説明

早期重合に対して安定化された組成物

【課題】早期重合に対して安定化された組成物の提供。
【解決手段】下式I及びIIで表される安定な立体障害性有機ニトロキシル合物とエチレン性不飽和モノマーを含む早期重合に対して安定化された組成物。例えば1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な安定なヒンダードニトロキシル化合物とエチレン性不飽和モノマーに見いだされるような置換されたエチレンを含む早期重合に対して安定化された組成物に関する。前記付加物はビニルモノマーの早期重合を防止するための非常に有効な抑制剤である。
【背景技術】
【0002】
工業的に重要なエチレン性不飽和モノマーの多くは熱的にまたは外来の不純物により開始される所望でないラジカル重合を非常に受けやすい。これらのモノマーの幾つかのものは、スチレン、アクリル酸およびメタクリル酸、アクリレートおよびメタクリレートエステル、ならびにアクリロニトリルである。早期重合はモノマーの製造、精製または貯蔵の間に生じ得る。これらのモノマーの多くは蒸留によって精製される。早期重合が最も起こりやすそうなおよび最も厄介でありそうなのはこの操作においてである。このような早期重合の防止または軽減が精製したモノマーの収量を増加させおよびプラントにおいて費用のかかるおよび潜在的に危険な制御のきかない重合を防ぐ手段をとることとなるために、このような重合の量を防止または減少させる方法は非常に望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明に含まれた安定な立体障害性(hindred)有機ニトロキシル化合物はα−炭素原子において完全に置換されたニトロキシドである。L.B.Voldarsky et al.,Synthetic Chemistry of Stable Nitroxides, CRC Press, Boca Raton,FL,1994参照。ビス−トリフルオロメチルニトロキシドは安定なニトロキドであり、そのエチレンとの1,2−付加物は公知である。A.E.Tipping et al.,J.Fluor.Chem.,69,163(1994);R.E.Banks et al., J.Chem.Soc. C, 901(1966);およびR.E.Banks et al., J.Chem.Soc. C,2777(1971)を参照。
【0004】
1−フェニル−1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−エタンは公知のビス付加物である。G.Moad et al.,Polymer Bull.6,589(1982)は1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとスチレンとの反応によって製造されるこの材料を報告する。このケミカルアブクストラクトナンバーはこれまでこの化合物にも、このような化合物に因るいかなる有益性にも付与されていない。
【0005】
本発明の一つの目的は安定な立体障害性有機ニトロキシル合物とエチレン性不飽和モノマー含む早期重合に対して安定化された組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、蒸留および精製の最中のエチレン性不飽和モノマーの早期重合を防止および軽減するためのこれらのビス付加物の能力を説明することである。
さらに本発明の他の目的は熱または光誘発性輻射をかけられる有機物質への有効な安定化効力を示す化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(A)下式IまたはII
【化1】

〔上記式中、R1およびR2は互いに独立して炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか、またはR1およびR2は一緒になってペンタメチレン基を表し;
Eは炭素原子数6ないし10のアリール基、または炭素原子数1ないし4のアルキル基でもしくはハロゲン原子で置換された該アリール基を表すか、あるいはEは−COOHまたは−COOR6(基中、R6は炭素原子数1ないし18のアルキル基または炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルキル基を表す)を表すか、あるいはEは−CNを表し;
3、R4およびR5が独立して炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;ならびに
Tは5−、6−もしくは7−員環または1,1,3,3−テトラメチルイソインドリン部分を完成させるために必要な基を表し、該T基は未置換であるか、またはヒドロキシル基で、オキソ基で、アセトアミド基で、−OR8(基中、R8は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表す)で、または−O−CO−R9(基中、R9は炭素原子数1ないし17のアルキル基またはフェニルを表す)で置換されている。〕で表される化合物、および
(B)ジエン、ハロゲン化ビニルモノマー、不飽和酸、不飽和エステル、不飽和ニトリル、不飽和エーテル及びジエチルビニルホスフェートからなる群から選択されたエチレン性不飽和モノマー
を含む早期重合に対して安定化された組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1−フェニル−1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)エタンおよび1−フェニル−1,2−ビス(1,1,3,3−テトラメチル−イソインドリン−2−イルオキシ)エタンは1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとスチレンとの1,2−付加物ならびに2−オキシル−1,1,3,3−テトラ
メチルイソインドリンとスチレンとの1,2−ビス−付加物である。
【0008】
好ましいのは、Tが5−、6−もしくは7−員環または1,1,3,3−テトラメチルイソインドリン部分を完成させるために必要な基であり、この場合該T基は未置換であるか、またはヒドロキシル基で、オキソ基で、アセトアミド基で、または−O−CO−R9 (基中、R9 は炭素原子数1ないし11のアルキル基またはフェニル基を表す。)である。
【0009】
以下に示す化合物がもっとも好ましい:
(a)1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物;
(b)1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンと4−クロロスチレンとの1,2−ビス−付加物;
(c)1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物;
(d)1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物;
(e)1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンとブチアクリレートとの1,2−ビス−付加物;
(f)1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとブチルアクリレートとの1,2−ビス−付加物;または
(g)1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトアミドピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物。
【0010】
式Iは環状5−、6−および7−員環の安定なニトロキシドの付加物を表す。式IIは非環状の安定なニトロキシドの付加物を表す。式IおよびIIの化合物は標準的手段によって製造できる。
本発明の他の見地は、エチレン性不飽和モノマーの早期重合に対する有効な抑制剤としての式IおよびIIで表されるビス−付加物の使用である。モノマーはフリーラジカル誘発性重合を受け得る炭素−炭素二重結合の少なくとも1つをもつ全てのモノマーである。このようなモノマーは商業的によく知られておりおよび広範囲の種々の構造的な種類を含む。このようなモノマーの代表例は、スチレン、α−メチルスチレンおよびジビニルベンゼンのような芳香族ビニル炭化水素;ブタジエンおよびイソプレンのようなジエン;塩化ビニル、クロロプレン、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンおよびフッ化ビニルのようなハロゲン化モノマー;アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸のような不飽和酸;ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレートおよびメチルアクリレートのような不飽和エステル;アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルのような不飽和ニトリル;メチルビニルエーテルのような不飽和エーテルならびにビニルピリジン、ジエチルビニルホスホネートおよびナトリウムスチレンスルホネートのようなミセル状ビニルモノマーである。
【0011】
本発明の他の主題は(a)エチレン性不飽和モノマーおよび(b)上記に記載した式IまたはIIで表される化合物の有効安定化量からなる早期重合に対して安定化されたモノマー組成物である。
【0012】
好ましいエチレン性不飽和モノマーは芳香族ビニル炭化水素;ジエン;ハロゲン化ビニルモノマー;不飽和酸;不飽和エステル;不飽和ニトリル;不飽和エーテル;ならびにビニルピリジン、ジエチルビニルホスフェートおよびスチレンスルホン酸ナトリウムであるミセル状ビニルモノマーである。
【0013】
さらに好ましいものは、モノマーがα−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、クロロプレン、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはメチルビニルエーテルである組成物である。
【0014】
特に好ましいものはモノマーがアクリル酸、メタクリル酸、ブチルアクリレート、エチルアクリレートまたはアクリロニトリルである組成物である。
【0015】
スチレンおよびビニル基で置換された芳香化合物(vinyl substituted aromates) は最も好ましいモノマーの中にはない。
【0016】
成分(b)の有効安定化量は、成分(a)のモノマーの重量に基づき1ないし10000ppmである。好ましくは、成分(b)の量は成分(a)のモノマーの重量に基づき10ないし1000ppmである。活性化された重合抑制剤混合物はいずれかの慣用の方法により保護されるモノマー内に導入できる。それはいずれかの適当な方法により、所望の適用の地点のほぼ上流で加えることができる。加えて、この混合物は入ってくるモノマーの給送に沿ってまたは活性化された抑制剤混合物の有効な配分を提供する異なる入口地点を介して蒸留装置中に別々に注入できる。抑制剤は操作の間に徐々に消耗されるため、一般に蒸留工程の経過の間に追加の抑制剤を添加することによって蒸留系における活性化した抑制剤混合物の適当量を維持する必要がある。抑制剤の濃度が最小要求水準より上に維持される場合に、このような添加は連続的を基礎とするかまたは断続的にかのいずれかで新しい抑制剤を蒸留系に装入することで行うことができる。
【0017】
本発明の別の主題はエチレン性不飽和モノマーの早期重合に対する有効な抑制剤としての式IおよびIIで表されるビス−付加物の使用である。
【0018】
式IまたはIIで表されるビス付加物は有機化学で標準的な方法によって製造できる。主にN−オキシル類である出発物質は、一部に市販の化合物であるかまたは従来技術の方法によって製造できる。
【0019】
本発明はまた、(a)熱、酸素または化学線の有害作用を受けやすい有機材料および(b)上述した式IまたはIIで表される化合物の有効安定化量とからなる安定化された組成物にも関する。
【0020】
有機材料は好ましくはポリマー、特にはポリプロピレンまたはポリエチレンのようなポリオレフィン、またはエチレン性不飽和が有意にあるポリマーもしくはポリマー成分の少なくとも1種を含むポリマー、コポリマーまたはポリマーブレンドである。後者の事例はABS、HIPS、エマルジョンSBR、PP/EPDM、PP/NBR、PP/NR、ABS/PC、ABS/ナイロン、ABS/PVC、ABS/ポリエステル、ABS/SMA、ABS/ポリスルホン、ASA/PC、アセタール/エラストマー、ポリエステル/エラストマー、ナイロン/エラストマー、PPO/NR、EPDM/NBRおよびEPDM/オレフィンからなる群から選択されるポリマーである。
【0021】
一般に安定化できるポリマーは以下のものを含む:
1.モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリエチレン(所望により架橋することができる)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、ならびにシクロオレフィン例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー
【0022】
2. 1.に記載したポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物
【0023】
3.モノオレフィンとジオレフィン相互または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレン、プロピレン/ブテン−1、プロピレン/イソブチレン、エチレン/ブテン−1、プロピレン/ブタジエン、イソブチレン/イソプレン、エチレン/アルキルアクリレート、エチレン/アルキルメタクリレート、エチレン/ビニルアセテートまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩類(アイオノマー)およびエチレンとプロピレンとジエン例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン/ノルボルネンのようなものとのターポリマー。
【0024】
4.ポリスチレン、ポリ−(α−メチルスチレン)。
【0025】
5.スチレンまたは、メチルスチレンとジエンもしくはアクリル誘導体とのコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/エチルアクリレート、スチレン/ブタジエン/メチルメタクリレート;スチレンコポリマーと他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの高衝撃強度の混合物;およびスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン、又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン。
【0026】
6.スチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン;ポリブタジエンにスチレンおよびアクリロニトリル;ポリブタジエンにスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレンおよびアクリロニトリル、ポリアクリレートまたはポリメタクリレートにスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレンおよびアクリロニトリル、ならびにこれらと5.に列挙したコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして知られているコポリマー混合物。
【0027】
7.ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、塩素化もしくはスルホ塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリンホモ−およびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物からのポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、およびポリフッ化ビニリデンならびにこれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーまたはフッ化ビニル/ビニルエーテルコポリマー。
【0028】
8.α,β−不飽和酸、およびその誘導体から誘導されたポリマー、例えばポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル。
【0029】
9.上記8に挙げたモノマーの相互または他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエン、アクリロニトリル/アルキルアクリレート、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー、又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0030】
10.不飽和アルコールおよびアミンまたはそれらのアシル誘導体またはそれらのアセタールから誘導されたポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン。
【0031】
11.環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0032】
12.ポリアセタール、例えばポリオキシメチレンおよびエチレンオキシドをコモノマーとして含むポリオキシメチレン。
【0033】
13.ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、ならびにポリフェニレンオキシドとポリスチレンとの混合物。
【0034】
14.一方の成分としてヒドロキシ末端基を含むポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエンと他方の成分として脂肪族または芳香族ポリイソシアネートとから誘導されたポリウレタンならびにその前駆物質。
【0035】
15.ジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミノカルボン酸または相当するラクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド。例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミドならびにこれらとポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとのコポリマー。
【0036】
16.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド。
【0037】
17.ジカルボン酸およびジオールから、および/ またはヒドロキシカルボン酸または相当するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1, 4−ジメチロール−シクロヘキサンテレフタレート、ポリ−[2,2−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン]テレフタレートおよびポリヒドロキシベンゾエートならびにヒドロキシ末端基を含有するポリエーテルから誘導されたブロック−コポリエーテル−エステル。
【0038】
18.ポリカーボネート。
【0039】
19.ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
【0040】
20.一方でアルデヒド、および他方でフェノール、尿素またはメラミンから誘導された架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0041】
21.乾性もしくは非乾性アルキッド樹脂。
【0042】
22.飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールおよび架橋剤としてビニル化合物とのコポリエステルから誘導された不飽和ポリエステル樹脂および燃焼性の低いそれらのハロゲン含有変性物。
【0043】
23.置換アクリル酸エステル、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステル−アクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂。
【0044】
24.架橋剤としてメラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂との混合物におけるアルキド樹脂、ポリエステル樹脂
およびアクリレート樹脂。
【0045】
25.ポリエポキシドから、例えばビスグリシジルエーテルからまたは脂環式ジエポキシドから誘導された架橋エポキシ樹脂。
【0046】
26.天然ポリマー、例えば、セルロース、ゴム、ゼラチンおよびポリマー同族体様に化学的に変性したそれらの誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースおよび酪酸セルロース、またはセルロースエーテル、例えばメチルセルロース。
【0047】
27.前述のポリマーの混合物、例えばPP/EPDM、ポリアミド6/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS。
【0048】
28.純粋なモノマー化合物またはそれらの混合物からなる天然および合成有機材料、例えば鉱油、動物または植物脂肪、オイルおよびワックスまたは合成エステル(例えばフタレート、アジペート、ホスフェートまたはトリメリテート)に基づいたオイル、脂肪およびワックス、ならびにポリマー用可塑剤としてまたは繊維紡糸油(textile spinning oil) として用いられるいずれか重量比での合成エステルと鉱油との混合物、ならびにそのような材料の水性エマルジョン。
【0049】
29.天然または合成ゴムの水性エマルジョン、例えば天然ラテックス、またはカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーのラテックス。
【0050】
30.例えば、米国特許第4,259,467号に記載された軟質、親水性ポリシロキサンおよび米国特許第4,355,147号に記載された硬質ポリオルガノシロキサンのようなポリシロキサン。
【0051】
31.不飽和アクリルポリアセトアセテート樹脂もしくは不飽和アクリル樹脂と組合わせるポリケチミン。不飽和アクリル樹脂はウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、側鎖不飽和基をもつビニルまたはアクリルコポリマーおよびアクリル化メラミン。ポリケチミンは酸触媒の存在下ポリアミンおよびポリケトンから製造される。
【0052】
32.エチレン性不飽和モノマーまたはオリゴマーおよびポリ不飽和脂肪族オリゴマーを含む輻射線硬化性組成物。
【0053】
33.LSE−4103(モンサント社(Monsanto)) のようなエポキシ官能コエーテル化(coetherified) したハイソリッドメラミン樹脂により架橋された光安定性エポキシ樹脂のようなエポキシメラミン樹脂。
【0054】
一般に、特定の物質および適用により変化されるが、本発明の化合物は安定化される組成物の約1ないし約20重量%で使用される。有利な範囲は1ないし5%;好ましくは1.5ないし2.5%である。
【0055】
本発明から得られる安定化された組成物は所望により、下記に列挙した材料またはその混合物のような種々の慣用の添加剤の約0.01ないし約5重量%、好ましくは約0.025ないし約2重量%ならびに特には約0.1ないし約1重量%を含むことができる。
【0056】
特別に興味深い他の組成物はベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、シアノアクリル酸誘導体、ヒドロキシアリール−s−トリアジン、有機ニッケル化合物およびオキサニリドからなる群から選択された紫外線吸収剤をさらに含む組成物である。
【0057】
好ましいUV吸収剤は2−ヒドロキシ−3,5−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(ω−ヒドロキシ−オクタ(エチレンオキシ)カルボニル)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、4,4'−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'−ジオクチルオキシ−5,5'−ジ
−第三ブチルオキサニリド、2,2'−ジドデシルオキシ−5,5'−ジ−第三ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2'−エチルオキサニリド、2,6−ビス(2,4−ジメチル
フェニル)−4−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロパノキシ)フェニル]−s−トリアジンおよび2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノンからなる群から選択される。
【0058】
興味深い他の組成物は、フェノール系酸化防止剤の有効安定化量をさらに含む組成物であり;立体障害性アミン誘導体をさらに含む組成物であり;またはホスフィットもしくはホスホナイト安定剤をさらに含む組成物である。
【0059】
特に興味深い組成物はまた、その有機材料が、工業用仕上げ塗料に対して使用されるハイソリッド含量のエナメルであり;コイル被覆剤として使用され;浸透性木材用仕上剤として使用されまたは被膜形成木材用仕上剤として使用される、組成物である。
【0060】
本発明の化合物が反応性官能基を含む場合、該化合物は縮合またはフリーラジカル付加反応の何れかによってポリマー基材に化学的に結合することができる。これは、非移行性、非昇華性の紫外線吸収剤安定剤を提供する。このような反応性官能基はヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基またはエチレン性不飽和部分を含む。
【0061】
本発明の有用な種々の有機材料は本明細書に以下に詳細に記載されならびに本発明の化合物と同時の使用が非常に有利であることがしばしば見いだされる種々の補助安定剤である。
【0062】
本発明により得られた安定化されたポリマー組成物は、所望により、下記に列挙した材料またはその混合物のような種々の慣用の添加剤の約0.01ないし約5重量%、好ましくは約0.025ないし約2重量%ならびに特には約0.1ないし約1重量%を含むことができる。
【0063】
1.酸化防止剤
1.1 アルキル化モノフェノール、例えば
2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、
2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、
2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、
2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、
2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、
2,6−ジ−シクロペンチル−4−メチルフェノ−ル、
2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、
2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノ−ル、
2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、
2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、
【0064】
1.2. アルキル化ヒドロキノン、例えば2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチル−ヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミル−ヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール。
【0065】
1.3. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば
2,2′−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、
2,2′−チオビス(4−オクチルフェノール)、
4,4′−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、
4,4′−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)。
【0066】
1.4. アルキリデンビスフェノール、例えば
2,2′−メチレン−ビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、
2,2′−メチレン−ビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、
2,2′−メチレン−ビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、
2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、
2,2′−メチレン−ビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、
2,2′−メチレン−ビス [6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、
2,2′−メチレン−ビス [6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、
2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、
2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、
2,2′−エチリデン−ビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、
4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、
4,4′−メチレン−ビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、
1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、
2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、
1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、
エチレングリコールビス[3,3−ビス(3′−第三ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、
ビス(3−第三ブチル−4ーヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3′−第三ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート。
【0067】
1.5. ベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリ(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、
ジ−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド
3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプト−酢酸イソオクチルエステル、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジオクタデシルエステル、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル
−リン酸モノエチルエステルのCa塩。
【0068】
1.6. アシルアミノフェノール、例えば
4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、
4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、
2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジン、
オクチル−N−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0069】
1.7. β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の下記の一価または多価アルコールとのエステル、例えば、
メタノール ジエチレングリコール、オクタデカノール トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、チオジエチレングリコール ジ−(ヒドロキシエチル)シュウ酸ジアミド
【0070】
1.8. β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の下記の一価または多価アルコールとのエステル、例えば、
メタノール ジエチレングリコール、オクタデカノール トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、チオジエチレングリコール ジ−(ヒドロキシエチル)シュウ酸ジアミド
【0071】
1.9. β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド
例えばN,N′−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、
N,N′−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、
N,N′−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン。
【0072】
2.紫外線吸収剤および光安定剤
2.1. 2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、
5'−メチル−、3',5'−ジ−第三ブチル−、5'−第三ブチル−、5'−(1,1,3
,3−テトラメチルブチル) −、5−クロロ−3',5'−ジ−第三ブチル−、5−クロロ−3'−第三ブチル−5'−メチル−、3'−第二ブチル−5'−第三ブチル−、4'−オク
トキシ、3',5'−ジ−第三アミル−、3',5'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−、3'−α−クミル−5'−第三オクチル、3'−第三ブチル−5'−(2−(ω−ヒドロキシ−オクタ−(エチレンオキシ)カルボニル−エチル)−、3−ドデシル−5'−メチル
、および3'−第三ブチル−5'−(2−オクチルカルボニル)エチル−、およびドデシル化−5'−メチル誘導体。
【0073】
2.2. 2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン、例えば
4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2′,4′−トリヒドロキシ−および2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ誘導体。
【0074】
2.3. 置換されたおよび非置換安息香酸のエステル、例えば
フェニル=サリチレート、
4−第三ブチルフェニル=サリチレート、
オクチルフェニル=サリチレート、
ジベンゾイルレゾルシノール、
ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、
ベンゾイルレゾルシノール、
3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−第三ブチルフェニルエステル、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル。
【0075】
2.4. アクリレート、例えば
α−シアノ−β, β−ジフェニル−アクリル酸エチルエステル、
α−シアノ−β, β−ジフェニル−アクリル酸イソオクチルエステル、
α−カルボメトキシ−ケイヒ酸メチルエステル、
α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−ケイヒ酸メチルエステル、
α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−ケイヒ酸ブチルエステル、
α−カルボメトキシ−p−メトキシケイヒ酸メチルエステル、および
N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル) −2−メチルインドリン。
【0076】
2.5. ニッケル化合物,例えば
2,2′−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル) −フェノール]のニッケル錯体,例えば1:1または1:2錯体であって,所望によりn−ブチルアミン、トリエタノールアミンもしくはN−シクロヘキシル−ジ−エタノールアミンのような他の配位子を伴うもの、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸モノアルキルエステル例えばメチルもしくはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム例えば、2−ヒドロキシ−4−メチル−フェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体であって,所望により他の配位子を伴うもの。
【0077】
2.6. 立体障害性アミン、例えば
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル、
1−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、
N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−s−トリアジンとの縮合生成物、
トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
1,1′−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)。
【0078】
2.7. シュウ酸ジアミド、例えば
4,4′−ジ−オクチルオキシオキサニリド、
2,2′−ジ−オクチルオキシ−5,5′−ジ−第三ブチルオキサニリド、
2,2′−ジ−ドデシルオキシ−5,5′−ジ−第三ブチルオキサニリド、
2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、
N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、
2−エトキシ−5−第三ブチル−2′−エチルオキサニリドおよび該化合物と2−エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−第三ブチル−オキサニリドとの混合物,
o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0079】
2.8. ヒドロキシフェニル−s−トリアジン、例えば
2,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−4−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン;
2,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−ブロモフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス−[2−ヒドロキシ−4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン;
2,4−ビス−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン。
【0080】
3.金属不活性化剤,例えば
N,N′−ジフェニルシュウ酸ジアミド、
N−サリチラル−N′−サリチロイルヒドラジン、
N,N′−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、
N,N′−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、
3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、
ビス(ベンジリデン)シュウ酸ジヒドラジド。
【0081】
4.ホスフィットおよびホスホナイト、例えばトリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、
トリオクタデシルホスフィット、
ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、
ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、
ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)−ペンタエリトリトールジホスフィット、
トリステアリルソルビトールトリホスフィット、
テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレンジホスホナイト。
【0082】
5.過酸化物を分解する化合物、例えば
β−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール、または2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0083】
6.ヒドロキシルアミン、例えば、
N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N
−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクダデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、ハロゲン化獣脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0084】
7.ニトロン、例えば、
N−ベンジル−アルファ−フェニル−ニトロン、N−エチル−アルファ−メチル−ニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチル−ニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシル−ニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシル−ニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシル−ニトロン、
ハロゲン化獣脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンより誘導されたニトロン。
【0085】
8.ポリアミド安定剤、例えば
ヨウ化物および/またはリン化合物と組合せた銅塩、および二価マンガンの塩。
【0086】
9.塩基性補助安定剤、例えば
メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、
高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸Ca塩、ステアリン酸Zn塩、ステアリン酸Mg塩、リシノール酸Na塩およびパルミチン酸K塩、カテコールアンチモン塩およびカテコール錫塩。
【0087】
10.核剤、例えば
4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸。
【0088】
11.充填剤および強化剤、例えば
炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト。
【0089】
12.その他の添加剤、例えば
可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、蛍光増白剤、難燃剤、静電防止剤および発泡剤ならびにチオ相乗剤、例えばジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネート。
【0090】
特に興味深いフェノール性酸化防止剤は、
n−オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、ジ−n−オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、1,3,5トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、チオジエチレンビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,6−ジオキサオクタメチレンビス(3−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,2'−エチリデン−ビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,3,5−トリス
(2,6−ジメチル−4−第三ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシヌレート、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス〔2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)エチル〕−イソシアヌレート、3,5−ジ−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシトール、ヘキサメチレンビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、1−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−3,5−ジ−(オクチルチオ)−s−トリアジン、N,N'−ヘキサメチレン−ビス(3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、カルシウム ビス(エチル3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート)、エチレンビス〔3,3−ジ(3−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート〕、オクチル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)−ヒドラジド、およびN,N'−ビス〔2−(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)−エチル〕−オキサミドからなる群から選ばれる。
【0091】
もっとも好ましいフェノール性酸化防止剤は、ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、n−オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾールまたは2,2'−エチリデン−ビス−(4,6−ジ第三ブ
チルフェノール)である。
【0092】
特に興味深い立体障害性アミン化合物はビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザ−スピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ニトリロトリアセテート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3−オキソ−ピペラジン−4−イル)エタン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキサジスピロ〔5.1.11.2〕ヘネイコサン、2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4'−
ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の縮重合生成物、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮重合生成物、4,4'−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン)と1,2−ジブロモエタンの縮重合生成物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンと4,4'−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン)の縮重合生成物、N,N',N",N"'−テトラキス〔(4,6−ビス(ブチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−アミノ−s−トリアジン−2−イル〕−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、混合された〔2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル/β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕−ウンデカン)ジエチル〕1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、混合された〔1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル/β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕−ウンデカン)ジエチル〕1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、オクタメチレンビス(2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン−4−カルボキシレート)、4,4'−エチレンビス(2,2,6,6−テトラ
メチルピペラジン−3−オン)、N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、N−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、N−1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、1−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ジ−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−オクシチルオキシ−2,2,6,6−メチル−4−ヒドロキシピペリジン、ポリ−{ [6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル] [2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン−4−イル)イミノ−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ] 、および2,4,6−トリス
[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−イル)−n−ブチルアミノ] −s−トリアジンからなる群から選ばれる。
【0093】
もっとも好ましい立体障害性アミン化合物はビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮重合生成物、2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4'−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の縮重合
生成物、N,N',N",N"'−テトラキス〔(4,6−ビス(ブチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)アミノ−s−トリアジン−2−イル〕−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、ジ−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−オクシチルオキシ−2,2,6,6−メチル−4−ヒドロキシピペリジン、ポリ−{ [6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル] [2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2
,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ] 、または2,4,6−トリス [N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−イル)−n−ブチルアミノ] −s−トリアジンである。
【実施例】
【0094】
以下の実施例で本発明を説明することとする。
実施例1
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物
スチレン120ml中の1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン10gの脱酸素した(deoxygenated) 溶液を100℃で24時間加熱する。反応されないスチレンを減圧下で除去する。標記化合物をクロマトグラフィーにより残渣から単離し、そしてヘキサン/酢酸エチルから結晶化することにより精製して175−176℃で融解する付加生成物5.3gが得られる。
【0095】
実施例2
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンと4−クロロスチレンとの1,2−ビス−付加物
スチレンに代えて4−クロロスチレンの等量を用いて、実施例1の手順に従う場合に、
標記化合物はクロマトグラフィーによる精製後、76−78℃で融解する白色固体として得られる。
【0096】
実施例3
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンに代えて1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンの等量を用いて実施例1の手順に従う場合に、標記化合物はクロマトグラフィーによる精製後、104−108℃で融解する白色固体として得られる。
【0097】
実施例4
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンに代えて1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの等量を用いて実施例1の手順に従う場合に、標記化合物はクロマトグラフィーによる精製後、無色の油状物として得られる。
【0098】
実施例5
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンに代えて1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジンの等量を用いて実施例1の手順に従う場合に、標記化合物はクロマトグラフィーによる精製後、無色のロウ状の固体として得られる。
【0099】
実施例6
2−オキシル−1,1,3,3−テトラメチルイソインドリンとスチレンとの1,2−ビス−付加物
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンに代えて2−オキシル−1,1,3,3−テトラメチルイソインドリンの等量を用いて実施例1の手順に従う場合に、標記化合物はクロマトグラフィーによる精製の後、138−139℃で融解する白色固体として得られる。
【0100】
実施例7
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルベンゾイルオキシピペリジンとブチルアクリレートとの1,2−ビス−付加物
ブチルアクリレート50ml中の1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン30gの脱酸素化溶液を130℃で22時間加熱する。反応されないブチルアクリレートを減圧下で除去する。標記化合物をクロマトグラフィーにより残渣から単離して無色の油状物として付加生成物9.0gが得られる。
【0101】
実施例8
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとブチルアクリレートとの1,2−ビス−付加物
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンに代えて1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンの等量を用いて実施例7の手順に従う場合に、標記化合物はクロマトグラフィーによる精製後、115−117℃で融解する白色固体として得られる。
【0102】
実施例9−15
市販規格のスチレンから第三ブチルカテコール貯蔵安定剤を1Nの水酸化ナトリウムで洗浄し、続いて減圧下で蒸留することにより除去する。
温度計、コンデンサー、ゴム隔壁(rubber septum)および磁気スターラーバーを備えた300mlの三首フラスコに抑制剤を含まないスチレン(上述の通り精製したもの)100gを装入し(実施例9)、または別の実験として実施例10−15の本発明の種々の試験化合物200mgとともに装入する。無酸素雰囲気を5回の連続的な排気及び窒素の装填によりつくり、次いで15分間純粋窒素と共にスチレン溶液をスパージする。容器を機械的に攪拌しおよびサーモスタットで調節された油浴に120℃で浸漬する。少量部分を周期的に取り出しポリマー含量について分析する。形成されたポリスチレンの量は公知の濃度のスチレン溶液中の標準スチレンで検定された屈折率の測定によって決定する。結果を以下の表1に示す。
【表1】

本発明の実施例10−15の付加化合物の各々が実施例9の抑制されないスチレン使用に比較してスチレンモノマーの早期重合を軽減または防止するのに有効な非常に優れた抑制を提供することがこれらのデータから明らかである。
【0103】
実施例16
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトアミドピペリジンとスチレンとの1,2−ビス−付加物
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジンに代えて1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトアミドピペリジンの等量を用いて実施例1の手順に従う場合に、標記化合物はクロマトグラフィーによる精製後、得られる。
【0104】
実施例17
ABS/ポリカーボネートブレンドの光安定化
ABS(式Iで表される立体障害性アミン安定剤を含む)およびポリカーボネートの50/50ブレンドをミニブラベンダー押出機(mini Brabender extruder)において混合された樹脂ペレットを配合することにより製造する。次いで射出成形された125ミル(3.2mm)のアイゾッドバー(Izod bars)を、標準的な屋内自動(automotive) キセノン
アーク ウエザロメーター曝露およびスプレー キセノン アーク ウエザロメーター曝露
試験の下での光安定性の測定のために製造する。
本発明の式Iで表される安定剤化合物を含むABS/カーボネートブレンドは立体障害性アミン化合物のない対照ポリマーと比較して高められた光安定性を示す。
【0105】
実施例18
ポリプロピレン繊維の安定化
ポリプロピレン繊維が式Iで表される安定剤化合物を含む場合、それは安定化されないポリプロピレン繊維と比較して優れた光および熱安定性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下式IまたはII
【化1】

〔上記式中、R1およびR2は互いに独立して炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか、またはR1およびR2は一緒になってペンタメチレン基を表し;
Eは炭素原子数6ないし10のアリール基、または炭素原子数1ないし4のアルキル基でもしくはハロゲン原子で置換された該アリール基を表すか、あるいはEは−COOHまたは−COOR6(基中、R6は炭素原子数1ないし18のアルキル基または炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルキル基を表す)を表すか、あるいはEは−CNを表し;
3、R4およびR5が独立して炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;ならびに
Tは5−、6−もしくは7−員環または1,1,3,3−テトラメチルイソインドリン部分を完成させるために必要な基を表し、該T基は未置換であるか、またはヒドロキシル基で、オキソ基で、アセトアミド基で、−OR8(基中、R8は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表す)で、または−O−CO−R9(基中、R9は炭素原子数1ないし17のアルキル基またはフェニルを表す)で置換されている。〕で表される化合物、および
(B)ジエン、ハロゲン化ビニルモノマー、不飽和酸、不飽和エステル、不飽和ニトリル、不飽和エーテル及びジエチルビニルホスフェートからなる群から選択されたエチレン性不飽和モノマー
を含む早期重合に対して安定化された組成物。

【公開番号】特開2009−242802(P2009−242802A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121997(P2009−121997)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【分割の表示】特願平9−347158の分割
【原出願日】平成9年12月2日(1997.12.2)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】