説明

料理器具用の熱変色蓋

【課題】平鍋が食材を加えるのに適切な温度に達したことが表示すること。
【解決手段】 料理器具用の蓋が、その表面のかなりの部分を、熱変色インク又は塗料で覆われていて、第一の熱変色指標が形成されている。この第一の熱変色指標は、すぐに視認できるように外観が変化するので、料理人は、その下にある料理器具の容器および/またはその内容物が所望の温度に到達したことに気付かされる。蓋の第二の熱変色指標は、深鍋の液体もまた沸騰していること、あるいは第一の熱変色指標の外観が変化してからある時間が経過していることを表示するのに用いられる。第一の熱変色指標は、好ましくは、第二の熱変色指標を取り囲み、かつ熱絶縁体によってそれから分離されていて、各々の指標が、そのそれぞれの熱変化の推移温度に達するのにタイムラグが生じたり、それが引き延ばされたりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料理器具において用いられる熱変色指標(インジケータ)に関し、詳しくは、料理器具容器の蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の温度に到達すると可逆的に変色する性質があり、または別の光学的な特性があるということで、様々な組成の熱変色インクおよび塗料が良く知られている。そのような塗料またはコーティングが料理器具容器に適用されることで、平鍋が食材を加えるのに適切な温度に達したことが表示され、または内容物が料理の別の段階にとって望ましい温度に到達したことが表示され、あるいはその料理器具自体は熱くて素手で触るべきではないということがユーザーおよび台所にいるその他の人に警告されたりする。例えば、援用してここに組み込むウォールズらの米国特許3,701,344号(1972年10月31日発行)には、指標を有する握りを備える料理装置が開示されており、それが変色することで、料理人が熱を巧みに扱うことが可能となり、水のいらない料理器具を用いる上で最善の結果が得られている。変色する指標とは、料理器具自体の蓋に付けられた握り型の取っ手内に埋め込まれた熱変色塗料である。握り型取っ手内の熱伝導性ヒートシンクによって、熱は蓋から熱変色塗料に伝わり、それは、握りの中央の透明な窓を通して視認できる。この握り内の最初の変色によって、何時、水のいらない料理器具にそれ以上熱を加えるべきではなくなるのかが表示されるように意図されている。そして、食品が、水のいらない料理器具容器に保留される残存蒸気によって調理されるときに、握りが冷却されて元の温度に戻ったことが表示されるように意図されている。
【0003】
援用してここに組み込むパーカーの米国特許第4,805,188号(1989年2月14日発行)には、特に、密閉される殺菌または料理容器に適合して用いられ、いかなる温度で、どれだけの間、容器内に入っている材料が加熱され、または調理されているかを表示する時間温度指標が開示されている。その指標は、一端が料理容器の蓋と熱的に接触する熱伝導シリンダーまたは同様の形をした対象物上に、熱変色コーティングを備えている。この熱伝導シリンダーは、透明な熱絶縁材料で囲まれていて、熱が蓋からシリンダーまで伝わると、その上の熱変色コーティングの領域が変色するが、それは、蓋が熱変色推移温度以上になっている時間に比例して、絶えず大きくなり続ける。熱変色コーティングは、それを取り囲んでいる透明な熱絶縁性材料を通して視認できる。指標は、圧力調理器または殺菌器の蓋につけられた握りとして構成されるか、現存する握りと置き換えて取り付けられる。そのデバイスは、握りまたは指標の周りの360°全角度で読み取れるように構成できるものであるが、それでもユーザーは、料理器具の比較的小さな領域に注意を払う必要がある。
【0004】
加えて、援用してここに組み込むエレレの米国特許5,720,555号(1998年2月24日発行)には、温度を表示する容器および蓋装置が開示されている。555特許の開示によると、温度を表示する容器装置には、実質的に熱を絶縁する材料でできた内部容器部が含まれている。熱変色物質を含む部分が、その内部容器部の外表近くに配置されていて、熱変色物質を含む部分の変色を内部容器部の外から見ることができるようになっている。熱変色物質を含む部分は、内部容器部の外表を囲むジャケットの形をしている。そのジャケットには、複数の窓が含まれている。最も外側の容器部は、熱変色物質を含むジャケットと内部容器部の双方の外側に位置する。最も外側の容器部は、光を透過し、熱変色物質を含むジャケットの変色が最も外側の容器部の外から見えるようになっている。組み立てられた蓋には、内部容器部を覆う蓋部と、熱変色物質を含む部分とが含まれている。特許は、蓋部に熱変色物質が含まれることを開示している。容器自体が熱を絶縁するので、極端に過熱される料理器具として用いるのは適切でない。さらには前述の蓋および組み立てられた蓋は、一般には、特定の深鍋か、料理技術か、熱を絶縁する容器かに特有のものである。
【0005】
FR1388029は、フライパンの内側の調理面上に熱変色指標スポットを取り付けることを教示する。そのスポットは、所定の温度で変色し、フライパンが十分に熱くて、調理される食材を入れるべきであることを料理人またはユーザーに表示する。援用してここに組み込むバファードらの米国特許6,551,693号(2003年4月22日発行)には、同様に、温度の関数として変色する装飾を含む内部表面コーティングを有する調理容器が開示されている。その装飾は、耐高熱性樹脂と温度の関数として変色する化学物質に基づいている。この装飾は、容器の内側のフッ化炭素樹脂コーティング上に塗られている。しかしながら、FR1388029と693特許の変色するデバイスは、料理人またはユーザーが料理容器のそばに立って上から熱変色スポットまたは装飾を点検する必要がある。そのようなスポットまたは装飾は、いつ食品が調理されるかを表示するものではなく、実際、フライパンや料理器具に食材が加えられてしまうと見え難くなってしまう。
【特許文献1】米国特許3,701,344号公報
【特許文献2】米国特許4,805,188号公報
【特許文献3】米国特許5,720,555号公報
【特許文献4】米国特許6,551,693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術における前述の欠点に鑑み、したがって、本発明の第一の目的は、平鍋の蓋が熱く素手で触るべきでないことをはっきりと視認できる指標を提供することである。
【0007】
発明のさらなる目的は、料理器具が準備されており、すなわち、食材を受け入れるのに十分な温度であることと、食材が調理されていることの双方を遠くから表示する簡単な手段を提供することである。
【0008】
異なる料理容器および異なる料理方法と相互に交換して用いることのできる前述の手段を、デバイスにおいて提供することが、発明のさらなる目的である。
【0009】
本発明において、前述のおよびその他の目的は、料理器具の蓋に熱変色塗料を塗って、その料理器具が加熱されると、蓋のへりの部分から中心に向けて次第に変色することを、ユーザーが遠くから観察できるものとすることによって達成される。
【0010】
その他の目的は、蓋の中心にあって、好ましくは、蓋の外表の残りの部分に塗られた熱変色塗料である第二の熱指標に取り囲まれている、第一の熱指標を有する料理器具用の蓋を提供することによって達成される。
【0011】
なおもさらなる目的は、蓋の中心にある第一の熱指標が第二の熱指標によって覆われている蓋の残りの部分から、少なくとも部分的に熱的に絶縁されていて、平鍋の中の食品が第一の調理温度に達したときから、熱変色指標が同じ温度に達するときまでに所定の時間遅延があるような追加の実施例において達成される。
【0012】
本発明の別の実施例においては、料理器具用の蓋の異なる部分に第一および第二の熱変色指標が備わっていて、第二の熱変色指標は、第一の熱変色指標よりも変色するのに高い温度が必要である。それら二つの指標の変色によって、食品または平鍋が第一の指標と関連する第一の調理温度に達したときから、平鍋が第二の熱変色指標と関連する第二の温度に達したときまでの所定の時間遅延が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の、前述のおよびその他の目的、効果、特徴および利点は、添付した図面と関連する、以下の、それらの実施例の説明から、より明らかになる。
【実施例1】
【0014】
図1乃至6を参照すると、様々な図面において、同様の参照番号が同様の構成要素に付されていて、全体が100と称された新規で改良された調理器具用の熱変色蓋が例示されている。
【0015】
本発明によると、熱変色蓋100は、調理用鍋または液体を閉じ込める容器の上部開放端と結合して密閉する、実質的に円形の低部のへり110へと延びる。熱変色蓋100は、好ましくは、通常の形成操作によって金属シートから形成され、内側表面101が、蓋100を形成するのに用いられた金属シートの一側面を表している。熱変色蓋110の外表面102は、中央の表示メダル120を備え、それを、上方に延びる取っ手125が跨いでいる。図5に、より詳細に示されるとおり、取っ手125は、そのU字型125の反対側に配置されるリベット123を介して蓋およびメダルの双方に固定されている。
【0016】
熱変色蓋110の、中央のメダル120を取り囲む領域は、熱変色指標塗料130の層で覆われている。熱変色塗料、インクまたはそれらと同類の指標被覆は、好ましくは、約150°F〜158°Fの温度で、第一の状態から第二の状態へと視認できるように推移する。温度変化に反応して、鋭く、可逆的に視認できるように変色する熱変色材料が、当技術において数多く周知である。そのような材料は、無機材料および有機材料の双方に、選択的に基づいており、様々な形でカプセルに閉じ込められた液晶も含まれている。例えば、援用してここに組み込むナカツジらによる米国特許4,028,118号が、そのような材料を開示している。典型的には、これらの材料には、不可欠の構成要素として、電子を供与する彩色有機化合物、フェノール水酸基を有する化合物、および高級脂肪酸一価アルコールと高級脂肪酸一価酸アルコールエステルからなるグループから選択される化合物が含まれている。118特許には、そのような熱変色材料の熱変色特性は、50ミクロンを超えない大きさを有する細かいマイクロカプセルに吸蔵されるとき、さらに改善されること、かつ優れた熱変色特性を有する、熱変色ポリマー、熱変色印刷インク、熱変色筆記用具、熱変色塗料および熱変色シート並びに幅広い実用品が、そのような熱変色材料またはマイクロカプセルに閉じ込められた熱変色材料から作成できることがさらに開示されている。
【0017】
より高い温度で用いるのに適切な無機化学熱変色塗料組成が、クロンバーグによる米国特許5,499,597号(1996年3月19日発行)に開示されており、それは、援用してここに組み込む。より詳しくは、597特許には、様々な温度レベルに反応して色が変化する無機半導体を用いる可逆的な光学温度指標が開示されている。その半導体材料は、エナメルに閉じ込められており、それによって保護され、かつより高い温度での分解が防止される。前述の米国特許6,551,693号には、高耐熱性樹脂(好ましくは、少なくとも200℃までの温度に対して安定なもの)を熱変色樹脂に変換する添加剤として単独の酸化鉄が開示されている。熱可塑性樹脂は、好ましくは、フッ化炭素樹脂またはフッ化炭素樹脂の排他的な混合物もしくは他の高耐熱性樹脂と混合されたフッ化炭素樹脂であると記述されている。酸化鉄を単独で用いる代わりに、酸化鉄を、黒い顔料と結合されるペリレン赤のような他の顔料または着色剤と混合することもできる。熱変色インクおよび塗料の現在の商業用の拠所は、クロマティックテクノロジー社(80919コロラド州、コロラドスプリングス、Ste.126、センテニアル通り4870)である。
【0018】
本発明の好ましい実施例において、中央のメダル120は、熱変色蓋100に形成された空洞126に挿入される。そうして、取っ手125およびリベット123によって、メダル120は、金属シートに形成された空洞またはポケット126内にさらに固定される。発明は、この実施例で、U字型の取っ手のみに限定されるものではないことを理解すべきであり、それは、握り型の取っ手を使って、メダル120をポケット126内に固定することもまた可能であるからである。ゴムの裏打ち140によって、金属の外表面102の取り囲み部分から、中央メダル120が一部熱的に絶縁される。メダル120は、下方に延びる側壁127を備える円板であって、熱変色塗料、インクまたは表示などの視認できる熱指標を外表面128上に有する。図2乃至図4に示される好ましい実施例において、メダル120上の表示領域は、メダル125の外縁に環状部150を備える。その環状領域はそれ自体、蓋100の外表面102の取り囲み部分に塗られているものと同じであるか、または異なる熱変色塗料層130である。
【0019】
図3に断面正面図で例示されるさらに好ましい実施例において、環状の表示領域150は、メダル125の上表面128上に印刷標識である底層152を有する。底層152は、今度は、熱反応性被覆129で覆われており、それは、第一の温度未満で第一の状態にあって不透明であるが、第一の温度を超えると光学的に透明または少なくとも半透明の第二の状態に変質する。あるいは、環状領域または、これについてはメダルのいかなる部分でも、熱変色塗料またはインクで覆われていて、推移温度を超えると、ある色から別の色に変色するものでもよい。
【0020】
本発明においては、ゴムの裏打ち140は、ある観点においてメダル120と蓋100との間のシールとして作用し、水や汚れが、メダル100と蓋の頂部との間に入り込むことが防止される。より重要なことに、ゴムの裏打ち140は、熱変色蓋100とメダル125を形成するのに用いられる金属と比較すると、熱絶縁体である。そうして、熱変色蓋100が、水、煮出し汁またはクッキングオイル(並びに食材)のような液体が加熱されている平鍋を覆うのに用いられるときに、蓋100の、メダル125を取り囲む部分は、下にある平鍋と物理的に接触するへり110からの伝導によって、加熱されている内容物からの放射や対流によるよりも速く熱くなる。熱反応性コーティング129またはその他の視認できる熱指標よりも低い推移温度を有するように、層130における熱変色塗料を選択して、塗料130で覆われる大半の領域が最初に変色するものとすることが好ましい。
【0021】
そうすると、熱絶縁ゴムの裏打ち140のために、メダル125を取り囲む熱変色塗料130とメダル125上の熱指標との間に温度ラグが生じる。温度ラグによって、熱変色塗料130が変色するときとメダル上の熱指標が状態を変えるときとの間のタイムラグが結果として生じる。このように、同じ蓋の異なる部分に二つの熱指標を備えることによって、少なくとも二つの使用モードが与えられる。第一のモードにおいて、蓋100は、フライパンを覆い、塗料130の変色から、フライパン(または平鍋と先に加えたオイル)が食品を調理し始めるのに適切な温度に達したことをユーザーに表示または警告する。これは、料理人が、過度の煙やオイルの焦げ、並びに内容物を見るために蓋を取ったときの潜在的なオイルの飛び散りを回避するのに役立つ。
【0022】
第二の使用モードにおいて、蓋100は、水、薄いスープまたは同種の液体食材で満たされたスープ鍋を覆うのに用いられる。パスタなどのように、多くの食品を料理するには、一般に、中に入っている液体が実際に沸騰するまでは、スープ鍋を使う、すなわち、具を加える用意ができていないことを理解すべきである。熱表示塗料130で覆われた蓋100の金属部分は、熱い平鍋からの伝導熱で最初に暖まり、そして、水が沸騰し始める前の水蒸気からの熱の対流および放射で暖まる傾向にある。蓋から伝わる伝導熱が、水が沸騰しかかるまで加熱プロセスを支配するので、蓋上の熱変色塗料は、へり110で次第に変色し始め、それから中央の取っ手125に向かって上方に進む。しかしながら、中央メダル上の熱指標は、取り囲む蓋部分102から熱的に絶縁されているので、実際、水が沸騰し始めるまで、外観または色が変わるものではなく、少なくとも30秒の、可能性としては数分にもなるタイムラグが提供される。そうして、料理人は、(取っ手125に向かって徐々に進む変色とともに)蓋100のへり部分110の周りの最初の変色によって、水がほとんど沸騰しているとの警告を受ける。したがって、料理人は、水が実際に沸いたかどうかを見るためにスープ鍋を繰り返して開ける(それによって台所が蒸気で満たされ、また液体が冷やされてしまう傾向にある)必要が無く、中央メダルが状態を変えるまで単に待ってから、鍋を開けてさらに具を加えればよい。
【0023】
蓋100の取り囲み領域は、従来技術の装置と違って、台所のいずれの場所からでもすぐに観察でき、料理人またはユーザーは、臨界の温度に達したこと、および蓋が熱いことを認識するために、料理器具または取っ手の特定の領域を見る必要が無いということを理解するべきである。このように、顧客に対する別の利点は、台所にいる人全てが、蓋が熱いので、火傷を避けるために取っ手を持つべきであると警告を受けることである。
【0024】
料理器具に加えられる熱またはエネルギーが一旦止められるか、または取り除かれると、熱変色蓋100は、やがて冷えて、以前室温であったときに観察された色に戻る。このように、顧客に対する利点は、フライパンやスープ鍋を使う用意ができていることのみならず、調理された食品がまだ温かそうである(蓋がまだ元の色に戻るまで十分冷やされていないとき)ことを、離れていてもすぐに識別できることである。さらには、直ちに観察できるように変色することでまた、料理が完了した後に、料理器具への熱またはエネルギーが残っていることを安全に警告するのに役立つ。そうして、熱変色指標蓋100によって、顧客には、便宜並びに家庭の安全という利点が提供される。
【実施例2】
【0025】
図6は、発明のもう一つの実施例を示しており、熱変色蓋100が、実質的に円形の低部のへり110まで延びていて、料理用平鍋または液体を閉じ込める容器の上部および開放端と結合して密閉する。熱変色蓋100は、好ましくは、通常の形成操作によって金属シートから形成され、内表面101が金属シートの一方の側を表している。上方に延びる取っ手125が、蓋100の中央で外表面102に取り付けられている。蓋には、第一の熱変色指示塗料130の層で覆われた第一の領域が備わっている。取っ手125の下またはそのあたりの第二の領域160は、第二の熱変色塗料、インクまたは指標で覆われている。好ましくは、第一の熱変色塗料を有する領域130が第二の領域160を取り囲んでいて、双方の領域が、調理容器上の蓋の向きと関係なく、料理人またはその他の台所にいる人にすぐに視認できるようになっている。
【0026】
第一および第二の熱変色塗料または指標の少なくとも一方は、他方の塗料または視認できる指標よりも高い温度で外観または色が変わる。そうして、蓋100で覆われる料理器具を加熱すると、蓋の一部が第一の変色を呈し、深鍋が熱くなっているか加熱されていて、使用環境によっては食材を加えるべきであることがユーザーに表示される。そうして、第二の熱変色塗料または指標の選択によっては、平鍋が加熱され続けると、蓋の別の部分が外観を変える。第二の熱変色塗料または指標が変化すると、特定の時間が経過して、加えられた食材が調理されているであろうことや、または平鍋に加えられた水が既に沸騰していて、パスタのような最初の食材を加えることができるようになっていることを表示するのに役立つ。
【0027】
発明は、好ましい実施例と結び付けて記述されているが、発明の範囲を、説明されているような特定の形に制限するという意図がある訳では無く、反対に、添付した特許請求の範囲によって定義される発明の精神および範囲内のものとなるような、変形、修正および等価物を含むという意図がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(a)は本発明による料理器具の蓋が分解されている構成要素の断面正面図であり、(b)は(a)の料理器具の蓋を組み立てている構成要素の断面正面図である。
【図2】第一の温度で第一の状態にある図1の料理器具の蓋の中央部分の平面図である。
【図3】図2の蓋の中央部分の線III‐III’での断面である。
【図4】第二の温度で第二の状態にある図1の料理器具の蓋の中央部分の平面図である。
【図5】図2の蓋の中央部分の線V‐V’での断面である。
【図6】発明の別の実施例による料理器具の蓋を組み立てた構成要素の断面正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
料理器具用の蓋であって、
a)蓋の外表面の第一の領域に配置される第一の熱変色指標と、
b)蓋の外表面の第二の領域に配置される第二の熱変色指標と、
c)蓋で覆われる料理器具を加熱するとき、第一および第二の熱変色指標の少なくとも一方が他方よりも前に熱変色推移温度に到達するように、第一および第二の熱変色指標を分離する熱絶縁体と
を備える料理器具用の蓋。
【請求項2】
第一および第二の熱変色指標が、それぞれ異なる推移温度を有する請求項1に記載の料理器具用の蓋。
【請求項3】
第一および第二の熱変色指標の少なくとも一方が、熱変色推移温度で不透明から透明な状態に変質して、その下にある際立った印が現れるようにする請求項1に記載の料理器具用の蓋。
【請求項4】
際立った印が、印刷標識である請求項3に記載の料理器具用の蓋。
【請求項5】
第一の領域が、第二の領域を取り囲む請求項4に記載の料理器具用の蓋。
【請求項6】
a)ポケットと、
b)前記ポケットに挿入されるメダルと
を備え、熱絶縁体が前記ポケットを裏打ちするゴムのガスケットであり、第二の領域が、前記メダルの外表面上にある請求項1に記載の料理器具用の蓋。
【請求項7】
前記メダルを通って延び、前記ポケットに接続されるコネクタを各端に有し、それによって前記メダルが前記ポケット内に固定される取っ手をさらに備える請求項6に記載の料理器具用の蓋。
【請求項8】
前記第一の熱変色指標が、約150°F〜158°Fの温度で第一の状態から第二の状態に視認できるように推移する請求項1に記載の料理器具用の蓋。
【請求項9】
料理器具用の熱反応蓋であって、
a)中央領域と、
b)前記中央領域を取り囲む第二の領域と
を備え、
c)前記第二の取り囲み領域は、加熱したときの第一の温度で第一の色から第二の色へと変化する熱変色塗料を備える外部コーティングで覆われており、
d)前記中央領域は、第一の温度を超える温度に加熱すると外観が変わる熱変色指標を備える
料理器具用の熱反応蓋。
【請求項10】
前記第二の領域の熱変色指標は、加熱すると変色する請求項9に記載の料理器具用の熱反応蓋。
【請求項11】
中央領域は、加熱すると不透明から透明に推移する熱変色指標によって覆われる印刷標識をさらに備える請求項9に記載の料理器具用の熱反応蓋。
【請求項12】
前記中央領域の上に配置される取っ手をさらに備える請求項9に記載の料理器具用の熱反応蓋。
【請求項13】
料理器具用の蓋であって、
a)第一の推移温度を有し、蓋の外表面の第一の領域上に配置される第一の熱変色指標と、
b)第二の推移温度を有し、蓋の外表面の第二の領域上に配置される第二の熱変色指標と
を備え、
c)蓋で覆われる料理器具を加熱すると、第一および第二の熱変色指標の少なくとも一方が、他方よりも前に第一または第二の推移温度の各々に達して変色することで、他方の熱変色指標の外観が変わるまでの時間遅延が、料理時間の計測に用いられる
料理器具用の蓋。
【請求項14】
第一および第二の熱変色指標を分離する熱絶縁体をさらに備える請求項13に記載の料理器具用の蓋。
【請求項15】
第一および第二の熱変色指標の少なくとも一方が、熱変色推移温度で不透明から透明な状態に変質して、その下にある際立った印が現れるようにする請求項13に記載の料理器具用の蓋。
【請求項16】
第一および第二の熱変色指標の少なくとも一方が、印刷標識という形の際立った印である請求項15に記載の料理器具用の蓋。
【請求項17】
第一の領域が、第二の領域を取り囲む請求項13に記載の料理器具用の蓋。
【請求項18】
蓋がさらにポケットを備え、前記熱絶縁体が前記ポケットを裏打ちするゴムのガスケットであり、第一および第二の熱指標の少なくとも一方が、ゴムのガスケットと熱伝導するように配置される請求項14に記載の料理器具用の蓋。
【請求項19】
前記ポケットにおいてゴムのガスケットを固定する取っ手をさらに備える請求項18に記載の料理器具用の蓋。
【請求項20】
前記第一の熱変色指標が、約150°F〜158°Fの温度で第一の状態から第二の状態に視認できるように推移する請求項13に記載の料理器具用の蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−90071(P2007−90071A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259623(P2006−259623)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(304052134)マイヤー インテレクチュアル プロパティーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】