説明

映像撮影装置,テレビジョン受像機,映像表示システム

【課題】テレビジョン受像機の映像表示部においてテレビジョン放送や外部入力映像などの任意の映像を視聴しながら,インターホンの呼び出しなどの所定の撮影開始要求に応じて映像撮影装置で撮影される映像を確認することのできる映像表示システム及びこれを構成するテレビジョン受像機及び電気機器を提供すること。
【解決手段】映像撮影装置で撮影される撮影映像の表示が要求されたときに(ステップS201),テレビジョン受像機の映像表示部に任意の映像が表示されている状態であれば(ステップS203のNo側),前記任意の映像と前記撮影映像とを合成して前記映像表示手段に表示する(ステップS206)ように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,インターホンの呼び出しなどに応じて映像撮影装置で撮影される撮影映像をテレビジョン受像機に表示させる映像表示システムに関し,特に,前記映像表示システムを構成する映像撮影装置及びテレビジョン受像機の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば,特許文献1には,玄関などに設けられたインターホンの呼び出しに応じてその玄関の映像をカメラ(映像撮影部)で撮影し,その撮影された映像をテレビジョン受像機に表示させるインターホンシステム(映像表示システム)が開示されている。
このような構成では,通常,テレビジョン受像機には,テレビジョン放送や外部入力映像などの任意の映像が表示されるが,インターホンの呼び出しがあった場合に,その表示がカメラで撮影された映像に切り替えられる。したがって,カメラの映像を表示する外部モニタとしてテレビジョン受像機を兼用することができる。
【特許文献1】特開2001−309360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら,前記特許文献1のような構成では,インターホンの呼び出しがなされるたびに,テレビジョン受像機の表示がカメラの映像に切り替えられるため,ユーザがテレビジョン受像機でテレビジョン放送や外部入力映像などの任意の映像を視聴している場合には,その視聴がその都度中断されるという問題が生じる。例えば,ユーザは視聴中のテレビジョン放送の大事な場面を見逃してしまうおそれがある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,テレビジョン受像機の映像表示部においてテレビジョン放送や外部入力映像などの任意の映像を視聴しながら,インターホンの呼び出しなどの所定の撮影開始要求に応じて映像撮影装置で撮影される映像を確認することのできる映像表示システム及びこれを構成する映像撮影装置,及びテレビジョン受像機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために本発明は,映像を撮影する映像撮影部により撮影された撮影映像の映像信号を,入力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示部を有するテレビジョン受像機に,所定の信号伝送手段を通じて伝送する映像撮影装置に適用されるものであって,前記所定の信号伝送手段が,映像信号を含む信号を伝送するTMDS信号伝送ラインとCEC規格に準拠したCEC信号伝送ラインとを有してなり,HDMI規格に準拠した通信プロトコルに従って信号伝送を行うものであり,所定の条件が充足された場合に,前記テレビジョン受像機の映像表示部に表示された任意の映像と前記映像撮影部により撮影された撮影映像との合成表示を要求する既定の合成表示コマンドを,CEC規格に準拠した通信プロトコルに従って前記CEC信号伝送ラインを通じて前記テレビジョン受像機に送信する合成表示コマンド送信手段を備えてなることを特徴とする映像撮影装置として構成される。
このように構成された前記映像撮影装置によれば,テレビジョン放送や外部入力映像などの任意の映像と前記撮影映像とが前記テレビジョン受像機の前記映像表示部に同時に表示されるため,ユーザは,前記任意の映像の視聴を中断することなく,該任意の映像を視聴しながら前記撮影映像を確認することができる。
このとき,前記任意の映像及び前記撮影映像の表示形態としては,例えば前記任意の映像及び前記撮影映像を前記映像表示部に二分割表示することや,前記任意の映像の表示領域内に前記撮影映像を表示すること等が考えられる。
【0005】
本発明は,具体的に,音声通話の開始を要求するための呼出操作手段を有するインターホンを更に備える構成に適用することが可能であり,この場合には,前記所定の条件を,前記呼出操作手段の操作が行われたこととすればよい。
例えば,玄関に設置されたインターホン子機(呼出操作手段)からの呼び出しに応じて,その玄関に設置された前記映像撮影部による撮影映像を前記テレビジョン受像機の映像表示部に表示させる構成が想定できる。
【0006】
なお,本発明は,前記映像撮影装置に接続されるテレビジョン受像機の発明として捉えることも可能である。
即ち,映像を撮影する映像撮影部を有する映像撮影装置と,前記映像撮影装置の映像撮影部により撮影された撮影映像の映像信号を当該テレビジョン受像機に伝送する信号伝送手段と,所定の条件が充足された場合に当該テレビジョン受像機に前記撮影映像の表示を要求する表示要求手段と,を備えてなる映像表示システムに設けられ,入力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示部を有するテレビジョン受像機に適用されるものであって,前記映像表示部に任意の映像が表示されている状態で前記表示要求手段による要求が行われた場合に,前記任意の映像と前記撮影映像とを合成して前記映像表示部に表示する合成表示手段を備えてなることを特徴とするテレビジョン受像機として捉えてもよい。
このように構成された前記テレビジョン受像機では,テレビジョン放送や外部入力映像などの任意の映像が前記映像表示部に表示されている状態で,前記表示要求手段による要求が行われた場合には,その表示中の任意の映像と前記撮影映像とが前記映像表示部に同時に表示されるため,ユーザは,前記任意の映像の視聴を中断することなく,該任意の映像を視聴しながら前記撮影映像を確認することができる。
【0007】
さらに,本発明は,前記映像撮影装置や前記テレビジョン受像機を備えてなる映像表示システムの発明として捉えてもよい。
即ち,入力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示部を有するテレビジョン受像機と,映像を撮影する映像撮影部を有する映像撮影装置と,前記映像撮影装置の映像撮影部により撮影された撮影映像の映像信号を前記テレビジョン受像機に伝送する信号伝送手段と,所定の条件が充足された場合に前記テレビジョン受像機に前記撮影映像の表示を要求する表示要求手段と,を備えてなる映像表示システムに適用されるものであって,前記テレビジョン受像機が,前記映像表示部に任意の映像が表示されている状態で前記表示要求手段による要求が行われた場合に,前記任意の映像と前記撮影映像とを合成して前記映像表示部に表示するように構成されてなることを特徴とする映像表示システムとして構成される。
ここで,前記信号伝送手段は,映像信号を含む信号を伝送するTMDS信号伝送ラインとCEC規格に準拠したCEC信号伝送ラインとを有してなり,HDMI規格に準拠した通信プロトコルに従って信号伝送を行うものであることが考えられる。この場合,前記表示要求手段は,前記テレビジョン受像機に前記任意の映像と前記撮影映像との合成表示を要求する既定の合成表示コマンドを,CEC規格に準拠した通信プロトコルに従って前記CEC信号伝送ラインを通じて前記テレビジョン受像機に送信するものであることが考えられる。
このように構成された前記映像表示システムでは,テレビジョン放送や外部入力映像などの任意の映像が前記映像表示部に表示されている状態で,前記表示要求手段による要求が行われた場合には,その表示中の任意の映像と前記撮影映像とが前記映像表示部に同時に表示されるため,ユーザは,前記任意の映像の視聴を中断することなく,該任意の映像を視聴しながら前記撮影映像を確認することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば,テレビジョン放送や外部入力映像などの任意の映像と前記撮影映像とが前記映像表示部に同時に表示されるため,ユーザは,前記任意の映像の視聴を中断することなく,該任意の映像を視聴しながら前記撮影映像を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る映像表示システムZの概略構成を示すブロック図,図2は前記映像表示システムZにおいて実行される撮影映像表示処理の手順の一例を説明するためのフローチャート,図3及び図4は前記撮影映像表示処理による表示画面の一例を示す図である。
まず,図1に示すブロック図を用いて,本発明の実施形態に係る映像表示システムZの構成について説明する。
前記映像表示システムZは,入力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示部5を有するテレビジョン受像機Xと,映像や音声を記録するハードディスクドライブ(HDD)23を有するHDレコーダYと,玄関に設けられたカメラ31(映像撮影部)及びインターホン子機32を有するインターホンシステムV(映像撮影装置の一例)とを備えて構成されている。なお,前記カメラ31単体を前記映像撮影装置の一例として捉えてもよい。
前記映像表示システムZの特徴は,前記テレビジョン受像機Xの映像表示部5にテレビジョン放送や外部入力映像などの任意の映像が表示されている状態で,前記インターホンシステムVのインターホン子機32からの呼び出し要求が行われた場合に,その任意の映像と前記カメラ31で撮影された撮影映像とが合成されて前記映像表示部5に同時に表示される点にある。その詳細については後述する。
【0010】
前記テレビジョン受像機Xと前記HDレコーダYとは,HDMI規格に準拠した信号伝送手段であるHDMIインターフェースW1によって通信可能に接続され,前記テレビジョン受像機Xと前記インターホンシステムVとは,HDMI規格に準拠した信号伝送手段であるHDMIインターフェースW2(信号伝送手段の一例)によって通信可能に接続されている。
前記テレビジョン受像機X,前記インターホンシステムV及び前記HDレコーダY各々は,前記HDMIインターフェースW1及びW2を通じて,HDMI規格で規格された通信プロトコルに従って通信を行う。
【0011】
前記HDMIインターフェースW1は,映像信号及び音声信号(いずれもデジタル信号)を伝送するTMDSライン41x,41yと,HDMI規格のオプション規格であるCEC規格に準拠したCECライン42を含んでいる。なお,前記TMDSライン41x,41y各々は,複数本の信号ラインにより構成され,前記TMDSライン41x及び前記CECライン42,前記TMDSライン41y及び前記CECライン42は,見かけ上1本のHDMIケーブル40として構成されている。
また,前記HDMIインターフェースW2は,映像信号及び音声信号(いずれもデジタル信号)を伝送するTMDSライン51xと,HDMI規格のオプション規格であるCEC規格に準拠したCECライン42を含んでいる。なお,前記TMDSライン51xは,複数本の信号ラインにより構成され,前記TMDSライン51x及び前記CECライン42は,見かけ上1本のHDMIケーブル50として構成されている。
【0012】
[テレビジョン受像機X]
本発明の実施形態に係る前記テレビジョン受像機Xは,図1に示すように,チューナ1,HDMI受信部(図中,HDMI−RXと表記)2xa,2xb,HDMI送信部(図中,HDMI−TXと表記)2ya,CECインターフェース(図中,CEC−IFと表記)2xc,映像処理回路4,映像表示部5,制御回路6,リモコンインターフェース(I/F)回路7,リモコン8,サブMPU9,音声切替回路10,音声処理回路11,アンプ12,スピーカ13等を具備して構成されている。
前記チューナ1は,地上波放送信号やBS衛星放送信号等のテレビジョン放送信号を受信し,該放送信号から,前記制御回路6により指示される放送チャンネルの信号を抽出(選局)するとともに,その抽出信号の検波によって映像信号及び音声信号を取り出し,その映像信号及び音声信号の各々を前記映像処理回路4及び前記音声切替回路10各々へ伝送するものである。
【0013】
前記HDMI受信部2xa,2xb及び前記HDMI送信部2yaは,HDMI規格に準拠した信号伝送インターフェースである。
前記HDMI受信部2xa,2xbは,前記TMDSライン41x,51xを通じて,外部装置(ここでは,HDレコーダY,インターホンシステムV)からベースバンド方式で映像信号及び音声信号を入力し,それらを前記映像処理回路4及び前記音声切替回路10各々へ伝送する。
前記HDMI送信部2yaは,前記インターホンシステムVから前記TMDSライン51xを通じて入力される映像信号及び音声信号を,前記TMDSライン41yを通じて,外部装置(ここでは,HDレコーダY)にベースバンド方式で出力する。
前記CECインターフェース2xcは,HDMI規格におけるCEC規格に準拠した信号伝送インターフェースである。このCECインターフェース2xcは,前記CECライン42を通じて,外部装置(ここでは,HDレコーダY,インターホンシステムV)との間で情報の送受信を行う。前記CECインターフェース2xcの受信情報の直接の伝送先及び送信情報の直接の供給元は,前記サブMPU9である。
図1に示す例では,前記テレビジョン受像機Xに,1台の前記HDレコーダY(外部装置)が接続されているが,該テレビジョン受像機Xには,前記HDレコーダYを介して間接的に複数の外部装置を接続すること(ディジーチェーン接続)が可能である。但し,この場合には,前記HDレコーダYに,後述するHDMI受信部25cやHDMI送信部25aが複数設けられている必要がある。
【0014】
前記映像処理回路4は,前記チューナ1,前記HDMI受信部2xa,2xbからの映像信号を入力し,それらの映像信号のうちの任意の1つの映像信号を前記制御回路6からの指示に従って出力する単独出力機能と,それらの映像信号のうちのいずれか複数の映像信号を合成することにより複数の映像を同時に表示する合成表示機能と,を有している。前記合成表示機能には,例えば,前記チューナ1,前記HDMI受信部2xa,2xbから入力される映像のうちの二つの映像を前記映像表示部5に二分割表示する機能や,前記チューナ1,前記HDMI受信部2xa,2xbから入力される映像のうちのいずれか一つの映像の表示領域内に他の映像を表示する機能が含まれる。
また,前記映像処理回路4は,前記チューナ1,前記HDMI受信部2xa,2xbからの映像信号に,前記制御回路6から指定された情報の映像をスーパーインポーズする(重ね合わせる)OSD機能も備えている。
前記映像表示部5は,液晶パネル及び液晶ドライバを備えた液晶表示部などにより構成され,前記映像処理回路4から出力される映像信号に基づく映像を表示するものである。
【0015】
前記音声切替回路10は,前記チューナ1,前記HDMI受信部2xa,2xbからの音声信号が入力され,それらの音声信号のうちの任意の1つの音声信号を,前記制御回路6からの指示に従って前記音声処理回路11に出力するものである。
前記音声処理回路11は,前記音声切替回路10から出力された信号に対し,イコライズ処理やD/A変換処理等を行うものである。
前記アンプ12は,前記音声処理回路11による処理後の音声信号を,前記制御回路6からの指示に従って増幅或いは減衰させる処理(ボリューム調節処理)を行い,前記スピーカ13に出力するものである。前記スピーカ13では,前記音声信号に基づく音声が出力(再生)される。
【0016】
前記制御回路6は,演算手段であるMPU6a,そのMPU6aによって実行される制御プログラムが予め格納される記録手段であるROM6b(EPROM),前記MPU6aが実行する処理において読み書きされる各種情報を記録するEEPROM6c等を備え,当該テレビジョン受像機X全体を制御するものである。以下に示す前記制御回路6の処理や機能は,前記MPU6aが前記ROM6bに記録されたプログラムを実行することによって実現される。
前記リモコン8は,当該テレビジョン受像機Xの動作の制御用の無線信号(例えば,赤外線信号)を出力するリモート操作器であり,不図示の操作入力部や無線信号出力回路等を備えている。前記操作入力部は,チャンネル選択キーや音量調節キーなど,情報入力のための操作部であり,その操作内容に応じた信号が前記無線信号出力回路に伝送される。また,前記無線信号出力回路は,前記操作入力部から伝送されてくる信号(即ち,テレビジョン受像機Xの動作の制御信号)を,無線信号(例えば,赤外線信号)に変換し,当該リモコン8からテレビ本体側へ無線伝送するものである。
一方,前記リモコンインターフェース回路7は,前記リモコン8から伝送される無線信号(赤外線信号等)を受信し,これを電気信号に変換することにより,前記リモコン8から伝送される各種情報を取得するとともに,その取得情報を前記サブMPU9に伝送するものである。
前記サブMPU9は,前記制御回路6と,前記リモコンインターフェース回路7及び前記CECインターフェース2xcとの間で情報伝送を中継する処理を実行するマイクロコンピュータである。
【0017】
ところで,前記テレビジョン受像機Xにおいて,前記HDMIインターフェースW1,W2の一部を構成する前記HDMI受信部2xa,2xb,前記HDMI送信部2ya及び前記CECインターフェース2xcと,前記サブMPU9と,前記リモコンインターフェース回路7とは,当該テレビジョン受像機Xが商用電源に接続されている状態では,常時通電された状態となっている。
また,前記テレビジョン受像機Xは,商用電源に接続された状態において複数の動作モードを有している。具体的には,前記映像表示部5による映像表示や前記スピーカ13による音声出力が可能な通常動作モード(即ち電源が立ち上げられた状態)と,前記チューナ1や前記制御回路6,前記映像処理回路4,前記映像表示部5,前記音声切替回路10,前記音声処理回路11,アンプ12,スピーカ13などへの通電が遮断された省エネモードと,前記チューナ1や前記制御回路6,前記映像表示部5,前記アンプ12,前記スピーカ13など,即時に復帰が可能な構成要素だけへの通電を遮断するクイックモードと,を有している。ここで,前記省エネモード及び前記クイックモードは共に,前記テレビジョン受像機Xの電源が立ち下げられた状態といえるが,前記クイックモードでは,前記省エネモードよりも動作が停止する構成要素の数が少ないため,前記通常動作モードへの移行が迅速に行われる。なお,ここで説明する各動作モードは一例に過ぎない。
【0018】
前記テレビジョン受像機Xでは,前記サブMPU9が不図示の通電スイッチの切り替え制御を行うことにより,前記3つの動作モードの切り替えが実現される。
例えば,前記サブMPU9は,当該テレビジョン受像機Xが前記省エネモードや前記クイックモードである場合に,前記リモコン8から前記リモコンインターフェース回路7を通じて電源キーの操作信号が受信されたこと,或いは前記HDレコーダYから前記CECインターフェース2xcを通じて自装置宛の何らかのコマンドが受信されたことを検知すると,前記通電スイッチを切り替えることにより,当該テレビジョン受像機Xを前記省エネモードや前記クイックモードから前記通常動作モードへ切り替える。
一方,前記サブMPU9は,当該テレビジョン受像機Xが前記稼動状態である場合に,前記リモコン8から前記リモコンインターフェース回路7を通じて省エネモードキーやクイックモードキーの操作信号が受信されたこと,或いは前記HDレコーダYから前記CECインターフェース2xcを通じて省エネモード移行コマンドやクイックモード移行コマンドが受信されたことを検知すると,前記通電スイッチを切り替えることにより,当該テレビジョン受像機Xを前記通常動作モードから前記省エネモードや前記クイックモードへ切り替える。
また,前記リモコン8から前記リモコンインターフェース回路7を通じて電源キーの操作信号が受信された場合に,前記省エネモード又は前記クイックモードのいずれに移行するかを予め設定しておくことも考えられる。他に,前記クイックモードの状態が一定時間継続した場合に,前記省エネモードに移行するように制御することも考えられる。
【0019】
[HDレコーダY]
本発明の実施形態に係る前記HDレコーダYは,図1に示すように,チューナ21,記録・再生回路22,HDD23(ハードディスクドライブ),制御回路24,HDMI送信部25a(図中,HDMI−TXと表記),CECインターフェース25b(図中,CEC−IFと表記),HDMI受信部25c(図中,HDMI−RXと表記),リモコンインターフェース回路26,リモコン27及びサブMPU28等を具備して構成されている。
ここで,前記チューナ21,前記リモコンインターフェース回路26,前記リモコン27及び前記サブMPU28は,それぞれ前記テレビジョン受像機Xにおける前記チューナ1,前記リモコンインターフェース回路7,前記リモコン8及び前記サブMPU9と同様のものである。
【0020】
前記記録・再生回路22は,放送番組の録画処理及び録画番組の再生処理を実行するものである。即ち,前記記録・再生回路22は,前記チューナ21により抽出された番組に含まれた前記コンテンツ信号,或いは前記HDMI受信部25cから入力された前記コンテンツ信号を,圧縮符号化して前記HDD23に記録する記録処理を実行する。
また,前記記録・再生回路22は,前記HDD23に録画(記録)されたコンテンツ信号を復号化しながら前記HDMI送信部25aを通じて外部出力する再生処理を実行する。
さらに,前記記録・再生回路22は,前記チューナ21により抽出された番組の放送信号から,そこに含まれるEPG情報(電子番組ガイド情報)を抽出して前記HDD23に記録するEPG取得機能も備えている。
【0021】
前記HDMI送信部25a及び前記HDMI受信部25cは,HDMI規格に準拠した信号伝送インターフェースである。前記HDMI送信部25aは,前記TMDSライン41xを通じて,外部装置(ここでは,テレビジョン受像機X)に対し,ベースバンド方式で映像信号及び音声信号を出力する。
前記HDMI受信部25cは,前記TMDSライン41yを通じて,外部装置(ここでは,前記テレビジョン受像機X)からベースバンド方式で映像信号及び音声信号を入力し,それらを前記記録・再生回路22へ伝送する。
前記CECインターフェース25bは,前記テレビジョン受像機Xにおける前記CECインターフェース2xcと同様に,HDMI規格におけるCEC規格に準拠した信号伝送インターフェースである。このCECインターフェース25bは,前記CECライン42を通じて,外部装置(ここでは,テレビジョン受像機X,インターホンシステムV)との間で情報の送受信を行う。前記CECインターフェース25bの受信情報の直接の伝送先及び送信情報の直接の供給元は,前記サブMPU28である。
【0022】
また,前記HDレコーダYにおいて,前記HDMIインターフェースW1の一部を構成する前記HDMI送信部25a,前記HDMI受信部25c及び前記CECインターフェース25bと,前記サブMPU28と,前記リモコンインターフェース回路26とは,当該HDレコーダYが商用電源に接続されている状態では,常時通電された状態となっている。
一方,前記チューナ21や前記制御回路24,前記記録・再生回路22及び前記HDD23等は,当該HDレコーダYが商用電源に接続されている状態において,それらへの通電がなされた稼動状態(電源立ち上げられた状態)と,それらへの通電が遮断された待機状態(電源立ち下げられた状態)との2状態に切り替えられる。その2状態の切り替えは,前記サブMPU28が不図示の通電スイッチの切り替え制御を行うことにより実現される。
例えば,前記サブMPU28は,当該HDレコーダYが前記待機状態である場合に,前記リモコン27から前記リモコンインターフェース回路26を通じて電源キーの操作信号が受信されたこと,或いは前記テレビジョン受像機Xや前記インターホンシステムVから前記CECインターフェース25bを通じて自装置宛の何らかのコマンドが受信されたことを検知すると,前記通電スイッチをOFF状態からON状態へ切り替えることにより,当該HDレコーダYを前記待機状態から前記稼動状態へ切り替える。即ち,前記HDレコーダYの電源を立ち上げる。
一方,前記サブMPU28は,当該HDレコーダYが前記稼動状態である場合に,前記リモコン27から前記リモコンインターフェース回路26を通じて電源キーの操作信号が受信されたこと,或いは前記テレビジョン受像機Xや前記インターホンシステムVから前記CECインターフェース25bを通じて停止コマンドが受信されたことを検知すると,前記通電スイッチをON状態からOFF状態へ切り替えることにより,当該HDレコーダYを前記稼動状態から前記待機状態へ切り替える。即ち,前記HDレコーダYの電源を立ち下げる。
【0023】
前記制御回路24は,演算手段であるMPU24a,そのMPU24aによって実行される制御プログラムが予め格納される記録手段であるROM24b(EPROM),前記MPU24aが実行する処理において読み書きされる各種情報を記録するEEPROM24c等を備え,当該HDレコーダY全体を制御するものである。以下に示す前記制御回路24の処理や機能は,前記MPU24aが前記ROM24bに記録されたプログラムを実行することによって実現される。
【0024】
[インターホンシステムV]
本発明の実施形態に係る前記インターホンシステムVは,図1に示すように,カメラ31,インターホン子機32,インターホン親機32a,人感センサ33,HDMI送信部(図中,HDMI−TXと表記)34,CECインターフェース(図中,CEC−IFと表記)35,制御回路36及びサブMPU37等を具備して構成されている。なお,前記カメラ31,前記インターホン子機32及び前記人感センサ33は玄関外(室外)に設けられ,前記インターホン親機32aは室内に設けられる。
ここで,前記サブMPU37は,前記テレビジョン受像機Xにおける前記サブMPU9や前記HDレコーダYにおける前記サブMPU28と同様のものである。
【0025】
前記カメラ31は,前記インターホン子機32の近傍の映像を撮影するものであって,前記制御回路36からの指示に従って前記HDMI送信部34或いは前記インターホン親機32aに撮影映像を出力する。
前記インターホン子機32は,前記インターホン親機32aとの音声通話の開始を要求するための呼出ボタン(不図示,呼出操作手段の一例)と,前記インターホン親機32aとの間で音声通話を行う音声通話部(不図示)とを有している。
また,前記インターホン親機32aは,前記カメラ31から入力された映像を表示する映像表示モニタ(不図示)と,前記インータホン子機32との間で音声通話を行う音声通話部(不図示)とを有している。
前記人感センサ33は,前記インターホン子機32の近傍に人が居るか否かを検知するものであって,該検知結果は,前記制御回路36に入力される。
【0026】
前記HDMI送信部34は,HDMI規格に準拠した信号伝送インターフェースである。前記HDMI送信部34は,前記TMDSライン51xを通じて,外部装置(ここでは,テレビジョン受像機X)に対し,ベースバンド方式で映像信号及び音声信号を出力する。
前記CECインターフェース35は,前記テレビジョン受像機Xにおける前記CECインターフェース2xcや前記HDレコーダYにおける前記CECインターフェース25bと同様に,HDMI規格におけるCEC規格に準拠した信号伝送インターフェースである。このCECインターフェース35は,前記CECライン42を通じて,外部装置(ここでは,テレビジョン受像機X,インターホンシステムV)との間で情報の送受信を行う。前記CECインターフェース35の受信情報の直接の伝送先及び送信情報の直接の供給元は,前記サブMPU37である。
【0027】
前記制御回路36は,演算手段であるMPU36a,そのMPU36aによって実行される制御プログラムが予め格納される記録手段であるROM36b(EPROM),前記MPU36aが実行する処理において読み書きされる各種情報を記録するEEPROM36c等を備え,当該インターホンシステムV全体を制御するものである。以下に示す前記制御回路36の処理や機能は,前記MPU36aが前記ROM36bに記録されたプログラムを実行することによって実現される。
【0028】
次に,図2に示すフローチャートを参照しつつ,前記映像表示システムZで実行される撮影映像表示処理の手順の一例について説明する。なお,図中に示すS101,S102,…(図2の中央)は,前記インターホンシステムV側の処理手順(ステップ)番号,S201,S202,…(図2の左側)は,前記テレビジョン受像機X側の処理手順(ステップ)番号,S301,S302,…(図2の右側)は,前記HDレコーダY側の処理手順(ステップ)番号,を表す。
先に,前記インターホンシステムV側の処理について説明し,続いて前記テレビジョン受像機X側,前記HDレコーダY側の処理について説明する。
【0029】
[ステップS101]
まず,ステップS101では,前記制御回路36によって,前記インターホン子機32の呼出ボタン(不図示)が押下されたか否かが判断される。具体的には,前記呼出ボタン(不図示)の押下により前記インターホン子機32から入力される呼出信号に基づいて判断される。
ここで,前記呼出ボタン(不図示)が押下されたと判断されると(S101のYes側),処理はステップS102に移行する。なお,前記呼出ボタン(不図示)が押下されていないと判断されている間は(S101のNo側),前記ステップS101の判断が繰り返し実行される。
なお,このステップS101では,前記呼出ボタン(不図示)の押下の有無に換えて,前記人感センサ33による検知の有無を判断してもよい。この場合には,前記人感センサ33により人が居ることが検知された場合に,処理がステップS102に移行される。
【0030】
[ステップS102]
ステップS102では,前記制御回路36から前記カメラ31に映像の撮影開始が要求されることにより,該カメラ31による映像の撮影が開始される。
前記カメラ31により撮影された撮影映像は,前記HDMI送信部34に入力され,該HDMI送信部34によって前記TMDSライン51xを通じて前記テレビジョン受像機Xに出力される。なお,前記テレビジョン受像機Xに入力された前記撮影映像は,前記HDMI受信部2xbを介して前記映像処理回路4に入力される。
また,前記テレビジョン受像機Xに入力された前記撮影映像は,前記テレビジョン受像機Xの前記HDMI受信部2xb,前記HDMI送信部2yaを介して,前記HDレコーダYの前記HDMI受信部25cにも入力される。
【0031】
[ステップS103]
続いて,ステップS103では,前記制御回路36の指示により前記サブMPU37によって,前記テレビジョン受像機X及び前記HDレコーダYの両者に既定の撮影開始コマンド(既定の合成表示コマンドに相当)が送信される。
このとき,前記撮影開始コマンドは,HDMI規格のCEC規格で規定された通信プロトコルに従って,前記CECインターフェース35,前記CECライン42を通じて送信される。ここに,前記インターホン子機32の呼出ボタン(不図示)の押下を条件に前記テレビジョン受像機Xに前記撮影開始コマンドを送信するときの前記制御回路36が,表示要求手段及び合成表示コマンド送信手段に相当する。なお,前記撮影開始コマンドは,例えば予め指示内容が任意に設定された所謂ベンダーコード,或いは前記CEC規格の標準コマンドを組み合わたものである。
【0032】
[ステップS104〜105]
その後,ステップS104では,前記制御回路36によって,前記人感センサ33の検知位置に人が居るか否か判断される。具体的には,前記人感センサ33から入力される検知結果に基づいて判断される。
ここで,前記人感センサ33の検知位置に人が居ないと判断されると(S104のNo側),処理はステップS105に移行する。なお,前記人感センサ33の検知位置に人が居ると判断されている間は(S104のYes側),前記ステップS104の判断が繰り返し実行される。
ステップS105では,前記制御回路36の指示により前記サブMPU37によって,前記テレビジョン受像機X及び前記HDレコーダYの両者に既定の撮影終了コマンドが送信され,処理は前記ステップS101に戻される。このとき,前記撮影終了コマンドは,HDMI規格のCEC規格で規定された通信プロトコルに従って,前記CECインターフェース35,前記CECライン42を通じて送信される。なお,前記撮影終了コマンドは,例えば予め指示内容が任意に設定された所謂ベンダーコード,或いは前記CEC規格の標準コマンドを組み合わたものである。
以上の処理が,前記撮影映像表示処理における前記インターホンシステムV側の処理である。
【0033】
次に,前記撮影映像表示処理における前記テレビジョン受像機X側の処理について説明する。
[ステップS201]
まず,ステップS201では,前記サブMPU9によって,前記CECライン42を通じて前記インターホンシステムVにおける前記ステップS103の処理で送信される前記撮影開始コマンドが受信されたか否かが判断される(S201)。ここで,前記撮影開始コマンドが受信されたと判断された場合には(S201のYes側),処理はステップS202に移行する。なお,前記撮影開始コマンドが受信されていないと判断されている間は(S201のNo側),前記ステップS201の判断が繰り返し実行される。なお,前記ステップS201の処理が繰り返されている状態では,前記映像表示部5に前記撮影映像は表示されておらず,例えば前記通常動作モードであればテレビジョン放送などの映像が前記映像表示部5に単独で表示された状態,前記省エネモードや前記クイックモードであれば前記映像表示部5の表示は消えた状態である。
【0034】
[ステップS202,S203]
ステップS202及び203では,前記サブMPU9によって,前記テレビジョン受像機Xの動作モードが,前記通常動作モード,前記省エネモード,前記クイックモードのいずれであるかが判断される。例えば,前記サブMPU9の内部メモリや前記制御回路6のEEPROM6cなどに記憶された動作モードを示すモードフラグを参照することや,前記動作モードの切り替えに用いられる前記通電スイッチの状態などによって判断される。
まず,ステップS202では,前記サブMPU9によって,前記テレビジョン受像機Xの動作モードが省エネモードであるか否かが判断される。
ここで,前記テレビジョン受像機Xの動作モードが省エネモードであると判断された場合には(S202のYes側),処理は前記ステップS201に戻る。一方,前記テレビジョン受像機Xの動作モードが省エネモードではないと判断された場合には(S202のNo側),処理はステップS203に移行する。即ち,前記テレビジョン受像機Xの動作モードが前記省エネモードである場合には,前記撮影映像は前記映像表示部5に表示されない。
そして,ステップS203では,前記サブMPU9によって,前記テレビジョン受像機Xがクイックモードであるか否かが判断される。
ここで,前記テレビジョン受像機Xの動作モードがクイックモードであると判断された場合には(S203のYes側),処理はステップS204に移行し,クイックモードではないと判断された場合には(S203のNo側),処理はステップS206に移行する。このとき,前記ステップS203においてクイックモードではないと判断された場合には,前記テレビジョン受像機Xの動作モードは通常動作モードである。即ち,前記テレビジョン受像機Xの電源がONの状態であって,前記映像表示部5には,前記チューナ1から入力されたテレビジョン放送の映像や,不図示の外部入力端子などから入力された映像など,任意の映像が表示された状態である。
【0035】
[ステップS204,205]
ステップS204では,前記サブMPU9によって,前記通電スイッチが制御されることによって,前記クイックモードから前記通常動作モードへ切り替えられる(即ち,電源がONされる)。
続くステップS205では,前記制御回路6によって前記映像処理回路4が制御されることにより,該映像処理回路4の単独表示機能により,前記HDMI受信部2xbから入力された前記撮影映像が前記映像表示部5に単独表示される。このとき,前記テレビジョン受像機Xはクイックモードであったため,前記撮影映像以外の映像を同時に表示させる必要性が低いため,該撮影映像を単独表示することに問題はない。なお,前記省エネモードの場合と同様に,前記テレビジョン受像機Xがクイックモードである場合には,前記ステップ201に戻ること,即ち前記撮影映像を表示しないことも他の実施例として考えられる。また,逆に,前記省エネモードである場合に,前記ステップS204に移行させて,前記撮影映像を表示させることも他の実施例として考えられる。
【0036】
[ステップS206]
一方,前記テレビジョン受像機Xの動作モードが通常動作モードである場合には(S202及びS203でNo),処理はステップS206に移行する。このとき,前記テレビジョン受像機Xでは,前記チューナ1から入力されたテレビジョン放送の映像などが前記映像表示部5に表示されている。
当該ステップS206では,前記制御回路6によって前記映像処理回路4が制御されることにより,該映像処理回路4の合成表示機能により,前記映像表示部5に表示中の映像(以下「既表示映像」という)と,前記HDMI受信部2xbから入力された前記撮影映像とが合成されて前記映像表示部5に同時に表示される。ここに,前記撮影開始コマンドが受信された場合に,前記映像処理回路4を制御することにより前記既表示映像及び前記撮影映像を合成して表示させるときの前記制御回路6が合成表示手段に相当する。
これにより,前記テレビジョン受像機Xを視聴しているユーザは,前記映像表示部5で前記既表示映像及び前記撮影映像を同時に見ることができる。
ここに,図3及び図4は,前記ステップS206において前記映像処理回路4の合成表示機能により前記映像表示部5に表示される表示画面の一例を示す図である。ここに,図3,4中のv0は前記既表示映像,v1は前記撮影映像である。
図3は,前記映像処理回路4の合成表示機能によって,前記既表示映像v0と前記撮影映像v1とが前記映像表示部5に左右に二分割表示された場合の表示例を示している。
一方,図4は,前記映像処理回路4の合成表示機能によって,前記既表示映像vの表示領域内に前記撮影映像v1が表示された場合の表示例を示している。
なお,前記既表示映像及び前記撮影映像を合成して前記映像表示部5に同時に表示させる手法は,ここで説明したものに限られない。
【0037】
[ステップS207]
そして,S207では,前記制御回路6によって,前記インターホンシステムVにおける前記ステップS105において送信される前記撮影終了コマンドが受信されたか否かが判断される。
ここで,前記撮影終了コマンドが受信されたと判断されると(S207のYes),処理はステップS208に移行し,受信されていないと判断されている間(S207のNo側)は,前記ステップS207の判断が繰り返し実行される。
【0038】
[ステップS208]
ステップS208では,前記ステップS201において前記撮影開始コマンドが受信されたときに,前記テレビジョン受像機Xの動作モードがクイックモードであったか否かが判断される。なお,前記ステップS201において前記撮影開始コマンドが受信されたときの前記テレビジョン受像機Xの動作モードは前記制御回路6のEEPROM6cや前記サブMPU9の内部メモリなどに記憶されており,前記ステップS208では,その情報に基づいて判断が行われる。
ここで,前記クイックモードであったと判断されると(S208のYes),処理はステップS209に移行し,前記クイックモードではなかったと判断されると(S208のNo側),処理はステップS210に移行する。
【0039】
[ステップS209,S210]
ステップS209では,前記サブMPU9によって,前記通電スイッチが制御されることによって,前記通常動作モードから前記クイックモードへ切り替えられる(即ち,電源がOFFされる)。これにより,前記映像表示部5の表示は消去される。その後,処理は前記ステップS201に移行する。
一方,ステップS210では,前記制御回路6によって前記映像処理回路4が制御されることにより,該映像処理回路4は,前記HDMI受信部2xbから入力される前記撮影映像の前記映像表示部5への表示を消去して,前記既表示映像を単独で前記映像表示部5に表示する。その後,処理は前記ステップS201に移行する。
【0040】
このように,前記映像表示システムZでは,前記テレビジョン受像機Xの映像表示部5に任意の映像が表示された状態で,前記インターホンシステムVから前記撮影開始コマンドが入力された場合には,前記映像表示部5に既に表示されていた前記既表示映像と,前記インターホンシステムVのカメラ31で撮影された前記撮影映像とが合成されて前記映像表示部5に表示される。
したがって,ユーザが,例えば前記テレビジョン受像機Xにおいて前記映像表示部5に表示されたテレビジョン放送などの映像を視聴している場合に,来客によって前記インターホンシステムVのインターホン子機32の呼出ボタン(不図示)が押下されても,そのテレビジョン放送の視聴を中断することなく,前記インターホンシステムVのカメラ31によって撮影された前記撮影映像を前記映像表示部5によって確認することができる。
以上の処理が,前記撮影映像表示処理における前記テレビジョン受像機X側の処理である。
【0041】
次に,前記撮影映像表示処理における前記HDレコーダY側の処理について説明する。
[ステップS301,302]
前記HDレコーダY側では,まず,前記制御回路24が,前記CECライン42を通じて前記インターホンシステムVから記ステップS103の処理で送信される前記撮影開始コマンドを受信する処理を実行する(S301)。なお,当該HDレコーダYが前記待機状態である場合には,まず,前記サブMPU28が,自装置宛のコマンドが受信された時点で,前記通電スイッチを制御することによって前記待機状態から前記稼動状態へ切り替え(即ち,起動し),これによって起動した前記制御回路24が,受信されたコマンド内容の判別を行う。
そして,前記制御回路24は,前記撮影開始コマンドが受信されたことを確認すると(S301のYes側),前記インターホンシステムVのカメラ31で撮影され,前記HDMIインターフェースW1及びW2を通じて入力される前記撮影映像の録画の開始を前記記録・再生回路22に指示する(S302)。これにより,前記記録・再生回路22では,前記HDMI受信部25cによって受信された前記撮影映像の前記HDD23への記録が開始される。
【0042】
[ステップS303,304]
そして,ステップS303では,前記制御回路24によって,前記CECライン42を通じて前記インターホンシステムVから記ステップS105の処理で送信される前記撮影終了コマンドを受信する処理が実行される(S303)。
そして,前記制御回路24は,前記撮影終了コマンドが受信されたことを確認すると(S303のYes側),前記撮影映像の録画の終了を前記記録・再生回路22に指示する(S304)。これにより,前記記録・再生回路22では,前記撮影映像の録画が終了される。
その後,処理は前記ステップS301に戻る。このとき,前記サブMPU28は,前記テレビジョン受像機Xから前記撮影開始コマンドを受信する前の状態が前記待機状態であった場合には,前記通電スイッチを制御することにより,当該HDレコーダYを前記稼動状態から前記待機状態へ切り替える(元の状態へ戻す)。
以上の処理が,前記撮影映像表示処理における前記HDレコーダY側の処理である。
【0043】
なお,本実施の形態では,前記インターホンシステムVのカメラ31で撮影された前記撮影映像を前記テレビジョン受像機Xで表示或いは前記HDレコーダYで録画することを例に挙げて説明したが,前記インターホンシステムVのインターホン子機32に入力される音声を前記テレビジョン受像機Xで出力することや前記HDレコーダYに録音してもよいことは言うまでもない。また,前記テレビジョン受像機Xにマイクを接続しておくことにより,前記インターホン子機32との音声通話を実現することも他の実施例として考えられる。
また,前記映像表示システムZは,前記HDレコーダYが一台だけ接続された構成であるが,複数のHDレコーダYやその他のHDMI機器が更に接続された構成も想定できる。
【実施例1】
【0044】
また,前記実施の形態では,前記テレビジョン受像機Xが前記撮影開始コマンドを受信したとき,前記省エネモードである場合には前記撮影映像を表示せず,前記クイックモードである場合には前記撮影映像を単独表示し,前記通常動作モードである場合には前記撮影映像を前記既表示映像と合成して表示する場合について説明したが,これらは任意に設定・変更することができる構成が望ましい。
例えば,前記クイックモードである場合に前記撮影映像を前記既表示映像と合成して表示することや,前記通常動作モードである場合に前記撮影映像を単独表示させるように設定することを可能とすることが考えられる
。また,前記撮影映像を表示せずに,前記撮影開始コマンドが受信された旨,即ち,前記インターホン子機32の呼出ボタン(不図示)が押下されたことをテロップ(文字)で前記映像表示部5に表示させるという設定を可能にしておくことも考えられる。
さらに,前記インターホン子機32の呼出ボタン(不図示)が押下された際に,前記撮影映像を前記映像表示部5に表示させるか否かをユーザに問い合わせ,ユーザによる前記リモコン8への操作入力に応じて前記撮影映像の表示の有無を切り替える手法も考えられる。この場合,前記撮影映像を単独表示するか,或いは前記既表示映像と合成表示するかをも選択可能としておくことが望ましい。
また,前記インターホン子機32の呼出ボタン(不図示)が押下された場合には,前述したように,前記撮影映像を前記映像表示部5に表示させると共に前記HDレコーダYに録画させ,前記人感センサ33による検知が行われた場合には,人を検知した旨を前記映像表示部5にテロップ(文字)で表示させるだけで,前記撮影映像の前記映像表示部5への表示や前記HDレコーダYへの録画を行わないことも考えられる。
【実施例2】
【0045】
また,前記実施の形態では,前記インターホン子機32の呼出ボタン(不図示)の押下という条件が充足された場合に,前記撮影映像を前記テレビジョン受像機Xの映像表示部5に表示させる構成について説明した。
ここでは,他の条件により前記撮影映像を前記テレビジョン受像機Xの映像表示部5に表示させる構成について説明する。
例えば,所定の位置における音声の有無を検知する音声検知センサを有する監視装置を設ける構成が考えられる。
具体的には,前記テレビジョン受像機Xが設置された部屋とは別室に,該別室における音声の有無を検知する音声検知センサ及び前記カメラ31を設けておく。そして,前記監視装置は,前記音声検知センサによる検知が行われた場合に前記カメラ31に前記別室の映像の撮影開始を指示し,その撮影映像を前記テレビジョン受像機Xの映像表示部5に表示させるように処理を実行する。このように構成される映像表示システムは,例えば別室に居る赤ちゃんの状態を監視するために好適に用いられる。
【0046】
また,前記監視装置の別の構成として,前記音声検知センサに換えて,所定の位置における人の有無を検知する人感センサを備える構成が考えられる。
この場合には,例えば前記カメラ31及び前記人感センサを防犯の必要な箇所に設置しておき,前記人感センサによって人が検知された場合に,その場所の映像を前記カメラ31で撮影して前記テレビジョン受像機Xの映像表示部5に表示させるように処理が実行される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像表示システムZの概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る映像表示システムZにおいて実行される撮影映像表示処理の手順の一例を説明するためのフローチャート。
【図3】本発明の実施の形態に係る映像表示システムZにおいて実行される撮影映像表示処理による表示画面の一例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る映像表示システムZにおいて実行される撮影映像表示処理による表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0048】
V…インターホンシステム
X…テレビジョン受像機
Y…ハードディスクレコーダ
Z…映像表示システム
1,21…チューナ
2xa,2xb,25c…HDMI受信部
2ya,25a,34…HDMI送信部
2xc,25b,35…CECインターフェース
4…映像処理回路
5…映像表示部
6,24…制御回路
7,26…リモコンインターフェース回路
8,27…リモコン
9,28…サブMPU
10…音声切替回路
11…音声処理回路
12…アンプ
13…スピーカ
22…記録・再生回路
23…ハードディスクドライブ(HDD)
40…HDMIケーブル
41x,41y,51x…TMDSライン
42…CECライン
S101,S102,〜…処理手順(ステップ)番号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を撮影する映像撮影部により撮影された撮影映像の映像信号を,入力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示部を有するテレビジョン受像機に,所定の信号伝送手段を通じて伝送する映像撮影装置であって,
前記所定の信号伝送手段が,映像信号を含む信号を伝送するTMDS信号伝送ラインとCEC規格に準拠したCEC信号伝送ラインとを有してなり,HDMI規格に準拠した通信プロトコルに従って信号伝送を行うものであり,
所定の条件が充足された場合に,前記テレビジョン受像機の映像表示部に表示された任意の映像と前記映像撮影部により撮影された撮影映像との合成表示を要求する既定の合成表示コマンドを,CEC規格に準拠した通信プロトコルに従って前記CEC信号伝送ラインを通じて前記テレビジョン受像機に送信する合成表示コマンド送信手段を備えてなることを特徴とする映像撮影装置。
【請求項2】
前記合成表示コマンドが,前記任意の映像及び前記撮影映像を前記映像表示部に二分割表示させるもの,或いは前記任意の映像の表示領域内に前記撮影映像を表示させるものである請求項1に記載の映像撮影装置。
【請求項3】
音声通話の開始を要求するための呼出操作手段を有するインターホンを更に備えてなり,
前記所定の条件が,前記呼出操作手段の操作が行われたことである請求項1又は2のいずれかに記載の映像撮影装置。
【請求項4】
映像を撮影する映像撮影部を有する映像撮影装置と,前記映像撮影装置の映像撮影部により撮影された撮影映像の映像信号を当該テレビジョン受像機に伝送する信号伝送手段と,所定の条件が充足された場合に当該テレビジョン受像機に前記撮影映像の表示を要求する表示要求手段と,を備えてなる映像表示システムに設けられ,入力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示部を有するテレビジョン受像機であって,
前記映像表示部に任意の映像が表示されている状態で前記表示要求手段による要求が行われた場合に,前記任意の映像と前記撮影映像とを合成して前記映像表示部に表示する合成表示手段を備えてなることを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項5】
入力された映像信号に基づいて映像を表示する映像表示部を有するテレビジョン受像機と,映像を撮影する映像撮影部を有する映像撮影装置と,前記映像撮影装置の映像撮影部により撮影された撮影映像の映像信号を前記テレビジョン受像機に伝送する信号伝送手段と,所定の条件が充足された場合に前記テレビジョン受像機に前記撮影映像の表示を要求する表示要求手段と,を備えてなる映像表示システムであって,
前記テレビジョン受像機が,前記映像表示部に任意の映像が表示されている状態で前記表示要求手段による要求が行われた場合に,前記任意の映像と前記撮影映像とを合成して前記映像表示部に表示する合成表示手段を備えてなることを特徴とする映像表示システム。
【請求項6】
前記信号伝送手段が,映像信号を含む信号を伝送するTMDS信号伝送ラインとCEC規格に準拠したCEC信号伝送ラインとを有してなり,HDMI規格に準拠した通信プロトコルに従って信号伝送を行うものである請求項5に記載の映像表示システム。
【請求項7】
前記表示要求手段が,前記テレビジョン受像機に前記任意の映像と前記撮影映像との合成表示を要求する既定の合成表示コマンドを,CEC規格に準拠した通信プロトコルに従って前記CEC信号伝送ラインを通じて前記テレビジョン受像機に送信するものである請求項6に記載の映像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−85729(P2008−85729A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264072(P2006−264072)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】