説明

新規アセチレン系化合物及びその利用

【課題】気体透過膜の単量体として有用な、新規のアセチレン系化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)


(lは1又は2であり、mは0、1又は2であり、nは0又は1であり、R、R、R、R、R及びRは、それぞれメチル基又は水素原子であって、nが1のとき、R、R、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、nが0のとき、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3の有機基であって、上記有機基はハロゲン原子及び珪素原子のうち1つ以上の原子を含んでよい)で示される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体透過膜を合成するための単量体として有用な、新規アセチレン系化合物、当該アセチレン系化合物を重合してなる重合体、及び気体透過膜を合成するためのキットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、気体透過膜を用いた気体の分離技術が注目を集めている。気体透過膜による気体の分離は、吸着分離及び吸収分離等の他の分離方法と比較して、省エネルギーであり、小型軽量かつメンテナンスフリーの装置で実施可能であるという利点を有している。そのため、気体透過膜は、換気機器、除湿機、分煙機等への利用が期待されている。
【0003】
特に近年、健康への関心が高まるに伴い、建築物、自動車等において、煙草の煙を高精度に分煙する機器が要求されている。また、シックハウス症候群対策として喚起機器の需要が高まっている。エアコンでは高付加価値機器が要求されており、例えば、換気機能、酸素供給機能に優れたエアコンの開発が進められている。
【0004】
このような背景から、気体透過膜の有用性は、建築産業、自動車産業、家電産業等の様々な産業で期待されている。
【0005】
従来、気体透過膜の材料として、ポリ(1‐トリメチルシリル-1‐プロピレン)(PTMSP)(特許文献1)、ポリ[1‐フェニル‐2‐(p‐トリメチルシリルフェニル)アセチレン](PTMSDPA)が用いられてきた(非特許文献1)。また、ヒドラジドイミド系共重合体も、気体透過膜の材料として提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開昭60−212414号公報(1985年10月24日公開)
【特許文献2】特開2003−38942号公報(2003年2月12日公開)
【非特許文献1】Kenji Tsuchihara, Toshio Masuda, and Toshinobu Higashimura, Polymerization of silicon-Containing Diphenylacetylenes and High Gas Permeability of the Product Polymers, Macromolecules, 1992, 25, 5816-5820.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、気体透過膜の有用性は、様々な産業において期待されている。
【0007】
このような事情に鑑みると、従来公知の気体透過膜のみで十分ということはなく、新たな気体透過膜の開発が強く要求されている。
【0008】
そこで、本発明の目的は、新規の気体透過膜の単量体として有用な化合物、これを利用した重合体及びキットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行なった。その結果、新規の気体透過膜を得ることが可能な新規のアセチレン系化合物を見出し、本願発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明に係る化合物は、上記課題を解決するために、下記一般式(1)
【0011】
【化1】

【0012】
(lは1又は2であり、mは0、1又は2であり、nは0又は1であり、R、R、R、R、R及びRは、それぞれメチル基又は水素原子であって、nが1のとき、R、R、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、nが0のとき、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3の有機基であって、上記有機基はハロゲン原子及び珪素原子のうち1つ以上の原子を含んでよい)で示される化合物、ただし、下記構造式(2)
【0013】
【化2】

【0014】
で示される化合物を除くことを特徴としている。
【0015】
また、本発明に係る化合物は、下記一般式(3)又は(4)
【0016】
【化3】

【0017】
(oは1又は2であり、pは0、1又は2であり、qは0又は1であり、R、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれメチル基又は水素原子であって、qが1のとき、R、R10、R11及びR12のうち少なくとも1つがメチル基であり、nが0のとき、R及びR10のうち少なくとも1つがメチル基である)
【0018】
【化4】

【0019】
(R15及びR16は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ブチル基又はトリメチルシリル基であって、R15及びR16のうち少なくとも一方がハロゲン原子、ブチル基又はトリメチルシリル基)で示される化合物であってもよい。
【0020】
また、本発明に係る化合物は、下記構造式(5)〜(13)
【0021】
【化5】

【0022】
【化6】

【0023】
【化7】

【0024】
【化8】

【0025】
【化9】

【0026】
【化10】

【0027】
【化11】

【0028】
【化12】

【0029】
【化13】

【0030】
のうちいずれか一つの構造式で示される化合物であってもよい。
【0031】
さらに、本発明に係る重合体は、上記の本発明に係る化合物を重合してなるものであることを特徴としている。
【0032】
さらに、本発明に係る気体透過膜は、上記の本発明に係る重合体を含んでなるものであることを特徴としている。
【0033】
さらに、本発明に係る気体透過膜を合成するためのキットは、上記一般式(1)で示される化合物を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る化合物は、以上のように、上記一般式(1)で示される化合物、ただし、上記構造式(2)で示される化合物を除くものであるので、新規の気体透過膜の単量体として有用な化合物を提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
<1.本発明に係る化合物>
〔本発明に係る化合物の構造〕
本発明に係る化合物は、上記一般式(1)で示される化合物、ただし、上記構造式(2)で示される化合物を除く化合物である。本発明に係る化合物を用いれば、新たな気体透過膜を得ることができる。
【0036】
本発明に係る化合物は、上記一般式(1)で示される化合物であり、上記構造式(2)で示される化合物を除く化合物であれば限定されないが、例えば、下記一般式(14)又は(15)
【0037】
【化14】

【0038】
(l’は1又は2であり、m’は0、1又は2であり、n’は0又は1であり、R17、R18、R19、R20、R21及びR22は、それぞれメチル基又は水素原子であって、n’が1のとき、R17、R18、R19及びR20のうち少なくとも1つがメチル基であり、n’が0のとき、R17及びR18のうち少なくとも1つがメチル基であり、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3の有機基であって、上記有機基はハロゲン原子及び珪素原子のうち1つ以上の原子を含んでよい)
【0039】
【化15】

【0040】
(l”は1又は2であり、m”は0、1又は2であり、n”は0又は1であり、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は、それぞれメチル基又は水素原子であって、n”が1のとき、R25、R26、R27及びR28のうち少なくとも1つがメチル基であり、n”が0のとき、R25及びR26のうち少なくとも1つがメチル基であり、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3の有機基であって、上記有機基はハロゲン原子及び珪素原子のうち1つ以上の原子を含んでよい)で示される化合物であり、上記構造式(2)で示される化合物を除く化合物を例示できる。
【0041】
上記一般式(14)及び(15)で示される化合物であり、上記構造式(2)で示される化合物を除く化合物の中では、上記一般式(14)で示される化合物であり、上記構造式(2)で示される化合物を除く化合物が、より気体透過性及び熱安定性に優れた気体透過膜を得ることができることからより好ましい。上記一般式(14)で示される化合物であり、上記構造式(2)で示される化合物を除く化合物としては特に限定されないが、例えば、上記一般式(3)又は(4)で示される化合物が挙げられる。
【0042】
上記一般式(3)で示される化合物としては、特に限定されないが、上記構造式(5)〜(7)及び(16)
【0043】
【化16】

【0044】
で示される化合物を例示できる。これらの化合物を重合すれば、気体透過性及び熱安定性にさらに優れた気体透過膜を得ることができる。
【0045】
また、上記一般式(4)で示される化合物としては、特に限定されないが、上記構造式(8)〜(13)で示される化合物を例示できる。これらの化合物を重合すれば、気体透過性に優れた気体透過膜を得ることができる。
【0046】
ここに例示した化合物の中でも、構造式(5)〜(7)で示される化合物が、気体透過膜を製造するための単量体として特に好ましい。構造式(5)〜(7)で示される化合物から得られる気体透過膜は、気体透過性及び熱安定性に優れている。例えば、特許文献1に開示されているPTMSPから得られる気体透過膜は気体透過性に優れているが、質量減少開始温度が約300℃であり熱安定性に乏しかった。一方で、PTMSDPAは分子量が100万と大きく熱安定性に優れていたが、酸素透過性が1500バーラーであり、PTMSPの酸素透過性10000バーラーに比べると低かった。なお「バーラー」とは気体透過係数の単位であり、1バーラーは1×10−10cm(STP)cm/(cmscmHg)である。このように、従来、気体透過性に優れ、かつ熱安定性の高い気体透過膜は存在しなかった。しかし、本発明者らは、構造式(5)〜(7)で示される化合物から得られる気体透過膜は、後述の実施例で示すように、酸素透過性が高く、かつ熱安定性に優れているという、これまで全く報告の無かった新たな知見を見出したのである。
【0047】
〔本発明に係る化合物の合成方法〕
上記一般式(1)で示される化合物を製造する方法としては特に限定されるものではない。例えば、フェニルアセチレン又はその誘導体に、下記一般式(17)
【0048】
【化17】

【0049】
(lは1又は2であり、mは0、1又は2であり、nは0又は1であり、R、R、R、R、R及びRは、それぞれメチル基又は水素原子であって、nが1のとき、R、R、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、nが0のとき、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3の有機基であって、上記有機基はハロゲン原子及び珪素原子のうち1つ以上の原子を含んでよい)で示される構造を有する化合物を結合させてもよい。
【0050】
このような化合物としては、例えば、フルオレン、インダン、テトラリン系化合物であって、上記一般式(17)に対応する構造を有するものを例示できる。より具体的には、1,1,3,3‐テトラメチルインダン、1,1,2,2,3,3‐ヘキサメチルインダン、1,1,4,4‐テトラメチル‐1,2,3,4‐テトラハイドロナフタレン、9,9‐ジメチル‐フルオレン、9,9‐ジメチル‐2,7‐ジブロモフルオレン等の化合物を例示できる。
【0051】
フェニルアセチレンの誘導体としては、フェニルアセチレンにハロゲン原子又は炭素数1〜3の有機基が結合した化合物が例示できる。なお、当該有機基はハロゲン原子及び珪素原子のうち1つ以上の原子を含んでよい。このようなフェニルアセチレンの誘導体としては、具体的には、p‐トリメチルシリルフェニルアセチレン、p‐t‐ブチルフェニルアセチレン等が例示できる。
【0052】
フェニルアセチレン又はその誘導体に一般式(17)で示される構造を有する化合物を結合する方法としては、特に限定されるものではないが、ヨウ素化反応及びエチニル化反応を適用できる(例えばSuzuki, H.; Nakamura, K.; Goto, R., Bull. Chem. Soc. Jpn., 1966, 39, 128.、Sonogashira, K., J. Organomet. Chem., 2002, 653, 46.を参照)。
【0053】
また、ここで説明した一般式(1)で示される化合物の製造方法について、次の非特許文献を参照できる。Resconi, L.; Guidotti, S.; Camurati, I.; Frabetti, R.; Focante, F.; Nifant'ev, I.E.; Laishevtsev I. P. Macromol. Chem. Phys., 2005, 206, 1405、Baran, J.; Mayr, H., J. Org Chem., 1988, 53, 4626.、Kagechika, H.; Kawachi, E.; Hashimoto, Y.; Himi, T.; Shudo, K., J. Med. Chem., 1988, 31, 2182.、Huang, C. H.; Yang, S. H.; Chen, K. B.; Hsu, C. S. J. Polym. Sci., Part A: Polym. Chem. 2006, 44, 519.。
【0054】
<2.本発明に係る重合体>
本発明に係る重合体は、上述した本発明に係る化合物を重合してなるものであればよい。本発明に係る重合体によれば新たな気体透過膜を得ることができる。
【0055】
本発明に係る化合物を重合させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、本発明に係る化合物を、重合触媒及び溶媒に溶解して攪拌することで、重合させることができる。
【0056】
上記重合触媒としては、例えば、TaF、TaCl、TaBr等のタンタル系主触媒、n‐BuSn等のスズ系共触媒、トリフェニルビスマス等のビスマス系共触媒、トリアルキルシラン等のケイ素系共触媒を例示できる。これらは主触媒を単独で用いてもよく、適宜共触媒を混合して用いてもよい。ここに例示した重合触媒以外に、従来公知の、アセチレン化合物を重合するときに使用可能な重合触媒を用いてもよい。重合触媒の使用量は、重合させる化合物の種類、反応条件等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0057】
また、上記溶媒としては特に限定されるものではなく、トルエン、シクロヘキサン、デカリン、クロロベンゼン等を例示できる。これらは単独で用いてもよく適宜2種以上を混合して用いてもよい。
【0058】
また、本発明に係る化合物を重合するとき、不活性ガス下で行なうことが好ましい。当該不活性ガスとしては、特に限定されるものではなく、窒素、アルゴン等を例示できる。
【0059】
また、本発明に係る化合物を重合させるときの温度条件は、適宜設定すればよく、限定されるものではないが、60〜150℃であることが好ましく、さらに好ましくは70〜120℃である。
【0060】
<3.気体透過膜>
本発明に係る気体透過膜は、本発明に係る重合体を含んでなればよい。
【0061】
本発明に係る重合体から気体透過膜を得る方法としては、従来公知の重合体から膜を得る方法に、本発明に係る重合体を適用すればよく、特に限定されない。例えば、溶媒に溶解した本発明に係る重合体を、平らな基板等の上に塗布した後に、当該溶媒を蒸散させてもよい。気体透過膜の厚さについては用途等に応じて適宜設定すればよい。
【0062】
<4.気体透過膜を合成するためのキット>
本発明に係る気体透過膜を合成するためのキットは、(以下、「本発明に係るキット」と表記する)は、上記一般式(1)で示される化合物を備えていればよい。
【0063】
なお、上述した構造式(2)で示される化合物は、従来、有機ELのインク材料として用いられていた(Chun-Hao Huang, Sheng-Hsiung Yang, Kuei-Bai Chen, Chain-Shu Hsu, Synthesis and Light Emitting Properties of Polyacetylenes Having Pendent Fluorene Groups, Journal of Polymer Science: PartA: Polymer Chemistry, 2006, vol.44, 519-531)。しかし、本発明者らは構造式(2)で示される化合物を重合させることで得られる膜が気体透過膜として有用であることを見出した。
【0064】
本発明に係るキットは、上記一般式(1)で示される化合物以外の試薬及び/又は器具を備えていてもよい。例えば、上述の重合触媒、溶媒等の試薬を備えていてもよいし、重合反応を行なうための器具を含んでもよい。
【0065】
また、本発明に係るキットの提供形態は、上記一般式(1)で示される化合物、重合触媒、溶媒、その他の試薬全てを、適切な容量及び/又は形態で含有した一つの容器として提供してもよいし、それぞれ別の容器により提供してもよい。また、本発明に係るキットには後述する本発明に係る方法を行なうための手順等を記載した説明書を備えてもよい。
【0066】
本発明に係るキットを用いて、気体透過膜を合成する方法は、上述の本発明に係る重合体の説明に順ずる。
【0067】
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
【実施例】
【0068】
〔実施例1:単量体1の合成〕
本実施例では、1‐(1,1,3,3‐テトラメチルインダン‐5‐イル)‐2‐フェニルアセチレン(本明細書において「単量体1」と表記する)を、次の方法で合成した。単量体1は上記構造式(5)で示される化合物である。
【0069】
まず、300ml容三つ口フラスコに、スタラーチップを入れて、三方コックを設けて、当該三つ口フラスコの中を窒素置換した。次に、当該三つ口フラスコに1,1,3,3‐テトラメチルインダン(16.4g、94mmol)、ヨウ素(9.5g、37mmol)及び過ヨウ素酸(4.3g、19mmol)を、硫酸(3.0ml)を含む酢酸水溶液(100ml、80%(w/v))に溶解した溶液を入れた。この溶液を80℃で20時間攪拌した。なお、本実施例では、特に断らない限り市販品の試薬をそのまま用いた。
【0070】
攪拌後の溶液にHO(200ml)を加えた後、ジエチルエーテルを用いて抽出した。有機層の液体を回収して1M Na・5HOaq(200ml)で5回洗浄した後、水(200ml)で3回洗浄した。次に、洗浄後の溶液を無水流化マグネシウムと攪拌して水を除去した後に、溶媒を蒸散させて粗生成物を得た。次に、当該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製した。これにより、無色の液体である5‐ヨード‐1,1,3,3‐テトラメチルインダンを収率20%にて得た。得られた5‐ヨード‐1,1,3,3‐テトラメチルインダンのNMRで解析した結果は次の通りである。H NMR(CDCl)δ(ppm):7.50(dd,J=8.0Hz,J=1.6Hz,1H,Ar),7.42(d,J=1.6Hz,1H,Ar),6.87(d,J=8.0Hz,1H,Ar),1.81(s,2H,CH),1.28(s,6H,CH),1.28(s,6H,CH).。13C NMR(CDCl)δ(ppm):153.9,151.0,135.6,131.9,124.7,91.8,56.3,42.6,42.4,31.4,31.3.。なお、NMRによる解析では、JEOL社製のEX‐400スペクトロメーターを用いた。以下の実施例において同じである。
【0071】
次に、別途用意した300ml容三つ口フラスコに、スタラーチップを入れて、三方コックを設けて、当該三つ口フラスコの中を窒素置換した。当該三つ口フラスコ中で、5‐ヨード‐1,1,3,3‐テトラメチルインダン(5.6g、19mmol)、ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0.070g、10mmol)、ヨウ化銅(0.11g、0.58mmol)、トリフェニルフォスフィン(0.10g、0.38mmol)を、室温で、トリエチルアミン(100ml)に溶解させた。得られた溶液に、フェニルアセチレン(2.6g、25mmol)を含むトリエチルアミン(20ml)を滴下しながら、室温で5時間、攪拌しつづけた。トリエチルアミンが蒸散した後、残存した物質を、ジエチルエーテル(200ml)で溶解した。得られた溶液を、濾紙で濾過して、濾紙上の物質を回収した。回収した物質を1M HClaqで洗浄した後、HO(200ml)で3回洗浄した。得られた溶液を無水流化マグネシウムと攪拌することでHOを除去した。次に溶媒を蒸散させることで得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製した。これにより単量体1の無色の液体を、収率80%で得た。得られた単量体1をIR、NMR及び元素分析で解析した結果は、それぞれ次の通りである。IR(KBr,cm−1):2958,2360,1597,1493,1315,1065,891,829,756,690,521.。H NMR(CDCl)δ(ppm):7.54‐7.51(m,2H,Ar),7.30‐7.38(m,5H,Ar),7.09(d,J=8.0Hz,1H,Ar),1.92(s,2H,CH),1.32(s,6H,CH),1.31(s,6H,CH).。13C NMR(CDCl)δ(ppm):151.9,151.4,131.5,130.4,128.3,128.0,123.6,122.6,121.4,90.1,88.3.56.5、42.6、42.5、31.4、31.3.。Anal.Calcd for C2122:C,91.92;H,8.08.Found:C,91.93;H,8.26.。なお、IRによる解析では、JASCO社製のFT/IR‐4100スペクトロメーターを用いた。以下の実施例において同じである。
【0072】
〔実施例2:単量体2の合成〕
本実施例では、1‐(1,1,2,2,3,3‐ヘキサメチルインダン‐5‐イル)‐2‐フェニルアセチレン(本明細書において「単量体2」と表記する)を、次の方法で合成した。単量体2は上記構造式(6)で示される化合物である。
【0073】
まず、5‐ヨード‐1,1,2,2,3,3‐ヘキサメチルインダンを合成した。具体的には、1,1,3,3‐テトラメチルインダンの代わりに1,1,2,2,3,3‐ヘキサメチルインダン(18.9g、94mmol)を用いた以外は、実施例1に記載の5‐ヨード‐1,1,3,3‐テトラメチルインダンの合成方法と同じ方法で、5‐ヨード‐1,1,2,2,3,3‐ヘキサメチルインダンを合成した。得られた5‐ヨード‐1,1,2,2,3,3‐ヘキサメチルインダンをNMRで解析した結果は次の通りである。H NMR(CDCl)δ(ppm):7.50(dd,J=8.0Hz,J=1.6Hz,1H,Ar),7.42(d,J=1.6Hz,1H,Ar),6.88(d,J=8.0Hz,1H,Ar),1.18(s,6H,CH),1.17(s,6H,CH),0.86(s,6H,CH).。13C NMR(CDCl)δ(ppm):153.3,150.3,135.6,131.9,124.8,91.6,48.5,47.8,47.5,27.3,27.2.,21.4.。
【0074】
次に、5‐ヨード‐1,1,3,3‐テトラメチルインダンの代わりに、5‐ヨード‐1,1,2,2,3,3‐ヘキサメチルインダンを用いた以外は、実施例1に記載の単量体1を合成した方法と同じ方法を行なうことで、単量体2を合成した。収率は90%であり、単量体2の融点は72〜74℃であった。融点については、Yanaco社製のマイクロメルティングポイント測定装置を用いて測定した。以下の実施例でも同じである。得られた単量体2を、IR、NMR及び元素分析で解析した結果は、それぞれ次の通りである。IR(KBr,cm−1):2981,2950,1597,1493,1373,1111,887,833,756,690,532.。H NMR(CDCl)δ(ppm):7.54‐7.51(m,2H,Ar),7.39‐7.30(m,5H,Ar),7.10(d,J=8.0Hz,1H,Ar),1.18(s,6H,CH),1.17(s,6H,CH),0.86(s,6H,CH).。13C NMR(CDCl)δ(ppm):153.3,150.3,135.6,131.9,124.8,91.6,48.5,47.8,47.5,27.3、27.2、21.4.。Anal.Calcd for C2326:C,91.34;H,8.66.Found:C,91.57;H,8.72.。
【0075】
〔実施例3:単量体3の合成〕
本実施例では1‐(1,1,4,4‐テトラメチル‐1,2,3,4‐テトラハイドロナフタレン‐6‐イル)‐2‐フェニルアセチレン(本明細書において「単量体3」と表記する)を次の方法で合成した。単量体3は上記構造式(7)で示される化合物である。
【0076】
まず、6‐ヨード‐1,1,4,4‐テトラメチル‐1,2,3,4‐テトラハイドロナフタレンを合成した。具体的には、1,1,3,3‐テトラメチルインダンの代わりに1,1,4,4‐テトラメチル‐1,2,3,4‐テトラハイドロナフタレン(17.5g、94mmol)を用いた以外は、実施例1に記載の5‐ヨード‐1,1,3,3‐テトラメチルインダンの合成方法と同じ方法を行なうことで、6‐ヨード‐1,1,4,4‐テトラメチル‐1,2,3,4‐テトラハイドロナフタレンを合成した(収率 88%、融点 58〜60℃)。得られた6‐ヨード‐1,1,4,4‐テトラメチル‐1,2,3,4‐テトラハイドロナフタレンをNMRで解析した結果は次の通りである。H NMR(CDCl)δ(ppm):7.59(s,1H,Ar),7.42(d,J=8.4Hz,1H,Ar),7.03(d,J=8.4Hz,1H,Ar),1.66(virtual s,4H,CH),1.26(s,6H,CH),1.25(s,6H,CH).。13C NMR(CDCl)δ(ppm):147.7,144.6,135.6,134.6,128.7,91.1,34.8,34.3,34.1,31.7,31.7.,31.7.。
【0077】
次に、5‐ヨード‐1,1,3,3‐テトラメチルインダンの代わりに、6‐ヨード‐1,1,4,4‐テトラメチル‐1,2,3,4‐テトラハイドロナフタレン(6.2g、19mmol)を用い、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン)による精製の後に、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行なった以外は、実施例1に記載の単量体1を合成した方法と同じ方法を行なうことで、単量体3を合成した。収率は80%であり、単量体3の融点は69〜70℃であった。得られた単量体3を、IR、NMR及び元素分析で解析した結果は、それぞれ次の通りである。IR(KBr,cm−1):3059,2958,1597,1493,1362,1065,891,829,752,690,540.。H NMR(CDCl)δ(ppm):7.54‐7.53(m,2H,Ar),7.52(s,1H,Ar),7.34‐7.30(m,3H,Ar),7.28(s,2H,Ar),1.69(virtual s,4H,CH),1.30(s,6H,CH),1.28(s,6H,CH).。13C NMR(CDCl)δ(ppm):145.5,145.0,131.6,129.9,128.7,128.3,128.0,126.6,123.6,120.1,89.9、88.2、35.0,34.9,34.3,34.2,31.8,31.7.。Anal.Calcd for C2224:C,91.61;H,8.39.Found:C,91.59;H,8.30.。
【0078】
〔実施例4:単量体4の合成〕
本実施例では、1‐フェニル‐2‐(9,9‐ジメチルフルオレン‐2‐イル)アセチレン(本明細書において「単量体4」と表記する)を次の合成経路(18)で合成した。
【0079】
【化18】

【0080】
(R33は水素原子、t−ブチル基又はトリメチルシリル基を示す)
で単量体4を合成した。なお、単量体4は上記構造式(2)で示される化合物であり、合成経路(18)において、上記R33が水素原子であるとき、単量体4の合成経路を示している。単量体4の合成方法を具体的に以下に示す。
【0081】
(4−1:2‐ヨードフルオレンの合成)
300ml容三つ口フラスコにスタラーチップを入れて、三方コックを設けて、当該三つ口フラスコの中を窒素置換した。次に、当該三つ口フラスコ中で、フルオレン(15.0g、90.2mmol)、ヨウ素(11.5g、45.3mmol)、ヨウ素酸(4.0g、23mmol)を、酢酸(77.6ml)、硫酸(3.0ml)、水(19.4ml)で溶解して、80℃で5時間加熱撹拌した。次に、ジエチルエーテルで抽出を行い、抽出した有機層の液体及びチオ硫酸ナトリウム五水和物水溶液を攪拌することでヨウ素を除去した。次に、有機層の液体を、1N塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを混合して攪拌することで水を除去した。次に、脱水後の溶液を濾過して無水硫酸マグネシウムを除去した。次に、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製して、白色固体の2‐ヨードフルオレン(16.9g、収率64%)を得た。得られた2‐ヨードフルオレンをNMRで解析した結果は次の通りである。H NMR(400MHz,CDCl,δ):7.86‐7.30(m,7H,Ar),3.84(s,2H,CH).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):145.4,142.6,141.3,140.7,135.7,134.1,127.3,126.9,125.0,121.4,120.0,91.8,36.6.。
【0082】
(4−2:9,9‐ジメチル‐2‐ヨードフルオレンの合成)
200ml容の三つ口フラスコに、滴下ロート及び三方コックを設けて、スタラーチップを入れて、当該三つ口フラスコの中を窒素置換した。当該三つ口フラスコ中に、2‐ヨードフルオレン(20.0g、68.5mmol)、カリウム‐t‐ブトキシド(17.4g、155mmol)、テトラヒドロフラン(80ml)を加えた。この溶液に、0℃下でヨードメタン(9.9ml、0.16mol)を滴下した。次に、滴下終了後の溶液を室温で15時間撹拌した。ジエチルエーテルで抽出して、得られた有機層の溶液を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで水を除去した。次に、濾過して無水硫酸マグネシウムを除去した後、溶媒を減圧留去することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製した。これにより橙色液体の9,9‐ジメチル‐2‐ヨードフルオレン(10.3g、収率47%)を得た。得られた9,9‐ジメチル‐2‐ヨードフルオレンをNMRで解析した結果は次の通りである。H NMR(400MHz,CDCl,δ):7.76‐7.32(m,7H,Ar),1.46(s,6H,C(CH).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):155.8,153.0,138.8,138.2,135.9,132.0,127.8,127.1,122.6,121.7,120.1,92.5,47.0,27.0.。
【0083】
(4−3:単量体4の合成)
500ml容の三つ口フラスコに滴下ロート及び三方コックを設けて、スタラーチップを入れて、当該三つ口フラスコの中を窒素置換した。9,9‐ジメチル‐2‐ヨードフルオレン(8.0g、25mmol)、ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(176mg、0.250mmol)、ヨウ化銅(286mg、1.50mmol)、トリフェニルフォスフィン(262mg、1.00mmol)を、トリエチルアミン(165ml)に溶解した上で、当該三つ口フラスコに入れた。次に、フェニルアセチレン(3.2g、31mmol)をトリエチルアミン(15ml)に溶解した溶液を加えて、室温で18時間撹拌した。
【0084】
次に、トリエチルアミンを減圧留去して、ジエチルエーテル(約300ml)を加えた後に、不溶物を濾過して取り除いた。次に、濾液を回収して、1N塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後に、無水硫酸マグネシウムで水を除去した。次に、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製して、白色固体の単量体4(4.6g、63%)を得た。単量体4の融点は129.0〜130.0℃であった。得られた単量体4を、IR、NMR及び元素分析で解析した結果は、それぞれ次の通りである。IR(KBr,cm−1):2976,2220,1492,1443,1273,1071,882,839,756,737,692,570.。H NMR(400MHz,CDCl,δ):7.72‐7.32(m,12H,Ar),1.50(s,6H,C(CH).13C NMR (100 MHz,CDCl,δ):153.9,153.6,139.4,138.5,131.6,130.7,128.3,128.1,127.7,127.1,125.9,123.4,122.6,121.7,120.3,119.9,90.2,89.4,46.8,27.0.。Anal. Calcd for C2318:C,93.84%;H,6.16%.Found:C,93.55%;H,6.33%.。
【0085】
〔実施例5:単量体5の合成〕
本実施例では、1‐(4‐t‐ブチルフェニル)‐2‐(9,9‐ジメチルフルオレン‐2‐イル)アセチレン(本明細書において「単量体5」と表記する)を上記合成経路(18)において、上記R33がt−ブチル基であるときの合成経路で合成した。単量体5は上記構造式(8)で示される化合物である。
【0086】
より具体的には、フェニルアセチレンの代わりに、p‐t‐ブチルフェニルアセチレン(4.0g、25mmol)を用いた以外は、実施例4に記載の単量体4を合成した方法と同じ方法を行なうことで合成した。これにより、白色固体の単量体5を収率35%で得た。単量体5の融点は177.5〜179.5℃であった。得られた単量体5を、IR、NMR及び元素分析で解析した結果は、それぞれ次の通りである。IR(KBr,cm−1):2959,1506,1445,1396,834,782,757,736,567.。H NMR(400MHz,CDCl,δ): 7.72‐7.31(m,11H,Ar),1.50(s,6H,C(CH),1.33(s,9H,C(CH).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):153.9,153.6,151.4,139.2,138.6,131.3,130.7,127.6,127.1,125.9,125.4,122.6,121.9,120.4,120.2,119.9,89.6,89.6,46.8,34.8,31.2,27.0.。Anal. Calcd for C2726:C,92.52%;H,7.48%.Found:C,92.24%;H,7.54%.。
【0087】
〔実施例6:単量体6の合成〕
本実施例では、1‐(4‐トリメチルシリルフェニル)‐2‐(9,9‐ジメチルフルオレン‐2‐イル)アセチレン(本明細書において「単量体6」と表記する)を、上記合成経路(18)において、上記R33がトリメチルシリル基であるときの合成経路で合成した。単量体6は上記構造式(10)で示される化合物である。
【0088】
より具体的には、フェニルアセチレンの代わりに、p‐トリメチルシリルフェニルアセチレン(4.4g、25mmol)を用いた以外は、実施例4に記載の単量体4を合成する方法と同じ方法を行なうことで、単量体6を合成した。これにより、白色固体の単量体6を収率63%で得た。単量体6の融点は139.0〜142.0℃であった。得られた単量体6を、IR、NMR及び元素分析で解析した結果は、それぞれ次の通りである。IR(KBr,cm−1):2959,2219,1591,1445,1252,1099,824,757,633,454.。H NMR(400MHz,CDCl,δ):7.73‐7.30(m,11H,Ar),1.50(s,6H,C(CH),0.28(s,9H,Si(CH).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):153.9,153.6,140.9,139.4,138.5,133.2,130.8,130.6,127.7,127.1,125.9,123.7,122.7,121.7,120.3,119.9,90.6,89.6,46.9,27.0,−1.2.。Anal. Calcd for C2626Si : C,85.19%; H,7.15%; Si,7.66%. Found: C,85.05%; H,7.24%.。
【0089】
〔実施例7:単量体7の合成〕
本実施例では、1‐フェニル‐2‐(9,9‐ジメチル‐7‐トリメチルシリルフルオレン‐2‐イル)アセチレン(本明細書において「単量体7」と表記する)の合成を、次の合成経路(19)で行なった。
【0090】
【化19】

【0091】
なお、単量体7は上記構造式(11)で示される化合物である。単量体7の合成方法をより具体的に、以下に示す。
【0092】
(7−1:9,9‐ジメチル‐2,7‐ジブロモフルオレンの合成)
フルオレンの代わりに2,7‐ジブロモフルオレンを用いた以外は、実施例4に記載の9,9‐ジメチル‐2‐ヨードフルオレンを合成した方法と同じ方法を行なうことで、9,9‐ジメチル‐2,7‐ジブロモフルオレンを合成した。白色固体の9,9‐ジメチル‐2,7‐ジブロモフルオレンを、収率95%で得た。得られた9,9‐ジメチル‐2,7‐ジブロモフルオレンをNMRで解析した結果は次の通りである。1H NMR(400MHz,CDCl,δ):7.53‐7.55(m,4H,Ar),7.44‐7.47(m,2H,Ar),1.46(s,6H,C(CH).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):155.2,137.1,130.3,126.2,121.46,121.43,47.3,26.8.。
【0093】
(7−2:9,9‐ジメチル‐2‐ブロモ‐7‐トリメチルシリルフルオレンの合成)
300ml容の三つ口フラスコに、滴下ロート及び三方コックを設けて、スタラーチップを入れて、当該三つ口フラスコの中を窒素置換した。次に、当該三つ口フラスコに9,9‐ジメチル‐2,7‐ジブロモフルオレン(10g、28mmol)を入れて、ジエチルエーテル(100ml)、ベンゼン(40ml)を加えて溶解した。次に、0℃下で、n‐ブチルリチウム(1.58Mヘキサン溶液、18ml、28mmol)を滴下した後、室温で2時間撹拌した。その後、0℃下で、トリメチルクロロシラン(3.04g、28mmol)のジエチルエーテル(10ml)溶液を滴下した後、室温で5時間撹拌した。次に、ジエチルエーテルで抽出した有機層の液体を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで水を除去した。次に、濾過することで無水硫酸マグネシウムを除去した後、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製することで白色固体の9,9‐ジメチル‐2‐ブロモ‐7‐トリメチルシリルフルオレンを得た。
【0094】
(7−3:単量体7の合成)
9,9‐ジメチル‐2‐ヨードフルオレンの代わりに9,9‐ジメチル‐2‐ブロモ‐7‐トリメチルシリルフルオレン(10.0g、25mmol)を用いた以外は、実施例4に記載の単量体4を合成した方法と同じ方法を行なうことで、単量体7を合成した。これにより、白色固体の単量体7を収率43%で得た。単量体7の融点は124.0〜125.0℃であった。得られた単量体7を、IR、NMR及び元素分析で解析した結果は、それぞれ次の通りである。IR (KBr,cm−1):2958,1458,1396,1246,1107,825,756,690,629,462.H NMR(400MHz,CDCl,δ):7.71‐7.34(m,11H,Ar),1.51(s,6H,C(CH),0.32(s,9H,Si(CH).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):153.8,153.0,140.1,139.4,139.2,132.2,131.6,130.7,128.4,128.1,127.2,125.9,123.4,121.8,120.1,119.6,90.3,89.5,46.9,27.1,−0.9.。Anal.Calcd for C2626Si:C,85.19%;H,7.15%;Si,7.66%.Found:C,85.41%;H,7.25%.。
【0095】
〔実施例8:単量体8の合成〕
〔8−1:9,9‐ジメチル‐2‐ジブロモフルオレンの合成〕
本実施例では、1‐フェニル‐2‐(9,9‐ジメチル‐1‐7‐ブロモフルオレン‐2‐イル)アセチレン(本明細書において「単量体8」と表記する)を、以下の合成経路(20)により合成した。単量体8は上記構造式(13)で示される化合物である。
【0096】
【化20】

【0097】
具体的には、2‐ヨードフルオレンの代わりに2,7‐ジブロモフルオレン(22.2g、68.5mmol)を用いた以外は実施例4に記載の9,9‐ジメチル‐2‐ヨードフルオレンの合成方法と同じ方法で合成した。これにより、白色固体の9,9‐ジメチル‐2‐ジブロモフルオレンを得た。収率は95%であった。得られた9,9‐ジメチル‐2‐ジブロモフルオレン8をNMRで解析した結果は次の通りである。H NMR (400MHz,CDCl,δ): 7.53‐7.55(m,4H,Ar),7.44‐7.47(m,2H,Ar),1.46(s,6H,C(CH)).13C NMR (100MHz,CDCl,δ):155.2,137.1,130.3,126.2,121.46,121.43,47.3,26.8。
【0098】
〔8−2:単量体8の合成〕
500mlの三つ口フラスコに滴下ロートと三方コックをつけ、スターラーチップを入れて窒素置換した。9,9‐ジメチル‐2,7‐ジブロモフルオレン(9.4g, 27mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(94.7mg,0.135mmol)、ヨウ化銅(154mg, 0.810mmol)、トリフェニルホスフィン(142mg,0.540mmol)をトリエチルアミン(185ml)とピペリジン(20ml)の混合溶媒に溶かし、フラスコに入れた。それにフェニルアセチレン(2.2g,21mmol)のトリエチルアミン(15ml)溶液を滴下して加え、95℃で加熱還流して7時間撹拌した。その後、溶媒のトリエチルアミンを減圧留去して、ジエチルエーテル(約300ml)を加え、不溶物を濾過して取り除いた。濾液を1N塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した。溶媒を減圧留去したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製することにより、白色固体の単量体8(2.9g,37%)を得た。単量体8の融点は149.5℃‐150.5℃であった。得られた単量体8を、IR、NMR及び元素分析で解析した結果は、それぞれ次の通りである。IR(KBr,cm−1):2978,1442,1400,1257,1073,820,751,686,466.H NMR (400MHz,CDCl,δ):7.67‐7.65(m,1H,Ar),7.59‐7.46(m,7H,Ar),7.39‐7.31(m,3H,Ar),1.49(s,6H,C(CH).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):155.9,153.2,138.3,137.5,131.6,130.9,130.3,128.4,128.3,126.2,125.9,123.3,122.2,121.6,121.5,120.0,90.0,89.8,47.1,26.9.Anal. Calcd for C2317Br:C,74.00%;H,4.59%;Br,21.41%.Found: C,74.00%;H,4.67%.。
【0099】
〔実施例9:単量体〕
本実施例では、1‐(4‐ブロモフェニル)‐2‐(9,9‐ジメチルフルオレン‐2‐イル)アセチレン(本明細書において「単量体9」と表記する)を、以下の合成経路(21)により合成した。単量体8は上記構造式(12)で示される化合物である。
【0100】
【化21】

【0101】
〔9−1:9,9‐ジメチル‐2‐ブロモフルオレンの合成〕
9,9‐ジメチル‐2‐ブロモフルオレンは、2‐ヨードフルオレンの代わりに2‐ブロモフルオレン(16.8g、68.5mmol)を用いた以外は、実施例4に記載の9,9‐ジメチル‐2‐ヨードフルオレンの合成方法と同じ方法で合成した。収率は46%であった。
【0102】
〔9−2:4‐(9,9‐ジメチル‐9H‐フルオレン‐2‐イル)‐2メチルブタ‐3‐イン‐2‐オルの合成〕
4‐(9,9‐ジメチル‐9H‐フルオレン‐2‐イル)‐2メチルブタ‐3‐イン‐2‐オルの合成は、9,9‐ジメチル‐2‐ジブロモフルオレンの代わりに9,9‐ジメチル‐2‐ブロモフルオレン(9.5g、27mmol)を用い、フェニルアセチレンの代わりに2‐メチルブタ‐3‐イン‐2‐オル(1.8g、21mmol)を用いた以外は実施例8に記載の単量体8の合成と同じ操作をすることで合成した。精製はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により行なった。これにより無色液体の4‐(9,9‐ジメチル‐9H‐フルオレン‐2‐イル)‐2メチルブタ‐3‐イン‐2‐オルを得た。収率は95%であった。得られた4‐(9,9‐ジメチル‐9H‐フルオレン‐2‐イル)‐2メチルブタ‐3‐イン‐2‐オルをNMRで解析した結果は次の通りであるH NMR (400MHz,CDCl,δ):7.70‐7.29(m,7H,Ar),2.18(s,1H,OH), 1.65 (s,6H,C≡CC(CHOH),1.47(s,6H,C(CH3)2).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):153.8,153.5,139.4,138.4,130.7,127.7,127.1,126.0,122.6,121.1,120.2,119.8,93.7,82.9,65.7,46.8,31.5,27.0.。
【0103】
〔9−3:9,9‐ジメチル‐フルオレン‐2‐イルアセチレンの合成〕
200mlの三ツ口フラスコに三方コックと還流管を付け、スターラーチップを入れて窒素置換した。4‐(9,9‐ジメチル‐9H‐フルオレン‐2‐イル)‐2メチルブタ‐3‐イン‐2‐オル(7.7g,28mmol)をトルエン60mlに溶解させ、フラスコに加えた。これに水素化ナトリウム(1.1g,28mmol)を加えて120℃で加熱還流して8時間撹拌した。メタノール15mlを加えた後、ジエチルエーテル200mlで抽出した。1N塩酸、および水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで水分を除去した。溶媒を減圧留去したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製することにより、黄色液体の9,9‐ジメチル‐フルオレン‐2‐イルアセチレン(4.3g,収率70%)を得た。得られた9,9‐ジメチル‐フルオレン‐2‐イルアセチレンをNMRで解析した結果は次の通りである。H NMR(400MHz,CDCl,δ):7.71‐7.32(m,7H,Ar),3.11(s,1H,C≡CH),1.47(s,6H,C(CH).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):153.9,153.5,139.9,138.3,131.2,127.8,127.1,126.5,122.6,120.4,120.3,119.9,84.4,77.0,46.8,27.0.。
【0104】
〔9−4:単量体9の合成〕
5‐ヨード‐1,1,2,2,3,3‐ヘキサメチルインダンの代わりに9,9‐ジメチル‐フルオレン‐2‐イルアセチレン(4.1g、19mmol)を用いた以外は、実施例2に記載の単量体2の合成方法と同じ操作を行なうことで単量体9を合成した。これにより白色固体の単量体9を得た。収率は77%であった。得られた単量体9を、IR及びNMRで解析した結果は、それぞれ次の通りである。IR(KBr,cm−1):2958,2220,1905,1490,1066,1009,887,735,523.H NMR(400MHz,CDCl,δ):7.72‐7.32(m,11H,Ar),1.49(s,6H,C(CH).13C NMR(100MHz,CDCl,δ):153.9,153.6,139.7,138.4,133.0,131.6,130.7,127.8,127.1,125.9,122.7,122.4,122.3,121.3,120.3,120.0,91.4,88.4,46.9,27.0.。
【0105】
〔実施例10:重合〕
実施例1〜8で得た単量体1〜8の重合は、次の方法で行なった。まず、3方コックを設けたシュレンクチューブ内に、単量体1〜8のいずれか一つの単量体(0.20M)、TaCl(20mM)、n‐BuSn(40mM)を重合溶媒に混合した溶液を入れて、乾燥窒素環境下に80℃で24時間静置した。静置後の溶液を多量のメタノール中に滴下することで、ポリマーを単離した。「単量体1〜8」を重合させることで得られたポリマーをそれぞれ「ポリマー1〜8」と表記する。重合溶媒としては、単量体1〜3ではシクロヘキサン、単量体4〜6ではデカリン、単量体7及び8ではトルエンを用いた。なお、シクロヘキサンについては、乾燥窒素環境下で酸化カルシウムを用いて蒸留したものを用いた。トルエンについては定法に基づいて蒸留精製したものを用いた。TaClはアルドリッチ社から購入したものを、精製せずにそのまま用いた。n‐BuSnは和光純薬工業社から購入したものを蒸留して用いた。
【0106】
次に、ポリマー1〜8を、恒量を求めるために乾燥させた。ポリマー1〜8について、重力測定による収率の算出、ゲル浸透クロマトグラフィー(展開溶媒 CHCl、ポリスチレン換算)を用いた分子量の測定、IRによる解析を行なった。各ポリマーの収率、分子量、IRによる解析結果は次の通りである。
ポリマー1;収率65%、Mw=1.0×10、Mw/Mn=3.9、IR(KBr,pellet):2594,1489,1362,1315,1192,1072,890,818,760,690,517.
ポリマー2;収率67%、Mw=1.5×10、Mw/Mn=3.3、IR(KBr,pellet):2594,1489,1373,1261,1157,1111,887,818,760,690,532.
ポリマー3;収率43%、Mw=0.87×10、Mw/Mn=3.4、IR(KBr,pellet):2962,1600,1493,1462,1389,1362,1261,1014,806,690,532.
ポリマー4;収率42%、Mw=1.2×10、Mw/Mn=3.0、IR(KBr,cm−1);2959,1600,1458,1299,1218,886,822,732,690,569.
ポリマー5:収率14%、Mw=0.73×10、Mw/Mn=4.1、IR(KBr,cm−1);2959,1898,1606,1449,1269,1111,1023,823,736,568.
ポリマー6:収率12%、Mw=0.80×10、Mw/Mn=5.6,IR(KBr,cm−1);2958,1596,1449,1262,1114,1013,865,727,545.
ポリマー7:収率25%、Mw=0.90×10、Mw/Mn=1.9、IR(KBr,cm−1);2956,1600,1461,1397,1249,1143,1108,1074,865,754,695,527.
ポリマー8:収率40%、Mw=0.92×10、Mw/Mn=、IR(KBr,cm−1);2957,1450,1256,1060,1005,876,809, 689, 496.。
【0107】
なお、各ポリマーは高い粘性を有しているため、鮮明なH NMR及び13C NMRのスペクトルは得られなかった。
【0108】
〔実施例11:気体透過膜の合成〕
ポリマー1〜7を用いて気体透過膜を合成した。溶解液の全量を100重量%としたときに、各ポリマーの濃度が0.50〜1.0重量%となるように、ポリマー1のうちいずれかのポリマーをトルエンに溶解した溶解液を、平らな底のペトリ皿上に塗布することで、膜状に成型した。ポリマー2、4〜7についても、同様にして膜状に成型した。ポリマー3については、トルエンの代わりにクロロホルムを用いた以外は同様にして膜状に成型した。各膜の厚さは、80〜120μmとした。それぞれの膜をガラス容器で蓋をして3〜5日間静置することで、緩やかに溶媒を蒸散させた。得られた膜をメタノール中に24時間浸漬させた後、恒量を求めるために、室温で24時間乾燥させて気体透過膜を得た。以上の方法により「ポリマー1〜7」を用いて得られた気体透過膜を、それぞれ「気体透過膜1〜7」と表記する。
【0109】
〔実施例12:気体透過膜の性質〕
気体透過膜1〜7の気体透過係数(以下、「係数P」と表記する)を、MKS baratron detectorを備える気体透過性測定装置(理化精機社製、品番;K−315−N)を用いて、25℃で測定した。係数Pの測定では、各気体透過膜の上流側からガスを約1atm(1×10Pa)で送り込み、各気体透過膜の下流側から0.3Paで吸引した。そして、下流側でガス圧の増加分を測定した。次に、係数Pを、時間‐圧力曲線におけるFickの法則が安定して保たれている状態の傾斜から算出した。結果を表1に示す。なお、比較のため、PTMSPについても、特許文献1に記載の方法で膜を作製して、当該膜の気体透過性を測定した(表1において、単に「PTMSP」と示す)。また、表1中の「PO/PN」は、酸素の透過係数を窒素の透過係数で除した値であり、酸素の透過性と窒素の透過性との比を示す。
【0110】
【表1】

【0111】
気体透過膜1及び2は、構成するポリマーの構造がPTMSPの構造とは大きく異なるにも関わらず、PTMSPと同程度又はPTMSP以上の酸素透過係数を有することが確認された。
【0112】
また、気体透過膜1〜7、特に気体透過膜4〜7では、酸素及び窒素の透過比が高いことが確認された。これは、気体透過膜1〜7は、酸素を優先的に透過することを示しており、酸素供給用材料として有用であることを示している。
【0113】
また、気体透過膜1〜3の質量減少開始温度を熱重量分析により測定した。熱重量分析では、熱分析装置(パーキンエルマー社製、品番;TGA7)を用いた。熱重量分析の結果、気体透過膜1〜3の質量減少開始温度は、それぞれ410℃、440℃、400℃であった。PTMASPの質量減少開始温度は約300℃であるので、気体透過膜1〜3の熱安定性が優れていることが確認された。
【0114】
また、気体透過膜1〜3の、紫外線の最大吸収波長及び遮断する紫外線の波長をスペクトロフォトメーター(島津社製、品番;UV‐2200)を用いて測定した。その結果、気体透過膜1〜3の、紫外線の最大吸収波長は375nm及び430nmであり、500nm程度の波長の紫外線を遮断した。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明に係る化合物を用いれば、新たな気体透過膜を提供できる。当該気体透過膜は、換気機器、除湿機、分煙機等に適用できるので、建築産業、自動車産業、家電産業等の産業での利用が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

(lは1又は2であり、mは0、1又は2であり、nは0又は1であり、
、R、R、R、R及びRは、それぞれメチル基又は水素原子であって、nが1のとき、R、R、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、nが0のとき、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3の有機基であって、上記有機基はハロゲン原子及び珪素原子のうち1つ以上の原子を含んでよい)
で示される化合物、ただし、下記構造式(2)
【化2】

で示される化合物を除く。
【請求項2】
下記一般式(3)又は(4)
【化3】

(oは1又は2であり、pは0、1又は2であり、qは0又は1であり、
、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれメチル基又は水素原子であって、qが1のとき、R、R10、R11及びR12のうち少なくとも1つがメチル基であり、nが0のとき、R及びR10のうち少なくとも1つがメチル基である)
【化4】

(R15及びR16は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ブチル基又はトリメチルシリル基であって、R15及びR16のうち少なくとも一方がハロゲン原子、ブチル基又はトリメチルシリル基)
で示される化合物。
【請求項3】
下記構造式(5)〜(13)
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

のうちいずれか一つの構造式で示される化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物を重合してなるものであることを特徴とする重合体。
【請求項5】
請求項4に記載の重合体を含んでなる気体透過膜。
【請求項6】
下記一般式(1)
【化14】

(lは1又は2であり、mは0、1又は2であり、nは0又は1であり、
、R、R、R、R及びRは、それぞれメチル基又は水素原子であって、nが1のとき、R、R、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、nが0のとき、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3の有機基であって、上記有機基はハロゲン原子及び珪素原子のうち1つ以上の原子を含んでよい)
で示される化合物を備えていることを特徴とする気体透過膜を合成するためのキット。

【公開番号】特開2009−57355(P2009−57355A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228347(P2007−228347)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年5月10日 社団法人 高分子学会発行の「高分子学会予稿集56巻1号[2007]」に発表
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】