説明

放電器、像保持体ユニットおよび画像形成装置

【課題】放電時の放電生成物による帯電不良を低減すること。
【解決手段】被帯電体(Pk)に対向して配置された放電電極部材(11)と、前記放電電極部材(11)に対向して配置された対向電極部材(1+12)と、前記放電電極部材(11)と前記対向電極部材(1+12)との間に放電を発生させる放電電圧を印加する電源回路(E)と、を有し、前記対向電極部材(1+12)の表面にテトラヘデラルアモルファスカーボンの表面層を成膜した放電器(CCk)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電器、前記放電器を備えた像保持体ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置では、感光体等の像保持体表面が帯電器により帯電され、帯電された像保持体表面に静電潜像を形成、現像し、媒体に転写して画像を形成していた。前記帯電器として、像保持体に接触または近接して回転して帯電させる接触型帯電器、いわゆる帯電ローラと、像保持体に対向して配置されて電極間での放電により像保持体表面を帯電させる非接触放電型の帯電器、いわゆる、コロトロンやスコロトロンが広く採用されている。
前記非接触放電型の帯電器として、下記の特許文献1〜3記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1(特開2002−268334号公報)には、放電生成物の発生量を低減すると共に長寿命化するために、板状の放電電極(27)の両面を絶縁性の誘電体(29)で覆った帯電装置(2)が記載されている。また、特許文献1には、放電電極(27)の露出部分をクリーニングするクリーニング部材(39)も記載されている。
特許文献2(特開2004−198909号公報)には、放電生成物による板状グリッド表面の錆の発生を防止するために、板状グリッド(123)のグリッド基材の表面に、グラファイトを含む導電性塗料スプレー法で均一に塗布して、導電層を形成する技術が記載されている。
【0004】
特許文献3(特開2005−227470号公報)には、感光体の帯電器下の画像濃度変化や画像ムラ等の画像欠陥の発生を抑えるために、コロナ放電器の制御電極の基材表面に、グラファイト粒子およびニッケル粒子、アルミニウム化合物粒子のいずれかまたは複数からなる導電性粒子を含む導電性被膜を形成する発明が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−268334号公報(「0031」〜「0033」、「0041」〜「0042」、図1、図2)
【特許文献2】特開2004−198909号公報(「0010」、「0026」〜「0038」、「0041」〜「0042」)
【特許文献3】特開2005−227470号公報(「0020」〜「0024」、「0073」、「0083」、「0087」、〜「0042」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述の事情に鑑み、放電時の放電生成物による帯電不良を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために請求項1に記載の発明の放電器は、
被帯電体に対向して配置された放電電極部材と、
前記放電電極部材に対向して配置された対向電極部材と、
前記放電電極部材と前記対向電極部材との間に放電を発生させる放電電圧を印加する電源回路と、
を有し、前記対向電極部材の表面に炭素原子、または炭素原子と所望の他の原子あるいは他の複数原子を主成分として、炭素原子によるSP3構造を有する被覆材で被覆した層を成膜したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放電器において、
前記放電電極部材に対向する側の表面にのみ前記被覆材で被覆した層が成膜された前記対向電極部材、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の放電器において、
前記放電電極部材に対向する側の表面と、前記被帯電体に対向する裏面とに前記被膜材の層が成膜された前記対向電極部材を備え、
前記放電電極部材に対向する側の表面に被覆した前記被覆材の層厚は、裏面に被覆した前記被覆材の層厚に比較して厚く被覆したこと特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の放電器において、
前記被帯電体側が開放され且つ前記放電電極部材の周囲を囲む包囲電極部材と、前記包囲電極部材の前記被帯電体側の開放された部位に対応して配置された網状電極部材と、を有する前記対向電極部材、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の放電器において、
前記対向電極部材の内部を通過する気体流路に沿って気体を移送する気体移送装置、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の放電器において、
前記対向電極部材の表面を清掃する電極清掃部材、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の放電器において、
電圧が印加される通電部を有する前記対向電極部材と、
前記対向電極部材の表面に、窒素原子、クロム原子、チタン原子のいずれかまたは複数が炭素原子に添加され、且つ炭素原子によるSP3構造を有する前記被覆材と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の像保持体ユニットは、
画像を表面に保持して回転する被帯電体としての像保持体と、
請求項1ないし7のいずれかに記載の放電器により構成された帯電器と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項9に記載の発明の画像形成装置は、
画像を表面に保持して回転する被帯電物としての像保持体と、
請求項1ないし7のいずれかに記載の放電器により構成された帯電器と、
前記帯電器により帯電された像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体表面に形成された潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記技術的課題を解決するために、請求項10に記載の発明の放電器は、
被帯電体に対向して配置された放電電極部材と、
前記放電電極部材に対向して配置された対向電極部材と、
前記放電電極部材と前記対向電極部材との間に放電を発生させる放電電圧を印加する電源回路と、
を有し、前記対向電極部材に炭素原子、または炭素原子と所望の他の原子あるいは他の複数原子を主成分として、炭素原子によるSP3構造を有する被覆材で被覆した層を成膜すると共に、前記電源回路が印加した放電電圧が通電される通電部は前記被覆材で被覆しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、炭素原子によるSP3構造を有する被覆材の層に放電生成物が吸着・蓄積されたり、酸化することを低減することができ、放電時の放電生成物による帯電不良を低減することができる。
請求項2記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、放電生成物が発生する放電電極部材側の表面での放電生成物による酸化等を効率的に低減できる。
請求項3記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、耐磨耗性および耐酸化性のあるテトラヘデラルアモルファスカーボンの層に放電生成物が吸着等することを低減できる。
請求項4記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、網状電極部材により被帯電体が均一に帯電できる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、気体流路に沿って移送される気体により対向電極部材内部に滞留したり対向電極部材に付着した放電生成物を効率的に排気でき、前記請求項1の効果を更に向上させ、放電生成物の再放出による被帯電体の表面の劣化をも低減することができる。
請求項6記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、機械的強度の高いテトラヘデラルアモルファスカーボンの表面層を清掃部材で清掃できると共に、清掃時に表面層の破損を低減でき、放電器を長寿命化できる。
請求項7記載の発明によれば、炭素以外の原子が添加されることで、対向電極部材の耐酸化性や導電性を使用条件に応じて調整することができ、対向電極部材に設けられた通電部における電気抵抗値を適正化することができる。
【0019】
請求項8記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、放電生成物による帯電器の性能の低下を低減でき、像保持体表面の劣化や帯電不良を低減することができる。
請求項9記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、放電生成物による帯電器の性能の低下を低減でき、像保持体表面の劣化や帯電不良に起因する白筋や像流れ等の画質低下を低減することができる。
請求項10記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、通電部における電気抵抗が高くなることを低減でき、放電電圧の印加を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、画像形成装置Uは、操作部の一例としてのユーザインタフェースUI、画像情報入力装置の一例としてのイメージ入力装置U1、給紙装置U2、画像形成装置本体U3、および用紙処理装置U4を有している。
【0022】
前記ユーザインタフェースUIは、コピースタートキー、コピー枚数設定キー、テンキー等の入力キーおよび表示器UI1を有している。
前記イメージ入力装置U1は、自動原稿搬送装置および画像読取装置の一例としてのイメージスキャナ等により構成されている。図1において、イメージ入力装置U1では、図示しない原稿を読取って画像情報に変換し、画像形成装置本体U3に入力する。
給紙装置U2は複数の給紙部の一例としての給紙トレイTR1〜TR4、前記各給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録用紙Sを取り出して画像形成装置本体U3に搬送する給紙路SH1等を有している。
【0023】
図1において、画像形成装置本体U3は、前記給紙装置U2から搬送された記録用紙Sに画像記録を行う画像記録部、トナーディスペンサー装置U3a、および用紙搬送路SH2、用紙排出路SH3、用紙反転路SH4、用紙循環路SH6等を有している。なお、前記画像記録部については後述する。
また、画像形成装置本体U3は、制御部C、および、前記制御部Cにより制御される潜像書込装置駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路D、前記制御部Cにより制御される電源回路E等を有している。制御部Cにより作動を制御されるレーザ駆動回路Dは、前記イメージ入力装置U1から入力されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の画像情報に応じたレーザ駆動信号を所定のタイミングで、各色の潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。
前記各色の潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの下方には、像形成ユニット用引出部材U3bが左右一対の案内部材R1,R1により、画像形成装置本体U3の前方に引き出された引出位置と画像形成装置本体U3内部に装着された装着位置との間で移動可能に支持されている。
【0024】
図2は像保持体ユニットおよび現像器を有する可視像形成装置の説明図である。
図1、図2において、黒の像保持体ユニットUKは、像保持体の一例としての感光体ドラムPk、帯電器CCk、および像保持体用清掃器の一例としてのクリーナCLkを有している。なお、実施例1では、前記クリーナCLkは、クリーナユニットにより構成されている。そして、他の色(Y,M,C)の像保持体ユニットUY,UM,UCも、感光体ドラムPy,Pm,Pc、放電器の一例としての帯電器CCy,CCm,CCc、クリーナCLy,CLm,CLcを有している。なお、実施例1では、使用頻度の高く表面の磨耗が多いK色の感光体ドラムPkは、他の色の感光体ドラムPy,Pm,Pcに比べて大径に構成され、高速回転対応および長寿命化がされている。
前記各像保持体ユニットUY,UM,UC,UKと現像ロールR0(図2参照)を有する現像器GY,GM,GC,GKとによりトナー像形成部材(UY+GY),(UM+GM),(UC+GC),(UK+GK)が構成されている。前記像形成ユニット用引出部材U3b(図1参照)には、前記像保持体ユニットUY,UM,UC,UKおよび現像器GY,GM,GC,GKが着脱可能に装着される。
【0025】
図1において、感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkは、それぞれ帯電器CCy,CCm,CCc,CCkにより一様に帯電された後、前記潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkによりその表面に静電潜像が形成される。前記感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面の静電潜像は、現像器GY,GM,GC,GKによりY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の色のトナー像に現像される。
【0026】
感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面上のトナー像は、一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色画像、いわゆる、カラー画像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラー画像は、2次転写領域(画像記録位置)Q4に搬送される。
なお、黒画像データのみの場合はK(黒)の感光体ドラムPkおよび現像器GKのみが使用され、黒のトナー像のみが形成される。
1次転写後、感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面の残留トナーは感光体ドラム用のクリーナCLy,CLm,CLc,CLkによりクリーニングされる。
【0027】
前記像形成ユニット用引出部材U3bの下方には、中間転写体用引出部材U3cが画像形成装置本体U3の前方に引き出された引出位置と画像形成装置本体U3内部に装着された装着位置との間で移動可能に支持されている。前記中間転写体用引出部材U3cにより、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが、前記感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkの下面に接触する上昇位置と前記下面から下方に離れた下降位置との間で昇降可能に支持されている。
前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)と、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kとを有している。ベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)は、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張力付与部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRfおよび二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aを有する。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
【0028】
前記バックアップロールT2aの下方には2次転写ユニットUtが配置されている。2次転写ユニットUtの二次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bは、前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに離隔および接触可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、前記バックアップロールT2aには電圧印加用接触部材の一例としてのコンタクトロールT2cが当接しており、前記ロールT2a〜T2cにより2次転写器T2が構成されている。
前記コンタクトロールT2cには制御部Cにより制御される電源回路から所定のタイミングでトナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
【0029】
前記ベルトモジュールBM下方には用紙搬送路SH2が配置されている。前記給紙装置U2の給紙路SH1から給紙された記録用紙Sは、前記用紙搬送路SH2に搬送され、給紙時期調節部材の一例としてのレジロールRrにより、トナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、媒体案内部材SGr、転写前媒体案内部材SG2を通って2次転写領域Q4に搬送される。
なお、媒体案内部材SGrはレジロールRrとともに、画像形成装置本体U3に固定されている。
前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2により前記記録用紙Sに転写される。なお、フルカラー画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録用紙Sに2次転写される。
【0030】
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLBにより清掃、すなわち、クリーニングされる。なお、前記2次転写ロールT2BおよびベルトクリーナCLBは、中間転写ベルトBと離隔および接触可能に支持されている。
前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1k、中間転写ベルトB、二次転写器T2、ベルトクリーナCLB等により、感光体ドラムPy〜Pk表面の画像を記録用紙Sに転写する転写装置(T1+B+T2+CLB)が構成されている。
【0031】
トナー像が2次転写された前記記録用紙Sは、転写後媒体案内部材SG2、定着前媒体搬送部材の一例としての用紙搬送ベルトBHを通って定着装置Fに搬送される。前記定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが圧接する領域により定着領域Q5が形成されている。
前記記録用紙S上のトナー像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。前記定着装置Fの下流側には搬送路切替部材GT1が設けられている。前記搬送路切替部材GT1は用紙搬送路SH2を搬送されて定着領域Q5で加熱定着された記録用紙Sを、用紙処理装置U4の用紙排出路SH3または用紙反転路SH4側のいずれかに選択的に切り替える。前記用紙排出路SH3に搬送された用紙Sは、用紙処理装置U4の用紙搬送路SH5に搬送される。
【0032】
用紙搬送路SH5の途中には、カール補正装置U4aが配置されており、前記用紙搬送路SH5には搬送路切替部材の一例としての切替ゲートG4が配置されている。前記切替ゲートG4は、前記画像形成装置本体U3の用紙搬送路SH3から搬送された記録用紙Sを、湾曲、いわゆる、カールの方向に応じて、第1カール補正部材h1または第2カール補正部材h2のいずれかの側に搬送する。前記第1カール補正部材h1または第2カール補正部材h2に搬送された記録用紙Sは、通過時にカールが補正される。カールが補正された記録用紙Sは、排出部材の一例としての排出ロールRhから用紙処理装置U4の排出部の一例としての排出トレイTH1に用紙の画像定着面が上向きの状態、いわゆる、フェイスアップ状態で排出される。
【0033】
前記搬送路切替部材GT1により画像形成装置本体U3の前記用紙反転路SH4側に搬送された用紙Sは、弾性薄膜状部材により構成された搬送方向規制部材、いわゆる、マイラーゲートGT2を押しのける形で通過して、画像形成装置本体U3の前記用紙反転路SH4に搬送される。
前記画像形成装置本体U3の用紙反転路SH4の下流端には、用紙循環路SH6および用紙反転路SH7が接続されており、その接続部にもマイラーゲートGT3が配置されている。前記切替ゲートGT1を通って用紙搬送路SH4に搬送された用紙は、前記マイラーゲートGT3を通過して前記用紙処理装置U4の用紙反転路SH7側に搬送される。両面印刷を行う場合には、用紙反転路SH4を搬送されてきた記録用紙Sは、前記マイラーゲートGT3をそのまま一旦通過して、用紙反転路SH7に搬送された後、逆方向に搬送、いわゆる、スイッチバックさせられると、マイラーゲートGT3により搬送方向が規制され、スイッチバックした記録用紙Sが用紙循環路SH6側に搬送される。前記用紙循環路SH6に搬送された記録用紙Sは前記給紙路SH1を通って前記転写領域Q4に再送される。
【0034】
一方、用紙反転路SH4を搬送される記録用紙Sを、記録用紙Sの後端がマイラーゲートGT2を通過後、マイラーゲートGT3を通過する前に、スイッチバックすると、マイラーゲートGT2により記録用紙Sの搬送方向が規制され、記録用紙Sは表裏が反転された状態で用紙搬送路SH5に搬送される。表裏が反転された記録用紙Sは、カール補正部材U4aによりカールが補正された後、前記用紙処理装置U4の用紙排出トレイTH1に、用紙Sの画像定着面が下向きの状態、いわゆる、フェイスダウン状態で排出することができる。
前記符号SH1〜SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH、GT1〜GT3で示された要素により用紙搬送装置SUが構成されている。
【0035】
(帯電器の説明)
図3は本発明の実施例1の帯電器の斜視説明図である。
図4は本発明の実施例1の帯電器の要部断面説明図であり、図4Aは帯電器の右側の要部説明図、図4Bは帯電器の左側の要部説明図である。
図3,図4において、実施例1の帯電器CCy〜CCkは、前後方向に延び、感光体ドラムPr〜Pk側が開放されたコの字形の包囲電極部材の一例としてのシールド電極1を有する。前記シールド電極1は、上壁2と、上壁2の左右両側から下方に延びる左側壁3および右側壁4を有する。
前記上壁2の左側には、前後方向に延びる給気口2aが形成されている。前記上壁2の前端部には、ばね用爪部2bが形成され、後端部には、端部材用抜け止め孔2cが形成されている。図4Bにおいて、前記左側壁3の後端部には、対向電極端子3aが形成されており、画像形成装置Uの電源回路Eから所定の対向電極電圧が印加される。なお、図3では、装着用保護部材の一例としての後側カバー5が取り外された状態の帯電器CCy〜CCkが図示されている。
【0036】
図3において、前記シールド電極1の前端部には、前側端部材6が固定支持されている。前記前側端部材6の後端部右側には、右方に突出する前側回転軸支持部6aが形成されている。前記前側端部材6の前側には、左右外側に突出する一対のばね装着部6bが形成されている。なお、図3では、右側のばね装着部6aのみ図示している。前記ばね装着部6bには、網状電極張架用ばね7が装着されている。前記網状電極張架用ばね7は、上部に爪引っ掛け部7aを有し、上壁2と前側端部材6との間の空間に爪引っ掛け部7aを進入させて、前記ばね用爪部2bに引っ掛けることが可能である。また前記網状電極張架用ばね7は、下部に電極用爪部7bが形成されている。
【0037】
図3,図4において、シールド電極1の後端部には、後側端部材8が固定支持されている。前記後側端部材8は、左右両側壁3,4に形成された図示しない前側移動規制溝に装着される図示しない突起部と、前記端部材用抜け止め孔2cに引っ掛かる爪部材8aとにより、シールド電極1の後端部に固定支持されている。前記後側端部材8の右側には、前記前側回転軸支持部6aに対応して、右方に突出する後側回転軸支持部8bが形成されている。前記後側端部材8の後端部には、放電電極端子用保護部8cおよび対向電極端子3aを保護する対向電極端子用保護部8dとが、後方に突出して形成されている。前記後側端部材8の下部には、下方に突出する網状電極一端支持部8eが形成されている。さらに、図4A、図4Bにおいて、後側端部材8には、シールド電極1の内部に突出する一対の放電清掃押付け解除部8fが形成されている。
【0038】
図4において、前後一対の端部材6,8の間には、シールド電極1内で、前後方向に延びる放電電極部材11が張架された状態で支持されている。実施例1では、前記放電電極部材11は、直径40[μm]、長さ396.2±0.7[mm]のタングステン製の部材により構成されているが、前記各数値や材料は設計等に応じて任意に変更可能である。すなわち、放電電極として使用可能な任意の材料、例えば、タングステンやモリブデン、タンタル、金メッキ等を使用することが可能である。前記放電電極部材11は、放電電極端子用保護部8c内部に収容される図示しない電極端子が後端部に設けられており、画像形成装置Uの電源回路Eから電源が供給される。実施例1では、放電電極部材11に供給される電源は、定電流制御されており、700[−μA]が供給されるが、設計等に応じて定電流制御や定電圧制御は変更可能であり、また、供給される電流値、電圧値も適宜変更可能である。
【0039】
図5は本発明の実施例1の網状電極部材の説明図である。
図3〜図5において、前記端部材6,8の間には、前記シールド電極1の下側の開口位置、すなわち、像保持体Py〜Pkの対向領域である帯電領域に網状電極部材12が支持されている。前記網状電極部材12は、中央の網部12aと、前記網部12aを囲む枠部12bと、前記枠部12bの前側に形成された前側被支持部12cと、枠部12bの後側に形成された後側被支持部12dとを有する。前記前側被支持部12cの前端には、前記網状電極張架用ばね7の電極用爪部7bに対応して形成された左右一対の爪引っ掛け孔12c1が形成されており、実施例1の爪引っ掛け孔12c1は通電部の機能も有している。前記後側被支持部12dには、前記網状電極一端支持部8eに装着される装着孔12d1が形成されている。したがって、実施例1の網状電極部材12は、網状電極一端支持部8eに装着孔12d1が固定され且つ網状電極張架用ばね7に装着されるため、網状電極張架用ばね7により、所定の張力で張架された状態で支持される。
【0040】
また、網状電極部材12は、導電性の網状電極張架用ばね7を介して前記シールド電極1に電気的に接続されており、網状電極部材12とシールド電極1とにより実施例1の対向電極部材(1+12)が構成されている。なお、実施例1では、対向電極部材(1+12)には、温度や湿度等の環境により印加される電圧が変更及び制御されるが−700[V]〜−800[V]程度の対向電極電圧が印加される。
図5において、実施例1の網状電極部材12は、ステンレスにより構成されており、その放電電極11に対向する面には、膜厚0.05[μm]のテトラヘデラルアモルファスカーボンによる表面層が成膜、すなわち、コーティングがされている。なお、以下、テトラヘデラルアモルファスカーボンは、簡略化してta−Cと記載する。ここで、前記網状電極部材12は、網部12a、枠部12bの内面にのみ、すなわち、放電電極部材11に対向する面に、ta−Cによる表面層が成膜されている。前記ta−Cは、膜厚により異なるが体積抵抗率が10[Ω・cm]〜1010[Ω・cm]程度の半導電性であり、導電体に比べて電気抵抗が少し高いため、網状電極部材12の全面ではなく、放電生成物による問題が顕著となる一部の面にのみ形成されている。すなわち、網状電極部材12に電源が供給される通電部の一例としての爪引っ掛け部12c1の部分の電気抵抗が高まることを抑えるため、前側被支持部12cには、ta−Cによる表面層は形成されていない。
【0041】
なお、本実施例では、放電電極部材11に対向する面にのみta−Cによる表面層が成膜されているが、放電生成物の付着や再放出をさらに抑制するために、網状電極部材12の両面に成膜することも可能である。この場合に、放電電極部材11に対向する面に成膜されたta−Cによる表面層の厚みを、像保持体Py〜Pkに対向する面に成膜されたta−Cによる表面層の厚みに対して厚くしても良い。すなわち、放電電極部材11に対向する面では、放電生成物の量が多く、いわゆる、放電によるスパッタリングが起こりやすく、所定の膜厚以上にする必要があるが、対向していない裏面では、放電生成物の量やスパッタリングによる負荷が少ないため、膜厚を薄くてもよく、製造上の成膜時間や原材料の削減でき、費用の低減が可能となる。すなわち、表面と裏面とでta−Cによる表面層を、異なる膜厚とすることが可能である。
【0042】
なお、前記網状電極部材12への炭素原子によるSP3構造を主構造とするta−C薄膜の成膜は、炭素原子、または炭素原子と所望の他の原子あるいは他の複数原子をプラズマ化し、イオン化された原子を前記網状電極部材12表面に付着させて、形成した。前記ta−C薄膜として、導電性や耐磨耗性の観点から、SP3構造が40%〜85%程度とすることが好適である。例えば、FCVA技術、すなわち、Filtered Cathodic Vacuum Arc Technologyにより行うことが可能である。前記FCVA技術自体は従来公知、例えば、帯電器ではないが、磁気ディスクに耐磨耗膜を形成する特開2001−195717号公報や現像ロール表面に耐磨耗膜を形成する特開2005−173141号公報等があるため、詳細な説明は省略する。
【0043】
図3,図4において、シールド電極1の外側の右部では、前後一対の回転軸支持部6a、8bの間に、前後方向に延びる回転軸16が回転可能に支持されている。前記回転軸16の後部は、前記後側回転軸支持部8bを貫通して後方に延びており、後端部には、図示しないギアが装着され、図示しないモータから回転が伝達される。前記回転軸16の外周には、螺旋状のねじ山16aが形成されている。
前記シールド電極1および網状電極部材12の内側には、電極清掃部材17が収容されている。前記電極清掃部材17は、清掃部材本体18と、前記清掃部材本体18に固定支持された網状電極清掃体19と、清掃部材本体18に移動可能に支持された放電電極清掃体21とを有する。前記清掃部材本体18は、上部に前記給気口2aを介して上方に配置されて上壁2を挟み込む形状の上壁挟み部18aと、右側壁4と網状電極部材12の枠部12bとの間の隙間を通じて下方に延び、右側壁4を回り込んで前記回転軸16まで延びる移動伝達部18bとを有する。前記移動伝達部18bの先端には、前記回転軸16のねじ山16aにネジ嵌合するネジ嵌合部18cが形成されている。なお、図4において、清掃部材本体18には、上壁2との間に、摩擦抵抗を減らすための接触突起18dが形成されている。
【0044】
前記網状電極清掃体19は、網状電極部材12の枠部12bを挟む枠部挟み部19aと、前記網状電極部材12の内面に接触する網状電極清掃部19bとを有する。前記網状電極清掃部19bは、多数の清掃用の毛が植毛されており、いわゆる清掃ブラシにより構成されている。前記網状電極清掃部19bの下方には、下方に突出する位置規制部19cが形成されている。
前記位置規制部19cの下側に配置された前記放電電極清掃体21は、放電電極清掃体本体21aと、放電電極清掃体本体21aに支持され且つ放電電極11に接触して清掃する放電電極清掃部21bとを有する。実施例1の放電電極清掃部21bは、布状の材料により構成されている。前記放電電極清掃体本体21aは、図示しないばねにより、放電電極清掃部21bが放電電極11に押付けられる方向に付勢されており、前記放電電極清掃体本体21aが前記位置規制部19cにより位置が規制され、放電電極清掃部21bが放電電極11に所定の力で押し当てられている。
【0045】
したがって、前記回転軸16を正回転または逆回転させることにより、前記前記移動伝達部18bが前方または後方に移動し、電極清掃部材17は上壁挟み部18aや枠部挟み部19aにより案内、すなわち、ガイドされて前後方向に移動する。前記電極清掃部材17の移動に伴って、網状電極清掃部19bおよび放電電極清掃部21bにより、網状電極部材12および放電電極部材11が清掃される。なお、実施例1では、5000枚印刷毎、すなわち、5kPV毎に、モータが駆動して、電極清掃部材17による清掃が自動的に実行されるように構成されている。
なお、実施例1では、電極清掃部材17が、図3に示す待機位置に移動した状態では、後側端部材8の放電清掃押付け解除部8fが、放電電極清掃体本体21aと位置規制部19cとの間に進入して、放電電極清掃部21bが放電電極11から離隔した状態に保持されると共に、電極清掃部材17が前方に移動することで、放電電極押付け解除部8fが放電電極清掃体本体21aと位置規制部19cとの間から離脱するように構成されている。このため、電極11,12の清掃動作が終了し、画像形成動作が行われる場合には、前記待機位置に移動することで放電電極11は所定の位置にセットされ、安定した放電が可能となると共に、清掃動作時には放電電極押付け解除部8fが離脱して放電電極清掃部21bが放電電極11に押し当てられて清掃される。
【0046】
図2において、実施例1の画像形成装置Uでは、帯電器CCy〜CCkの上方には、空気流出口31を有する第1空気流路D1が配置され、現像器GY〜GKの上方には空気排出口32を有する第2空気流路D2が配置されている。画像形成装置U内部には、図示しない気体移送装置の一例としての送風機が配置されており、前記空気流出口31から流出した空気は、給気口2aを介して、帯電器CCy〜CCkの内部を通過し、空気排出口32に流入して、清浄器、いわゆるフィルターで清浄化されて外気に放出される。このとき、実施例1では、効率的に帯電器CCy〜CCk内部の空気が入れ換えが行われるように、空気排出口32から離れた側である左側に前記給気口2aが形成されている。すなわち、給気口2aが右側に形成された場合には、帯電器CCy〜CCk内部の左側の空気が滞留して入れ換えられにくいが、左側に形成することで、効率的な空気の入れ換えが実現されている。
【0047】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例1の画像形成装置Uでは、放電電極部材11と対向電極部材(1+12)とに電圧が印加されることで、電位差が発生すると、放電が発生し、感光体ドラムPy〜Pk表面が帯電される。実施例1では、前記網状電極部材12により電荷が一様に感光体ドラムPy〜Pkに供給され、一様に帯電される。
帯電器CCy〜CCkでの放電時に、帯電器CCy〜CCk内部には、オゾンOや窒素酸化物NO等の放電生成物が発生する。これら放電生成物がシールド電極1や網状電極部材12に付着するか、または放電生成物と前記網状電極部材12が反応し、金属酸化物、いわゆる、錆となる。前記酸化物付着または錆が発生すると、前記酸化物等が絶縁物であるため、帯電性の異常が発生する恐れがあり、特に網状電極部材12に錆が発生すると帯電を均一化する能力が低下するが、実施例1では、耐酸化性があり反応性が低いta−Cの表面層により、網状電極部材12の錆の発生が低減される。このとき、実施例1の帯電器CCy〜CCkには、給気口2aから空気が給気され、内部の空気が入れ替えられる際に、帯電器CCy〜CCk内部の放電生成物や、網状電極部材12に付着して反応していない放電生成物が空気と共に排出される。
【0048】
(実験例)
以下、実施例1の構成に基づいて行った実験の結果を以下に示す。
(実験1)
実験1では、ta−Cの表面層を設けない従来の構成について、副走査方向の帯電不良に起因する筋状の画像欠陥の発生の有無を検証した。
実験は、先ず、ta−Cを設けない従来技術について、富士ゼロックス株式会社製のDC5000を使用して、ハーフトーン画像を印刷する実験を行った。実験は、比較例1が21℃10%RHの中温低湿環境のみで実験を行い、比較例2、3、4については、同一の機種で、場所と日時を変えて様々な環境下で実験を行った。なお、比較例2〜4の実験を行った環境は、28℃85%RHの高温高湿(以下、「A Zone」と記載)、22℃55%RHの中温中湿(以下、「B Zone」)、10℃15%RHの低温低湿(以下、「C Zone」)、21℃10%の中温低湿、(以下、「J Zone」)、であった。すなわち、比較例1〜4の実験は、各環境における実験データの数を増やすために行ったものと見なすこともできる。
【0049】
また、比較例5として、J Zoneで印刷を行って、画像欠陥の程度、すなわち、グレードが2.5になったところで、C Zoneに環境を変更して、環境変化によりグレードがどのように変化するかの実験も行った。
前記比較例1〜5において、画像に発生した白筋、すなわち、筋状の画像欠陥について、目視で確認して、グレードを付与した。確認できない場合、すなわち、画質劣化がない場合にグレード0と評価し、白筋が目立つほど、すなわち、画質が悪くなるほど高いグレードとし、0.5刻みで評価を行いグレードが2.0以下を合格とし、グレード2.5以上を不合格とした。なお、仮の条件として、帯電器の寿命を200kPVに設定して実験を行った。実験結果を図6に示す。
【0050】
図6は実施例1の実験1の実験結果の説明図であり、図6Aは横軸に印刷枚数を取り縦軸に白筋のグレードを取った比較例1〜4の実験結果のグラフ、図6Bは横軸に印刷枚数を取り縦軸に白筋のグレードを取った比較例5の実験結果のグラフである。
図6Aにおいて、比較例1〜4の結果から、ta−Cの表面層を設けない従来技術の場合、A Zone、B Zone、C Zoneでは、白筋の画像欠陥が発生しなかったが、J Zoneでは、白筋の画像欠陥が発生し、印刷枚数が多くなるほど、悪化していくことが確認された。なお、このとき、白筋が発生した部分の感光体ドラムPy〜Pkの表面電位VHを測定すると、白筋が発生しなかった部分の表面電位に比べて20〜30V高いことが確認された。これは、放電時に網状電極部材12表面が放電生成物等による酸化や現像剤に含まれる外添剤の付着により絶縁化して、絶縁化した場所に対応する位置で表面電位VHが上昇ためと推定される。
また、比較例5の結果から、J Zoneのみでは、100kPV、すなわち、10万枚の印刷で不合格となることがわかると共に、白筋の画像欠陥が発生後にC Zoneに変更しても改善も悪化も見られないことが確認された。なお、環境をJ ZoneからA ZoneまたはB Zoneに変更する場合には、図6Aの比較例4の結果から、A ZoneやB Zoneに変更後、白筋が発生しなくなり、すなわちグレードが0となった。これらのことから、特に、J Zoneにおいて白筋の画像欠陥が発生しやすいことが確認された。
【0051】
図7は実験例2の実験結果の説明図である。
(実験2)
実験2では、前記実験1の結果から、白筋を改善する方法について検討した実験を行った。以下の比較例6〜11および実験例1では、前記実験1の場合と同様に、富士ゼロックス株式会社製のDC5000を使用して、ハーフトーン画像を印刷する実験を行った。
比較例6では、電極清掃部材17による清掃間隔、すなわち、クリーニング間隔を5kPVから3kPVとして電極部材1,11,12をこまめに清掃するようにしたが、J Zoneで120kPVの時点で、グレードが2.5となり、比較例1〜5に対して改善効果が見られなかった。
比較例7では、清掃ブラシ、すなわち網状電極清掃部19bのブラシの網状電極部材12への食い込み量を0.5mm大きくして清掃能力を高めたが、50kPVの時点で、グレードが2.0〜2.5となり、比較例1〜5に対して改善効果が見られなかった。
【0052】
比較例8では、網状電極部材清掃部19bに清掃ブラシに加えて、研磨シートを追加して清掃能力を高めたが、50kPVの時点で、グレードが2.0〜2.5となり、比較例1〜5に対して改善効果が見られなかった。
比較例9では、空気流出口31から給気される空気の量を変更せず、空気排出口32から排気される量を1/2としたが、100kPVの時点で、グレードが2.5となり、比較例1〜5に対して改善効果が見られなかった。
比較例10では、現像器GY〜GKの上流側に密閉部材、すなわち、シール部材を設けて、現像器GY〜GKから現像剤が流れ込むことを防止したが、50kPVの時点で、グレードが2.0となり、比較例1〜5に対して改善効果が見られなかった。但し、比較例10では、後側のみグレードは良化したが、前後方向、すなわち、走査方向の画像濃度の差が大きくなる問題が発生した。
【0053】
比較例11では、第1空気流路D1の形状を変更して、空気の流速が、前後方向に対して、最小が0.04m/s、最大が0.6m/sとばらついていたものを、最小が0.33m/s、最大が0.68m/sとし、前後方向に対して空気の流速のばらつきを少なくしたが、50kPVの時点で、グレードが1.5となり、比較例1〜5に対して少し改善された程度であった。なお、比較例11では、後側のみグレードが悪く、中央部はグレードが良化していた。
実験例1では、網状電極部材12の放電電極部材11側の表面にta−Cの表面層を製麻櫛、防錆性を高めた。このとき、J Zoneで206kPV印刷してもグレードが0〜0.5であり、比較例1〜5に対して大きな改善効果が見られた。
【0054】
(実験3)
実験3では、網状電極部材12に形成されたta−Cの表面層の厚みの適正値について検討するための実験を行った。実験は、ta−Cの層厚と、そのときの放電電極部材11に供給する電流値と感光体ドラムPy〜Pk表面の帯電電位VHとの関係、5kpv毎の電極清掃部材17による摺擦に対する表面層の機械的な強度、前記DC5000を使用して且つJ Zoneでハーフトーン画像の印刷を実行した場合の白筋の発生について実験を行った。実験例2では層厚を100Å=10nmとし、実験例3では500Å=50nmとし、実験例4では1000Å=0.1μmとし、実験例5では10000Å=1μmとした。図8Aに実験結果を示す。また、放電電極部材11に供給する電流値と感光体ドラムPy〜Pk表面の帯電電位VHとの関係については、実験例2〜5に加え、実験例6として、網状電極部材12の両面に500Å=50nmのta−C表面層を形成したものについても実験を行った。実験結果を図8Bに示す。
【0055】
図8は実験3の実験結果の説明図であり、図8Aは実験結果の一覧表、図8Bは電気特性の実験結果のグラフである。
図8Aにおいて、実験例2〜4の実験結果から、導電体に比べて体積抵抗率が大きなta−Cの膜厚が100Å〜1000Åであれば、感光体ドラムPy〜Pk表面の帯電電位VHを、ta−Cの表面層がない比較例1の場合と同程度とすることができ、その他の部材について設計変更等することなく、そのまま組み込むことができることが確認された。また、網状電極清掃部19bにより摺擦に対する機械的な強度も高く、金メッキ等に比べて、表面層が剥離、破損等することもないことが確認された。さらに、J Zoneで、製品寿命である200kpv以上動作させても白筋が発生することが無いことも確認された。なお、実験例4については実機での実験を省略した。
【0056】
図8A、図8Bにおいて、実験例5では、ta−Cの層厚が厚くなりすぎたため、抵抗値が大きくなり、感光体ドラムPy〜Pk表面の帯電電位VHが10V程度低下することが確認されたが、機械的な強度や白筋の発生については問題がなかった。すなわち、実験例5では、表面電位VHについて、従来よりも10V高くなるように電源回路Eの制御をすることで、白筋の発生を防止できることが確認された。
図8A、図8Bにおいて、実験例6では、電気的な特性も実験例2〜4と同様の結果が得られることがわかった。また、放電電極部材11側の表面に放電生成物が付着しやすいので、両面にta−C層を形成しても、機械的な特性は、網状電極清掃部19bが上面側に配置されているため実験例3と同様の結果となり、実機での使用も同様の結果となった。
【実施例2】
【0057】
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
実施例2の帯電器CCy〜CCkでは、網状電極部材12だけでなく、シールド電極1の内面にもta−Cの表面層を形成した以外は、実施例1の場合と同様に構成されている。
【0058】
(実施例2の作用)
図9は感光体が低抵抗化する原理の説明図であり、図9Aは放電開始時の説明図、図9Bは放電継続中の状態の説明図、図9Cは放電終了後に窒素酸化物が放出される状態の説明図、図9Dは感光体が低抵抗化した状態の説明図である。
図9において、ta−Cの表面層が形成されていない従来の帯電器01のシールド電極02では、図9Aに示すように、放電電極03の放電によりにオゾンOやNO,NO,NO等の窒素酸化物が発生する。このうちオゾンOはNOと反応しやすく、NO,NOに変化しやすく、検出されにくい。図9Bにおいて、放電中、すなわち、画像形成動作中に生成されたNO,NO,NOは、シールド電極02や網状電極部材04に付着したり、濃度が上昇すると固体であるNに変化して付着する。Nに変化すると、画像形成動作中はNO,NOの濃度が高いため、NO,NOに戻りにくい。
【0059】
図9Cにおいて、画像形成動作が終了すると、ガスの拡散に伴ってNO,NOの濃度が低下する。NO,NOの濃度が低下すると、NがNO,NOに戻り、帯電器01内に再放出される。放出されたガスは、酸化性が高く、対向する感光体ドラム05表面と反応し、帯電器01に対向した面が軸方向、すなわち、主走査方向に沿って帯状に低抵抗化され、劣化する。図9Dに示すように、感光体ドラム05が主走査方向に沿って帯状に低抵抗化されると、像流れ、いわゆるdeletionが発生し、画像欠陥が発生する。
これに対し、前記構成を備えた実施例2の画像形成装置Uでは、付着、吸着された放電生成物がta−Cにより離れやすいため、空気の流れに伴って、ほとんどの放電生成物が放出、排気される。また、シールド電極1の内面に形成されたta−Cの表面層に、放電生成物が付着しても錆となることが低減され、実施例1と同様の作用を有する。
【0060】
(実験4)
実験4では、ta−Cの表面層を成膜した場合と、成膜しない場合において、放出されるガスがどのように変化するかを測定した。
実験は、まず、帯電器に放電生成物を蓄積し、その後、実機に帯電器を取付けて窒素酸化物の濃度を測定した。帯電器への放電生成物蓄積条件は、帯電器を両端が開放された円筒状のガラス管内に入れ、乾燥空気をガラス管内の一方から、1リットル/分で入れ、もう一方より排出させるようにした。温湿度条件は24℃,3%RHの条件下、放電条件が−400μAで、20時間連続放電を行った。前記放電生成物蓄積条件下で、帯電器に放電生成物を蓄積させた後、J Zone環境下に設置した実機内に、通常配置の状態で帯電器を取り付けた。前記帯電器には、窒素酸化物測定用の管をつけ、150ミリリットルで吸引し、帯電器より放出される窒素酸化物を島津製作所製CLAD−1000で測定した。測定結果を図10に示す。
【0061】
図10は実施例2の実験4の実験結果の説明図であり、図10Aは横軸に時間を取り縦軸に濃度を取った実験例7の実験結果のグラフ、図10Bは横軸に時間を取り縦軸に濃度を取った比較例12の実験結果のグラフである。
図10Aに示すように、実験例7では放電時にNOやNOの濃度が上昇するが、速やかに排気されているため、放電終了後時間が経過しても濃度が高くならない。この結果、シールド電極1から再放出される窒素酸化物が少なくなり、感光体ドラムPy〜Pkが低抵抗化することを低減できる。これに対して、図10Bに示すように、比較例12では、時間の経過と共に、シールド電極1から窒素酸化物が放出されてNOの濃度が上昇していることが確認され、感光体ドラムPy〜Pkが低抵抗化されやすいことが確認された。
【0062】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機に限定されず、プリンタ、FAX等の画像形成装置にも適用可能である。また、カラーの画像形成装置に限定されず、モノクロの画像形成装置にも適用可能である。さらに、タンデム型の画像形成装置に限定されず、ロータリ型の画像形成装置にも適用可能である。
【0063】
(H02)前記実施例において、放電電極部材11は、1本の糸状の部材の場合を例示したが、これに限定されず、2本の糸状の放電電極部材を有する構成等とすることも可能である。
(H03)前記実施例2において、網状電極部材12は省略することが可能である。
(H04)前記実施例において、像保持体としての感光体ドラムPy〜Pkの表面が、窒素酸化物による低抵抗化に耐性のある材料で構成されている場合には、実施例1の構成を採用することが望ましく、耐性の低い材料で構成されている場合には実施例2の構成を採用することが望ましいが、耐性のある材料で構成されている場合に実施例2の構成を採用することも可能である。
【0064】
(H05)前記実施例において、放電器の一例としての帯電器を例示したが、これに限定されず、放電器の他の例としての除電器や補助帯電器等としても使用可能である。
(H06)前記実施例において、空気の流路は実施例記載の構成に限定されず、任意の流路構成とすることも可能である。このとき、給気口2aの位置も流路に応じて変更することも可能である。また、待機時の空気の送風・排出の流量を上げることも可能である。
(H07)前記実施例において、帯電器CCy〜CCkは、像保持体ユニットとして画像形成装置Uに着脱可能に構成したが、この構成に限定されず、画像形成装置Uに固定支持する構成とすることも可能である。
【0065】
(H08)前記実施例において、電極清掃部材17の構成は実施例に例示した構成に限定されず、設計等に応じて任意の構成を採用可能である。例えば、自動で清掃する構成ではなく、利用者が内部を開放して手動で操作部を操作することで電極部材1,11,12が清掃される構成とすることが可能である。また、ブラシや布等の構成も任意の清掃可能な構成、例えば、スポンジ等に変更可能である。さらに、シールド電極1の内周面に接触する清掃部を設けてシールド電極1も清掃可能としたり、枠部挟み部19aの間に清掃部を設けることで網状電極部材12の両面を清掃可能な構成とすることも可能である。
(H09)前記実施例において、ta−Cのみにより構成された表面層を例示したが、帯電器の構成上、例えば、通電部と電極を兼用する場合、網状電極部材に対向電極端子3aのように給電が行われる通電部を設けた場合や、小型で対向電極の抵抗の影響がある場合などは、低抵抗化するために、若干耐酸化性能を落ちるものの、SP3比率を落とし、N、Cr、Ti等をドープ(添加)して導電率や耐酸化性を調整し、炭素原子によるSP3構造を主構造としたta−C膜としたり、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)で成膜したり、使用条件及び目的に応じて、適宜変更しても差し支えない。なお、SP3構造の割合や、薄膜の厚さ、表面、裏面の両方に形成するか、いずれか一面のみに形成するかも、設計等に応じて変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は像保持体ユニットおよび現像器を有する可視像形成装置の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の帯電器の斜視説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例1の帯電器の要部断面説明図であり、図4Aは帯電器の右側の要部説明図、図4Bは帯電器の左側の要部説明図である。
【図5】図5は本発明の実施例1の網状電極部材の説明図である。
【図6】図6は実施例1の実験1の実験結果の説明図であり、図6Aは横軸に印刷枚数を取り縦軸に白筋のグレードを取った比較例1〜4の実験結果のグラフ、図6Bは横軸に印刷枚数を取り縦軸に白筋のグレードを取った比較例5の実験結果のグラフである。
【図7】図7は実験例2の実験結果の説明図である。
【図8】図8は実験3の実験結果の説明図であり、図8Aは実験結果の一覧表、図8Bは電気特性の実験結果のグラフである。
【図9】図9は感光体が低抵抗化する原理の説明図であり、図9Aは放電開始時の説明図、図9Bは放電継続中の状態の説明図、図9Cは放電終了後に窒素酸化物が放出される状態の説明図、図9Dは感光体が低抵抗化した状態の説明図である。
【図10】図10は実施例2の実験4の実験結果の説明図であり、図10Aは横軸に時間を取り縦軸に濃度を取った実験例7の実験結果のグラフ、図10Bは横軸に時間を取り縦軸に濃度を取った比較例12の実験結果のグラフである。
【符号の説明】
【0067】
1…包囲電極部材、
1+12…対向電極部材、
11…放電電極部材、
12…網状電極部材、
17…清掃部材、
CCy,CCm,CCc,CCk…放電器,帯電器、
E…電源回路、
GY,GM,GC,GK…現像器、
Py,Pm,Pc,Pk…被帯電体,像保持体、
ROSy,ROSm,ROSc,ROSk…潜像形成装置、
T1+B+T2+CLB…転写装置、
U…画像形成装置、
UY,UM,UC,UK…像保持体ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被帯電体に対向して配置された放電電極部材と、
前記放電電極部材に対向して配置された対向電極部材と、
前記放電電極部材と前記対向電極部材との間に放電を発生させる放電電圧を印加する電源回路と、
を有し、前記対向電極部材の表面に炭素原子、または炭素原子と所望の他の原子あるいは他の複数原子を主成分として、炭素原子によるSP3構造を有する被覆材で被覆した層を成膜したことを特徴とする放電器。
【請求項2】
前記放電電極部材に対向する側の表面にのみ前記被覆材で被覆した層が成膜された前記対向電極部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の放電器。
【請求項3】
前記放電電極部材に対向する側の表面と、前記被帯電体に対向する裏面とに前記被膜材の層が成膜された前記対向電極部材を備え、
前記放電電極部材に対向する側の表面に被覆した前記被覆材の層厚は、裏面に被覆した前記被覆材の層厚に比較して厚く被覆したこと特徴とする請求項1に記載の放電器。
【請求項4】
前記被帯電体側が開放され且つ前記放電電極部材の周囲を囲む包囲電極部材と、前記包囲電極部材の前記被帯電体側の開放された部位に対応して配置された網状電極部材と、を有する前記対向電極部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の放電器。
【請求項5】
前記対向電極部材の内部を通過する気体流路に沿って気体を移送する気体移送装置、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の放電器。
【請求項6】
前記対向電極部材の表面を清掃する電極清掃部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の放電器。
【請求項7】
電圧が印加される通電部を有する前記対向電極部材と、
前記対向電極部材の表面に、窒素原子、クロム原子、チタン原子のいずれかまたは複数が炭素原子に添加され、且つ炭素原子によるSP3構造を有する前記被覆材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の放電器。
【請求項8】
画像を表面に保持して回転する被帯電体としての像保持体と、
請求項1ないし7のいずれかに記載の放電器により構成された帯電器と、
を備えたことを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項9】
画像を表面に保持して回転する被帯電物としての像保持体と、
請求項1ないし7のいずれかに記載の放電器により構成された帯電器と、
前記帯電器により帯電された像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体表面に形成された潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
被帯電体に対向して配置された放電電極部材と、
前記放電電極部材に対向して配置された対向電極部材と、
前記放電電極部材と前記対向電極部材との間に放電を発生させる放電電圧を印加する電源回路と、
を有し、前記対向電極部材に炭素原子、または炭素原子と所望の他の原子あるいは他の複数原子を主成分として、炭素原子によるSP3構造を有する被覆材で被覆した層を成膜すると共に、前記電源回路が印加した放電電圧が通電される通電部は前記被覆材で被覆しないことを特徴とする放電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−233254(P2008−233254A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69409(P2007−69409)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】