説明

放熱構造及び放熱部材

【課題】筐体内部の電子部品から発生する熱を筐体外部に効率良く放熱する。
【解決手段】筐体40の内部に配置され、筐体40の内面に対向する第1の面を有する基板30と、基板30の第1の面に実装された電子部品20と、基板30の第1の面及び筐体40の内面の間に狭着された放熱部材10とを備え、放熱部材10は、電子部品20の実装面を除く全ての面を覆い、且つ、基板30の第1の面及び筐体40の内面に密着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内部の電子部品から発生する熱を放熱する放熱構造及び放熱部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、電子機器の小型化が進むとともに、機能の集約により電子部品(デバイス)単体の処理が増大している。電子機器の小型化による電子部品の密集化や、電子部品の消費電力の上昇や、筐体内空間の縮小による空気循環の減少等により、電子部品が高温になり、性能低下や故障を引き起こすおそれがある。そのため、電子機器を設計する際に、電子部品の発熱を効率よく放熱するための対策を講じる必要がある。
【0003】
筐体内にファンを設けることにより、電子部品の発熱を筐体内に拡散することができる。しかし、例えば筐体が電柱の上部に設置された基地局のように、ファンが故障した場合に直ちにファンを交換することが困難な場所に筐体が設置されている場合には、この手法は適さない。また、筐体の一部に開口部を設けることにより放熱することもできるが、筐体が屋外に設置される場合には、雨や昼夜の温度差により水滴が筐体内部に浸入するため、この手法は適さない。
【0004】
そこで、図6(a)の斜視図及び図6(b)の断面図に示すように、基板200に実装された電子部品201に、放熱シート202を介してヒートシンク203を取り付けて、電子部品201から発生する熱を筐体内へ放熱したり、図7(a)の斜視図及び図7(b)の断面図に示すように、基板200に実装された電子部品201を、放熱シート202を介して筐体204へと密着させて、電子部品201から発生する熱を放熱したりする手法がある。また、図8(a)の斜視図及び図8(b)の断面図に示すように、電子部品201を実装した基板200上のパターン205(信号パターンやグラウンドパターン)を利用して、基板200内で熱の移動、拡散を行い、電子部品201から発生する熱を筐体内へ放熱する手法も考えられる。
【0005】
また、アルミシート上に熱伝導率が異なる複数のシートを並べて張り合わせた放熱シートを電子部品の上部に配置させ、電子部品に対して非接触で熱を移動させる手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−256762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ヒートシンク203による放熱は、ヒートシンク203を取り付けるための十分なスペースが必要となるため、電子部品201の配置に制約が生じ、また、筐体内への放熱のみであるため、筐体内の雰囲気温度が高い場合には、放熱効率が悪い。また、放熱シート202による放熱は、電子部品201の配置や消費電力によって電子部品201ごとに発生する熱の分布は均一でないため、電子部品201の熱を効率的に筐体204へ伝達できない場合がある。また、基板200上のパターン205の形状変化を利用した放熱は、電子部品201の熱を移動・分散しやすくできるが、放熱先が筐体内であるため、放熱効果が十分得られないといった課題がある。
【0008】
また、特許文献1に記載の放熱シートは、電子部品と非接触であるため、電子部品と直接接触させる場合よりも放熱効率が悪いという課題がある。
【0009】
本発明の目的は、上記課題を解決するため、新たにスペースを要することなく、電子部品から発生する熱を効率良く筐体へ熱伝達し、筐体外部へ効率良く放熱することができる放熱構造及び放熱部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る放熱構造は、筐体内部の電子部品から発生する熱を放熱する放熱構造であって、前記筐体の内部に配置され、前記筐体の内面に対向する第1の面を有する基板と、前記基板の第1の面に実装された電子部品と、前記基板の第1の面及び前記筐体の内面の間に狭着された放熱部材と、を備え、前記放熱部材は、前記電子部品の実装面を除く全ての面を覆い、且つ、前記基板の第1の面及び前記筐体の内面に密着することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明に係る放熱構造において、前記放熱部材は、前記基板の第1の面及び前記筐体内面の間の空間を埋めるように充填されることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明に係る放熱構造において、前記基板の第1の面と反対側の第2の面に実装された電子部品と、前記基板の第2の面の上に配置された第2の放熱部材と、を更に備え、前記第2の放熱部材は、前記基板の第2の面に実装された電子部品の実装面を除く全ての面を覆い、且つ、前記基板の第2の面に密着することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る放熱構造において、前記第2の放熱部材の上に密着して配置され、前記筐体に接合された放熱板を更に備えることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係る放熱構造において、前記第2の放熱部材は、前記放熱板及び前記基板の第2の面の間の空間を埋めるように充填されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る放熱部材は、電子部品を一方の面に実装した基板、及び該基板を内部に有する筐体の内面の間に狭着され、電子部品から発生する熱を放熱する放熱部材であって、前記電子部品の実装面を除く全ての面を覆う凹部と、前記基板の一方の面に密着する基板密着面と、前記筐体の内面に密着する筐体密着面と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、放熱部材を基板及び筐体の内面の間に狭着し、放熱部材を電子部品のみでなく基板にも密着させることにより、新たなスペースを要することなく、電子部品から発生する熱を効率良く筐体へ熱伝達でき、筐体外部へ効率良く放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による第1の実施形態に係る放熱構造の概略図である。
【図2】本発明による第2の実施形態に係る放熱構造の概略図である。
【図3】本発明による第3の実施形態に係る放熱構造の概略図である。
【図4】本発明による第4の実施形態に係る放熱構造の概略図である。
【図5】本発明による第4の実施形態に係る放熱構造の変形例を示す概略図である。
【図6】従来例のヒートシンクを用いた放熱構造の概略図である。
【図7】従来例の放熱シートを用いた放熱構造の概略図である。
【図8】従来例の基板パターンを用いた放熱構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明による放熱構造の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る放熱構造の概略図である。図1(a)は放熱部材の斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す放熱部材を用いた放熱構造の断面図である。放熱構造1は、筐体40と、筐体40の内部に配置され、筐体40の内面に対向する面(以下、第1の面と称する)を有する基板30と、基板30の第1の面に実装された電子部品20と、基板30の第1の面及び筐体40の内面の間に狭着された放熱部材10(10a〜10e)とを備える。放熱部材10は、基板密着面101と、凹部102と、筐体密着面103とを有する。
【0020】
基板密着面101は、基板30の第1の面に密着し、電子部品20の熱を基板30に伝導させる。凹部102は、電子部品20の形状に合わせて凹設され、電子部品20の実装面(基板30の第1の面と密着する面)を除く全ての面を隙間無く覆う。筐体密着面103は、筐体40の内面に密着し、電子部品20の熱を筐体40に伝導させる。図中の矢印は熱の流れを示している。
【0021】
ここで、放熱部材10は、型に入れた基板30上にシリコーン等の放熱材料を流し込んでゴム型を造る方法や、基板30の凹凸に合わせたアルミ型を作成して造る方法等により成型される。
【0022】
放熱部材10は、電子部品20の実装面を除く全ての面を覆い、且つ、基板30の第1の面及び筐体40の内面に密着する形状とすればよく、図1(a)(b)に示す放熱部材10aの形状に限られるものではない。例えば、放熱部材10の形状を、図1(c)〜(g)に示すような形状とすることもできる。
【0023】
図1(c)に示す放熱部材10bは、筐体密着面103の面積を広くし、筐体密着面103と筐体40の内面との密着する面積を広くし、筐体40に対する熱伝導率を向上させたものである。図1(d)に示す放熱部材10cは、基板密着面101の面積を広くし、基板密着面101と基板30の第1の面との密着する面積を広くし、基板30に対する熱伝導率を向上させたものである。図1(e)に示す放熱部材10dは、筐体密着面103の面積及び基板密着面101の面積を広くし、筐体密着面103及び筐体40の内面の密着する面積と、基板密着面101及び基板30の第1の面の密着する面積を広くし、筐体40及び基板30に対する熱伝導率を向上させたものである。
【0024】
また、図1(f)に示すように、基板30と筐体40との間隔が広い場合には、電子部品20に対向する筐体40の内面に筐体凸部41を設けることにより、筐体密着面103と凹部102との間の厚さを厚くすることなく、筐体密着面103を筐体凸部41に密着させ、筐体40に熱伝導させることができる。なお、図1(f)に示す放熱構造1は、図1(a)(b)に示した放熱部材10aを用いているが、図1(d)に示したように基板密着面101の面積を広くした放熱部材10cを用いてもよいのは勿論である。
【0025】
さらに、上述した図1(b)〜(f)は、1つの電子部品20を放熱する放熱構造1を示しているが、凹部102を複数設けることにより、複数の電子部品20を放熱する放熱構造とすることもできる。例えば、図1(g)に示す放熱部材10eは、凹部102を2つ有し、各凹部102は各電子部品20の形状に合わせて凹設され、各電子部品20を隙間無く覆う。ここで、図1(c)〜(e)に示した放熱部材10b〜10dと同様に、筐体密着面103の面積及び/又は基板密着面101の面積を広くした形状としてもよいのは勿論である。
【0026】
このように、第1の実施形態の放熱構造1によれば、基板30の第1の面及び筐体40の内面の間に狭着された放熱部材10を備え、放熱部材10は、電子部品20の実装面を除く全ての面を覆い、且つ、基板30の第1の面及び筐体40の内面に密着することにより、放熱部材10を電子部品20及び筐体40の隙間に挟着することができるため、新たに放熱部材10用のスペースを設ける必要がなくなる。また、基板密着面101が基板30の第1の面に密着し、筐体密着面103が筐体40の内面に密着するため、電子部品20から発生する熱を効率良く放熱させることができる。
【0027】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る放熱構造について説明する。図2は、第2の実施形態に係る放熱構造の概略図である。図2(a)は電子部品が実装された基板、及び放熱部材の斜視図であり、図2(b)は図2(a)に示す放熱部材を用いた放熱構造の断面図である。放熱構造2は、筐体40と、筐体40の内部に配置された基板30と、基板30の第1の面及び筐体40の内面の間の空間を埋めるように充填される放熱部材11とを備える。放熱部材11は、基板密着面111と、凹部112と、筐体密着面113と、空間充填部114とを有する。
【0028】
図2では、基板30の第1面上に電子部品20が複数実装され、放熱部材11は電子部品20の形状に対応する複数の凹部112を有するが、符号はそれぞれ代表して1つのみに付してある。また、電子部品20の実装数は1つ以上であればよい。
【0029】
第2の実施形態に係る放熱構造2は、第1の実施形態に係る放熱構造1と比較して、放熱部材11が基板30の第1の面及び筐体40の内面の間の空間を埋めるように充填され、空間充填部114を有する点が相違する。
【0030】
放熱部材11は、基板30の第1の面及び筐体40の内面の隙間を埋めるように、基板の第1の面の凹凸に合わせて成型され、基板30の第1の面及び筐体40の内面の間の空間を埋めるように充填される。
【0031】
基板密着面111は、基板30の第1の面に密着し、電子部品20の熱を基板30に伝導させる。凹部112は、電子部品20の形状に合わせて凹設され、電子部品20の基板実装面を除く全ての面を隙間無く覆う。筐体密着面113は、筐体40の内面に密着し、電子部品20の熱を筐体40に伝導させる。空間充填部114は、基板30の第1の面及び筐体40の内面の間の空間を埋め、電子部品20の熱を基板30及び筐体40に伝導させる。基板30に伝導された熱は、放熱部材11を介して筐体40に伝導される。
【0032】
図2(c)に示すように、基板30と筐体40との間隔が広い場合には、電子部品20に対向する筐体40の内面に筐体凸部41を設けることにより、筐体密着面113と凹部112との間の厚さを厚くすることなく、筐体密着面113を筐体凸部41に密着させ、筐体40に熱伝導させることができる。
【0033】
このように、第2の実施形態の放熱構造2によれば、放熱部材11は、基板30の第1の面及び筐体40の内面の間の空間を埋めるように充填されることにより、電子部品20から基板30へ伝達された熱も放熱部材11を介して筐体40へ伝達されるため、熱の分散、均一化がなされ、電子部品20から発生する熱を筐体40へ効率よく伝導させ、筐体40全体で放熱することができる。
【0034】
また、筐体40の外面に放熱フィンを設ける場合、局所的に発熱が大きいと放熱フィンを大きく長くする必要があるが、第2の実施形態の放熱構造2によれば、筐体40全体へ熱を分散させることができるので、放熱フィンの長さを最適化し、放熱フィンのサイズを小さくすることができる。
【0035】
さらに、基板30の第1の面及び筐体40の内面の隙間が放熱部材11により埋められるため、筐体40内部の結露によるショートや埃による故障等を防止でき、防水性及び防塵性を向上することが可能となる。また、電子部品20及び基板30に放熱部材11が密着しているため、振動による電子部品20のゆれや、筐体40内のケーブルが電子部品20に接触することによる破損等を防止でき、耐震性にも優れた構造とすることができる。
【0036】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る放熱構造について説明する。図3は、第3の実施形態に係る放熱構造の断面図である。放熱構造3は、筐体40と、筐体40の内部に配置された基板30と、基板30の第1の面に実装された電子部品20と、筐体40の内面及び基板30の第1の面の間の空間を埋めるように充填された放熱部材11と、基板30の第1の面と反対側の面(以下、第2の面と称する)に実装された電子部品21と、基板30の第2の面の上に配置された放熱部材12とを備える。放熱部材11は、第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。放熱部材12は、基板密着面121と、凹部122と、空間充填部123とを有する。
【0037】
なお、第2の実施形態と同様に、電子部品20及び電子部品21の実装数は、それぞれ1つ以上であればよい。また、第2の実施形態と同様に、基板30と筐体40との間隔が広い場合には、電子部品20に対向する筐体40の内面に筐体凸部41を設けてもよい。
【0038】
第3の実施形態に係る放熱構造3は、第2の実施形態に係る放熱構造2と比較して、電子部品21と、放熱部材12とを更に備える点が相違する。
【0039】
基板密着面121は、基板30の第2の面に密着し、電子部品21の熱を基板30に伝導させる。凹部122は、電子部品21の形状に合わせて凹設され、電子部品21の基板実装面を除く全ての面を隙間無く覆う。空間充填部123は、基板30の第2の面の上部の空間を埋め、電子部品21の熱を基板30に伝導させる。基板30に伝導された熱は、放熱部材11を介して筐体40に伝導される。
【0040】
このように、第3の実施形態の放熱構造3によれば、基板30の第2面上にも放熱部材12を密着させることにより、基板30の第2の面に電子部品21が実装されている場合でも、電子部品21から発生する熱を効率良く筐体40に伝導させ、筐体40の外部へ放熱させることができる。
【0041】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る放熱構造について説明する。図4は、第4の実施形態に係る放熱構造の断面図である。放熱構造4は、筐体40と、筐体40の内部に配置された基板30と、基板30の第1の面に実装された電子部品20と、基板30の第1の面及び筐体40の内面の間の空間を埋めるように充填された放熱部材11と、基板30の第2の面に実装された電子部品21と、基板30の第2の面の上に配置された放熱部材12と、放熱部材12の上に配置された放熱板(例えば、アルミ板)50を備える。放熱部材11は、第2及び第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。放熱部材12は、基板密着面121と、凹部122と、空間充填部123と、放熱板密着面124とを有する。
【0042】
なお、第2及び第3の実施形態と同様に、電子部品20及び電子部品21の実装数は、それぞれ1つ以上であればよい。また、第2及び第3の実施形態と同様に、基板30と筐体40との間隔が広い場合には、電子部品20に対向する筐体40の内面に筐体凸部41を設けてもよい。
【0043】
第4の実施形態に係る放熱構造4は、第3の実施形態に係る放熱構造3と比較して、放熱部材12が放熱板密着面124を有し、放熱板50を更に備える点が相違する。
【0044】
基板密着面121は、基板30の第2の面に密着し、電子部品21の熱を基板30に伝導させる。凹部122は、電子部品21の形状に合わせて凹設され、電子部品21の基板実装面を除く全ての面を隙間無く覆う。空間充填部123は、放熱板50及び基板30の第2の面の間の空間を埋め、電子部品21及び基板30の熱を筐体40に伝導させる。放熱板密着面124は、放熱板50に密着し、電子部品21の熱を放熱板50に伝導させる。
【0045】
放熱板50は、放熱部材12の上に密着して配置される。また、放熱板50は筐体40に接合され、放熱部材12を介して伝導される電子部品21の熱を、筐体40に伝導させる。
【0046】
なお、放熱板50と基板30との間隔が広い場合には、電子部品21に対向する放熱板50の内面に放熱板凸部(図示せず)を設けることにより、放熱板密着面124と凹部122との間の厚さを厚くすることなく、放熱板密着面124を放熱板凸部に密着させることができる。
【0047】
このように、第4の実施形態の放熱構造4によれば、放熱部材12の上に密着して配置され、筐体40に接合された放熱板50を備え、放熱部材12は放熱板50及び基板30の第2の面の間の空間を埋めるように充填されるため、基板30の第2の面に電子部品21が実装されている場合でも、電子部品21から発生する熱を、放熱板50を介してより一層効率良く筐体40へ伝導させ、筐体40の外部へ放熱させることができる。
【0048】
上述の各実施形態は、代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。従って、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、第4の実施形態において、図5に示すように、放熱部材12が空間充填部123を有さず、隣り合う電子部品21との間で隙間を有する放熱構造4としてもよい。かかる放熱構造であっても、所定の放熱効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0049】
1,2,3,4 放熱構造
10,11,12 放熱部材
20,21 電子部品
30 基板
40 筐体
41 筐体凸部
50 放熱板
101,111,121 基板密着面
102,112,122 凹部
103,113 筐体密着面
114,123 空間充填部
124 放熱板密着面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内部の電子部品から発生する熱を放熱する放熱構造であって、
前記筐体の内部に配置され、前記筐体の内面に対向する第1の面を有する基板と、
前記基板の第1の面に実装された電子部品と、
前記基板の第1の面及び前記筐体の内面の間に狭着された放熱部材と、を備え、
前記放熱部材は、前記電子部品の実装面を除く全ての面を覆い、且つ、前記基板の第1の面及び前記筐体の内面に密着することを特徴とする放熱構造。
【請求項2】
前記放熱部材は、前記基板の第1の面及び前記筐体内面の間の空間を埋めるように充填されることを特徴とする、請求項1に記載の放熱構造。
【請求項3】
前記基板の第1の面と反対側の第2の面に実装された電子部品と、
前記基板の第2の面の上に配置された第2の放熱部材と、を更に備え、
前記第2の放熱部材は、前記基板の第2の面に実装された電子部品の実装面を除く全ての面を覆い、且つ、前記基板の第2の面に密着することを特徴とする、請求項1又は2に記載の放熱構造。
【請求項4】
前記第2の放熱部材の上に密着して配置され、前記筐体に接合された放熱板を更に備えることを特徴とする、請求項3に記載の放熱構造。
【請求項5】
前記第2の放熱部材は、前記放熱板及び前記基板の第2の面の間の空間を埋めるように充填されることを特徴とする、請求項4に記載の放熱構造。
【請求項6】
電子部品を一方の面に実装した基板、及び該基板を内部に有する筐体の内面の間に狭着され、電子部品から発生する熱を放熱する放熱部材であって、
前記電子部品の実装面を除く全ての面を覆う凹部と、
前記基板の一方の面に密着する基板密着面と、
前記筐体の内面に密着する筐体密着面と、
を有することを特徴とする放熱部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−146828(P2012−146828A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4337(P2011−4337)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】