説明

新規フラクタル粒子系ゲルを含有する化粧品組成物

【課題】フラクタル粒子系ゲルを含む化粧品組成物を塗布することを含む、しわ及び皮膚の欠点がある外観を即座に低減し、同時に皮膚を平滑にする方法。
【解決手段】所定のpHで反対の表面電荷である第一フラクタル粒子と第二フラクタル粒子とを含むフラクタルゲルを含む、生物学的基体に塗布するための化粧品組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物に関し、より詳細には、皮膚及び唇などの生物学的基体の表面外観向上のための空間補充効果を有する化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
しわを減らすため及び小じわを最小にするために多数の方法が開発されている。これらの方法の一部としては、活性成分、例えば、抗酸化物質;ボツリヌス毒素(Botox(商標))(カリフォルニア州、アーヴィンのAllergan)などの、神経細胞における神経伝達を阻害する(その結果、収縮した筋肉を弛緩させる)ことによって作用する薬剤;ヒドロキシ酸及びフルーツ酸(例えば、レチノイン酸)などの、細胞再生プロセスを加速させる薬剤;シアバターなどの皮膚軟化剤;ヒアルロン酸などのスキンプランパー;コラーゲンなどの補充剤;しわが消えたような感じを出す光拡散顔料及びマイクロスフェアが挙げられる。毛穴、皮膚表面の凸凹及び欠点などがある外観を低減する他の方法が開発されている。これらの方法の一部としては、美白剤、ならびに皮膚の補充及びカモフラージュが挙げられる。
【0003】
残念なことに、多くの化粧用ファンデーション及びメイクアップ用品は、しわの隙間に顔料が入り込むため、実際にはしわ及び小じわを目立たせる。他の製品は、皮膚の欠点をカバーするが、不自然な厚塗りされた外観を作る。他のもの、例えばマイカは、光を拡散及び散乱させるのではなく反射し、その結果、しかって見える。加えて、これらの方法の一部は、即効性ではなく、効果を見るために数日又は数週間の連続使用を必要とする。他のものは、観血的であり、注射を必要とし、患者には苦痛であり、ならびに赤み、はれ及び他の副作用を引き起こすことがある。
【0004】
皮膚をカバーする水中油型エマルジョンの形態のファンデーションは周知である。しかし、高いカバー力をもたらすファンデーションは、典型的に、不自然な厚塗りされた外観を生じさせる。さらに、これらのタイプのファンデーションにおける高い顔料負荷量は、時が経つにつれてしわになり、寄ってくる傾向がある。
本発明者らは、(本明細書において説明するような)屈折率整合ポリマーを含有するフラクタル粒子ゲルを化粧用ファンデーションに添合することができ、これは、皮膚又は唇などの生物学的基体に塗布すると、(空間を補充して皮膚表面を平滑にし、従って、小じわ及びしわを隠して、前述の先行技術ファンデーションの欠点を軽減する)皮膜を作ることを発見した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Ionization of metal oxide surface in non aqueous media:Labib,M.E.;Williams,R.J.;J.Colloid Interface Sci.1984,97,356
【非特許文献2】Labib,M.E.;Williams,R.J.;J.Colloid Interface Sci.1987,115,330
【非特許文献3】Fowkes,et al.,‘‘Mechanism of Electric Charging of Paritles in Nonaqueous Dispersions’’,Journal of the American Chemical Society,vol.15,1982
【非特許文献4】Fowkes,et al.,‘‘Steric And Electrostatic Contributins To The Colloidal Properties of Nanoaqueous Dispersions’’,Journal of the American Chemical Society,vol.21,1984
【非特許文献5】Huang,Y.C.,Sanders,N.D.,Fowkes,F.M.,Lloyd,T.B.‘‘The Impact of Surface Chemistry on Particle Electrostatic Charging and Viscoelasticity of Precipitated Calcium Carbonate Slurries’’.National Institute of Standards and Technology Special Publication 856,USA Department of Commerce,180−200(1993)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、塗布面を平滑にするために空間補充を達成するための、反対の電荷を有するナノ粒子のフラクタルゲルネットワークを含む化粧品組成物を提供することである。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、所定のpHで反対の表面電荷(ゼータ電位)を有する2つ以上のタイプのサブミクロンサイズのフラクタル粒子からなるゲルネットワークを含有する化粧品組成物を提供することである。
【0008】
本発明のさらにもう1つの目的は、フラクタルゲルを含有する、化粧品に適する媒質を含む化粧品組成物、例えば、水性、非水性、油中水型及び水中油型エマルジョンを提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの態様において、その多孔質網状構造に鑑みて、毛幹にボリュームを出す利点をもたらす本組成物は、薄毛を処置するためのヘアトリートメント製品として、特にマスカラとして適する。
【0010】
本発明のさらなる目的は、皮膚表面のすじ及びしわをトポグラフィー的に平滑にする独特な空間補充特性を有する化粧品組成物を提供することである。
【0011】
本発明のさらにもう1つの目的は、トップコート化粧品組成物と共に使用するための、平滑な表面をもたらすフラクタルゲルプライマー組成物を含む化粧品組成物を提供することであり、この場合、このプライマー組成物の上に塗布されたトップコート組成物の外観及び外見は、そのプライマー組成物層中に存在するフラクタルゲルネットワークの平滑化効果のために向上される。
【0012】
さらに本発明のこの及び他の目的及び利点に従って、ゲルネットワークによる空間補充によって、しわ、小じわ、毛穴、皮膚表面の凸凹及び欠点を埋め、同時に表面平滑化効果をもたらす方法を提供する。この方法は、トップコート着色層と共に皮膚上に平滑化層を積層して、皮膚を輝かせ、またより明るく見せるようにすることを含む。
【0013】
本発明のもう1つの態様において、本発明は、任意の化粧品的に許容されるビヒクルで人間の皮膚に塗布することができる。
【0014】
本発明のこれらの新規特徴は、以下の詳細な説明から当業者には明らかになる(以下の詳細な説明は、本発明を実施するために考えられる、単なる例証としての、様々な方法である)。十分に理解されるであろうが、本発明は、追加の異なる明らかな態様が、すべて本発明から逸脱することなく、可能である。従って、本図面及び明細書は、実際には例証的なものであり、限定的なものではない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の化粧品組成物は、(i)第一フラクタル粒子及び第二フラクタル粒子を含み、該第一及び第二フラクタル粒子が反対の正味の表面電荷(ゼータ電位)を有する、フラクタル粒子系ゲル(「フラクタルゲル」)を含む。これらのフラクタル粒子ゲルのネットワークは、開放網状構造を有し、これらのフラクタル粒子のサイズ領域及び屈折率は、皮膚におけるしわ及び他の表面の欠点を有効に埋めることに適したものであり、従って、皮膚に表面平滑化効果をもたらす。従って、皮膚に塗布すると、本化粧品組成物は、自然でなめらかな若々しい外観と、しわ及び皮膚の欠点の目に見える減少をもたらす。このように、このフラクタルゲルマトリックスの開放構造によって充填密度が有意により低い皮膜がしわに補充され、この皮膜が、従来の化粧品の望ましくないチョークのついたような外観を最小にし、またそうした外観の発生の防止しさえする。さらに、前記ゲルマトリックスの開放構造は、皮脂吸収のための有意な表面積を提供し、それ故、化粧品組成物のもちをよくし、皮膜形成剤を大量に使わなくてすむ。
【0016】
本発明のもう1つの有益な態様は、フラクタル粒子ゲルネットワークが、化粧品用途に特に有用である独特なレオロジー特性を呈することができることである。このゲルネットワークは、高チキソトロープ性である。すなわち、このゲルの粘度は、漸増剪断応力下で急速に減少するが、その剪断応力が除去されると、ゲルネットワークが急速に再形成する。実際上、これは、例えばブラシ又は他の塗布具で、この組成物を塗布すると、その組成物が粘稠で非流動性の組成物から易流動性の液体になるという効果をもたらす。このネットワークが再びゲルになる速度は、粒子濃度、及び反対の電荷を有する粒子間の引力相互作用の大きさ(セクション「粒状分散体の表面電荷」を参照)の関数である。塗布中には低い粘度が望ましいが、塗布された組成物の移動を防止するために粘度の急速な増加が重要である、ファンデーション、マスカラ、ヘアケア、口紅組成物、及びパーソナルケア組成物では、超チキソトロープ組成物が特に有用である。
【0017】
用語「粒子(単数又は複数)」は、本明細書において用いる場合、本発明の組成物中に存在し、本組成物に不溶性であるすべての粒子(フラクタル粒子、顔料粒子、結合剤、フィラーなどを含む)を意味する。
【0018】
用語「フラクタル粒子」は、本明細書において用いる場合、可変フラクタル次元又は固有網状構造の、すなわち、それらの位相次元より大きいハウスドルフ・ベシコビッチ次元を有する、幾何形状の粒子を指す。
【0019】
「化粧品的に許容されるビヒクル」という表現は、人間の皮膚などのケラチン物質と相溶性である媒質を指す。
【0020】
実際の測定値の具体的な例が提示されている場合を除き、本明細書において言及する数値は「約」という語によって修飾されているとみなさなければならない。
【0021】
用語「a」及び「an」は、本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いる場合、本明細書の中で別様に指示していない限り、「1つ以上」を意味する。
【0022】
本明細書において言及するすべての百分率及び比率は、別様に指示されていない限り、全組成物(すなわち、存在するすべての組成物)の重量による百分率及び比率である。
【0023】
フラクタル粒子
第一の必須成分は、所定のpHで反対の表面電荷を有する第一及び第二のサブミクロンサイズのフラクタル粒子を有するゲルネットワークである。図1を参照して、7〜8未満のpHにおいて、金属酸化物であるシリカ及びアルミナは、反対の表面電荷又はゼータ電位を有する。フラクタルゲルを形成する第一又は第二フラクタル粒子は、最も典型的には、異なる屈折率を有する。
【0024】
前記フラクタルゲルを形成する第一又は第二フラクタル粒子は、同じ電荷を有する2つ以上の異なるフラクタル粒子を、それぞれ含むことがある。同じ電荷を有するこれらの2つ以上の異なる第一(又は第二)フラクタル粒子は、異なるサイズ、異なる正味の表面電荷(しかし、同じタイプのもの)、又は異なる屈折率を有することがある。
フラクタル粒子の幾何形状の簡単な説明は、以下のとおりである。
【0025】
フラクタルな物体は、反復的自己相似を特徴とする。一般に、フラクタル性は、数学的には、
Y=c (1)
という形をとる指数法則関係によって説明することができ、この式中のcは定数である。従って、データが指数法則関係に従う場合、log(X)に対するlog(Y)のプロットは、傾きdを有する直線を与えることとなる。
【0026】
類似に、ハウスドルフ・ベシコビッチ次元の一類である自己相似フラクタルは、異なる長さスケールで自己相似性である物体に依存する。この指数法則は、この場合(下記):
A=(1/s) (2)
と一致し、この式中のAは、同一部分の数であり、sは、縮小率であり、Dは、そのフラクタルの自己相似次元測度である。方程式2は、次のようにアレンジすることができる。
【0027】
D=log(A)/Log(1/s) (3)
例えば、単位正方形の辺を半分に分割して4個にする。従って、A=4、s=1/2、故に、Dは2である。同様に、シェルピンスキーガスケットでは、元の三角形の辺を半分にし、3個の三角形を形成する。従って、A=3、s=1/2、及びD=1.5850。比較上、単位線分を考える。線を半分に分割すると、2つの等しい部分が生じるなど。従って、A=2、s=1/2、D=1。注意すべき重要なことは、線がフラクタルでないにもかかわらず、Dの値がその線の位相次元と一致することである。従って、フラクタルは、ハウスドルフ・ベシコビッチ次元がその位相次元より大きい物体である。
【0028】
さらに、フラクタルは、それらの自己相似性に従って分類することができる。フラクタルで表される自己相似性には3つの基本タイプがある。完全自己相似性(exact self−similarity)(最も強いタイプの自己相似性)。このフラクタルは、異なる長さスケールで同一であるように見える。このタイプのフラクタルは、完全自己相似性を表示することによって説明される。
【0029】
準自己相似性(quasi−self−similarity)(非完全形の自己相似性)。このフラクタルは、異なる長さスケールでほぼ同一であるように見える。準自己相似フラクタルは、歪んだ及び変性したコピーから成る。
【0030】
統計的自己相似性(statistical self−similarity)(最も弱いタイプの自己相似性)。このフラクタルは、長さスケール全体にわたって保存される統計的測度によって説明される。ランダムフラクタルは、統計的自己相似であるが、完全自己相似及び準自己相似でない、フラクタルの例である。フラクタルの類似の性質は、数学的関数によって説明することもできる。
【0031】
対象となる大部分のフラクタルな物体は、容易に分かる自己相似性を有さない。したがって、その物体のフラクタル次元を決定するための従来の方法は、ボックスカウント法である。この方法は、広く用いられており、画像分析によるフラクタル次元の物体の直接測定法である。次元が分かっているグリッドに物体の画像を投影する。その後、その画像が接しているブロックの数を数える。このデータから、ブロック数(N)及びブロックサイズ(縮小率、s)が得られる。グリッドのサイズを変更し、このプロセスを繰り返す。方程式3を用いて、x軸がlog(s)であり、y軸がlog(N(s))であるデータのプロットから、値Dの傾きを得る。
【0032】
画像解析は、微粒子のフラクタル次元の評価に特に有用である。具体的には、透過電子分光法(TEM)が、複雑な微粒子構造のフラクタル次元の評価によく適している。より大きな凝集体構造を形成する、重なり合っていない一次粒子から成るフラクタル粒子は、特に興味深い。典型的に、この性質の粒子は、ヒューミングプロセス又は複合沈殿プロセスによって製造される。
【0033】
より小さな一次粒子の凝集体から成る粒子のマスフラクタル次元の評価には、凝集体あたりの一次粒子の数の決定が必要である。典型的に、これは、デジタル撮像処理技術を用いるTEM顕微鏡写真の評価によって達成される。凝集体あたりの一次粒子の数(N)は、凝集体の投影面積(Aa)を単量体ユニットの投影面積(Am)で割ることによって決定する:
【0034】
N=(Aa/Am)α (4)
(式中、αは、経験的フィッティングパラメータであり、典型的に1.0〜1.1である)。従って、ハウスドルフ次元は、一次粒径(dp)と断面二次半径(Rg)と一次粒子の数(N)との関係によって、凝集体のフラクタル次元(Df)が表されることを含意する:
【0035】
N=kf(Rg/dp)Df (5)
(式中、kfは、定数フラクタルプレファクターである)。log(Rg)に対するlog(N)のプロットにより、傾きDfの線形プロットが得られる。ヒューミングプロセスによって得られる本発明のフラクタル粒子の典型的なDf値は、1.5〜1.9の範囲にわたり、一方、沈殿プロセスによって得られる本発明のフラクタル粒子は、2〜2.8の範囲にわたる。
【0036】
レオロジー測定及び光散乱測定に基づく追加の試験方法を用いて、フラクタル粒子の次元数を解明することができる。
適するビヒクル中での前記第一フラクタル粒子と第二フラクタル粒子(本明細書では、以後、正のフラクタル粒子及び負のフラクタル粒子とも呼ぶ)の混合は、正電荷を有する粒子の電荷中和にかんがみて、ゲル化を生じさせる。さらに、これらの粒子のフラクタル性の結果、多孔質マトリックス構造が生じ、これは、そのフラクタルネットワークの軽量補充物を受け取るしわ、すじ及び他の欠点を隠す本発明のフラクタルゲルの能力を、強化する。本フラクタルゲルは、網状構造を有するので、皮膚の欠点を埋めるために極わずかしか必要とされない。もう1つの実施形態において、本フラクタルゲルの多孔質マトリックス構造は、本明細書に記載するような活性物質を1つ以上受け入れることができる。
【0037】
有効にしわを埋め、皮膚の欠点を隠すように、フラクタル粒子のサイズ領域及び屈折率を選択する。フラクタル粒子ネットワークは開放構造を形成し、それが表面平滑化効果をもたらす。したがって、本組成物は、自然でなめらかな若々しい外観と、しわ及び皮膚の欠点の目に見える減少をもたらす。
【0038】
それぞれの粒子タイプの水性分散液を組み合わせることにより、電荷中和の結果として、高構造化ゲルネットワークが形成される。典型的に、本フラクタルゲルは、そのフラクタルゲルの約5重量%から約75重量%の間、好ましくは約10〜40重量%、最も好ましくは約20〜40重量%の固体フラクタル粒子を含むことができる。場合によっては、前記粒子は、製造業者により分散液として供給される。適する市販金属酸化物分散液は、Cab−o−Sperse(商標)PG01、PG063、PG003、PG0042、及びAeroDisp(商標)W1836、W630であり、これらは、それぞれ、Cabot Corporation及びDegussaによって供給されている。非水性ゲル相を形成するために使用することができる非水性分散液を提供することもできる。このような分散媒質は、フラクタル粒子の表面電荷を維持することができなければならず、典型的に、安息香酸テトラブチルアンモニウムなどの微量の電荷調節剤を必要とするので、電荷中和が発生する。使用することができる、適する分散媒質は、炭化水素、例えばヨードデカン、単純エステル、及びシリコーン液、例えばシクロメチコーンである(非特許文献1);(非特許文献2);(非特許文献3);(非特許文献4);(非特許文献5)。
【0039】
所望の効果を達成するいずれの適する金属酸化物フラクタル粒子又はそれらの誘導体を利用してもよい。好ましくは、前記無機ナノ粒子は、約50〜300nmの間、好ましくは約100〜250nm、及びさらに好ましくは約125〜200nmの直径を有するフラクタル金属酸化物粒子である。ここで用いる場合、直径は、そのフラクタル粒子を取り囲む球体の直径を指す。直径は、当該技術分野において公知の方法、例えば、光散乱及びTEMによって決定することができる。さらに、それぞれのナノ粒子タイプは、約50から400m/gの間、及びさらに特に約100から250m/gの間の粒子表面積を有する。このナノ粒子のフラクタル次元は、約2.7未満であり、好ましくは約1.2から2.5、さらに好ましくは約1.5から2.2の範囲にわたる。一般に、フラクタル次元が減少するにつれて、そのゲル中の固体の濃度は減少し、ならびに表面積が増加するにつれて、フラクタル次元はまた減少する。
【0040】
一般的ではないが、フラクタル有機粒子は公知であり、本発明に従って使用することができるが、必要表面電荷特性を満たすことを条件とする。例えば、有機ポリアクリレート及びそれらの誘導体は、フラクタル次元数を有し、表面電荷を有し得る。好ましい有機ポリアクリレート粒子は、ラウリルメタクリレート/ジメチルアクリレートクロスポリマーである(Amcol Health and Beauty Solutionsから入手できる)。
【0041】
前記フラクタル粒子は、シリカ、アルミナ、チアニア、ジルコニア、酸化亜鉛(sinc oxide)、インジウム錫酸化物、セリア、及びこれらの混合物から成る群より選択することができる。金属酸化物粒子が次元の点でフラクタルである場合、ヒューミングプロセス又は沈殿プロセスの一部として、粒子を形成することができる。アルミナが、可視スペクトルで高い拡散透過率、高い反射率、高い散乱反射率及び低い総合反射率をもたらすことは公知であり、好ましい第一フラクタル粒子である。シリカは、一般的な化粧品媒質、特に、シリコーン油に実質的に整合可能な屈折率を有するので好ましい。図1に示すように、大部分の化粧品配合物のpH値で、すなわち約7〜8より低いpHで、アルミナのものと反対である正味の表面電荷を有するシリカを利用することができる。従って、シリカは、特に約7〜8未満の組成物pHでアルミナと併用するとき、好ましい第二フラクタル粒子である。
【0042】
適するフラクタル粒子の例としては、商品名AerosilでDegussaによって販売されているヒュームドシリカ(親水性及び疎水性ヒュームドシリカ、例えば、Aerosil R−900シリーズを含む)、A380(商標)ヒュームドシリカ(Degussa製)、OX50(商標)(Degussa製)、コロイド状シリカ、例えばCabosil(商標)系列(Cabot製)、ヒュームドアルミナ、例えばSpectrAl(商標)(Cabot製)、及びヒュームドチタニアが挙げられるが、これらに限定されない。ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチアニア(Degussa W740X)、ヒュームドジルコニア(Degussa W2650X、W2550X)、ヒュームドセリア(Degussa Adnano)、ヒュームド酸化亜鉛(Degussa Adnano)、ヒュームドインジウム錫酸化物(Degussa Adnano)又はこれらの混合物が好ましい。
【0043】
本発明の化粧品組成物は、その化粧品組成物の約1〜100重量%のフラクタルゲルを含むことができる。この広い範囲は、異なるタイプの化粧品及び様々な製品形態(すなわち、ゲル、エマルジョン及び分散液)の範囲を表す。典型的に、前記フラクタルゲルは、少なくとも約5%、及びさらに典型的には10%より多くのフラクタルゲルである。本発明の化粧品組成物中のこのゲルの量も後で論じる。有用なフラクタルゲル組成物としては、アルミナとシリカ、チタニアとシリカ、ジルコニアとシリカ、及び中に記載する微粒子の他の組み合わせを挙げることができる。
【0044】
典型的な実施形態において、アルミナのシリカに対する重量比は、1:1から9:1であり、水中の分散液として存在し、この場合、アルミナの表面積は、50から200m/gの間であり、シリカの表面積は、約300から400m/gの間である。適するゲルは、Spectral 51又はSpectral 80(Cabot Corporation)ヒュームドアルミナ及びCab−o−Sil M5、Cab−o−Sil EH−5を使用することによって形成することができる。図2は、SiO及びAl粒子の水性分散液からのゲルネットワークの形成を図示するものである。この分散液において、SiO粒子及びAl粒子は、高網状構造が生じさせるそれぞれの粒子のフラクタルな幾何形状にかんがみて、互いに離れた空間にあることが分かる。さらに、金属酸化物の分散液は、ゼータ電位測定によって決定されるようなそれらの表面電荷特性に基づいて選択することができる。
【0045】
荷電粒子は電気泳動を受ける。すなわち、電場が存在する状態では、荷電粒子は、それらが分散されている液体媒質に関連して移動する。前記粒子と前記液体の間の領域は、剪断面として知られている。この剪断面での電位をゼータ電位と呼ぶ。この電位の大きさ及びサインは、市販の装置を使用する実験に基づいて決定することができる。典型的に、コロイドの安定性を獲得する(すなわち、凝集を防止する)ために、荷電粒子は、およそ25mVの最小ゼータ電位を有する必要がある。
【0046】
フラクタル粒子の選択は、所定のpHでのゼータ電位の大きさ及びサイン(正又は負)に基づいて行うことができる。好ましくは、それぞれの粒子タイプのゼータ電位の大きさ及びサインは、併せたときに非沈降性の半硬質ゲル構造を形成するような、十分な大きさ及びサインである。第一粒子タイプの好ましい分散液は、約+10mVから+50mV、さらに好ましくは+10mVから+30mV、及び最も好ましくは+15mVから+25mVのゼータ電位値を有する。第二粒子タイプの好ましい分散液は、約−10mVから−50mV、さらに好ましくは−10mVから−30mV、及び最も好ましくは−15mVから−25mVのゼータ電位値を有する。さらに、金属酸化物のゼロ電荷点(等電点)の評価は、表1に列挙するような、対象となる金属酸化物の予備選択に有用である。
【0047】
粒状分散体の表面電荷
分散されたコロイド粒子上の電荷の存在は、次の2つの主メカニズムによって発生する:イオン形成性表面基の解離又は優先的吸着。それぞれのメカニズムが同時に発生する場合もあり、独立して発生する場合もある。粒子の表面の酸性基の解離は、負電荷を有する表面を生じさせる。反対に、塩基性表面基の解離は、正電荷を有する表面を生じさせる結果となる。両方の場合、表面電荷の大きさは、その酸性又は塩基性基の強度、及びその溶液のpHに依存する。表面イオン化を抑制することにより、表面電荷をゼロ(等電点)に減少させることができる。これは、負電荷を有する粒子の場合はそのpHを低下させることによって、又は正電荷を有する粒子の場合はそのpHを上昇させることによって達成することができる。さらに、負電荷を有する粒子の分散液にアルカリを添加すると、それらの粒子は、より大きな負の電荷を有するようになる傾向がある。この分散液に酸を添加すると、粒子上の電荷を中和する点に達することとなる。その後の酸の添加は、その粒子上に正電荷を蓄積させることとなる。
【0048】
表面電荷の変更
荷電粒子表面に特異的にイオン及びイオン性界面活性剤を吸着させることができる。カチオン性界面活性剤の場合、吸着は正電荷を有する表面をもたらし、アニオン性界面活性剤の場合、吸着は負電荷を有する表面をもたらす。一価又は多価無機イオン(例えば、Na、Al+3)の吸着は、次の2つ方法のうちの1つで荷電表面と相互作用することができる:所定のpHでの電荷の大きさの減少;等電点(中性電荷点)のpHの変更。粒子表面へのイオンの特異的吸着は、低濃度ででさえ、表面電荷に対して劇的な影響を及ぼし得る。場合によっては、特定のイオン吸着が、その表面の電荷反転をもたらすこともある。粒子分散液への界面活性剤又は特定のイオンの添加は、表面電荷特性を変性するための一般的な方法である。
【0049】
【表1】

【0050】
例証として、図3を参照して、しわ及び小じわによって作られる凸凹な表面がどのように光を「捕捉し」、その結果、位相的特徴を悪化させるかを示す。図4を参照して、本発明の組成物は、小じわ及びしわを埋め、入射光に対して平滑な表面をもたらす。
【0051】
ゲル構造の物理的配列、高い粒子負荷量及びネートワーク形成は、任意のファンデーションのトップコート塗布のために平滑な表面をもたらす。図5を参照して、平滑化ゲル層は、着色化粧品用のプライマーとして使用すると、若見せ効果をもたらす。光がこの平滑化層を通ると、着色層による拡散反射率によって、ファンデーションを明るくしてより自然な外観をもたらす「背面照明」効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】pHの関数としての様々な金属酸化物のゼータ電位のプロット図である。
【図2】アルミナ及びシリカの水性分散液からのゲルネットワークの形成を図示する。
【図3】光を捕捉して位相的特徴を悪化させる、小じわ及びしわによって作られる凸凹のある表面を図示する。
【図4】凸凹のある皮膚表面の上の平滑化ゲルを図示する。
【図5】本化粧品組成物の光学特性に対して正規化した着色化粧品のためのプライマーとして使用したときの平滑化ゲル層を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0053】
化粧品組成物
本発明の化粧品組成物は、単相水性又は非水性組成物として配合することができる。好ましくは、本発明の化粧品組成物は、エマルジョンとして配合される。これらのエマルジョンは、水中油型(水中シリコーン型を含む)エマルジョンである場合もあり、油中水型(シリコーン中水型を含む)エマルジョンである場合もあり、又は複合エマルジョン、例えば、油中水中油(o/w/o)型又は水中油中水(w/o/w)型である場合もあるが、好ましくは、水中シリコーン型エマルジョンである。油相が、シリコーン油、非シリコーン有機油、又はこれらの混合物を含む場合があることは理解される。好ましくはないが、本組成物は、使用時に振り混ぜることによって混合する2つの不混和性相を含む場合もある。
【0054】
本発明のフラクタル粒子を含むゲル相に加えて、本発明の組成物は、皮膚に皮膜及び/又は1つ以上のアジュバントもしくは賦形剤(本明細書ではアジュバント及び賦形剤を総称してアジュバントと呼ぶ)として塗布したときに皮膚に化粧的恩恵をもたらすことに適している、化粧品に特定の望ましい物理的特性を付与することに適している、製品性能要件を満たすことに適している、又は組成タイプ、例えばエマルジョン(特定のタイプのもの)、溶液など、を確立することに適している1つ以上の活性成分を含むことができる。前記活性成分及び/又はアジュバントは、所望に応じて、又はその化学系による要求に応じて、ゲル相に存在する場合もあり、別の相に存在する場合もあり、又は両方に存在する場合もある。
【0055】
適する活性物質としては、皮膚又は他の生体表面に色を付与するための顔料;不透明剤及び光拡散剤;日焼け止め;UV線吸収剤;皮膚軟化剤;保湿剤;閉塞剤;抗酸化物質;剥脱剤;抗酸化物質;抗炎症薬;美白剤;研磨剤;抗にきび薬;ヘアトリートメント剤;保湿剤;皮膚軟化剤;潤い付与剤;抗しわ成分;コンシーラー;艶消し仕上げ剤;タンパク質;抗酸化物質;ブロンザー;溶剤;紫外線(UV)吸収剤;油吸収剤;中和剤が挙げられる。任意の他の化粧品的に許容される成分、すなわち、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第10版(本明細書では、以後、INCI)に含まれているもの、を使用してもよく、それらの相溶性の組み合わせを使用してもよいことは、当業者には理解される。
【0056】
適するアジュバントとしては、皮膜形成剤;溶剤;粘度及びレオロジー調整剤、例えば増粘剤;界面活性剤(乳化剤を含む);ヒドロトロープ;エマルジョン安定剤;可塑剤;補充剤及び増量剤;pH調節剤(緩衝液、酸及び塩基を含む);キレート剤;結合剤;噴射剤;芳香剤;保存薬及び抗菌剤、ならびにこれらの相溶性の組み合わせが挙げられる。
【0057】
本発明の化粧品組成物での使用に適する活性物質及びアジュバントは、The International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(一般に、INCI)(第10版、2006)(Cosmetic,Toiletries and Fragrance Association)の中に作表されている。一般に、特定の材料への言及にはINCI採用名目録を利用する。前記活性物質及びアジュバントは、化粧品技術分野の技術者がよく知っているような所期の機能をもたらす量で、本発明の組成物に添合される。一般に、この量は、本組成物の約0.001から25重量%、さらに通常は0.01から15重量%、及び特に0.1から10重量%である。
【0058】
本化粧品組成物は、化粧品分野では公知であるような高分子光拡散剤、例えば、ナイロン(例えば、CabotからSP−500及びOrgasol 2002(商標)として入手できるナイロン12)、ポリ(メチルアクリル酸)(PMMA又はメチルメタクリレートクロスポリマーとしても知られている;CAS No.25777−71−3)、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン/アクリル酸コポリマー(例えば、Koboによって供給されているEA−209)、及びフッ素化炭化水素、例えばテフロンを含有することがある。前記高分子光拡散剤、好ましくはナイロンは、本組成物の約0.01〜10重量%の間、好ましくは約0.1〜5重量%の範囲の濃度で存在する。無機光拡散剤、例えば、窒化ホウ素、硫酸バリウム及びシリケート(例えば、ホウケイ酸アルミナカルシウム)も使用することができ、これらは、典型的に、約0.01から約10重量%、好ましくは約0.1から約5重量%の量で存在する。
【0059】
本発明の化粧品組成物の粒子含量は、約1〜80%固体、好ましくは約3〜40%固体、さらに好ましくは約5〜30%固体の範囲にわたる。皮膚に塗布した場合の最終乾燥皮膜は、約1〜80%固体、好ましくは約5〜60%固体、さらに好ましくは約10〜40%固体を含有する。
【0060】
本発明の化粧品組成物は、組成物の粘度を調整するために、例えば、肌ざわりを向上させるクリーム、ペースト及びローションを作るために、増粘剤などの粘度調整剤を乳化剤と共に含有する場合がある。適する粘度調整剤は、デンプン;セルロース誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カチオン化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース;シリケート、例えば、ビーガム又はクレー;多糖類、例えば、キサンタン又はグアーガム;親水性ポリマー、例えば、カルボキシビニルポリマー、例えばカルボマーである。粘度/レオロジー調整剤は、本組成物の約0.1から約10重量%の量で本組成物中に存在し得る。
【0061】
化粧品乳化剤は、好ましくは、水中油型又は油中水型乳化剤である。好ましくは、その油相はシリコーン油であり、その乳化剤は、シリコーン乳化剤である。乳化剤は、約0〜10%、好ましくは約0.1〜6%、さらに好ましくは約3〜5%の濃度で存在し得る。適する乳化剤の非限定的な例は、モノステアリン酸グリセロール;PEG 12 Dimethicone(Dow Corning);RM 2−2051(商標)(Dow Corning);シリコーン(ジメチコーン及びシクロペンタシロキサン)に乳化させた水性ポリアクリレートのエマルジョン;アルキルメチルシロキサンコポリオール(Dow Corning 5200);PEG 11メチルエーテルジメチコーン(信越化学工業株式会社(Sin Etsu);シクロペンタシロキサン/PEG/PPG 18/18ジメチコーン(Dow Corning 5225C)である。
【0062】
本発明の化粧品組成物は、非閉塞性皮膜形成剤、例えば、コスメティックフルイド、すなわち、様々な希釈剤中のエラストマーの様々な組み合わせを含有するシリコーン化合物を含有する場合があるが、これらに限定されない。適するコスメティックフルイドは、シクロペンタシロキサンとアミノプロピルジメチコーン(Cosmetic fluid 1486−NH)(Chemisil製)、シクロメチコーンとジメチコーン(Cosmetic fluid 1684−DM)(Chemisil製)、及び低粘度ポリジメチルシロキサンと高粘度ポリジメチルシロキサンのブレンド(例えば、Dow Corning 1413 Fluid(商標))(Dow Cornig)である。低粘度ポリジメチルシロキサンへの高粘度ポリジメチルシロキサンのブレンド(例えば、Dow Corning 1413 Fluid(商標))(Dow Corning)が好ましい。
一実施形態において、本化粧品組成物は、着色されていない。
【0063】
好ましい実施形態において、本化粧品組成物は、1つ以上の顔料を含有し、この顔料は、典型的に、フラクタルゲル相とは異なる相中に存在する。ここで使用する顔料は、無機顔料である場合もあり、及び/又は有機顔料である場合もある。本発明の化粧品組成物は、着色効果をもたらすために、その化粧品組成物の0.1重量%である又はそれより多い顔料を含む。好ましくは、前記顔料は、約0.25重量%から15重量%、最も好ましくは約0.1から10重量%存在し得る。前記顔料は、適切なサイズ領域を有さないため、適切な次元数を有さないため、又は荷電粒子でないため、本発明のフラクタル粒子ではない。本明細書において用いる場合、「顔料」という用語は、レーキ、及び単一の顔料又は顔料の組み合わせを含む。他の着色剤、例えば、D&C染料及びセルフタンニング剤、例えばカルボニル誘導体又は食品着色剤、例えばジヒドロキシアセトン(DHA)もしくはエリトルロースを使用してもよい。本明細書では顔料と着色剤を同義で用いている。
【0064】
好ましくは、前記顔料は、酸化チタン、例えばルチル形二酸化チタン、アナタース形二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、例えば酸化第二鉄、酸化第一鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化鉄アシルグルタミン酸塩、酸化クロム、水酸化クロム、オキシ塩化ビスマス、マンガンバイオレット、酸化セリウム、群青、カルミン、ならびにこれらの誘導体及び混合物から成る群より選択される。さらに好ましくは、前記顔料は、酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及びこれらの混合物である。前記顔料は、フラクタル粒子ネットワークと相乗相互作用するように、表面改質して疎水性又は親水性にすることができる。
【0065】
本化粧品組成物は、視覚的きらめき及び光沢を加えるために、又は触ったときのシルクのような触感のために、不透明剤(真珠光沢剤)、例えば、マイカ、絹雲母(白雲母の細粒状変種)を含む場合もあるが、これらに限定されない。これらの薬剤は、約0.1〜10%、好ましくは約0.5〜5%の量で存在し得る。
【0066】
本化粧品組成物は、展着及び潤滑特性のために基液として又はその化粧品組成物の1つ以上の他の成分のための媒質を提供するビヒクルとして有用な油相溶剤も含む場合もある。これらの溶剤としては、水、有機液、特にアルコール及び炭化水素液、シリコーン液、親水性及び疎水性ポリマーなどが挙げられ、これらは、約0.5〜90%、好ましくは約5〜50%、最も好ましくは10〜35%の濃度で存在し得る。好ましい油相溶剤は、シクロメチコーン、例えば、シクロテトラシロキサン(例えば、Cyclo−2244 Cosmetic Grade Silicone(D4))(Clearco製)、シクロペンタシロキサン(例えば、Cyclo−2245 Cosmetic Grade Silicone(D5))(Clearco製)、シクロペンタシロキサン/シクロヘキサシロキサンブレンド(D5/D6 Blend)Cyclo−2345 Cosmetic Grade Silicone(Clearco製)、及びシクロメチコーン/ジメチコノールブレンド(D5/D4 Blend)Cyclo−1400 Cosmetic Grade Silicone(Clearco製)である。D5がさらに好ましい。
【0067】
水は、典型的に、本組成物の約10重量%から約90重量%、好ましくは約40重量%から約80重量%、及び最も好ましくは約40重量%から約70重量%にわたる水の量で存在する。8個未満の炭素を有する低分子量アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ヘキサノールなど、及び多価アルコール、特にグリコールも、水性相溶剤として適する。適するグリコールは、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、及び1,2−オクタンジオールである。適する多価アルコールとしては、ソルビトール及びグリセリンが挙げられる。多価アルコールは、約1重量%から約50重量%、好ましくは5重量%から35重量%の量で存在し得る。
【0068】
場合によっては、塩化ナトリウムなどの電解質を、約0〜5%、好ましくは約0.5〜2%の範囲にわたる量で添加してもよい。
【0069】
さらに、本発明の組成物は、その組成物の所望のpHであって、それらのフラクタル粒子が必要な反対の正味の表面電荷を有するであろうpHをもたらすような量のpH調節剤を典型的に含有する。適するpH調節剤は、化粧品技術分野において周知であるような有機及び無機酸である。確立されたpHを維持するための緩衝液、例えば乳酸ナトリウム、を添合してもよい。
【0070】
本組成物に導入される他の化粧品活性物質及びアジュバントは、本発明に従ってここで得ようとする有利な効果に有害でない種類及び量のものでなければならないことは、さらに理解される。
【0071】
本発明の組成物は、単に光を反射して光沢のある外観を生じさせるもの、単に皮膚をカバーし、皮膚に白い色合いをもたらすもの、又は結果として視覚的ぼかし又は空間補充のいずれかを生じさせるが、両方は生じさせないものと比較して、化粧品組成物の皮膜の光学特性を改善する。結果として生ずる組成物は、皮膚に塗布したとき、皮膚をより若々しく、よりなめらかに、及び色合いの点では均一に見えるようにする。
【0072】
本化粧品組成物は、パウダー、ケーク、ペンシル、スティック、軟膏、クリーム、ミルク、ローション、液相、ゲル、エマルジョン、乳化ゲル、ムース、フォーム、スプレー、ワイプをはじめとする様々な形態をとることができる。好ましくは、本化粧品組成物は、リキッド又はパウダーファンデーションで使用される。
【0073】
前記フラクタルゲルは、化粧品的に許容されるビヒクル、例えば、液体(例えば、懸濁液又は溶液)、ゲル、エマルジョン、乳化ゲル、ムース、クリーム、軟膏、ペースト、セラム、ミルク、フォーム、香膏、エアロゾル、リポソーム、固体(例えば、プレスドパウダー)、無水油剤及びワックス組成物(しかし、これらに限定されない)に添合することができる。好ましくは、本化粧品組成物は、リキッド又はパウダーファンデーションで使用される。より具体的には、前記化粧品としては、顔用スキンケア化粧品、例えばスキンローション、スキンミルク、スキンクリーム、ゲル、及びメイクアップ用品、例えばファンデーション、ファンデーションプライマー下地、ブラシ、リップスティック、アイシャドー、アイライナー、ネイルエナメル、コンシーラー、マスカラ、ボディー化粧品、及び日焼け止めが挙げられる。
【0074】
使用方法
本明細書で開示し、特許請求の範囲に記載する化粧品組成物についての使用方法は、皮膚の美観の改善に関係するものであり、また次のものを含むが、それらに限定されない:特に顔、首における又は唇領域もしくはその周辺における、しわ、小じわ、毛穴、皮膚の欠点のうちの1つ以上を隠す方法;皮膚の欠点、例えば、しみ、そばかす、赤み、スパイダーベイン、及び目の周りのくまをなくす方法;皮膚の色調を強化又は改善する方法;化粧の仕上がりを改善する方法;ならびに毛髪、まつげ及び眉毛に塗布するための方法。
【0075】
本発明の組成物は、上で述べたようなフラクタルゲルによって示される独特なレオロジー特性にかんがみて、毛髪用化粧品としての、特にマスカラとしての使用に適する。従って、本発明の組成物は、剪断下で易流動性であり、このことがブラシ又は適する塗布具での塗布を可能にする。剪断を除去すると、急速に本組成物はより粘稠なゲル状態に戻る。本組成物はフラクタルである、すなわち、幾何学的形状を維持することができる多孔質網状構造であるので、毛髪をコートすることができ、ボリュームを出す利点をもたらすことができる。従って、本組成物は、特に、(前に説明したような)皮膜形成剤と配合したとき、マスカラとして理想的であり、ならびに薄毛を処置するための毛髪用ボリューム付与剤(hair volumizer)として理想的である。
【0076】
本発明のフラクタルゲルを使用して改善することができる顔のしわ及び皮膚の欠点の例としては、これらに限定されないが、眉間のしわとして知られている眉毛の間に走る眉間じわ;口の上の縦じわである口周囲のしわ、すなわちスモーカーズライン;口交連として知られている口角のマリオネットライン;額を横に走る苦労じわ(worry lines);眼窩周囲のしわとして知られている目の端のカラスの足跡;鼻唇溝として知られている鼻の側面から口角へと走る深いほうれい線(deep smile lines);ゴルゴ線(cheek depressions);にきび瘢痕;一部の顔面瘢痕;創傷又は火傷瘢痕;ケロイドが挙げられ;目の周りのくまを減少させるために;毛穴又はきず、加齢じみ、ほくろ、あざのある外観を低減するために;唇の縁取りを再び規定するために;人工的タンニング又はセルフタンニングために;及び皮膚の色調のむら又は鈍さを低減するために本発明のフラクタルゲルを使用することができる。
【0077】
一実施形態において、本発明のフラクタルゲルは、これらに限定されないが、ファンデーション製品、仕上げパウダー、ブラッシャー、コンシーラー、スキンケア製品、マスカラ、リップ製品などに有用な展着性で流動性で非油性の化粧品組成物である。これをスキンケア又はメイクアップ配合物に、効率的にぼかすために十分な量で添合する。もう1つの実施形態において、前記固体組成物は、固体様自己支持体を有するように実質的にゲル化されている。
【0078】
当業者は、使用する成分の性質及びその組成物の所期の用途を考慮に入れて、一般的な知識に基づき、適切な提示形態及びまたそれを作成する方法を選択することができる。
【0079】
小じわ及びしわは、顔のどこにでも存在し得るが、唇の上及び目領域に最も頻繁に発生する。しかし、しわ、小じわ、毛穴及び皮膚の欠点を減少させるなどのぼかし効果が望まれる身体の任意の部分に本組成物を塗布することができることは、当業者には理解される。非限定的な例としては、皮膚における欠点を隠蔽すること、例えば、セルライト又は白斑がある外観を隠すこと、クモ状血管、ほくろ、加齢じみ、きず、にきび痕及び瘢痕、そばかす、母斑及び静脈瘤がある外観を隠すこと、外傷、例えば、美容外科手術、火傷、皮膚の伸張の結果として皮膚が受けた損傷を隠蔽すること、皮膚の柔毛(villus hair)がある外観を隠蔽すること、皮膚にUV防護をもたらすことが挙げられる。
【0080】
本組成物は、この場合、安全で有効な量の本組成物をそれらの皮膚領域に局所的に塗布することによって使用することができる。それぞれの使用者が、その有効な量を容易に決定できる。
【0081】
本明細書において用いる場合、「安全で有効な量」という用語は、このフレーズによって説明される化合物、組成物又は他の材料についての、当業者の信頼できる判断の範囲内で過度の副作用(例えば、有意な皮膚刺激又は増感)を回避するために十分低いが、皮膚の外観の空間補充を有意に誘導するために十分な量を指す。前記化合物、組成物又は他の材料の安全で有効な量は、処置する特定の皮膚、処置する生物被験者の年齢及び身体の状態、その皮膚の状態の重症度、処置の継続期間、併用療法の性質、利用する具体的な化合物、組成物又は他の材料、利用する特定の化粧品的に許容される局所用担体、ならびに当業者の知識及び専門技術の範囲内の要因によって変わり得る。
【0082】
本組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、任意の間隔で、1回、2回又はそれより多くの回数、塗布することができる。本組成物は、一般に、軽いマッサージによって皮膚にその組成物を塗布する。しかし、塗布方法は、当該技術分野において公知のいずれの方法であってもよいので、上述の方法に限定されない。必要な場合には、石鹸及び水又は他の化粧用クリーナーを使用して本組成物を除去することができる。
【0083】
本発明は、皮膚の治療的処置のための方法にも関する。本発明のフラクタルゲルを、これらに限定されないが、抗にきび薬、セルフタンニング成分、抗炎症薬、抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗酵母薬、目の治療薬、鎮痛薬、抗ふけ及び抗脂漏薬、過角質溶解剤(hyperkeratolytics)、抗乾癬薬、美白剤、薬剤、創傷治癒薬、火傷治療薬、タンニング剤、ヘアトリートメント剤、発毛製品、いぼ除去剤、かゆみ止め(antipuretics)及びホルモンをはじめとする、医薬組成物と一緒に又は該医薬組成物に付随して、治療薬と一緒に使用してもよい。
【0084】
本発明のフラクタルゲルは、これらに限定されないが、皮膚軟化薬、日焼け止め、加齢じみの治療剤、脱色剤、老化防止剤、例えば剥脱剤、抗グリケーションエンドポイントブロッカーなどをはじめとする化粧用薬剤と一緒に使用してもよい。特に、日焼け止め及びUVフィルターは、一般に、有害な太陽光線による加齢プロセスの悪化を防ぐためのスキンケア製品において、重要な化粧品活性成分である。これらの活性成分は、典型的に、2から約50、好ましくは約6から約30のSPF値をもたらす量で存在する。
【0085】
当業者は、使用する成分の性質及びその組成物の所期の用途を考慮に入れて、一般的な知識に基づき、適切な提示形態及びまたそれの作成方法を選択することができる。
【0086】
上記組成物を含むキットも考えられる。本発明の組成物を、別々に含むように包装することができ、又は容器、説示又は説示パンフレットと一緒にキットの形態で含むように包装することができる。
【0087】
調製
本発明の方法に有用な組成物は、一般に、従来の方法、例えば局所組成物を製造する技術分野において公知の方法、によって調製することができる。このような方法は、典型的に、加熱、冷却、真空の適用などを伴う又は伴わない1つ以上の段階で成分を混合して比較的均一な状態にすることを含む。典型的に、本フラクタルゲルは、適切な溶剤(分散剤)中のそれぞれのフラクタル粒子の分散液の調製、pH調節剤でのその分散液のpHの調節、及びゲルの形成を可能にする剪断を用いるそれらの分散液の混合によって製造する。場合によっては、成分の特性のために、分散剤の一方又は両方を予熱する必要があることもある。前記pH調節剤は、それぞれの分散液に個々にではなく、混合した分散液に供給することもできる。化粧品技術分野において一般に知られているように、一定のアジュバントは、溶剤とのプレミックスとして添加する必要がある場合がある。結果として得られたゲルは、そのまま利用することができ、ならびにそれ自体が、皮膚の欠点を隠すためのスキンケア又はメイクアップ組成物を構成する場合もある。
【0088】
あるいは、前に述べたような多相化粧品組成物に本フラクタルゲルを添合することもできる。他の相は、公知の方法に従って、例えば、本フラクタルゲルと併せるためにそれらの成分の1つ以上のプレミックスを形成することによって、調製することができる。前に述べたように、この他の相にそのポリマーの全体を添合してもよいし、又は一部分を添合してもよい。プレミックスを高温で形成した場合、エマルジョンを作るために組成物を適切に冷却する必要があるだろう。
【0089】
以下の実施例は、本発明を例証し、当業者に本方法を説明するために、特定の態様を説明するものである。これらの実施例は、本発明及びその様々な態様の理解及び実施に有用な特定の方法論を単に提供するものであるので、本発明を限定するものとみなすべきではない。
【0090】
本発明のある好ましい及び代替実施形態を本発明の開示のために記載してきたが、これらの開示した実施形態の変形例が当業者には思い浮かぶはずである。
(実施例)
【実施例1】
【0091】
フラクタルゲル
以下実施例は、フラクタルゲルネットワークを形成するための高表面積微粒子と低表面積微粒子の併用を例証するものであり、限定するためのものではない。
【0092】
【表2】

【0093】
前記粒子分散液は、冷却ジャケットを装備した高剪断ミキサーを使用して製造する。水(合計の75%)及びグリコール酸をそのミキサーに添加した。高剪断下、シリカをゆっくりと添加した。シリカを添加したら、その分散液を高剪断下で5分間、混合させた。最後に、残りの25%の水を添加し、高剪断下でさらに5分間、混合させた。水酸化ナトリウム又は水酸化アンモニウムなどの塩基性塩溶液を使用して、その分散液の酸性度をpH4にした。それぞれの粒子分散液を同様に製造した。さらに、高速ミキサーを使用してそれぞれの粒子分散液の所定量をブレンドして、ゲルの所望のシリカ及びアルミナ含量を獲得した。混合したら、その後、その得られたゲルを適する化粧品用担体とブレンドした。
【実施例2】
【0094】
下の表3は、水中油型エマルジョンに添合したフラクタル粒子ゲルの化粧品組成物の例を提供するものである。
【0095】
【表3】

【0096】
表3についての実施例IからVIIの配合物は、次のとおり調製する:下に記載する手順に従って、成分を混合する。
【0097】
水中油型エマルジョンを次の方法で作る。水性成分を1リットルビーカーの中に入れ、その後、ホットプレートを使用して120°Fに加熱する。高速均質化ヘッド(乳化スクリーンを使用する3/4管形インペラ)を装備したホモジナイザー(Silverson L4RT)を使用して3600rpmでその水性組成物を混合する。油相の成分を別の1リットルビーカーに添加し、水性組成物への添加前に入念に混合する。その油相を(5000rpmより高い)高剪断混合下でゆっくりと添加し、120°Fにし次第、30分間混合する。そのエマルジョンを低剪断、3000rpm下で放置して室温に冷却する。冷却したら、そのエマルジョン組成物を低剪断、200〜400rpm下で、所定量のフラクタル粒子と混合する。その得られたメイクアップ組成物は、その後、すぐに包装できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のpHで反対の表面電荷である第一フラクタル粒子と第二フラクタル粒子とを含むフラクタルゲルを含む、生物学的基体に塗布するための化粧品組成物。
【請求項2】
エマルジョンである、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記エマルジョンが、水中油型エマルジョンである、請求項2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記エマルジョンが、水中シリコーン型エマルジョンである、請求項3に記載の化粧品。
【請求項5】
前記フラクタル粒子が、約50〜300nmの間の直径を有する、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記フラクタル粒子が、約100〜250nmの間の直径を有する、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記フラクタル粒子が、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタニア、ヒュームドジルコニア、ヒュームドセリア、ヒュームド酸化亜鉛、ヒュームドインジウム錫酸化物、及びこれらの混合物から成る群より選択される金属酸化物粒子である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記フラクタル粒子が、その組成物の約5重量%から約80重量%を構成する、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
溶剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記溶剤が、水、有機液、シリコーン液、親水性及び疎水性ポリマーから成る群より選択される、請求項9に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
ナイロン、ポリ(メチルアクリル酸)、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン/アクリル酸コポリマー、フッ素化炭化水素、シリケート及びシリコーン、ならびにこれらの混合物及び誘導体から成る群より選択される高分子光拡散剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
その組成物の約1重量%から約85重量%の粒子含量をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
その組成物の約10重量%から約40重量%の粒子含量をさらに含む、請求項12に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
皮膜形成剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
前記皮膜形成剤が、シクロペンタシロキサンならびにアミノプロピレンジメチコーン、シクロメチコーン及びジメチコーン、ならびに低粘度ポリジメチルシロキサンと高粘度ポリジメチルシロキサンのブレンドから成る群より選択される、請求項20に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
顔料をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項17】
乳化剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項18】
前記乳化剤が、水中油型乳化剤を含む、請求項17に記載の化粧品組成物。
【請求項19】
前記水中油型乳化剤が、シリコーン乳化剤を含む、請求項18に記載の化粧品組成物。
【請求項20】
電解質、水、保湿剤、皮膚軟化剤、潤い付与剤、抗しわ成分、コンシーラー、艶消し仕上げ剤、顔料、タンパク質、抗酸化物質、キレート剤、溶剤、乳化剤、日焼け止め、紫外線吸収剤、油吸収剤、芳香剤、保存薬、pH調節剤、及びこれらの組み合わせから成る群より選択される1つ以上の成分をさらに含み、該成分が、それらの所期の機能をもたらす量で存在する、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項21】
a)所定のpHで反対の表面電荷を有する2つ以上のタイプのフラクタル粒子のフラクタルゲルネットワークと;
b)顔料と;
c)皮膜形成剤と
を含む、ファンデーション組成物。
【請求項22】
パウダー、ケーク、ペンシル、スティック、軟膏、クリーム、ミルク、ローション、液相、ゲル、エマルジョン、乳化ゲル、ムース、フォーム、スプレー、ワイプ、液体(例えば、懸濁液又は溶液)、ペースト、セラム、ミルク、香膏、エアロゾル、リポソーム、固体(例えば、プレスドパウダー)、無水油剤及びワックス組成物から成る群より選択される形態である、請求項21に記載の化粧品組成物。
【請求項23】
a)所定のpHで反対の表面電荷を有する2つ以上のタイプのフラクタル粒子のフラクタルゲルネットワークと;
b)皮膜形成剤と
を含む、プライマー組成物。
【請求項24】
パウダー、ケーク、ペンシル、スティック、軟膏、クリーム、ミルク、ローション、液相、ゲル、エマルジョン、乳化ゲル、ムース、フォーム、スプレー、ワイプ、液体(例えば、懸濁液又は溶液)、ペースト、セラム、ミルク、香膏、エアロゾル、リポソーム、固体(例えば、プレスドパウダー)、無水油剤及びワックス組成物から成る群より選択される形態である、請求項22に記載の化粧品組成物。
【請求項25】
スキンローション、スキンミルク、スキンクリーム、ゲル、ファンデーション、ファンデーションプライマー下地、ブラシ、リップスティック、アイシャドー、アイライナー、ネイルエナメル、コンシーラー、マスカラ、ボディー化粧品、及び日焼け止めから成る群より選択されるスキンケア化粧品であるような、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項26】
皮膚及び唇用のメイクアップ組成物及び/又はケア組成物である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項27】
処置すべき皮膚の領域に請求項1に記載の組成物の有効量を塗布する段階を含む、しわ、小じわ、毛穴、皮膚の欠点及び皮膚のトポロジーのうちの1つ以上を減少させる及び/又は隠すことによって美観を向上させる方法。
【請求項28】
しわ、小じわ、毛穴、皮膚の欠陥及び皮膚のトポロジーのうちの1つ以上を減少させる及び/又は覆い隠すことによって美観を向上させる方法であって、
(a)処置すべき皮膚の領域に請求項16に記載の組成物の有効量を塗布することと;
(b)(a)の上に任意のファンデーションを塗布することと、
を含む、方法。
【請求項29】
処置すべき毛髪に請求項1に記載の組成物の有効量を塗布する段階を含む、毛髪の美観を向上させる方法。
【請求項30】
前記組成物が、皮膜形成剤及び顔料をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記毛髪が、少なくとも1本のまつげであり、前記化粧組成物の塗布が、まつげにボリュームを出す、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
a)請求項1に記載の化粧品組成物と;b)該化粧品組成物の使用方法に関する説示と;c)a)とb)の両方を収容することができる容器とを含む化粧用キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−513543(P2010−513543A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543003(P2009−543003)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/085170
【国際公開番号】WO2008/079559
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】