説明

放送番組収録装置および記録媒体

【課題】 定期的に発生する放送素材の収録準備の効率化を図る。
【解決手段】 保持手段(PDT)は、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを保持する。保持手段(PDT)の保持情報に基づいて、前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時にデータ蓄積手段に収録させる。保持手段(PDT)に保持された供給予定時間になると、特定の供給元から供給される放送素材がデータ蓄積手段に収録される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放送番組収録装置に関し、詳しくは、不特定多数の公衆を対象とする放送通信もしくは特定多数の相手を対象とする同報通信を行う放送局(例えば、放送事業者の放送局、社内放送局または校内放送局)に設置する放送番組収録装置に係り、特に、定期的に発生する放送素材の収録を効率よく行うことを意図した放送番組収録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、放送番組の制作から送出までの大まかな流れは、■番組の構成を計画し、■その計画に従って適切な素材を集めて放送番組収録装置に収録し、■送出スケジュールに基づいて各素材を放送番組収録装置から読み出してオンエア送出するというものである。■の収録作業において、素材の供給は、磁気テープを用いて行われる場合と通信回線を介して行われる場合の二つのケースがある。前者のケースは、例えば、可搬型のビデオカメラで撮影された放送素材の供給であり、後者のケースは、例えば、スタジオカメラ、中継車または契約局もしくは契約通信社などからの放送素材の供給である。
【0003】ここで、従来の放送番組収録装置として、ノンリニア編集(フレーム単位のランダムな編集)が可能ないわゆるビデオサーバ・システムが公知である。ビデオサーバ・システムは、ハードディスクアレイに放送予定の素材を収録し、その収録素材を送出スケジュールに従って順次に送出するものであり、ハードディスクのランダムなアクセス性を活かして放送素材の入れ替えや送出順の変更または編集加工などを効率的に行うことができるものである。
【0004】ビデオサーバ・システムは前記二つの素材供給ケース(磁気テープによる供給と通信回線による供給)に対応するために、数台のリニア編集機(ビデオテープレコーダ;以下「VTR」と略す)と複数の入力回線を備えている。そして、収録時には、VTR番号や回線番号を素材の供給元に指定するとともに、ビデオサーバ・システムの収録チャネル番号を素材の供給先に指定し、さらに、放送素材ごとの様々な属性情報(※)を入力して収録準備をした後、ビデオサーバ・システムの収録動作を開始するという流れになる。
※代表は素材の収録長(以下「素材長」という)であるが、この他にも送出時のCue Up点を示す先頭タイムコード(Start Time Code;以下「STC」と略す)、素材の名称、素材の説明などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のビデオサーバ・システムにあっては、定期的に発生する放送素材、例えば、契約局や契約通信社などから定時に送られてくる決まった長さの放送素材を収録する際も、他の不定期な放送素材とまったく同一の手順で収録準備をする必要があり、手間がかかって面倒であるという問題点があった。したがって、本発明が解決しようとする課題は、定期的に発生する放送素材の収録準備の効率化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の放送番組収録装置は、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを保持する保持手段と、前記保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。これによれば、保持手段に保持された供給予定時間になると、特定の供給元から供給される放送素材がデータ蓄積手段に収録される。
【0007】請求項2記載の放送番組収録装置は、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とをテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。これによれば、第1保持手段の保持情報の複製物として収録予定情報が生成され、この収録予定情報に含まれる供給予定時間になると、特定の供給元から供給される放送素材がデータ蓄積手段に収録される。
【0008】請求項3記載の放送番組収録装置は、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えたユーザインターフェースと、前記ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。これによれば、ユーザインターフェースのコントロールに入力した情報が第1保持手段に保持されるとともに、第1保持手段の保持情報の複製物として収録予定情報が生成され、この収録予定情報に含まれる供給予定時間になると、特定の供給元から供給される放送素材がデータ蓄積手段に収録される。
【0009】請求項4記載の放送番組収録装置は、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えた第1ユーザインターフェースと、前記第1ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報を更新可能に表示するコントロールを備えた第2ユーザインターフェースと、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。これによれば、第1ユーザインターフェースのコントロールに入力した情報が第1保持手段に保持されるとともに、第1保持手段の保持情報の複製物として収録予定情報が生成される。そして、第2ユーザインターフェースのコントロールに入力した情報で収録予定情報の変更が可能となり、この収録予定情報に含まれる供給予定時間になると、特定の供給元から供給される放送素材がデータ蓄積手段に収録される。
【0010】請求項5記載の放送番組収録装置は、請求項3記載の放送番組収録装置において、前記ユーザインターフェースは、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを新規入力する際に、前記第1保持手段に保持済みの情報を前記コントロールに更新可能に表示することを特徴とする。これによれば、すでに保持済みの情報を用いて新規のテンプレート情報が生成される。
【0011】請求項6記載の放送番組収録装置は、請求項4記載の放送番組収録装置前記第1ユーザインターフェースは、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを新規入力する際に、前記第1保持手段に保持済みの情報を前記コントロールに更新可能に表示することを特徴とする。これによれば、すでに保持済みの情報を用いて新規のテンプレート情報が生成される。
【0012】請求項7記載の記録媒体は、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを保持する保持手段と、前記保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したことを特徴とする。これによれば、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と該プログラムとの有機的結合によって収録手段、保持手段および制御手段を実現することができる。
【0013】請求項8記載の記録媒体は、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とをテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したことを特徴とする。これによれば、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と該プログラムとの有機的結合によって収録手段、第1保持手段、生成手段、第2保持手段および制御手段を実現することができる。
【0014】請求項9記載の記録媒体は、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えたユーザインターフェースと、前記ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したことを特徴とする。これによれば、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と該プログラムとの有機的結合によって収録手段、ユーザインターフェース、第1保持手段、生成手段、第2保持手段および制御手段を実現することができる。
【0015】請求項10記載の記録媒体は、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えた第1ユーザインターフェースと、前記第1ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報を更新可能に表示するコントロールを備えた第2ユーザインターフェースと、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したことを特徴とする。これによれば、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と該プログラムとの有機的結合によって収録手段、ユーザインターフェース、第1保持手段、生成手段、第2保持手段、第2ユーザインターフェースおよび制御手段を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、放送局内に設置されたビデオサーバ・システムを例にして図面を参照しながら説明する。図1は、ビデオサーバ・システム1(特許請求の範囲に記載の放送番組収録装置に相当)の全体構成図である。なお、この構成図は、実際の放送番組収録装置の全体像を正確に表すものではない。本発明の思想を理解する上で必要となる構成要素を代表的かつ概念的に模式化して示すものである。
【0017】<ビデオサーバ・システム1の全体構成>図示のビデオサーバ・システム1は、その役割別に、局内上位サブシステム100、操作サブシステム200、データベースサブシステム300、大容量記憶サブシステム400(特許請求の範囲に記載のデータ蓄積手段に相当)、送出系サブシステム500などに分類することができる。これらのサブシステムは、それぞれ後述の役割を担うものであり、各サブシステムは、その担当役割の全てまたは一部を効率的かつ低コストで実現するために、必要に応じ、汎用のオペレーティングシステム(以下「OS」)を搭載したパーソナルコンピュータもしくはワークステーション(以下「パソコン」という)を含むことができる。特に、操作サブシステム200は、以下の説明からも明らかになるが、操作員との良好なマン・マシン・インターフェースを図るために、GUI(グラフィカル・ユーザインターフェース)環境に優れた所定の汎用OS(例えば、Windows95/98/NT:Microsoft社の登録商標)を搭載したネットワーク対応のパソコン(ネットワークカードやハードディスクドライブを実装したパソコン本体、ディスプレイ装置およびキーボードやマウス等の入力装置を含む)を少なくとも1台(図では便宜的に5台)含む。
【0018】<局内上位サブシステム100の構成>各サブシステムの好ましい構成例を説明すると、まず、局内上位サブシステム100は、番組制作部門等に設置された上位管理システム101を備える。この上位管理システム101は、放送番組のスケジュール(番組構成表)を作成したりするものである。なお、上位管理システム101は、厳密にはビデオサーバ・システム1とは別系統のワークグループに属するネットワークに接続されており、このネットワークとビデオサーバ・システム1とを連接(LAN−LAN接続)して、いわゆるWAN(Wide Area Network)を構築するために、局内上位サブシステム100にデータゲートウェイ102が設けられている。図示のデータゲートウェイ102はネットワーク対応のパソコンで構成されており、例えば、2枚のネットワークカードをスロットに挿入し、一方のカードを上位管理システム101に接続するとともに、他方のカードをビデオサーバ・システム1のLAN600に接続して、両ネットワーク間における必要なデータの選択的転送を可能にする。ここで、上位管理システム101からビデオサーバ・システム1へのデータ転送方向を“下り”その逆を“上り”と称することにすると、下りデータはスケジュールなどであり、上りデータは放送を完了した放送素材のリスト(送出結果リスト)などである。
【0019】<操作サブシステム200の構成>次に、操作サブシステム200は、既述のとおり、GUI環境に優れた汎用OSを搭載した複数のパソコン(図では便宜的に5台のパソコン;符号201〜205参照)を備える。これらのパソコンは、それぞれ、「収録」、「編集」、「送出監視」、「素材管理」および「システム管理」の各担当局員によって操作される。
【0020】もし、これらの担当局員が同一人物の場合、または、「収録」、「編集」、「送出監視」、「素材管理」および「システム管理」の各作業が同時に行われない場合、パソコンは1台でよい。すなわち、1台のパソコンに、収録作業用、編集作業用、送出監視作業用、素材管理作業用およびシステム管理作業用の各アプリケーションプログラムソフト(またはこれらを統合したアプリケーションプログラムソフト)をインストールし、実行すべき作業内容に応じて適切なアプリケーションプログラムを起動すればよい。しかし、実際には、上記各作業の全てまたは一部を並行して行うことが多いため、パソコンは、図示のように、各作業毎、すなわち、収録作業用のパソコン(以下「収録端末」)201、編集作業用のパソコン(以下「編集端末」)202、送出監視作業用のパソコン(以下「送出監視端末」)203、素材管理作業用の端末(以下「素材管理端末」)204およびシステム管理作業用の端末(以下「システム管理端末」)205のように別々に設置することが望ましい。
【0021】なお、収録作業とは放送素材を大容量記憶サブシステム400に蓄積(収録)する作業であり、編集作業とは大容量記憶サブシステム400に蓄積された放送素材を実際に放送する素材に直す作業であり、送出監視とは大容量記憶サブシステム400に蓄積された放送素材のスケジュールに従った送出動作を監視する作業であり、素材管理とは大容量記憶サブシステム400に蓄積された放送素材を管理する作業であり、システム管理とはAVサーバ・システム1の動作環境を管理したりシステム設定値(特に、収録対象の放送素材に適用する規定の「素材長」および規定の「STC」等)を設定したりする作業である。
【0022】各端末201〜205はスロットに挿入された不図示のネットワークカードを介してLAN600に接続されている。各端末201〜205は同一の作業を複数の局員で分担して行う場合に備えて、作業単位毎に複数台設けられていてもよい。例えば、収録作業用の収録端末201を複数台備えてもよい。
【0023】<データベースサブシステム300の構成>次に、データベースサブシステム300は、ネットワーク対応のデータベースエンジン(例えば、SQLデータベースエンジン;SQLはStructured Query Languageの略)を搭載しており、このデータベースエンジンを介して、操作サブシステム200の各端末201〜205から自由にレコードデータの参照や更新および追加を行うことが可能なデータベーステーブルを備える。データベーステーブルは、上位管理システム101から送られてきたスケジュールデータやシステム管理端末205で設定された初期値(特に、収録対象の放送素材に適用する規定の「素材長」および規定の「STC」等)などのデータを含むほか、本実施の形態では、特に、「定期収録テンプレートデータ・テーブル:Periodic Filing Data Table(以下「PDT」と略すこともある)」および「定期収録予定データ・テーブル:Filing Data Table(以下「FDT」と略すこともある)」の二つのテーブルを含む。PDTおよびFDTの詳細は後述するが、いずれも、定期的に発生する放送素材の収録を効率よく行うためのテーブルであり、本実施の形態に特有のものである。PDTは特許請求の範囲に記載の保持手段または第1保持手段に相当し、FDTは特許請求の範囲に記載の第2保持手段に相当する。
【0024】<大容量記憶サブシステム400の構成(概要)>次に、大容量記憶サブシステム400は、本実施の形態のビデオサーバ・システム1の中核をなすものであり、要するに、公知の大容量ハードディスク管理技術、典型的には、RAID(Redundant Array of Inexpensive Disk)技術を駆使して構築された大容量のハードディスクアレイシステムである。
【0025】なお、RAIDにはRAID0からRAID5の各レベルがある。RAID0はいわゆるストライプセットと呼ばれるもので、複数のハードディスクをブロック単位で順々に使用する。読み書きを高速にできる反面、信頼性に劣る(ディスク台数をn台とし1台当たりの故障確率をxとするとシステム全体の故障確率は1−(1−x)nになる)。RAID1はミラーセット(またはミラーリング)と呼ばれるもので、同じデータを複数のハードディスクに書き込む。いずれかのハードディスクが故障してもデータを失うことはない。RAID1でデータを失う確率はxnになり、高い信頼性を得られるが、ディスクの使用効率は低い。
【0026】一方、RAID3はRAID0とRAID1の中間の性能を持つ。すなわち、RAID3では、RAID0の構成にパリティ(データ復元用情報)専用のハードディスクを追加し、このパリティ専用のハードディスクに、RAIDを構成するハードディスクの同じ論理ブロック位置のデータから生成したパリティを書き込む。ハードディスクの一台が壊れた場合、残りのハードディスクのデータとパリティを使って壊れたデータを復元できる。したがって、パリティ専用のハードディスクを含む2台のハードディスクが同時に壊れない限り、データを失うことがない。RAID3の故障確率は、n(n−1)/2×(x2)となる。RAID1には及ばないが、単一のハードディスクに比べて遥かに信頼性が高く、しかも、RAID1と比べて圧倒的にディスクの使用効率が高い(冗長度が低い)という利点がある。
【0027】RAID3の弱点は、書込みの際に必ずパリティ専用ハードディスクへのアクセスが発生し、このアクセス集中が性能上のボトルネックになりやすいことである。この点を改良したのがRAID5である。RAID5では、パリティ専用のディスクを持たず、パリティ情報を各ディスクに分散する。パリティディスクへのアクセス集中が起きず、RAID3の弱点をカバーできる。但し、ディスクの使用効率や信頼性はRAID3と同等である。図示の大容量記憶サブシステム400では、特に限定しないが、映像データの記憶にRAID3を使用し、音声データの記憶にRAID1を使用する。
【0028】大容量記憶サブシステム400は、特に限定しないが、障害耐性を向上するために、その主要部をA系とB系のデュアル構成にし、各系に同一の素材データを記憶する。A系はSMS(Server Management System)401a、IDC(Intelligent Device Controller)402aおよびビデオサーバ403aを備え、また、B系も同じくSMS(同)401b、IDC(同)402bおよびビデオサーバ403bを備える。さらに、大容量記憶サブシステム400は、各系共通のカセットオートチェンジャー制御装置404、カセットオートチェンジャー405、各系のIDC402a、402bによって制御される素材機406、プレビュー画像等を表示するモニター装置407およびコマンド中継装置408を備える。
【0029】コマンド中継装置408は、操作サブシステム200と大容量記憶サブシステム400の間のコマンドインターフェースをとるための装置である。なお、コマンド中継装置408の機能を操作サブシステム200(の各端末201〜205)や大容量記憶サブシステム400(のSMS401a、401b)に振り分けて実装してもよい。コマンド中継装置408を不要にすることができる。但し、操作サブシステム200や大容量記憶サブシステム400の構成(例えば、端末やビデオサーバの台数または端末のGUI機能)がユーザ毎に異なることがあるため、汎用性の観点から、実用上は操作サブシステム200と大容量記憶サブシステム400の間にコマンド中継装置408を設けておくことが望ましい。構成の違いをコマンド中継装置408で吸収し、ユーザ要求に応じたシステム構成を柔軟に構築できるからである。
【0030】モニター装置407は、操作サブシステム200からの指示によって大容量記憶サブシステム400から読み出された放送素材をプレビューする。カセットオートチェンジャー405は、旧来のテープ方式による送出素材蓄積装置に相当する。ビデオサーバ403a、403bの蓄積データを磁気テープに記憶してライブラリデータとして保存したり、この磁気テープデータを利用して両系のビデオサーバー403a、403bの緊急予備機として利用したりできる。なお、カセットオートチェンジャー制御装置404は、収録端末201や編集端末202または送出監視端末203からのリソース要求に応答してカセットオートチェンジャー405の各種リソースの割り当てを調停するものであり、その基本機能はSMS401a、401bの機能と類似するので、後述のSMS機能説明を流用するものとし、ここでの説明は省略する。
【0031】<大容量記憶サブシステム400の構成(詳細)>図2は、大容量記憶サブシステム400の一つの系(図では便宜的にA系)を示す構成図である。なお、図2において、供給部715〜719および送出部720〜724は図1の素材機406に相当し、ルータ704は図1のマスタースイッチャー503に相当する。すなわち、ビデオサーバは厳密には、図2の破線で囲まれた部分(符号725、726参照)であるが、以下の説明では便宜上、一点鎖線で囲まれた部分(符号403a参照)をビデオサーバと称することにする。SMS401aはLAN600を介してコマンド中継装置408につながっており(破線A参照)、コマンド中継装置408は同じくLAN600を介して操作サブシステム200(の各端末201〜205)につながっている(破線B参照)。SMS401aは、LAN600およびコマンド中継装置408を介して伝えられた操作サブシステム200(正確には操作サブシステム200の各端末201〜205)からの制御コマンドに応答して、ビデオサーバ403aの各種リソース割り当てを調停するとともに、IDC402aに制御コマンドを送出する。IDC402aは、SMS401aからのコマンドに対し、内部タイマあるいは外部からのGPI(マニュアル操作に基づく制御信号)をトリガにして発火する、リアルタイム制御を司る。なお、リソース(Resource;資源ともいう)とは、ビデオサーバ403aの入出力チャネル、ルータの接続点、RAIDを構成するハードディスクなどのデバイスのことをいう。操作サブシステム200の各端末201〜205は割り当てを受けたデバイスをその割り当て期間中、占有して使用することができる。
【0032】リソース割り当ては操作サブシステム200の各端末201〜205からの要求に応じて動的に行われなければならない。固定割り当ては端末の数だけリソースを備える必要があり、効率的でないうえ、システム規模が大きくなるので現実的でないからである。ところで、リソースの割り当てを動的にした場合、同一リソースへの競合や優先割り当ての対策を講じる必要がある。SMS401aは、かかる競合および優先割り当ての調停(調停動作の具体的説明は後述する)を行う。ビデオサーバ403aは、図2に示すように、n+1台(図では便宜的にn=2)のサブIDC(以下「SIDC」)701〜703と、ルータ704と、n台のコントローラ(以下「CNT」)705、706と、m×n個(図では便宜的にm=3)の入出力処理部(以下「IOP」)707〜712と、n個のRAID部713、714と、j個(図では便宜的にj=5)の供給部715〜719(特許請求の範囲に記載の供給元に相当)と、j個の送出部720〜724とを備えている。CNT705、IOP707〜709およびRAID部713で第1サーバ725を構成し、残りのCNT706、IOP710〜712およびRAID部714で第2サーバ726を構成する。なお、第1サーバ部725のCNT705およびIOP707〜709とRAID部713の間はRAID用のバス727で接続され、また、第2サーバ部726のCNT706およびIOP710〜712とRAID部714の間はRAID用のバス728で接続されている。
【0033】第1サーバ725および第2サーバ726は、ルータ704を介してSIDC701〜703および供給部715〜719ならびに送出部720〜724に接続されている。供給部715〜719は、不図示のVTRや回線にも接続されており、供給部715〜719に入力された素材データ、すなわち、素材機406またはVTRもしくは回線からの素材データをルータ704を介して第1サーバ725または第2サーバ726のRAID部713、714に記録(収録)できるようになっている。IOP707〜709、710〜712のそれぞれを1チャネルと数えると、図示のルータ704はmチャネルの同時入出力が可能であり、“収録先”に相当する収録チャネルの数はm×2個になる。また、供給部715〜719は“収録元”に相当し、図示の例の場合、収録元の数は5個になる。
【0034】SMS401aの制御下でルータ704の接続点を切替えることにより、第1サーバ725の各IOP707〜709と供給部715〜719(または送出部720〜724)との組合わせを動的に変更できる。もしくは、第2サーバ726の各IOP710〜712と供給部715〜719(または送出部720〜724)との組合わせを動的に変更できる。例えば、供給部715を“収録元”に指定するとともに、第1サーバ725のIOP707を“収録先”に指定すれば、この供給部715にセットされた素材データをIOP707から取り込み、第1サーバ715のRAID部713に記録(収録)できる。
【0035】<大容量記憶サブシステム400の動作(特にリソース競合/割り当て)>次に、大容量記憶サブシステム400のリソース競合やリソース優先割り当ての調停を行うSMS401a、401bの動作を説明する。SMS401a、401b(以下、A系のSMS401aで代表する)は、ソフトウェア(OSおよび所定のアプリケーションプログラム)とハードウェアとの有機的結合によって実現される少なくとも二つのタスク(実行管理タスクとリソース情報管理タスク)を備える。
【0036】“タスク”とはOSレベルで管理・制御されるプログラム実行の単位である。例えば、MS−DOSは同時に一つのタスクしか管理(いわゆる「シングル・タスク」)できないが、Windows95/98/NTやUNIXまたはOS/2などでは複数のタスクを切替えながら管理(いわゆる「マルチ・タスク」)できる。ユーザから見た場合にタスクをジョブということもある。なお、MS−DOSはMicrosoft社の登録商標、OS/2はIBM社の登録商標である。近時、特別な用途を除きMS−DOSのようなシングル・タスクOSを使用することは希であり、ほとんどは、Windows95/98/NT、UNIXまたはOS/2のようなマルチ・タスクOSを使用する。したがって、本実施の形態においても、かかる技術背景(マルチ・タスク環境)に倣って“タスク”と称するが、この用語の意味に限定されない。ジョブであってもよいし、プログラムであってもよい。
【0037】実行管理タスクは、操作サブシステム200とIDC402aの間のインターフェースを提供する。なお、実際には操作サブシステム200と実行管理タスク900の間にコマンド中継装置408が介在するが、説明の簡単化のために以下ではコマンド中継装置408の存在を無視することにする。実行管理タスクは、操作サブシステム200からのリソース要求命令を受け取ると、リソース管理タスクにリソース割り当ての可否を問い合わせ、その結果(割り当て許可または割り当て拒否)を示す信号を操作サブシステム200に通知する。また、実行管理タスクは、操作サブシステム200からの割り当てリソースに対する実際の操作命令を受け取ると、リソース管理タスクに当該リソースの使用を通知するとともに、IDC402aに対して当該操作命令を転送し、IDC402aからの操作実行結果(正常終了/異常終了)を操作サブシステム200に通知する。
【0038】リソース情報管理タスクは、SMS401aが管理すべきリソースの現在情報をリソース情報データベースとして常に最新の状態で保持している。リソース情報データベースは、例えば、ユーザ情報、リソース管理情報、素材情報、結線情報、オープン管理情報およびエラー情報の各テーブルを有する。ユーザ情報テーブルは、操作サブシステム200の各端末201〜205に割り当てられた識別情報、もしくは、各端末201〜205を操作する局員に割り当てられた識別情報を管理し、リソース管理情報テーブルは、リソースの現在状態を表す情報、例えば、リソース名、リソースタイプ、リソースグループ名、リソース状態、リソース通信状態、予約ユーザ名および予約優先度などの情報を管理する。また、素材情報テーブルはビデオサーバ403aに蓄積された素材データの情報を管理し、結線情報テーブルはリソースの接続情報を管理し、オープン管理情報テーブルはオープンされたリソース(使用中のリソース)の情報を管理し、エラー情報テーブルはエラーの発生したリソースの情報とそのエラー内容の情報を管理する。
【0039】リソース要求元(操作サブシステム200の端末の一つ)は、例えば、以下の書式のファイルオープン命令(OPEN命令)を発生することができる。
OPEN[SN][MD][RSC][PR][USR]
ここに、[SN]は命令番号であり、通常はSN=1である。幾つかの命令が連続する場合に各々SN=2、SN=3、・・・とする。[MD]はファイルのオープンモード指定である。再生モードの場合はMD=PLAYとし、記録モードの場合はMD=RECとする。[RSC]はリソース指定である。例えば、RSC=HDS_1.AV1とすると、図2の第1サーバ725のIOP707を指定する。RSCとリソース指定の関係は、リソース管理情報テーブルの登録内容(特にリソース名)に依存する。[PR]は優先度の指定である。PR=100にすると最低の優先度となり、0に近い値にするほど優先度が高くなる。[USR]はリソース要求元のユーザ情報を指定する。例えば、USR=USER_1とすると、USER_1という名前のユーザからのリソース割り当て要求となる。例えば、MD=PLAY、RSC=HDS_1.VA1、PR=100およびUSR=USER_1のOPEN命令を受け取った実行管理タスクは、これらの情報(MD=PLAY、RSC=HDS_1.VA1、PR=100およびUSR=USER_1)をリソース情報管理タスクに通知する。
【0040】リソース情報管理タスクは、ユーザ情報、リソース管理情報、素材情報、結線情報、オープン管理情報およびエラー情報の各テーブルを参照し、要求されたリソース割り当ての可否を判断する。例えば、(イ)ユーザ情報テーブルにUSER_1が登録されていない、(ロ)リソース情報管理テーブルのHDS_1.AV1のリソース状態が“使用可能”でない、(ハ)リソース情報管理テーブルのHDS_1.AV1のリソース通信状態が“接続”でない、(ニ)リソース情報管理テーブルのHDS_1.AV1の予約ユーザ名が“なし”以外であって、且つ、予約優先度にPR=100よりも小さな値が設定されている、の何れかの条件を満たした場合にリソース割り当てを拒否する一方、それ以外の場合にリソース割り当てを許可し、オープン管理テーブルに新たなエントリを作成する。上記(イ)〜(ニ)はいずれもリソース割り当ての調停条件であり、又、(ニ)は優先度の調停条件である。
【0041】リソース情報管理タスクは、リソース割り当ての許可または拒否結果を実行管理タスクに通知し、実行管理タスクは、その通知をリソース要求元(操作サブシステム200)に転送するが、リソース割り当てが許可された場合は、実行管理タスクからリソース要求元(操作サブシステム200)にストリームIDと呼ばれる情報(例えば、CSTAT SID=n;nは任意の整数)が転送される。ストリームIDは、リソース割り当てが許可されたオープン命令に対応するユニークな識別コードであり、リソース要求元(操作サブシステム200)は、このストリームIDを受け取ることによってビデオサーバ403aの準備完了状態(すなわち「スタンバイ状態」)を知ることができ、以降、このストリームIDを用いて、割り当てリソースに対する制御命令を逐次に発生することができる。例えば、再生を指示する場合は、リソース要求元(操作サブシステム200)で「PLAY SID=n」を発生する。ストリームIDを使用しない場合は、「PLAY REC=IOP_1 MD=PLAY PR=100」のように、リソース要求時と類似の情報を含む命令を発生しなければならならないが、ストリームIDを使用することによって命令を単純化できる。
【0042】<送出系サブシステム500の構成>次に、送出系サブシステム500は、送出部門に設置された上位制御システム(以下、便宜的に「送出制御システム」という)501を含むとともに、さらに、この送出制御システム501からの通知データ(スタンバイコマンドやスタンバイステータスデータ等)に従ってデータベースサブシステム300のテーブルデータを更新するA系の送出制御ゲートウェイ502aおよびB系の送出制御ゲートウェイ502bと、各系共通のマスタースイッチャー503などを含む。なお、送出制御システム501から各系のIDC402a、402bに対して送出プレイ制御情報(PLAYコマンド)が送信されるとともに、マスタースイッチャー503から各系のIDC402a、402bに対してオンエアタリー情報(OA−TALLYコマンド)が供給される。
【0043】<ビデオサーバ・システム1の全体動作>次に、本実施の形態のビデオサーバ・システム1の全体動作について、報道番組の素材収録を例にして説明する。報道番組の素材は、番組構成表に従って選択された、例えば、ライブラリ素材や中継車等からの映像素材(以下「中継素材」)などである。ライブラリ素材はカセットオートチェンジャー405によって事前に磁気テープに記録されたものであり、収録に先立ち、必要なライブラリ素材が収められたカセットテープがあらかじめ所定のVTRにセットされる。また、中継素材はマイクロウェーブや通信衛星などを介して局に伝えられ、事前に打ち合わせられた所定の回線を通してビデオサーバ・システム1に入力される。
【0044】例えば、図2の供給部715が所定のVTRに接続され、かつ、図2の供給部716が所定の回線に接続されていたとすると、上記のライブラリ素材または中継素材を大容量記憶サブシステム400に収録する際の動作は、まず、収録端末201(特許請求の範囲に記載の収録手段または制御手段に相当)を操作して大容量記憶サブシステム400に供給部715または供給部716を含むリソース要求を出力し、大容量記憶サブシステム400からのリソース確保通知(すなわち「スタンバイ状態」の通知)を受け取ると、収録端末201から大容量記憶サブシステム400に収録開始指示を出力して、供給部715または供給部716を介して第1サーバ部725のRAID部713や第2サーバ部726のRAID部714に、上記ライブラリ素材または中継素材を収録(記憶)させるという流れになる。
【0045】<GUI画面910のレイアウト>図3は、収録端末201のディスプレイ装置に表示されるGUI画面910のレイアウトを示す図である。収録作業担当の局員は、このGUI画面910を見ながら対話的に所要の作業を行う。GUI画面910のフォームレイアウトを説明すると、タイトルバー911に適当なタイトルメッセージ(図では“Filing Terminal”)が表示されるとともに、左端に適当にデザインされたイメージオブジェクト911a、右端にそのGUI画面910を閉じるためのボタン911b、最大化ボタン911cおよび最小化ボタン911dなどが表示されている。タイトルバー911の下にはメニューバー912とコマンドボタンコントロール群913が配置されている。図4(a)はメニューバー912およびコマンドボタンコントロール群913の拡大図である。メニューバー912には幾つかのメニュー(図では、“File”、“Edit”、“Operation”、“View”、“Window”および“Help”)が設定されており、任意のメニューをクリック(マウスの左ボタン操作;以下同様)すると、プルダウン式のサブメニューが表示されるようになっている。
【0046】図4(b)は“Edit”メニューをクリックしたときの状態を示す図であり、適当なメニュー行に“Periodic Filing”と表記されたサブメニュー912aが表示されている。ここで、“Periodic Filing”サブメニュー912aは本実施の形態にとって重要である。後述のForm_5(図14参照)をオープンするための特別なメニューだからである。なお、メニューバー912のアンダーライン付きのアルファベット文字はショートカットキーである。当該ショートカットキーとキーボード上の所定の機能キー(例えばAltキー)とを同時にクリックすることにより、当該メニューの機能をキーボード上から実行できる。
【0047】コマンドボタンコントロール群913は複数(図では5個)のコマンドボタンコントロール913a〜913eを備え、各コマンドボタンコントロール913a〜913eをクリックすると、そのタイトル文字(またはタイトルアイコン)で表された機能を有する所要のプロシージャを実行するようになっている。すなわち、左端のコマンドボタンコントロール913aをクリックすると、“Logout”(GUI画面910をクローズ)をするためのプロシージャを実行し、左から二番目のコマンドボタンコントロール913bをクリックすると、“Manual Filing”(手動による収録操作)をするためのプロシージャを実行し、左から三番目のコマンドボタンコントロール913cをクリックすると、“Material List”(素材一覧)を表示するためのプロシージャを実行し、左から四番目のコマンドボタンコントロール913dをクリックすると、選択中のデータを“Garbage Can”(ごみ箱)に捨てるためのプロシージャを実行し、右端のコマンドボタンコントロール913eをクリックすると、“Help”(メニューバー912の“Help”メニュー)を呼び出すためのプロシージャを実行する。
【0048】なお、“コントロール”とは、再利用可能なプログラムモジュールの一種であって、特に、Visualなプログラム開発ツールにあらかじめ付属する(または別売される)GUI画面設計用の様々な部品のことをいう。例えば、VBX(Visual Basic Extension)、OCX(OLEカスタムコントロール)、クラスライブラリ、リモートOLE、ActiveXコントロールなどが代表例である。GUI画面を設計する際に、用途に応じた適切なコントロールを選択し、そのコントロールを画面(Form)に貼り付けるだけで画面をレイアウトできるので、開発工数を大幅に短縮できる。
【0049】あらゆるコントロールは、プロパティ、メソッドまたはイベントと呼ばれるプログラミングインターフェース(のすべてまたは一部)を持つ。これらのプログラミングインターフェースはオブジェクト指向におけるスケルトン(骨格)に相当するものである。プロパティはそのコントロールの静的な属性、メソッドはそのコントロールの動作、イベントはそのコントロールの外的要因に対応する動作を規定する。例えば、一般的なコマンドボタンコントロールはプロパティとイベントの二つを持つので、Form上またはコード上でこれらのインターフェースに所望の値をセットすることにより、そのコマンドボタンコントロールの静的な属性と外的要因に対応する動作を任意にプログラミングできる。因みに、コマンドボタンコントロールの使用可能(Enabled)プロパティに“True”(真値;例えば−1)をセットすると、そのコマンドボタンコントロールを使用可能にして、クリックやダブルクリックを受け付けることができ、クリックイベントやダブルクリックイベントに登録した任意のプロシージャ(プログラム)を実行できる。あるいは、“False”(偽値;例えば0)をセットすると、そのコマンドボタンコントロールを使用不可(タイトル表示が薄くなる)にして、上記プロシージャの実行を禁止できる。
【0050】GUI画面910のクライアントエリア(Client Area)914は、フレーム枠915に囲まれた広い領域であり、タイトルバー911、メニューバー912、閉じるボタン911b、最大化ボタン911cおよび最小化ボタン911dなどと同様にWindowオブジェクト・インスタンスの一つの要素を構成する。クライアントエリア914には、図5に示すように、四つのフォーム(Form_0、Form_1、Form_2、Form_3)または三つのフォーム(Form_2、Form_3、Form_4)のいずれかが表示されるようになっている。これらのフォーム(Form_0〜Form_4)はGUI画面910を親Windowとする子Windowであり、ディフォルトの表示状態(GUI画面910をオープンした直後の表示状態)は、図5(a)である。
【0051】<Form_0のレイアウト>図6は、Form_0のレイアウトを示す図である。Form_0は、ビデオサーバ・システム1のルータ704の入力ポート(供給部715〜719)のうち、特に回線(以下「LINE」ということもある)に接続された入力ポートの状況を表示する。Form_0のタイトルバー921に適当なタイトルメッセージ(図では“Input Router Window”)が表示されるとともに、左端に適当にデザインされたイメージオブジェクト921a、右端にForm_0を閉じるためのボタン921b、最大化ボタン921cおよび最小化ボタン921dなどが表示されている。
【0052】Form_0のクライアントエリア922には、複数(図では便宜的に4×4=16個)の回線状況表示セル923(i)(iは1〜16)が配置されている。図7は、回線状況表示セル923(i)の拡大図であり、回線状況表示セル923(i)は、セル番号表示領域923aおよび回線状況表示領域923bならびに回線番号表示領域923cを有して構成されている。セル番号表示領域923aには一連番号が表示され、回線状況表示領域923bにはそのセルに関連付けられた回線番号の現在の状況を表す適当な文字列(図では“Accessing”;この文字列は回線アクセス中を示す)が表示され、回線番号表示領域923cには回線番号(LINE*;*は回線番号)が表示されている。なお、回線番号は、その回線の使用目的に応じた有意文字列に置き換えることができる。例えば、図3の例では、LINE1の代わりに“CAMERA1”、LINE2の代わりに“CAMERA2”、LINE3の代わりに“CAMERA3”、LINE4の代わりに“CAMERA4”、LINE5の代わりに“AIR1_1”、LINE6の代わりに“AIR1_2”、LINE7の代わりに“AIR2_1”、LINE8の代わりに“AIR2_2”を使用している。これらはそれぞれ、スタジオ等に設置されたテレビカメラや衛星回線等に固定的に割り当てられた回線を表している。任意の回線状況表示セル923(i)をオンフォーカスし、マウスをクリック(またはダブルクリック)することにより、その回線状況表示セル923(i)を選択状態とすることができる。
【0053】<Form_1のレイアウト>図8は、Form_1のレイアウトを示す図である。Form_1は、ビデオサーバ・システム1のルータ704の入力ポート(供給部715〜719)のうち、特にVTRに接続された入力ポートの状況を表示する。Form_1のタイトルバー931に適当なタイトルメッセージ(図では“VTR Window”)が表示されるとともに、左端に適当にデザインされたイメージオブジェクト931a、右端にForm_1を閉じるためのボタン931b、最大化ボタン931cおよび最小化ボタン931dなどが表示されている。
【0054】Form_1のクライアントエリア932には、複数(図では便宜的に4×1=4個)のVTR状況表示セル933(i)(iは1〜4)が配置されている。VTR状況表示セル933(i)は、その拡大レイアウトの図示は略すが、回線状況表示セル923(i)と同様に、セル番号表示領域933aおよびVTR状況表示領域933bならびにVTR番号表示領域923cを有して構成されている。セル番号表示領域933aには一連番号が表示され、VTR状況表示領域933bにはそのセルに関連付けられたVTRの現在の状況を表す文字列(例えば、“Accessing”)が表示され、VTR番号表示領域933cにはVTR番号(VTR*;*はVTRの番号)が表示されている。任意のVTR状況表示セル933(i)をオンフォーカスし、マウスをクリック(またはダブルクリック)することにより、そのVTR状況表示セル933(i)を選択状態とすることができる。
【0055】<Form_2のレイアウト>図9は、Form_2のレイアウトを示す図である。Form_2は、ビデオサーバ・システム1の大容量記憶サブシステム400の収録チャネル(IOP707〜709、710〜712)の状況を表示する。Form_2のタイトルバー941に適当なタイトルメッセージ(図では“Server Port Status Window”)が表示されるとともに、左端に適当にデザインされたイメージオブジェクト941a、右端にForm_2を閉じるためのボタン941b、最大化ボタン941cおよび最小化ボタン941dなどが表示されている。
【0056】Form_2のクライアントエリア942には、複数(図では便宜的に4×2=8個)のサーバ状況表示セル943(i)(iは1〜8)が配置されており、クライアントエリア942の上側には選択中のサーバ区分を示すアイコン944、サーバ区分選択用のリストボックスコントロール945、サーバボリューム(Volume)選択用の複数のコマンドボタンコントロール946a〜946dおよび全ボリューム選択用のコマンドボタンコントロール946eが設けられているとともに、クライアントエリア942の下側には、使用サーバ表示用のアイコン947、使用サーバの空き容量を視覚化して表示するプログレスバーコントロール948aおよび使用容量と空き容量を数値化して表示するテキストボックスコントロール948b、948cが設けられている。なお、Volumeとは図2の第1サーバ部725や第2サーバ部726を識別するための用語である。例えば、Volume1は第1サーバ部725を表し、Volume2は第2サーバ部726を表す。なお、図ではVolume1〜Volume4まであるが、これは最大で四つのサーバ部に対応可能なシステムであることを示している。
【0057】図10は、サーバ状況表示セル943(i)の拡大図であり、サーバ状況表示セル943(i)は、セル番号表示領域943a、送出予定時刻表示領域943b、タイムコード表示領域943c、スタンプ画表示領域943d、使用回線番号または使用VTR番号表示領域943e、素材ID表示領域943f、素材名称表示領域943gおよび現況文字列表示領域943hを有して構成されている。セル番号表示領域923aには一連番号が表示され、送出予定時刻表示領域943bには局時間をベースにした送出予定時刻(図では“23:45”、すなわち、23時45分)が表示され、タイムコード表示領域943cには収録済みのタイムコード(図では“00:08”、すなわち、8秒)が表示され、スタンプ画表示領域943dには当該素材のスタンプ画(一般に素材の先頭フレームの画像であるが、システム設定によって他のフレームの画像にも変更可能である)が表示され、使用回線番号または使用VTR番号表示領域943eには使用中の回線番号またはVTR番号(図では“VTR1”)が表示され、素材ID表示領域943fには当該素材のID(図では“970912004”)が表示され、素材名称表示領域943gには当該素材の名前(図では便宜的に“MaterialTitle”)が表示され、現況文字列表示領域943hにはそのセルに関連付けられた収録チャネルの現況を示す文字列(図では収録中を表す“Recording”;このほかにもスタンバイ中を表す“Standby”や準備中を表す“Preparing”などがある)が表示されている。任意のサーバ状況表示セル943(i)をオンフォーカスし、マウスを左クリック(またはダブルクリック)することにより、そのサーバ状況表示セル943(i)を選択状態とすることができる。また、スタンプ画表示領域943dの枠線が特異な表示状態(例えば、カラー状態またはブリンク状態)になっているサーバ状況表示セル943(i)は、以下の説明からも明らかになるが、その収録チャネルが、現在、Form_3の操作対象となっていることを表している。
【0058】<Form_3のレイアウト>図11は、Form_3のレイアウトを示す図である。Form_3は、収録操作を行うためのオペレーションウィンドウである。Form_3のタイトルバー951に適当なタイトルメッセージ(図では“Operation Window”)が表示されるとともに、左端に適当にデザインされたイメージオブジェクト951a、右端にForm_3を閉じるためのボタン951b、最大化ボタン951cおよび最小化ボタン951dなどが表示されている。
【0059】Form_3のクライアントエリア952には、動画オブジェクトコントロール953、RECコマンドボタンコントロール954、STOPコマンドボタンコントロール955、Indexコマンドボタンコントロール956、Stampコマンドボタンコントロール957、Extendコマンドボタンコントロール958、Cancelコマンドボタンコントロール959、Updateコマンドボタンコントロール960、Helpコマンドボタンコントロール961を備えるほか、Sorceテキストボックスコントロール962、IDテキストボックスコントロール963、Titleテキストボックスコントロール964、Contentsテキストボックスコントロール965、Categoryリストボックスコントロール966、Durationテキストボックスコントロール967を備え、さらに、タイムコードテキストボックスコントロール968、および、REC/STANDBYイメージコントロール969が配置されている。
【0060】各コントロールの機能を説明すると、動画オブジェクトコントロール953は、収録対象の放送素材を表示(動画状態で表示)するためのコントロールである。表示対象の放送素材はForm_2のサーバ状況表示セル943(i)のうち、枠線が特異な表示状態になっているスタンプ画表示領域943dに表示中のスタンプ画に対応する放送素材である。RECコマンドボタンコントロール954は、大容量記憶サブシステム400の収録開始を指示するためのコントロールである。STOPコマンドボタンコントロール955は、大容量記憶サブシステム400の収録動作の停止を指示する示するためのコントロールである。Indexコマンドボタンコントロール956は、収録中の放送素材にフレーム単位のマーク(グッドショットマーク)情報を付与するためのコントロールである。動画オブジェクトコントロール953に所望のフレームが表示されたときにIndexコマンドボタンコントロール956をクリックする。マーク情報はクリック時の表示フレーム番号と一緒にデータベースサブシステム300に登録され、このマーク情報を用いて当該フレーム番号の頭出し等を行うことができる。
【0061】Stampコマンドボタンコントロール957は、先頭フレーム以外のフレームをスタンプ画に指定するためのコントロールである。動画オブジェクトコントロール953に所望のフレームが表示されたときにStampコマンドボタンコントロール957をクリックする。これにより、データベースサブシステム300に登録されている当該放送素材のスタンプ画の指定フレームがディフォルト値からクリック時のフレーム番号に変更される。Extendコマンドボタンコントロール958は、収録長を延長するためのコントロールである。このコントロールをクリックすると、タイムコードテキストボックスコントロール968の値が所定値(例えば、1分)だけ延長される。Cancelコマンドボタンコントロール959は、収録動作を中止するためのコントロールである。Updateコマンドボタンコントロール960は、データベースサブシステム300に登録されている当該放送素材の属性情報を更新するためのコントロールである。更新対象の属性情報は、Form_3の各コントロールにセットされた情報であり、例えば、Title、Contents、CategoryおよびDurationなどである。
【0062】Helpコマンドボタンコントロール961は、収録作業の仕方や説明等を記載したヘルプメッセージウィンドウを表示するためのコントロールである。Sorceテキストボックスコントロール962は、収録対象の放送素材を入力する回線番号またはVTR番号を表示するためのコントロールである。図では“VTR1”と表示されており、Form_1の左端のVTR状況表示セル933(1)に関連付けられた“VTR1”にセットされている放送素材が、現在、収録対象となっていることを示している。IDテキストボックスコントロール963は、収録対象の放送素材のID情報(放送素材毎に付与される固有の情報)を表示するためのコントロールである。このコントロールは表示のみであり、値の変更はできない。Titleテキストボックスコントロール964は、収録対象の放送素材の名前を表示するためのコントロールである。このコントロールは値の変更が可能である。Contentsテキストボックスコントロール965は、収録対象の放送素材の簡単な説明書きを表示するためのコントロール(スクロール付きのテキストボックスコントロール)である。このコントロールは値の変更が可能である。
【0063】Categoryリストボックスコントロール966は、収録対象の放送素材のカテゴリ情報(用途等に応じて分類するための適当な情報)を選択するためのコントロールである。カテゴリ情報はあらかじめシステム値で設定(便宜的に“CATEGORY1”、“CATEGORY2”、“CATEGORY3”、“CATEGORY4”とする)されており、リスト中から適当なカテゴリ情報を選択するようになっている。Durationテキストボックスコントロール967は、収録対象の放送素材の素材長を表示するためのコントロールである。このコントロールは値の変更が可能である。また、このDurationテキストボックスコントロール967には、あらかじめ設定された初期値がセットされるようになっている。タイムコードテキストボックスコントロール968は、収録中のタイムコードを表示するためのコントロールである。REC/STANDBYイメージコントロール969は、大容量記憶サブシステム400の現在の状態を表示するためのコントロールである。収録中では「REC」が目立つ色(例えば、赤色)になり、収録準備完了状態では「STANDBY」が目立つ色(例えば、緑色)になり、どちらでもない状態(準備中)のときは「REC」および「STANDBY」が共に目立たない色(例えば、モノクロ)になる。なお、色による識別の代わりにブリンク(点滅)などを行ってもよい。
【0064】<Form_4のレイアウト>図12は、Form_4のレイアウトを示す図である。Form_4は、放送素材の一覧(Material List)を表示するためのウィンドウである。Form_4のタイトルバー971に適当なタイトルメッセージ(図では“Material List”)が表示されるとともに、左端に適当にデザインされたイメージオブジェクト971a、右端にForm_3を閉じるためのボタン971b、最大化ボタン971cおよび最小化ボタン971dなどが表示されている。
【0065】Form_4のクライアントエリア972には、一覧表示の対象となるサーバ区分(デイリーサーバまたはオンエアサーバ等)を選択(図ではデイリーサーバ1を示すDS1が選択されている)するためのリストボックスコントロール973、選択中のサーバー区分を視覚化して表示するためのアイコン(またはイメージコントロール)974、一覧表示の対象を絞り込むためのカテゴリコマンドボタンコントロール群975およびデータシートコントロール976が配置されている。
【0066】カテゴリコマンドボタンコントロール群975は、すべてのカテゴリを指定するためのUNCATEGORYコマンドボタンコントロール975a、CATEGORY1指定するためのCATEGORY1コマンドボタンコントロール975b、CATEGORY2指定するためのCATEGORY2コマンドボタンコントロール975c、CATEGORY3指定するためのCATEGORY3コマンドボタンコントロール975d、CATEGORY4を指定するためのCATEGORY4コマンドボタンコントロール975eを含む。これらのカテゴリ分類(CATEGORY1〜CATEGORY4)は、Form3のCategoryリストコントロールボックス966のリストデータと対応する。なお、CATEGORY1〜CATEGORY4の文字列は便宜例である。実際には素材のカテゴリ分類を表す分かりやすい文字列が設定される。
【0067】図13は、データシートコントロール976のレイアウト図である。データシートコントロール976は、複数のフィールド、例えば、Clipフィールド796a、IDフィールド976b、Verフィールド976c、Titleフィールド976d、Durationフィールド976e、Statusフィールド976fおよびDELフィールド976gからなる。Clipフィールド796aには放送素材のスタンプ画(図示略)が表示され、IDフィールド976bには放送素材のID情報(図では便宜的に9桁の数値)が表示され、Verフィールド976cには放送素材のバージョン情報(図では便宜的に“0”)が表示され、Titleフィールド976dには放送素材の名前(図では便宜的に“Sample1”、“Sample2”、・・・・)が表示され、Durationフィールド976eには放送素材の素材長(図では便宜的に“00:00:00:00”)が表示され、Statusフィールド976fには放送素材の状況を示す文字列(収録済/未収録など)が表示され、DELフィールド976gには放送素材のエディット情報(エディットデシジョンリストを有するか否かの情報;NOは有さない)が表示される。
【0068】データシートコントロール976の表示情報は、カテゴリコマンドボタンコントロール群975のボタン操作によって変化する。すなわち、UNCATEGORYコマンドボタンコントロール975aを選択すると、全カテゴリの素材情報が表示され、または、CATEGORY1〜CATEGORY4のコマンドボタンコントロール975b〜975eのいずれかを選択すると、そのカテゴリに属する素材情報だけが表示される。データシートコントロール976の任意の行をマウスでポイントしてクリックすることにより、その行を選択状態にすることができる。
【0069】次に、本発明の課題達成に必要な三つのフォーム(Form_5〜Form_7)について説明する。なお、これら三つのフォームは、いずれもポップアップ(PopUp)プロパティと作業ウィンドウ固定(Modal)プロパティにTrueがセットされており、そのフォームをオープン中、他のフォームにフォーカスを移動できないようになっている。
<Form_5のレイアウト>図14は、Form_5のレイアウトを示す図である。このフォームはデータベースサブシステム300のPDTに収められた「定期収録テンプレートデータ」(詳細は後述)を一覧表示し、かつ、同データの新規作成または更新もしくは削除を行うためのものである。Form_5は、タイトルバー981に適当なタイトルメッセージ(図では“Periodic Filing List”)を表示するとともに、右端に閉じるボタン981a(但し、使用不可)を表示し、さらに、クライアントエリア982に“New”、“Open”、“Copy”、“Delete”、“Close”および“Help”と命名された六つのコマンドボタンコントロール983〜988とデータシートコントロール989を配置して構成されている。
【0070】“New”コマンドボタンコントロール983のクリックイベントには後述のForm_6を「新規登録モード」でオープンするためのプロシージャが設定されている。“Open”コマンドボタンコントロール984のクリックイベントには後述のForm_6を「更新登録モード」でオープンするためのプロシージャが設定されている。“Copy”コマンドボタンコントロール985のクリックイベントには後述のForm_6を「新規登録(コピー)モード」でオープンするためのプロシージャが設定されている。“Delete”コマンドボタンコントロール986のクリックイベントにはデータシートコントロール989の選択行のデータを削除するためのプロシージャが設定されている。“Close”コマンドボタンコントロール987のクリックイベントにはForm_5をクローズするためのプロシージャが設定されている。“Help”コマンドボタンコントロール988のクリックイベントにはForm_5の操作に関するヘルプドキュメントを表示するためのプロシージャが設定されている。
【0071】図15は、データシートコントロール989の構造を示す図であり、データシートコントロール989は、データベースサブシステム300のPDTに収められた「定期収録テンプレートデータ」を一覧表示するための、“Unit”、“Start Date”、“End Date”、“Filing StartTime”、“Filing End Time”、“Duration”、“Input Source”、“Title”と命名された八つのフィールドを有している。
【0072】“Unit”フィールド989aは定期収録の間隔種別(WeeklyやDailyなど)を表す文字列を表示する。“Start Date”フィールド989bは定期収録の開始日を表示する。“End Date”フィールド989cは定期収録の終了日(未指定の場合は空白)を表示する。“Filing Start Time”フィールド989dは収録開始時刻を表示する。“Filing End Time”フィールド989eは収録終了時刻を表示する。“Duration”フィールド989fは収録長を表示する。“Input Source”フィールド989gは収録元を表示する。“Title”フィールド989hは定期収録素材の名称を表示する。例えば、図示の2行目の表示情報は、1999年2月19日から1999年3月31までの毎日、午前9時0分から同1分までの間に、回線番号7(LINE7)のAIR2_1(図6参照)を収録元として供給される△△□□という素材を定期収録することを表している。なお、データシートコントロール989の任意行をダブルクリックすると、“Open”コマンドボタンコントロール984に登録されたクリックイベントプロシージャを実行するようになっている。
【0073】<Form_6のレイアウト(Unit=Dayの場合)>図16は、Form_6(特許請求の範囲に記載のユーザインターフェースまたは第1ユーザインターフェースに相当)のレイアウトを示す図であり、このフォームはデータベースサブシステム300のPDTに収められた「定期収録テンプレートデータ」のレコード詳細を表示する。Form_6は、タイトルバー991に適当なタイトルメッセージ(図では“Periodic Filing”)を表示するとともに、右端に閉じるボタン991a(但し、使用不可)を表示し、さらに、クライアントエリア992に、以下の様々なコントロールを配置している。
【0074】[Unitオプショングループコントロール993]定期収録の間隔種別を指定する。指定できる間隔種別は、毎日(Day)、毎週(Week)または毎月(Month)のいずれかである。三つのオプションボタンコントロール(Dayオプションボタンコントロール993a、Weekオプションボタンコントロール993b、Monthオプションボタンコントロール993c)を含む。Unitオプショングループコントロール993は、各オプションボタンコントロールの択一的選択に応じたオプション値を持つ。今、Dayオプションボタンコントロール993aのValueプロパティの値を「1」、Weekオプションボタンコントロール993bのValueプロパティの値を「2」、Monthオプションボタンコントロール993cのValueプロパティの値を「3」とすると、Dayオプションボタンコントロール993aが選択されている時のUnitオプショングループコントロール993のオプション値(以下、単にオプション値という)は「1」、Weekオプションボタンコントロール993bが選択されている時のオプション値は「2」、Monthオプションボタンコントロール993cが選択されている時のオプション値は「3」となる。オプション値はコード等からの外部設定も可能であり、オプション値に「1」をセットするとDayオプションボタンコントロール993aが選択状態となり、オプション値に「2」をセットするとWeekオプションボタンコントロール993bが選択状態となり、オプション値に「3」をセットするとMonthオプションボタンコントロール993cが選択状態となる。なお、Form_6をオープンした直後のオプション値は「2」である。すなわち、Form_6のオープン直後はWeekオプションボタンコントロール993bが選択状態になっている。
【0075】[Everyテキストボックスコントロール994]定期収録間隔の値(日数、週数または月数)を表示する。値の単位(日、週または月)はUnitオプショングループコントロール993のオプション値に応じて変化する。図示の“Day Unit”および“Days”の文字列は、Unitオプショングループコントロール993のオプション値が「1」(すなわち「毎日」)のときのものである。因みに、Unitオプショングループコントロール993のオプション値が「2」(すなわち「毎週」)のとき、この“Day Unit”および“Days”の文字列は“Week Unit”および“Weeks”となる(図17の参照;後述)。コントロール右端の上下の矢印はスピンボタンである。キーボードからの値入力のほか、このスピンボタンをクリックすることによって値のアップダウンが可能である。
【0076】[Start Dateリストボックスコントロール995]定期収録の開始日を表示する。右端の矢印をクリックしてカレンダをリスト表示し、その中から日付を選択して入力することができる。初期値は現在日である。
[End Dateチェックボックスコントロール996]定期収録の終了日を入力する場合、ここにチェックを入れる。End Dateリストボックスコントロール997が使用可能(Enableプロパティ=False)になる。
[End Dateリストボックスコントロール997]定期収録の終了日を表示する。右端の矢印をクリックしてカレンダをリスト表示し、その中から日付を選択して入力することができる。End Dateチェックボックスコントロール996にチェックが入っていない場合、このコントロールは使用不可(Enableプロパティ=False)になっている。
[Filing Start Timeテキストボックスコントロール998定期収録の開始時刻を表示する。コントロール右端の上下の矢印はスピンボタンである。キーボードからの値入力のほか、このスピンボタンをクリックすることによって値のアップダウンが可能である。
【0077】[Filing End Timeテキストボックスコントロール999]定期収録の終了時刻を表示する。コントロール右端の上下の矢印はスピンボタンである。キーボードからの値入力のほか、このスピンボタンをクリックすることによって値のアップダウンが可能である。終了時刻は、Filing Start Timeテキストボックスコントロール998とFiling Durationテキストボックスコントロール1000に値が入力されている場合、これら二つの値から自動的に計算される。
[Filing Durationテキストボックスコントロール1000]定期収録素材の収録長(素材長ともいう)を表示する。コントロール右端の上下の矢印はスピンボタンである。キーボードからの値入力のほか、このスピンボタンをクリックすることによって値のアップダウンが可能である。収録長は、Filing Start Timeテキストボックスコントロール998とFiling End Timeテキストボックスコントロール999に値が入力されている場合、これら二つの値から自動的に計算される。
【0078】[STCオプショングループコントロール1001]定期収録時の基準STC(送出時のCue Up点を示す先頭タイムコード)を指定する。指定できる基準STCはプリセット値(00:00:00:00;書式はhh:mm:ss:ff)、外部TC、VTR TCのいずれかである。三つのオプションボタンコントロール(Presetオプションボタンコントロール1001a、External TCオプションボタンコントロール1001b、VTR TCオプションボタンコントロール1001c)を含む。STCオプショングループコントロール1001は、各オプションボタンコントロールの択一的選択に応じたオプション値を持つ。今、Presetオプションボタンコントロール1001aのValueプロパティの値を「1」、External TCオプションボタンコントロール1001bのValueプロパティの値を「2」、VTR TCオプションボタンコントロール1001cのValueプロパティの値を「3」とすると、Presetオプションボタンコントロール1001aが選択されている時のSTCオプショングループコントロール1001のオプション値(以下、単にオプション値という)は「1」、External TCオプションボタンコントロール1001bが選択されている時のオプション値は「2」、VTR TCオプションボタンコントロール1001cが選択されている時のオプション値は「3」となる。オプション値はコード等からの外部設定も可能であり、オプション値に「1」をセットするとPresetオプションボタンコントロール1001aが選択状態となり、オプション値に「2」をセットするとExternal TCオプションボタンコントロール1001bが選択状態となり、オプション値に「3」をセットするとVTR TCオプションボタンコントロール1001cが選択状態となる。なお、Form_6をオープンした直後のオプション値は「1」である。すなわち、Form_6のオープン直後はPresetオプションボタンコントロール1001aが選択状態になっている。
【0079】[Auto/Manualオプショングループコントロール1002]定期収録ファイリングデータの実行モードを指定する。指定できるモードは自動(Auto)と手動(Manual)のいずれかである。二つのオプションボタンコントロール(Autoオプションボタンコントロール1002a、Manualオプションボタンコントロール1002b)を含む。Auto/Manualオプショングループコントロール1002は、各オプションボタンコントロールの択一的選択に応じたオプション値を持つ。今、Autoオプションボタンコントロール1002aのValueプロパティの値を「1」、Manualオプションボタンコントロール1002bのValueプロパティの値を「2」とすると、Autoオプションボタンコントロール1002aが選択されている時のAuto/Manualオプショングループコントロール1002のオプション値(以下、単にオプション値という)は「1」、Manualオプションボタンコントロール1002bが選択されている時のオプション値は「2」となる。オプション値はコード等からの外部設定も可能であり、オプション値に「1」をセットするとAutoオプションボタンコントロール1002aが選択状態となり、オプション値に「2」をセットするとManualオプションボタンコントロール1002bが選択状態となる。なお、Form_6をオープンした直後のオプション値は「1」である。すなわち、Form_6のオープン直後はAutoオプションボタンコントロール1002aが選択状態になっている。
【0080】[Categoryリストボックスコントロール1003]定期収録の対象素材のカテゴリ情報を指定する。コントロール右側の矢印をクリックしてリストを表示し、その中から選択する。リスト中のカテゴリ名は、Form_4(図12参照)のカテゴリコマンドボタンコントロール群975を構成する各コマンドボタンコントロール975b〜975eのタイトル文字(但し、“UNCATEGORY”を除く)に対応する。
[Input Sourceリストボックスコントロール1004]定期収録の収録元を指定する。収録元とは図2の供給部715〜719のいずれか(※)である。指定の仕方はコントロール右端の矢印をクリックして収録元を表す文字列(図7の回線状況表示セル923(i)の回線番号表示領域923cの文字列)をリスト表示し、その中から選択する。※VTRに割り当てられた供給部を除く。これは、定期収録の素材供給は専ら回線を介して行われるという前提があるからである。
[Server No.リストボックスコントロール1005]定期収録の収録先を指定する。収録先とは図2のIOP707〜709、710〜712のいずれかである。指定の仕方はコントロール右端の矢印をクリックして収録先を表す文字列(図10のサーバ状況表示セル943(i)のセル番号表示領域943aの文字列)をリスト表示し、その中から選択する。
【0081】[Material Titleテキストボックスコントロール1006]定期収録の素材の名称を指定する。
[Next Dateテキストボックスコントロール1007]定期収録の次回予定日を表示する。Start Dateリストボックスコントロール995の日付が現在日よりも未来の場合、定期収録の次回予定日はStart Dateリストボックスコントロール995の日付になる。
[OKコマンドボタンコントロール1008]表示中のForm_6の情報をデータベースサブシステム300に登録する。但し、Form_6が「新規登録モード」または「新規登録(コピー)モード」でオープンされている場合はデータベースサブシステム300に新規レコードを追加してそのレコードに登録し、Form_6が「更新登録モード」でオープンされている場合はデータベースサブシステム300のカレントレコード(作業中のレコード)に登録する。
[Closeコマンドボタンコントロール1009]Form_6をクローズする。但し、Form_6の情報が変更されていた場合、データ更新問い合わせ用ダイアログ1041(図19(a)参照)を表示して確認する。データ更新問い合わせ用ダイアログ1041のYESボタン1041aをクリックすると、表示中のForm_6の情報をデータベースサブシステム300に更新登録した後、Form_6をクローズし、NOボタン1041bをクリックすると、更新登録を行わずにForm_6をクローズする。
[Helpコマンドボタンコントロール1010]定期収録操作に関するヘルプドキュメントを表示する。
【0082】<Form_6のレイアウト(Unit=Weekの場合)>図17は、Form_6の要部変形レイアウトであり、Unitオプショングループコントロール993のWeekオプションボタンコントロール993bを選択したときの変形レイアウトを示している。図16のレイアウトと対比すると、Day Unitの文字がWeek Unitに変わっている点、Everyテキストボックスコントロール994の右側の文字列がDaysからWeeksに代わっている点、曜日選択用のチェックボックスコントロール、すなわち、Mondayチェックボックスコントロール994a、Tuesdayチェックボックスコントロール994b、Wednesdayチェックボックスコントロール994c、Thursdayチェックボックスコントロール994d、Fridayチェックボックスコントロール994e、Saturdayチェックボックスコントロール994f、Sundayチェックボックスコントロール994gが表示されている点で相違する。Everyテキストボックスコントロール994に設定された値は週数(例えば、1を設定すると毎週)を表し、曜日選択用のチェックボックスコントロール994a〜994gは当該設定週の何曜日に定期収録を実行するかを表す。
【0083】<Form_7のレイアウト>図18は、Form_7(特許請求の範囲に記載の第2ユーザインターフェースに相当)のレイアウトを示す図である。このフォームはデータベースサブシステム300のPDTに収められた「定期収録テンプレートデータ」を元にして作成された「定期収録予定データ」(詳細は後述)のレコード詳細を表示する。Form_7は、タイトルバー1021に適当なタイトルメッセージ(図では“Filing Data”)を表示するとともに、右端に閉じるボタン1021a(但し、使用不可)を表示し、さらに、クライアントエリア1022に、以下の様々なコントロールを配置している。
【0084】[Material IDテキストボックスコントロール1023]定期収録する素材のIDを表示する。IDはシステムによって与えられるユニークな値である。フォーム上での変更は不可(表示のみ)である。
[Material Titleテキストボックスコントロール1024]定期収録する素材の名称を表示する(変更可)。初期値はForm_6のMaterial Titleテキストボックスコントロール1006で設定された文字列である。
[Contentsテキストボックスコントロール1025]定期収録する素材の内容等を表す適当なメッセージを表示する(変更可)。
[Categoryリストボックスコントロール1026]定期収録する素材のカテゴリ情報を表示する(変更可)。初期値はForm_6のCategoryリストボックスコントロール1003で設定されたカテゴリ名である。
【0085】[Filing Dateリストボックスコントロール1027]定期収録の予定日を表示する(変更可)。初期値はForm_6のNextDateテキストボックスコントロール1007に表示された日付である。
[Start Timeテキストボックスコントロール1028]定期収録の開始予定時刻を表示する(変更可)。初期値はForm_6のFiling Start Timeテキストボックスコントロール998に表示された時刻である。
[End Timeテキストボックスコントロール1029]定期収録の終了予定時刻を表示する(変更可)。初期値はForm_6のFiling End Timeテキストボックスコントロール999に表示された時刻である。
[Durationテキストボックスコントロール1030]定期収録素材の素材長を表示する(変更可)。初期値はForm_6のFiling Durationテキストボックスコントロール1000に表示された値である。
[STCオプショングループコントロール1031]定期収録素材の基準STCを表示する(変更可)。初期値はForm_6のSTCオプショングループコントロール1001のオプション値である。例えば、オプション値が「1」であれば、Presetオプションボタンコントロール1031aが選択状態となり、「2」であればExt TCオプションボタンコントロール1031bが選択状態となり、「3」であればVTR TCオプションボタンコントロール1031cが選択状態となる。
【0086】[Auto/Manualオプショングループコントロール1032]定期収録素材の収録動作モードを表示する(変更可)。初期値はForm_6のAuto/Manualオプショングループコントロール1002のオプション値である。例えば、オプション値が「1」であれば、Autoオプションボタンコントロール1032aが選択状態となり、「2」であればManualオプションボタンコントロール1032bが選択状態となる。
[Input Sourceリストボックスコントロール1033]定期収録素材の収録元を表示する(変更可)。初期値はForm_6のInput Sourceリストボックスコントロール1004に表示された文字列である。
[Server No.リストボックスコントロール1034]定期収録素材の収録先を表示する(変更可)。初期値はForm_6のServer No.リストボックスコントロール1005に表示された文字列である。
[OKコマンドボタンコントロール1035]Form_7の情報をデータベースサブシステム300に登録した後、Form_7をクローズする。
[Closeコマンドボタンコントロール1036]Form_7をクローズする。但し、Form_7の情報が変更されている場合はデータ変更問い合わせ用のダイアログ1041(図19(a)参照)を表示して確認する。データ更新問い合わせ用ダイアログ1041のYESボタン1041aをクリックすると、表示中のForm_7の情報をデータベースサブシステム300に更新登録した後、Form_7をクローズし、NOボタン1041bをクリックすると、更新登録を行わずにForm_7をクローズする。
[Helpコマンドボタンコントロール1037]定期収録操作に関するヘルプドキュメントを表示する。
【0087】<定期収録テンプレートデータと定期収録予定データの関係>図20は、「定期収録テンプレートデータ」と「定期収録予定データ」の関係を示す概念図である。「定期収録テンプレートデータ」を新規作成し、そのデータをデータベースサブシステム300のPDTに登録する。そして、データを変更する場合は変更対象の「定期収録テンプレートデータ」をPDTから読み出して適宜の項目を変更し、データベースサブシステム300のPDTに登録して更新する。「定期収録予定テーブル」の新規作成は、後述の「定期収録予定データ作成タスク」によって自動的に行われる(実行場所は、例えば、収録端末201)。同タスクによって自動生成された「定期収録予定テーブル」は、データベースサブシステム300のFDTに登録され、そして、データを変更する場合は変更対象の「定期収録予定テーブル」をFDTから読み出して適宜の項目を変更し、データベースサブシステム300のFDTに登録して更新する。なお、「定期収録予定テーブル」の更新操作は手動で行われる。データベースサブシステム300のFDTに登録された「定期収録予定テーブル」は、Form_4のデータシートコントロール976に未収録(Statusフィールド976f=“未収録”)の素材情報として表示され、自動収録の対象となる。
【0088】<PDTの構造>図21は、データベースサブシステム300のPDT(定期収録テンプレートデータ・テーブル)の構造図である。PDTは、以下のフィールドを備える。
[Key Codeフィールド1051a]レコード識別用のユニークな情報(システムによって自動付与される情報)を格納する。
[Unitフィールド1051b]定期収録の間隔(Day、Week、Month)を表す情報、すなわち、Form_6のUnitオプショングループコントロール993のオプション値を格納する。
[Everyフィールド1051c]定期収録間隔の値(日数、週数または月数)を格納する。値の単位(日、週または月)はUnitフィールド1051bに格納されている値によって決まる。
[Mondayフィールド1051d]定期収録の間隔が「毎週」で、かつ、月曜が指定されている場合にTrueを格納する。
[Tuesdayフィールド1051e]定期収録の間隔が「毎週」で、かつ、火曜が指定されている場合にTrueを格納する。
[Wednesdayフィールド1051f]定期収録の間隔が「毎週」で、かつ、水曜が指定されている場合にTrueを格納する。
【0089】[Thursdayフィールド1051g]定期収録の間隔が「毎週」で、かつ、木曜が指定されている場合にTrueを格納する。
[Fridayフィールド1051h]定期収録の間隔が「毎週」で、かつ、金曜が指定されている場合にTrueを格納する。
[Saturdayフィールド1051i]定期収録の間隔が「毎週」で、かつ、土曜が指定されている場合にTrueを格納する。
[Sundayフィールド1051j]定期収録の間隔が「毎週」で、かつ、日曜が指定されている場合にTrueを格納する。
[Period Start Dateフィールド1051k]定期収録の開始日を格納する。
[Period End Dateフィールド1051m]定期収録の終了日を格納する。
[Filing Start Timeフィールド1051n]定期収録の開始時刻を格納する。
【0090】[Filing End Timeフィールド1051p]定期収録の終了時刻を格納する。
[Filing Durationフィールド1051q]定期収録素材の収録長を格納する。
[STCフィールド1051r]定期収録時の基準のSTCの情報、すなわち、Form_6のSTCオプショングループコントロール1001のオプション値を格納する。
[Auto/Manualフィールド1051s]定期収録ファイリングデータの実行モード情報、すなわち、Form_6のAuto/Manualオプショングループコントロール1002のオプション値を格納する。
[Categoryフィールド1051t]定期収録の対象素材のカテゴリ情報を格納する。
[Input Sourceフィールド1051u]定期収録の収録元を格納する。
[Server No.フィールド1051v]定期収録の収録先を格納する。
[Material Titleフィールド1051w]定期収録の素材の名称を格納する[Next Dateフィールド1051x]定期収録の次回予定日を格納する。
【0091】<FDTの構造>図22は、データベースサブシステム300のFDT(定期収録予定データ・テーブル)の構造図である。FDTは、以下のフィールドを備える。
[Key Codeフィールド1052a]レコード識別用のユニークな情報(システムによって自動付与される情報)を格納する。
[Material IDフィールド1052b]定期収録する素材のIDを格納する。IDはシステムによって与えられるユニークな値である。
[Material Titleフィールド1052c]定期収録する素材の名称を格納する。
[Contentsフィールド1052d]定期収録する素材の内容等を表す適当なメッセージを格納する。
[Categoryフィールド1052e]定期収録する素材のカテゴリ情報を格納する。
[Filing Dateフィールド1052f]定期収録の予定日を格納する。
[Start Timeフィールド1052g]定期収録の開始予定時刻を格納する。
【0092】[End Timeフィールド1052h]定期収録の終了予定時刻を格納する。
[Durationフィールド1052i]定期収録素材の素材長を格納する。
[STCフィールド1052j]定期収録素材のSTCを格納する。
[Auto/Manualフィールド1052k]定期収録素材の収録動作モードを格納する。
[Input Sourceフィールド1052m]定期収録素材の収録元を格納する。
[Server No.フィールド1052n]定期収録素材の収録先を格納する。
【0093】<定期収録テンプレートデータの新規登録と更新>図23および図24は、定期収録テンプレートデータの新規登録と更新作業の手順を示す流れ図である。この手順は収録端末201において実行される。図において、まず、収録端末201のディスプレイ装置にGUI画面910(図3参照)を表示し、GUI画面910の“Material List”コマンドボタンコントロール913cをクリックする(ステップS1)。これにより、Form_0(図6参照)とForm_1(図8参照)がクローズし(ステップS2)、Form_4(図12参照)がオープンする(ステップS3)。なお、ステップ2とステップ3の動作はMaterial List”コマンドボタンコントロール913cのクリックイベントプロシージャによって実行される。
【0094】次に、GUI画面910のメニューバー912の“Edit”から“Periodic Filing”サブメニュー912a(図4(b)参照)を選択し(ステップS4)、Form_5(図14参照)をオープンする(ステップS5)。なお、ステップS5の動作は“Periodic Filing”サブメニュー912aに登録されたプロシージャによって実行される。
【0095】次に、「定期収録テンプレートデータ」を新規に作成するか、または、登録済みのデータを更新するかに応じた操作を行う(ステップS6)。新規に作成する場合は“New”コマンドボタンコントロール983をクリックする(ステップS7)。または、データシートコントロール989の行を選択した後で“Copy”コマンドボタンコントロール985をクリックする(ステップS9、ステップS10)。
【0096】“New”コマンドボタンコントロール983をクリックした場合はForm_6(図16参照)が「新規登録モード」でオープンし(ステップS8)、“Copy”コマンドボタンコントロール985をクリックした場合はForm_6が「新規登録(コピー)モード」でオープンする(ステップS11)。また、更新する場合はデータシートコントロール989の行を選択した後で“Open”コマンドボタンコントロール984をクリックする(ステップS12、ステップS13)か、または、データシートコントロール989の行をダブルクリックする。いずれの場合もForm_6が「更新登録モード」でオープンする(ステップS14)。
【0097】Form_6がオープンするとき、そのオープンモードに応じて以下の処理が行われる。すなわち、「更新登録モード」または「新規登録(コピー)モード」であるか否かを判定し(ステップS15)、「更新登録モード」または「新規登録(コピー)モード」であれば、データベースサブシステム300のPDTをオープンし、データシートコントロール989の選択行によって指定された「定期収録テンプレートデータ」を抽出して、その「定期収録テンプレートデータ」の情報をForm_6の各コントロールにセットする(ステップS16)。
【0098】次に、Form_6の各コントロールの値を適宜に変更(ステップS17)した後、作業終了であれば(ステップS18のYES判定)、データ登録を行うか否かを判断し(ステップS19)、データ登録を行うのであれば“OK”コマンドボタンコントロール1008をクリックし(ステップS20)、データ登録を行わないのであれば“Close”コマンドボタンコントロール1009をクリックする(ステップS24)。
【0099】“OK”コマンドボタンコントロール1008をクリックした場合は、まず、Form_6が「新規登録モード」または「新規登録(コピー)モード」でオープンされたか否かを判定し、「新規登録モード」または「新規登録(コピー)モード」でオープンされていない場合、すなわち、「更新登録モード」でオープンされていた場合はデータベースサブシステム300のPDTのカレントレコードにForm_6の各コントロールのデータを登録(ステップS23)した後、Form_6をクローズする(ステップS26)。また、「新規登録モード」または「新規登録(コピー)モード」でオープンされていた場合はデータベースサブシステム300のPDTに新しいレコードを追加し、その追加レコードにForm_6の各コントロールのデータを登録(ステップS22)した後、Form_6をクローズする(ステップS26)。
【0100】一方、“Close”コマンドボタンコントロール1009をクリックした場合は、そのままForm_6をクローズする(ステップS26)。但し、Form_6のデータが更新されていた場合は、データ更新問い合わせ用ダイアログ1041(図19(a)参照)を表示(ステップS25)してからForm_6をクローズする。
【0101】かかる定期収録テンプレートデータ登録/更新手順によれば、Form_5をオープンし、そのForm_5の“New”コマンドボタンコントロール983をクリックしてForm_6をオープンすることができる。そして、Form_6の各コントロールに所要の値をセットした後、Form_6の“OK”コマンドボタンコントロール1008をクリックすることにより、データベースサブシステム300のPDTにForm_6の各コントロールの値を登録して新規の「定期収録テンプレートデータ」を作成することができる(「定期収録テンプレートデータ」の新規登録)。
【0102】また、Form_5のデータシートコントロール989の行を選択してから“Open”コマンドボタンコントロール984をクリックすることにより(またはデータシートコントロール989の選択行をダブルクリックすることにより)、データベースサブシステム300のPDTに登録された「定期収録テンプレートデータ」のうちデータシートコントロール989の選択行で指定された特定の「定期収録テンプレートデータ」の情報をForm_6の各コントロールにセットすることができ、任意のコントロールの値を変更した後、“OK”コマンドボタンコントロール1008をクリックすることにより、データベースサブシステム300のPDTに登録された上記特定の「定期収録テンプレートデータ」をForm_6の各コントロールの値で更新することができる(「定期収録テンプレートデータ」の更新)。
【0103】また、Form_5のデータシートコントロール989の行を選択してから“Copy”コマンドボタンコントロール985をクリックすることにより、データベースサブシステム300のPDTに登録された「定期収録テンプレートデータ」のうちデータシートコントロール989の選択行で指定された特定の「定期収録テンプレートデータ」の情報をForm_6の各コントロールにコピーしてセットすることができ、任意のコントロールの値を変更した後、“OK”コマンドボタンコントロール1008をクリックすることにより、データベースサブシステム300のPDTにForm_6の各コントロールの値を登録して新規の「定期収録テンプレート」を作成することができる(「定期収録テンプレートデータ」の新規登録)。特に、この“Copy”コマンドボタンコントロール985による新規登録の操作は、すでに登録済みのデータを利用して行うことができるため、類似の「定期収録テンプレートデータ」を多数登録する際の手間を軽減して登録の効率アップを図ることができる。
【0104】<定期収録予定データ作成タスク>図25は、「定期収録予定データ作成タスク」の概略的なフローチャートである。このタスクは、例えば、収集端末201で定期的に実行される。タスクを実行すると、まず、データベースサブシステム300のPDTのNext Dateデータフィールド1051xを調べ、同フィールドに格納されている次回収録予定日が、例えば、タスク実行の当日に一致するレコードを抽出する。そして、そのレコード(「定期収録テンプレートデータ」のレコード)に基づいて「定期収録予定データ」を新規作成する(ステップS31;特許請求の範囲に記載の生成手段に相当)。
【0105】次に、データベースサブシステム300のFDTに新しいレコードを追加し、そのレコードに上記作成した「定期収録予定データ」を登録する(ステップS32;特許請求の範囲に記載の生成手段に相当)。そして、Form_4(図12参照)のオープンを判定し、オープンしている場合は、そのデータシートコントロール976に、ステップS32で登録した「定期収録予定データ」を表示(ステップS34)した後、タスクを終了する。
【0106】かかる「定期収録予定データ作成タスク」によれば、データベースサブシステム300のPDTから所要の「定期収録テンプレートデータ」を抽出し、その「定期収録テンプレートデータ」に基づいて「定期収録予定データ」を新規作成するとともに、新規作成した「定期収録予定データ」をデータベースサブシステム300のFDTに登録するまでの流れを自動化して行うことができる。
【0107】<定期収録予定データの更新>図26および図27は、定期収録データの更新作業の手順を示す流れ図である。この手順は収録端末201において不定期に実行される。図において、まず、収録端末201のディスプレイ装置にGUI画面910(図3参照)を表示し、GUI画面910の“Material List”コマンドボタンコントロール913cをクリックする(ステップS41)。これにより、Form_0(図6R>6参照)とForm_1(図8参照)がクローズし(ステップS42)、Form_4(図12参照)がオープンする(ステップS43)。なお、ステップ42とステップ43の動作は“Material List”コマンドボタンコントロール913cのクリックイベントプロシージャによって実行される。次に、Form_4のデータシートコントロール976の行を選択してダブルクリックする(ステップS44)と、選択行のデータが「定期収録予定データ」であるか否かが判定され(ステップS45)、「定期収録予定データ」でなければ、作業を終了する。
【0108】一方、「定期収録予定データ」であれば、Form_7(図18参照)をオープンし(ステップS46)、Form_7の各コントロールの値を適宜に変更(ステップS47)した後、作業終了であれば(ステップS48のYES判定)、データ登録を行うか否かを判断する(ステップS49)。そして、データ登録を行うのであれば“OK”コマンドボタンコントロール1008をクリックし(ステップS50)、データ登録を行わないのであれば“Close”コマンドボタンコントロール1009をクリックする(ステップS52)。
【0109】“OK”コマンドボタンコントロール1008をクリックした場合、Form_7の各コントロールのデータをデータベースサブシステム300のFDTのカレントレコードに登録(ステップS51)した後、Form_7をクローズする(ステップS54)。また、“Close”コマンドボタンコントロール1009をクリックした場合は、そのままForm_7をクローズする(ステップS54)。但し、Form_7のデータが更新されていた場合は、データ更新問い合わせ用ダイアログ1041(図19(a)参照)を表示(ステップS53)してからForm_7をクローズする。
【0110】かかる定期収録予定データ更新手順によれば、Form_5のデータシートコントロール976の選択行をダブルクリックしてForm_7をオープンすることにより、選択行で指定された特定の「定期収録予定データ」の情報をForm_7の各コントロールにセットすることができる。そして、Form_7の任意のコントロールの値を変更し、Form_7の“OK”コマンドボタンコントロール1035をクリックすることにより、データベースサブシステム300のFDTのカレントレコードにForm_7の各コントロールの値を登録して上記特定の「定期収録予定データ」を更新することができる。
【0111】<まとめ>以上のとおりであるから、本実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(1) Form_5の“New”コマンドボタンコントロール983をクリックしてForm_6をオープンし、Form_6の各コントロールに、定期収録の間隔種別(毎日、毎週、毎月)、定期収録間隔の値(日数、週数または月数)、定期収録の開始日、定期収録の終了日、定期収録の開始時刻、定期収録の終了時刻、定期収録素材の収録長(素材長)、定期収録時の基準のSTC、定期収録ファイリングデータの実行モード、定期収録の対象素材のカテゴリ情報、定期収録の収録元、定期収録の収録先、定期収録の素材の名称、および、定期収録の次回予定日などの情報をセットして、Form_6の“OK”コマンドボタンコントロール1008をクリックすることにより、これらの情報を含む新規の「定期収録テンプレートデータ」をデータベースサブシステム300のPDTに登録することができる。その後、定期収録予定データ作成タスク(図25参照)を実行することにより、上記「定期収録テンプレートデータ」に基づいて「定期収録予定データ」を自動作成し、この「定期収録予定データ」をデータベースサブシステム300のFDTに登録するとともに、Form_4のデータシートコントロール976;図12および図13参照)に収録予定の素材情報として表示することができる。したがって、従来、手作業で行っていた上記「収録予定の素材情報」の登録作業を不要にできるから、定期的に発生する放送素材の収録準備の効率化を図ることができるという格別有益な効果が得られる。
【0112】(2)また、「定期収録テンプレートデータ」を新規登録する際に、Form_5のデータシートコントロール989の行を選択した後でForm_14の“Copy”コマンドボタンコントロール985をクリックすることにより、同選択行の情報をForm_6の各コントロールにコピーして「新規登録(コピー)モード」でForm_6オープンすることができる。したがって、Form_6の一部の情報だけを改めて設定すればよいから、特に類似の「定期収録テンプレートデータ」を多数登録する場合の手順を簡素化でき、この点においても収録準備の効率化を図ることができる。
【0113】<付記>本実施の形態の主要な機能は、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と、OSや各種プログラムなどのソフトウェア資産との有機的結合によって機能的に実現されるものであるが、ハードウェア資産およびOSは汎用のものを利用できるから、本発明にとって欠くことのできない必須の事項は、実質的に、収録端末201にインストールされたアプリケーションプログラム(特に、特許請求の範囲に記載の収録手段、保持手段および制御手段を実現するためのプログラム部分または収録手段、第1保持手段、生成手段、第2保持手段および制御手段を実現するためのプログラム部分もしくは収録手段、ユーザインターフェース、第1保持手段、生成手段、第2保持手段および制御手段を実現するためのプログラム部分)に集約されているということがいえる。したがって、本発明は、かかるアプリケーションプログラムのすべてまたはその要部を格納した、フロッピィディスク、光ディスク、コンパクトディスク、磁気テープ、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記憶媒体もしくはこれらの記憶媒体を含む構成品(ユニット品や完成品または半完成品)を包含する。なお、上記記憶媒体または構成品は、それ自体が流通経路にのるものはもちろんのこと、ネットワーク上にあって記録内容だけを提供するものも含まれる。
【0114】
【発明の効果】請求項1記載の放送番組収録装置によれば、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを保持する保持手段と、前記保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたので、保持手段に保持された供給予定時間になると、特定の供給元から供給される放送素材がデータ蓄積手段に収録されるという作用が得られ、その結果、定期的に発生する放送素材の収録準備の効率化を図ることができるという効果が得られる。
【0115】請求項2記載の放送番組収録装置によれば、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とをテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたので、第1保持手段の保持情報の複製物として収録予定情報が生成され、この収録予定情報に含まれる供給予定時間になると、特定の供給元から供給される放送素材がデータ蓄積手段に収録されるという作用が得られ、その結果、定期的に発生する放送素材の収録準備の効率化を図ることができるという効果が得られる。また、第1保持手段の保持情報の複製物として収録予定情報が生成されるため、生成された収録予定情報の一部を変更することにより、様々な収録予定情報を効率よく生成できる。
【0116】請求項3記載の放送番組収録装置によれば、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えたユーザインターフェースと、前記ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたので、ユーザインターフェースのコントロールに入力した情報が第1保持手段に保持されるとともに、第1保持手段の保持情報の複製物として収録予定情報が生成され、この収録予定情報に含まれる供給予定時間になると、特定の供給元から供給される放送素材がデータ蓄積手段に収録されるという作用が得られ、その結果、定期的に発生する放送素材の収録準備の効率化を図ることができるという効果が得られる。また、ユーザインターフェースのコントロールに情報を入力するだけでよく、入力操作の簡単化を図ることができる。
【0117】請求項4記載の放送番組収録装置によれば、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えた第1ユーザインターフェースと、前記第1ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報を更新可能に表示するコントロールを備えた第2ユーザインターフェースと、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたので、第1ユーザインターフェースのコントロールに入力した情報が第1保持手段に保持されるとともに、第1保持手段の保持情報の複製物として収録予定情報が生成される。そして、第2ユーザインターフェースのコントロールに入力した情報で収録予定情報の変更が可能となり、この収録予定情報に含まれる供給予定時間になると、特定の供給元から供給される放送素材がデータ蓄積手段に収録されるという作用が得られ、その結果、定期的に発生する放送素材の収録準備の効率化を図ることができるという効果が得られる。また、第1および第2ユーザインターフェースのコントロールに情報を入力するだけで、テンプレートおよびその複製情報である収録予定情報の生成または変更を行うことができ、よく、入力操作の簡単化を図ることができる。
【0118】請求項5記載の放送番組収録装置によれば、請求項3記載の放送番組収録装置において、前記ユーザインターフェースは、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを新規入力する際に、前記第1保持手段に保持済みの情報を前記コントロールに更新可能に表示するので、すでに保持済みの情報を用いて新規のテンプレート情報が生成されるという作用が得られ、その結果、効率よく供給元の指定情報や供給予定情報の生成または変更を行うことができる。
【0119】請求項6記載の放送番組収録装置によれば、請求項4記載の放送番組収録装置前記第1ユーザインターフェースは、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを新規入力する際に、前記第1保持手段に保持済みの情報を前記コントロールに更新可能に表示するので、すでに保持済みの情報を用いて新規のテンプレート情報が生成されるという作用が得られ、その結果、効率よく供給元の指定情報や供給予定情報の生成または変更を行うことができる。
【0120】請求項7記載の記録媒体によれば、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを保持する保持手段と、前記保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したので、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と該プログラムとの有機的結合によって収録手段、保持手段および制御手段を実現することができる。
【0121】請求項8記載の記録媒体によれば、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とをテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したので、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と該プログラムとの有機的結合によって収録手段、第1保持手段、生成手段、第2保持手段および制御手段を実現することができる。
【0122】請求項9記載の記録媒体によれば、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えたユーザインターフェースと、前記ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したので、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と該プログラムとの有機的結合によって収録手段、ユーザインターフェース、第1保持手段、生成手段、第2保持手段および制御手段を実現することができる。
【0123】請求項10記載の記録媒体によれば、供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えた第1ユーザインターフェースと、前記第1ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報を更新可能に表示するコントロールを備えた第2ユーザインターフェースと、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したので、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と該プログラムとの有機的結合によって収録手段、ユーザインターフェース、第1保持手段、生成手段、第2保持手段、第2ユーザインターフェースおよび制御手段を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビデオサーバ・システムの全体構成図である。
【図2】大容量記憶サブシステムのA系を示す構成図である。
【図3】収録端末のGUI画面を示す図である。
【図4】メニューバーおよびコマンドボタンコントロール群の拡大図である。
【図5】GUI画面のクライアントエリアのフォーム配置図である。
【図6】Form_0のレイアウトを示す図である。
【図7】Form_0の回線状況表示セルの拡大図である。
【図8】Form_1のレイアウトを示す図である。
【図9】Form_2のレイアウトを示す図である。
【図10】Form_2のサーバ状況表示セルの拡大図である。
【図11】Form_3のレイアウトを示す図である。
【図12】Form_4のレイアウトを示す図である。
【図13】Form_4のデータシートコントロールの構造図である。
【図14】Form_5のレイアウトを示す図である。
【図15】Form_5のデータシートコントロールの構造図である。
【図16】Form_6のレイアウトを示す図である。
【図17】Form_6の要部変形レイアウトを示す図である。
【図18】Form_7のレイアウトを示す図である。
【図19】データ更新問い合わせ用ダイアログおよびデータ削除問い合わせ用ダイアログを示す図である。
【図20】定期収録テンプレートデータと定期収録予定データの関係を示す概念図である。
【図21】データベースサブシステムのPDTの構造図である。
【図22】データベースサブシステムのFDTの構造図である。
【図23】定期収録テンプレートデータの新規登録と更新作業の手順を示す流れ図(1/2)である。
【図24】定期収録テンプレートデータの新規登録と更新作業の手順を示す流れ図(2/2)である。
【図25】定期収録予定データ作成タスクの概略的なフローチャートである。
【図26】定期収録データの更新作業の手順を示す流れ図(1/2)である。
【図27】定期収録データの更新作業の手順を示す流れ図(2/2)である。
【符号の説明】
FDT……定期収録予定データ・テーブル(第2保持手段)、Form_6……フォーム(ユーザインターフェース、第1ユーザインターフェース)、Form_7……フォーム(第2ユーザインターフェース)、PDT……定期収録テンプレートデータ・テーブル(保持手段、第1保持手段)、S31……ステップ(生成手段)、S32……ステップ(生成手段)、1……ビデオサーバ・システム(放送番組収録装置)、201……収録端末(収録手段、制御手段)、400……大容量記憶サブシステム(データ蓄積手段)、715〜719……供給部(供給元)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを保持する保持手段と、前記保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする放送番組収録装置。
【請求項2】 供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とをテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする放送番組収録装置。
【請求項3】 供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えたユーザインターフェースと、前記ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする放送番組収録装置。
【請求項4】 供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段を備えた放送番組収録装置において、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えた第1ユーザインターフェースと、前記第1ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報を更新可能に表示するコントロールを備えた第2ユーザインターフェースと、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする放送番組収録装置。
【請求項5】 前記ユーザインターフェースは、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを新規入力する際に、前記第1保持手段に保持済みの情報を前記コントロールに更新可能に表示することを特徴とする請求項3記載の放送番組収録装置。
【請求項6】 前記第1ユーザインターフェースは、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを新規入力する際に、前記第1保持手段に保持済みの情報を前記コントロールに更新可能に表示することを特徴とする請求項4記載の放送番組収録装置。
【請求項7】 供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを保持する保持手段と、前記保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。
【請求項8】 供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とをテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。
【請求項9】 供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えたユーザインターフェースと、前記ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。
【請求項10】 供給元を指定し該指定の供給元から供給される放送素材をデータ蓄積手段に収録する収録手段と、少なくとも特定の供給元を指定する情報と該特定の供給元から供給される放送素材の供給予定日時の情報とを入力するコントロールを備えた第1ユーザインターフェースと、前記第1ユーザインターフェースのコントロールの情報をテンプレートとして保持する第1保持手段と、前記第1保持手段の保持情報に基づいて放送素材毎の収録予定情報を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された放送素材毎の収録予定情報を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段の保持情報を更新可能に表示するコントロールを備えた第2ユーザインターフェースと、前記第2保持手段の保持情報に基づいて前記特定の供給元から供給される放送素材を前記供給予定日時に前記データ蓄積手段に収録させるように前記収録手段を制御する制御手段と、を実現するためのプログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図10】
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【図5】
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【図6】
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【図19】
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【図8】
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【図9】
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【図13】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図22】
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【図25】
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【図21】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2001−77777(P2001−77777A)
【公開日】平成13年3月23日(2001.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−253861
【出願日】平成11年9月8日(1999.9.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】