説明

文書処理装置

【課題】ボックス内の文書に対する各種の処理を容易に行うことができ、ユーザの負担を軽減するできる文書処理装置を提供する。
【解決手段】文書に対して行う処理内容と前記処理内容に対応する実行タイミングとを一対として、前記処理内容と前記実行タイミング対を複数含む処理情報を受けて記憶しておく。所定のボックス内の文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に対応する前記実行タイミングが満たされたときに、前記実行タイミングに対応する前記処理内容に基づいた処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書を記憶するボックスを有する文書処理装置に関し、特にボックスに記憶された文書に対して所定の文書処理を行うボックス処理機能を備えた文書処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークに接続されたプリンタ、ファクシミリ装置、複合機等の文書処理装置において、取得した文書を記憶するボックス機能を有するものが知られている。
【0003】
たとえば、特開平10−145493号公報には、メッセージの登録の直前直後及び取り出しの直前直後に自動的に実行されるプログラムの記憶領域をボックス毎に設定し、メッセージ処理手続き実行装置が、各タイミングでプログラムを実行するようにしたメッセージ蓄積交換装置が開示されている。この自動的に実行される処理としては、ボックスにメッセージが登録される前にボックス内のメッセージを消去する処理、ボックスにメッセージが登録された後にボックスの持ち主のファクシミリに着信通知を出す処理、ボックスからメッセージが取り出される前に管理者からのお知らせがあれば送付する処理、およびボックスからメッセージが取り出された後に取り出されたメッセージの発信者に取り出し通知を送付する処理等が例示されている。また、ボックスから取り出されるメッセージをメッセージ取出者が必要とするデータフォーマットに変換する処理も例示されている(下記特許文献1参照)。
【0004】
また、特開2002−185752号公報には、受信データの属性(発信者番号、着信ダイヤルイン、着信回線等)と特定のデータボックスとを対応づけた選定条件が登録された振り分けテーブルを属性情報毎に設け、さらに、その属性情報毎の振り分けテーブルの優先順位を規定した優先順位テーブルを設け、この優先順位テーブルに基づいた順序で振り分けテーブルを参照し、受信データの属性情報と当該振り分けテーブルに登録された属性情報とを比較して、一致した属性情報に対応するデータボックスに当該受信データを格納する通信端末装置が開示されている(下記特許文献2参照)。
【0005】
また、特開2001−197319号公報には、外部情報処理装置からデータ有無照会信号を受けると、指定された親展ボックスの画像データの有無を調べてレポートを作成し、外部情報処理装置へ送信する一方、外部情報処理装置からデータ送信要求信号を受けると、指定された親展ボックスの画像データの有無を調べ、画像ありの場合は、指定された親展ボックスの画像データを読み出して、外部情報処理装置へ送信する画像形成装置が開示されている(下記特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−145493号公報
【特許文献2】特開2002−185752号公報
【特許文献3】特開2001−197319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ボックス内の文書を用いる作業が進展していく場合等には、ボックス内に一旦登録された文書であってもその文書内容を変更するなど、文書に対する各種の処理を行いたい場合がある。
【0007】
しかしながら、従来のボックス機能ではボックス内の文書の文書内容を変更するには、ユーザが一旦文書をボックスからパーソナルコンピュータ等に取り出して手動で変更操作を行わなければならなかった。
【0008】
また、ボックス内の文書を用いる作業が進展していく場合等には、ボックス内の文書をプリントアウトする目的が変化していく場合がある。
【0009】
しかしながら、従来のボックス機能では、ボックス内の文書のプリントモードの設定は、プリントアウトのタイミングに応じてユーザがその都度手動で行わなければならなかった。
【0010】
そこで本発明は、ボックス内の文書に対する各種の処理を容易に行うことができ、ユーザの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記の手段を提供する。すなわち、
[1]文書を記憶する複数のボックスと、
前記文書に対して行う処理内容と前記処理内容に対応する実行タイミングとを一対として、前記処理内容と前記実行タイミング対を複数含む処理情報を、受ける処理情報入力手段と、
前記処理情報を記憶する記憶手段と、
前記文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に基づいた処理を実行する処理手段と、を備え、
前記処理情報は、所定のボックスと関連付けられるとともに、前記複数のボックス毎に異ならせることが可能であり、
前記処理手段は、所定のボックス内の文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に対応する前記実行タイミングが満たされたときに、前記実行タイミングに対応する前記処理内容に基づいた処理を実行することを特徴とする文書処理装置。
【0012】
[2]前項1において、前記処理情報入力手段は、
文書処理装置の操作パネルを介した入力手段、ネットワークを介して接続された外部の入出力装置からの入力手段、のうちいずれかであることを特徴とする文書処理装置。
【0013】
[3]前項1または2において、前記処理情報は関連付けられたボックス内に記憶されることにより前記処理情報と前記ボックスとが関連付けられる、あるいは前記処理情報は他の記憶手段にボックスと関連付けて記憶することにより前記処理情報と前記ボックスとが関連付けられることを特徴とする文書処理装置。
【0014】
[4]文書を記憶する複数のボックスと、
前記文書に対して行う処理内容と前記処理内容に対応する実行タイミングとを一対として、前記処理内容と前記実行タイミング対を複数含む処理情報を、受ける処理情報入力手段と、
前記処理情報を記憶する記憶手段と、
前記文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に基づいた処理を実行する処理手段と、を備え、
前記処理情報は、所定のボックスと関連付けられるとともに、前記複数のボックス毎に異ならせることが可能であり、
前記処理手段は、所定のボックス内の文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に対応する前記実行タイミングが満たされたときに、前記実行タイミングに対応する前記処理内容に基づいた処理を実行することを特徴とする画像形成装置。
【0015】
[5]前項4において、前記処理情報入力手段は、
文書処理装置の操作パネルを介した入力手段、ネットワークを介して接続された外部の入出力装置からの入力手段、のうちいずれかであることを特徴とする画像形成装置。
【0016】
[6]前項4または5において、前記処理情報は関連付けられたボックス内に記憶されることにより前記処理情報と前記ボックスとが関連付けられる、あるいは前記処理情報は他の記憶手段にボックスと関連付けて記憶することにより前記処理情報と前記ボックスとが関連付けられることを特徴とする画像形成装置。
【0017】
[7]文書を記憶する複数のボックスを備えた文書処理装置における文書処理方法であって、
前記文書に対して行う処理内容と前記処理内容に対応する実行タイミングとを一対として、前記処理内容と前記実行タイミング対を複数含む処理情報を、受ける処理情報入力ステップと、
前記処理情報を記憶する記憶ステップと、
前記文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に基づいた処理を実行する処理ステップと、を備え、
前記処理情報は、所定のボックスと関連付けられるとともに、前記複数のボックス毎に異ならせることが可能であり、
前記処理ステップは、所定のボックス内の文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に対応する前記実行タイミングが満たされたときに、前記実行タイミングに対応する前記処理内容に基づいた処理を実行することを特徴とする文書処理方法。
【0018】
[8]文書を記憶する複数のボックスを備えた文書処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
文書を記憶する複数のボックスと、
前記文書に対して行う処理内容と前記処理内容に対応する実行タイミングとを一対として、前記処理内容と前記実行タイミング対を複数含む処理情報を、受ける処理情報入力手段と、
前記処理情報を記憶する記憶手段と、
前記文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に基づいた処理を実行する処理手段と、を備えた文書処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであり、
前記処理情報は、所定のボックスと関連付けられるとともに、前記複数のボックス毎に異ならせることが可能であり、
前記処理手段は、所定のボックス内の文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に対応する前記実行タイミングが満たされたときに、前記実行タイミングに対応する前記処理内容に基づいた処理を実行することを特徴とするプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、ボックス内の文書に対する各種の処理を容易に行うことができ、ユーザの負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図15を参照しながら説明する。
【0021】
文書処理装置1は、プリンタ、スキャナー、コピー、ファクシミリ等の各機能を備えたいわゆる複合機(Multi Function Peripherals:MFP)からなる。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態にかかる文書処理装置を含む文書処理システムの全体構成を示す概念図である。この図1に示すように、この文書処理装置1は、LAN等のネットワーク3を介し、パーソナルコンピュータ等からなる複数の入出力端末2…と接続され、各入出力端末2と各種情報の送受ができるようになっている。文書処理装置1は、これら複数の入出力装置2…およびネットワーク3とともに文書処理システムを構成している。
【0023】
文書処理装置1は、CPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータを含んでおり、機能的に、装置全体の制御を行う動作制御部11と、ネットワーク3と接続するためのネットワークインターフェース部12と、ユーザから種々の入力を受けるための操作パネル13と、各種の文書処理のプログラムの登録処理を行うプログラム登録部14と、各種の文書処理のプログラムを実行するプログラム実行部16と、複数のボックス151…を有する記憶部15と、文書処理のうち文書内容の変更処理を行う画像処理部17と、文書のプリント処理を行うプリント部18と、原稿を読み取る原稿読み取り部19とを備えている。以下、各部について説明する。
【0024】
(動作制御部)
動作制御部11は、この文書処理装置1の各動作を統括的に制御するものである。
【0025】
この動作制御部11は、たとえばCPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータ上に構成されている。
【0026】
(ネットワークインターフェース部)
ネットワークインターフェース部12は、入出力端末(パーソナルコンピュータ等)2…と各種情報を送受するため、ネットワーク3と接続するためのものであり、たとえばネットワークカードからなる。
【0027】
(操作パネル)
操作パネル13は、ユーザから種々の入力を受ける入力手段として機能するものであり、タッチパネルや押しボタンスイッチ等から構成されている。
【0028】
この操作パネル13は、ユーザからボックス151内の文書に対して行う種々の文書処理の内容の入力を受ける処理内容入力手段として機能する。文書処理としては、ボックス151内の文書を予め設定した送付先に送信(転送)する処理、ボックス151内に文書が登録されたことを予め設定した通知先に通知する処理、ボックス151内の複数の文書を合成してプリント出力する処理等の他、ボックス151内の文書の文書内容を変更する処理等を挙げることができる。なお後述するように、これらの文書処理はそれぞれの実行条件が満たされたときに実行される。
【0029】
また、操作パネル13は、ユーザからボックス151内の文書に対するプリント指示の入力を受けるプリント指示入力手段として機能する。
【0030】
また、操作パネル13は、ボックス151内の文書をプリントアウトする際のプリントモードを、ボックス151内の文書の文書処理の段階(文書の状況)に応じて予め設定しておく場合に、そのプリントモードの設定内容をユーザから受けるプリントモード内容入力手段として機能する。
【0031】
(プログラム登録部)
プログラム登録部14は、ボックス151…内の文書に対して行う種々の文書処理等のためのプログラムコードを各ボックス151…に登録するものである。また、このプログラム登録部14は、ボックス151…内の文書をプリントアウトする際のプリントモードが予め設定される場合には、そのプリントモードを、プリントモードの設定処理(変更処理)を行う文書処理のプログラムが参照できるデータ形式にして各ボックス151…に登録する処理も行う。
【0032】
このプログラム登録部14は、たとえばCPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータ上に構成されている。
【0033】
この実施形態では、上述したように文書処理の内容はユーザによって操作パネル13から入力される。プログラム登録部14は、このユーザによって入力された文書処理の内容を実行するためのプログラムコードを作成する。すなわち、プログラム登録部14は、プログラムコード作成手段としての機能を有している。
【0034】
(記憶部)
記憶部15は、たとえば、ハードディスク、書換可能なDVD装置、フラッシュメモリ等の記憶装置からなり、この文書処理装置1が取得する文書を登録可能な複数のボックス151…を有している。
【0035】
図2は、ボックス151の概念説明図であり、図2(a)は、ボックスの構成図である。この図2(a)に示すように、各ボックス151…は、それぞれ文書情報(画像情報)、文書処理内容、プリントモード情報を記憶できる。
【0036】
<文書情報>
文書情報は、所定のデータフォーマットによる文書データや画像データを含み、たとえば電子ファイルとして扱われるものである。各ボックス151…には、1または複数の文書情報が登録可能になっている。各文書情報には、プリントアウト対象となる文書データや画像データ等の文書本体とともに、そのファイル作成日時(ファイル保存日時)、ファイル作成者、ファイル種類、ファイル属性等のファイル管理情報、さらにフォント種類、ページ番号、1頁行数、1行文字数、ヘッダーおよびフッター等の文書スタイルに関する文書形式情報等も含まれる。なお、文書作成日、文書ファイル名、発行部署、承認欄、文書番号等の文書管理情報は、プリントアウト対象となる文書データや画像データ等の文書本体中に含まれていてもよい。
【0037】
<処理情報>
処理情報は、そのボックス151内の文書に対して行う各種の文書処理の内容を示す情報である。この実施形態では、文書情報を記憶する各ボックス自身が処理情報をも記憶することで処理内容記憶手段としても機能するものとなっている。すなわち、この実施形態では、処理内容記憶手段は、各ボックス151内に設けられている。
【0038】
処理情報は、具体的には、上述したプログラム登録部14によって作成される文書処理の内容を実行するためのプログラム(プログラムコード)であり、プログラム登録部14によって登録される。各ボックスには、1または複数の処理情報を設定することができる。
【0039】
この処理情報には、互いに関連付けられた実行条件(実行タイミング)と、具体的な処理内容とが含まれる。実行条件とは、当該プログラムの具体的な処理内容を実行するプログラム起動条件である。
【0040】
実行条件としては、予め指定された送信元から文書を受信した時、予め設定された複数の文書が前記ボックス内に登録された時、前記ボックス内の文書に対して文書内容の変更が完了した時、予め設定された指定時間が経過した時等を設定することができる。
【0041】
処理内容としては、上述したように、ボックス151内の文書を予め設定した送付先に送信(転送)する処理、ボックス151内に文書が登録されたことを予め設定した通知先に通知する処理、ボックス151内の複数の文書を合成してプリント出力する処理、ボックス151内の文書の文書内容を変更する処理等を設定することができる。
【0042】
文書内容を変更する処理としては、プリントアウト対象となる文書データや画像データ等の文書本体中に含まれている文書作成日、文書ファイル名、発行部署、承認欄、文書番号等の文書管理情報を変更することができる。また、ファイル作成日時(ファイル保存日時)、ファイル作成者、ファイル種類、ファイル属性等のファイル管理情報を変更してもよい。また、フォント種類、ページ番号、1頁行数、1行文字数、ヘッダーおよびフッター等の文書スタイルに関する文書形式情報等を変更してもよい。
【0043】
図2(b)は、処理情報の一例を示す説明図である。この図2(b)では説明のために処理情報を自然言語で表現しているが、実際にはプログラミング言語等で記載される。たとえば「文書受信時」という実行タイミングが記載された処理情報は、ボックスが文書を受信したという実行条件が満たされたときに、「指定登録元からの文書であればボックス内に登録する」という具体的な文書処理を行うことを示している。なお、これら処理情報の例は、後述するボックス151内の文書を用いた具体的な作業を実施する場合に設定されるものを想定したものであり、その具体的な内容については後述する。
【0044】
<プリントモード情報>
プリントモード情報とは、そのボックス151内の文書をプリントアウトする際に適用するプリントモードを示す情報である。このプリントモード情報は、ボックス151内の文書に対する文書処理の各段階(文書状況)に応じて異なるプリントモードを設定することができる。この実施形態では、文書情報を記憶する各ボックス151自身がプリントモード情報をも記憶することでプリントモード記憶手段としても機能するものとなっている。すなわち、この実施形態では、プリントモード記憶手段は、各ボックス151内に設けられている。このプリントモード情報は、具体的には、ユーザによって操作パネル13から入力され、上述したプログラム登録部14によってデータ形式等が変換されて登録される。
【0045】
このプリントモード情報には、互いに関連付けられた文書処理の段階(文書状況)と、具体的なプリントモードの内容とが含まれる。
【0046】
文書処理の段階とは、ボックス内の文書が上述した文書処理のどの段階まで実行されているかを表現したものであり、ボックス151内の文書が置かれた状況、あるいはボックス151内の文書の立場を示す。具体的には、文書処理の段階としては、ボックス151内で文書が作成されつつある「文書作成中」、ボックス151内の文書が完成した「文書作成後」、完成した文書が特定の承認者によって承認された「文書承認後」等を挙げることができる。
【0047】
プリントモードの内容としては、通常のプリントを行う際にユーザが設定可能なものでよい。具体的には、プリントモードとしては、用紙種類、用紙サイズ、レイアウト、カラーモード、両面プリントまたは片面プリントの指定、給紙源の指定等を挙げることができる。用紙種類とは、普通紙、再生紙、高級紙、両面不可紙、あるいはOHPフィルム等、用紙の性質による区別である。レイアウトは、1枚の出力用紙にプリントする原稿の枚数や原稿を並べる順序や位置などである。なお、1枚の出力用紙にN枚の原稿を配置する場合をNin1と呼び、たとえば1枚の出力用紙に4枚の原稿を配置する場合は4in1と表現する。カラーモードとは、カラー、モノクロ、さらに解像度やカラーの色数等の区別である。給紙源の指定とは、複数の給紙カセット等が存在するなどの場合の給紙源(給紙カセット)の指定をいう。
【0048】
図2(c)は、プリントモード情報の一例を示す説明図である。この例では、「文書作成中」にプリント指示があれば、「4in1、両面コピー、モノクロ」というプリントモードでプリントが行われ、「文書作成後」にプリント指示があれば、「2in1、両面不可紙、カラー」というプリントモードでプリントが行われ、「文書承認後」にプリント指示があれば、「1in1、カラー」というプリントモードでプリント行われることを示している。なお、ここに指定されていないプリントモードの項目は、その直前の設定やデフォルトの設定とすればよい。
【0049】
(プログラム実行部)
プログラム実行部16は、記憶部15の各ボックス151…に記憶された処理情報(プログラムコード)を実行することにより、ボックス151…内の文書に対して各種の文書処理を行うものである。すなわち、プログラム実行部16は、文書処理手段として機能する。
【0050】
このプログラム実行部16は、たとえばCPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータ上に構成されている。
【0051】
このプログラム実行部16は、文書内容の変更を伴う文書処理は、後述する画像処理部17を呼び出して、画像処理部17に行わせる。すなわち、プログラム実行部16は画像処理部17とともに文書内容変更処理手段として機能する。
【0052】
また、文書処理装置1がユーザからプリント指示を受けたとき、プログラム実行部16は、各ボックス151…に記憶されたプリントモード情報に従ってプリントモードの変更指示を送る。すなわち、プログラム実行部16はプリント部18とともにプリントモード制御手段として機能する。
【0053】
(画像処理部)
画像処理部17は、ボックス151…内の文書に対して行われる文書処理のうち、文書内容の変更を伴う処理を行うものである。
【0054】
この画像処理部17は、たとえばCPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータによって構成されている。
【0055】
この画像処理部17は、記憶部15の各ボックス151…に記憶された処理情報(プログラムコード)を実行することにより、ボックス151…内の文書に対してその文書内容を変更する文書処理(画像処理)を行う。すなわち画像処理部17は文書内容変更処理手段として機能する。
【0056】
文書内容を変更する文書処理(画像処理)としては、上述したように、文書データ中に含まれている文書作成日を変更すること等を挙げることができる。
【0057】
(プリント部)
プリント部18は、文書を出力用紙等にプリントアウトするものであり、たとえば電子写真方式のプリンタ装置からなる。プリントアウトされる文書には、プリント指示とともに文書処理装置1に送られてくる文書のほか、ボックス151内に登録されている文書も含まれる。プリント部18は、プログラム実行部16からプリントモードの変更指示を受ければ、各ボックス151…に記憶されたプリントモード情報に従ってプリントモードを変更し、プリントアウト処理を行う。すなわち、プリント部18はプリントモード制御手段として機能する。
【0058】
(原稿読み取り部)
原稿読み取り部19は、原稿上の画像を電子データとして読み取るものであり、たとえばスキャナー装置からなる。
【0059】
(具体例)
以下、ボックス151内の文書を用いて行われる具体的な作業の一例を挙げ、この場合の各種の設定や処理の流れについて説明する。
【0060】
図3は、この作業の一例の流れを示す説明図である。この例は、3人のユーザ(ユーザ1,2,3)が文書の各部を分担して作成し、完成した文書の内容が第4のユーザ(ユーザ4)によって承認されれば、承認された文書を第5のユーザ(ユーザ5)に見せるという一連の作業の流れを想定している。そして、この一連の作業を容易に行うべく、文書処理装置1のボックス151が利用される。具体的にボックス151が関わる文書処理は以下のとおりである。
【0061】
(1)ユーザ1〜3による文書の登録
ユーザ1〜3によって作成された文書の各部が、それぞれの入出力端末(パーソナルコンピュータ:PC)2…から文書処理装置1の特定のボックス151に登録される。
【0062】
(2)文書処理(画像処理A)
ユーザ1〜3からの文書の各部が揃えば、ボックス151内の文書に対して文書内容の変更を伴う文書処理が行われ、文書が完成される。ここでは、図4に示すように、ユーザ1〜3がそれぞれ作成した文書の各部がそれらの中に含まれる章番号によって順序正しく並べ換えて、さらに、文書中に含まれる文書作成日付が、実際に文書が完成した日に変更するという文書処理(画像処理A)が行われる。
【0063】
(3)ユーザ4へ送信
完成された文書は、ボックス151からユーザ4の入出力端末(パーソナルコンピュータ:PC)2に送信(転送)される。
【0064】
(4)ユーザ4から返信
完成した文書の内容がユーザ4によって確認されれば、その文書が再びボックス151に返信される。
【0065】
(5)文書処理(画像処理B)
ユーザ4から返信されてきたボックス151内の文書に対して、この文書がユーザ4によって承認されたものであることを加えるという、文書内容の変更を伴う文書処理が行われる。ここでは、図5に示すように、文書中からユーザ4が承認したことを記録する部分(承認欄)を探し出し、ここにユーザ4の承認印を押す文書内容の変更を伴う文書処理(画像処理B)が行われる。
【0066】
(6)ユーザ5へ送信
ユーザ4に承認された文書は、ボックス151からユーザ5の入出力端末(パーソナルコンピュータ:PC)2に送信される。
【0067】
また、ボックス151内の文書をプリントアウトする目的等がこうした作業の段階によって変化することに応じるため、作業の段階(文書の処理の段階)に応じたプリントモードが自動的に適用されるようにする。
【0068】
図6は、文書の処理の段階に応じて設定されたプリントモードの一例である。この例では、文書作成中には4in1、両面コピー、モノクロのプリントモードが設定され、文書作成後には2in1、両面不可紙、カラーのプリントモードが設定され、文書返信後には1in1、カラーのプリントモードが設定されている。
【0069】
(文書処理の内容の登録)
以上の文書処理をボックス151において行うために、ユーザによって行われる文書処理の内容を登録する作業について説明する。なお、この文書処理の内容の登録は、上述した一連の作業(1)〜(6)に先立って行われるものである。図7〜図9は、ボックス151に文書処理機能を設定する際の操作パネル13の画面例である。
【0070】
まず、ユーザは、文書処理を行うボックス、すなわち新しいボックス機能を設定するボックスを指定する。図7(a)は、この文書処理を行うボックスの選択画面である。ユーザは、表示されている既存のボックスを選択するか、新規ボックスボタンにより新しいボックスを作成すればよい。
【0071】
ボックスが指定されれば、そのボックスにおいて文書処理の対象とするためにそのボックスに登録する文書(以下、登録文書という)を特定するための特徴を決定する。図7(b)は、登録文書を特定する特徴の入力画面である。この実施形態にかかる文書処理装置1では、登録文書を特定する特徴として、送信元、ファイル名、時間等が選択可能な項目として予め用意されている。
【0072】
登録文書を特定する特徴としてたとえば「送信元」が選択されれば、その送信元を具体的に入力する。送信元とは、送信者を特定できる情報であり、送信者自身の識別番号や送信者が使用する入出力端末のアドレス等を挙げることができる。図7(c)は、登録文書を特定する送信元の入力画面である。送信元が文書処理装置1に登録済みであるならば、「宛先表へ」ボタンから登録済みの端末一覧を表示させてその中から選択できる。また、上述した具体例のように、ユーザ1〜3の複数のユーザが文書の各部を分担して作成する場合には、「追加」ボタンにより、複数のユーザ(あるいは各ユーザの入出力端末2…)を順次入力すればよい。
【0073】
つづいて、ユーザ1〜3によって作成された文書がすべてボックスに登録された(揃った)ときに行う文書処理の内容を設定する。
【0074】
なお、この実施形態にかかる文書処理装置1では、複数の文書が文書処理の対象とされた場合には、各文書中の章番号を参照して正しい順序に並べ換え、複数の文書を合体させて1つの文書に合成する文書処理が、予め設定されているものとする。
【0075】
ここでは、合体させた各文書に含まれる日付を変更する文書処理(画像処理A)の設定について説明する。
【0076】
ユーザは、まず、文書内容のうちで変更する部分を特定する。図8(a)は、文書の変更部分の選択画面である。この実施形態にかかる文書処理装置1では、文書の変更部分として、日付、文書名、作成者、承認印、ページ数、フォント、行揃え、ヘッダー/フッター等が選択可能な項目として予め用意されている。ここでは、日付を選択すればよい。
【0077】
変更部分が選択されると、ユーザはその文書内容の変更を行うタイミングを設定する。図8(b)は、文書内容の変更を伴う文書処理を行うタイミングの選択画面である。この実施形態にかかる文書処理装置1では、文書処理のタイミングとして、ボックスへ文書を受信したとき、文書作成が完了したとき(登録される文書が揃ったとき)、文書が返信されたとき等が選択可能な項目として予め用意されている。ここでは、「文書作成完了」を選択すればよい。
【0078】
文書内容の変更を行うタイミングが入力されると、ユーザはさらに他の文書処理等を行うかを選択する。図8(c)は、文書内容の変更を伴う文書処理が設定された後の選択画面である。ここでは文書をユーザ4に送信するので、「文書送信」を選択する。
【0079】
文書送信が選択されると、その送信先を具体的に入力する。図8(d)は、文書の送信先の入力画面である。ユーザは上述した図7(c)と同様に入力作業を行えばよい。送信先を入力後、OKボタンにより、図8(c)に戻る。
【0080】
また、図8(c)において、「プリント設定」を選択すれば、ユーザからプリント指示があった場合に適用するプリントモードを予め設定することができる。このプリントモードは、図8(c)画面になる直前に設定した文書処理後の段階(文書状況)において適用されるものである。
【0081】
図9(a)は、文書内容の変更を伴う文書処理後に適用するプリントモードの設定画面である。この実施形態にかかる文書処理装置1では、プリントモードとして、カラー、ページ、倍率、用紙サイズ等が選択可能な項目として予め用意されている。ここで、カラーを選択すれば、図9(b)に示すカラーモードの設定画面に移る。ここでは、オートカラー、フルカラー、モノクロ等が選択可能な項目として予め用意されている。また、ページを選択すれば、図9(c)に示すページ設定の設定画面に移る。ここでは、片面プリントと両面プリントの選択や、1in1、2in1、4in1等のレイアウトの設定が、選択可能な項目として予め用意されている。
【0082】
また、図8(c)において、さらに他の文書内容の変更を伴う文書処理を行うのであれば、追加ボタンにより、図8(a)の文書の変更部分の選択画面に戻ることができる。たとえばユーザ4からの返信があった場合に承認印を押す文書処理(画像処理B)を設定するのであれば、図8(a)の画面で「承認印」を選択し、つづいて図8(b)の画面で「文書返信」を選択すればよい。そして次の図8(c)の画面で「プリント設定」を選択することにより、ユーザ4によって文書が承認された後(文書返信後)のプリントモードを設定することができる。
【0083】
すべての文書処理およびプリントモードの設定が終了すれば、図8(c)の画面において、「終了」を選択すればよい。
【0084】
このようにしてユーザが操作パネル13より文書処理の内容を入力すると、この文書処理の内容がプログラム登録部14によってプログラムコードに変換され、ユーザが指定したボックス151の処理情報として登録される。また、ユーザによって入力された各処理の段階に応じたプリントモードもまたプログラム登録部14によってボックス151のプリントモード情報として登録される。図2(b)および図2(c)は、こうして登録される処理情報およびプリントモード情報の例である。
【0085】
(文書処理手順)
つぎに、以上のようにしてボックス151で行う文書処理の内容が登録された文書処理装置1において、上述した具体例の一連の作業をが行われる手順について説明する。
【0086】
<文書受信時の文書処理手順>
図10は、画像処理装置1が文書を受信したときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0087】
文書受信時の処理手順は、以下のとおりである。
【0088】
まず、文書処理装置1に対していずれかの入出力端末(パーソナルコンピュータ)2…からボックス151に登録する文書が送信される。この送信には、既存のボックス一覧等の画面から登録すべきボックス151を指定した文書の登録指示とともに、その登録すべき文書の内容とが含まれる。
【0089】
これを受信した文書処理装置1では、動作制御部11がプログラム実行部16に対してボックス151に登録されているプログラムのうち、実行条件を満たす処理内容のプログラムを実行させる。ここでは、文書を受信したという実行条件を満たすため、これに関連付けられた処理内容のプログラムが実行される。
【0090】
プログラム実行部16は、文書の画像処理装置1への登録が完了するまで文書登録作業を監視する(ステップS11でNO)。
【0091】
文書の登録が完了すれば(ステップS11でYES)、プログラム実行部16は、その文書が指定登録元(指定された送信元)から送信されたものか否かを判断する(ステップS12)。指定登録元からの文書でなければ(ステップS12でNO)ここでの文書処理を終了する。
【0092】
指定登録元からの文書であれば(ステップS12でYES)、プログラム実行部16は、この文書を当該ボックス151に保存し(ステップS13)、登録待ち文書数を1減らす(ステップS14)。登録待ち文書数とは、全ての指定登録元からの文書が揃ったか否かを判定するためのカウンタであり、ここでは3人のユーザ1〜3から文書が登録されることが設定されているので初期値は3である。この登録待ち文書数は、このボックスに他の情報とともに記憶される。
【0093】
上述した具体例のユーザ1〜3は指定登録元(送信元)であるので、これらユーザ1〜3から受信した文書は、当該ボックス151に登録文書として順次登録される。
【0094】
つづいて、プログラム実行部16は、登録待ち文書数が0になったか否かを判断し(ステップS15)、登録待ち文書数が0でなければ(ステップS15でNO)、未だ登録すべき文書が揃っていないので、この文書受信処理を終了する。
【0095】
登録待ち文書数が0となっていれば(ステップS15でYES)、登録すべき文書、すなわちユーザ1〜3からの文書が全て揃ったので、文書登録処理が完了したことを通知して(ステップS16)、この文書受信処理を終了する。
【0096】
この文書登録処理が完了した通知は、プログラム実行部16自身に対して行われ、これによって実行条件を満たされる文書登録完了時の文書処理のプログラムが実行される。
【0097】
<文書登録完了時の文書処理手順>
図11は、文書登録が完了したときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0098】
プログラム実行部16は、当該ボックス151への文書登録処理が完了したことを確認した後(ステップS21でYES)、画像処理部17に対してボックス151内の文書の文書内容を変更する画像処理Aを行わせる(ステップS22)。
【0099】
図12は、文書登録が完了したときに行われる、文書内容の変更を伴う文書処理(画像処理A)の手順の一例を示すフローチャートである。
【0100】
画像処理部17は、ボックス151に登録されている処理情報(プログラム)に従い、まず当該ボックス151内の全文書から章番号を検索する(ステップS31)。当該ボックス151内の全文書とは、ここではユーザ1〜3がそれぞれ作成した文書である。章番号は、ユーザ1〜3がそれぞれ担当したの順序を判断する材料となりうるものであり、各文書の文書内容として文書データ中に含まれている。画像処理部17は、文書内容を検索して、章番号が記載されている箇所を見つけだし、ユーザ1〜3がそれぞれ作成した文書が第何章であるかを判断する。
【0101】
図4に示した例では、ユーザ1が作成した文書が第2章、ユーザ2が作成した文書が第3章、ユーザ3が作成した文書が第1章である。
【0102】
こうして各文書が第何章であるかが判断されれば、画像処理部17は、この判断結果に基づいて、各文書を章の順序どおり正しく並べ替える文書処理を行う(ステップS32)。正しい順序に並べ替えられた各文書は1つの文書(文書ファイル)に合体合成される。
【0103】
つづいて画像処理部17は、文書中に入力されている日付エリアを検索する(ステップS33)。この日付エリアとは、文書の各部がユーザ1〜3によって作成された日付が記載されているものであり、文書内容として文書データ中に含まれている。
【0104】
図4に示した例では、ユーザ1が作成した文書(第2章)には2002年9月1日、ユーザ2が作成した文書(第1章)には2002年9月8日、ユーザ3が作成した文書(第1章)には2002年9月3日という日付がそれぞれ記載されている。
【0105】
画像処理部17は、文書中から見つけだした各日付エリアに対して、入力済みの日付エリアの大きさ、日付のフォント等に合わせ、現在の日付情報を作成して書き込む文書処理を行う(ステップS34)。この文書処理は文書内容の変更を伴う文書処理(画像処理)である。これにより、ユーザ1〜3の文書が揃った時点、すなわち文書が完成した時点の日付が文書内容に記載された状態となる。
【0106】
以上で画像処理部17による画像処理Aを終了し、プログラム実行部16に制御を移し、図11のフローに戻る。
【0107】
プログラム実行部16は、つぎに文書内容の変更を伴う文書処理(画像処理A)が行われた文書を送信する指示(プログラム)があるか否かを判断する(ステップS23)。
【0108】
送信指示がなければ(ステップS23でNO)、プログラム実行部16は、そのまま文書登録完了時の処理を終了する。
【0109】
送信指示があれば(ステップS23でYES)、プログラム実行部16は、ネットワークインターフェース部12に対して、この文書を指定されている送信先へ送信するように文書送信指示を出し(ステップS24)、文書登録完了時の処理を終了する。指定されている送信先とは、この例では、ユーザ4である。
【0110】
送信指示を受けたネットワークインターフェース部12は、この文書を指定されている送信先(ユーザ4)に送信する。
【0111】
<文書返信時の文書処理手順>
図13は、指定されている送信先(相手先)から文書が返信されてきたときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0112】
この処理手順では、まず指定されている送信先(相手先)から文書処理装置1に文書が返信される。この返信される文書には、返信文書であることを示す情報と、どのボックス151に対する返信文書であるかが特定される情報が付属されている。動作制御部11は、この返信文書を受けるべきボックス151の処理情報のうち文書返信時の実行条件が満たされているため、この実行条件に関連付けられた処理内容(プログラム)をプログラム実行部16に実行させる。
【0113】
プログラム実行部16は、当該ボックス151への返信文書の登録処理が完了したことを確認した後(ステップS41でYES)、画像処理部17に対してボックス151内の文書(返信文書)の文書内容を変更する画像処理Bを行わせる(ステップS42)。
【0114】
図14は、文書が承認されて返信されてきたときに行われる、文書内容の変更を伴う文書処理(画像処理B)の手順の一例を示すフローチャートである。
【0115】
画像処理部17は、ボックス151に登録されている処理情報(プログラム)に従い、まず当該ボックス151内の文書中に入力されている承認欄を検索する(ステップS51)。当該ボックス151内の文書とは、ここではユーザ4から返信されてきた文書、すなわちユーザ4によって承認された文書である。この承認欄は、ユーザ1〜3がこの文書を作成する際にユーザ4の承認を得るとき用いるように、予め文書内容として文書データ中に作成されているものである。
【0116】
図5に示した例では、「○○仕様書」という用紙上に承認欄がある。
【0117】
画像処理部17は、文書中から見つけだした承認欄に対して、ボックスの処理内容(プログラム)に登録されている返信者の名前(ユーザ4の名前)からなる承認印を、文書中の承認欄に、その承認欄のフォーマットに合わせて押す(ステップS52)。この文書処理は文書内容の変更を伴う文書処理(画像処理)である。この文書処理により、ユーザ1〜3によって作成された文書は、ユーザ4によって承認されたことが文書内容から識別できるようになる。
【0118】
以上で画像処理部17による画像処理Bを終了し、プログラム実行部16に制御を移し、図13のフローに戻る。
【0119】
プログラム実行部16は、文書内容の変更を伴う文書処理(画像処理B)が行われた文書を次に送信する指示(プログラム)があるか否かを判断する(ステップS43)。
【0120】
送信指示がなければ(ステップS43でNO)、プログラム実行部16は、そのまま文書返信時の処理を終了する。
【0121】
送信指示があれば(ステップS43でYES)、プログラム実行部16は、ネットワークインターフェース部12に対して、この文書を指定されているつぎの送信先へ送信するように文書送信指示を出し(ステップS44)、文書返信時の処理を終了する。指定されているつぎの送信先とは、この例では、ユーザ5である。
【0122】
送信指示を受けたネットワークインターフェース部12は、この文書を指定されているつぎの送信先(ユーザ5)に送信する。
【0123】
<プリント処理>
図15は、プリント指示を受けたときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0124】
プリント指示は、ユーザ1〜5によるボックス151内の文書を用いた一連の作業の様々な処理の段階(文書状況)において出されうる。そして、その処理の段階に応じてボックス中のプリントアウトの目的も異なる。
【0125】
この処理手順では、まずユーザ1〜5のいずれかから文書処理装置1に対してプリント指示が発せられる。このプリント指示には、プリント指示を発した者を特定する情報と、プリントする文書およびその文書が入っているボックス151を特定する情報が含まれる。動作制御部11は、このプリント指示がプリントを行う権限のある者によるものかを確認した後、このプリント指示にかかるボックス151の処理情報のうち、プリント指示を受けた時の実行条件が満たされているため、この実行条件に関連付けられた処理内容(プログラム)をプログラム実行部16に実行させる。
【0126】
プログラム実行部16は、このプリント指示が発せられたときの文書状況を取得する(ステップS61)。この文書状況は、ボックス151の処理情報(図2(b)参照)の実行タイミング(実行条件)のうち、どこまでが満たされて対応する文書処理が完了しているかによって判断できる。具体的には、各文書処理が実行されたときに、各文書処理を実行したことを示すフラグ等を当該ボックス151内あるいは他の記憶手段に記録しておき、これを参照すればよい。
【0127】
つづいてプログラム実行部16は、以前にプリント指示があったときから文書状況が変化したか、すなわち以前にプリント指示があったときから何らかの文書処理を実行したかを判断する(ステップS62)。この判断は、以前にプリント指示があったときの文書状況を当該ボックス151内あるいは他の記憶手段に記録しておき、これと現在の文書状況とを比較すればよい。
【0128】
以前の文書状況から変化がなければ(ステップS62でNO)、プログラム実行部16は、ボックス151内の文書情報からプリントすべき文書を特定する情報を含むプリント実行指示をプリント部18に送る(ステップS64)。これを受けたプリント部18では、ボックス151内の文書情報を参照して、予め設定されていたプリントモードでプリント処理を実行する。
【0129】
一方、以前の文書状況から変化があれば(ステップS62でYES)、プログラム実行部16は、ボックス151のプリントモード情報(図2(c)参照)を参照し、現在の文書状況に対応してユーザが登録したプリントモードの内容を取得し、プリントモードの設定を変更する(ステップS63)。具体的には、プログラム実行部16は、プリントモード情報からどのプリントモードの内容に設定するのかを特定する情報を作成しておく。
【0130】
そして、プログラム実行部16は、ボックス151内の文書情報からプリントすべき文書を特定する情報を含むプリント実行指示をプリント部18に送る(ステップS64)。この場合、プリント実行指示には、上述したプリントモードの内容を特定する情報も含まれる。これを受けたプリント部18では、ボックス151内のプリントモード情報を参照してプリントモードの設定を変更した上で、ボックス151内の文書情報を参照してプリントを実行する。
【0131】
上述の具体例では、文書登録完了時よりも前の段階、すなわちユーザ1〜3の少なくともいずれかは未だ文書を作成中で未完成の時点でプリント指示が発せられた場合(図2(c)の「文書作成中」参照)、「4in1、両面コピー、モノクロ」のプリントモードがユーザによって設定されている。このタイミングのプリントは、作業中の文書内容を確認する程度の目的である場合が多いため低コストでプリントするためである。
【0132】
文書登録完了時の後であって文書返信時よりも前の段階、すなわち文書は完成したがユーザ4の承認がなされていない時点でプリント指示が発せられた場合(図2(c)の「文書作成後」参照)、「2in1,両面不可紙、カラー」のプリントモードがユーザによって設定されている。このタイミングのプリントは、ユーザ4が文書内容を確認するために行ったことが想定され、低コストに抑えながらもその内容を十分に把握できるプリント物を提供するためである。
【0133】
文書返信時の後の段階、すなわちユーザ4の承認が終わった時点でプリント指示が発せられた場合(図2(c)の「文書承認後」参照)、「1in1、カラー」のプリントモードがユーザによって設定されている。このタイミングでのプリントは、承認された文書をたとえば客先に提示するなど、本格的な文書の利用に供するためである。
【0134】
(実施形態の効果)
以上のような文書処理装置によれば、ユーザがボックス内の文書の文書内容を変更する文書処理の内容をその実行条件とともに予め設定しておくことにより、実行条件が満たされたときに、文書内容を変更する文書処理が自動的に実行される。したがって、ユーザが文書を作成してボックスに登録すれば、その後はユーザの手を煩わせることなく、ユーザーのニーズに応じた文書内容の変更処理を伴う各種の文書処理(編集、修正、承認、回覧)を自動的に、間違いなく行うことができる。
【0135】
これにより、たとえば、「複数のユーザが1つの文書の各部を分担して作成する場合には、各部が揃ったときを文書が完成したときとするために各部を束ねた文書に日付を入れたい」、といった要求に対して、上述した文書処理装置ではユーザに過大な負担を掛けることなく容易に応じることができる。
【0136】
すなわち、上記の要求に対して従来のボックス機能では、ボックス内にすべての文書が揃ったことをユーザが確認しした上で手動で文書中の日付を変更しなければならなかったが、上述した文書処理装置ではこのような煩わしさからユーザを解放することができる。
【0137】
また、「文書が複数のユーザに回覧される場合には各ユーザに回覧されたことを示す情報を文書に付加したい」、といった要求に対しても、上述した文書処理装置ではユーザに過大な負担を掛けることなく容易に応じることができる。
【0138】
すなわち、上記の要求に対して従来のボックス機能では、文書を閲覧したユーザまたは回覧する文書を管理しているユーザ等が、パーソナルコンピュータ等の文書編集機能を備えた装置およびソフトウェアでこの文書を開き、然るべき回覧済みの印を追記して保存し直さなければならなかったが、上述した文書処理装置ではこのような煩わしさからユーザを解放することができる。
【0139】
また、ボックス内の文書に対する各種の文書処理をおこなうタイミングは、ボックスに文書が登録される前後に限定されず、種々のタイミングを設定することができるため、多様な用途に容易に適用することができる。
【0140】
また、以上のような文書処理装置によれば、ユーザがボックス内の文書の処理の段階(文書状況)に応じたプリントモードを予め設定しておくことにより、プリント指示があったときには、そのタイミングに応じて適切なプリントモードが自動的に設定されてプリントが実行される。したがって、ユーザは、プリントモードの設定にとらわれることなくプリント指示を行うことで、プリントの目的に適切に合致したプリント物を得ることができる。
【0141】
このため、不必要に高品位のプリントモードでプリントしてしまうこと等が軽減され、ランニングコストの節減を測ることもできる。
【0142】
(その他の構成)
以上、本発明を一実施形態に基づいてい説明したが、本発明は以下のように構成してもよい。
【0143】
(a)上記実施形態においては、ボックス内の文書に対する文書処理の内容を当該ボックス内に登録したが、他の記憶手段に当該ボックスを関連付けて記憶してもよい。同様に、ボックス内の文書に対して適用するプリントモードの内容を当該ボックス内に登録したが、他の記憶手段に当該ボックスを関連付けて記憶してもよい。
【0144】
(b)上記実施形態では、ボックス内で文書処理対象となる文書として、入出力端末(パーソナルコンピュータ)からネットワーク3を介して受信した文書を例としたがこれに限定されない。たとえば、外部のファクシミリ装置等から電話回線等を介して受信したファクシミリ文書、電子メール文書、文書処理装置1自身が有するスキャナー機能等によって取得した文書(画像)等、種々の入手先から入手した文書であってもよい。
【0145】
(c)上記実施形態では、プリント部を有する文書処理装置1を例としたが、プリント部を有さず、ネットワーク等を介して外部のプリンタ装置にプリント指示を出すようにしてもよい。
【0146】
(d)上記実施形態では、複数ユーザが作成した複数の文書を合体合成して、これに対して文書内容の変更を伴う文書処理を行ったが、初めから単一の文書に対して文書処理を行うようにしてもよい。
【0147】
(e)上記実施形態においては、文書処理の内容やプリントモードの設定を文書処理装置の操作パネルを介して入力するようにしたが、ネットワークを介して接続された外部の入出力装置(パーソナルコンピュータ)等から各種の入力を行うようにしてもよい。この場合、ネットワークインターフェース部は、ボックス内の文書に対して行う種々の文書処理の内容をユーザから受ける処理内容入力手段として機能する。
【0148】
(f)上記実施形態においては、ボックス内の文書に対する文書処理の内容、文書処理の実行条件(実行タイミング)、プリントモードの内容、各プリントモードを適用する条件(処理の段階;文書状況)について、操作パネルにおいて予め用意されたいくつかの選択肢がユーザに提示されるようにしたが、ユーザが直接にプログラム言語等を用いて文書処理の内容等を実行するためのプログラムを入力するようにしてもよい。
【0149】
(g)上記実施形態においては、文書処理の実行条件をユーザが設定できるようにしたが、1または複数の実行条件のみが予め設定されているようにしてもよい。
【0150】
(h)上記実施形態においては、文書処理の内容を設定した後(図8(a))に、その実行条件(図8(b))を設定するようにしたが、逆にしてもよい。また、複数の選択肢を提示する場合には、その時点で選択すべきでない項目は、選択できないようにたとえばグレイ色で表示するようにしてもよい。たとえば文書を転送する文書処理が設定される前における図8(b)の「文書返信」の項目が該当する。
【0151】
(i)上記実施形態では、文書処理装置が文書を受信したとき、これを登録するボックスが存在することを前提としたが、指定されたボックスが存在しない場合には、動作制御部が、記憶部に新たなボックスを作成して登録する、一般文書として登録する、文書の送信元(ユーザ)にボックスが存在しない旨のメッセージを送信する、文書の送信元(ユーザ)にこれらの選択肢を提示して処理を選択させる等の処理を行うこととしてもよい。
【0152】
また、ボックスが存在しても、その文書が指定登録元(指定された送信元)から送信されたものでなかった場合(図10のステップS12でNO)も、動作制御部において新規のボックスを作成したり、文書の送信元(ユーザ)に対してその旨のメッセージを送信するなどの処理を行うこととしてもよい。
【0153】
(j)上記実施形態においては、ユーザが文書の処理の段階に応じたプリントモードの設定を行うことによって、種々のプリントモードが自動的に適用されるように構成したが、文書の処理の段階に応じて自動的に適用される種々のプリントモードが予め設定されているようにしてもよい。たとえば予め文書処理の手順が1または複数用意されているならば、その文書処理の手順に応じた適切なプリントモードを予め設定しておくことが可能である。
【0154】
(k)上記実施形態では、文書内容の変更を伴う文書処理(画像処理)が行われた場合に、その前後で文書処理の段階(文書状況)が変化したとしてプリントモードを変更するようにしたが、画像処理を伴わない文書処理が行われた場合の前後や、具体的な画像処理は行わないけれども所定の条件が満たされる前後(たとえばある文書の登録から所定時間経過する前後)において、文書処理の段階(文書状況)が変化したとしてプリントモードを変更するようにしてもよい。
【0155】
(l)上記実施形態においては、プリント指示のタイミングに応じてプリントモードの変更を行ったが、これに加えて、誰からのプリント指示であるかも加味してプリントモードの変更を行うようにしてもよい。このようにすると、文書を作成した(あるいは作成中の)本人からのプリント指示である場合と、別人からのプリント指示である場合とでプリントアウトする目的が異なっていていも、これに適切に対応することができる。
【0156】
(補足)
なお、上述した具体的な一実施形態には、以下の構成を有する発明が含まれている。
【0157】
(1)上記の文書処理装置において、前記処理内容入力手段は、ユーザから前記文書処理の内容とともにその文書処理を実行する実行条件を受け、前記処理内容記憶手段は、前記文書処理の内容とともに前記実行条件を記憶する文書処理装置。
【0158】
このようにすると、文書内容の変更を伴う文書処理を、任意の適切なタイミングで実行することができる。
【0159】
(2)上記の文書処理装置において、前記処理内容入力手段は、ユーザに対して複数の前記実行条件を選択可能に提示する文書処理装置。
【0160】
このようにすると、ユーザは実行条件を容易に設定することができる。
【0161】
(3)上記の文書処理装置において、前記実行条件は、前記ボックス内に予め設定した所定数の文書が揃ったことを設定可能である文書処理装置。
【0162】
このようにすると、複数人が分担して文書を作成する場合には、全員の文書の作成が完了して文書全体を完成できるときに、文書内容の変更を伴う文書処理を実行することができる。
【0163】
(4)上記文書処理装置において、前記処理内容記憶手段は、1つの前記ボックスに対し、複数の文書処理の内容を記憶することができる文書処理装置。
【0164】
このようにすると、1つのボックスにおいて、複数の文書処理を行うことができる。
【0165】
(5)上記の文書処理装置において、前記処理内容入力手段は、ユーザに対して複数の前記文書処理の内容を選択可能に提示する文書処理装置。
【0166】
このようにすると、ユーザは文書処理の内容を容易に設定することができる。
【0167】
(6)上記の文書処理装置において、前記ボックスを複数備え、前記処理内容入力手段は、いずれか1のボックス内の文書に対する文書処理の内容をユーザから受ける文書処理装置。
【0168】
このようにすると、複数のボックス毎に異なった文書処理を設定して、複数のボックスをそれぞれ異なる手順の作業に利用することができる。
【0169】
(7)上記の文書処理装置において、前記ボックス内には複数の文書が登録可能であり、前記処理内容入力手段は、前記ボックス内のいずれか1の文書に対する文書処理の内容をユーザから受ける文書処理装置。
【0170】
このようにすると、ボックス内の各文書毎に異なった文書処理を設定して、1のボックスにおいて複数の異なる手順の作業を行うことができる。
【0171】
(8)上記の文書処理装置において、前記文書処理の各段階におけるプリントモードの内容をユーザから受けるためのプリントモード取得手段を備えた文書処理装置。
【0172】
このようにすると、文書処理の各段階におけるプリントモードをユーザが任意の設定することができる。
【0173】
(9)前記プリントモード取得手段は、ユーザから前記プリントモードの内容とともにそれに関連付けられる前記文書処理の段階を受ける文書処理装置。
【0174】
このようにすると、種々のプリントモードを適用する文書処理の段階をユーザが任意に設定することができる。
【0175】
(10)上記の文書処理装置において、前記プリントモード入力手段は、ユーザに対して複数の前記文書処理の段階を選択可能に提示する文書処理装置。
【0176】
このようにすると、ユーザは種々のプリントモードに対応する文書処理の段階を容易に設定することができる。
【0177】
(11)上記文書処理装置において、前記プリントモード記憶手段は、1つの前記ボックスに対し、複数のプリントモードの内容を記憶することができる文書処理装置。
【0178】
このようにすると、1つのボックスにおいて、文書処理の段階に応じて複数のプリントモードを適宜設定することができる。
【0179】
(12)上記の文書処理装置において、前記プリントモード内容入力手段は、ユーザに対して複数の前記プリントモードの内容を選択可能に提示する文書処理装置。
【0180】
このようにすると、ユーザはプリントモードの内容を容易に設定することができる。
【0181】
(13)上記の文書処理装置において、前記ボックスを複数備え、前記プリントモード内容入力手段は、いずれか1のボックス内の文書に対するプリントモードの内容をユーザから受ける文書処理装置。
【0182】
このようにすると、複数のボックス毎に異なったプリントモードを設定することができる。
【0183】
(14)上記の文書処理装置において、前記ボックス内には複数の文書が登録可能であり、前記プリントモード内容入力手段は、前記ボックス内のいずれか1の文書に対するプリントモードの内容をユーザから受ける文書処理装置。
【0184】
このようにすると、ボックス内の各文書毎に異なったプリントモードを設定することができる。
【0185】
(15) 文書を登録可能な1または複数のボックス内の文書に対して、その文書内容を変更する文書処理の内容を予めユーザから取得し、
前記文書処理の内容を記憶しておき、
前記文書処理の所定の実行条件が満たされたときには、前記ボックス内の文書に対して、前記文書処理の内容に基づいてその文書内容を変更する文書処理を行うことを特徴とする文書処理方法。
【0186】
(16) 文書を登録可能な1または複数のボックス内の文書に対して、所定の条件が満たされたときに所定の文書処理を行う文書処理装置における文書処理方法であって、
予め前記文書処理の段階とプリントモードとを関連付けて記憶しておき、
ユーザから前記1または複数のボックス内の文書に対するプリント指示を受けたときには、そのときの前記文書処理の段階に応じて、プリントモードをその文書処理の段階に関連付けられたプリントモードに変更することを特徴とする文書処理方法。
【0187】
(17)コンピュータを文書処理装置として機能させるプログラムであって、
文書を登録可能な1または複数のボックスと、
前記ボックス内の文書に対してその文書内容を変更する文書処理の内容をユーザから受けるための処理内容入力手段と、
前記ボックス内または前記ボックス外に設けられ、前記文書処理の内容を記憶する処理内容記憶手段と、
前記文書処理の所定の実行条件が満たされたときには、前記ボックス内の文書に対して、前記文書処理の内容に基づいてその文書内容を変更する文書処理を行う文書内容変更処理手段と、
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【0188】
(18)前記プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0189】
(19)コンピュータを文書処理装置として機能させるプログラムであって、
文書を登録可能な1または複数のボックスと、
所定の条件が満たされたときに前記ボックス内の文書に対して所定の文書処理を行う文書処理手段と、
前記ボックス内または外に設けられ、前記文書処理の段階とプリントモードとを関連付けて記憶するプリントモード記憶手段と、
ユーザから前記ボックス内の文書に対するプリント指示を受けるプリント指示入力手段と、
前記プリント指示を受けたときの前記文書処理の段階に応じて、プリントモードをその文書処理の段階に関連付けられたプリントモードに変更するプリントモード制御手段と、してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【0190】
(20)前記プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0191】
以上のように、本実施形態においては、ユーザがボックス内の文書の文書内容を変更する文書処理を予め設定しておけば、所定の実行条件が満たされたときに、その文書内容を変更する文書処理が自動的に実行されるため、たとえばボックス内の文書を用いる作業が進展していきその文書内容の変更が求められる場合等には、ユーザがその都度手動でボックス内の文書の文書内容の変更操作を行わなくても自動的にボックス内の文書の文書内容を変更させることができ、ユーザの負担を軽減して高い利便性を得ることができる。
【0192】
また、本実施形態においては、文書処理の段階とプリントモードとが関連づけて記憶され、ユーザからボックス内の文書に対するプリント指示を受けたときには、その文書処理の段階に応じた適切なプリントモードに自動的に変更され、そのプリントモードでプリントが行われるため、たとえばボックス内の文書を用いる作業が進展してその文書をプリントアウトする目的が変化していく場合等には、ユーザがプリント指示を出す際にいちいちプリントモードの設定操作を手動で行わなくても自動的に文書処理の段階に応じた適切なプリントモードを設定することができ、ユーザの負担を軽減して高い利便性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】この発明の実施形態である文書処理装置を含む文書処理システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】ボックスの概念説明図であり、(a)は、ボックスの構成図、(b)は、処理情報の一例を示す説明図、(c)は、プリントモード情報の一例を示す説明図である。
【図3】ボックス内の文書を用いて行われる作業の流れの一例を示す説明図である。
【図4】文書登録が完了したときに行われる、文書内容の変更を伴う文書処理の一例である。
【図5】文書が承認されて返信されてきたときに行われる、文書内容の変更を伴う文書処理の一例である。
【図6】文書の処理の段階に応じて設定されたプリントモードの一例である。
【図7】ボックスに文書処理機能を設定する際の操作パネル画面の一例であり、(a)は機能を追加するボックスの選択画面、(b)は登録文書を特定する特徴の入力画面、(c)は登録文書を特定する送信元の入力画面である。
【図8】ボックスに文書処理機能を設定する際の操作パネル画面の一例であり、(a)は文書の変更部分の選択画面、(b)は文書内容の変更を伴う文書処理を行うタイミングの選択画面、(c)は、文書内容の変更を伴う文書処理が設定された後の選択画面、(d)は文書の送信先の入力画面である。
【図9】ボックスに文書処理機能を設定する際の操作パネル画面の一例であり、(a)は文書内容の変更を伴う文書処理後に適用するプリントモードの設定画面、(b)はプリントモードのうちカラーモードの設定画面、(c)はプリントモードのうちページ設定の設定画面である。文書の処理の段階に応じたプリントモードを設定している場面である。
【図10】文書を受信したときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】文書登録が完了したときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】文書登録が完了したときに行われる、文書内容の変更を伴う文書処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】文書が返信されてきたときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】文書が承認されて返信されてきたときに行われる、文書内容の変更を伴う文書処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】プリント指示を受けたときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0194】
1 文書処理装置(MFP)
2 入出力端末(パーソナルコンピュータ)
3 ネットワーク(LAN)
11 動作制御部
12 ネットワークインタフェース部
13 操作パネル
14 プログラム登録部
15 記憶部
151 ボックス
16 プログラム実行部
17 画像処理部
18 プリント部
19 原稿読み取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を記憶する複数のボックスと、
前記文書に対して行う処理内容と前記処理内容に対応する実行タイミングとを一対として、前記処理内容と前記実行タイミング対を複数含む処理情報を、受ける処理情報入力手段と、
前記処理情報を記憶する記憶手段と、
前記文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に基づいた処理を実行する処理手段と、を備え、
前記処理情報は、所定のボックスと関連付けられるとともに、前記複数のボックス毎に異ならせることが可能であり、
前記処理手段は、所定のボックス内の文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に対応する前記実行タイミングが満たされたときに、前記実行タイミングに対応する前記処理内容に基づいた処理を実行することを特徴とする文書処理装置。
【請求項2】
請求項1において、前記処理情報入力手段は、
文書処理装置の操作パネルを介した入力手段、ネットワークを介して接続された外部の入出力装置からの入力手段、のうちいずれかであることを特徴とする文書処理装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記処理情報は関連付けられたボックス内に記憶されることにより前記処理情報と前記ボックスとが関連付けられる、あるいは前記処理情報は他の記憶手段にボックスと関連付けて記憶することにより前記処理情報と前記ボックスとが関連付けられることを特徴とする文書処理装置。
【請求項4】
文書を記憶する複数のボックスと、
前記文書に対して行う処理内容と前記処理内容に対応する実行タイミングとを一対として、前記処理内容と前記実行タイミング対を複数含む処理情報を、受ける処理情報入力手段と、
前記処理情報を記憶する記憶手段と、
前記文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に基づいた処理を実行する処理手段と、を備え、
前記処理情報は、所定のボックスと関連付けられるとともに、前記複数のボックス毎に異ならせることが可能であり、
前記処理手段は、所定のボックス内の文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に対応する前記実行タイミングが満たされたときに、前記実行タイミングに対応する前記処理内容に基づいた処理を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4において、前記処理情報入力手段は、
文書処理装置の操作パネルを介した入力手段、ネットワークを介して接続された外部の入出力装置からの入力手段、のうちいずれかであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4または5において、前記処理情報は関連付けられたボックス内に記憶されることにより前記処理情報と前記ボックスとが関連付けられる、あるいは前記処理情報は他の記憶手段にボックスと関連付けて記憶することにより前記処理情報と前記ボックスとが関連付けられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
文書を記憶する複数のボックスを備えた文書処理装置における文書処理方法であって、
前記文書に対して行う処理内容と前記処理内容に対応する実行タイミングとを一対として、前記処理内容と前記実行タイミング対を複数含む処理情報を、受ける処理情報入力ステップと、
前記処理情報を記憶する記憶ステップと、
前記文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に基づいた処理を実行する処理ステップと、を備え、
前記処理情報は、所定のボックスと関連付けられるとともに、前記複数のボックス毎に異ならせることが可能であり、
前記処理ステップは、所定のボックス内の文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に対応する前記実行タイミングが満たされたときに、前記実行タイミングに対応する前記処理内容に基づいた処理を実行することを特徴とする文書処理方法。
【請求項8】
文書を記憶する複数のボックスを備えた文書処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
文書を記憶する複数のボックスと、
前記文書に対して行う処理内容と前記処理内容に対応する実行タイミングとを一対として、前記処理内容と前記実行タイミング対を複数含む処理情報を、受ける処理情報入力手段と、
前記処理情報を記憶する記憶手段と、
前記文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に基づいた処理を実行する処理手段と、を備えた文書処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであり、
前記処理情報は、所定のボックスと関連付けられるとともに、前記複数のボックス毎に異ならせることが可能であり、
前記処理手段は、所定のボックス内の文書に対して、前記処理情報に含まれる前記処理内容に対応する前記実行タイミングが満たされたときに、前記実行タイミングに対応する前記処理内容に基づいた処理を実行することを特徴とするプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−325203(P2006−325203A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129411(P2006−129411)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【分割の表示】特願2005−36622(P2005−36622)の分割
【原出願日】平成15年1月27日(2003.1.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】