説明

映像監視システム

【課題】従来は、システム起動中はブラウザのメモリ用状況を監視していないため、ブラウザの動作状況を確認する手段がなかった。このため、端末装置およびシステムが起動しないことがあった。本発明の監視システムは、不特定多数の端末装置で、実情報を基にした機能制限を行うことによって、端末装置およびシステムが正常に起動する映像監視システムを提供することを目的とする。
【解決手段】システム起動時にメモリを読み込み、システムの機能制限を実施することで、操作端末に搭載されているメモリが少ない場合でも、一部の機能を使用することができるので、システムを利用できる操作端末のスペックの制限を広げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラウザを使用したサーバクライアント方式の映像監視システムに関わり、特に、PC(Personal Computer)等の操作端末に搭載されているメモリ、およびシステム中のブラウザのメモリ使用量を監視することにより、システムの機能制限を行う映像監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブラウザを使用した映像監視システムでは、操作端末毎に機能制限を行う場合には、端末のIP(Internet Protocol)アドレスを基に、Webサーバ内のデータベースに端末情報を登録し、かつ管理していた。
上記方法では、システム内の全ての端末情報を予め登録する必要がある。
そのため、登録した情報が実際の端末情報と一致しているか判別することができないという問題がある。
従来は、システムが稼働中には、設備状態を監視する技術はいくか提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、システム起動中はブラウザのメモリ用状況を監視していないため、ブラウザの動作状況を確認する手段がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−260616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のデータベースを使用した端末管理では、データベースに全ての端末情報を登録しなければならなかった。また、実際の端末とデータベースに登録されている情報が一致しない可能性があるという問題があった。例えば、システム起動中はブラウザのメモリ用状況を監視していないため、ブラウザの動作状況を確認する手段がない。そのため、端末装置およびシステムが起動しないことがあった。
本発明の監視システムは、不特定多数の端末装置で、実情報を基にした機能制限を行うことによって、端末装置およびシステムが正常に起動する映像監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の映像監視システムにおいて、操作端末のメモリを取得し監視するソフトウェアをActive X(商標)コントロールとして作成し、Webサーバからブラウザ経由でインストールを行うものである。
また、システムを使用するための操作端末の推奨メモリや、システムの安定稼動を保障するブラザの上限メモリ使用量の情報を、Webサーバ上に、XMLファイルとして配置し、操作端末がこのファイルを読み込み、読み込んだファイル情報に基づいて機能制限を行うものである。
【0006】
即ち、本発明の映像監視システムは、カメラと、Webサーバと、端末装置とを備えた映像監視システムにおいて、前記Webサーバは前記操作端末のメモリ情報を取得し監視するソフトウェアを有し、前記端末装置のWebブラウザは、前記Webサーバから前記ソフトウエアを取得してインストールし、前記操作端末のメモリ情報を取得および監視することでシステムの機能制限を行うものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、システム起動時にメモリを読み込み、システムの機能制限を実施することで、操作端末に搭載されているメモリが少ない場合でも、一部の機能を使用することができるので、システムを利用できる操作端末のスペックの制限を広げることができる。
また、ブラウザのメモリ使用量を監視することで、メモリ使用量が増加していった際に、当該操作端末のユーザに注意を促し、ユーザが操作端末の操作機能を自ら制限することでシステムの安定稼働を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の映像監視システムの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の映像監視システムにおけるWebサーバとクライアント間の動作の一実施例を説明するための構成を示す図である。
【図3】本発明の映像監視システムにおけるクライアントのシステム起動時の処理動作の一実施例を示す図である。
【図4】本発明の映像監視システムにおけるWebブラウザ21のメモリ使用量を監視する処理動作の一実施例を示す図である。
【図5】メモリ情報を記載するXMLファイルのフォーマットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ブラウザを使用したサーバクライアント方式での映像監視システムにおいて、PC等の操作端末に搭載されているメモリおよびシステム使用中のブラウザのメモリ量を監視し、メモリ量が少ない時には、システムの機能制限を行うものである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、できるだけ説明の重複を避けるため、説明を省略するようにした。
【0010】
図1によって、本発明の映像監視システムの構成を説明する。図1は、本発明の映像監視システムの一実施例の構成を示すブロック図である。100は本発明の映像監視システム、11−1、11−2、・・・、11−mはWebカメラ(mは自然数)、12はネットワーク回線、130はサーバ、13はサーバ130のWebサーバ、14は管理サーバ、15−1、15−2、15−3、・・・、15−nは不特定のクライアント(nは2以上の自然数)である。
【0011】
図1の映像監視システムにおいて、Webカメラ11−1、11−2、・・・、11−mは、それぞれ、所定の監視エリアの被写体を撮像し、画像データとしてネットワーク回線12を介してサーバ130のWebサーバ13に送信する。Webサーバ13は、入力された映像データを、Webカメラ毎のID等で識別して蓄積する。また、Webサーバ13は、クライアント(操作端末)15−1、15−2、15−3、・・・、15−nからの要求に応じて、蓄積した映像データの中から指定された映像データを、ネットワーク回線12を介して配信する。
管理サーバ14は、映像監視システム100の、システム管理を行うサーバである。
クライアント15−1、15−2、15−3、・・・、15−nは、ネットワーク回線12を介して、Webサーバ13に接続し、所望の映像データを配信される。
なお、Webカメラ11−1、11−2、・・・、11−mを代表して、Webカメラ11を使用する。また、クライアント(操作端末)15−1、15−2、15−3、・・・、15−nを代表して、クライアント15を使用する。
【0012】
図2は、本発明の映像監視システムにおけるWebサーバとクライアント間の動作の一実施例を説明するための構成を示す図である。クライアント15において、21はWebブラウザ、22はXML、23はメモリ監視用にインストールされたActive Xである。また、サーバ130において、13はWebサーバ13、26はプログラムファイル、27はメモリ情報ファイルである。さらに、28はダウンロード経路である。
図2は、本発明の映像監視システムにおいて使用するサーバ130とクライアント15間の構成を示し、操作端末(クライアント)15は、サーバ130のWebサーバ13から、Webサーバ13が有するXMLファイル等のプログラムファイル26を、ネットワーク回線12を介したダウンロード経路28を介して、読み出すことで、操作画面の表示および制御を実現する。
【0013】
図3および図5によって、本発明の映像監視システムの動作の一実施例を説明する。図3は、本発明の映像監視システムにおける操作端末15のシステム起動時の処理動作の一実施例を示す図である。また図5は、メモリ情報を記載するXMLファイルのフォーマットの一例を示す図である。図5(a)は、スクリプト、図5(b)はタグ名称、属性、およびその内容を示す表である。図3において、Webサーバ21からWebブラウザ21経由で、メモリを監視および取得するActive X(以降、メモリ監視Active Xと称する)をインストールする。そして、メモリ情報(操作端末毎の推奨メモリ量)が記載されたXMLファイルをメモリ情報ファイル27から読み出し、操作端末15に搭載されているメモリ量と比較し、機能制限を行う。図5に、メモリ情報を記載するXMLファイルのフォーマットの一例を示す。なお、メモリ情報ファイル27内のメモリ情報は、予め登録しておく。
【0014】
図3においては、上から下に時刻が経過する。また、Webブラウザ21とWebサーバ13間のネットワーク回線12等の途中の経路の説明を省略している。
処理301では、Webブラウザ21は、初期ファイルをWebサーバ13に要求し、処理302では、Webサーバ13は、初期ファイルをWebブラウザ21に送信する。
【0015】
Webブラウザ21は、処理303では、機能制限項目を非表示にする。
次にWebブラウザ21は、処理304において、メモリ監視Active Xのインストールを開始する。
処理305において、Webブラウザ21は、メモリ監視Active Xから端末装置15に搭載されているメモリ情報(メモリ量B)を取得する。
そして、Webブラウザ21は、処理306では、Webサーバ13にメモリ情報の取得を要求する。
Webブラウザ21は、処理307では、Webブラウザ21にメモリ情報ファイル27に登録されている当該端末装置15のメモリ情報(上限メモリ量A)を送信する。
【0016】
Webブラウザ21は、処理308では、取得したメモリ情報から上限メモリ量Aを取得する。
Webブラウザ21は、処理309では、端末搭載メモリ量Bと取得した上限メモリ情報Aとを比較し、端末搭載メモリ量Bが上限メモリ情報Aと等しいかまたは大であるか否か(A≦B)を判定する。
Webブラウザ21は、端末搭載メモリ量Bが上限メモリ情報Aと等しいかまたは大であれば、処理310に進み、否(A>B)であれば、処理313に進む。
【0017】
Webブラウザ21は、処理310では、取得したデータから推奨メモリ量Cを取得する。
Webブラウザ21は、処理311では、端末搭載メモリ量Aと取得した推奨メモリ量Cとを比較し、端末搭載メモリ量Aが推奨メモリ量Cと等しいかまたは大であるか否か(A≦C)を判定する。Webブラウザ21は、端末搭載メモリ量Aが推奨メモリ量Cと等しいかまたは大であれば、処理312に進み、否(A>C)であれば、処理313に進む。
Webブラウザ21は、処理312では、機能制限項目を表示し、システム起動動作を続ける。
【0018】
また、Webブラウザ21は、処理313では、メモリ不足であることを示すメッセージを端末装置15のWebブラウザ21に表示し処理314に進む。
Webブラウザ21は、処理314では、処理315に進みシステムの起動を中止する。
【0019】
次に、図4によって、本発明の映像監視システムの動作の一実施例を説明する。図4は、Webブラウザ21のメモリ使用量を監視する処理を示し、メモリ監視Active X23から定期的にメモリ使用量を取得する。そして、システム起動時に取得したメモリ情報が記載されたXMLファイル内の上限メモリ使用量と比較する。ブラウザのメモリ使用量が上限メモリ使用量を超えていた時、注意喚起を促すメッセージ画面を表示する。
【0020】
図4において、Webブラウザ21は、処理401では、メモリ情報ファイル27から上限メモリ使用量Aを取得する。
次に、Webブラウザ21は、処理402では、メモリ監視Active X23からブラウザのメモリ使用量Bを取得する。
そして、Webブラウザ21は、処理403では、ブラウザのメモリ使用量Bが上限メモリ使用量A未満であるか否かを判定する。ブラウザのメモリ使用量Bが上限メモリ使用量A未満であれば、処理404に進み、ブラウザのメモリ使用量Bが上限メモリ使用量Aより大か等しければ、処理Cに進む。
処理404では、Webブラウザ21は、当該操作端末のブラウザに注意喚起が表示されているか否かを検出する。注意喚起が未表示であれば処理405に進み、表示されていれば処理Cに進む。
処理405では、Webブラウザ21は、注意喚起メッセージを当該操作端末のブラウザに画面表示する。
処理406では、Webブラウザ21は、注意喚起表示済みとして、所定の機能制限を行い、必要な一部の機能だけ使用できるように、操作端末15のスペックに制限を加え、処理405に進む。
処理Cは、Webブラウザの起動処理である。このWebブラウザの起動処理が終了するまで、所定の時間間隔で割込み処理Dとして、図4の処理402から処理Cまで実行し、Webブラウザのメモリ使用量Bを監視する。
【0021】
以上の実施例によれば、従来、システム起動中はブラウザのメモリ用状況を監視していないため、ブラウザの動作状況を確認する手段がなかったため、端末装置およびシステムが起動しないことがあったが、上記実施例によれば、不特定多数の端末装置で、実情報を基にした機能制限を行うことによって、端末装置およびシステムが正常に起動する映像監視システムを実現できる。
【0022】
以上、本発明を実施例によって詳細に説明した。しかし、本発明は、上述の実施例に限定されるわけではなく、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神に基づいて、本発明を修正若しくは変更できる発明が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0023】
11、11−1、11−2、・・・、11−m:Webカメラ、 12:ネットワーク回線、 13:Webサーバ、 14:管理サーバ、 15、15−1、15−2、15−3、・・・、15−n:クライアント、 21:Webブラウザ、 22:XML、 23:Active X、 26:プログラムファイル、 27:メモリ情報ファイル、 28:ダウンロード経路、 100:本発明の映像監視システム、 130:サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、Webサーバと、端末装置とを備えた映像監視システムにおいて、
前記Webサーバは前記操作端末のメモリ情報を取得し監視するソフトウェアを有し、
前記端末装置のWebブラウザは、前記Webサーバから前記ソフトウエアを取得してインストールし、前記操作端末のメモリ情報を取得および監視することでシステムの機能制限を行うことを特徴とする映像監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−3772(P2013−3772A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133247(P2011−133247)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】