説明

敷石体敷設リボン、敷石体の敷設方法

【課題】本発明では、曲線状に敷石を敷き並べる場合であっても、容易に、かつ、デザイン性が高く敷石を並べることができる敷石体敷設リボン及び敷石の敷設方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の敷石体敷設リボンでは、複数の敷石体が帯状のシートに固定されており、敷石体を容易に敷設することができるのみならず、容易に曲線状又は曲面状に敷設することができる。また、帯状シートの幅を敷石体よりも小さくすることや、帯状シートを伸縮性の素材とすること、帯状シートへの敷石体の固定を点固定とすることで、より効率的に敷石体を曲線状又は曲面状に敷設することができる。このため、敷石体を容易に曲線状に敷き並べるのみならず、デザイン性が高い舗道等を容易に形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷石等を敷設する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、敷石等を敷設するためには、配置した敷石がずれないように正確な位置合わせを行いながら手作業で敷設箇所に一つずつ配置しなければならなかった。そこで、特許文献1では、予め1枚のシートに複数の敷石をマトリックス状に並べ、敷石が配置された状態のシートを施工箇所へ配置することで敷設を行う方法が開示されている。しかしながら、上記技術においても、次のような課題が存在する。
【特許文献1】特開2002−129534
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の複数の敷石がマトリックス状に配置されたシート(以下、これを「従来シート」という)の概略を図10(a)に示す。図10(a)に示す従来シート(1001)では、一度に複数の敷石(1002)を配置できるという利点を有する。しかし、図10(b)に示すように、曲線状に敷石を敷設したい場合には、従来シートの形状の制約より、シートとシートの隙間(1003)が大きくなってしまう。このため、間詰めに必要となるモルタルの施工量が増大するだけでなく、隣接するシートの敷石間の距離が広くなり景観上も好ましくないという課題が生じていた。
【0004】
本発明では、曲線状に敷石を敷き並べる場合であっても、容易に、かつ、デザイン性が高く敷石を並べることができる敷石体敷設リボン及び敷石体の敷設方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するため、第一発明では、帯状シートと、前記帯状シートに固定される複数の敷石体と、からなる敷石体敷設リボンを提案する。第二発明では、前記敷石体は帯状シートの端部からはみ出して固定されている敷石体敷設リボンを提案する。第三発明では、前記敷石体の幅は、帯状シートの幅より広い敷石体敷設リボンを提案する。第四発明では、前記帯状シートは、伸縮性を有する材料からなることを特徴とする敷石体敷設リボンを提案する。第五発明では、前記帯状シートは、メッシュ状である敷石体敷設リボンを提案する。第六発明では、前記固定は、点固定である敷石体敷設リボンを提案する。第七発明では、第一発明から第六発明のいずれか一に記載の敷石体敷設リボンを用いて、敷石体を曲線状又は曲面状に敷き並べる敷石体の敷設方法を提案する。
【発明の効果】
【0006】
以上のような構成をとる本発明の敷石体敷設リボンでは、複数の敷石体が帯状のシートに固定されており、敷石体を容易に敷設することができるのみならず、容易に曲線状又は曲面状に敷設することができる。また、帯状シートの幅を敷石体よりも小さくすることや、帯状シートを伸縮性の素材とすること、帯状シートへの敷石体の固定を点固定とすることで、より効率的に敷石体を曲線状又は曲面状に敷設することができる。このため、敷石体を容易に曲線状に敷き並べるのみならず、デザイン性が高い舗道等を容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施形態1は主として請求項1、2、7について説明する。実施形態2は主として請求項3、4、5、7について説明する。実施形態3は主として請求項6、7について説明する。
【0008】
≪実施形態1≫
【0009】
(実施形態1の概念)図1は、本実施形態の敷石体敷設リボンを用いて敷石体を敷設した場合の概念図である。図1(a)に示すように、敷石体敷設リボンは、住宅(0102)などの玄関アプローチの部分などに敷石体(0101)を敷設する際に利用される。図1(b)に示すように、本敷石体敷設リボンは帯状シート(0103)に複数の敷石体(0101)が固定されているため、従来例と比べて微妙な曲線状に敷石体を敷き並べることができる。
【0010】
(実施形態1の構成)図2に本実施形態における敷石体敷設リボンの構成を示す。図2(a)は敷石体敷設リボンの縦断面図、図2(b)は上面図を示す。敷石体敷設リボンは、帯状シート(0201)と、複数の敷石体(0202)と、から構成される。
【0011】
(実施形態1の構成の説明)「帯状シート」(0201)とは、帯状のシートをいう。帯状のシートとは、幅方向に比して長さ方向の長さが長い、樹脂製、紙製、布製などの薄い一枚のものをいう。帯状シートは、実施形態2にて説明するように、伸縮性を有する素材が望ましいため、ビニール製、ゴム製などの合成樹脂製のものが望ましいがこれに限られるものではない。また、帯状シートの素材として、生分解性プラスチックなどを利用することで、施工後に帯状シートを分解することとしても良い。
【0012】
複数の敷石体(0202)は、前記帯状シートに固定される。敷石体とは、敷石、舗石、ピンコロ、縁石、タイル、レンガ、疑石、採石、砕石、砂利等の石を素材とするものに加えて、樹脂やセラミックを素材とした擬似レンガや、木を素材とした角材など、敷石に類似した機能を備えるものも含む。図2に示す複数の敷石体は、全て同様の形状を有しているが、複数種類の形状の敷石体を帯状シートに固定しても良い。帯状シートへの敷石体の固定は、接着剤(0203)や敷石体に設けられた金具などで固定されるが、少なくとも敷石体敷設リボンの敷設時に敷石体が帯状シートから離れてしまわない程度に固定されていれば良い。
【0013】
帯状シートに固定された敷石体は、隣接する敷石体との間に所定の間隔(0204)を空けて配置されている。これにより、敷石体敷設リボンが曲線状に配置された場合に、敷石体の角部が隣接して配置されている敷石体の角部と接触して曲線形成の阻害となってしまうことを防止することができる。
【0014】
図2に示すように、帯状シートには敷石体は一列に配列されていても良いし、図3に示すように複数列に配列されていても良い。複数列を配列する場合には、配列する数が増加するほど敷石体敷設リボンを曲線状に敷設した場合の曲線の内側と外側における帯状シートの伸張差が大きくなってしまう。このため、複数列を配列する場合には、帯状シートをより伸縮性の高い素材を用いる必要がある。なお、敷石体の配列をあまり多くすると、本実施形態における敷石体敷設リボンの効果が薄れる可能性があるため、複数列を配列する場合の敷石体の列は二列又は三列程度とすることが望ましい。
【0015】
また、図4(a)に示すように、敷石体(0402)は帯状シート(0401)の幅方向端部からはみ出して固定されていても良い。このように、帯状シートからはみ出して敷石体を固定すると、敷石体敷設リボンを複数敷き並べた場合に、隣り合う敷石体敷設リボンの敷石体同士を隙間なく配置することができる。
【0016】
また、図4(b)に示すように、敷石体を千鳥状に配置しても良い。図4(c)に示すように、千鳥状に配置された敷石体は、敷石体の帯状シートからはみ出した部分で隣り合う敷石体敷設リボンの帯状シートを互いに押さえることができる。このため、敷石体敷設リボンの設置後に帯状シーとがずれにくいという利点を有する。
【0017】
(実施形態1の具体例)図2に示した敷石体敷設リボンの具体的寸法の一例を、図5(a)を用いて説明する。図5(a)に示す敷石体敷設リボンの敷石体(0502)の形状は、縦a=90mm、横b=90mm、高さ30mm(図示せず)とし、これらの複数の敷石体を所定間隔c=10mmを空けて帯状シート(0501)に固定している。また、1枚の帯状シートには10枚の敷石体が固定されており、敷石体敷設リボンの全長は約1mである。さらに、複数の敷石体は全て帯状シートに固定されているため、運搬時には図5(b)に示すように帯状シート(0501)を丸めて運搬することができる。このように丸めると、外形d=200mm程度となり、運搬作業や在庫の収納などを効率的に行うこともできる。
【0018】
次に、敷石体敷設リボンの具体的な敷石体の敷設方法を示す。まず、形成したい玄関アプローチ等の形状に沿って帯状シートを曲線状、あるいは曲面状に配置する。このとき、複数の敷石体は帯状シートに固定されているため、敷き並べた敷石体がずれて配置されてしまうことはなく、整列した状態で容易に配置することができる。そして、間詰めコンクリート、モルタルなどで敷石体と敷石体の間を埋めて養生することで、敷石体の敷設を行うことができる。間詰めは土などを用いても良い。なお、曲線状とは、一の平面上において、曲がりを有した線を描いた形状をいい、曲面状とは、一の空間内において、曲がりを有した面を形成した形状をいう。敷石体敷設リボンは、曲線状又は曲面状に配置することができるため、曲面上において曲線状に配置することも可能である。
【0019】
(実施形態1の効果)以上のような構成をとる本実施形態の敷石体敷設リボンでは、複数の敷石体が帯状のシートに固定されており、敷石体を容易に敷設することができるのみならず、容易に曲線状又は曲面状に敷設することができる。また、敷石体が帯状シートからはみ出して固定されている場合には、複数の敷石体敷設リボンを並列して配置した場合であっても隣り合う敷石体敷設リボンの敷石体同士の隙間を少なく配置することができる。このため、敷石体を容易に曲線状に敷き並べるのみならず、デザイン性が高い舗道等を容易に形成することができる。
【0020】
≪実施形態2≫
【0021】
(実施形態2の概念)本実施形態の敷石体敷設リボンは、実施形態1の敷石体敷設リボンを基本とし、敷石体の幅が帯状シートの幅よりも広いことを特徴とする。
【0022】
(実施形態2の構成の説明)本実施形態における敷石体敷設リボンを図6に例示する。図6(a)は本実施形態における敷石体敷設リボンの縦断面図を示し、図6(b)は敷石体敷設リボンの裏面図を示す。図6(b)に示すように、本実施形態における敷石体(0602)の幅(0603)は、帯状シート(0601)の幅(0604)よりも広い。言い換えれば、本実施形態の帯状シートの幅は、敷石体の幅よりも狭い。このため、複数の敷石体敷設リボンを並列して設置する場合にも、隣接する敷石体敷設リボンにおける敷石体同士を近接して配置することができる。
【0023】
また、帯状シートの幅を狭くすることで、敷石体敷設リボンを曲線状に配置した場合に帯状シートに生じる曲線の内側と外側の伸張差を小さくすることができ、より曲線を形成し易くなる。図7に示すように、敷石体の幅と帯状シートの幅とが略同一の敷石体敷設リボン(図7(a))と、帯状シートの幅が敷石体の幅よりも狭い敷石体敷設リボン(図7(b))とを曲線状に配置した場合を比較すると、次のような差異がある。図7(a)に示す敷石体敷設リボンの敷石体と敷石体との隙間(0701a)における帯状シートの曲線の外側の長さ(0702a)と内側の長さ(0703a)の差と、図7(b)に示す隙間(0701b)における帯状シートの曲線の外側の長さ(0702b)と内側の長さ(0703b)の差とを比較すると、明らかに図7(b)の帯状シートにおける差の方が小さい。このため、図7(b)に示す敷石体敷設リボンの方が図7(a)に示す敷石体敷設リボンよりも帯状シートに負担をかけずに敷石体を曲線状に配置することができる。
【0024】
また、帯状シートを伸縮性の高い材料にて形成することで、上記の伸張差に伴う帯状シートへの負担の問題をより軽減することができる。伸縮性を有する材料とは、例えば、ゴム等の弾粘性を有する素材を含む材料である。また、帯状シートをメッシュ状としても良い。メッシュ状とすることで、素材自体は伸縮性が小さい部材であっても、メッシュを構成している矩形の一つ一つが変形することで帯状シートの変形を容易に行うことが可能となり、曲線状や曲面状に敷石体敷設リボンを配置することができる。
【0025】
(実施形態2の効果)以上のような構成をとる本実施形態の敷石体敷設リボンでは、複数の敷石体が帯状のシートに固定されており、敷石体を容易に敷設することができるのみならず、容易に曲線状又は曲面状に敷設することができる。また、帯状シートの幅を敷石体よりも小さくすることで、より効率的にかつ容易に敷石体を曲線状又は曲面状に敷設することができる。このため、敷石体を容易に曲線状に敷き並べるのみならず、デザイン性が高い舗道等を容易に形成することができる。
【0026】
≪実施形態3≫
【0027】
(実施形態3の概念)本実施形態の敷石体敷設リボンは、実施形態1又は2の敷石体敷設リボンを基本とし、帯状シートへの敷石体の固定は点固定であることを特徴とする。
【0028】
(実施形態3の構成の説明)本実施形態における敷石体敷設リボンを図8に例示する。図8(a)は敷石体敷設リボンの縦断面図、図8(b)は敷石体敷設リボンの裏面図である。図8(b)に示すように、本実施形態における敷石体(0802)は帯状シート(0801)に点固定(0803)されている。点固定とは、固定箇所の面積が敷石体の面積に比して小さく、敷石体が帯状シートに対して回転しやすく固定されていることをいう。例えば、図8に示す敷石体は、敷石体の底面積の略9分の1以下の面積にて接着剤等で帯状シートに固定されている。このように、敷石体を点固定すると、帯状シートの変形が妨げられる箇所の面積が小さくなり、点固定された端部(0800)から帯状シートの変形を許容できるため、より敷石体敷設リボンを曲線状又は曲面状に配置しやすくなる。
【0029】
また、敷石体を回転可能に点固定することも可能である。これを図9に示す。図9は、敷石体(0902)に取り付けられたフランジ付金具(0903)にて敷石体が帯状シート(0901)に固定されている敷石体敷設リボンを例示している。図9(a)は当該敷石体敷設リボンの縦断面図、図9(b)は敷石体敷設リボンの裏面図である。帯状シートは、フランジ付き金具を取り付けるために、図9に示すようなメッシュ状のものとするか、所定の貫通穴を設けておく必要がある。敷石体に固着されたフランジ付金具をメッシュに形成されている矩形状の隙間、又は貫通穴に貫通させ、フランジ部(0904)を折り曲げることで、フランジ部が帯状シートに引っかかり敷石体が固定される。フランジ部の折り曲げは、複数の敷石体のフランジ付金具を帯状シートの貫通穴に差し込んだ状態で裏面を上面として並べ、帯状シートの上からローラ等で転圧することで容易に折り曲げることができる。敷石体は、フランジ付き金具にて帯状シートから離れないようになるが、フランジ付き金具自体は帯状シートのメッシュの穴に引っ掛かっているのみであり、回転は妨げられていない。このようにして敷石体を帯状シートに対して回転可能に点固定すると、敷石体の固定箇所により帯状シートの変形が妨げられるということが少なく、帯状シートに対する敷石体の敷設方向も制限されないため、より容易に敷石体を曲線状又は曲面状に敷設することができる。
【0030】
(実施形態3の効果)以上のような構成をとる本実施形態の敷石体敷設リボンでは、複数の敷石体が帯状のシートに固定されており、敷石体を容易に敷設することができるのみならず、容易に曲線状又は曲面状に敷設することができる。また、帯状シートへの敷石体の固定を点固定とすることで、より効率的にかつ容易に敷石体を曲線状又は曲面状に敷設することができる。このため、敷石体を容易に曲線状に敷き並べるのみならず、デザイン性が高い舗道等を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施形態1の敷石体敷設リボンの概念図
【図2】実施形態1の敷石体敷設リボンを例示する図
【図3】複数列の敷石体が固定された敷石体敷設リボンを例示する図
【図4】敷石体の一部がはみ出して固定された敷石体敷設リボンを例示する図
【図5】敷石体敷設リボンの具体例を示す図
【図6】実施形態2の敷石体敷設リボンを例示する図
【図7】曲線状に配置された敷石体敷設リボンの様子を説明する図
【図8】実施形態3の敷石体敷設リボンを例示する図
【図9】実施形態3の敷石体敷設リボンの別の実施態様を例示する図
【図10】従来技術における敷石敷設シートを示す図
【符号の説明】
【0032】
0201 帯状シート
0202 敷石体
0203 接着剤
0204 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状シートと、
前記帯状シートに固定される複数の敷石体と、
からなる敷石体敷設リボン。
【請求項2】
敷石体は帯状シートの端部からはみ出して固定されている請求項1に記載の敷石体敷設リボン。
【請求項3】
敷石体の幅は、帯状シートの幅より広い請求項2に記載の敷石体敷設リボン。
【請求項4】
前記帯状シートは、伸縮性を有する材料からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の敷石体敷設リボン。
【請求項5】
前記帯状シートは、メッシュ状である請求項1から4のいずれか一に記載の敷石体敷設リボン。
【請求項6】
前記固定は、点固定である請求項1から5のいずれか一に記載の敷石体敷設リボン。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の敷石体敷設リボンを用いて、敷石体を曲線状又は曲面状に敷き並べる敷石体の敷設方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−19686(P2008−19686A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194889(P2006−194889)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000114086)ミサワホーム株式会社 (288)
【Fターム(参考)】