放電灯点灯装置並びに照明器具
【課題】低温環境および高温環境の何れにおいても放電灯から安定した光量を得る。
【解決手段】制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御して無電極放電灯DLへの供給電力を増大する。このため、バルブ51内に封入されているアマルガムの温度が上昇してアマルガムが溶融し、アマルガムからバルブ51内への水銀供給を促進することができる。その結果、低温環境および高温環境の何れにおいても無電極放電灯DLから安定した光量を得ることができる。
【解決手段】制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御して無電極放電灯DLへの供給電力を増大する。このため、バルブ51内に封入されているアマルガムの温度が上昇してアマルガムが溶融し、アマルガムからバルブ51内への水銀供給を促進することができる。その結果、低温環境および高温環境の何れにおいても無電極放電灯DLから安定した光量を得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ内に水銀供給用のアマルガムが封入された放電灯を点灯する放電灯点灯装置並びに照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、放電灯(例えば、蛍光灯)においては、広範な周囲温度で安定した光量を得ることを目的として、バルブ内の水銀蒸気圧を制御するためにアマルガムを用いることが多い。アマルガムは、バルブ内においてアマルガムが配設されている場所の温度の飽和蒸気圧によって放電空間(バルブ)内の水銀蒸気圧を制御する。マクロ的に見ると、放電空間内の水銀蒸気は飽和状態であるからアマルガムの温度が一定であれば変化しないが、ミクロ的に見るとアマルガム表面では水銀原子の出入りが行われている状態で飽和状態が保たれている。放電灯が長時間点灯されると放電空間内の水銀が消費され、その消費量に相当する水銀がアマルガムから放電空間に供給される。一方、アマルガムでは表面から水銀が蒸発すると、水銀の濃度勾配により水銀量が多いアマルガムの内部から水銀が少なくなったアマルガム表面に拡散して水銀を供給する。
【0003】
通常、バルブ内に封入されるアマルガムの量は数十から数百ミリグラム程度であって、水銀含有比率は数%であるが、放電空間内の飽和水銀蒸気圧を維持するために必要な水銀量は数マイクログラムであり、水銀が消費されても寿命末期まで十分な量のアマルガムがバルブ内に封入されている。
【0004】
また、バルブ内に電極を有しない無電極放電灯においても、上述したバルブ内に電極を有する放電灯(以下、「有電極放電灯」と呼ぶ。)と同様にバルブ内の水銀蒸気圧を制御するためにアマルガムを封入したものが提供されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
【0005】
しかしながら、低温環境下での使用や調光点灯のようにバルブ内の温度が十分に上昇しない点灯、あるいはバルブ内の温度が低い箇所にアマルガムが封入されている場合などでは、点灯してもアマルガムが固相状態のままである時がある。このような状態で長時間点灯し続けると、放電空間で消費された水銀を補給するためにアマルガム表面から水銀が蒸発するが、一方でアマルガムが固相状態のままであるために水銀の拡散が遅く、アマルガム内部から表面への水銀の供給に時間がかかり、放電空間に供給すべきアマルガム表面の水銀が不足して光出力が低下するおそれがある。これを防ぐためには、バルブ内に封入されるアマルガム量を増やしてその表面積を大きくする方法があるが、電極を有しないことで有電極放電灯よりも長寿命である無電極放電灯においては、バルブ内に多量のアマルガムを封入する必要があり、地球環境保護の観点からは必要最小限の水銀を用いることが望ましく、多量のアマルガムをバルブ内に封入する上記方法は望ましいものではない。
【0006】
他の方法として、アマルガム内部からアマルガム表面への拡散を促進させるため、バルブ内においてアマルガムの溶融温度以上に達する箇所にアマルガムを配置した無電極放電灯が提供されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平7−272688号公報
【特許文献2】実開平6−5006号公報
【特許文献3】特開2005−197031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3に記載されている従来例では、低温環境下での使用や調光点灯、また、低温環境下での調光点灯等のように放電灯が使用されるあらゆる環境(条件)を想定し、最もアマルガム温度が低くなる条件でアマルガムの溶融温度(通常は100℃程度)以上となるバルブ内の箇所にアマルガムを配置する必要がある。例えば、零下20℃の使用環境で調光点灯した場合でもアマルガムの温度を100℃以上にする必要がある。一方、密閉された空間に放電灯を収納する照明器具が真夏の昼間に定格電力で使用された状態を想定すると、アマルガムの温度は百数十℃以上になることが容易に推測される。アマルガムを用いることで広範な周囲温度で安定した光量が得られる水銀蒸気圧制御が可能であるが、アマルガムの温度が上がりすぎると水銀蒸気圧が高くなり過ぎて光量低下を招くことが知られている。言い換えれば、低温状態では水銀不足を起こさないが、高温状態では光量が低下し、本来の広範な周囲温度で安定した光量が得られるアマルガムの特性を十分に発揮できない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、低温環境および高温環境の何れにおいても放電灯から安定した光量を得ることができる放電灯点灯装置並びに照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、透光性材料からなるバルブ内に水銀供給用のアマルガムが封入された放電灯を点灯する放電灯点灯装置であって、外部電源から供給される電力を所望の電力に変換して放電灯に供給する電力変換手段と、電力変換手段を制御して放電灯に供給される電力を増減する制御手段とを備え、制御手段は、放電灯に所定の電力を供給するように電力変換手段を制御する第1の制御モードと、前記所定電力よりも大きな電力を放電灯に供給するように電力変換手段を制御する第2の制御モードとを有することを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明によれば、制御手段が第2の制御モードで電力変換手段を制御して放電灯への供給電力を増大すれば、バルブ内に封入されているアマルガムの温度が上昇してアマルガムが溶融し、アマルガムからバルブ内への水銀供給を促進することができる。その結果、低温環境および高温環境の何れにおいても放電灯から安定した光量を得ることができる放電灯点灯装置が提供できる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御手段は、外部電源の投入時点から所定時間が経過するまでの期間に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、通常、外部電源の投入時点ではアマルガムの温度が低くなっているから、外部電源の投入時点から所定時間が経過するまでの期間に制御手段が第2の制御モードで電力変換手段を制御することによって放電灯から安定した光量を得ることができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、制御手段は、外部電源から電源が供給されている間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明によれば、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を未然に回避することができる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、第1の制御モードにおいて放電灯に供給される電力が当該放電灯の定格電力に略等しいものであって、制御手段は、定格電力よりも少ない電力を放電灯に供給するように電力変換手段を制御する調光制御モードを有し、調光制御モードで電力変換手段を制御している間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明によれば、第1の制御モードに比べてアマルガムの温度が上昇し難い調光制御モード時において、制御手段が一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することにより、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を未然に回避しつつ省電力化を図ることができる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、制御手段は、第1の制御モードから調光制御モードに移行した後に調光制御モードで電力変換手段を制御している間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明に比べてさらに省電力化を図ることができる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項3の発明において、バルブ外におけるアマルガム近傍の雰囲気温度を検出する温度検出手段を備え、制御手段は、アマルガムが溶融温度に達していると見なし得るしきい値温度よりも温度検出手段で検出される雰囲気温度が低い間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明によれば、実際にアマルガムの温度が溶融温度に達していないと見なされるときに制御手段が第2の制御モードで電力変換手段を制御するので、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を未然に回避しつつ省電力化を図ることができる。
【0021】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、制御手段は、温度検出手段で検出される雰囲気温度がしきい値温度を下回った時点からの経過時間が一定時間に達する毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明に比べてさらに省電力化を図ることができる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1又は2の発明において、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を検出する検出手段を備え、制御手段は、前記検出手段で水銀供給不足が検出されたときに第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0024】
請求項8の発明によれば、実際にアマルガムからバルブ内への水銀供給が不足しているときに制御手段が第2の制御モードで電力変換手段を制御するので、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を解消しつつ省電力化を図ることができる。
【0025】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記検出手段は、負荷である放電灯のインピーダンス変化に基づいてバルブ内への水銀供給不足を検出することを特徴とする。
【0026】
請求項9の発明によれば、請求項8の発明と同様の作用を奏する。
【0027】
請求項10の発明は、請求項8の発明において、前記検出手段は、電力変換手段から一定の電力が供給されているときの放電灯の光量変化に基づいてバルブ内への水銀供給不足を検出することを特徴とする。
【0028】
請求項10の発明によれば、請求項8の発明と同様の作用を奏する。
【0029】
請求項11の発明は、上記目的を達成するために、請求項1〜10の何れかに記載された放電灯点灯装置と、放電灯を支持する器具本体とを備えたことを特徴とする。
【0030】
請求項11の発明によれば、低温環境および高温環境の何れにおいても放電灯から安定した光量を得ることができる照明器具が提供できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、低温環境および高温環境の何れにおいても放電灯から安定した光量を得ることができる放電灯点灯装置並びに照明器具が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、放電灯として無電極放電灯を採用した実施形態(無電極放電灯点灯装置)について説明する。但し、本発明の技術思想は、バルブ内にアマルガムが封入された有電極放電灯を点灯する放電灯点灯装置にも適用可能である。
【0033】
(実施形態1)
本実施形態における無電極放電灯DLは、図2に示すようにランプ部50とパワーカップラ部60とで構成される。ランプ部50はガラスのような透光性材料によって電球形状に形成されたバルブ51と、バルブ51の底部に取り付けられた略円筒形の口金52とを有する。バルブ51の底には内部に落ち窪んだ円筒形の凹部(キャビティ)53が封着され、キャビティ53の底には内部空間がバルブ51内の放電空間と連通した管状部(排気管)54が溶着されている。そして、バルブ51の壁面とキャビティ53の壁面で囲まれた放電空間に希ガス(例えば、アルゴンガス)が封入される。また、放電空間の内壁にAl2O3やSiO2などの金属酸化物からなる保護膜55が形成されるとともに保護膜55の上に蛍光体を塗布した蛍光体膜56が形成される。尚、凹部53の外周面にも保護膜55並びに蛍光体膜56が形成されている。但し、図2では保護膜55及び蛍光体膜56の一部のみ図示している。
【0034】
排気管54はバルブ51内を排気するために用いられるものであって、その下端部がバルブ51の底から外部に引き出され、バルブ51内を排気した後、アマルガムを収納した金属容器57を収めた状態で下端部が封止されてバルブ51が密閉される。金属容器57は内部を空洞としたカプセル状に形成され、側面に貫設した2つの孔(図示せず)を通して内部に収納されたアマルガム表面から出入りする水銀を通過させている。アマルガムは、例えばビスマスとインジウムとの合金からなる基体金属に3.5%の含有比率で水銀を含有したものである。
【0035】
一方、パワーカップラ部60は、円盤状の支持部61と、支持部61の中央に固定された円筒形のフェライトコア62と、フェライトコア62の外周に巻回されたソレノイド(誘導コイル)63とを具備する。そして、排気管54をフェライトコア62の内側に挿通するようにしてフェライトコア62並びに誘導コイル63をキャビティ53内に挿入してパワーカップラ部60がランプ部50に装着される。ここで、排気管54内には図示しないガラスロッドが収納されており、このガラスロッドによって放電空間(バルブ51)から最も離れた位置、つまり、排気管54の下端部に金属容器57が配置されている。
【0036】
而して、本実施形態における無電極放電灯DLは、バルブ51内の放電空間から離れた位置にアマルガム(金属容器57)が配置されている。このため、常温環境から高温環境においてアマルガム表面の水銀量を放電空間への供給に必要十分な量だけ維持することができる。
【0037】
図3は本実施形態における照明器具を示している。この照明器具は、椀形に形成され、天頂部分にパワーカップラ部60の支持部61が下向きに固定された器具本体100と、無電極放電灯点灯装置Aとで構成される。無電極放電灯点灯装置Aは箱形の金属製ケース内に後述する回路が収納されてなり、ケースの長手方向一端側より導出された電源ケーブル101によって商用交流電源に接続され、ケースの長手方向他端側より導出された給電ケーブル102によってパワーカップラ部60の誘導コイル63と接続されている。尚、器具本体100の開口面(図3における下面)は必要に応じて透明なカバー(図示せず)で閉塞される。
【0038】
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図1に示すように商用交流電源から電源ケーブル101を介して供給される交流電力から所望の直流電力を得る電源回路1と、電源回路1から供給される直流電力を所望の高周波電力に変換し給電ケーブル102を介してパワーカップラ部60の誘導コイル63、すなわち無電極放電灯DLに供給する電力変換回路2と、電力変換回路2を制御して無電極放電灯DLに供給される高周波電力を増減する制御回路3とを備えている。電源回路1は、例えば、従来周知の昇圧チョッパ回路からなる。また電力変換回路2は、従来周知のインバータ回路からなる。そして、制御回路3は、例えばマイクロコンピュータを主構成要素とし、電力変換回路(インバータ回路)2の動作周波数(発振周波数)を調整(制御)することで電力変換回路2の出力(高周波電力)を増減させる。但し、このような電源回路1、電力変換回路2、制御回路3の回路構成は従来周知であるかは詳細な説明及び図示は省略する。
【0039】
制御回路3は、外部電源(商用交流電源)が投入されると無電極放電灯DLの始動に必要な大きな電力が得られるように電力変換回路2を制御する(これを「始動モード」と呼ぶ。)。無電極放電灯DLが始動(点灯)すれば、制御回路3は無電極放電灯DLに定格ランプ電力を供給するように電力変換回路2を制御する(これを「第1の制御モード」と呼ぶ。)。また制御回路3は、無電極放電灯DLに供給する高周波電力を定格ランプ電力よりも少ない電力とすることで無電極放電灯DLを調光点灯させる(これを「調光制御モード」と呼ぶ。)。尚、調光制御モードにおいては、電力変換回路2の出力を減少させる以外に、出力を定格ランプ電力に等しい電力に維持したままで電力変換回路2を間欠動作させることによって単位時間当たりに供給される電力を減らすようにしても構わない。
【0040】
ところで、本実施形態における無電極放電灯DLは、常温環境で定格ランプ電力が供給されているときにアマルガム表面の水銀量を放電空間への供給に十分な量だけ維持することができるように設計されている。しかしながら、無電極放電灯DLを始動直後に調光点灯するような場合においては、アマルガム温度が充分に上昇しないためにアマルガムからバルブ51内への水銀供給が不足する虞がある。特に低温環境下において水銀の供給不足が顕著になる。
【0041】
そこで本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aでは、制御回路3を構成するマイクロコンピュータの内蔵タイマで外部電源の投入時点からの経過時間を計時し、経過時間が所定時間に達するまでの間、無電極放電灯DL(誘導コイル63)に定格ランプ電力よりも高い電力が供給されるように電力変換回路2を制御する第2の制御モードを実行する。その結果、定格ランプ電力が供給される場合よりも短い時間でアマルガム温度が溶融温度まで上昇し、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を速やかに解消することができる。そして、所定時間が経過したら、制御回路3は電力変換回路2を第1の制御モードあるいは調光制御モードで制御して無電極放電灯DLを定格点灯若しくは調光点灯させるのである。但し、高温環境下や消灯直後のようにアマルガム温度が充分に高くなっている状態であれば、外部電源の投入時点から所定時間経過までの間、制御回路3が電力変換回路2を第1の制御モードで制御することによっても充分な水銀供給量を確保するは可能である。
【0042】
上述のように本実施形態によれば、制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御して無電極放電灯DLへの供給電力を増大すれば、バルブ51内に封入されているアマルガムの温度が上昇してアマルガムが溶融し、アマルガムからバルブ51内への水銀供給を促進することができるので、低温環境および高温環境の何れにおいても無電極放電灯DLから安定した光量を得ることができる。
【0043】
(実施形態2)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図4に示すように電源回路1、電力変換回路2、制御回路3に加えて積算タイマ回路4を備えている。
【0044】
実施形態1のように外部電源の投入時点から所定時間が経過するまでの間に制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御した場合、例えば、無電極放電灯DLを連続して調光点灯しているときや低温環境で連続して点灯しているときにアマルガム温度が溶融温度まで上昇せずに水銀供給不足が生じる虞がある。
【0045】
そこで本実施形態では、積算タイマ回路4によって無電極放電灯DLが連続して点灯している時間(連続点灯時間)を積算し、その積算値が所定値及びその倍数に達する度、言い換えると連続して点灯している間の一定時間毎に、制御回路3が電力変換回路2を第2の制御モードで制御する。その結果、無電極放電灯DLが連続して点灯しているときでも一定時間毎に電力変換回路2から無電極放電灯DLへ供給される高周波電力が増大されるため、例えば、無電極放電灯DLを低温環境で連続して点灯しているときにおいてもアマルガム温度を溶融温度まで上昇させて水銀供給不足を防ぐことができる。
【0046】
ところで、制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御した場合、第1の制御モードや調光制御モードに比べて消費電力が増えることになるから、第2の制御モードの実行頻度を必要最小限とすることで省電力化を図ることが望ましい。例えば、積算タイマ回路4において無電極放電灯DLが連続して調光点灯している時間を積算し、無電極放電灯DLが連続して調光点灯している間の一定時間毎に制御回路3が電力変換回路2を第2の制御モードで制御すればよい。つまり、定格点灯時に比較して調光点灯時にアマルガム温度が上昇し難いので、連続して調光点灯している間の一定時間毎に第2の制御モードを実行することにより、無電極放電灯DLから安定した光量を得ながらも省電力化を図ることができる。
【0047】
ここで、定格点灯と調光点灯を交互に繰り返している場合においては、定格点灯時にアマルガム温度が溶融温度まで上昇している可能性が高く、そのような場合においてまで一定時間毎に第2の制御モードを実行する必要性は低いと考えられる。従って、調光点灯から定格点灯に切り換わったときに積算タイマ回路4の積算値を初期化し、無電極放電灯DLが連続して調光点灯されている間の一定時間毎にのみ制御回路3が第2の制御モードを実行すれば、さらに省電力化を図ることができる。
【0048】
(実施形態3)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図5に示すように電源回路1、電力変換回路2、制御回路3、積算タイマ回路4に加えて温度センサ5と、温度検知回路6とを備えている。
【0049】
温度センサ5は、例えばサーミスタからなり、図6に示すようにフェライトコア62内周面における金属容器57の近傍に配設される。この温度センサ5によって、バルブ51外におけるアマルガム近傍の雰囲気温度を検出することができる。温度検知回路6は、温度センサ5で検出される雰囲気温度と、アマルガムが溶融温度に達していると見なし得るしきい値温度とを比較し、雰囲気温度がしきい値温度以下であるときにだけ積算タイマ回路4に信号(例えば、一定周期のパルス信号)を出力する。尚、温度センサ5と温度検知回路6は図示しないリード線で接続されている。温度センサ5がサーミスタで有る場合、温度検知回路6からリード線を介して温度センサ5に定電圧を印加し、リード線を介して温度センサ5に流れる電流を検出して抵抗値を求めることによって雰囲気温度を検出することができる。
【0050】
一方、積算タイマ回路4は、例えば、温度検知回路6から出力されるパルス信号をカウントすることによってアマルガム温度が溶融温度に達していないと見なし得る時間の積算値を求める。但し、積算タイマ回路4では、外部からの電源供給が停止して無電極放電灯DLが消灯するか、あるいは温度センサ5で検出される雰囲気温度がしきい値温度を超えると、積算値を初期化する。
【0051】
制御回路3は、積算タイマ回路4の積算値が所定値及びその倍数に達する度、言い換えると無電極放電灯DLが連続して点灯し且つ温度センサ5で検出される雰囲気温度がしきい値温度以下である間の一定時間毎に、電力変換回路2を第2の制御モードで制御する。そして、一定時間毎に電力変換回路2から無電極放電灯DLへ供給される高周波電力が増大されるため、例えば、無電極放電灯DLを低温環境で連続して点灯しているときにおいてもアマルガム温度を溶融温度まで上昇させて水銀供給不足を防ぐことができる。しかも、本実施形態ではアマルガム温度が溶融温度に達していないと見なされるときにだけ、制御回路3が第2の制御モードを実行しているために省電力化を図ることができるものである。
【0052】
ここで、定格点灯と調光点灯を交互に繰り返しているような場合においては、定格点灯時にアマルガム温度が溶融温度まで上昇している可能性が高く、そのような場合においてまで一定時間毎に第2の制御モードを実行する必要性は低いと考えられる。従って、調光点灯から定格点灯に切り換わったときに積算タイマ回路4の積算値を初期化し、無電極放電灯DLが連続して調光点灯され且つ且つ温度センサ5で検出される雰囲気温度がしきい値温度以下である間の一定時間毎にのみ制御回路3が第2の制御モードを実行すれば、さらに省電力化を図ることができる。
【0053】
(実施形態4)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図7に示すように電源回路1、電力変換回路2、制御回路3に加えてアマルガムからバルブ内への水銀供給不足を検出する検出手段を備えている。
【0054】
本実施形態における検出手段は、電力変換回路2の出力電圧及び出力電流から無電極放電灯DLのインピーダンスを測定するインピーダンス測定回路7からなる。つまり、無電極放電灯DLのインピーダンスはバルブ51内の水銀蒸気圧によって変動するので、インピーダンスの測定値に基づいてバルブ51内の水銀蒸気圧の大小、言い換えるとアマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を検出することができる。故にインピーダンス測定回路7では、測定値に基づいてアマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を検出し、水銀供給不足を検出したときに制御回路3に検出信号を出力する。
【0055】
制御回路3は、インピーダンス測定回路7から検出信号が出力されている間、電力変換回路2を第2の制御モードで制御する。そして、電力変換回路2から無電極放電灯DLに供給される高周波電力が増大することでアマルガム温度が溶融温度まで上昇し、その結果、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足が解消される。尚、水銀供給不足が解消されれば、インピーダンス測定回路7から検出信号が出力されなくなる。制御回路3ではインピーダンス測定回路7から検出信号が出力されなければ、電力変換回路2を第1の制御モードで制御して無電極放電灯DLを定格点灯させる。
【0056】
上述のように本実施形態では、インピーダンス測定回路7で測定する無電極放電灯DLのインピーダンスに基づいてアマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を検出し、水銀供給不足が検出されている間だけ制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御するので、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を解消しつつ省電力化を図ることができる。
【0057】
(実施形態5)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図8に示すように電源回路1、電力変換回路2、制御回路3に加えてアマルガムからバルブ内への水銀供給不足を検出する検出手段を備えている。
【0058】
本実施形態における検出手段は、図9に示すように器具本体100の内周面に配設された光センサ8と、光センサ8の出力から無電極放電灯DLの光量を検知する光量検知回路9とで構成されている。光センサ8は太陽電池あるいはフォトダイオードなどの光電変換素子からなる。光量検知回路9は光センサ8から出力される電気信号を信号処理することで無電極放電灯DLから放射される光(可視光)の光量を検知する。
【0059】
而して、電力変換回路2から供給される高周波電力が一定であるとすると、アマルガムからバルブ51内への水銀供給が不足することで無電極放電灯DLの光量が減少する。故に、光量検知回路9では検知した光量が所定のしきい値以下となったときに水銀供給不足になっていると見なして検出信号を出力する。
【0060】
制御回路3は、光量検知回路9から検出信号が出力されている間、電力変換回路2を第2の制御モードで制御する。そして、電力変換回路2から無電極放電灯DLに供給される高周波電力が増大することでアマルガム温度が溶融温度まで上昇し、その結果、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足が解消される。尚、水銀供給不足が解消されれば、無電極放電灯DLの光量が増加して光量検知回路9から検出信号が出力されなくなる。制御回路3では光量検知回路9から検出信号が出力されなければ、電力変換回路2を第1の制御モードで制御して無電極放電灯DLを定格点灯させる。
【0061】
上述のように本実施形態では、光量検知回路9で検知する無電極放電灯DLの光量に基づいてアマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を検出し、水銀供給不足が検出されている間だけ制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御するので、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を解消しつつ省電力化を図ることができる。
【0062】
ところで、上述した実施形態1〜5の無電極放電灯点灯装置で点灯可能な無電極放電灯DLは図2や図6に示した構造のものに限定されない。例えば、図10に示すように電球形状のバルブ70の外側に誘導コイル71を巻回した構造のものや、あるいは図11に示すように楕円環形状のバルブ80の外周に一対の誘導コイル81,81を巻回した構造のものであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】無電極放電灯点灯装置の実施形態1を示すブロック図である。
【図2】同上における無電極放電灯の断面図である。
【図3】照明器具の実施形態を示す一部破断した斜視図である。
【図4】無電極放電灯点灯装置の実施形態2を示すブロック図である。
【図5】無電極放電灯点灯装置の実施形態3を示すブロック図である。
【図6】同上における無電極放電灯の断面図である。
【図7】無電極放電灯点灯装置の実施形態4を示すブロック図である。
【図8】無電極放電灯点灯装置の実施形態5を示すブロック図である。
【図9】照明器具の実施形態を示す一部破断した斜視図である。
【図10】無電極放電灯の平面図である。
【図11】無電極放電灯の平面図である。
【符号の説明】
【0064】
A 無電極放電灯点灯装置(放電灯点灯装置)
1 電源回路
2 電力変換回路(電力変換手段)
3 制御回路(制御手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ内に水銀供給用のアマルガムが封入された放電灯を点灯する放電灯点灯装置並びに照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、放電灯(例えば、蛍光灯)においては、広範な周囲温度で安定した光量を得ることを目的として、バルブ内の水銀蒸気圧を制御するためにアマルガムを用いることが多い。アマルガムは、バルブ内においてアマルガムが配設されている場所の温度の飽和蒸気圧によって放電空間(バルブ)内の水銀蒸気圧を制御する。マクロ的に見ると、放電空間内の水銀蒸気は飽和状態であるからアマルガムの温度が一定であれば変化しないが、ミクロ的に見るとアマルガム表面では水銀原子の出入りが行われている状態で飽和状態が保たれている。放電灯が長時間点灯されると放電空間内の水銀が消費され、その消費量に相当する水銀がアマルガムから放電空間に供給される。一方、アマルガムでは表面から水銀が蒸発すると、水銀の濃度勾配により水銀量が多いアマルガムの内部から水銀が少なくなったアマルガム表面に拡散して水銀を供給する。
【0003】
通常、バルブ内に封入されるアマルガムの量は数十から数百ミリグラム程度であって、水銀含有比率は数%であるが、放電空間内の飽和水銀蒸気圧を維持するために必要な水銀量は数マイクログラムであり、水銀が消費されても寿命末期まで十分な量のアマルガムがバルブ内に封入されている。
【0004】
また、バルブ内に電極を有しない無電極放電灯においても、上述したバルブ内に電極を有する放電灯(以下、「有電極放電灯」と呼ぶ。)と同様にバルブ内の水銀蒸気圧を制御するためにアマルガムを封入したものが提供されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
【0005】
しかしながら、低温環境下での使用や調光点灯のようにバルブ内の温度が十分に上昇しない点灯、あるいはバルブ内の温度が低い箇所にアマルガムが封入されている場合などでは、点灯してもアマルガムが固相状態のままである時がある。このような状態で長時間点灯し続けると、放電空間で消費された水銀を補給するためにアマルガム表面から水銀が蒸発するが、一方でアマルガムが固相状態のままであるために水銀の拡散が遅く、アマルガム内部から表面への水銀の供給に時間がかかり、放電空間に供給すべきアマルガム表面の水銀が不足して光出力が低下するおそれがある。これを防ぐためには、バルブ内に封入されるアマルガム量を増やしてその表面積を大きくする方法があるが、電極を有しないことで有電極放電灯よりも長寿命である無電極放電灯においては、バルブ内に多量のアマルガムを封入する必要があり、地球環境保護の観点からは必要最小限の水銀を用いることが望ましく、多量のアマルガムをバルブ内に封入する上記方法は望ましいものではない。
【0006】
他の方法として、アマルガム内部からアマルガム表面への拡散を促進させるため、バルブ内においてアマルガムの溶融温度以上に達する箇所にアマルガムを配置した無電極放電灯が提供されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平7−272688号公報
【特許文献2】実開平6−5006号公報
【特許文献3】特開2005−197031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3に記載されている従来例では、低温環境下での使用や調光点灯、また、低温環境下での調光点灯等のように放電灯が使用されるあらゆる環境(条件)を想定し、最もアマルガム温度が低くなる条件でアマルガムの溶融温度(通常は100℃程度)以上となるバルブ内の箇所にアマルガムを配置する必要がある。例えば、零下20℃の使用環境で調光点灯した場合でもアマルガムの温度を100℃以上にする必要がある。一方、密閉された空間に放電灯を収納する照明器具が真夏の昼間に定格電力で使用された状態を想定すると、アマルガムの温度は百数十℃以上になることが容易に推測される。アマルガムを用いることで広範な周囲温度で安定した光量が得られる水銀蒸気圧制御が可能であるが、アマルガムの温度が上がりすぎると水銀蒸気圧が高くなり過ぎて光量低下を招くことが知られている。言い換えれば、低温状態では水銀不足を起こさないが、高温状態では光量が低下し、本来の広範な周囲温度で安定した光量が得られるアマルガムの特性を十分に発揮できない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、低温環境および高温環境の何れにおいても放電灯から安定した光量を得ることができる放電灯点灯装置並びに照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、透光性材料からなるバルブ内に水銀供給用のアマルガムが封入された放電灯を点灯する放電灯点灯装置であって、外部電源から供給される電力を所望の電力に変換して放電灯に供給する電力変換手段と、電力変換手段を制御して放電灯に供給される電力を増減する制御手段とを備え、制御手段は、放電灯に所定の電力を供給するように電力変換手段を制御する第1の制御モードと、前記所定電力よりも大きな電力を放電灯に供給するように電力変換手段を制御する第2の制御モードとを有することを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明によれば、制御手段が第2の制御モードで電力変換手段を制御して放電灯への供給電力を増大すれば、バルブ内に封入されているアマルガムの温度が上昇してアマルガムが溶融し、アマルガムからバルブ内への水銀供給を促進することができる。その結果、低温環境および高温環境の何れにおいても放電灯から安定した光量を得ることができる放電灯点灯装置が提供できる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御手段は、外部電源の投入時点から所定時間が経過するまでの期間に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、通常、外部電源の投入時点ではアマルガムの温度が低くなっているから、外部電源の投入時点から所定時間が経過するまでの期間に制御手段が第2の制御モードで電力変換手段を制御することによって放電灯から安定した光量を得ることができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、制御手段は、外部電源から電源が供給されている間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明によれば、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を未然に回避することができる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、第1の制御モードにおいて放電灯に供給される電力が当該放電灯の定格電力に略等しいものであって、制御手段は、定格電力よりも少ない電力を放電灯に供給するように電力変換手段を制御する調光制御モードを有し、調光制御モードで電力変換手段を制御している間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明によれば、第1の制御モードに比べてアマルガムの温度が上昇し難い調光制御モード時において、制御手段が一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することにより、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を未然に回避しつつ省電力化を図ることができる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、制御手段は、第1の制御モードから調光制御モードに移行した後に調光制御モードで電力変換手段を制御している間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明に比べてさらに省電力化を図ることができる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項3の発明において、バルブ外におけるアマルガム近傍の雰囲気温度を検出する温度検出手段を備え、制御手段は、アマルガムが溶融温度に達していると見なし得るしきい値温度よりも温度検出手段で検出される雰囲気温度が低い間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明によれば、実際にアマルガムの温度が溶融温度に達していないと見なされるときに制御手段が第2の制御モードで電力変換手段を制御するので、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を未然に回避しつつ省電力化を図ることができる。
【0021】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、制御手段は、温度検出手段で検出される雰囲気温度がしきい値温度を下回った時点からの経過時間が一定時間に達する毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明に比べてさらに省電力化を図ることができる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1又は2の発明において、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を検出する検出手段を備え、制御手段は、前記検出手段で水銀供給不足が検出されたときに第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする。
【0024】
請求項8の発明によれば、実際にアマルガムからバルブ内への水銀供給が不足しているときに制御手段が第2の制御モードで電力変換手段を制御するので、アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を解消しつつ省電力化を図ることができる。
【0025】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記検出手段は、負荷である放電灯のインピーダンス変化に基づいてバルブ内への水銀供給不足を検出することを特徴とする。
【0026】
請求項9の発明によれば、請求項8の発明と同様の作用を奏する。
【0027】
請求項10の発明は、請求項8の発明において、前記検出手段は、電力変換手段から一定の電力が供給されているときの放電灯の光量変化に基づいてバルブ内への水銀供給不足を検出することを特徴とする。
【0028】
請求項10の発明によれば、請求項8の発明と同様の作用を奏する。
【0029】
請求項11の発明は、上記目的を達成するために、請求項1〜10の何れかに記載された放電灯点灯装置と、放電灯を支持する器具本体とを備えたことを特徴とする。
【0030】
請求項11の発明によれば、低温環境および高温環境の何れにおいても放電灯から安定した光量を得ることができる照明器具が提供できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、低温環境および高温環境の何れにおいても放電灯から安定した光量を得ることができる放電灯点灯装置並びに照明器具が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、放電灯として無電極放電灯を採用した実施形態(無電極放電灯点灯装置)について説明する。但し、本発明の技術思想は、バルブ内にアマルガムが封入された有電極放電灯を点灯する放電灯点灯装置にも適用可能である。
【0033】
(実施形態1)
本実施形態における無電極放電灯DLは、図2に示すようにランプ部50とパワーカップラ部60とで構成される。ランプ部50はガラスのような透光性材料によって電球形状に形成されたバルブ51と、バルブ51の底部に取り付けられた略円筒形の口金52とを有する。バルブ51の底には内部に落ち窪んだ円筒形の凹部(キャビティ)53が封着され、キャビティ53の底には内部空間がバルブ51内の放電空間と連通した管状部(排気管)54が溶着されている。そして、バルブ51の壁面とキャビティ53の壁面で囲まれた放電空間に希ガス(例えば、アルゴンガス)が封入される。また、放電空間の内壁にAl2O3やSiO2などの金属酸化物からなる保護膜55が形成されるとともに保護膜55の上に蛍光体を塗布した蛍光体膜56が形成される。尚、凹部53の外周面にも保護膜55並びに蛍光体膜56が形成されている。但し、図2では保護膜55及び蛍光体膜56の一部のみ図示している。
【0034】
排気管54はバルブ51内を排気するために用いられるものであって、その下端部がバルブ51の底から外部に引き出され、バルブ51内を排気した後、アマルガムを収納した金属容器57を収めた状態で下端部が封止されてバルブ51が密閉される。金属容器57は内部を空洞としたカプセル状に形成され、側面に貫設した2つの孔(図示せず)を通して内部に収納されたアマルガム表面から出入りする水銀を通過させている。アマルガムは、例えばビスマスとインジウムとの合金からなる基体金属に3.5%の含有比率で水銀を含有したものである。
【0035】
一方、パワーカップラ部60は、円盤状の支持部61と、支持部61の中央に固定された円筒形のフェライトコア62と、フェライトコア62の外周に巻回されたソレノイド(誘導コイル)63とを具備する。そして、排気管54をフェライトコア62の内側に挿通するようにしてフェライトコア62並びに誘導コイル63をキャビティ53内に挿入してパワーカップラ部60がランプ部50に装着される。ここで、排気管54内には図示しないガラスロッドが収納されており、このガラスロッドによって放電空間(バルブ51)から最も離れた位置、つまり、排気管54の下端部に金属容器57が配置されている。
【0036】
而して、本実施形態における無電極放電灯DLは、バルブ51内の放電空間から離れた位置にアマルガム(金属容器57)が配置されている。このため、常温環境から高温環境においてアマルガム表面の水銀量を放電空間への供給に必要十分な量だけ維持することができる。
【0037】
図3は本実施形態における照明器具を示している。この照明器具は、椀形に形成され、天頂部分にパワーカップラ部60の支持部61が下向きに固定された器具本体100と、無電極放電灯点灯装置Aとで構成される。無電極放電灯点灯装置Aは箱形の金属製ケース内に後述する回路が収納されてなり、ケースの長手方向一端側より導出された電源ケーブル101によって商用交流電源に接続され、ケースの長手方向他端側より導出された給電ケーブル102によってパワーカップラ部60の誘導コイル63と接続されている。尚、器具本体100の開口面(図3における下面)は必要に応じて透明なカバー(図示せず)で閉塞される。
【0038】
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図1に示すように商用交流電源から電源ケーブル101を介して供給される交流電力から所望の直流電力を得る電源回路1と、電源回路1から供給される直流電力を所望の高周波電力に変換し給電ケーブル102を介してパワーカップラ部60の誘導コイル63、すなわち無電極放電灯DLに供給する電力変換回路2と、電力変換回路2を制御して無電極放電灯DLに供給される高周波電力を増減する制御回路3とを備えている。電源回路1は、例えば、従来周知の昇圧チョッパ回路からなる。また電力変換回路2は、従来周知のインバータ回路からなる。そして、制御回路3は、例えばマイクロコンピュータを主構成要素とし、電力変換回路(インバータ回路)2の動作周波数(発振周波数)を調整(制御)することで電力変換回路2の出力(高周波電力)を増減させる。但し、このような電源回路1、電力変換回路2、制御回路3の回路構成は従来周知であるかは詳細な説明及び図示は省略する。
【0039】
制御回路3は、外部電源(商用交流電源)が投入されると無電極放電灯DLの始動に必要な大きな電力が得られるように電力変換回路2を制御する(これを「始動モード」と呼ぶ。)。無電極放電灯DLが始動(点灯)すれば、制御回路3は無電極放電灯DLに定格ランプ電力を供給するように電力変換回路2を制御する(これを「第1の制御モード」と呼ぶ。)。また制御回路3は、無電極放電灯DLに供給する高周波電力を定格ランプ電力よりも少ない電力とすることで無電極放電灯DLを調光点灯させる(これを「調光制御モード」と呼ぶ。)。尚、調光制御モードにおいては、電力変換回路2の出力を減少させる以外に、出力を定格ランプ電力に等しい電力に維持したままで電力変換回路2を間欠動作させることによって単位時間当たりに供給される電力を減らすようにしても構わない。
【0040】
ところで、本実施形態における無電極放電灯DLは、常温環境で定格ランプ電力が供給されているときにアマルガム表面の水銀量を放電空間への供給に十分な量だけ維持することができるように設計されている。しかしながら、無電極放電灯DLを始動直後に調光点灯するような場合においては、アマルガム温度が充分に上昇しないためにアマルガムからバルブ51内への水銀供給が不足する虞がある。特に低温環境下において水銀の供給不足が顕著になる。
【0041】
そこで本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aでは、制御回路3を構成するマイクロコンピュータの内蔵タイマで外部電源の投入時点からの経過時間を計時し、経過時間が所定時間に達するまでの間、無電極放電灯DL(誘導コイル63)に定格ランプ電力よりも高い電力が供給されるように電力変換回路2を制御する第2の制御モードを実行する。その結果、定格ランプ電力が供給される場合よりも短い時間でアマルガム温度が溶融温度まで上昇し、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を速やかに解消することができる。そして、所定時間が経過したら、制御回路3は電力変換回路2を第1の制御モードあるいは調光制御モードで制御して無電極放電灯DLを定格点灯若しくは調光点灯させるのである。但し、高温環境下や消灯直後のようにアマルガム温度が充分に高くなっている状態であれば、外部電源の投入時点から所定時間経過までの間、制御回路3が電力変換回路2を第1の制御モードで制御することによっても充分な水銀供給量を確保するは可能である。
【0042】
上述のように本実施形態によれば、制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御して無電極放電灯DLへの供給電力を増大すれば、バルブ51内に封入されているアマルガムの温度が上昇してアマルガムが溶融し、アマルガムからバルブ51内への水銀供給を促進することができるので、低温環境および高温環境の何れにおいても無電極放電灯DLから安定した光量を得ることができる。
【0043】
(実施形態2)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図4に示すように電源回路1、電力変換回路2、制御回路3に加えて積算タイマ回路4を備えている。
【0044】
実施形態1のように外部電源の投入時点から所定時間が経過するまでの間に制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御した場合、例えば、無電極放電灯DLを連続して調光点灯しているときや低温環境で連続して点灯しているときにアマルガム温度が溶融温度まで上昇せずに水銀供給不足が生じる虞がある。
【0045】
そこで本実施形態では、積算タイマ回路4によって無電極放電灯DLが連続して点灯している時間(連続点灯時間)を積算し、その積算値が所定値及びその倍数に達する度、言い換えると連続して点灯している間の一定時間毎に、制御回路3が電力変換回路2を第2の制御モードで制御する。その結果、無電極放電灯DLが連続して点灯しているときでも一定時間毎に電力変換回路2から無電極放電灯DLへ供給される高周波電力が増大されるため、例えば、無電極放電灯DLを低温環境で連続して点灯しているときにおいてもアマルガム温度を溶融温度まで上昇させて水銀供給不足を防ぐことができる。
【0046】
ところで、制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御した場合、第1の制御モードや調光制御モードに比べて消費電力が増えることになるから、第2の制御モードの実行頻度を必要最小限とすることで省電力化を図ることが望ましい。例えば、積算タイマ回路4において無電極放電灯DLが連続して調光点灯している時間を積算し、無電極放電灯DLが連続して調光点灯している間の一定時間毎に制御回路3が電力変換回路2を第2の制御モードで制御すればよい。つまり、定格点灯時に比較して調光点灯時にアマルガム温度が上昇し難いので、連続して調光点灯している間の一定時間毎に第2の制御モードを実行することにより、無電極放電灯DLから安定した光量を得ながらも省電力化を図ることができる。
【0047】
ここで、定格点灯と調光点灯を交互に繰り返している場合においては、定格点灯時にアマルガム温度が溶融温度まで上昇している可能性が高く、そのような場合においてまで一定時間毎に第2の制御モードを実行する必要性は低いと考えられる。従って、調光点灯から定格点灯に切り換わったときに積算タイマ回路4の積算値を初期化し、無電極放電灯DLが連続して調光点灯されている間の一定時間毎にのみ制御回路3が第2の制御モードを実行すれば、さらに省電力化を図ることができる。
【0048】
(実施形態3)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図5に示すように電源回路1、電力変換回路2、制御回路3、積算タイマ回路4に加えて温度センサ5と、温度検知回路6とを備えている。
【0049】
温度センサ5は、例えばサーミスタからなり、図6に示すようにフェライトコア62内周面における金属容器57の近傍に配設される。この温度センサ5によって、バルブ51外におけるアマルガム近傍の雰囲気温度を検出することができる。温度検知回路6は、温度センサ5で検出される雰囲気温度と、アマルガムが溶融温度に達していると見なし得るしきい値温度とを比較し、雰囲気温度がしきい値温度以下であるときにだけ積算タイマ回路4に信号(例えば、一定周期のパルス信号)を出力する。尚、温度センサ5と温度検知回路6は図示しないリード線で接続されている。温度センサ5がサーミスタで有る場合、温度検知回路6からリード線を介して温度センサ5に定電圧を印加し、リード線を介して温度センサ5に流れる電流を検出して抵抗値を求めることによって雰囲気温度を検出することができる。
【0050】
一方、積算タイマ回路4は、例えば、温度検知回路6から出力されるパルス信号をカウントすることによってアマルガム温度が溶融温度に達していないと見なし得る時間の積算値を求める。但し、積算タイマ回路4では、外部からの電源供給が停止して無電極放電灯DLが消灯するか、あるいは温度センサ5で検出される雰囲気温度がしきい値温度を超えると、積算値を初期化する。
【0051】
制御回路3は、積算タイマ回路4の積算値が所定値及びその倍数に達する度、言い換えると無電極放電灯DLが連続して点灯し且つ温度センサ5で検出される雰囲気温度がしきい値温度以下である間の一定時間毎に、電力変換回路2を第2の制御モードで制御する。そして、一定時間毎に電力変換回路2から無電極放電灯DLへ供給される高周波電力が増大されるため、例えば、無電極放電灯DLを低温環境で連続して点灯しているときにおいてもアマルガム温度を溶融温度まで上昇させて水銀供給不足を防ぐことができる。しかも、本実施形態ではアマルガム温度が溶融温度に達していないと見なされるときにだけ、制御回路3が第2の制御モードを実行しているために省電力化を図ることができるものである。
【0052】
ここで、定格点灯と調光点灯を交互に繰り返しているような場合においては、定格点灯時にアマルガム温度が溶融温度まで上昇している可能性が高く、そのような場合においてまで一定時間毎に第2の制御モードを実行する必要性は低いと考えられる。従って、調光点灯から定格点灯に切り換わったときに積算タイマ回路4の積算値を初期化し、無電極放電灯DLが連続して調光点灯され且つ且つ温度センサ5で検出される雰囲気温度がしきい値温度以下である間の一定時間毎にのみ制御回路3が第2の制御モードを実行すれば、さらに省電力化を図ることができる。
【0053】
(実施形態4)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図7に示すように電源回路1、電力変換回路2、制御回路3に加えてアマルガムからバルブ内への水銀供給不足を検出する検出手段を備えている。
【0054】
本実施形態における検出手段は、電力変換回路2の出力電圧及び出力電流から無電極放電灯DLのインピーダンスを測定するインピーダンス測定回路7からなる。つまり、無電極放電灯DLのインピーダンスはバルブ51内の水銀蒸気圧によって変動するので、インピーダンスの測定値に基づいてバルブ51内の水銀蒸気圧の大小、言い換えるとアマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を検出することができる。故にインピーダンス測定回路7では、測定値に基づいてアマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を検出し、水銀供給不足を検出したときに制御回路3に検出信号を出力する。
【0055】
制御回路3は、インピーダンス測定回路7から検出信号が出力されている間、電力変換回路2を第2の制御モードで制御する。そして、電力変換回路2から無電極放電灯DLに供給される高周波電力が増大することでアマルガム温度が溶融温度まで上昇し、その結果、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足が解消される。尚、水銀供給不足が解消されれば、インピーダンス測定回路7から検出信号が出力されなくなる。制御回路3ではインピーダンス測定回路7から検出信号が出力されなければ、電力変換回路2を第1の制御モードで制御して無電極放電灯DLを定格点灯させる。
【0056】
上述のように本実施形態では、インピーダンス測定回路7で測定する無電極放電灯DLのインピーダンスに基づいてアマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を検出し、水銀供給不足が検出されている間だけ制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御するので、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を解消しつつ省電力化を図ることができる。
【0057】
(実施形態5)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置Aは、図8に示すように電源回路1、電力変換回路2、制御回路3に加えてアマルガムからバルブ内への水銀供給不足を検出する検出手段を備えている。
【0058】
本実施形態における検出手段は、図9に示すように器具本体100の内周面に配設された光センサ8と、光センサ8の出力から無電極放電灯DLの光量を検知する光量検知回路9とで構成されている。光センサ8は太陽電池あるいはフォトダイオードなどの光電変換素子からなる。光量検知回路9は光センサ8から出力される電気信号を信号処理することで無電極放電灯DLから放射される光(可視光)の光量を検知する。
【0059】
而して、電力変換回路2から供給される高周波電力が一定であるとすると、アマルガムからバルブ51内への水銀供給が不足することで無電極放電灯DLの光量が減少する。故に、光量検知回路9では検知した光量が所定のしきい値以下となったときに水銀供給不足になっていると見なして検出信号を出力する。
【0060】
制御回路3は、光量検知回路9から検出信号が出力されている間、電力変換回路2を第2の制御モードで制御する。そして、電力変換回路2から無電極放電灯DLに供給される高周波電力が増大することでアマルガム温度が溶融温度まで上昇し、その結果、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足が解消される。尚、水銀供給不足が解消されれば、無電極放電灯DLの光量が増加して光量検知回路9から検出信号が出力されなくなる。制御回路3では光量検知回路9から検出信号が出力されなければ、電力変換回路2を第1の制御モードで制御して無電極放電灯DLを定格点灯させる。
【0061】
上述のように本実施形態では、光量検知回路9で検知する無電極放電灯DLの光量に基づいてアマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を検出し、水銀供給不足が検出されている間だけ制御回路3が第2の制御モードで電力変換回路2を制御するので、アマルガムからバルブ51内への水銀供給不足を解消しつつ省電力化を図ることができる。
【0062】
ところで、上述した実施形態1〜5の無電極放電灯点灯装置で点灯可能な無電極放電灯DLは図2や図6に示した構造のものに限定されない。例えば、図10に示すように電球形状のバルブ70の外側に誘導コイル71を巻回した構造のものや、あるいは図11に示すように楕円環形状のバルブ80の外周に一対の誘導コイル81,81を巻回した構造のものであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】無電極放電灯点灯装置の実施形態1を示すブロック図である。
【図2】同上における無電極放電灯の断面図である。
【図3】照明器具の実施形態を示す一部破断した斜視図である。
【図4】無電極放電灯点灯装置の実施形態2を示すブロック図である。
【図5】無電極放電灯点灯装置の実施形態3を示すブロック図である。
【図6】同上における無電極放電灯の断面図である。
【図7】無電極放電灯点灯装置の実施形態4を示すブロック図である。
【図8】無電極放電灯点灯装置の実施形態5を示すブロック図である。
【図9】照明器具の実施形態を示す一部破断した斜視図である。
【図10】無電極放電灯の平面図である。
【図11】無電極放電灯の平面図である。
【符号の説明】
【0064】
A 無電極放電灯点灯装置(放電灯点灯装置)
1 電源回路
2 電力変換回路(電力変換手段)
3 制御回路(制御手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性材料からなるバルブ内に水銀供給用のアマルガムが封入された放電灯を点灯する放電灯点灯装置であって、
外部電源から供給される電力を所望の電力に変換して放電灯に供給する電力変換手段と、電力変換手段を制御して放電灯に供給される電力を増減する制御手段とを備え、
制御手段は、放電灯に所定の電力を供給するように電力変換手段を制御する第1の制御モードと、前記所定電力よりも大きな電力を放電灯に供給するように電力変換手段を制御する第2の制御モードとを有することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
制御手段は、外部電源の投入時点から所定時間が経過するまでの期間に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項3】
制御手段は、外部電源から電源が供給されている間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯点灯装置。
【請求項4】
第1の制御モードにおいて放電灯に供給される電力が当該放電灯の定格電力に略等しいものであって、
制御手段は、定格電力よりも少ない電力を放電灯に供給するように電力変換手段を制御する調光制御モードを有し、調光制御モードで電力変換手段を制御している間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項3記載の放電灯点灯装置。
【請求項5】
制御手段は、第1の制御モードから調光制御モードに移行した後に調光制御モードで電力変換手段を制御している間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
【請求項6】
バルブ外におけるアマルガム近傍の雰囲気温度を検出する温度検出手段を備え、
制御手段は、アマルガムが溶融温度に達していると見なし得るしきい値温度よりも温度検出手段で検出される雰囲気温度が低い間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項3記載の放電灯点灯装置。
【請求項7】
制御手段は、温度検出手段で検出される雰囲気温度がしきい値温度を下回った時点からの経過時間が一定時間に達する毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項6記載の放電灯点灯装置。
【請求項8】
アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を検出する検出手段を備え、
制御手段は、前記検出手段で水銀供給不足が検出されたときに第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯点灯装置。
【請求項9】
前記検出手段は、負荷である放電灯のインピーダンス変化に基づいてバルブ内への水銀供給不足を検出することを特徴とする請求項8記載の放電灯点灯装置。
【請求項10】
前記検出手段は、電力変換手段から一定の電力が供給されているときの放電灯の光量変化に基づいてバルブ内への水銀供給不足を検出することを特徴とする請求項8記載の放電灯点灯装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載された放電灯点灯装置と、放電灯を支持する器具本体とを備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項1】
透光性材料からなるバルブ内に水銀供給用のアマルガムが封入された放電灯を点灯する放電灯点灯装置であって、
外部電源から供給される電力を所望の電力に変換して放電灯に供給する電力変換手段と、電力変換手段を制御して放電灯に供給される電力を増減する制御手段とを備え、
制御手段は、放電灯に所定の電力を供給するように電力変換手段を制御する第1の制御モードと、前記所定電力よりも大きな電力を放電灯に供給するように電力変換手段を制御する第2の制御モードとを有することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
制御手段は、外部電源の投入時点から所定時間が経過するまでの期間に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項3】
制御手段は、外部電源から電源が供給されている間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯点灯装置。
【請求項4】
第1の制御モードにおいて放電灯に供給される電力が当該放電灯の定格電力に略等しいものであって、
制御手段は、定格電力よりも少ない電力を放電灯に供給するように電力変換手段を制御する調光制御モードを有し、調光制御モードで電力変換手段を制御している間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項3記載の放電灯点灯装置。
【請求項5】
制御手段は、第1の制御モードから調光制御モードに移行した後に調光制御モードで電力変換手段を制御している間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
【請求項6】
バルブ外におけるアマルガム近傍の雰囲気温度を検出する温度検出手段を備え、
制御手段は、アマルガムが溶融温度に達していると見なし得るしきい値温度よりも温度検出手段で検出される雰囲気温度が低い間は一定時間毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項3記載の放電灯点灯装置。
【請求項7】
制御手段は、温度検出手段で検出される雰囲気温度がしきい値温度を下回った時点からの経過時間が一定時間に達する毎に第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項6記載の放電灯点灯装置。
【請求項8】
アマルガムからバルブ内への水銀供給不足を検出する検出手段を備え、
制御手段は、前記検出手段で水銀供給不足が検出されたときに第2の制御モードで電力変換手段を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯点灯装置。
【請求項9】
前記検出手段は、負荷である放電灯のインピーダンス変化に基づいてバルブ内への水銀供給不足を検出することを特徴とする請求項8記載の放電灯点灯装置。
【請求項10】
前記検出手段は、電力変換手段から一定の電力が供給されているときの放電灯の光量変化に基づいてバルブ内への水銀供給不足を検出することを特徴とする請求項8記載の放電灯点灯装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載された放電灯点灯装置と、放電灯を支持する器具本体とを備えたことを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−9775(P2010−9775A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164674(P2008−164674)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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