説明

新規M3ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニスト

ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニストおよびその使用方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、環状アミンの新規誘導体、医薬組成物、それらの調製方法ならびにMムスカリン性アセチルコリン受容体介在疾患の処置におけるそれらの使用に関連付けられる。
【0002】
(背景技術)
末梢および中枢神経系においてコリン作動性神経から放出されるアセチルコリンは、2つの主要な類のアセチルコリン受容体−ニコチン性およびムスカリン性アセチルコリン受容体との相互作用を介して、多種多様な生物学的過程に作用する。ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChRs)は、7回膜貫通型ドメインを有するG−蛋白質共役型受容体のスーパーファミリーに属する。mAChRsにはM−Mと呼ばれる5つのサブタイプがあり、それぞれ別個の遺伝子の産物である。これらの5つのサブタイプのそれぞれは、特有の薬理学的性質を示す。ムスカリン性アセチルコリン受容体は、脊椎動物の器官中に広く分布しており、そしてこれらの受容体は、阻害性および興奮性作用の両方を介し得る。例えば、気道、膀胱および胃腸管内に見られる平滑筋において、MmAChRsは収縮反応を介する。報文については、{Brown 1989 247/id}を参照のこと。
【0003】
ムスカリン性アセチルコリン受容体機能障害は、多種多様な病理生理学的状態において注目されてきた。例えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)において、炎症状態は、肺平滑筋を満たす副交感神経での阻害性Mムスカリン性アセチルコリン自己受容体機能の損失をもたらし、迷走神経の刺激後にアセチルコリンの放出増大を惹起する。このmAChRの機能不全は、MmAChRsの刺激の増大により介される気道の反応亢進をもたらす{Costello, Evansら.1999 72/id}{Minette,Lammers,ら.1989 248/id}。同様に、炎症性腸疾患(IBD)における胃腸管の炎症は、MmAChRが介する運動過剰をもたらす{Oprins,Meijerら.2000 245 /id}。膀胱の過収縮に起因する失禁は、MmAChRsの刺激の増大により介されることも示されている{Hegde&Eglen 1999 251/id}。故に、サブタイプ−選択的mAChRアンタゴニストの同定は、これらのmAChR介在疾患の治療として有用であるかもしれない。
【0004】
様々な疾患状態を処置するために抗−ムスカリン性受容体療法を用いることを支持する数多くの一連の証拠があるにも関わらず、臨床において用いられている抗−ムスカリン性化合物は相対的にほとんどない。故に、MmAChRsでの阻害を惹起し得る新規化合物が依然必要とされている。MmAChRsの刺激増大に関連する状態、例えば、喘息、COPD、IBDおよび尿失禁は、mAChR結合の阻害剤である化合物によって恩恵を得るだろう。
【0005】
(発明の開示)
本発明は、式I
【化1】

[式中、
nは、0もしくは1であり;
は、ハロ、CF3COO、メシレート、トシレートまたは任意の他の医薬上許容される対イオンからなる群より選択され;
【0006】
R1は、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、C−Cアルケニル、非置換もしくは置換フェニルまたは非置換もしくは置換フェニルC−C低級アルキルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
【0007】
Tは、置換されていないもしくは置換されている以下の基:一、二および三置換ピロール、チオゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、イソインドール、インダゾール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、インドリジン、プリン、アデニン、グアニン、キサンチン、カフェイン、尿酸、アゼピン、ピリジン、ピリダジン、ピザジン、ピリミジン、トリアジン、ピリミドン、ウラシル、シトシン、チミン、イソキノリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、アクリジン、シンノリン、フェナジン、キナゾリン、フェノキサジン、キノキサリン、フェノチアジンからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
【0008】
R2は、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、非置換もしくは置換フェニルまたは非置換もしくは置換フェニルC−C低級アルキルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−CシクロアルキルおよびC−Cシクロアルキル低級アルキルおよび複素環からなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
【0009】
R3は、置換されていないもしくは置換されている以下の基:フェニル、フェニルC−C低級アルキル、チオフェニル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニル、ピリジニルC−C低級アルキル、イミダゾリル、イミダゾリルC−C低級アルキル、ナフチル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾリルC−C低級アルキル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルC−C低級アルキルまたはC−Cアルケニルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、フェノキシ、フェニルC−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、ブチレンジオキシ、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、チオフェニル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニル、ピリジニルC−C低級アルキル、ナフチル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、COOH、COR6、COOR6、CONHR6、CON(R6)2、COG、NHR6、N(R6)2、G、OCOR6、OCONHR6、NHCOR6、N(R6)COR6、NHCOOR6およびNHCONHR6からなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
【0010】
R4は、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキルからなる群より選択される]
の化合物に関連する。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、本発明の化合物の全ての水和物、溶媒和物、複合体およびプロドラッグを含む。プロドラッグは、式Iで示される活性のある親薬剤をインビボにおいて放出する、任意の共有結合型化合物である。本発明の化合物中にキラル中心または異性体中心の別形態が存在するならば、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む、かかる異性体(一または複数)の全ての形態が、本明細書中に包含される。キラル中心を含む本発明の化合物は、ラセミ混合物、エナンチオマーに富む混合物として使用されてもよく、或いはラセミ混合物はよく知られている技法を用いて分割されてもよく、そして個々のエナンチオマーは単独で使用されてもよい。化合物が不飽和炭素−炭素二重結合を有する場合、シス(Z)およびトランス(E)異性体の両方が本発明の範囲内にある。化合物がケト−エノール互変体のごとき互変形態にて存在してもよい場合、平衡状態で存在しているかまたは一形態が優勢的に存在しているかに関わらず、各互変形態は本発明内に含まれるものと熟慮される。
【0012】
別記しない限り、式Iまたはその任意の下位式中の任意の一の場合における任意の置換基の意味は、任意の他の場合におけるその意味または任意の他の置換基の意味に無関係である。
【0013】
ペプチドおよび化学技術分野において一般的に用いられている省略形および記号は、本明細書中、本発明の化合物を説明するために用いられる。一般的に、アミノ酸の省略形は、Eur.J.Biochem.,158,9(1984)において記載されているように、the IUPAC−IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclatureに従う。
【0014】
本明細書中用いられる用語「C−Cアルキル」および「C−Cアルキル」は、1ないし6または8個の炭素原子からなる直鎖または分岐鎖基の両方を含む。例えば、この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどを含むが、これらに限定されない。「低級アルキル」は、C−Cアルキルと同義である。
【0015】
本明細書中、「C−Cアルコキシ」は、直鎖および分岐鎖基、例えば、−O−CH、−O−CHCHおよびn−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシおよびヘキソキシなどを含む。
【0016】
本明細書中用いるように、「C−C−シクロアルキル」は、置換もしくは非置換シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタンおよびシクロヘキサンなどを含むことを意味する。
【0017】
「ハロゲン」または「ハロ」は、F、Cl、BrおよびIを意味する。
【0018】
式Iの好ましい化合物は、
nが、0もしくは1であり;
が、ハロ、CF3COO、メシレート、トシレートまたは任意の他の医薬上許容される対イオンからなる群より選択され;
【0019】
Tが、置換されていないもしくは置換されている以下の基:一、二および三置換ピロール、チオゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、イソインドール、インダゾール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、インドリジン、プリン、アデニン、グアニン、キサンチン、カフェイン、尿酸、アゼピン、ピリジン、ピリダジン、ピザジン、ピリミジン、トリアジン、ピリミドン、ウラシル、シトシン、チミン、イソキノリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、アクリジン、シンノリン、フェナジン、キナゾリン、フェノキサジン、キノキサリン、フェノチアジンからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
【0020】
R1が、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、C−Cアルケニルまたは非置換もしくは置換フェニルC−C低級アルキルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
またはR2およびR3が、−(CH−もしくは−(CH−フェニル−(CH−であり;ここで、jは3ないし8の整数であり;iは1ないし3の整数であり;
【0021】
R2が、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、フェニルカルボニルからなる群より選択され;
【0022】
R3が、置換されていないもしくは置換されている以下の基:フェニルC−C低級アルキル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニルC−C低級アルキル、イミダゾリルC−C低級アルキル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、ベンゾイミダゾリルC−C低級アルキル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルC−C低級アルキルまたはC−Cアルケニルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、フェノキシ、フェニルC−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、ブチレンジオキシ、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、チオフェニル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニル、ピリジニルC−C低級アルキル、ナフチル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、COOH、COR6、COOR6、CONHR6、CON(R6)2、COG、NHR6、N(R6)2、G、OCOR6、OCONHR6、NHCOR6、N(R6)COR6、NHCOOR6およびNHCONHR6からなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
【0023】
R4が、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキルまたはフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される;
化合物を含む。
【0024】
さらにより好ましいものは、
nが1であり;
が、ハロ、CF3COOまたは任意の他の医薬上許容される対イオンからなる群より選択され;
【0025】
Tが、置換されていないもしくは置換されている以下の基:一、二および三置換ピロール、チオゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、イソインドール、インダゾール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、インドリジン、プリン、アデニン、グアニン、キサンチン、カフェイン、尿酸、アゼピン、ピリジン、ピリダジン、ピザジン、ピリミジン、トリアジン、ピリミドン、ウラシル、シトシン、チミン、イソキノリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、アクリジン、シンノリン、フェナジン、キナゾリン、フェノキサジン、キノキサリン、フェノチアジンからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
【0026】
R1が、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、C−Cアルケニルまたは非置換もしくは置換フェニルC−C低級アルキルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
またはR2およびR3が、−(CH−もしくは−(CH−フェニル−(CH−であり;ここで、jは3ないし8の整数であり;iは1ないし3の整数であり;
【0027】
R2が、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、フェニルカルボニルからなる群より選択され;
【0028】
R3が、置換されていないもしくは置換されている以下の基:フェニルC−C低級アルキル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニルC−C低級アルキル、イミダゾリルC−C低級アルキル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、ベンゾイミダゾリルC−C低級アルキル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルC−C低級アルキルまたはC−Cアルケニルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、フェノキシ、フェニルC−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、ブチレンジオキシ、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、チオフェニル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニル、ピリジニルC−C低級アルキル、ナフチル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、COOH、COR6、COOR6、CONHR6、CON(R6)2、COG、NHR6、N(R6)2、G、OCOR6、OCONHR6、NHCOR6、N(R6)COR6、NHCOOR6およびNHCONHR6からなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
【0029】
R4が、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキルまたはフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される;
化合物である。
【0030】
好ましい化合物は、
N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル(piperidiniumyl)}−N−[({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−フラニル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−[({4−[(エチルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アミノ)カルボニル]−N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({4−メチル−5−[(メチルオキシ)カルボニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−[({4−[(エチルオキシ)カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アミノ)カルボニル]−N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−[({4−[(エチルオキシ)カルボニル]シクロヘキシル}アミノ)カルボニル]−N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
からなる群より選択される。
【0031】
最も好ましい化合物は、
N−[({5−[(エチルオキシ)カルボニル]−1−メチル−1H−ピロール−3−イル}アミノ)カルボニル]−N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({1−メチル−5−[(メチルオキシ)カルボニル]−1H−ピロール−3−イル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
またはその医薬上許容される塩;
からなる群より選択される。
【0032】
(調製方法)
調製
式(I)の化合物は、合成方法を適用することにより得られてもよく、その幾つかを以下のスキームに示す。これらのスキームにて提供される合成は、反応性を有する多種多様なR1、R3、R4、R5およびR6を有し、本明細書中に記載の反応との適合性を達成するのに、適宜保護されている置換基を利用する、式(I)の化合物を製造するために適用できる。これらの場合、続く脱保護により、一般的に開示されている性質の化合物が得られる。幾つかのスキームが特定化合物について示されているが、これは単に例示を目的としている。
【0033】
調製1
Boc−保護ジアミン1(スキーム1)から調製したnosyl−保護ジアミンHCl塩2と一緒に、2,6−ジメトキシ−4−ポリスチレンベンジルオキシ−ベンズアルデヒド(DMHB樹脂)を還元的アルキル化することにより、樹脂結合型アミン3を調製した。3とFmoc−保護アミノ酸を反応させ、続いて、保護基を除去することにより、樹脂結合型中間体4を得た。アミンと樹脂結合型中間体4をカップリングさせることにより、対応する樹脂結合型尿素5を得た。続いて、ベンゼンチオラートを用いてその尿素を処理し、2級アミンを得、適切なアルデヒドを用いて還元的アミノ化を行い、樹脂結合型3級アミン6を得た。次いで、ハロゲン化アルキルを用いて樹脂上に結合された該アミンを処理し、4級アンモニウム塩を得、これをジクロロメタン中の50%のトリフルオロ酢酸で切断し、目的化合物7を得た(スキーム1)。
【0034】
【化2】

【0035】
条件:a)塩化2−ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl−Cl)、ピリジン、CHCl、0℃−室温;b)1,4−ジオキサン、MeOH中、4MのHCl、室温;c)2,6−ジメトキシ−4−ポリスチレンベンジルオキシ−ベンズアルデヒド(DMHB樹脂)、Na(OAc)BH、ジイソプロピルエチルアミン、1−メチル−2−ピロリジノン中、10%の酢酸、室温;d)Fmoc−保護アミノ酸、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、1−メチル−2−ピロリジノン、室温;e)1−メチル−2−ピロリジノン中、20%のピペリジン、室温;f)4−ニトロベンゼンクロロホルマート、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、室温;g)KCO、PhSH、1−メチル−2−ピロリジノン、室温;h)RCHO、Na(OAc)BH、1−メチル−2−ピロリジノン中、10%の酢酸、室温;i)RX、アセトニトリル;j)ジクロロメタン中、50%のトリフルオロ酢酸、室温。
【0036】
(合成実施例)
以下の実施例は本発明の例示として提供されるが、それらに決して限定されない:
【0037】
実施例1
N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−フラニル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテートの調製
a)3−アミノ−N−(2−ニトロベンゼンスルホニル)ピロリジンHCl塩
250mLの無水塩化メチレン中の3−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)ピロリジン(20.12g,108mmol)の溶液へ、0℃で、13.1mL(162mmol)の無水ピリジンを加え、続いて、25.2g(113.4mmol)の塩化2−ニトロベンゼンスルホニルを徐々に加えた。混合物を1時間にわたって室温に温め、室温で16時間攪拌した。混合物を1MのNaHCO水溶液、300mLへ注いだ。得られた混合物を室温で30分間攪拌した後、有機相を分け、500mLの1NのHCl水溶液を用いて2回洗浄した。得られた有機相をMgSOで乾燥し、次いで、真空濃縮した。さらに精製することなく、残りを次工程に用いた。
【0038】
無水MeOH中の上記残りの混合物、140mLへ、1,4−ジオキサン溶液中の4MのHCl、136mL(544mmol)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌し、真空濃縮し、次いで、さらに35℃で24時間真空乾燥し、3−アミノ−N−(2−ニトロベンゼンスルホニル)ピロリジンHCl塩を黄色固体として得た(30.5g,2工程を通して92%):H NMR(400MHz,d−DMSO)δ 8.63(s,3H),8.08−7.98(m,2H),7.96−7.83(m,2H),3.88−3.77(m,1H),3.66−3.56(m,2H),3.46−3.35(m,2H),2.28−2.16(m,1H),2.07−1.96(m,1H)
【0039】
b)DMHB樹脂結合型4−[({[(1S)−1−({4−[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]フェニル}メチル)−2−({1−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−3−ピロリジニル}アミノ)−2−オキソエチル]アミノ}カルボニル)アミノ]安息香酸エチル
無水1−メチル−2−ピロリジノン中の10%の酢酸、156mL中、7.20g(10.37mmol,1.44mmol/g)の2,6−ジメトキシ−4−ポリスチレンベンジルオキシ−ベンズアルデヒド(DMHB樹脂)の混合物へ、9.56g(31.1mmol)の実施例1aおよび9.03mL(51.84mmol)のジイソプロピルエチルアミンを加え、続いて、11.0g(51.84mmol)のトリアセトキシホウ水素化ナトリウムを加えた。得られた混合物を室温で72時間振盪した後、DMF(3×250mL)、CHCl/MeOH(1:1,3×250mL)およびMeOH(3×250mL)を用いて、樹脂を洗浄した。得られた樹脂を35℃で24時間真空乾燥した。元素分析 N:4.16,S:3.12
【0040】
15mLの無水1−メチル−2−ピロリジノン中、800mg(0.860mmol,1.075mmol/g)の上記樹脂の混合物へ、1.98g(4.30mmol)のFmoc−Try(tBu)−OHおよび117mg(0.86mmol)の1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールを加え、続いて、0.82mL(5.16mmol)の1,3−ジイソプロピルカルボジイミドを加えた。得られた混合物を室温で24時間振盪した後、DMF(3×25mL)、CHCl/MeOH(1:1,3×25mL)およびMeOH(3×25mL)を用いて、樹脂を洗浄した。得られた樹脂を35℃で24時間真空乾燥した。ジクロロメタン中の50%のトリフルオロ酢酸を用いて、分析用量の樹脂を2時間、室温で切断した。得られた溶液を真空濃縮した:MS(ESI)657[M+H−tBu]
【0041】
無水1−メチル−2−ピロリジノン溶液中の20%のピペリジン、15mLを用いて、上の樹脂(0.860mmol)を処理した。混合物を室温で15分間振盪した後、溶液を捨て、さらに無水1−メチル−2−ピロリジノン溶液中の20%のピペリジン、15mLを加えた。混合物をさらに15分間室温で振盪した。溶液を捨て、DMF(3×25mL)、CHCl/MeOH(1:1,3×25mL)およびMeOH(3×25mL)を用いて樹脂を洗浄した。得られた樹脂を35℃で24時間真空乾燥した。ジクロロメタン中の50%のトリフルオロ酢酸を用いて、分析用量の樹脂を2時間、室温で切断した。得られた溶液を真空濃縮した:MS(ESI)435[M+H−tBu]
【0042】
c)N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−フラニル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
5mLの無水ジクロロメタン中、56.4mg(0.4mmol)の5−アミノ−2−フランカルボン酸エチルメチルの混合物へ、84.5mg(0.42mmol)の4−ニトロベゼンクロロホルマートを加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌し、次いで、濃縮した。ジイソプロピルエチルアミン(0.14mL,0.8mmol)、DMHB樹脂結合型O−(1,1−ジメチルエチル)−N−{(3S)−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]−3−ピロリジニル}−L−チロシンアミド4(200mg,0.16mmol)およびジメチルホルムアミド(5mL)を反応混合物へ加え、次いで一晩振盪した。CHCl(3×1mL)、CHCl/MeOH(1:1,3×1mL)、MeOH(3×1mL)およびCHCl(3×10mL)を用いて樹脂を洗浄した。得られた樹脂を35℃で24時間真空乾燥した。ジクロロメタン中の50%のトリフルオロ酢酸を用いて、分析用量の樹脂を2時間、室温で切断した。得られた溶液を真空濃縮した:MS(ESI)616.0[M+H−tBu]
【0043】
5mLの1−メチル−2−ピロリジノン中、上の乾燥樹脂(0.16mmol)の混合物へ、166mg(1.2mmol)のKCOおよび60μL(0.6mmol)のPhSHを加えた。得られた混合物を室温で2時間振盪した後、DMF(3×10mL)、HO(3×10mL)、DMF(3×10mL)、CHCl/MeOH(1:1,3×10mL)およびMeOH(3×10mL)を用いて樹脂を洗浄した。得られた樹脂を35℃で24時間真空乾燥した。ジクロロメタン中の50%のトリフルオロ酢酸を用いて、分析用量の樹脂を2時間、室温で切断した。得られた溶液を真空濃縮した:MS(ESI)431[M+H−tBu]
【0044】
無水1−メチル−2−ピロリジノン溶液中の10%のHOAc、3mL中の上の乾燥樹脂5(0.16mmol)の混合物へ、293mg(2.4mmol)の3−ヒドロキシルベンズアルデヒドおよび508.8mg(2.4mmol)のトリアセトキシホウ水素化ナトリウムを加えた。得られた混合物を室温で48時間振盪した後、DMF(3×10mL)、CHCl/MeOH(1:1,3×10mL)およびMeOH(3×10mL)を用いて樹脂を洗浄した。得られた樹脂を35℃で24時間真空乾燥した。ジクロロメタン中の50%のトリフルオロ酢酸を用いて、分析用量の樹脂を2時間、室温で切断した。得られた溶液を真空濃縮した:MS(ESI)537.2[M+H−tBu]
【0045】
1mLの無水アセトニトリル中の上の乾燥樹脂(0.04mmol)の混合物へ、18.7μL(0.3mmol)のヨードメタンを加えた。混合物を室温で16時間振盪した後、DMF(3×10mL)、CHCl/MeOH(1:1,3×10mL)、MeOH(3×10mL)およびCHCl(3×10mL)を用いて樹脂を洗浄した。得られた樹脂を35℃で24時間真空乾燥した。ジクロロメタン中の50%のトリフルオロ酢酸、2mlを用いて乾燥樹脂を処理した。切断溶液を集めた後、さらにジクロロメタン中の50%のトリフルオロ酢酸、2mlを用いて室温で10分間樹脂を処理した。合わせた分解溶液を真空濃縮した。YMC ODS−A(C−18)カラム、50mm×20mmIDを用いるGilson分取HPLCシステムを利用し、25mL/分の注入速度で、10%のBないし90%のB[ここで、A=HO(0.1%のトリフルオロ酢酸)およびB=CHCN(0.1%のトリフルオロ酢酸)]を用いて3.2分間溶離し、1分間保持することにより、残りを精製し、N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−フラニル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテートを得た;
(白色粉末,9mg,4工程を通して10.2%):MS(ESI)551.2[M]
【0046】
5−アミノ−2−フランカルボン酸を適切な複素環アミンで置き換えること以外、実施例1に記載のものと同様の方法を行うことにより、表1に記載の化合物を調製した。アミンは、それぞれEP48555A1およびJ.Med.Chem.2000,43,3257−3266に従って調製した実施例3および6を除いて、市販されていた。
【0047】
【化3】

【0048】
表1
【表1】

【0049】
(生物学的実施例)
mAChRにおける本発明の化合物の阻害効果を、以下のインビトロおよびインビボアッセイにより測定した:
【0050】
カルシウム動員による受容体活性化の阻害分析:
1)384−ウェルFLIPRアッセイ
ヒトMムスカリン性アセチルコリン受容体を安定に発現しているCHO(チャイニーズハムスター、卵巣)細胞株を、10%のFBS、2mMのグルタミンおよび200ug/mlのG418を加えたDMEM中で培養する。酵素的またはイオンキレート化方法のいずれかを利用するアッセイに備えて、管理およびプレート用の細胞を剥離する。FLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー)アッセイ前日に、細胞を剥離し、再懸濁し、カウントし、次いで、50ul容量で、384ウェルあたり20,000細胞を与えるように蒔く。アッセイプレートはブラッククリアーボトムプレート、Becton Dickinsonカタログ番号35 3962である。組織培養インキュベーター中で、蒔いた細胞を一晩37℃でインキュベーションした次の日に、アッセイを行う。アッセイを行うために、培地を吸引し、次いで、1×アッセイバッファー(145mMのNaCl、2.5mMのKCl、10mMのグルコース、10mMのHEPES、1.2mMのMgCl、2.5mMのCaCl、2.5mMのプロベネシド)(pH7.4)を用いて細胞を洗浄する。次いで、50ulのFluo−3色素(アッセイバッファー中、4uM)と一緒に、細胞を60−90分間、37℃でインキュベーションする。カルシウム感受性色素により、細胞は、細胞内カルシウム貯蔵からのカルシウムの放出を介するリガンドに応答する、蛍光における増大を示すことが可能である。アッセイバッファーを用いて細胞を洗浄し、次いで、50ulのアッセイバッファー中に再懸濁して、その後、実験に用いる。試験化合物およびアンタゴニストを25ul容量で加え、次いで、プレートを37℃で5−30分間インキュベーションする。次いで、今度は、アゴニスト攻撃、アセチルコリンを用いて、各ウェルに二度目の添加を行う。それを、FLIPR装置に、25ul容量で加える。蛍光単位における変化により、カルシウム応答を測定する。阻害剤/アンタゴニストの活性を測定するために、アセチルコリンリガンドをEC80濃度で加え、次いで、用量反応希釈曲線を用いて、アンタゴニストのIC50を測定することができる。Mについて用いる対照アンタゴニストはアトロピンである。
【0051】
2)96−ウェルFLIPRアッセイ
以前記載されているように、受容体活性化カルシウム動員をモニタリングすることにより、CHO細胞上で発現されているmAChRsの刺激を分析した。96ウェルブラックウォール/クリアーボトムプレート中に、MmAChRsを安定に発現しているCHO細胞を蒔いた。18ないし24時間後、培地を吸引し、次いで、100μlのローディング培地(Earl’s塩,0.1%のRIA−グレードBSA(Sigma,St.Louis MO)および4μMのFluo−3−アセトキシメチルエステル蛍光指示色素(Fluo−3 AM,Molecular Probes,Eugene,OR)を加えたEMEM)と交換し、次いで、37℃で1時間インキュベーションした。次いで、色素を含有する培地を吸引し、新鮮な培地(Fluo−3 AMなし)と交換し、次いで、細胞を37℃で10分間インキュベーションした。次いで、細胞を3回洗浄し、100μlのアッセイバッファー(0.1%のゼラチン(Sigma)、120mMのNaCl、4.6mMのKCl、1mMのKHPO、25mMのNaHCO、1.0mMのCaCl、1.1mMのMgCl、11mMのグルコース、20mMのHEPES(pH7.4))中、37℃で10分間インキュベーションした。50μlの化合物(アッセイ中、1×10−11−1×10−5M最終)を加え、そのプレートを37℃で10分間インキュベーションした。次いで、プレートを蛍光強度プレートリーダー(FLIPR,Molecular Probes)中にセットし、そこで、色素をローディングした細胞を、6ワットのアルゴンレーザーからの励起光(488nm)に曝した。0.1%のBSAを含有するバッファー中に調製した50μlのアセチルコリン(0.1−10nM最終)を50μl/秒で加えることにより、細胞を活性化した。サイトゾルのカルシウム濃度における変化としてモニタリングされるカルシウム動員を、566nmの発光強度における変化として測定した。発光強度における変化は、サイトゾルのカルシウムレベルに直接関連付けられる。同時に、冷却CCDカメラを用いて、全96ウェルから放出された蛍光を測定する。データポイントを毎秒集める。次いで、GraphPad PRISMソフトウェアを用いて、データをプロットし、解析する。
【0052】
メタコリンが誘導する気管支収縮
覚醒、無拘束のBalbCマウス(各群、n=6)において、メタコリンに対する気道応答性を測定した。圧プレスチモグラフィを用いて、メタコリンでの気管支の攻撃の間に生じる気道抵抗の変化と相関関係にあることが分かっている、ポウズの増大(Penh)、すなわち、単位のない尺度を測定した。50μlのビヒクル(10%のDMSO)中の50μlの化合物(0.003−10μg/マウス)を用いてマウスの鼻腔内を予め処置し、次いで、プレスチモグラフィチャンバー内に置いた。そのチャンバー内で、一旦、マウスを10分間平衡状態とし、その後、5分間のベースラインPenh測定を行った。次いで、メタコリン(10mg/ml)のエアロゾルを用いて2分間マウスを攻撃した。メタコリンエアロゾルの攻撃開始から7分間連続してPenhを記録し、その後5分間攻撃を続けた。GraphPad PRISMソフトウェアを用いて、各マウスについてのデータを解析し、プロットした。
【0053】
本明細書中に引用した、特許、特許出願を含め全ての文献は、出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
【0054】
上記記載は、その好ましい実施態様を含む本発明を十分に開示している。本明細書中、特に開示された実施態様の修正および変更は、添付の特許請求の範囲内にある。さらなる記載がなくとも、前記記載を用いて、当業者は本発明を最大限に利用できると考えられる。従って、本明細書の実施例は、単なる例示と解釈されるべきであり、本発明の範囲を決して限定するものではない。独占的な特性または特権が主張される本発明の実施態様は、添付の特許請求の範囲のとおり定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式I:
【化1】

[式中、
XおよびYが炭素である場合、nは1、2もしくは3であり;mは、1、2もしくは3であり;pは0、1もしくは2であり;
Xが酸素であり、かつYが炭素である場合、nは1であり;mは2であり;pは1であり;
Xが炭素であり、かつYが窒素である場合、nは2であり;mは1であり;pは2であり;
Wは、O、SもしくはNHであり;
Uは、NR3、Oもしくは結合であり;
R3は、水素、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、非置換もしくは置換フェニルまたは非置換もしくは置換フェニルC−C低級アルキルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−CシクロアルキルおよびC−Cシクロアルキル低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
qは、0ないし7の整数であり;
hは、0、1もしくは2であり;
gは、1、2もしくは3であり;
Vは、フェニル、チオフェニル、フラニル、ピリジニル、ナフチル、キノリニル、インドリル、ベンゾチオフェニルおよびベンゾフラニルからなる群より選択され;
R4は、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、C−Cアルコキシ、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、COR6、COOR6、CONHR6、CON(R6)2、NHR6、N(R6)2およびGからなる群より選択され;
kは、0ないし5の整数であり;
Tは、置換されていないもしくは置換されている以下の基:一、二および三置換フェニル、チオフェニル、フラニル、ピリジニル、ナフチル、キノリニル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ピロール、チオゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、ベンゾフラニル、イソインドール、インダゾール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、インドリジン、プリン、アデニン、グアニン、キサンチン、カフェイン、尿酸、アゼピン、ピリジン、ピリダジン、ピザジン、ピリミジン、トリアジン、ピリミドン、ウラシル、シトシン、チミン、イソキノリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、アクリジン、シンノリン、フェナジン、キナゾリン、フェノキサジン、キノキサリン、フェノチアジンからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
R5は、COOR6、CONHR6、COR6、CON(R6)2、COG、非置換もしくは置換オキサジアゾリル、非置換もしくは置換オキサゾリル、非置換もしくは置換イミダゾリル、非置換もしくは置換フェノキシまたはシアノからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキル、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノおよびトリフルオロメチルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
Gは、置換されていないもしくは置換されている以下の基:ピロリジニル、ピペリジニル、ジヒドロインドリル、テトロヒドロキノリニル、モルホリノ、アゼチジニル、ヘキサヒドロアゼピニルまたはオクタヒドロアゾシニルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択され;
R1は、置換されていないもしくは置換されている以下の基:水素、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、チオフェニル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニル、ピリジニルC−C低級アルキル、イミダゾリル、イミダゾリルC−C低級アルキル、ナフチル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾリルC−C低級アルキル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルC−C低級アルキルまたはC−Cアルケニルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、フェノキシ、フェニルC−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、ブチレンジオキシ、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、チオフェニル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニル、ピリジニルC−C低級アルキル、ナフチル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、COOH、COR6、COOR6、CONHR6、CON(R6)2、COG、NHR6、N(R6)2、G、OCOR6、OCONHR6、NHCOR6、N(R6)COR6、NHCOOR6およびNHCONHR6からなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換されている]
で示される化合物または医薬上許容される塩。
【請求項2】
XおよびYが炭素である場合、nが1もしくは2であり;mが1、2もしくは3であり;pが0もしくは1である;
Xが酸素であり、かつYが炭素である場合、nが1であり;mが2であり;pが1である;
Xが炭素であり、かつYが窒素である場合、nが2であり;mが1であり;pが2である;
WがOである;
UがNR3である;
R3が、水素、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキルまたはフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される;
qが0である;
hが0である;
gが1である;
Vが、フェニル、チオフェニル、フラニル、ナフチル、ベンゾチオフェニルおよびベンゾフラニルからなる群より選択される;
R4が、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、フェニルカルボニルからなる群より選択される;
kが、1ないし5の整数である;
Tが、置換されていないもしくは置換されている以下の基:一、二および三置換フェニル、チオフェニル、フラニル、ピリジニル、ナフチル、キノリニル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ピロール、チオゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、ベンゾフラニル、イソインドール、インダゾール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、インドリジン、プリン、アデニン、グアニン、キサンチン、カフェイン、尿酸、アゼピン、ピリジン、ピリダジン、ピザジン、ピリミジン、トリアジン、ピリミドン、ウラシル、シトシン、チミン、イソキノリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、アクリジン、シンノリン、フェナジン、キナゾリン、フェノキサジン、キノキサリン、フェノチアジンからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換され;
R5が、COOR6、CONHR6、COR6、CON(R6)2、COG、非置換もしくは置換オキサジアゾリル、非置換もしくは置換フェノキシまたはシアノからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換されている;
Gが、ピロリジニル、ピペリジニル、ジヒドロインドリル、テトロヒドロキノリニル、モルホリノ、アゼチジニル、ヘキサヒドロアゼピニルおよびオクタヒドロアゾシニルからなる群より選択される;
R1が、置換されていないもしくは置換されている以下の基:フェニルC−C低級アルキル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニルC−C低級アルキル、イミダゾリルC−C低級アルキル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、ベンゾイミダゾリルC−C低級アルキル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルC−C低級アルキルまたはC−Cアルケニルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、フェノキシ、フェニルC−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、ブチレンジオキシ、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、チオフェニル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニル、ピリジニルC−C低級アルキル、ナフチル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、COOH、COR6、COOR6、CONHR6、CON(R6)2、COG、NHR6、N(R6)2、G、OCOR6、OCONHR6、NHCOR6、N(R6)COR6、NHCOOR6およびNHCONHR6からなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換されている;
から選択される基からなる、請求項1記載の化合物または医薬上許容される塩。
【請求項3】
XおよびYが炭素である;
nが1もしくは2である;
mが1、2もしくは3である;
pが0もしくは1である;
WがOである;
UがNR3である;
R3が水素である;
qが0である;
hが0である;
gが1である;
Vが、フェニルもしくはナフチルからなる群より選択される;
R4が、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、フェニルカルボニルからなる群より選択される;
kが1、2もしくは3である;
Tが、置換されていないもしくは置換されている以下の基:一、二および三置換フェニル、チオフェニル、フラニル、ピリジニル、ナフチル、キノリニル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ピロール、チオゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、ベンゾフラニル、イソインドール、インダゾール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、インドリジン、プリン、アデニン、グアニン、キサンチン、カフェイン、尿酸、アゼピン、ピリジン、ピリダジン、ピザジン、ピリミジン、トリアジン、ピリミドン、ウラシル、シトシン、チミン、イソキノリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、アクリジン、シンノリン、フェナジン、キナゾリン、フェノキサジン、キノキサリン、フェノチアジンからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換されている;
R5が、COOR6、CONHR6、COR6、CON(R6)2、COG、非置換もしくは置換オキサジアゾリルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニルおよびフェニルC−C低級アルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換されている;
Gが、ピロリジニル、ピペリジニル、ジヒドロインドリル、テトロヒドロキノリニル、モルホリノ、アゼチジニル、ヘキサヒドロアゼピニルおよびオクタヒドロアゾシニルからなる群より選択される;
R1が、置換されていないもしくは置換されている以下の基:フェニルC−C低級アルキル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニルC−C低級アルキル、イミダゾリルC−C低級アルキル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、ベンゾイミダゾリルC−C低級アルキル、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルC−C低級アルキルまたはC−Cアルケニルからなる群より選択され;ここで、置換されている場合、一つの基は、C−Cアルコキシ、フェノキシ、フェニルC−Cアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、ブチレンジオキシ、C−C分岐もしくは非分岐アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル低級アルキル、フェニル、フェニルC−C低級アルキル、チオフェニル、チオフェニルC−C低級アルキル、フラニル、フラニルC−C低級アルキル、ピリジニル、ピリジニルC−C低級アルキル、ナフチル、ナフチルC−C低級アルキル、キノリニル、キノリニルC−C低級アルキル、インドリル、インドリルC−C低級アルキル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオフェニルC−C低級アルキル、ベンゾフラニル、ベンゾフラニルC−C低級アルキル、COOH、COR6、COOR6、CONHR6、CON(R6)2、COG、NHR6、N(R6)2、G、OCOR6およびNHCOR6からなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換されている;
から選択される基からなる、請求項1記載の化合物または医薬上許容される塩。
【請求項4】
N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−フラニル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−[({4−[(エチルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アミノ)カルボニル]−N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({4−メチル−5−[(メチルオキシ)カルボニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−[({4−[(エチルオキシ)カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アミノ)カルボニル]−N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−[({4−[(エチルオキシ)カルボニル]シクロヘキシル}アミノ)カルボニル]−N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物または医薬上許容される塩。
【請求項5】
N−[({5−[(エチルオキシ)カルボニル]−1−メチル−1H−ピロール−3−イル}アミノ)カルボニル]−N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({1−メチル−5−[(メチルオキシ)カルボニル]−1H−ピロール−3−イル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
N−{(3S)−1−[(3−ヒドロキシフェニル)メチル]−1−メチル−3−ピペリジニウムイル}−N−[({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アミノ)カルボニル]−L−チロシンアミド・トリフルオロアセテート;
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物または医薬上許容される塩。
【請求項6】
請求項1記載の化合物およびその医薬上許容される担体を含む、ムスカリン性アセチルコリン受容体介在疾患を処置するための医薬組成物。
【請求項7】
その必要のある哺乳類においてアセチルコリンとその受容体の結合を阻害する方法であって、安全かつ有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項8】
アセチルコリンがその受容体に結合している、ムスカリン性アセチルコリン受容体介在疾患を処置する方法であって、安全かつ有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項9】
疾患が、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー性鼻炎からなる群より選択される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
口または鼻を介して吸入投与される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
リザーバードライパウダー吸入器、複数回投与用ドライパウダー吸入器または定量式吸入器から選択される医薬ディスペンサーを介して投与される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
化合物がヒトに投与され、かつ1mg用量について12時間またはそれ以上の作用持続時間を有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
化合物が24時間またはそれ以上の作用持続時間を有する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
化合物が36時間またはそれ以上の作用持続時間を有する、請求項13記載の方法。


【公表番号】特表2007−513181(P2007−513181A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542825(P2006−542825)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/040667
【国際公開番号】WO2005/055940
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】