説明

新規な方法およびシステム

本発明は、薬品注入室を有する少なくとも1つの体積測定薬品注入ユニットを包含する包装機で薬剤製品を注入する方法に関する。本方法は、第1成分の体積を測定する工程と、第1成分を重量測定する工程と、第1成分をパッケージに導入する工程と、第2成分の体積を測定する工程と、第2成分をパッケージに導入する工程と、成分を導入しているパッケージを重量測定する工程とを包含する。本発明は、さらに、薬品注入室を有する少なくとも1つの体積測定薬品注入ユニットを包含する包装機で薬剤製品を注入するシステムに関する。このシステムは、成分の体積を測定する少なくとも1つの体積測定薬品注入ユニットを包含する。このシステムは、さらに、前記成分をパッケージに導入する手段と、成分およびパッケージを重量測定する手段とを包含する。重量測定する手段が、パッケージおよび成分を重量測定する第1の重量測定ユニットと、第1成分の体積を測定した後で第1成分をパッケージに導入する前に第1成分を重量測定する第2重量測定ユニットとを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1、第2の摺動可能な部分を備えた薬品注入室を有する少なくとも1つの体積測定薬品注入ユニットを包含する包装機に薬剤製品を注入する新しい方法に関する。薬剤製品は、少なくとも第1、第2の成分からなり、これらの成分は、普通、それぞれ、医薬ペレットの一部および粉末の一部である。
【0002】
本発明は、さらに、第1、第2の摺動可能な部分を備えた薬品注入室を有する少なくとも1つの体積測定薬品注入ユニットを包含する包装機に薬剤製品を注入するシステムに関する。薬剤製品は、少なくとも第1、第2の成分からなる。このシステムは、成分の体積を計量するための注入ユニットを包含する。システムは、さらに、前記成分をパッケージに導入する手段と、成分およびパッケージの重さを計る手段とを包含する。
【背景技術】
【0003】
医薬業界においては、医薬混合物の計量注入量の精度が重要である。医薬混合物としては、所与の注入量が高過ぎる場合には有害である活性薬剤成分を含有することが多い。一方、注入量が低過ぎる場合には薬剤の所望効果が達成されないことになる。
【0004】
粉末、顆粒、ペレットのような医薬バルク製品の大部分は、プロセス速度およびコスト効果のために体積測定に基づいて薬品注入される。注入分を梱包する前に各注入分の体積を個別に計量することによって正しい注入分を保証する精密な方法が達成される。
【0005】
体積測定薬品注入は、注入されるべき成分の重量送りまたは強制送りによって実施され得るが、その場合、たとえば、1つまたはそれ以上のスクレーパ、回転オーガまたは遠心力を利用する回転手段を用いて所定体積を有する薬品注入室に薬剤を供給する。正しい注入量を得るために、体積測定薬品注入室は、それぞれ、薬品注入室の充填、取り出しのサイクル中にそれを開閉するスライドを備える。
【0006】
いくつかの薬剤製造分野では、100%検査重量測定は普通の技術であるが、その場合、充填済みパッケージを検査重量測定し、そこから空パッケージの平均重量(風袋重量)を減算して充填重量を算出する(「風袋−総重量−重量測定」)。たとえばカプセルに薬剤を充填するときに、薬剤注入分の間接的な計量を行うこの方法が使用されることが多い。カプセルを空のときに重量測定し、次いで薬剤を充填し、中味と共にカプセルを再び重量測定する。1回目の測定結果を2回目の測定結果から減算することによって薬剤の重量を間接的に示すことになる。
【0007】
この間接計量方法は、サシェのような他のパッケージにも適用できる。その場合、サシェを空のときに重量測定し、次いで薬剤を充填し、中味と共にサシェを再び重量測定する。これら2つ分の測定値を減算して薬剤の重量を間接的に得ることができる。
【0008】
風袋重量の変化が目標充填重量以上のときには、単一の受け器の風袋重量を個別に求めて単一充填重量を算出しなければならない。さらに、受け器の風袋重量が注入分の充填重量の倍数である場合には、風袋−総重量−重量測定法はもはや適用できない。その場合、受け器の比較的高い予荷重のため、注入分を計量するのに適した感度および分解能を備えた重量測定セルを使用することはできない。さらに、この間接重量測定法は、活性成分の重量がパッケージの重量よりかなり小さいときにはあまり正確ではない。一回分の投与量の活性成分の量はわずか1mgの重さかも知れないし、それと混合されるべき賦形剤がはるかに重いかも知れず、或る場合には、千倍以上、1グラムまたはそれ以上になる可能性がある。
【0009】
しかしながら、間接重量測定方法は、個別の包装が、たとえば、含水率、表面重量及びサイズの変動により重量に変化があるかも知れないので、高い精度を必要とする場合には不十分である。
【0010】
通常、薬剤は、不活性成分と混ぜ合わせるべき1つまたはそれ以上の活性成分を含有する。場合によっては、混合物を充填前に別々の注入分として成分を混合するということは、取り扱い中に混合物の分離が生じるという問題により代替案とはならない。これは、たとえば流動性、密度および/または粒度の特性が異なっている成分を混合する場合に言えるかもしれない。このような場合、別々の注入分として充填する前により大きい体積分を混合することの結果として、各注入分の活性成分量に信頼性がなくなるかも知れない。この問題を解決するには、どの成分も別々に体積測定に基づいて薬品注入する方法がある。
【0011】
上述の問題点にもかかわらず、体積測定薬品注入は広く使用されている。よく調査した製剤を用い、異なった要望を釣り合わせることによって、上述の問題を処理することができる。小児科製剤の場合、精度に関する問題点がいっそう強調される。これらの製剤では、活性物質薬剤は少なくてもよいが、患者からの注入量精度要求ならびに立法上の観点は他の患者群と同じ程度に高い。
【0012】
注入量(注入量は通常或る特定の体積を量ることによって求められる)とは対照的に、薬局方必要条件は質量、質量均一性および含量均一性(質量の%)を指示している。
【0013】
体積測定薬品注入システムを使用する場合、注入された部分の質量および質量の均一性は、製品リザーバの注入量制限および均一性の精度に依存する。
【0014】
粒子またはペレットの体積測定薬品注入の場合、たとえ計量体積が同じであっても、たとえば、密度、形状、流度の変化が注入分の重量の偏りの原因となるかも知れないことをもっと考慮しなければならない。
【0015】
さらに、計量しようとしている注入分が粒子またはペレットの寸法に比べて減少した場合、個々の粒子またはペレットの影響が増加する。通常の薬品注入範囲は、1000〜10000個の粒子またはペレットである。500未満の粒子またはペレットを有する製剤においては、経験上、一回分投薬含量の精度(目標重量の精度)および含量均一性(高い相対的な標準偏差)の精度の不確定性を生じることになることがわかっている。
【0016】
したがって、このような場合、統計IPCによって、または、100%検査重量測定によって、薬品注入プロセス(すなわち、一回毎重量および投与量均一性)をさらに制御するのが適切である。重量測定結果は、薬品注入システムを調節し、不合格率を最小限に抑えるのに用いる。
【0017】
間接重量測定が精度不充分となる例は、1グラムないし数グラムの風袋重量を有するサシェに5mg〜500mgの範囲で少量のペレットを充填しなければならない場合である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、第1の態様では、上述の欠点を克服している、薬剤製品を注入する方法および装置を提供することにある。上述の問題を解決するために、充填しようとしている製品は検査重量測定後にパッケージに送られる。システムは、適切な速度で体積測定に基づいて注入された製品を検査重量測定するもので、充填機または包装機械に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は薬剤製品を注入する方法に関する。この方法は、薬品注入室を有する少なくとも1つの体積測定薬品注入ユニットを包含する包装機で用いられる。薬剤製品は、少なくとも第1、第2の成分からなる。この方法では、第1成分の体積を計量すると共に第1成分の計量体積分を重量測定する。したがって、限られた注入分の第1成分、たとえば、ペレットは、オンラインで検査重量測定される。さらに、本方法は、第1成分の体積測定され、検査重量測定された体積分をパッケージに導入する工程と、第2成分の体積を計量する工程と、第2成分の計量された体積分をパッケージに導入する工程と、成分を導入しているパッケージを重量測定する工程とを包含する。
【0020】
第1成分の測定された体積分を重量測定することによって、各注入分についての第1成分の量が非常に高い精度で確保される。したがって、本発明による利点の1つは、重量測定された成分の量の精度をモニタし、その結果を用いて薬剤製品の品質を確保できるということにある。
【0021】
或る実施形態においては、薬品注入室は、第1、第2の摺動可能な部分を備えている。
【0022】
別の実施形態においては、本方法は、第1、第2の成分を導入した後、パッケージを重量測定する前にパッケージをシールする工程を包含する。パッケージをその内容物と一緒に重量測定する前に行われるシール手順により、重量測定されるべき量が任意のさらなる処理によって影響されないこと、または、パッケージの内容物、したがって、重量が重量測定前の環境ファクタ(たとえば、機械的な取り扱いまたは湿気)によって影響されないことを保証できる。
【0023】
さらに別の実施形態においては、本方法は、第2成分の体積を計量した後、パッケージ内に第2成分を導入する前に第2成分の重量測定を行う工程を包含する。これの利点は、直接重量測定の精度を使用し、パッケージ材料の重量が第2成分の重量測定を妨げないということである。
【0024】
さらに別の実施形態においては、薬剤製品が2つを超える成分を包含する場合、本方法は、少なくとも2つの成分の体積を計量した後、パッケージ内にこれらの成分を導入する前に前記少なくとも2つの成分を重量測定する工程を包含する。これの利点は、直接重量測定の精度が使用され、パッケージ材料の重量がパッケージ充填前に重量測定される成分のいずれの重量測定も妨げることがないということにある。
【0025】
また別の実施形態では、本方法は、医薬成分の体積計量についてのフィードバック・ループ調節における重量測定手順からの結果のうち少なくとも1つの結果を使用する工程を包含する。フィードバック・ループを用いることによって、体積測定薬品注入室に定められる体積を調節して、薬品注入室に充填された成分の重量が確実に目標重量に等しくなるのを確実にする。したがって、患者が高過ぎる(または低すぎる)注入分を与えられるというリスクが最小限に抑えられる。
【0026】
さらに別の実施形態においては、本方法は、前記包装機の作動中に医薬成分の体積を測定することについての間欠的フィードバック・ループ調節を包含する。フィードバック・ループの間欠的な使用によって、調節毎にプロセスを安定させることができ、製造プロセスを安定化させやすくなる。
【0027】
さらに別の実施形態においては、本方法は、前記包装機の作動中に医薬成分の体積を測定することについての連続的フィードバック・ループ調節を包含する。連続的フィードバック・ループを用いると、調節が急速発生事象および急速発生傾向に反応することになり、そんな場合でもプロセスを急速に調節して目標重量に合わせることができる。注入量差から外れた投与量を原因として廃棄しなければならない製品の量はこの手順によって最小限に抑えられる。
【0028】
さらに別の実施形態においては、本方法は、第1医薬成分の重量が第2医薬成分の重量よりもかなり少ない場合に実施される。本発明を使用するとき、第1成分の重量を正確に測定することが可能となる。
【0029】
さらに別の実施形態においては、第1、第2の医薬成分の重量比は1:10を超える。
さらに別の実施形態においては、第1、第2の医薬成分の重量比は1:100を超える。
さらに別の実施形態においては、第1医薬成分の体積は、第2医薬成分の体積よりかなり小さい。
さらに別の実施形態においては、第1、第2の医薬成分の体積比は1:10を超える。
さらに別の実施形態においては、第1、第2の医薬成分の体積比は1:100を超える。
【0030】
さらに別の実施形態においては、薬剤製品はサシェに導入される。サシェの場合、特性(すなわち、重量)の変動はサシェ毎にかなり大きい可能性がある。本方法を用いることによって、このような変動の影響を最小限に抑えられる。
さらに別の実施形態においては、前記サシェはアルミニウム箔で作ってある。
さらに別の実施形態においては、薬剤製品はブリスター・パッケージに導入される。
さらに別の実施形態においては、薬剤製品はカプセルに導入される。カプセルの場合、特性(すなわち、重量)の変動はカプセル毎に変わる可能性がある。本方法を使用することにより、前記変動の影響は最小限に抑えられる。
さらに別の実施形態においては、前記成分のうち少なくとも1つの成分はペレットである。
さらに別の実施形態においては、前記成分のうち少なくとも1つの成分は粉末である。
さらに別の実施形態においては、前記成分のうち少なくとも1つの成分は顆粒である。
【0031】
本発明は、さらに、第1、第2の摺動可能な部分を備えた薬品注入室を有する少なくとも1つの体積測定薬品注入ユニットを包含する包装機において薬剤製品を注入するシステムに関する。薬剤製品は少なくとも第1、第2の成分からなる。本薬品注入システムは、第1成分の体積を計量するための第1注入ユニットと、第2成分の体積を計量するための第2注入ユニットとを包含する。さらに、本システムは、成分をパッケージに導入する手段と、パッケージおよび成分を重量測定する手段とを包含する。この手段は、パッケージおよび成分を重量測定する第1重量測定ユニットと、第1成分の体積を測定した後、第1成分をパッケージに導入する前に第1成分を重量測定する第2重量測定ユニットとを包含する。
【0032】
別の実施形態においては、本システムは、前記パッケージをシールする手段を包含する。
さらに別の実施形態においては、本システムは、第2成分の体積を測定した後、第2成分をパッケージに導入する前に第2成分を重量測定する第3の重量測定ユニットを包含する。
さらに別の実施形態においては、本システムは、成分の体積測定のフィードバック・ループ調節を行う手段を包含する。フィードバック・ループ調節を行う手段は、重量測定手
順からの結果のうち少なくとも1つの結果を使用する。
さらに別の実施形態においては、フィードバック・ループ調節を行う手段は、前記包装機の作動中に医薬成分の体積測定の間欠調節を行うように配置してある。
さらに別の実施形態においては、フィードバック・ループ調節を行う手段は、前記包装機の作動中に医薬成分の体積測定の連続調節を行うように配置してある。
【0033】
本発明は、さらに、少なくとも第1、第2の成分を含む薬剤製品を収容し、前記成分が請求項1〜22のいずれか1つに記載の方法によって薬剤注入されるパッケージに関する。
本発明は、またさらに、少なくとも第1、第2の成分を含む薬剤製品を含有するパッケージを製造する方法であって、請求項1〜22のうちいずれか1つに記載の薬剤注入方法を包含する方法に関する。
【0034】
図1は、本発明による体積測定薬品注入システムの一部を示している。注入されるべき薬剤製品は、少なくとも第1、第2の成分を含む。本システムは、第1の摺動可能な部分、すなわち、供給スライド10と第2の摺動可能な部分、すなわち、放出スライド12とによって限定される調節可能な薬品注入室11を含む第1薬品注入ユニットを包含する。薬品注入ユニットは、調節可能な室壁16と放出スライド12に取り付けた室壁17(図6a、6b参照)とを包含する。薬品注入ユニットは、図ではペレットとして示してある第1成分の体積を測定するのに使用される。
【0035】
本システムは、成分をパッケージに導入した後に成分と共にパッケージを重量測定する第1重量測定ユニットを包含する。したがって、最終パッケージが検査重量測定されて全充填重量を制御する。本システムは、さらに、体積を測定した後に第1成分を重量測定する第2重量測定ユニットを包含する。一次パッケージ受け器に給送する前に第2重量測定ユニットによって第1成分の一回注入分毎に検査重量測定が行われる。
【0036】
本システムにおいては、図ではペレットとして示す第1成分の注入分は、供給チューブ7を備え、閉鎖弁15、レベル・センサ8および中間ペレット・ホッパを有するペレット供給ユニットからなる体積測定薬品注入システムと上記薬品注入ユニットとによって制限される。
【0037】
本発明と共に使用される薬剤配合物は、酸感応性プロトンポンプ阻害剤もしくはそのアルカリ塩または活性成分としての単一の鏡像異性体もしくは鏡像異性体のアルカリ塩を含み得る。本発明に従って使用される薬剤配合物のためには単一の鏡像異性体、ラセミ混合物(各鏡像異性体50%)および2つの鏡像異性体の不等混合物が適している。
活性成分は、オプションとして、賦形剤と共に、小さな腸溶性ペレット/ビードとして構成する。
【0038】
当該薬剤配合物のための関心ある化合物/活性成分としては、一般式Iの化合物、そのアルカリ塩、その単一の鏡像異性体のうちの1つ、または、その鏡像異性体のうちの1つの鏡像異性体のアルカリ塩がある。
【化1】

ここで、Het1は、
【化2】

であり、Het2は、
【化3】

であり、X=
【化4】

ここで、ベンゾイミダゾール部分のNは、R6〜R9によって置換された環炭素原子のうちの1つが、場合により、いかなる置換基もない窒素原子と交換することができることを意味しており、
【0039】
1、R2およびR3は同一または異なり、場合によりフッ素、アルキルチオ、アルコキシアルコキシ(alkoxyalkoxy)、ジアルキルアミノ、ピペリディノ、モルホリノ、ハロゲン、フェニルおよびフェニルアルコキシによって置換された水素、アルキル、アルコキシから選択され、
【0040】
4およびR5は同一または異なり、水素、アルキルおよびアリールアルキルから選択され、
は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、アルキルまたはアルコキシであり、
【0041】
6〜R9は同一または異なり、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロ−アルコキシ(halo-alkoxy)、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、オキサゾリニル、ピロリルおよびトリフルオロアルキルから選択され、または、隣接した基R6〜R9は、さらに置換され得る環構造を形成しており、
【0042】
10は、水素であるか、または、R3と共にアルキレン鎖を形成し、
11およびR12は同一または異なり、水素、ハロゲンおよびアルキルから選択される。
【0043】
上記の定義において、アルキル基、アルコキシ基およびそれらの部分は、分岐鎖状した、または、直鎖状C1−C9鎖であるか、または、環状アルキル基(たとえば、シクロアルキルアルキル)を含み得る。
【0044】
一般式Iによる特に関心のある化合物の例としては以下がある。
【化5】

【0045】
【化6】

それらの互変異性体形態も含む。
【0046】
本発明で使用される医薬製剤についての好ましい化合物としては、オメプラゾール、オメプラゾールのマグネシウム塩またはオメプラゾールの(−)−鏡像異性体のマグネシウム塩がある。後者は一般名エソメプラゾール(esomeprazole)を有する。活性成分は、たとえば、エソメプラゾール・マグネシウム三水和物またはテナトプラゾール(tenatoprazole)もしくはその薬学的に許容できる塩または活性薬剤であるこれらのうちのいずれかの単一の鏡像異性体であってもよい。
【0047】
別の例として、化合物/活性成分は、前述の化合物/活性成分のうちのいずれかの水和形態であってもよい。
製剤での活性成分の量は、1mg〜100mg、2mg〜80mgまたは5mg〜50mgの範囲である。
【0048】
第2成分の体積を測定するために第2薬剤注入ユニットが設けてある。さらに、パッケージ受け器に成分を導入する手段が設けてある。
図示のシステムは、ペレットおよび少なくとも1つの追加成分(すなわち粉末の形をした受容体)をサシェに充填するための包装機と共に用いられるようになっている。図示システムによれば、一次包装受け器の風袋重量とは無関係に正味充填重量を100%測定することができ、そのために、供給、放出スライド10、12を有する最適化した調節可能な薬品注入室11を使用する。本システムは、直接重量測定質量決定(たとえば、重量測定セル)を使用する。本システムは、なんらかの機械振動または乱気流による影響から保護されている。
【0049】
本システムは、医薬業界にとって適切な製造速度で運転され得る。充填重量は、適切な精度を持って10mg未満まで測定される。図に示すシステムは、システムを通してペレットを搬送するのに重力を使用する。体積測定薬剤注入システムへのフィードバックによって、システムは薬剤注入体積を調節することができる。欠陥のあるパッケージは識別され、拒絶される。
【0050】
図1に示すように、薬剤注入サイクルが開始されたとき、第1の摺動可能な部分を摺動させることによって薬品注入室11の上部が開放され、供給スライド10がその開放位置へ移動する。供給スライド10の開口を通して重力によって第1の成分、すなわち、ペレットが薬品注入室11に導入される。第1成分は、重力または強制力によって薬品注入室11に送り込んでもよい。図では、重力送りが示してある。測定注入量は、調節可能な室壁(16)の位置に依存する。
【0051】
図2、3に示すように、注入量の制限は、薬品注入室11を閉じることになる供給スライド10の運動によって行われる。同時に、放出スライド12が矢印方向に動かされて薬品注入室11を開き、移送チューブ1に接続する第1の放出チューブ13に注入分を放出する。このペレット注入システムの機能は、供給スライド10、放出スライド12および移動室壁17が互いに固定してあり、1つの駆動源だけで動かされ得るという利点によって特徴づけられる。
【0052】
図4において、放出スライド12は反対方向に動かされ、第2放出チューブ14に注入分が放出される。
ペレット供給は閉鎖弁15によって中断され、たとえば、薬品注入ユニットを空のまま動かし、ペレットの損失なしに分離することができる。システムの中断閉鎖状態が図5に示してある。
【0053】
図6a、6bは、薬品注入ユニットの側面図である。図6aにおいて、薬品注入室11は、ペレット・ホッパ9を経て充填されて、その後供給スライド10によって閉ざされている。薬品注入室11の体積は、矢印方向に移動できる調節可能な壁16の位置で決まる。
【0054】
図6bにおいて、放出スライド12は、放出チューブ13、14のうちの1つに整合した状態に動かされており、薬品注入室11を空にしている。
【0055】
図7に示すように、ペレットの測定注入分は、移送チューブ1を通して重量測定受け器3に移送される。ペレット部分の供給状態中、重量測定受け器3は持上げ装置2によって固定される。重量測定受け器3の円錐形の放出開口は、ペレットがそこに移送されたとき、ばね力3aによって閉ざされる。
【0056】
図8に示すように、体積測定済みのペレット部分を受け取ったとき、重量測定受け器3は、ロード・セル4にまで下降し、このとき、持上げ装置2との接触から外れる。この位置において、収容されたペレットの重量(=質量)が、充填前に非常に正確に測定された重量測定受け器3の風袋重量を減算することによって決まる。
【0057】
続く工程が図9に示してある。この工程で、重量測定受け器3が持上げ装置2によって持ち上げられてばね3を収縮させ、最終的には、放出円錐体5の軸が後退止め3bと接触させられる。これによって、放出円錐体5が下方に押されて重量測定受け器3を開き、ペレット部分を放出する。ペレットは、重力によって移送じょうご6に移送される。そして、この移送じょうご6はペレットを一次パッケージとしてのサシェに送り込むことになる。
【0058】
検査重量測定サイクルは、重量測定受け器3を供給位置まで下降させることによって終了する。それによって、重量測定受け器3は再び閉ざされる。
機械出力を向上させるために、ペレットは、並列の2つの重量測定セルによって交互に検査重量測定される。これらの重量測定セルは薬品注入室11から供給を受け、同じサシェ位置にペレットを放出することになる。
【0059】
重量測定セルは、製品および包装機によって引き起こされる乱気流を避けるために特殊なカバーによって保護されている。
誤った充填重量を有するサシェはプロセスの途中で拒絶される。
薬品注入室11は、自動的に平均充填重量に基づくフィードバック・ループによって再調整される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明による薬剤注入システムを示している。
【図2】本発明による薬剤注入システムを示している。
【図3】本発明による薬剤注入システムを示している。
【図4】本発明による薬剤注入システムを示している。
【図5】本発明による薬剤注入システムを示している。
【図6】本発明による薬剤注入システムを示している。
【図7】本発明による薬剤注入システムを示している。
【図8】本発明による薬剤注入システムを示している。
【図9】本発明による薬剤注入システムを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬品注入室を有する少なくとも1つの体積測定薬品注入ユニットを包含する包装機で薬剤製品を注入する方法であって、該薬剤製品が少なくとも第1、第2の成分を含み、これらの成分のうち少なくとも一方が活性成分を包含しており、第1成分の体積を測定する工程と、第1成分をパッケージに導入する工程と、第2成分の体積を測定する工程と、第2成分をパッケージに導入する工程と、パッケージおよび成分の重量を測定する工程とを包含する方法において、第1成分の体積測定後でパッケージに第1成分を導入する前に第1成分の重量を測定する工程を包含することを特徴とする上記方法。
【請求項2】
薬品注入室が第1、第2の摺動可能な部分を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2成分の体積を測定した後でパッケージ内に第2成分を導入する前に第2成分の重量測定を行う工程を包含する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1、第2の成分を導入した後でパッケージを重量測定する前にパッケージをシールする工程を包含する、請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
薬剤製品が2つを超える成分を含み、該成分の少なくとも2つの体積を測定した後で、パッケージにこれらの成分を導入する前に該成分の少なくとも2つを重量測定する工程を包含する、請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
医薬成分の体積測定についてのフィードバック・ループ調節における重量測定手順からの結果のうち少なくとも1つの結果を使用する工程を包含する、請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
包装機の作動中に医薬成分の体積を測定することについての間欠的フィードバック・ループ調節を包含する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
包装機の作動中に医薬成分の体積を測定することについての連続的フィードバック・ループ調節を包含する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1医薬成分の重量が第2医薬成分の重量よりかなり小さい、請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
第1、第2の医薬成分の重量比が1:10を超える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1、第2の医薬成分の重量比が1:100を超える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第1医薬成分の体積が第2医薬成分の体積よりかなり小さい、請求項1〜11のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
第1、第2の医薬成分の体積比が1:10を超える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1、第2の医薬成分の体積比が1:100を超える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
薬剤製品がサシェに導入される、請求項1〜14のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
サシェがアルミニウム箔で作ってある、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
薬剤製品がブリスター・パッケージに導入される、請求項1〜14のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
薬剤製品がカプセルに導入される、請求項1〜14のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
成分のうち少なくとも1つの成分がペレットである、請求項1〜18のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
成分のうち少なくとも1つの成分が粉末である、請求項1〜18のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
成分のうち少なくとも1つの成分が顆粒である、請求項1〜20のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
少なくとも第1、第2の成分を含む薬剤製品を注入するシステムであって、薬品注入室を有し、成分の体積を測定するのに使用される少なくとも1つの体積測定薬品注入ユニットと、該成分をパッケージに導入する手段と、成分およびパッケージを重量測定する手段とを包含し、この重量測定する手段が、パッケージを成分と共に重量測定する第1の重量測定ユニットを包含するシステムにおいて、重量測定する該手段が、さらに、第1成分の体積を測定した後で第1成分をパッケージに導入する前に第1成分を重量測定する第2重量測定ユニットを包含することを特徴とする上記システム。
【請求項23】
薬品注入室が第1、第2の摺動可能な部分を備えている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
第1の体積測定薬品注入ユニットおよび第2の体積測定薬品注入ユニットを包含し、これらの第1、第2の薬品注入ユニットが、第1成分、第2成分それぞれの体積を測定するのに使用される、請求項22または23に記載のシステム。
【請求項25】
重量測定を行う手段が第2成分の体積を測定した後、第2成分をパッケージに導入する前に第2成分を重量測定する第3の重量測定ユニットを包含する、請求項22〜24のうちいずれか1つに記載のシステム。
【請求項26】
パッケージをシールする手段を包含する、請求項22〜25のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項27】
成分の体積測定についてのフィードバック・ループ調節を行う手段を包含し、この手段が、重量測定手順からの結果の少なくとも1つを用いる、請求項22〜26のうちいずれか1つに記載のシステム。
【請求項28】
フィードバック・ループ調節を行う手段が、包装機の作動中に医薬成分の体積測定の間欠調節を行うように配置してある、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
フィードバック・ループ調節を行う手段が、包装機の作動中に医薬成分の体積測定の連続調節を行うように配置してある、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
少なくとも第1、第2の成分を含む薬剤製品を収容するパッケージであって、該成分が請求項1〜21のいずれか1つに記載の方法によって注入されるパッケージ。
【請求項31】
少なくとも第1、第2の成分を含む薬剤製品を収容するパッケージを製造する方法であって、請求項1〜21のうちいずれか1つに記載の注入方法を包含する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−523533(P2009−523533A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551223(P2008−551223)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000051
【国際公開番号】WO2007/084060
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】