説明

文書管理システム

【課題】不正行為を迅速に検知し、セキュリティを高めることが可能な文書管理システムを提供すること。
【解決手段】複数のブックエンドアンテナ22を順次切り替えながらRFIDタグ210のみの読み取りを行い、読み取られなかったRFIDタグ210の識別子を検知することで、持ち出された文書を検知する。読み取られたRFIDタグ210の識別子をもとに返却された文書が検知された場合に、該RFIDタグ210の識別子を読み取ったブックエンドアンテナ22によりRFID積層タグ220を読み取り、当該文書のRFID積層タグ220の識別子が全て読み取られたかを検知することで、ページの抜き取り行為を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文書を文書棚に収容して管理する文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードやICタグを用いた非接触型リーダライタシステムは、一般にRFID(Radio Frequency IDentification)システムと呼ばれており、交通カードシステム、物品管理システム等に実用化されている。
例えば、書籍類及びCD等の商品に非接触型のICタグを貼り付け、これらの商品をラック上に収納し、非接触ICタグ用のリーダライタ装置を用いて上記ICタグを読み取ることで商品の保管・データ処理を行う管理システムが提案されている(特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−283123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のような管理システムで文書を管理した場合、文書の返却時にページの抜き取り等の不正行為が行われた場合に検知できないという問題がある。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、不正行為を迅速に検知し、セキュリティを高めることが可能な文書管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためにこの発明に係る文書管理システムは、複数のページを有する文書毎にRFID(Radio Frequency IDentification)タグを取着すると共に、重ね読み可能なRFID積層タグを前記ページ毎に取着し、前記RFIDタグ及び前記RFID積層タグを用いて文書棚に収容される前記文書を管理する文書管理システムであって、前記文書棚毎に少なくとも1つ配置され、前記RFIDタグの識別子及び前記RFID積層タグの識別子を読み取り可能な複数のアンテナと、前記文書のRFIDタグの識別子に対応付けて、前記文書に含まれるページのRFID積層タグの識別子と、前記文書の取り扱い状況を表す取扱情報とを記憶するデータベースと、前記複数のアンテナを順次切り替えながら前記RFIDタグから識別子を読み取る読取手段と、前記データベース中の前記RFIDタグの識別子のうち、前記読取手段で読み取られなかった識別子を検知する第1検知手段と、前記第1検知手段で検知された該RFIDタグの識別子に対応付けられた取扱情報を閲覧状態を示す情報に更新する第1更新手段と、前記読取手段で前記RFIDタグの識別子を読み取った時に、前記データベースにおいて該RFIDタグの識別子に対応付けられた取扱情報が閲覧状態を示す場合は、該RFIDタグの識別子を読み取ったアンテナにより前記RFID積層タグから識別子を読み取り、前記データベース中の該RFIDタグの識別子に対応付けられた前記RFID積層タグの識別子が全て読み取られたかを検知する第2検知手段と、該RFIDタグの識別子に対応する取扱情報を前記第2検知手段の検知結果をもとに返却状態又は不正返却状態を示す情報に更新する第2更新手段とを具備する。
【0006】
すなわち、上記システムは、読取手段で複数のブックエンド型アンテナを順次切り替えながらRFIDタグのみを読み取り、読み取られなかったRFIDタグの識別子を検知することで、持ち出された文書を高速に検知する。さらに、上記読取手段で読み取られたRFIDタグの識別子をもとに返却された文書が検知された場合に、該RFIDタグの識別子を読み取ったブックエンドアンテナによりRFID積層タグを読み取り、当該文書のRFID積層タグの識別子が全て読み取られたかを検知することで、返却された文書についてのみページの抜き取り行為を検知するものである。
【発明の効果】
【0007】
したがってこの発明によれば、不正行為を迅速に検知し、セキュリティを高めることが可能な文書管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る文書管理システムの全体構成図。
【図2】図1の文書管理システムの機能ブロック図。
【図3】文書取扱者情報の一例を示す図。
【図4】文書情報の一例を示す図。
【図5】新規文書登録処理の手順を示すフローチャート。
【図6】文書検索処理の手順を示すフローチャート。
【図7】文書持出し時及び返却時の不正行為検知処理の手順を示すフローチャート。
【図8】文書の取扱状況を示す画面例を示す図。
【図9】文書の取扱状況を示す画面例を示す図。
【図10】文書の取扱状況を示す画面例を示す図。
【図11】文書返却支援処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る文書管理システムの全体構成図である。
図1において、このシステムは、文書管理/制御用パーソナルコンピュータ(文書管理/制御用PC)10と、文書棚20と、据置用リーダライタ30と、ゲートアンテナ40と、警告灯50と、バーコードリーダ60とを備える。文書棚20は、複数の棚段(棚板)を有し、各棚板上には少なくとも1つのブックエンド型に形成されたブックエンドアンテナ22が配置される。
【0010】
文書は、例えば、ページを自在に抜き差し可能なファイルブック等で構成される。文書には、RFIDタグ210が取着され、文書単位の識別に用いられる。また、文書内の各ページには、複数枚積み重なった状態でも一括して読み取り可能なRFID積層タグ220がそれぞれ取着され、ページ単位の識別に用いられる。RFIDタグ210に予め設定される文書を固有に識別するための識別子(UID)及びRFID積層タグ220に予め設定されるページを固有に識別するための識別子(UID)は、ブックエンドアンテナ22から放射される読み取り電波(例えば、13.56MHz帯)によって読み取り可能である。但し、RFID積層タグ210は読み取り可能距離が短く、ゲートアンテナ40のように読み取り距離が長い用途では不向きである。このため、本実施形態では、RFID積層タグ220のみでなく、文書管理用の一般的なRFIDタグ210を併用し、ゲートアンテナ40を通過する文書について貸出処理が行われているかを監視する。
【0011】
また、ブックエンドアンテナ22の配置位置に対応する棚板前面にLED23が取り付けられる。さらに、文書棚20には、カード認証用リーダライタ21が設置され、ユーザ(文書取扱者)が携帯する認証用RFIDカード200からユーザを固有に識別するための識別子(UID)の読み取りを行う。
【0012】
図2は、図1の文書管理システムの機能ブロックを示す。図2に示すように、文書管理/制御用PC10には、ゲートアンテナ40、警告灯50、バーコードリーダ60、カード認証用リーダライタ21、ブックエンド用リーダライタ221、LED23、及び据置用リーダライタ30が接続される。ブックエンドアンテナ22は、アンテナ切替器(マスタ)222及びアンテナ切替器(スレーブ)223を介してブックエンドアンテナ用リーダライタ221に接続される。
【0013】
さらに、文書管理/制御用PC10にはデータベース100が設けられ、このデータベース100には、文書取扱者情報と、文書情報とが記憶される。図3は、文書取扱者情報の一例であり、認証用RFIDカード200のUIDに、文書取扱者名と権限情報とが格納される。権限情報は、例えば、閲覧可能な文書のグループを示す情報とする。
【0014】
図4は、文書情報の一例であり、文書棚20に収容される各文書に対応するRFIDタグ210のUIDに対応付けて、該文書に含まれる各ページに対応する複数のRFID積層タグ220のUIDと、文書名と、該文書を閲覧可能なグループ又はユーザを示す権限情報と、文書棚20における該文書の収容位置を表す位置情報と、該文書の取り扱い状況(閲覧や返却など)を表す取扱情報と、該文書に貼付又は印刷されたバーコードを示すバーコード情報とが記憶される。なお、文書情報は、RFID積層タグ220のUID毎に格納する構成としても良い。取扱情報は、権限を有するユーザにより当該文書が文書棚20から持ち出されている場合は“閲覧”と、権限の無いユーザにより無断で当該文書が文書棚20から持ち出されている場合は“不正取出”とする。また、当該文書のページが全て揃っている状態で文書棚20に収容された場合は“返却”と、ページ抜き取りが行われた状態で文書棚20に収容された場合は“不正返却”とする。
【0015】
次に、このように構成された文書管理システムの各動作について説明する。
(新規文書登録)
新規に文書棚に文書を収容する際に、文書の収容位置をデータベースに自動に登録する手法を説明する。
図5は、新規文書の登録処理の手順を示すフローチャートである。図5のフローチャートの実行に先立ち、データベース100にRFIDタグ210のUIDとRFID積層タグ220のUIDとの対応関係が文書情報として登録されているものとする。
【0016】
文書管理/制御用PC10は、先ずステップS1aにおいて、ブックエンドアンテナ22を計数するためのカウンタAに1をセットする。ステップS2aにおいて、カウンタAが文書棚20に設置されているブックエンドアンテナ22の総数を超えるまでステップS3a以降の処理を行う。ステップS3aにおいて、ブックエンドアンテナ用リーダライタ221は、アンテナ切替器222を介してA番目のブックエンドアンテナ22から読み取り電波を放射し、通信範囲内に存在するタグの識別子(UID)を検出する。ステップS3aでA番目のブックエンドアンテナ22によりUIDが検出されると、ステップS4aで検出されたUIDをバッファに保存する。一方、ステップS3aで、タグのUIDが検出されない場合は、A番目のブックエンドアンテナ22の付近には文書が存在しないものと判定し、ステップS9aに移行する。
【0017】
ステップS5aにおいて、バッファに保存したUIDをデータベース100と照合し、該UIDが文書情報にRFIDタグ210のUIDとして登録されている場合には、ステップS6aにおいて、データベース100に登録されている、該RFIDタグ210のUIDに対応するRFID積層タグ220のUIDの全てがバッファに保存したUIDと一致するかを判定する。該RFIDタグ210のUIDと対応付けられているRFID積層タグ220のUIDの全てがバッファに保存したUIDと一致する場合は、データベース100の該RFIDタグ210のUIDに対応付けられた位置情報を更新する。位置情報としては、例えば、文書棚20におけるA番目のブックエンドアンテナ22の位置を表すものとする。
【0018】
さらに、ステップS8aにおいて、バッファに保存したUIDのうち、データベース100で更新したUID以外を検索し、ステップS5aからの処理を繰り返し行う。ステップS5aにおいてバッファに保存したUIDがRFIDタグ210のUIDとして登録されていない場合、及びステップS6aにおいてRFIDタグ210のUIDに対応付けられたRFID積層タグ220のUIDの全てがバッファに保存したUIDと一致しない場合は、ステップS9aに移行し、カウンタAを1インクリメントした後にステップS2aに移行し、次のブックエンドアンテナ22に対する処理を順次行う。
【0019】
(文書検索)
検索対象の文書の収容位置をLEDの点灯で表示する手法を説明する。
図6は、文書検索処理の手順を示すフローチャートである。バーコードリーダ60で検索対象の文書に対応するバーコードの読み取り操作が行われると、図6のフローチャートの処理が実行される。
【0020】
文書管理/制御用PC10は、先ずステップS1bにおいて、バーコードリーダ60から入力されるバーコード情報をもとにデータベース100の文書情報を検索する。データベース100において検索対象の文書のバーコード情報が検索された場合には、ステップS2bにおいて、検索対象の文書のRFIDタグ210のUIDと位置情報を取得する。一方、ステップS1bで検索対象の文書のバーコード情報が検索されない場合は、ステップS5bに移行し、検索対象の文書なしを表す検索結果を出力する。
【0021】
ステップS3bにおいて、ブックエンドアンテナ用リーダライタ221は、アンテナ切替器222を介して上記取得した位置情報に対応するブックエンドアンテナ22から読み取り電波を放射し、通信範囲内に存在するタグのUIDを検出する。文書管理/制御用PC10は、検出されたUIDが上記取得した検索対象の文書のRFIDタグ210のUIDであった場合は、ステップS4bにおいて上記位置情報に対応するLED23を点灯させる。一方、ステップS3bでUIDが検出されなかった場合又は検出されたUIDが検索対象の文書のRFIDタグ210のUIDでない場合は、ステップS6bにおいて、他のブックエンドアンテナ22でタグのUIDの検出を行い、上記検索対象の文書のRFIDタグ210のUIDが検出された場合は、ステップS7bにおいて、検出されたブックエンドアンテナ22の位置に対応するLED23を点灯させる。他の全てのブックエンドアンテナ22において検索対象の文書のRFIDタグ210のUIDが検出されなかった場合は、ステップS8bに移行して、検索対象の文書なしを表す検索結果を出力する。
【0022】
(不正行為検知)
無断で文書棚から文書を持ち出したり、返却時にページ抜き取りなどの不正行為が行われると即時に検知して警告通報を行う手法を説明する。
図7は、文書持ち出し時及び返却時の不正行為検知処理の手順を示すフローチャートである。文書持ち出し時には、ユーザは認証用RFIDカード200をカード認証用リーダライタ21にかざし、ユーザ認証を行うものとする。
【0023】
ステップS1cにおいて、ブックエンドアンテナ用リーダライタ221は、文書棚20に配置された全てのブックエンドアンテナ22をアンテナ切替器222により順次切り替えながらRFIDタグ210からRFIDタグ210のUIDの読み取りを一定時間間隔で行う。文書管理/制御用PC10は、読み取られたRFIDタグ210のUIDをデータベース100の文書情報と照合し、読み取りできなかったRFIDタグ210のUIDがある場合には、ステップS2cに移行する。ステップS2cにおいて、文書管理/制御用PC10は、上記読み取りで検出できなかったRFIDタグ210のUIDをもとにデータベース100の文書情報から権限情報を取得する。
【0024】
次に、ステップS3cにおいて、文書管理/制御用PC10は、カード認証用リーダライタ21で認証用RFIDカード200を検出した場合には、ステップS4cにおいて、上記検出した認証用RFIDカード200のUIDをもとにデータベース100の文書取扱者情報から権限情報を取得する。ステップS5cにおいて、文書管理/制御用PC10は、上記取得された認証用RFIDカード200の権限情報がRFIDタグ210の権限情報を満たしていると判定した場合には、ステップS6cにおいて、データベース100における当該RFIDタグのUIDに対応する取扱情報を“閲覧”に更新する。文書管理/制御用PC10は、ステップS7cにおいて、図8に示すように、文書取扱者と文書情報とを画面に表示する。
【0025】
また、ステップS3cにおいて認証用RFIDカード200を検出していない場合、又は、ステップS5cで認証用RFIDカード200の権限情報がRFIDタグ210の権限情報を満たしていない場合は、ステップS8cに移行して、文書管理/制御用PC10は、データベース100における当該RFIDタグのUIDに対応する取扱情報を“不正取出”に更新する。そして、ステップS15cにおいて、警告灯50で警告通報を行い、警告画面を表示する。警告画面は、認証用RFIDカード200の認証が行われた場合には、図9のような画面が表示され、認証用RFIDカード200の認証が行われなかった場合には、図10に示すような画面となる。
【0026】
一方、ステップS9cにおいて、文書管理/制御用PC10は、上記ステップS1cで読み取られたRFIDタグ210のUIDに対応する取扱情報をデータベース100の文書情報から取得する。ステップS10cにおいて、上記取得された取扱情報が“閲覧”の場合には返却対象の文書と判定し、ステップS11cに移行して、ブックエンドアンテナ用リーダライタ221は、上記RFIDタグ210を読み取ったブックエンドアンテナ22によりRFID積層タグ220の読み取りを行う。RFID積層タグ220が検出された場合は、データベース100の文書情報に登録してあるRFID積層タグ220の全てと一致するかを判定し、一致する場合には、ステップS13cにおいて、データベース100の文書情報における当該RFIDタグのUIDに対応する取扱情報を“返却”に更新する。そして、ステップS7cに移行して、上記図8に示すように文書情報を画面に表示する。
【0027】
また、上記ステップS11cでRFID積層タグ220が検出できなかった場合、又はステップS12cで検出されたRFID積層タグ220がデータベース100に登録してあるRFID積層タグ220の全てと一致しなかった場合は、ページが抜き取られたものと判断し、ステップS14cに移行して、文書管理/制御用PC10は、データベース100における当該RFIDタグのUIDに対応する取扱情報を“不正返却”に更新する。そして、ステップS15cにおいて、警告灯50で警告通報を行い、図9又は図10のような警告画面を表示する。
【0028】
(文書返却支援)
文書返却時に文書のページ抜けを知らせ、文書返却位置をLEDによって表示する手法を説明する。
図11は、文書返却支援処理の手順を示すフローチャートである。据置用リーダライタ30は、一定時間間隔で読み取り電波を放射し、通信範囲内に存在するタグの読み取りを行っている。文書返却時には、ユーザは文書のRFIDタグ210を据置用リーダライタ30にかざし、文書返却処理を開始するものとする。
【0029】
ステップS1dにおいて、据置用リーダライタ30による読み取り動作において、返却文書のRFIDタグ210のUIDが検出されると、ステップS2dにおいて、文書管理/制御用PC10は、RFIDタグ210のUIDに対応する位置情報をデータベース100の文書情報から取得する。ステップS3dにおいて、ユーザにより返却登録が開始されると、ステップS4dにおいて、据置用リーダライタ30でRFID積層タグ220からUIDが検出されたかどうかを判定する。ユーザによる返却登録の開始は、例えば、据置用リーダライタ30に設置された、返却登録の開始を示すボタンをユーザが押下することにより行われる。ステップS4dでRFID積層タグ220のUIDが検出された場合には、データベース100の文書情報に登録された上記RFIDタグ210のUIDに対応付けられたRFID積層タグ220のUIDの全てと一致するかを判定する。一致する場合には、ステップS6dにおいて、文書管理/制御用PC10は、上記位置情報に対応するLED23を点灯させる。
【0030】
一方、ステップS4dにおいて、据置用リーダライタ30によりRFID積層タグ220のUIDが検出されない場合、又はステップS5dで検出されたRFID積層タグ220のUIDが上記RFIDタグ210のUIDに対応付けられたRFID積層タグ220のUIDの全てと一致しない場合は、ステップS7dに移行し、文書管理/制御用PC10はページ抜けありを表す判定結果を出力し、全てのページが揃うまで、ステップS3dからの処理を繰り返し行う。
【0031】
以上述べたように、上記実施形態によれば、文書棚に配置されたブックエンドアンテナにより常に文書に取着されたRFIDタグのみを順次読み取りを行い、文書の不正持ち出しを高速に検知、通報することが可能となる。また、文書の返却が検知された時には、返却のあったブックエンドアンテナによってページ毎に取着されたRFID積層タグを一括して読み取ることで、ページの抜き取りを即座に検知し、不正行為を通報することが可能となる。これにより、不正行為を迅速に検知し、セキュリティを高めることが可能な文書管理システムを実現できる。
【0032】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10…文書管理/制御用PC、20…文書棚、30…据置用リーダライタ、40…ゲートアンテナ、50…警告灯、60…バーコードリーダ、21…カード認証用リーダライタ、22…ブックエンドアンテナ、23…LED、200…認証用RFIDカード、210…RFIDタグ、220…RFID積層タグ、100…データベース、221…ブックエンドアンテナ用リーダライタ、222…アンテナ切替器(マスタ)、223…アンテナ切替器(スレーブ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページを有する文書毎にRFID(Radio Frequency IDentification)タグを取着すると共に、重ね読み可能なRFID積層タグを前記ページ毎に取着し、前記RFIDタグ及び前記RFID積層タグを用いて文書棚に収容される前記文書を管理する文書管理システムであって、
前記文書棚毎に少なくとも1つ配置され、前記RFIDタグの識別子及び前記RFID積層タグの識別子を読み取り可能な複数のアンテナと、
前記文書のRFIDタグの識別子に対応付けて、前記文書に含まれるページのRFID積層タグの識別子と、前記文書の取り扱い状況を表す取扱情報とを記憶するデータベースと、
前記複数のアンテナを順次切り替えながら前記RFIDタグから識別子を読み取る読取手段と、
前記データベース中の前記RFIDタグの識別子のうち、前記読取手段で読み取られなかった識別子を検知する第1検知手段と、
前記第1検知手段で検知された該RFIDタグの識別子に対応付けられた取扱情報を閲覧状態を示す情報に更新する第1更新手段と、
前記読取手段で前記RFIDタグの識別子を読み取った時に、前記データベースにおいて該RFIDタグの識別子に対応付けられた取扱情報が閲覧状態を示す場合は、該RFIDタグの識別子を読み取ったアンテナにより前記RFID積層タグから識別子を読み取り、前記データベース中の該RFIDタグの識別子に対応付けられた前記RFID積層タグの識別子が全て読み取られたかを検知する第2検知手段と、
該RFIDタグの識別子に対応する取扱情報を前記第2検知手段の検知結果をもとに返却状態又は不正返却状態を示す情報に更新する第2更新手段と
を具備することを特徴とする文書管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−266956(P2010−266956A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115836(P2009−115836)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000166650)株式会社日立国際電気エンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】