説明

整調放射線放射半導体装置

光線の光子エネルギーに対応する1または2以上のエネルギー遷移を有するバンドギャップ特性を示す、1または2以上の半導体材料で少なくとも一部が製作された、少なくとも一つの細長構造部(120)を有する、整調放射線放射半導体装置(50)を示した。少なくとも一つの構造部(120)は、該構造部を流れる電流に応じて、光線を放射するように作動する。また、前記少なくとも一つの構造部(120)は、十分に狭く製作され、電流の流れに対応する電荷キャリアの量子閉じ込めが生じる。また、前記少なくとも一つの構造部(120)は、さらに該少なくとも一つの細長構造部(120)に電場を印加する電極配置(190)を有し、バンドギャップ特性に歪が生じ、前記構造部(120)を流れる前記電流の流れに応じて、前記少なくとも一つの細長構造部(120)から作動時に放射される前記光線の波長が変調される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整調放射線放射半導体装置に関し、これに限定されるものではないが、特に整調発光ダイオード(LED)に関する。さらに本発明は、そのような整調LEDの製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明では、光線という用語は、人間の目で認識できる可視光、1μmオーダーの自由空間波長を有する赤外線(IR)および紫外線(uv)を含む、電磁放射線を意味する。
【0003】
発光ダイオード(LED)および半導体レーザーのような発光半導体装置が知られている。そのような装置は、作動時に装置から放射される光線光子の量子エネルギーに相当する対応バンドギャップエネルギーを有する、半導体電子遷移に基づく。半導体レーザーには、光エタロンとして知られている光学的に共振するキャビティが設けられ、放射された光線は、比較的小さな立体角に集光される。
【0004】
例えば、III-V族半導体で製作された発光ダイオード(LED)のようなバルク無機発光装置は、放射線の放射に利用することができ、その波長は、関連する半導体材料のバンドギャップによって定まる。従って単一の半導体組立体で、いくつかの実質的に異なる波長の放射線を得るには、しばしば相互に異なるバルク材料で製作された、いくつかの発光装置を有する組立体が必要となる。各装置は対応波長の放射線を出力するように調整される。そのような組立体は、使用時に、その出力放射線を全波長範囲において連続的に整調することはできないが、組立体に含まれる異なる装置数に応じて、波長を階段状に整調することができるという特徴を示す。またそのような組立体は、出力放射線波長の極めて急速な動的切り替え、例えば、現在および将来の遠距離通信システムにおいて要望されている数十GHzの周波数での切り替え、を行うことはできない。
【0005】
米国特許出願公開第2002/0175408号には、約200nm以下の均一径を有する半導体ナノ構造の製作が可能であることが示されており、そのようなナノ構造は、「ナノワイヤ」とも呼ばれる。これらのナノワイヤは、単結晶均一構造に製作することが可能であり、また相互に異なる化学組成を有する、少なくとも2つの単結晶材料で構成されたヘテロ構造として製作することも可能である。そのような単結晶材料を有するヘテロ構造のため、モノ結晶へテロ構造を製作することができる。そのようなナノワイヤは、ドーピングが容易であり、半径方向または長手方向に制御された組成にすることができるため、異なる材料で構成されたナノチューブワイヤを得ることができる。米国特許出願公開に示された方法で製作されたモノ結晶ナノワイヤは、単一のナノワイヤLEDで光線を放射することができる。従って、これらの相互に異なる組成のモノ結晶ナノワイヤの配列は、光線の放射に利用することができ、その光線の波長は、配列内の1または2以上のナノワイヤを選択的に活性化させることによって、放射線波長の範囲で電子的に別々に切り替えることができる。
【0006】
発明者らは、電荷キャリアの量子閉じ込めが、ナノワイヤ、量子井戸装置およびナノ結晶のような構造内で生じることを見出した。また発明者らは、そのような構造への電荷キャリアの閉じ込めによって、これらの構造のエネルギーバンドに歪が生じることを明らかにした。これらのエネルギーバンドは、光子エネルギーに対応し、光線を放射することができる。また発明者らは、ナノ構造部から放射される光線の波長を変調することができることを把握した。ナノ構造部のエネルギーバンドのエネルギーは、例えば印加された電場の影響によって、そのようなエネルギーバンド歪が生じるように調整されたその放射線の光子エネルギーに対応する。
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0175408号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1の課題は、代替半導体光線源を提供することである。
【0008】
本発明の第2の課題は、連続整調できる、そのような半導体光線源を提供することである。
【0009】
本発明の第3の課題は、連続整調できる半導体光線源が組み込まれた、例えば表示装置、光学式読み出し装置および光遠距離通信システム構成体のような構成体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様では、
光線の光子エネルギーに対応する1または2以上のエネルギー遷移を有するバンドギャップ特性を示す、1または2以上の半導体材料で少なくとも一部が製作された、少なくとも一つの細長構造部を有する、整調放射線放射半導体装置であって、
前記少なくとも一つの構造部は、該構造部を流れる電流に応じて、光線を放射するように作動し、
前記少なくとも一つの細長構造部は、前記電流の流れに対応する電荷キャリアの量子閉じ込めが生じる程狭く、
前記少なくとも一つの細長構造部は、さらに、該少なくとも一つの細長構造部に電場を印加する電極配置を有し、バンドギャップ特性に歪が生じ、前記構造部を流れる前記電流の流れに応じて、前記少なくとも一つの細長構造部から作動時に放射される前記光線の波長が変調されることを特徴とする整調放射線放射半導体装置が提供される。
【0011】
本発明の利点は、微小加工整調光源を提供することができることである。
【0012】
前記少なくとも一つの細長構造部は、少なくとも中央領域が絶縁材料に包囲され、前記電極配置は、前記絶縁材料を介して前記電場が構成されることによって、前記少なくとも一つの細長構造部の前記バンドギャップ構造に歪が生じるように作動されることが好ましい。前記少なくとも一つの細長構造部の少なくとも一部を包囲する、そのような絶縁材料を用いた場合、装置の整調電極配置の少なくとも一部が、装置内を流れる電流を供給するバイアス配置と電気的に絶縁されるという利点がある。
【0013】
前記少なくとも一つの細長構造部は、相互に異なる組成の複数の領域を有し、該複数の領域は、作動時に、前記電流の流れに対応するキャリアの再結合が生じる、少なくとも一つの半導体接合部を定形し、前記再結合によって、当該装置から光線が放射されることが好ましい。半導体領域でキャリアが再結合する配置は、光子発生の点で好適であり、この光子の量子エネルギーは、その界面での電子エネルギー遷移に相当する。
【0014】
光放射の生じるより広い領域を提供し、さらに、電流が流れた際に、より好適な電気伝導特性を示す、少なくとも一つの細長構造部を提供するには、前記少なくとも一つの細長構造部は、実質的にn型領域とp型領域の間に設置された固有の半導体領域を有し、該固有の領域は、キャリアの再結合を助長することが好ましい。
【0015】
前記電極配置は、実質的に前記少なくとも一つの半導体接合部が設置される領域を覆うように配置されることが好ましい。そのような配置は、前記少なくとも一つの半導体接合部から放射される光の波長を変調させる、有効な電場を形成する上で、効果的である。
【0016】
この代わりに、あるいはこれに加えて、前記電極配置は、実質的に前記少なくとも一つの半導体接合部が設置される領域に隣接して設置されることが好ましい。そのような配置では、当該装置の1または2以上の半導体接合部から放射される光の減衰が抑制される。
【0017】
前記少なくとも一つの細長構造部の各々の前記電極配置は、前記複数の領域に別々に電場を印加する複数の電極を提供し、相互に異なるエネルギーバンドの歪が生じることが好ましい。そのような配置では、そこから放射される光のスペクトルバンド幅を狭小化できる装置を製作することが可能になる。
【0018】
前記電極配置は、前記少なくとも一つの細長構造部に沿って流れる電流の方向と、実質的に直交する方向に電場が生じるように設置されることが好ましい。そのような配置では、装置の製作が容易であり、作動時に当該装置から放射される光の波長を有効に変調することのできる装置を提供することができる。
【0019】
十分な電子閉じ込めを行う装置を提供するには、前記少なくとも一つの細長構造部は、有効公称径が5nmから50nmの範囲にあることが好ましい。光波長制御を向上させるには、前記少なくとも一つの細長構造部は、有効公称径が20nmから40nmの範囲にあることがより好ましい。前記少なくとも一つの細長構造部の有効公称径は、実質的に30nmであることがさらに好ましい。換言すると、前記少なくとも一つの細長構造部は、作動時にキャリアの量子閉じ込めが生じ得る断面寸法を有する。
【0020】
製作が容易で、より効率的に電気エネルギーを対応する光エネルギーに変換する装置を提供するため、前記少なくとも一つの細長構造部は、100nmから50μmの範囲の長さを有することが好ましい。前記少なくとも一つの細長構造部は、200nmから10μmの範囲の長さを有することがより好ましい。
【0021】
2次元の適切な電子閉じ込めを行うには、前記少なくとも一つの細長構造部は、1:2以下の断面アスペクト比を有することが好ましい。
【0022】
装置を製作する際に、前記少なくとも一つの細長構造部は、III-V族もしくはII-VI族の化合物、または三元系もしくは四元系の半導体材料で製作されることが好ましい。そのような化合物または材料は、少なくとも、リン化インジウム、砒素化ガリウム、窒化インジウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、セレン化亜鉛、砒素化インジウムおよび窒化ガリウムのいずれかを有することがより好ましい。そのような材料は、光電気的に活性化され、半導体微細加工処理プロセスで製作することができる。
【0023】
小型容積の装置を得るため、当該装置は、前記細長構造部の配列を有し、前記細長構造部は、その延伸軸が、実質的に相互に平行になるように設置されることが好ましい。
【0024】
実際の、1または2以上の家庭用、工業用および通信用の設備において、当該装置からの光線の全流束を有効に利用するため、当該装置は、複数の前記細長構造部を有し、該複数の細長構造部は、共同で光を放射し、当該装置からの光出力が統合して提供されることが好ましい。
【0025】
当該装置は、画素の2次元配列として設置された複数の前記細長構造部を有し、画素ディスプレイが提供されることが好ましい。例えば、当該装置は、コンパクトディスク(CD)ドライブ、DVDドライブ、画素ディスプレイおよび光通信システムに使用される光学構成体の、少なくともいずれかの使用に適合されることが好ましい。
【0026】
本発明の第2の態様では、
整調放射線放射半導体装置を製作する方法であって、
(a)実質的に平坦な基板を提供するステップと、
(b)前記基板の少なくとも一つの領域に、絶縁材料の第1の層を形成するステップと、
(c)前記第1の層の前記基板とは反対側の露出表面に、少なくとも一つの半導体接合部を有する、少なくとも一つの細長構造部を形成するステップであって、前記少なくとも一つの構造部は、微小断面であって電荷キャリアの量子閉じ込めが生じ、電荷キャリアの再結合サイトが提供され、該サイトは、光線に対応した量子エネルギーに相当するエネルギーバンド分布を示し、前記少なくとも一つの細長構造部は、該構造部に沿って対応電流を流すことができる、ステップと、
(d)前記少なくとも一つの細長構造部の少なくとも一部を被覆する、絶縁材料の第2の層を形成するステップと、
(e)絶縁材料の前記第2の層の露出表面に、電極配置を形成するステップであって、前記電極配置は、作動時にバイアス化された際に、前記少なくとも一つの細長構造部において、エネルギーバンドに歪が生じるように設置され、前記少なくとも一つの細長構造部から放射される前記光線の前記波長が変調される、ステップと、
を有する方法が提供される。
【0027】
当該方法は、本発明の第1の態様による装置を製作する上で好適な方法を提供する。
【0028】
前記電極配置は、実質的に前記少なくとも一つの半導体接合部が設置される領域を覆うように配置されることが好ましい。あるいは、前記電極配置は、実質的に前記少なくとも一つの半導体接合部が設置される領域に隣接して設置されても良い。
【0029】
出力される光スペクトルのバンド幅が狭小化される装置を製作する場合、当該方法は、
前記少なくとも一つの細長構造部の各々の前記電極配置が、前記複数の領域に別々に電場を印加する複数の電極を有し、相互に異なるエネルギーバンドの歪が生じるように調整される。
【0030】
前記電極配置は、前記少なくとも一つの細長構造部に沿った電流の流れ方向と実質的に直交する方向に、電場が生じるように設置されることが好ましい。
【0031】
前記少なくとも一つの細長構造部は、5nmから50nmの範囲の有効公称径を有することが好ましい。前記少なくとも一つの細長構造部は、20nmから40nmの範囲の有効公称径を有することがより好ましい。前記少なくとも一つの細長構造部は、実質的に30nmの有効公称径を有することがさらに好ましい。
【0032】
当該方法を適用する場合、前記少なくとも一つの細長構造部は、作動時に、キャリアの量子閉じ込めが生じるような断面寸法を有することが好ましい。
【0033】
前記少なくとも一つの細長構造部は、全長が100nmから50μmの範囲にあることが好ましい。前記少なくとも一つの細長構造部は、全長が200nmから10μmの範囲にあることがより好ましい。
【0034】
当該方法を適用する場合、前記少なくとも一つの細長構造部は、1:2以下の断面アスペクト比を有することが好ましい。
【0035】
当該方法を適用する場合、前記少なくとも一つの細長構造部は、III-V族もしくはII-VI族の化合物、または三元系もしくは四元系の半導体材料で製作されることが好ましい。そのような化合物または材料は、少なくとも、リン化インジウム、砒素化ガリウム、窒化インジウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、セレン化亜鉛、砒素化インジウムおよび窒化ガリウムのいずれかを有することがより好ましい。そのような範囲の材料は、作動時に、異なる光スペクトル領域の放射線を放射する装置を提供することができるため、好適である。
【0036】
当該方法は、前記細長構造部の配列を有する装置を製作するように調整されることが好ましく、前記細長構造部は、延伸軸が実質的に相互に平行となるように設置される。
【0037】
当該方法は、複数の前記細長構造部を有する装置を製作するように調整されることが好ましく、前記細長構造部は、共同で光を放射するように作動し、装置からの光出力が統合して提供される。
【0038】
当該方法は、画素の2次元配列として設置された、複数の前記細長構造部を有する装置を製作するように調整されることが好ましく、画像ディスプレイが提供される。
【0039】
本発明の特徴は、本発明の範囲を逸脱しないで、いかなる組み合わせとしても実施できることは明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の実施例を添付図面を参照して、以下に示す。ただしこれらは本発明の一例に過ぎない。
【0041】
本発明の発光ダイオード(LED)について以下説明する。ただし例えば、整調半導体レーザーおよび整調光検出器のLED等に用いられる電気−光構造を、別の分類の装置に利用することができることは明らかである。また、そのようなLEDを2次元配列で製作して、例えば画素表示装置のような視覚表示装置を構成することができることは明らかである。
【0042】
標準的なバルクLEDから発光される放射線の特徴は、LEDに組み込まれた1または2以上の材料のバンドギャップによって決まる。従って標準的なバルクLEDでは、異なる波長の光を発生させるには、その材料および/または構造を変化させる必要がある。従来より、相互に異なる波長の光は、例えばガリウムアルミニウムリン化物(GaAlP)およびインジウムガリウムアルミニウムリン化物(InGaAlP)のような、III-V族半導体材料を用いて発生させている。ただし近年、インジウムガリウム窒化物(InGaN)が注目されている。この材料は、青色/紫外線波長の光線を放射することができる。そのような青色/紫外線は、例えばYAG蛍光体のような蛍光体を励起し、相互に異なる色の範囲にある放射線を発することができる。
【0043】
各種波長の光出力を得ることの可能な固体半導体装置を提供する別の方法は、量子井戸、ナノ結晶およびナノワイヤにおいて生じる、量子閉じ込めを利用する方法である。発明者らは、そのような量子井戸、ナノ結晶および/またはナノワイヤを利用して、整調半導体光源を製作することが可能であることを見出した。例えば、本発明者らに確認された、Guzelianら、AppliedPhysics Letters、69巻、p1432(1996年)の刊行物には、量子井戸の幅を狭くすることによって、例えば対応するナノ結晶粒子径を減少させて、量子井戸から放射される放射線波長を低下させることが示されている。特に、Guzelianら、Journal of Physical Chemistry B、106巻、p4036(2002年)に示されているように、発明者らは、ナノワイヤの場合、インジウムリン(InP)ナノワイヤのフォトルミネッセンス最大値は、そのナノワイヤの径の関数であることを見出している。この発見によって、発明者らは、ナノワイヤは光線を放射することができるため、そのような放射線の波長は、そのナノワイヤの有効径を変化させることで変調することができることを認識するに至った。そのようなナノワイヤ径とそこから放射される光線波長との関係の一例は、図1に示されている。図において「WD」で示されている横軸は、ナノワイヤ径であり、「PL max」で示されている縦軸は、最大フォトルミネッセンスエネルギーを表す。一般に、フォトルミネッセンスエネルギーは、プランク定数hによって光線出力と相関づけられることが知られている。ナノワイヤで生じる放射線の波長は、ナノワイヤ径が実質的に20nm以下の場合、ナノワイヤ径によって大きく変化することは明らかである。しかしながら実際には、ナノワイヤの径が特に実質的に50nm以下になると、そのようなナノワイヤを製作することは難しい。現在の半導体集積回路製作では、光転写技術を用いて、例えば深UV光転写技術を高コントラストレジストおよび乾式エッチング処理と組み合わせて使用することにより、150nmオーダーの最小寸法までの半導体装置を定形することができるが、現在利用できる半導体製作設備を用いて、図1に示すような10nmに近いワイヤ径を製作することはできない。
【0044】
しかしながら発明者らは、電場が印加された場合、ナノワイヤの有効径がある程度減少するため、そのような電場を用いて、そのナノワイヤから放射される光エネルギーの波長を変調することができることを見出した。
【0045】
このようにして発明者らは、新たな発光ダイオード(LED)を発明した。この半導体材料は、1または2以上のナノワイヤ形状で設置され、このナノワイヤは、空間的に対応した電極配置を有し、1または2以上のナノワイヤに制御可能な電場を印加することができる。
【0046】
作動のため、各ナノワイヤは、pn接合部およびその周囲の電気絶縁酸化層を有する。また各ナノワイヤは、例えば冷却のため基板上に製作される。いくつかのナノワイヤが存在する場合、それらのナノワイヤは、相互に実質的に平行な延長軸に沿って、基板上に設置されることが好ましい。1または2以上のナノワイヤの端部は、酸化層を貫通して露出されており、真空蒸着またはスパッタリングで形成された金属端部電極との間に電気接続が得られる。従って端部電極に印加される電圧差によって、1または2以上のナノワイヤを通って電流が流れ、これにより光線が放射される。
【0047】
1または2以上のナノワイヤ接合部と実質的に空間的に隣接する領域の酸化層上には、金属制御電極が設置される。制御電極は、制御電極と基板の間に印加される電位差によって、実質的に1または2以上のナノワイヤ接合部に公称横断電場が生じるように配置され、その接合部に欠乏が生じることで、微小な活性導電部径が効果的に生じる。1または2以上の接合部での電荷移動とキャリアの再結合の影響によって、従来の電界効果トランジスタにおいて生じるようなバンド歪が生じる。1または2以上のナノワイヤの有効径が、キャリアの量子閉じ込めが生じる範囲にある場合、そのような閉じ込めは、1または2以上のナノワイヤから放射される放射線の波長に対し、明確な影響を及ぼす。従って、制御電極と基板の間に印加される電位差を変化させることによって、作動時に、1または2以上の接合部から放射される光の波長を変調することが可能となる。
【0048】
図1では、制御電極と基板の間の電位差の増大に応じて、1または2以上のナノワイヤの欠乏が増大し、1または2以上のナノワイヤの有効径WDが減少する。そのような有効径WDの減少は、フォトルミネッセンスシフトに対応し、1または2以上のワイヤは、電磁放射線スペクトルの青色端の方向にシフトした光線を放射する。従って1または2以上の半導体ナノワイヤを用いて、半導体光源を製作することが可能となり、この光源からの放射線の出力は、制御電極と基板の間の電位差に応じて、連続的に変化する波長となる。
【0049】
本発明をさらに説明するため、図2乃至4を参照して、整調放射線放射半導体装置を示す。
【0050】
図2には、本発明による整調放射線放射半導体装置の第1の実施例が示されている。この装置は、通常50で示され、基板(SUB)100を有する。基板の上には、底部酸化層110が成膜または成長される。酸化層110の基板100とは反対側の上部には、ナノワイヤの配列が設置され、例えばナノワイヤ120で示されている。底部酸化層110上のナノワイヤ120は、1または2以上の実質的に平行で、実質的に相互に等間隔に設置されたナノワイヤであることが好ましい。ナノワイヤ120は、相互に実質的に同等に構成され、各ナノワイヤ120は、図のように第1のナノワイヤ130と、第2のナノワイヤ140とを有する。セグメント130、140は、それぞれp型およびn型半導体材料で製作される。装置50は、可視光の電磁スペクトルの一部に含まれる放射線を放射するように作動されることが好ましい。直接バンドギャップ半導体は、ナノワイヤ120の製作に利用される。そのような直接バンドギャップ半導体は、これに限られるものではないが、少なくとも、リン化インジウム(InP)、ヒ素化ガリウム(GaAs)、窒化インジウム(InN)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)およびセレン化亜鉛(ZnSe)のいずれかを含む。また、ナノワイヤ120は、化学気相成膜法、分子ビームエピタキシー法および関連プロセスの、1または2以上によって製作することができる。蒸気―液体―固体(VLS)成長法を用いて製作されることが、より好ましい。装置50作動時に、実質的に赤外および紫外領域にある電磁スペクトルの電磁放射線が放射される場合、ナノワイヤ120は、それぞれ、ヒ素化インジウム(InAs)および窒化ガリウム(GaN)で製作されることが好ましい。セグメント130、140の定形に、ドーピングの選択的な適用を行っても良く、例えばイオン注入および/または気相成膜処理の制御によって、装置50が製作される。ナノワイヤ120は、10nmから50nmの範囲の公称径を有することが好ましく、20nmから40nmの範囲にあることがより好ましく、実質的に30nmであることがさらに好ましい。またナノワイヤ120は、100nmから50μmの長さであることが好ましく、200nmから10μmの範囲であることがより好ましい。またナノワイヤ120は、断面アスペクト比が実質的に1:2を越えないように製作されることが好ましい。ナノワイヤ120は、作動時に量子閉じ込め効果が生じるような断面寸法であることが好ましい。
【0051】
中心軸A-A’では、各ナノワイヤ120のナノワイヤセグメント130、140が接し、そこに対応半導体接合部150が提供される。ナノワイヤセグメント130、140の中心軸A-A’から遠い側の端部は、例えば酸化層180のエッチングによって露出され、図に示すように、それぞれ端部金属電極160および170との電気接続部が形成される。ナノワイヤ120の上には、上部酸化層180が成膜される。この層は、セグメント130、140がそれぞれ、端部金属電極160、170とオーミック電気接続部を構成する箇所を除き、底部酸化層110とともに、ナノワイヤ120を取り囲むように空間的に配置される。そのような配置は、図5に概略的に示されている。次に、接合部150と基板100の上部の上部酸化層180の上に、例えば金属の真空蒸着によって、中央金属電極190が設置され、中央金属電極と接合部の間が電気的に絶縁される。中央電極190は、細長い形状であり、図のように延長軸が、端部金属電極160、170と実質的に平行になるように配置されることが好ましい。中央電極の延長軸は、実質的にナノワイヤ120の長手方向の軸と直交することがより好ましい。平面図では、中央電極190は、ナノワイヤ120の接合部150を実質的に対称に覆うように配置される。
【0052】
装置50の動作を以下に説明する。
【0053】
動作時には、第1のバイアス電位V1が電極160、170間に印加され、電流Iがナノワイヤ120を通って流れる。第2のバイアス電位V2は、中央電極190と基板100の間に印加され、上部酸化層180とナノワイヤ120の間の界面に界面電荷が生じる。この界面電荷の発生は、電界効果トランジスタ(FET)におけるゲートの帯電と同様の方法で生じる。発生した電荷は、ナノワイヤ120内のエネルギーバンドに歪を生じさせる。バンドの歪量は、電位V2の大きさおよび極性によって変化する。電位V2は、界面に欠乏層が形成されるような極性を有する。欠乏層では移動キャリアの欠乏が生じるため、電荷移動および再結合の生じるナノワイヤ120において、活性電気伝導領域の寸法を狭めることができる。従って電位V2は、ナノチューブワイヤ120の有効径を変化させ、これによりそこから放射される放射線の波長を変調させることができる。
【0054】
従って接合部150において、そこを流れる電流Iに応じて光線を放射するように作動させることができる。また電位V2によって、接合部150から放射される光線の波長を連続的に変化するように変調させることができる。その結果装置50は、例えば波長分割多重(WDM)光通信装置に用いられる、周波数変調光線を提供することができる。
【0055】
装置50の動作を以下に詳細に説明する。
【0056】
実際には、電位V2は、ナノワイヤ120のドープ状態の異なる部分に、異なる量のバンド歪を生じさせる。例えば電位V2が基板100に対して正である場合、ナノワイヤ120と上部酸化物層180間の界面の酸化層側には正電化が生じる。電気的中性を維持するため、ナノチューブワイヤ120には負電荷が必要となる。第1のナノワイヤセグメント130と接する、上部酸化層180の界面領域では、上方にエネルギーバンドの歪が生じ、そこに生じる負の空間電荷のため、主として欠乏層または反転層が生じる。逆に、上部酸化層180の第2のナノワイヤセグメント140と接する界面領域では、蓄積層が形成される結果、下方エネルギーバンド歪が生じる。第2のナノワイヤセグメント140に近接して生じるバンド歪は、第1のセグメント130に近接して生じる歪に比べて十分に小さい。
【0057】
従って第2のセグメント140のn型半導体材料では、中央電極190に印加される信号によって生じる正電荷を相殺するのに必要な負電荷の量は、n型領域に既に存在する負の電荷キャリアの量に比べて少ない。従って実際には、生じるバンド歪量は少ない。しかしながら、第1のセグメント130のp型半導体材料では、例えばドーピング不純物によって、通常存在する数に比べて比較的多くの負電荷が生じるため、第1のセグメント130内では、比較的大きなバンド歪が生じる。そのような2セグメント130、140におけるエネルギーバンド歪の相対的な差異によって、ナノワイヤ120内の活性領域の径が異なり、これにより、ナノワイヤ120から放射される光線の波長範囲が変化する。
【0058】
実際には、第1および第2のワイヤセグメント130、140内で生じるバンド歪の相対量の差異は、ナノワイヤ120内の電子および正孔の実際の移動度の差には、比較的小さな影響しか及ぼさない。ナノワイヤ120内の電子は、正孔に比べて比較的移動度が大きく、電子は、正孔が第2のワイヤセグメント140に侵入するよりも深く、第1のワイヤセグメント130に侵入する。従って、主要な空間再結合は、p型材料で製作された第1のワイヤセグメント130において生じる。バンド歪さらには装置50から放射される光の波長変調は、実際には、基板100に対して正の電圧を中央電極190に印加することで整調される。
【0059】
図2から、中央電極190は、接合部150を少なくとも部分的に覆うように設置されており、そこで生じる光線を減衰および散乱させることは明らかである。また前述のように、2つの相互に異なる欠乏電位を第1および第2のワイヤセグメント130、140に印加して、バンド歪を同程度にし、装置50から放射される光線を狭小のスペクトルとする必要がある。そのようなスペクトルの広がり、減衰および散乱の抑制は、図3に示すように、電極190を2つの電極190a、190bとし、これらの電極を接合部150と実質的に隣接させ、ただし接合部150を覆わないように設置することによって行うことができる。図3の装置は、2つの電極190a、190bに相互に異なるバイアス電圧を印加し、第1および第2のナノワイヤセグメント130、140に実質的に同等のエネルギーバンド歪を提供することができる。電極190a、190bの間の幅「w」は、図の上部酸化層180とセグメント130、140の合計厚さ「t」の0.5から10倍の範囲であることが好ましい。幅「w」は、厚さ「t」の1から3倍であることがより好ましい。
【0060】
図3の装置において、接合部150から放射される光線のより迅速な周波数変調を提供するには、電極190a、190bを端部電極160、170側の方向にあまり延伸しないことが好ましい。キャリアの再結合があまり生じないこれらの領域では、電極190a、190bは、あまり光線の変調に有効ではないからである。
【0061】
中央電極190を単一にする必要があって、装置の製作をより簡単にする場合には、図4に示すように、区画130、140自体が、その間に固有領域を有するように製作しても良い。図4では、装置は、各ナノワイヤ120の第1および第2の区画130、140の間に、固有領域200を有する。そのような固有領域200は、効率的に、電子の再結合が生じる領域を空間的に開放する。その再結合エネルギーは、ナノチューブワイヤ120から放射される可視光の光子に対応する。次に中央電極190は、図のように実質的に固有領域200上に設置される。固有領域200の設置によって、ナノチューブワイヤ120の抵抗は増大するが、これは、装置の活性化に電源が用いられるような用途には利点がある。
【0062】
単一のナノワイヤ120から放射される光線では、例えば視界用等、多くの実際のLEDに使用するには不十分であることは明らかである。そのため、図2乃至4に示す装置は、例えばそのようなナノワイヤ120の数行列からなる2次元配列のような、複数のナノワイヤ120を有する。Haungら、サイエンス、291巻、p630(2001年)の刊行物に記載された流れ工程および/またはDuanら、ネーチャー、409巻、p66(2001年)の刊行物に記載された静電組立体は、そのような配列の製作に利用することができる。これらの2刊行物には、本願の参照文献として取り入れられた主題が開示されている。
【0063】
前述のように、LEDは光線を放射するように作動し、その波長は電圧制御することが可能である。LEDは、直接バンドギャップ半導体材料で製作されたナノワイヤ120の配列を有する。各ナノワイヤ120は、内部pn接合部と、その周囲の絶縁酸化層とを有する。少なくとも一つのゲート電極が、各ナノワイヤ120の領域に、蒸着または他の方法によって成膜され、作動時に光を放射することが可能となる。少なくとも一つのゲート電極に電位差を印加することによって、ナノワイヤ120にバンド歪が生じ、少なくとも一つの電極に近接した領域での電荷移動およびキャリア再結合の変調を行うことが可能となる。放射光線波長の、活性領域のナノワイヤ120の径に対する依存性のため、電位差の変化に応じて、この波長変化が生じる。
【0064】
図2の装置50、および図3と4に示すその変形例を、幅広い範囲の電気−光学製品に利用できることは明らかである。例えば、コンパクトディスク(CD)ドライブ、DVDドライブ、画素ディスプレイ、および光ファイバー信号伝送に用いられる、波長分割多重(WDM)方式多チャンネル光通信システムが挙げられる。
【0065】
前述の本発明の実施例は、本発明の範囲を逸脱しないで変更できることは明らかである。
【0066】
例えば前述の説明では、光線を放射するLEDの製作および構造化において、LED構成部品は、対応する平坦基板の主表面に対して、実質的に平行になるように設置されることが示されている。しかしこの代わりにLEDは、平坦基板の主表面に対して非平行な状態で、より好ましくは、実質的に直交または勾配を有するように、設置された構成部品を有するように製作されても良い。現在の科学刊行物(JAP、77(2)p447、1995年)から、GaAsナノワイヤは、GaAs基板の主[111]配向結晶面と垂直な方向に、エピタキシャル成長させることができることが知られている。そのような垂直エピタキシャル成長の間に、p−n接合部が設置されても良い。また、ゲート電極は、ゲート材料の発光ナノワイヤの配列に埋没させて、共製作することができる。ゲート材料としては、インジウムスズ酸化物(ITO)のような透明材料が好ましいが、ポリチオフェン誘導体(PEDOT)材料のような実質的に透明な有機高分子を使用しても良い。そのようなゲート電極の基板とは反対の側には、酸化絶縁材料が設置され、その後上部電極は、ナノワイヤと接続され、「垂直」成長ナノワイヤを有し、光線を放射することの可能な整調波長LEDが製作される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】横軸がナノワイヤ径で、縦軸がフォトルミネッセンス最大エネルギー(eV)のグラフである。
【図2】本発明による第1の整調放射線放射半導体装置の概略図である。
【図3】本発明による第2の整調放射線放射半導体装置の概略図である。
【図4】本発明による第3の整調放射線放射半導体装置の概略図である。
【図5】基板上に製作されたナノワイヤの一例の断面図であって、ナノワイヤに印加された電場によって、ナノワイヤ内の導電領域が変調され、これによりナノワイヤの示すエネルギーバンドに歪が生じる、ナノワイヤの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線の光子エネルギーに対応する1または2以上のエネルギー遷移を有するバンドギャップ特性を示す、1または2以上の半導体材料で少なくとも一部が製作された、少なくとも一つの細長構造部を有する、整調放射線放射半導体装置であって、
前記少なくとも一つの構造部は、該構造部を流れる電流に応じて、光線を放射するように作動し、
前記少なくとも一つの細長構造部は、前記電流の流れに対応する電荷キャリアの量子閉じ込めが生じる程狭く、
前記少なくとも一つの細長構造部は、さらに、該少なくとも一つの細長構造部に電場を印加する電極配置を有し、バンドギャップ特性に歪が生じ、前記構造部を流れる前記電流の流れに応じて、前記少なくとも一つの細長構造部から作動時に放射される前記光線の波長が変調されることを特徴とする整調放射線放射半導体装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの細長構造部は、少なくとも中央領域が絶縁材料に包囲され、前記電極配置は、前記絶縁材料を介して前記電場が構成されることによって、前記少なくとも一つの細長構造部の前記バンドギャップ構造に歪が生じるように作動されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの細長構造部は、相互に異なる組成の複数の領域を有し、該複数の領域は、作動時に、前記電流の流れに対応するキャリアの再結合が生じる、少なくとも一つの半導体接合部を定形し、前記再結合によって、当該装置から光線が放射されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの細長構造部は、実質的にn型領域とp型領域の間に設置された固有の半導体領域を有し、該固有の領域は、キャリアの再結合を助長することを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記電極配置は、実質的に前記少なくとも一つの半導体接合部が設置される領域を覆うように配置されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記電極配置は、実質的に前記少なくとも一つの半導体接合部が設置される領域に隣接して設置されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つの細長構造部の各々の前記電極配置は、前記複数の領域に別々に電場を印加する複数の電極を提供し、相互に異なるエネルギーバンドの歪が生じることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記電極配置は、前記少なくとも一つの細長構造部に沿って流れる電流の方向と、実質的に直交する方向に電場が生じるように設置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの細長構造部は、5nmから50nmの範囲の有効公称径を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの細長構造部は、1:2以下の断面アスペクト比を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つの細長構造部は、III-V族もしくはII-VI族の化合物、または三元系もしくは四元系の半導体材料で製作されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
当該装置は、画素の2次元配列として設置された複数の前記細長構造部を有し、画像ディスプレイが提供されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
整調放射線放射半導体装置を製作する方法であって、
(a)実質的に平坦な基板を提供するステップと、
(b)前記基板の少なくとも一つの領域に、絶縁材料の第1の層を形成するステップと、
(c)前記第1の層の前記基板とは反対側の露出表面に、少なくとも一つの半導体接合部を有する、少なくとも一つの細長構造部を形成するステップであって、前記少なくとも一つの構造部は、微小断面であって電荷キャリアの量子閉じ込めが生じ、電荷キャリアの再結合サイトが提供され、該サイトは、光線に対応した量子エネルギーに相当するエネルギーバンド分布を示し、前記少なくとも一つの細長構造部は、該構造部に沿って対応電流を流すことができる、ステップと、
(d)前記少なくとも一つの細長構造部の少なくとも一部を被覆する、絶縁材料の第2の層を形成するステップと、
(e)絶縁材料の前記第2の層の露出表面に、電極配置を形成するステップであって、前記電極配置は、作動時にバイアス化された際に、前記少なくとも一つの細長構造部において、エネルギーバンドに歪が生じるように設置され、前記少なくとも一つの細長構造部から放射される前記光線の前記波長が変調される、ステップと、
を有する方法。
【請求項14】
前記電極配置は、実質的に前記少なくとも一つの半導体接合部が設置される領域を覆うように配置されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電極配置は、実質的に前記少なくとも一つの半導体接合部が設置される領域に隣接して設置されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも一つの細長構造部の各々の前記電極配置は、前記複数の領域に別々に電場を印加する複数の電極を提供し、相互に異なるエネルギーバンドの歪が生じることを特徴とする請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−500947(P2007−500947A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530834(P2006−530834)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050671
【国際公開番号】WO2004/102684
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】