説明

放熱筒状体およびこれを用いる放熱構造

【課題】安価で放熱性に優れた放熱筒状体および放熱構造を提供すること。
【解決手段】放熱筒状体1は、外筒体2と、外筒体2内に配置され外筒体2に内接可能な複数の内筒体31〜33とを備える。外筒体2は熱伝導層7と絶縁性の樹脂層8とからなる積層シート4を筒状に形成してなる。内筒体31〜33は熱伝導層14と絶縁性の樹脂層15とからなる積層シート10を筒状に形成してなる。外筒体2及び内筒体31〜33は径方向の弾性を有する。発熱体21と筐体22との間に挟持された放熱筒状体1は、接続する熱伝導経路として、外筒体2による2つの熱伝導経路P1,P2と、3つの内筒体31,32,33による6つの熱伝導経路Q1,Q2とを並列に持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光部品やパワー半導体等の各種電子部品や電子・電気製品の冷却に用いる放熱筒状体およびこれを用いた放熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、以下の放熱筒状体および放熱構造が提案されている。
すなわち、熱伝導性を有する可撓性の熱伝導層の両面に、熱放射効果を有する可撓性の熱放射層を形成した3層の積層シートを設け、その積層シートの端部を接合して環状の放熱筒状体を形成する。その放熱筒状体を可撓性を利用して押し潰しながら、発熱体と筐体との間に介在させ、放熱筒状体を、熱伝導性の接着層を介して、発熱体および筐体に接着し、放熱筒状体を介して発熱体と筐体とを接続する放熱構造が提案されている(例えば特許文献1の図6を参照)。
【0003】
また、熱伝導層および熱放射層の2層からなる積層シートを設け、その積層シートの端部を接合し、熱伝導層が外周面となるように環状の放熱筒状体を形成する。その放熱筒状体を可撓性を利用して押し潰しながら、発熱体と筐体との間に介在させ、放熱筒状体の外周の熱伝導層を、熱伝導性の接着層を介して、発熱体および筐体に接着し、放熱筒状体を介して発熱体と筐体とを接続する放熱構造が提案さている(例えば特許文献1の図13を参照)。
【特許文献1】特開2006−93546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1の図6や図13の例では、単筒からなる放熱筒状体を用いるので、この放熱筒状体を、発熱体と筐体との間に介在させた場合、発熱体と筐体との間の熱伝導経路としては、2つの熱伝導経路のみであり、熱伝導により放熱できる熱量が少ない。すなわち放熱性が悪いという問題がある。
一方、熱伝導経路を増やすためには、単筒からなる放熱筒状体を、多数用いた場合、これらを個別に、発熱体と筐体との間に介在させて取り付ける煩雑な作業が必要となり、放熱性を確保するための実質的な製造コストが高くなる。
【0005】
また、特許文献1では、シリコーン樹脂等のバインダに熱放射効果を有する粉体を含有させて熱放射層を形成している。本願発明者は、実際の使用状態において、熱伝導および熱放射を含めた熱伝達の全体量に対して、熱放射による熱伝達量が、僅か1%程度に過ぎないという知見を得た。
その一方で、熱放射層自体の熱伝導性が低い。したがって、特許文献1の図6の例のように、熱伝導経路に、熱伝導性の悪い熱放射層が2層も介在する場合には、全体としての熱伝導性が格段に低下し、放熱性がかなり悪くなっている。
【0006】
また、特許文献1では、単に可撓性を有する単筒からなる放熱筒状体を用いているので、当該放熱筒状体が発熱体および筐体間に挟み込まれたときに、相手方の発熱体や筐体に対して、十分な接触圧力を与えられない。相手方に対する接触が弱くなるので、熱伝導性が悪くなるおそれがある。特に、相手方の発熱体や筐体に凹凸がある場合、相手方に対する接触が希薄となり、熱伝導性が格段に悪くなる。
【0007】
そこで、本発明は、安価で放熱性に優れた放熱筒状体および放熱構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、外筒体と、外筒体と同方向に延びて横並びの1列に配列され、外筒体に内接可能な複数の内筒体とを備え、外筒体および内筒体は、熱伝導性を有する熱伝導層と絶縁性の樹脂層とからなる積層シートを筒状に形成してなり、径方向の弾性を有していることを特徴とする放熱筒状体を提供する。
本発明の放熱筒状体が、発熱体とその発熱体を収納する筐体との間に挟み込まれたときに、発熱体と筐体との間を接続する熱伝導経路として、外筒体が2つの熱伝導経路を有することになり、また、その外筒体に内接する複数の内筒体のそれぞれが、2つの並列な熱伝導経路を持つことになる。例えば、外筒体内に3つの内筒体を配列した場合、計8つの熱伝導経路を得ることができ、従来の単筒からなる放熱筒状体を用いる場合と比較して、熱伝導性能を、格段に向上することができ、非常に高い放熱性を達成することができる。
【0009】
また、従来の単筒からなる放熱筒状体を複数、例えば4つを個別に、発熱体と筐体との間に介在させて装着する作業をする場合と比較した場合、本発明では、外筒体と複数の、例えば3つの内筒体を1つのユニットとして取り扱えるので、発熱体と筐体との間に介在させて装着するときの作業性が格段に優れている。したがって、放熱構造として利用するときの実質的な製造コストを格段に低減することができる。
【0010】
しかも、外筒体内に横並び1列に内筒体が並んでいるので、当該放熱筒状体が発熱体や筐体間で弾性圧縮されるときに、偏りのない均一な弾性反発力を得ることができる。したがって、発熱体や筐体の一部に多少の凹凸が存在しても、何れかの内筒体が適宜に弾性変形することにより、当該放熱筒状体が相手方(発熱体や筐体)を加圧しながら相手方の形状に沿う形状に変形し、その結果、相手方に対する接触を確実にして、高い放熱性を確保することができる。
【0011】
さらに、本発明では、特許文献1のように熱放射層(具体的には、シリコーン樹脂等のバインダに熱放射効果を有する粉体を含有させた熱放射層)を設けていないので、熱伝導性に特に優れている。というのは、特許文献1の図6のように環状の放熱筒状体において、積層シート中に熱放射層があると、その熱放射層の熱伝導効率が非常に悪いことに起因して、熱伝導量が低くなってしまうからであり、また、その熱放射層による熱放射量は、熱伝達全体の約1%程度に過ぎないので、むしろ、熱放射層を廃止することが、熱伝導効率を向上して、全体の放熱量を格段に向上することに繋がるからである。
【0012】
上記複数の内筒体が1枚の長尺の積層シートを用いて形成されている場合(請求項2)や、上記外筒体および複数の内筒体が、1枚の長尺の積層シートを用いて形成されている場合(請求項3)には、製造コストを安くすることができる。
特に、上記1枚の積層シートの長手方向に沿う一対の縁部の一方に形成された切り込みと他方に形成された切り込みとを交差状に嵌め合わせることにより、積層シートが巻かれて各内筒体が形成されており、上記積層シートは、互いに隣接する内筒体間を接続する接続部を含んでいる場合には(請求項4)、何れかの内筒体が弾性変形するときに、隣接する内筒体も対応する接続部を介して弾性変形を強要されることになり、その結果、当該放熱筒状体が発熱体や筐体間で弾性圧縮されるときに、放熱筒状体が、十分な大きさの弾性反発力を、より均一に発揮することになる。
【0013】
また、上記外筒体の周長が、複数の内筒体の周長の総和よりも短くされている場合には(請求項5)、当該放熱筒状体が所定以上の偏平状態になることが規制される。というのは、複数の内筒体が横方向へ所定量拡がり変形すると、それ以上の拡がり変形が、張力を発生する外筒によって拘束されるからである。したがって、多少手荒な扱いをされても、放熱筒状体が完全にへしゃげて使用不能になってしまうようなことがない。
【0014】
上記外筒体の外周面の一部に、熱伝導性接着剤からなる接着層を形成してあれば(請求項6)、発熱体および筐体の少なくとも一方に容易に接着して取り付けることができる(請求項8)。また、上記の放熱筒状体を用いて、発熱体と、発熱体を収納した筐体との間を接続した放熱構造であれば好ましい(請求項7)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好ましい態様を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施の形態の放熱筒状体の断面図である。図1を参照して、放熱筒状体1は、外筒体2と、外筒体2内に配置され外筒体2に内接可能な複数の内筒体31,32,33とを備えている。複数の内筒体31,32,33は、外筒体2と平行な方向に延びるとともに、横並びの1列に配列されている。複数の内筒体31〜33の少なくとも1つが、例えば熱伝導性接着剤からなる接着層3を介して、外筒体2の内周面に接着されている。
【0016】
本実施の形態では、3つの内筒体31,32,33を有する場合に則して説明するが、内筒体は2つ以上であればよい。
外筒体2は、図2に示すような積層シート4を筒状に巻き、その積層シート4の一対の端部4a,4bを互いに係止することにより形成されている。具体的には、図3に示すように、積層シート4の一方の端部4aに形成された切り込み5と他方の端部4bに形成された切り込み6とを互いに嵌め込んで、端部4a,4bを互いに係止している。積層シート4は、図2に示すように、その長手方向A1に沿って延びる一対の縁部4c,4dを有しており、切り込み5と切り込み6とは、積層シート4の短手方向A2に沿って、互いに逆向きに、短手方向A2の途中部まで延びている。
【0017】
図1に示すように、積層シート4は、熱伝導性を有する熱伝導層7と絶縁性の樹脂層8とからなっている。熱伝導層7は、アルミニウムまたはその合金、銅またはその合金等の熱伝導性の良好な金属材料の薄板または箔により構成されている。また、樹脂層8は、例えばポリイミド樹脂の薄板またはフィルムにより構成されている。
積層シート4を筒状に巻いて形成された外筒体2は、その径方向に弾性変形可能となっている。積層シート4は、外筒体2として構成されたときに、弾性を発揮することができるような厚みに形成されている。積層シート4に弾性を発揮させるための層は、熱伝導層7および樹脂層8の少なくとも一方であればよい。何れか一方の層をフィルムのように薄くし、可撓性のみを発揮する層として構成してもよい。
【0018】
複数の内筒体31,32,33は、図4に示すような1枚の長尺の積層シート10を、一筆書き状に複数回交差状に巻いて形成されている。積層シート10の長手方向B1に沿う一対の縁部10a,10bに、積層シート10の短手方向B2に沿って交互の逆向きに延びる切り込み11a,11b;12a,12b;13a,13bが形成されている。
図5に示すように、積層シート10自身が面交差するように切り込み11aと切り込み11bが互いに嵌め合わされて、その間に巻かれる積層シート10の一部分101(図4参照)によって、内筒体31が形成されている。また、図5に示すように、積層シート10自身が面交差するように切り込み12aと切り込み12bが互いに嵌め合わされて、その間に巻かれる積層シート10の一部分102(図4参照)によって、内筒体32が形成されている。また、図5に示すように、積層シート10自身が面交差するように切り込み13aと切り込み13bが互いに嵌め合わされて、その間に巻かれる積層シート10の一部分103(図4参照)によって、内筒体33が形成されている。このようにして筒状に巻いて形成された各内筒体31,32,33は、径方向に弾性変形可能となっている。
【0019】
また、図4において、積層シート10の切り込み11bと切り込み12aとの間に介在する部分104が、図5において、隣接する内筒体31と内筒体32との間を接続する接続部34を構成している。また、積層シート10の切り込み12bと切り込み13aとの間に介在する部分105が、図5において、内筒体32と内筒体33との間を接続する接続部35を構成している。
【0020】
各接続部34,35は、図1に示すように、内筒体31〜33の一側で外筒体2の対向する内周面に向かって湾曲状に膨らんでおり、各接続部34,35が偏平になるように外筒体2によって押圧されるときには、各接続部34,35に関連する内筒体31〜33が共同して弾力的に外力に抗することになる。
複数の内筒体31〜33が1枚の積層シート10から一体に形成されているので、図1に示すように、外筒体2と内筒体31〜33を接続するための接着層3としては、複数の内筒体31〜33の少なくとも1つ、例えば中央の内筒体32を外筒体2の内周面に接着するだけでよい。
【0021】
図1に示すように、積層シート10は、熱伝導性を有する熱伝導層14と絶縁性の樹脂層15とからなっている。熱伝導層14は、アルミニウムまたはその合金、銅またはその合金等の熱伝導性の良好な金属材料の薄板または箔により構成されている。また、樹脂層15は、例えばポリイミド樹脂の薄板またはフィルムにより構成されている。
積層シート10を筒状に巻いて形成された各内筒体31,32,33は、その径方向に弾性変形可能となっている。積層シート10は、内筒体31,32,33として構成されたときに、弾性を発揮することができるような厚みに形成されている。積層シート10に弾性を発揮させるための層は、熱伝導層14および樹脂層15の少なくとも一方であればよい。何れか一方の層をフィルムのように薄くし、可撓性のみを発揮する層として構成してもよい。
【0022】
次いで、図6は上記の放熱筒状体1を、回路基板18に取り付けられたパワー半導体等の発熱体21と、この発熱体21を収容する筐体22との間に挟み込んで構成された放熱構造20を示している。放熱筒状体1の外筒体2の外周面の一部に熱電導性接着剤からなる接着層23が形成され、放熱筒状体1が接着層23を介して、発熱体21および筐体22の何れか一方に、例えば筐体22に接着されている。なお、一対の接着層を設け、放熱筒状体1をそれぞれ対応する接着層を介して発熱体21および筐体22に接続するようにしてもよい。
【0023】
図6において、矢符は熱伝導経路を示している。発熱体21と筐体22との間を接続する熱伝導経路として、外筒体2が2つの熱伝導経路P1,P2を有し、外筒体2に内接する3つの内筒体31,32,33のそれぞれが、2つの並列な熱伝導経路Q1,Q2を持つことになる。したがって、本実施の形態のように、外筒体2に3つの内筒体31,32,33を配列した場合には、計8つの熱伝導経路を得ることができ、従来の単筒からなる放熱筒状体を用いる場合と比較して、熱伝導性能を、格段に向上することができ、非常に高い放熱性を達成することができる。
【0024】
また、従来の単筒からなる放熱筒状体を複数、例えば4つを個別に、発熱体と筐体との間に介在させて装着する作業をする場合と比較すると、本実施の形態においては、外筒体2と複数の内筒体31〜33を1つのユニットとして取り扱えるので、発熱体21と筐体22との間に介在させて装着するときの作業性が格段に優れている。したがって、放熱構造20として利用するときの実質的な製造コストを格段に低減することができる。
【0025】
しかも、外筒体2内に横並び1列に複数の内筒体31〜33が並んでいるので、当該放熱筒状体1が発熱体21および筐体22間で弾性圧縮されるときに、偏りのない均一な弾性反発力を得ることができる。したがって、仮に、発熱体21や筐体22の一部に多少の凹凸が存在しても、何れかの内筒体31〜33が適宜に弾性変形することにより、当該放熱筒状体1が相手方(発熱体21や筐体22)を加圧しながら相手方の形状に沿う形状に変形し、その結果、相手方に対する接触を確実にして、高い放熱性を確保することができる。
【0026】
さらに、本実施の形態では、特許文献1のように熱放射層(具体的には、シリコーン樹脂等のバインダに熱放射効果を有する粉体を含有させた熱放射層)を設けていないので、熱伝導性に特に優れている。というのは、特許文献1の図6のように環状の放熱筒状体において、積層シート中に熱放射層があると、その熱放射層の熱伝導効率が非常に悪いことに起因して、熱伝導量が低くなってしまうからであり、また、その熱放射層による熱放射量は、熱伝達全体の約1%程度に過ぎないので、むしろ、熱放射層を廃止することが、熱伝導効率を向上して、全体の放熱量を格段に向上することに繋がるからである。
【0027】
また、外筒2内に内接する複数の内筒体31〜33が1枚の長尺の積層シート10を用いて形成されているので、製造コストを安くすることができる。
特に、上記1枚の積層シート10の対応する切り込み11a,11b;12a,12b;13a,13bを交差状に嵌め合わせることにより、積層シート10が巻かれて各内筒体31〜33が形成されているので、何れかの内筒体31〜33が弾性変形するときに、これに隣接する内筒体31〜33も対応する接続部34,35を介して弾性変形を強要されることになり、その結果、当該放熱筒状体1が発熱体21および筐体22間で弾性圧縮されるときに、放熱筒状体1が、十分な大きさの弾性反発力を、より均一に発揮することになる。
【0028】
また、外筒体2の外周面の一部に、熱伝導性接着剤からなる接着層23を形成してあるので、発熱体21および筐体22何れか一方に容易に接着して取り付けることができるという利点がある。
また、上記外筒体2の周長が、複数の内筒体31〜33の周長の総和よりも短くされている場合には、当該放熱筒状体1が所定以上の偏平状態になることが規制される点で好ましい。というのは、複数の内筒体31〜33が横方向へ所定量拡がり変形すると、それ以上の拡がり変形が、張力を発生する外筒2によって拘束されるからである。したがって、多少手荒な扱いをされても、放熱筒状体1がへしゃげて使用不能になるようなことがない。
【0029】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、内筒体は2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
また、上記の実施の形態では、複数の内筒体31〜33を単一の積層シート10により一括して形成したが、これに代えて、図7に示すように、放熱筒状体1Aの各内筒体31A,32A,33Aをそれぞれ別の積層シートにより形成するようにしてもよい。この場合、図7に示すように、各内筒体31A,32A,33Aをそれぞれ対応する接着層3を介して外筒体2に接続するようにしてもよい。また、図示していないが、隣接する内筒体31A,32A,33Aどうしを互いに接着層で接続して、複数の内筒体31A,32A,33Aを一体化し、複数の内筒体31A,32A,33Aの少なくとも1つを外筒体2に接着層3を介して接続するようにしてもよい。
【0030】
また、図8に示すように、放熱筒状体1Bとして、複数の内筒体31〜33および外筒体2Bの全体を1枚の積層シート200により形成するようにしてもよい。すなわち、図9に示すように、積層シート200は、複数の内筒体31〜33を形成した後、これら複数の内筒体31〜33の周囲を取り囲むように巻き回されて、外筒体2Bを形成している。積層シート200の一端に形成された切り込み14aが、対応する切り込み14bに嵌め合わされて、外筒体2Bの形状が維持されるようになっている。
【0031】
図8および図9において、図1の実施の形態と同じ構成には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。本実施の形態においても、図1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。しかも、放熱筒状体1Bの全体を1枚の積層シート200により形成するので、製造コストをより安くすることができる。
なお、上記各実施の形態において、切り込み同士が嵌め合わされている部分を、補強のために接着テープで接着しておいてもよい。
【0032】
その他、本発明の特許請求の範囲で種々の変更を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態の放熱筒状体の模式的断面図である。
【図2】放熱筒状体の外筒体を形成するための積層シートの展開図である。
【図3】外筒体の分解斜視図である。
【図4】複数の内筒体を一体に形成するための積層シートの展開図である。
【図5】複数の内筒体の概略斜視図である。
【図6】上記の放熱筒状体を用いた放熱構造の模式的断面図である。
【図7】本発明の別の実施の形態の放熱筒状体の模式的断面図である。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態の放熱筒状体の模式的側面図である。
【図9】図8の放熱筒状体を一部分解した斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
1,1A,1B 放熱筒状体
2,2B 外筒体
3 接着層
4 積層シート
5,6 切り込み
7 熱伝導層
8 樹脂層
10 積層シート
11a,11b,12a,12b,13a,13b,14a,14b 切り込み
14 熱伝導層
15 樹脂層
18 回路基板
20 放熱構造
21 発熱体
22 筐体
23 接着層
31,32,33 内筒体
31A,32A,33A 内筒体
51 両面テープ
52 剥離シート
200 積層シート
A1 長手方向
A2 短手方向
B1 長手方向
B2 短手方向
P1,P2,Q1,Q2 熱伝導経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒体と、外筒体と同方向に延びて横並びの1列に配列され、外筒体に内接可能な複数の内筒体とを備え、
外筒体および内筒体は、熱伝導性を有する熱伝導層と絶縁性の樹脂層とからなる積層シートを筒状に形成してなり、径方向の弾性を有していることを特徴とする放熱筒状体。
【請求項2】
請求項1において、上記複数の内筒体が、1枚の長尺の積層シートを用いて形成されていることを特徴とする放熱筒状体。
【請求項3】
請求項1において、上記外筒体および複数の内筒体が、1枚の長尺の積層シートを用いて形成されていることを特徴とする放熱筒状体。
【請求項4】
請求項2または3において、上記1枚の積層シートの長手方向に沿う一対の縁部の一方に形成された切り込みと他方に形成された切り込みとを交差状に嵌め合わせることにより、積層シートが巻かれて各内筒体が形成されており、
上記積層シートは、互いに隣接する内筒体間を接続する接続部を含んでいることを特徴とする放熱筒状体。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1項において、上記外筒体の周長が、複数の内筒体の周長の総和よりも短くされていることを特徴とする放熱筒状体。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項において、上記外筒体の外周面の一部に、熱伝導性接着剤からなる接着層を形成したことを特徴とする放熱筒状体。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の放熱筒状体を用いて、発熱体と、発熱体を収納した筐体との間を接続したことを特徴とする放熱構造。
【請求項8】
請求項7において、上記放熱筒状体が、発熱体および筐体の少なくとも一方に接着されていることを特徴とする放熱構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−91715(P2008−91715A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272130(P2006−272130)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【出願人】(000222990)株式会社テクノアソシエ (11)
【Fターム(参考)】