるための高耐熱性の変性シリコーン樹脂と、高放熱性の無機物フィラー及び金属フィラーを含む有/無機複合剤と、を含んで構成することができる。
【0016】
一方、前記放熱基板は、前記印刷回路基板の上面に形成される回路配線を含み、前記発光素子は、前記回路配線と電気的に連結することができる。
【0017】
そして、前記放熱板は、前記印刷回路基板の下面に密着して設けられる放熱本体と、前記放熱本体から下側に突出した複数の放熱ピンと、を含んで構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明による放熱基板は、発光素子から印刷回路基板に伝導された熱を、放熱板を介して外部に放出すると同時に、前記発光素子から発生する熱を、前記印刷回路基板の側面に備えられた放熱層を介して外部に直接放出するようにしたので、放熱性に優れるという利点を有する。
【0019】
また、本発明による放熱基板によると、前記放熱板を介した放熱の他に、前記印刷回路基板の側面に備えた放熱層を介した放熱を行う構造を有することにより、従来と同様の放熱性を有する放熱基板に適用する場合、前記放熱板のサイズを減らすことができる。そのため、小型化が可能であるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来のLEDパッケージに適用される放熱基板を概略的に示した断面図である。
【図2】本発明による放熱基板を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明による放熱基板の前記目的に対する技術的構成を含めた作用効果に関する事項は、本発明の好ましい実施形態が示された図面を参照した以下の詳細な説明によって明確に理解されるであろう。
【0022】
以下、図2を参照して本発明による放熱基板をより詳細に説明すると次の通りである。
【0023】
図2は、本発明による放熱基板の一実施形態を概略的に示した断面図である。
【0024】
図2に示されたように、本発明の一実施形態による放熱基板100は大きく、発光素子110が実装された印刷回路基板120と、この印刷回路基板120の下面に備えられ、前記発光素子110から前記印刷回路基板120に伝導された熱の伝達を受けて、これを外部に放出する放熱板130と、前記印刷回路基板120の側面に備えた放熱層125と、を含んで構成される。
【0025】
ここで、前記印刷回路基板120の上面には回路配線121が形成され、前記発光素子110は前記回路配線121に電気的に連結することができる。
【0026】
この際、前記発光素子110は発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオードのうち、少なくとも何れか一つであることができ、前記発光素子110はワイヤボンディング方式によって、前記回路配線121と電気的に連結することができる。
【0027】
前記印刷回路基板120は金属材質からなり、特に、熱伝導度の高い導電性物質からなる導電性プレートとすることができる。一例として、前記印刷回路基板120はアルミニウム(Al)材質で形成することができる。
【0028】
これにより、前記印刷回路基板120は、上面には絶縁膜(不図示)が形成され、下面には保護膜(不図示)を形成することができる。この際、前記絶縁膜は、前記印刷回路基板120をなす導電性プレートの上面に様々な種類の樹脂を塗布して形成することができ、前記保護膜は、前記印刷回路基板120をなす導電性プレートの下面に形成されたアルミニウム酸化膜とすることができる。
【0029】
一方、本実施形態による放熱基板100は、前記印刷回路基板120の側面に、前記放熱層125を備えることにより、放熱性を著しく高めることができる。
【0030】
より詳細には、前記放熱層125は、前記印刷回路基板120の側面に備えられ、前記発光素子110から発生した熱が前記印刷回路基板120に伝導されると、前記印刷回路基板120に伝導された熱を、前記印刷回路基板120の側面を介して外部に直接放出することができる。
【0031】
即ち、本実施形態による放熱基板100は、前記印刷回路基板120に伝導された熱を前記放熱板130に伝達し、前記放熱板130は、前記印刷回路基板120から伝達された熱を熱輻射によって外部に放出すると同時に、前記放熱層125を介して前記印刷回路基板120に伝導された熱を、さらに前記印刷回路基板120の側面を介して外部に直接放出することにより、放熱性を極大化することができる。
【0032】
ここで、前記放熱層125は、前記印刷回路基板120の側面に放熱コーティング剤を塗布して形成される薄膜層とすることができる。この際、前記放熱コーティング剤を、前記印刷回路基板120の側面の縁全体に亘って塗布することにより、前記印刷回路基板120に伝導された熱が、前記印刷回路基板120の側面の縁全体を介して外部に放出されるようにすることが好ましい。
【0033】
前記放熱コーティング剤は、前記印刷回路基板120との接合性を向上させるための高耐熱性の変性シリコーン樹脂と、高い放熱性の無機物フィラー及び金属フィラーを含む有/無機複合剤と、を含んで構成することができる。
【0034】
一例として、前記高耐熱性の変性シリコーン樹脂は、200〜300℃の高耐熱性を有する変性シリコーン樹脂で構成することができ、有/無機複合剤において混合された構成成分のバインダーとして用いられると同時に、前記放熱コーティング剤が、前記印刷回路基板120の側面との接合性を向上させるために用いられる。
【0035】
そして、前記無機物フィラーは、ブラックセラミック系無機物、0.75〜25μmの熱エネルギー波長を放出させる高放射の無機物、または、これらの混合物を含む組成を有することができ、具体的に、前記ブラックセラミック系無機物は、B、BaO、ZnO、TiO、CuO、NiO、MnO、Cr、または、Feなどを含むことができる。これらは二つ以上を混合して用いることができる。また、前記金属フィラーは、前記無機物フィラーとともに、前記放熱コーティング剤、即ち、放熱層125の高い放熱/放射能力を向上させるために、アルミナ、シリカ、チタン、鉄及び銀などの金属を含むことができる。この場合、これらは二つ以上の金属を含むことができる。
【0036】
一方、前記放熱板130は、前記印刷回路基板120の下面に密着して設けられる放熱本体131と、前記放熱本体131から下側に突出した複数の放熱ピン132と、を含んで構成することができる。
【0037】
上述したように、本発明による放熱基板100は、前記放熱板130を介して前記印刷回路基板120に伝導した熱を間接的に外部に放出すると同時に、高い放熱/放射性を有する前記放熱層125を介して、前記印刷回路基板120に伝導された熱を前記印刷回路基板120の側面の縁全体に亘って、外部に直接放出することにより、放熱性を極大化することができる。
【0038】
また、前記放熱層125を介して前記放熱基板100の放熱性を向上させることにより、従来の放熱基板の放熱性と同一水準の放熱性を有する放熱基板に本発明が適用される場合、放熱板のサイズを小さくすることができる。そのため、放熱基板の全体サイズを減らし、小型化が可能である。
【0039】
以上で説明した本発明の好ましい実施形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものが、本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な置換、変形及び変更することが可能であり、このような置換、変形及び変更などは、添付の特許請求範囲に属するとするべきであろう。
【符号の説明】
【0040】
100 放熱基板
110 発光素子
120 印刷回路基板
121 回路配線
125 放熱層
130 放熱板
131 放熱本体
132 放熱ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材質からなり、上面に発光素子が実装される印刷回路基板と、
前記印刷回路基板の下面に備えられ、前記発光素子から前記印刷回路基板に伝導された熱の伝達を受けて外部に放出する放熱板と、
前記印刷回路基板の側面に形成され、前記印刷回路基板に伝導された熱を、前記印刷回路基板の側面を介して外部に放出する放熱層と、を含む放熱基板。
【請求項2】
前記放熱層は、前記印刷回路基板の側面に放熱コーティング剤を塗布して形成される薄膜層を含む請求項1に記載の放熱基板。
【請求項3】
前記放熱コーティング剤は、前記印刷回路基板との接合性を向上させるための高耐熱性の変性シリコーン樹脂と、高放熱性の無機物フィラー及び金属フィラーを含む有/無機複合剤と、を含む請求項2に記載の放熱基板。
【請求項4】
前記印刷回路基板の上面に形成される回路配線を含み、前記発光素子は前記回路配線と電気的に連結される請求項1に記載の放熱基板。
【請求項5】
前記放熱板は、前記印刷回路基板の下面に密着して設けられる放熱本体と、前記放熱本体から下側に突出された複数の放熱ピンと、を含む請求項1に記載の放熱基板。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−235096(P2012−235096A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92782(P2012−92782)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】