説明

放電加工により作製される手術用具

【課題】ワイヤ放電加工機を用いて超微細手術用具を製作する方法、ならびにこの方法により作製される超微細手術用具を提供する。
【解決手段】超微細手術用具は超小型であり、用具の対向する超微細手術操作面をワイヤ放電加工による単一切削工程で鋸歯を形成するので、追加の製造工程、すなわち表面の研削工程を必要とせず、さらに従来の用具に比べて大幅に小型化され、より少ない製造工程で製造できるため、製造コストを大幅に低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超微細手術に用いる超小型に作製された手術用具に関する。詳細には、本発明は、用具により実行されるせん断または把持操作の際に相互に動く1対の手術操作面を有する超微細手術用具に関するものであり、手術用具およびその手術操作面は放電加工により作製される。
【背景技術】
【0002】
超微細手術用具は人体解剖における極めて微細および繊細な部位、例えば眼の内部組織を外科手術するのに利用する手術用具の種類である。さまざまな種類の多数の超微細手術用具が存在する。構造がより複雑で、製造の最も困難なものは、使用時に相互に動く少なくとも1対の手術操作面を有する超微細手術用具である。手術操作面の意味は、例えば、用具を用いて実行されるせん断操作において相互に交差して動くせん断エッジを有する、剪刀の対向するせん断面、あるいは用具を用いて実行される把持操作において相互に近付きおよび離れる方向に動く、ピンセットの対向する把持面を意味する。この種類の超微細手術用具の製造においては、用具の寸法をできるだけ小型にして、手術部位への導入を最少の侵襲性とすることが望ましい。
【0003】
典型的な用具超微細手術用具は、外科医が用具を片手で容易に操作できる、ペンまたは鉛筆と類似のサイズおよび形状の手操作ハンドルで構成される。用具の頭部はハンドルの一端に固定され、超微細手術ピンセットおよび剪刀の先端は用具の頭部から突出している。この種類の用具の例は、本発明の譲受人に譲渡され、かつ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,370,658号明細書に記載されている。
【0004】
引用した特許に開示された種類の従来技術の超微細手術用具の多くは、用具の頭部から突出する中空の、細いチューブを含む。チューブ内にはロッドが収納され、ロッドおよびチューブは、用具ハンドル上のある種のアクチュエータの手動操作に応じて、相互に往復運動をする。ロッドとチューブ間の相対運動により、このロッドおよびチューブの遠位端に形成される手術用具を作動させる。手術用具がピンセットである場合、ピンセットの対向するジョウはロッドの遠位端に形成され、チューブをロッドの上で移動させるか、またはロッドをチューブ内に引っ込めることにより、ピンセットジョウを相互に近付く方向に動かす。チューブとロッドの逆移動により、ジョウは相互に離れる。手術用具が剪刀である場合、せん断面の一方はロッドの遠位端に形成され、他方のせん断面はチューブの遠位端に形成される。チューブの遠位端をロッドの遠位端の方向に移動させることにより、せん断面およびせん断エッジは相互に近付いて、交差する。
【0005】
前述のとおり、超微細手術用途においては、前述の超微細手術用具は超小型に作製される必要がある。前述のピンセットの製造においては、2本のワイヤ素材を縦方向に沿って研削し、各ワイヤが最初の厚みまたは幅のほぼ半分になるようにする。次に、先に研削されたワイヤ表面をさらに研削するかまたは表面を横切る溝を切削することにより、把持面を2本のワイヤ素材の遠位端に形成する。次に、2本のワイヤ半体を、これらの近位端で、全長の中間部分に沿って一体に溶接または蝋付けする。次に、このようにして形成されたピンセットを研磨する。
【0006】
前述の種類の剪刀を形成する場合、最初に剪刀の刃を金属素材から切り取り、剪刀の刃の一方をロッドの遠位端に溶接またはろう付けし、剪刀の刃の他方をチューブの遠位端に溶接または蝋付けする。次に、刃の2つの手術操作面またはせん断面を研削し、2つの面上にせん断エッジを形成する。次に、ロッドおよびチューブおよびこれに取り付けられる1対の刃を研磨して、外観を向上させる。
【0007】
用具の手術操作面、すなわちピンセットの把持面および剪刀のせん断面の最終研削工程の必要性は、作製できる超微細手術用具のサイズを制限する。表面を研削する際に、用具の手術操作面に加えられる応力のために、用具の研削される領域内に研削に耐えるだけの十分な量の材料が存在する必要がある。したがって、用具先端の材料を研削して、超微細手術用具の手術操作面を形成する必要性は、器具を小型化できるサイズを制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は新規の超微細手術用具を作成する方法、ならびにこの方法により作製される超微細手術用具を提供する。本発明の用具は、従来の超微細手術用具に比較して小型の操作先端部を有する。本発明の超微細手術用具はハンドルアセンブリおよび用具頭部アセンブリで構成され、これらアセンブリは従来品と基本的に同一である。しかし、用具先端は新規方法により作製され、従来技術の用具に比べて小型サイズの新規構造を有する用具先端が得られる。さらに、用具先端の新規構造は従来品に比べて少ない製造工程しか必要としないため、結果的に製造コストが低減される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の超微細手術用具の用具ハンドルおよび用具頭部は、先に引用した米国特許第5,330,658号に記載されたものと基本的に同一である。代替方法として、別の種類の用具ハンドルおよび頭部を使用して、外科医の手による用具ハンドルの手動アクチュエータの操作に応じて、用具先端ロッドを、用具先端チューブを通して相対的往復運動させることができる。
【0010】
本発明の用具ハンドルはペンまたは鉛筆と類似の細長い外形形状を有するため、外科医の手で具合よく保持できる。ハンドル外側上の、外科医の指で容易に操作できる位置に1つまたは複数のレバーアームが取り付けられている。ハンドルの遠位端は用具頭部に取り付けられる。
【0011】
用具の近位端は用具ハンドルの遠位端に取り付けられており、超微細手術用具の先端は用具頭部の反対の遠位端から突出している。本発明の好ましい実施形態においては、手術用具先端は、細長いチューブ内に取り付けられた細長いロッドで構成され、ロッドとチューブは相互に往復運動する。ロッドおよびチューブは用具頭部からロッドおよびチューブの遠位端に突き出ており、ロッドの遠位端はチューブの遠位端をわずかに越えて延びている。用具先端ロッドおよびチューブの一方の近位端は用具頭部内に動かないように取り付けられている。ハンドルのレバーアームと用具先端ロッドおよびチューブの他方の近位端の間を機械的に接続することにより、レバーアームを手動操作して、ロッドとチューブ間の直線往復運動を実現する。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、ロッドは用具頭部に動かないように固定され、チューブはロッド上をロッド遠位端の方向およびそれから離れる方向に往復運動する。用具先端ロッドの遠位端は、ロッド上のチューブの直線往復運動に応じて作動する、剪刀またはピンセットとして形成される。ロッドの遠位端を剪刀またはピンセットとして形成する新規方法は、結果的に、従来の超微細手術用具に比べて小型の新規構造を有する超微細手術用具を実現する。
【0013】
本発明の超微細手術用具のそれぞれは、両端の近位端および遠位端を有する細長いシャフト、およびシャフトの遠位端に形成される金属ブロックを含む金属素材から形成される。金属素材のブロックおよびシャフトは一体の金属体である。好ましい実施形態においては、素材のシャフトは直線状であり、シャフトの両端の近位端および遠位端間に中心軸を有する。シャフトの外面は円筒形であり、このシャフトの外径寸法は、シャフトの外面に機械加工または製造上の作業をせずに、シャフトが操作用具チューブの内孔を通り直線的往復運動が可能なように決定される。
【0014】
シャフトの遠位端のブロック内に手術操作面を形成する準備として、シャフトを機械加工する必要のないシャフトの近位端近くの機械に取り付けることにより、金属素材をワイヤ放電加工機内に固定する。次に、ワイヤ放電加工機のワイヤおよび一体の金属素材を相互に動かすことにより一体の金属素材のブロックに、第1切削加工を実行する。ワイヤを、シャフト中心軸に対して中心合わせされた細長い放物線経路で素材のブロックを通して動かす。これによりブロックを2部分に分離し、ブロックの大きい部分をシャフト遠位端に残るブロックの残りの放物線形状部分から取り外す。次の製造工程において、素材を、ワイヤに対してシャフト中心軸周りにわずかに回転させ、ワイヤとブロックを相互に動かすことにより素材のブロックを再度切削する。ワイヤを、再度ブロックを通して動かし、鋸歯または溝付き面を切削してブロックの片面を形成する。次に、素材をワイヤに対してシャフト中心軸周りに再度回転させることにより、放電加工機のワイヤに対して素材の最初の位置から90度回転させて位置合わせする。ワイヤとブロックを相互に動かして、素材のブロックを再度切削する。ワイヤを、ブロックを通して動かし、ブロックを手術用剪刀の2つの分離した刃に切断し、同時に、シャフト遠位端からシャフト中心部分を通るスロットを軸方向に切削する。2つの剪刀の刃を切削して、刃の1つが刃の手術操作面上に複数の鋸歯または溝を有するようにし、これにより、この手術操作面に鋸歯エッジを形成する。ワイヤ放電加工機のワイヤを用いる第3の切削により、用具の手術操作面の機械加工、詳細には、剪刀の刃の切断エッジは完成し、これ以上の機械加工操作は必要とせず、この結果、従来技術の超微細手術用具の製造で必要とされる研削工程が無くなる。
【0015】
次に、放電加工機から機械加工された用具のロッドを取り外し、放電加工機のワイヤにより分割されたシャフト遠位端の部分を相互にわずかに曲げる。曲げることにより、剪刀の歯は、2つの刃の切断エッジ間に空隙が広がるように相互に離れるが、超微細手術用具のチューブがシャフト上を動くと、切断エッジが相互に交差して動くような位置とされる。次に、シャフトを組み付けて、切断刃と、用具チューブの遠位端から突き出るシャフトの遠位端を有する超微細手術用具を完成させる。
【0016】
用具の操作においては、チューブをシャフト上で遠位端方向に動かすことにより、切断操作において、チューブの遠位端が、剪刀の2つの刃を相互の方向に交差して動かすことができる。シャフトに対してチューブを逆に動かすことにより、チューブの遠位端をシャフトの曲がり部分から離れる方向に移動させて、剪刀の刃およびシャフト遠位端の分割部分を、剪刀の刃を相互に分離する最初の曲げられた構成にすることができる。
【0017】
顕微手術ピンセットは剪刀と同様の方法で製造される。一体の金属素材を放電加工機内に配置し、この素材をシャフトの近位端で機械に取り付ける。次にワイヤ放電加工機のワイヤおよび素材を相互に動かして、素材のブロックおよびシャフトの両方に第1切削工程を実行する。素材のブロックを通してワイヤを動かし、ピンセットのジョウの一方を形成すし、次に、ワイヤをシャフト遠位端でシャフトの中心軸に沿って動かす。次に、ワイヤをシャフトの中心軸の沿って引っ込め、再度素材のブロックを通して動かして、ピンセットの第2のジョウを形成し、ブロックを出る前にブロックを2つの部分に切断する。放電加工機のワイヤがピンセットのそれぞれのジョウを形成するとき、ピンセットのジョウの対向する手術操作面に鋸歯または把持溝も同時に形成される。次に、素材を放電加工機のワイヤに対して90度回転させ、ワイヤを再度一体の素材のブロックを通して動かし、テーパ状の先端を有するピンセットの各ジョウを形成する。放電加工機のワイヤによりピンセットの手術操作面に形成される鋸歯または溝は、ワイヤの切削操作後に完成し、表面への別の機械加工、例えば研削は必要としない。
【0018】
前述の剪刀と同一方法で、ピンセットシャフトを組み付けて、用具チューブの内部を通して延びるシャフトを有する手術用具を完成させる。ピンセットのシャフト上のチューブの直線往復運動により、ピンセットのジョウが把持操作において相互に離れ、また相互に近付く方向に動く。
【0019】
上述のように放電加工を用いて超微細手術用具を製造することにより、用具の手術操作面は、ワイヤ放電加工機のワイヤの切削操作により単一工程で製造され、追加の製造工程、すなわち表面の研削は必要としない。この方法においては、手術用具は、従来の用具に比べて大幅に小型化され、またより少ない製造工程で製造できるため、製造コストを低減できる。
【0020】
本発明のその他の形態は、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明および図面において明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の超微細手術用具の断面図である。
【図2】超微細手術用具先端の拡大部分平面図である。
【図3】図2に示される用具先端の側面図である。
【図4】図3に示される用具先端の反対側の側面図である。
【図5】図3と類似であるが、相互に動く手術操作面を有する用具先端の図である。
【図6】素材を切削して用具先端を形成する前に、ワイヤ放電加工機により保持された金属素材の概略図である。
【図7】図3の手術用具先端を形成する方法の概略図である。
【図8】図3の手術用具先端を形成するのに用いる別の工程の概略図である。
【図9】図3の手術用具先端を形成するのに用いるさらに別の工程の概略図である。
【図10】図7から9に示される方法の工程に従って形成される用具先端の拡大部分斜視図である。
【図11】用具先端の別の実施形態を形成するのに用いられる方法の概略図である。
【図12】図11の用具先端を形成する別の工程の概略図である。
【図13】図11および12に示される方法に従って形成される用具先端の拡大部分斜視図である。
【図14】用具先端のピンセット手術操作面を形成するのに用いられる方法の概略図である。
【図15a】用具先端の手術操作面上に形成された鋸歯の拡大部分図である。
【図15b】用具先端の手術操作面上に形成された鋸歯の拡大部分図である。
【図15c】用具先端の手術操作面上に形成された鋸歯の拡大部分図である。
【図16a】従来技術で研削された鋸歯の拡大部分図である。
【図16b】従来技術で研削された鋸歯の拡大部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は本発明の超微細手術用具を示す。この用具は基本的に、用具ハンドル12およびこのハンドルに取り付けられた用具頭部14で構成される。超微細手術用具先端16は用具頭部14から突き出ている。本発明の新規の特徴は超微細手術用具先端16について実現される。超微細手術用具のハンドル12および用具頭部14は基本的に、本発明の譲受人に譲渡され、かつ参照により本明細書に引用したものとする米国特許第5,370,658号に開示された実施形態の1つと同一である。超微細手術用具ハンドルおよび頭部は従来技術において公知であるため、ここではこれらの構造および操作は概要を述べるにとどめる。
【0023】
本発明の好ましい実施形態においては、記載される超微細手術用具の構成部品のすべてを、滅菌可能な金属、好ましくは、チタンまたはアルミニウム合金で形成して、用具の重量を低減させる。ただし、ここに記載される選択事項は限定を意図するものでなく、用具の意図する用途に適する各種の材料で形成してもよい、と理解されるべきである。
【0024】
用具ハンドル12は両端の後端および前端を有する細長い円筒状柱18で構成される。後部プラグ20は用具コラムの後端内、すなわち、図1にあって、コラムの右端内に圧入される。前部プラグ22はハンドルコラムの反対側の前端内に圧入される。前部プラグ22は、プラグから超微細手術用具の中心軸26に平行に前方に突き出る概ね平坦な中心ウェブ26を伴って形成される。スロット28は中心ウェブを貫通して形成され、用具中心軸26に平行に延びる。中心ウェブ24は前部プラグの円筒形取付部分30へ前方に延び、この取付部分30により、ハンドル12を用具頭部に取り付ける。円筒形中心孔32は前部プラグ取付部分を貫通して、用具中心軸26と同軸状に延びる。ハンドルピストン34は前部プラグ中心孔32内に組み込まれ、用具中心軸26に沿って中心孔内を往復運動する。ハンドルピストン34にはピストンから後方に突出する平板フランジ36が設けられる。
【0025】
弾性の円筒形スリーブ38がハンドルコラム18を覆って取り付けられ、このスリーブの後端はハンドルコラム後部プラグ20上を覆っている。1対の縦方向スロット42がスリーブの直径方向の両側に切り込まれ、スリーブの縦方向部分に沿って、スリーブ後端40の近接部からスリーブ前端44に延びる。図1の断面図には、スロット42の一方だけが示されている。スロット42はスリーブを1対の弾性レバーアーム46として形成する。レバーアーム46は図1に示されるアーム休止位置へと、用具中心軸26から外側の横方向に曲がる。レバーアーム46の弾性により、外科医が指でアーム外面に力を加えることで、アームは相互方向および用具中心軸方向の内側に向かい、横すなわち半径方向に手動で操作でき、また、外科医が指でアームの外面に加える力を除くことにより、アームは相互に離れる方向および用具中心軸から離れる方向で外側に向かい弾性的に付勢できる。
【0026】
1対のピボットピン48がレバーアームの内面に固定され、また1対のリンク機構50がこのピボットピンに取り付けられている。リンク50はピボットピンからハンドルのピストンフランジ36に延び、それぞれが別のピボットピン52によりハンドルのピストンフランジに連結されている。1対のリンク50によりなされるレバーアーム46とハンドルピストン34間の連結により、レバーアーム46を相互の内側方向に手動で動かすことにより、1対のリンク50がハンドルピストン34を、ハンドルコラムの前部プラグ22の中心孔32を通して前方に押し出す。レバーアームに加える力を取り除くと、レバーアーム46の弾性により、レバーアームが外側に動き、この結果、1対のリンク50がハンドルピストン34を、前部プラグ中心孔32を通して後方に引き戻す。
【0027】
用具頭部14は、剪刀による超微細手術での切断動作を実行するように構成される。用具頭部14は用具の構成部品を収容する頭部ハウジング56から構成される。内側ねじ付カラー60は用具頭部14を用具ハンドル前部プラグ22に連結する。ハウジング56は、ハウジングを縦方向に貫通し、用具中心軸26と同軸である円筒形内孔62を有する。頭部ピストンアセンブリ64がハウジング中心孔62内に組み込まれ、この孔を通り軸方向に往復運動する。頭部ピストンアセンブリ64の後端は用具ハンドル内のハンドルピストン34に当接する。頭部ピストンアセンブリ64はピストンアセンブリの中間部分を通るスロット66を有する。コイルばね68が頭部ピストンアセンブリ64の前部とハウジング中心孔62の周囲のハウジング内面に形成された環状肩部分70に当接する。ばね68は頭部ピストンアセンブリ64を後方、すなわち図1の右方向に付勢する。1対の止めねじ72が、1対の対向するねじ付孔として切られ、本発明の超微細手術用具の一部である細長いロッド76の近位端すなわち後端の両側にかみ合う。止めねじ72はロッド76を用具頭部14に対して固定して保持する。さらに、超微細手術用具先端16は、ロッドの外面上を往復運動する、ロッド76の上に装着された細長いチューブ78から構成されている。チューブ78の近位端すなわち後端は頭部ピストンアセンブリ64の前端内に組み込まれる。チューブ78は、頭部ピストンアセンブリ64の軸方向往復運動に応じて、用具中心軸32に沿って、およびロッド76の縦方向に沿って、軸方向に往復運動する。したがって、用具ハンドルレバーアーム46を用具中心軸26方向およびそれから離れる方向に手動操作することにより、ハンドル中心孔32内でハンドルピストン34が往復運動し、この結果、頭部ピストンアセンブリ64が用具中心孔62内を往復運動する。頭部ピストンアセンブリの往復運動により、チューブはロッド76の全長にわたり往復運動する。
【0028】
本発明の超微細手術用具先端16の新規の特徴は、細長いロッド76の遠位端の構造およびこの構造を実現する方法におけるものである。
【0029】
図2から5は、超微細手術用具のロッド76の遠位端に形成される本発明の超微細手術用具剪刀を示す。図2、3および4は閉じた状態の剪刀を示し、図5は開いた状態の剪刀を示す。剪刀82は円筒形外面を有し、用具ロッド76の遠位端の延長部であるシャフト84を備える。シャフト84は中心軸86を有し、スロット88がシャフト内に中心軸と交差して形成される。スロット88はシャフト84の全長にわたっては延びておらず、シャフトの中間部分で始まり、シャフト遠位端に延び、シャフトを1対の弾性ばねアーム90、92に分割し、またシャフト遠位端を1対の剪刀の刃94、96に分割する。本発明の好ましい実施形態においては、以下に説明するように、スロット88はワイヤ放電加工機により形成される。
【0030】
シャフト84の遠位端を通り形成されるスロット88は、剪刀の2つの刃の1対の対向する面98、100を形成する。剪刀の2つの刃はさらに、これらの対向する面から刃の反対側にそれぞれ裏面102、104を有する。刃のそれぞれはまた、上面106、108および反対側の底面110、112を有する。複数の鋸歯または溝114が剪刀の刃94の一方の上面106の一部として形成される。刃のこれらの鋸歯104および上面106は、上面106が一方の刃94の反対面98と交わる縁部に鋸歯状エッジ106を形成する。一方の刃94の鋸歯114および上面106は、超微細手術刃の操作面として機能する。対向する刃96の他方の超微細手術操作面は、この刃の底面112である。底面112が反対面100と交わる対向する刃96の縁部118は、剪刀の切断動作において剪刀の一方の刃94の鋸歯エッジ116を通過して動く。剪刀の両方の刃94、96の切断エッジ116、118はそれぞれ、剪刀の刃の放電加工機切削により形成される。刃が放電加工機により切削された後、刃またはそれらの切断エッジ116、118の超微細手術操作面106、112の研削は必要がない。さらに、放電加工機により得られる小さい公差は、本発明の超微細手術剪刀82を、従来の超微細手術用具に比べて小型に製造することを可能にする。
【0031】
図6、7、8および9は、本発明の超微細手術剪刀82を製造する新規な方法の概略を図示する。
【0032】
本発明の一体超微細手術剪刀82は、両端に近位端124および遠位端126を持つ細長いシャフト122と、このシャフトの遠位端に形成された金属ブロック128とを有する金属素材から形成される。素材のブロック128およびシャフト122は一体の金属体である。シャフト122は直線状で、中心軸130および円筒形外面132を備える。シャフトの外面132の寸法は、シャフトの外面に機械加工または製造上の作業をせずとも、シャフトが用具チューブ78の内孔を通り直線的往復運動が可能なように決定される。
【0033】
素材のシャフト122の遠位端のブロック128内に手術操作面を形成する準備として、シャフト122を機械加工する必要のないシャフトの近位端近くの機械のチャック134に取り付けることにより、素材をワイヤ放電加工機内に固定する。図6には、ワイヤ放電加工機の概略を示す。第1加工工程に先立ち、放電加工機のワイヤ136をシャフト中心軸130と同一平面に位置合わせし、シャフト軸130に対してわずかの角度、好ましくは、18度前方角度に配向する。次に、ワイヤ放電加工機のワイヤ136および一体の素材を相互に動かすことにより一体の金属素材のブロック128内に、第1切削加工を実行する。図7は、ワイヤ中心軸を見下ろす視点からの素材のブロック128およびシャフト122に対するワイヤ136の経路を示す。ワイヤ136を、シャフト中心軸130に対して中心合わせされた細長い放物線経路で素材ブロック128を通して動かす。これによりブロックを2部分に分離し、ブロックの大きい部分140をシャフト遠位端126に残るブロックの残りの放物線形状部分142から取り外す。
【0034】
図8に示される次の製造工程において、ブロック放物線形状部分142を有する残りの素材を、放電加工機のワイヤ136に対してシャフト中心軸130周りにわずかに回転させる。好ましい実施形態においては、素材の残り部分をワイヤ136に対して15度回転させる。次に、ワイヤ136とブロック部分142を相互に動かすことによりブロックの残り部分142を再度切削する。図8に示されるワイヤ経路144は、ワイヤ中心軸を見下ろす視点からのものである。ワイヤを、残りのブロック部分142を通して動かし、再度鋸歯または溝付き面146を切削してブロック部分142の片面を形成し、ブロック部分から第2部分148を分離する。
【0035】
図9は、鋸歯面150を有する残りのブロック部分に実行される次の製造工程を示す。切削操作に先立ち、鋸歯面のブロック部分150を有する素材を、シャフト中心軸周りに再度回転させる。好ましい実施形態においては、素材を第1切削操作前の放電加工機内の素材の最初の位置から90度回転させる。次に、放電加工機のワイヤ136とブロック部分150を相互に動かして、鋸歯面ブロック部分150を切削する。図9は、ワイヤ中心軸を見下ろす視点からのワイヤの第3切削経路152を示す。ワイヤを、鋸歯面ブロック部分150を通して動かして、3つの分離部分154、156、158に切り離し、同時に、顕微手術剪刀の2つの分離した刃164、166、および剪刀に刃を分離するスロット164、および剪刀の弾性ばねアーム166、168を切削する。図9に示されるワイヤ切削経路152から明らかなように、最初に剪刀の刃の一方160を切削し、その後、ワイヤ136をシャフト中心軸130に平行に、シャフト近位端の方向に動かし、次にその経路を逆に、シャフト中心軸130に平行にシャフト遠位端および鋸歯面ブロック部分15方向に動かして、シャフト122にスロット164を形成する。次いで、ワイヤ136は、鋸歯面ブロック部分から第2の剪刀の刃162を切削する。2つの剪刀の刃160、162は、刃の手術操作面170に複数の鋸歯146を有する一方の刃160と同時に切削され、これにより、手術操作面に鋸歯エッジ172を形成する。図9に示される他方の剪刀の刃162の手術操作面は、図示された刃の反対側にある。放電加工機のワイヤにより実行される第3切削により、用具の手術操作面の機械加工、詳細には、剪刀の刃の切断エッジは完成し、これ以上の機械加工操作は必要とせず、この結果、従来の超微細手術用具の製造で必要とされる研削工程が無くなる。
【0036】
図10は放電加工機から取り外した切削加工された用具ロッドを示す。切削加工の完了したロッドでは、放電加工機のワイヤで分割して、ばねアーム166、168を形成するシャフト遠位端は、次に、相互にわずかに曲げられる。ばねアーム166、168はスロット164を含む平面に沿って、相互に離れる方向に曲げられる。次に、図2に示されるように、剪刀の刃160、162を相互に近付く方向に曲げ、刃を相互に位置合わせする。この曲げにより、剪刀の刃は、2つの刃の切断エッジの間に空隙があるように相互に離れるが、超微細手術剪刀のチューブ78がシャフト上を動くと、切断エッジが相互に交差して動くような位置とされる。次に、シャフトを組み付けて、チューブ遠位端から突き出るシャフトの遠位端に切断エッジおよびばねアームを有する超微細手術用具を完成する。
【0037】
用具の操作においては、素材のシャフト122は、図1に示される用具のロッド76となる。ロッド76はチューブ78の内部に組み込まれ、ロッドの近位端は、対向する対の止めねじ72により用具頭部14に固定されている。レバーアーム46を手動操作すると、チューブ78はロッド76の外面上を遠位端方向に動き、チューブ遠位端を剪刀の2つのばねアーム90、92方向に移動させる。これにより、2つのばねアームを相互に近付く方向に動かし、さらに切断操作において、剪刀の刃94、96を相互に近付き、交差する方向に動かす。鋸歯エッジ116および2つの剪刀の刃の対向する切断エッジ118は切断操作を実行する。2つのレバーアーム46を解放すると、チューブはロッド76に対して逆方向に動く。チューブ遠位端は2つのばね90、96から離れる方向に動き、ばねアームの弾性が剪刀の2つの刃94、96を相互に離して、剪刀の2つの刃が相互に離れる、図5の2つのばねアームの休止位置に動かす。
【0038】
顕微手術ピンセットは剪刀と同様の方法で製造される。ピンセットは剪刀の素材と同様の一体の金属素材から形成される。ピンセット素材は図11に略図が示されており、反対側の近位端178および遠位端180ならびに中心軸182を有する素材シャフト176で構成される。金属ブロック184は、シャフト遠位端180においてシャフト176と一体に形成される。好ましい実施形態においては、シャフト176は超微細手術用具のチューブ78内に収納される寸法のチューブ外面186を有し、チューブを通してシャフトを往復運動可能にしている。金属のシャフト176およびブロック184を構成する素材は、前述の剪刀の素材と同様な方法で放電加工機のチャック内に位置合わせする。ピンセット素材を放電加工機のワイヤに対して位置合わせして、シャフト中心軸182がワイヤに垂直となるようにする。図11は、ワイヤの中心軸に沿って見下ろす視点からの放電加工機のワイヤが移動する第1経路を示す。第1切断工程は、放電加工機のワイヤおよび素材を相互に動かすことにより、ブロック184およびシャフト176の両方に対して実行される。最初に、素材のブロック184を通してワイヤを動かし、ブロックのジョウの一方の裏面190を形成する。次にブロック184を通してワイヤを動かして、一方のジョウ196の対向する顕微手術把持操作面192、194およびピンセットの反対側のジョウ198を切削する。次にワイヤを、ブロック184を通して動かして、反対側のジョウに対向する一方の反対側面200を切削し、その後、シャフト中心軸182に平行な経路でシャフト176を通して動かし、シャフトの中心を貫通するスロット202を切削する。次にワイヤを、ブロック184を通して動かして、ピンセットの第2ジョウ198の反対側面204を切削し、先に形成された、ピンセットの対向する把持操作面192、194を通して動かす。次にワイヤを、ブロック184を通して動かして、第2ジョウの裏面206を形成し、ブロックを出る前に、ブロックを2部分に切断する。
【0039】
図14は、放電加工機のワイヤ経路が追従する1つのパターンを示し、この経路に従って、ピンセットジョウの対向する把持操作面192、194を形成する。図14は、ワイヤの中心軸を見下ろす視点からのワイヤ経路の図である。図14に示されるように、対向する把持面を形成する一連の鋸歯208は、各鋸歯の隣接するピーク間の距離A−Aが放電加工機のワイヤ直径より短い状態で、形成できる。好ましい実施形態においては、鋸歯の隣接するピーク間の各鋸歯の幅A−Aは、図15aから15cに示されるように、0.0015から0.0039インチ(0.038から0.099mm)範囲で形成できる。従来の研削加工により形成可能な最少の鋸歯は一般に、図16aおよび16bに示されるように、0.0070から0.0140インチ(0.18から0.36mm)の範囲である。さらに、ワイヤ放電加工機により形成される鋸歯208を超微細手術操作面に仕上げるのに、例えば従来の研削操作などの別の機械加工操作を一切必要としない。
【0040】
次の機械加工工程においては、素材のシャフト176を放電加工機のワイヤに対して90度回転させ、ワイヤを再度一体の素材のブロック184を通して動かす。図12はワイヤの中心軸を見下ろす視点からのワイヤの第2切削経路210を示す。ワイヤを、図2に示される経路210に沿って素材のブロックを通して動かして、テーパ状の先端を有するピンセットのジョウのそれぞれを形成する。ワイヤの第2切削経路210を完了すると、研磨を必要とする場合を除いて、ピンセットの機械加工は完了する。図13は前述のワイヤの2つの切削工程から製造された完成したピンセットを示す。 ピンセットシャフト176を組み付けて、前述の剪刀と同様に超微細手術用具を完成させる。このピンセットは用具チューブ78の内部を貫通して延びるシャフト176と、対向する対の止めねじ72により用具に動かないように固定されるシャフトの近位端とを有する。1対のジョウ196、198の方向への、シャフト176上のチューブ78の直線運動により、ジョウは相互に近付く方向に動き、ジョウの対の把持操作面192、194の把持動作を実行する。チューブ78をシャフト176上で逆に動かすと、シャフト材料の弾性により、ジョウは相互に離れる。
【0041】
前述の放電加工を利用して超微細手術用具を製造することにより、放電加工機のワイヤの切削操作により、用具の手術操作面を一体に形成できる。さらに、追加の製造工程、すなわち手術操作面の研削を必要としない。この方法においては、手術用具は、従来の用具に比べて大幅に小型化され、より少ない製造工程で製造できるため、製造コストを低減できる。
【0042】
本発明を特定の実施形態により説明してきたが、特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、本発明のさまざまな修正および変形実施形態を実現できることは理解されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体超微細手術用具を作製する方法であって、
中心軸と両端の第1端および第2端の間に軸方向長さとを有する細長いシャフトと、シャフトの第2端に金属のブロックとを有する金属素材を用意し、シャフトおよびブロックが一体の金属体であり、
一体の金属体およびワイヤを相互に動かして、ワイヤ放電加工機のワイヤを用いて一体の金属体を切削し、その際、ワイヤをブロックを通して動かして、ブロックを2つの分離部分に切削し、
シャフトを通して、ワイヤをシャフト第2端からシャフト第1端に向かうシャフト中心軸に平行な第1方向に動かし、シャフト内にスロットを切削することを含む、超微細手術用具の作製方法。
【請求項2】
ワイヤがブロックを2つの分離部分に切削後、ワイヤがシャフトを通って第1方向に動くことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シャフトを通って動くワイヤの方向が、第1方向と逆の、シャフト中心軸に平行な第2方向であり、ワイヤがシャフトを通って第1方向に動いた後、シャフトを通って第2方向に動くことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ワイヤを、シャフトを通して第1および第2方向に動かすことからなる、シャフト内にスロットを切削する操作をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ワイヤがシャフトを通って、シャフト中心軸に沿って第1方向と第2方向とに動くことをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ワイヤがシャフトを通って第1方向に、シャフトの第2端から第1端に動き、ワイヤはシャフトの第1端に達する手前で停止することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ワイヤがシャフトを通って、第1方向と第2方向とに動く前に、ワイヤがさらに、ブロックを通り、このブロックから用具の少なく1つの超微細手術操作面を形成することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
鋸歯エッジを有する少なくとも1つの超微細手術操作面を形成することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの超微細手術操作面を、対向する把持面として形成することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
せん断エッジを有する少なくとも1つの超微細手術操作面を形成することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
一体超微細手術用具を作製する方法であって、
中心軸と両端の第1端および第2端の間に軸方向長さとを有する細長いシャフトと、シャフトの第2端に金属のブロックとを有する金属素材を用意し、シャフトおよびブロックが一体の金属体であり、
放電加工機のワイヤが、金属素材に対して、シャフト中心軸に垂直な第1方向に位置合わせされた状態で、ブロックおよびシャフトを通って動くように、一体の金属体およびワイヤを相互に動かすことにより、且つ、ワイヤが、金属素材に対して、シャフト中心軸に垂直およびワイヤの第1方向に垂直な第2方向に位置合わせされた状態で、ブロックを通って動くように、一体の金属体およびワイヤを相互に動かすことにより、ワイヤ放電加工機のワイヤを用いて一体の金属体を切削することを含む、超微細手術用具の作製方法。
【請求項12】
ワイヤが、金属素材に対して、シャフト中心軸およびワイヤの第1方向およびワイヤの第2方向に斜めの角度の第3方向に位置合わせされた状態で、ブロックを通って動くように、一体の金属体およびワイヤを相互に動かすことをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ワイヤが第3方向にある状態で放電加工機のワイヤを用いて一体の金属体を切削し、次にワイヤが第1方向にある状態で切削し、次にワイヤが第2方向にある状態で切削することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ワイヤが第2方向にある状態で、ワイヤをシャフト中心軸に沿って動かすことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ワイヤが第1方向にある状態で、ブロック内に鋸歯を切削することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
ワイヤが第2方向にある状態で、ブロックに用具の超微細手術操作面を切削することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
ワイヤを、ブロックを通して動かすことからなる、ブロック内に用具の顕微手術操作面を切削することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
鋸歯エッジを有する少なくとも1つの超微細手術操作面を切削することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
用具の超微細手術操作面を、対向する把持面として切削することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
用具の顕微手術操作面を、対向するせん断面として切削することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
一体超微細手術用具を作製する方法であって、
中心軸と両端の第1端および第2端の間に軸方向長さとを有する細長いシャフトと、シャフトの第2端に金属のブロックとを有する金属素材を用意し、シャフトおよびブロックが一体の金属体であり、
一体の金属体およびワイヤを相互に動かして、ワイヤ放電加工機のワイヤを用いて一体の金属体を切削し、その際、ワイヤをブロックを通して動かして、ブロック内に鋸歯を切削することを含む、超微細手術用具の作製方法。
【請求項22】
各鋸歯を、0.0015から0.0039インチ(0.038から0.099mm)の幅寸法に切削することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
各鋸歯を、0.0039インチ(0.099mm)以下の幅寸法に切削することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
各鋸歯を、0.0015インチ(0.038mm)以上の幅寸法に切削することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
第1および第2超微細手術操作面と、
第1および第2超微細手術操作面を相互に近付ける方向および離れる方向に手動で動かす手段と、
一連の鋸歯を有し、各鋸歯が0.007インチ(0.18mm)未満の幅寸法を有する、少なくとも1つの超微細手術操作面と、を備える超微細手術用具。
【請求項26】
0.0039インチ(0.099mm)以下の幅寸法を有する各鋸歯をさらに備える、請求項25に記載の超微細手術用具。
【請求項27】
0.0015から0.0039インチ(0.038から0.099mm)範囲の幅寸法を有する各鋸歯をさらに備える、請求項25に記載の超微細手術用具。
【請求項28】
ワイヤ放電加工された表面である一連の鋸歯をさらに備える、請求項25に記載の超微細手術用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図16a】
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【図16b】
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【公開番号】特開2010−188520(P2010−188520A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−89147(P2010−89147)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【分割の表示】特願2004−512620(P2004−512620)の分割
【原出願日】平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願人】(504337420)シナージエテイクス・インコーポレイテツド (6)
【Fターム(参考)】