説明

映像蓄積再生装置及びその制御方法

【課題】蓄積中にトリックプレイやスキップの実行を可能とすることにより、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】映像蓄積再生装置において、外部装置から受信したストリームの再生表示を実行する再生表示手段を備える。外部装置から受信したストリームが通常再生によるストリームであるか否かをストリームに含まれる識別情報から判断する判断手段を備える。蓄積手段は、判断手段により、通常再生によるストリームであると判断された場合には、再生表示手段による再生表示と並行して蓄積部に当該ストリームを蓄積する。また、蓄積手段は、通常再生以外のストリームであると判断された場合には、当該ストリームを蓄積しない制御を行う。また、未蓄積ストリームが存在する場合に、当該ストリームを伝送するよう外部装置に要求し、当該要求に基づいて送信された未蓄積ストリームを蓄積部に蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部より受信したストリームの蓄積と再生を同時に実行する映像蓄積再生装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮像装置と映像蓄積再生装置(例えば、デジタル放送受信装置)が接続され、撮像装置で撮像(撮影)された映像を映像蓄積再生装置で蓄積し、再生して視聴するシステムが普及している。
【0003】
このようなシステムにおいて、撮像装置から映像蓄積再生装置へストリームを伝送し、映像蓄積再生装置が蓄積と再生を同時に行う場合、不連続伝送(トリックプレイ、スキップ)が生じると連続した蓄積ができなくなる。
【0004】
そのため、蓄積を実行中は、ユーザが早送りや巻戻しなどのトリックプレイに関する操作を行ったとしても、トリックプレイを実行しないように制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006―0352721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来の技術では、蓄積を実行しながらトリックプレイやスキップを実行することができないため、蓄積中は連続再生のみに限定され、ユーザの利便性が損なわれていた。
【0006】
本発明の目的は、蓄積中にトリックプレイやスキップの実行を可能とすることにより、ユーザの利便性を向上させることができる映像蓄積再生装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の映像蓄積再生装置は、外部装置が再生したストリームの蓄積部への蓄積と再生表示を実行する映像蓄積再生装置において、前記外部装置から受信したストリームの再生表示を実行する再生表示手段と、前記外部装置から受信したストリームが通常再生によるストリームであるか否かをストリームに含まれる識別情報から判断する判断手段と、前記判断手段により、受信したストリームが通常再生によるストリームであると判断された場合には、前記再生表示手段による再生表示と並行して前記蓄積部に当該ストリームを蓄積し、受信したストリームが通常再生以外のストリームであると判断された場合には、当該ストリームを蓄積しない制御を行う蓄積手段と、前記蓄積手段によって蓄積されなかった未蓄積ストリームが存在する場合に、当該ストリームを伝送するよう前記外部装置に要求するとともに、当該要求に基づいて送信された未蓄積ストリームを前記蓄積部に蓄積するよう蓄積手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の映像蓄積再生装置の制御方法は、外部装置が再生したストリームの蓄積部への蓄積と再生表示を実行する映像蓄積再生装置の制御方法において、前記外部装置から受信したストリームの再生表示を実行する再生表示ステップと、前記外部装置から受信したストリームが通常再生によるストリームであるか否かをストリームに含まれる識別情報から判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、受信したストリームが通常再生によるストリームであると判断された場合には、前記再生表示ステップでの再生表示と並行して前記蓄積部に当該ストリームを蓄積し、受信したストリームが通常再生以外のストリームであると判断された場合には、当該ストリームを蓄積しない制御を行う蓄積ステップと、前記蓄積ステップによって蓄積されなかった未蓄積ストリームが存在する場合に、当該ストリームを伝送するよう前記外部装置に要求するとともに、当該要求に基づいて送信された未蓄積ストリームを前記蓄積部に蓄積するよう蓄積手段を制御する制御ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の映像蓄積再生装置によれば、蓄積中にトリックプレイやスキップの実行を可能とすることにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
[実施例1]
図1は、本発明の実施の形態に係る映像蓄積再生装置と撮像装置が接続された映像蓄積再生システムのブロック図である。
【0012】
図1において、本システムは、映像蓄積再生装置101と外部装置としての撮像装置200とが接続されることで構築される。尚、本実施例では、映像蓄積再生装置101とは独立して表示部であるディスプレイ108を設けているが、映像蓄積再生装置101とディスプレイ108とが一体となった構成であってもよい。
【0013】
映像蓄積再生装置101は、例えば、デジタル放送を受信するデジタル放送受信装置で構成される。但し、本実施例では、本発明において必要となる構成部分のみを図示、ならびに説明するものとする。従って、デジタル放送受信装置の場合に存在するチューナやデコーダといった部品の説明は省略する。映像蓄積再生装置101は、映像蓄積再生装置101の主たる制御を集中的に司る制御部としてのCPU102が設けられている。
【0014】
映像音声再生部103は、撮像装置200から入力されたストリームデータやHDD107に蓄積された映像データの再生制御を実行する再生部としての機能を有する。映像音声再生部103によって再生された映像音声データはディスプレイ108に出力される。
【0015】
蓄積制御部104は、撮像装置200から入力されたストリームデータをHDD107に蓄積するための蓄積制御を実行する。また、複数に分割されているストリームデータを結合するための処理なども実行する。
【0016】
HDMI I/F105は、撮像装置200とHDMI(High Definition Multimedia Interface)を介して接続するためのインタフェースである。本実施例では、撮像装置200と映像蓄積再生装置101との間のデータの伝送はHDMIを利用するものとする。
【0017】
メモリ106は、映像蓄積再生装置101を動作させるためのプログラムや、撮像装置200から入力されたステータスフラグ(詳細は後述する)を記憶し、管理するために利用される。
【0018】
HDD107は入力されたストリームデータを蓄積する蓄積部としての機能を有する。
【0019】
撮像装置200は、動画を撮像し、映像蓄積再生装置101へ伝送する装置である。
【0020】
次に、撮像装置200の構成をブロック図を用いて説明する。図2は撮像装置200の内部構成を示したブロック図である。
【0021】
本実施例における撮像装置は、被写体を取り込む撮影レンズ201、取り込んだ被写体を画像信号に変換する撮像素子203、及び撮像素子203への光量を制御する絞り202を備えている。
【0022】
撮像素子203で変換された画像信号は、CDS/AGC204によってサンプルホールドされて、適正な信号レベルとされた後、デジタル信号処理回路205でA/D変換されて、デジタル信号処理が施される。デジタル信号処理回路205からの生データは1フレーム分ずつフレームメモリ206に蓄積され、フレームメモリ206の画素は画素数調整回路207によってMPEG2又はMPEG4方式での記録ができるように適切な画素数に調整される。
【0023】
また、図2において、符号208は、各ブロック間の画像データ及び音声データが行き来する画像/音声データバス、符号209は、画像データと共にハードディスクドライブ219に記録される音声を集音するマイクロフォンである。マイクロフォン209からの音声信号は増幅器210によって適当なレベルまで増幅され、増幅された音声信号はA/Dコンバータ211によってA/D変換される。
【0024】
更に、符号213は、液晶ディスプレイ212を駆動する液晶ドライバであり、液晶ディスプレイ212は、再生モード時にはMPEG2コーデック214からの再生画像データを表示し、撮影時には撮像素子203で撮像された映像を表示する。MPEG2コーデック214は、画像/音声データバス208からのデジタル画像信号を動画としてMPEG2方式による圧縮符号化すると共に、ハードディスクドライブ219に記録されるMPEG2圧縮データを伸長する。
【0025】
また、MPEG2コーデック214からの圧縮符号化された画像データは、ハードディスクドライブ219に記録される前にストリームバッファ215に一時的に記録・保持される。ここで、ストリームバッファ215に記録・保持された画像データは、所定のタイミングで間欠的にハードディスクドライブ219に転送されて、該ハードディスクドライブ219に記録される。尚、符号218は、ハードディスクドライブ219に対してデータの書き込み及び読み出しを行うディスクドライバである。
【0026】
更に、撮像装置200は、ビデオ出力端子216、HDMI端子220、操作キー222、RAM224、EEPROM225、制御バス226及びメインマイコン223を備えている。
【0027】
ビデオ出力端子216は、NTSCエンコーダ217からのアナログ映像信号を出力し、NTSCエンコーダ217は、液晶ディスプレイ212で表示される画像と同一の画像をアナログ化して、ビデオ出力端子216に出力する。
【0028】
HDMI端子220は、HDMIコントローラ221からのデータを出力する。HDMIコントローラ221は、ハードディスクドライブ219に記録されたMPEG2方式の画像データがMPEG2コーデック214で伸張された後のストリームをHDMI端子220に出力する。
【0029】
制御バス226は、メインマイコン223からの制御信号や、操作キー222からの操作信号を伝達するためのバスである。
【0030】
メインマイコン223は、カメラ全体のモードを制御したり、操作キー222の操作を検出したりして、撮像装置200に関する各種機能の実行を制御する。また、メインマイコン223は撮像装置200の映像出力に関するステータスを示すステータスフラグを動画のストリームとともに映像蓄積再生装置101に伝送する制御を実行する。本実施例では、ステータスフラグはHDMIで伝送されるストリームデータのブランキング部分に挿入するものとする。
【0031】
図3は、図1における撮像装置から映像蓄積再生装置への伝送例を示す図である。
【0032】
図3において、ステータスフラグ301は、伝送開始・停止・一時停止などを示すフラグである。また、ストリーム302は、撮像装置200から映像蓄積再生装置101へ伝送される映像データを示す。
【0033】
ステータスフラグ301は、常に一定間隔で撮像装置200から映像蓄積再生装置101へ伝送される。ストリーム302の伝送を行う場合、ステータスフラグ301は、ストリーム302と対で伝送し、HDD107ではストリーム302のみ蓄積を行う。また、ストリーム302には所定のサイズ単位のデータに対して、ストリームの順序を識別するための番号が付与されている。例えば、ストリームがフレームデータで構成されている場合には、フレーム番号がストリームを識別するための識別情報として利用可能である。即ち、一定のサイズとはフレームデータ単位を意味する。
【0034】
図4は、図1における映像蓄積再生装置によって実行される映像蓄積再生処理の手順を示すフローチャートである。
【0035】
図4のフローチャートでは、映像の蓄積と再生の同時実行を実現する。
【0036】
ステップS401において、映像蓄積再生装置101のCPU102は、HDMI I/F105を制御して撮像装置200との接続確立を行う。
【0037】
接続確立後、ステップS402において、映像蓄積再生装置101のCPU102は、撮像装置200から一定間隔で送信されるステータスフラグ301を受信し、再生か停止かを判断する。
【0038】
ステータスフラグが通常再生を示している場合、ステップS403において、映像蓄積再生装置101のCPU102は、ストリーム302をHDD107へ蓄積可能か否かを判断する。その際、撮像装置200よりストリーム302の総数情報を取得する。総数情報はこれから受信するストリーム302のデータの総量を示す情報であり、ストリーム302が非圧縮の場合はフレーム数を、圧縮の場合はパケット数を利用する。HDMIによる伝送の場合は、非圧縮のストリームであるのでフレーム数の情報を取得する。
【0039】
ステップS403で蓄積判断を行った後、ストリームが蓄積可能であれば、ステップS404において、再生と蓄積を開始する。再生はHDMI I/F105を介して映像蓄積再生装置101に入力されたストリームが、その後、映像音声再生部103に入力され、映像音声再生部103にて必要な処理が実行された後、ディスプレイ108に出力されることで実行される。外部から入力されたストリームをディスプレイに表示するために必要な処理とは、映像と音声の同期処理や映像調整処理などが挙げられる。
【0040】
また、ストリームの蓄積は、HDMI I/F105から入力されたストリームを蓄積制御部104がHDD107に蓄積するよう制御することで実行される。映像データであるストリームをHDD107に蓄積する処理については、一般的に知られた録画方法を採用することができるのでここでは説明を省略する。尚、ストリームが蓄積不可能であれば再生のみを開始する。
【0041】
ステップS405において、映像蓄積再生装置101のCPU102は、撮像装置200が伝送した、識別情報が付加されたストリーム302をメモリ106へ一時保持する。識別情報は、ストリーム302が非圧縮の場合はフレーム番号情報を、圧縮の場合はパケット番号情報を示す。
【0042】
ステップS406において、映像蓄積再生装置101の蓄積制御部104は、ステップS405でメモリ106に一時保持したストリーム302が蓄積すべきストリーム302であるか否かを、ストリーム302へ付加されている識別情報を基に判断する。
【0043】
ステップS406において、映像蓄積再生装置101の蓄積制御部104は、ストリーム302の連続性を判断する。
【0044】
一時的にメモリ106へ記憶したストリームにおけるフレームデータの識別番号が通常再生順として連続していれば、再生・蓄積を実行するためにステップS407へ、番号が不連続であれば、再生のみを実行するためにステップS408の処理へ進む。
【0045】
ステップS407では、CPU102はステップS406にて、蓄積制御部104によりストリーム302が連続していると判断された場合に、メモリ106に一時的に記憶したストリームを読み出し、映像音声再生部103へ読み出したストリームを入力する。また、それと併せて、メモリ106に一時的に記憶したストリームを読み出し、HDD107に蓄積するよう、蓄積制御部104に指示を発行する。
【0046】
また、ステップS408では、CPU102はステップS406にて、蓄積制御部104によりストリーム302が連続していないと判断された場合に、メモリ106に一時的に記憶したストリームを読み出す。そして、映像音声再生部103へ読み出したストリームを入力する。この場合、メモリ106に記憶したストリームの蓄積は行わない。
【0047】
尚、ストリームの連続とは、撮像装置200から送信される識別情報としてのフレーム番号が番号順に連続していることを指している。通常は、映像の記録時に設定されたフレーム単位の識別情報があり、この識別情報はフレームの順序を表している。従って、撮像装置200から伝送されるストリームは、通常の再生を実行している場合には、映像蓄積再生装置101に入力されるストリームの識別情報は、フレーム番号の順番通りとなっている。
【0048】
しかし、撮像装置200にて、このストリームに対する早送りや巻き戻しなどのトリック再生が実行されると、映像蓄積再生装置101に入力されるストリームのフレームに順序が番号順とは異なる順序に変化する。例えば、巻き戻しされると、メモリ106に記憶されるフレーム番号順も逆転することになる。従って、メモリ106に記憶されたフレーム番号の順序が不連続となった時点で、トリック再生が実行されたことが判明する。
【0049】
その後、ステップS409において、CPU102は撮像装置200からの再生停止指示があるかを確認し、停止指示がなければステップS405へ、停止指示があればステップS410の処理へ進む。
【0050】
再生停止指示が無い場合で、トリック再生が終了し、通常の再生に戻った場合には再び、ステップS406の処理を蓄積制御部104が実行する。つまり、通常再生されている期間のストリームについてはHDD107に蓄積し、トリック再生されている期間のストリームについてはHDD107に蓄積しないことになる。
【0051】
尚、蓄積制御部104は、蓄積を実行したストリームの識別情報をメモリ106に蓄積管理情報として記憶する。蓄積管理情報はHDD107に蓄積されたストリームと、トリック再生によって蓄積されなかったストリームを区別するための情報である。
【0052】
再生が停止された場合、CPU102はステップS410において、蓄積管理情報に基づき、ストリーム302が全て蓄積されているかを確認する。蓄積管理情報には、蓄積されたストリームの識別情報(フレーム番号)が管理されている。この蓄積管理情報から、トリック再生により未蓄積となっているストリームがあると判定された場合には、CPU102はこの未蓄積部分のストリームを再度伝送するように撮像装置200に依頼するためにステップS411へ移行する。
【0053】
ステップS411では、CPU102は未蓄積部分のストリーム番号を撮像装置200に通知するとともに、再度ストリームを伝送するよう要求するコマンドを発行する。このコマンドを受けて、撮像装置200は映像蓄積再生装置101に要求されたストリーム部分を再度伝送する。再度伝送されたストリームを受信した映像蓄積再生装置101の蓄積制御部104はそのストリームをHDD107に蓄積する。
【0054】
尚、トリック再生に起因してストリームが複数のストリームファイルに分割されて蓄積されている場合には、蓄積制御部104は未蓄積部分のストリームを受信した後、これらの分割されたストリームファイルを1つのストリームに結合する処理を実行してもよい。
【0055】
以上の動作を図5のタイムチャートに従って説明する。
【0056】
図5は、図1の映像蓄積再生システムにおいて、非圧縮ストリームを用い、通常再生の途中で早送りを行い、その後通常再生に戻り終了する場合のタイムチャートである。
【0057】
図5の縦軸は時間経過を示し、上から下へ処理を行う。
【0058】
時刻t31において、撮像装置200のメインマイコン223は、映像蓄積再生装置101へ映像の再生を示すステータスフラグを送信する。
【0059】
時刻t31から時刻t32において、映像蓄積再生装置101のCPU102は総数情報を取得して、HDD107の残量を確認し、ストリームの蓄積が可能か否かの判断を行う。蓄積が可能である場合は、撮像装置200へストリームの伝送が可能であることを伝える。
【0060】
時刻t32から時刻t33において、撮像装置200は、映像蓄積再生装置101へ各フレームに識別情報を付加して送信する。映像蓄積再生装置101は、受信したフレームの開始位置を検出した後、フレームとその識別情報を取得し、HDD107へ蓄積を行うかの判断を行う。
【0061】
時刻t32から時刻t33においては連続した通常再生フレームの伝送であるため、映像蓄積再生装置101はこれらのフレームは蓄積可能と判断し、HDD107へフレームを蓄積するための制御を実行する。具体的には、ステップS406及びS407で示したように、蓄積制御部104が制御を実行する。
【0062】
時刻t33から時刻t34において、撮像装置200は、ユーザから早送りの指示を受け、フレームを間引きして伝送を行う。映像蓄積再生装置101は、取得したフレームの識別情報が連続していないことから、当該フレームから不連続の伝送が開始されたと判断する。そして、このフレームはHDD107へ蓄積を行わずに再生のみを行う。
【0063】
時刻t34において、ユーザが撮像装置200へ通常再生の指示を行うと、時刻t34から時刻t35において、撮像装置200は、映像蓄積再生装置101へ連続したフレームと識別情報を伝送する。映像蓄積再生装置101は、取得したフレームが連続したフレームであることを識別情報から判断し、HDD107へフレームを伝送し、蓄積を実行させる。
【0064】
時刻t35においてユーザが撮像装置200へ再生終了の指示を行うと、撮像装置200は、映像蓄積再生装置101へストリーム伝送を停止することを示すステータスフラグを送信する。これにより、映像再生を目的としたストリーム伝送は終了となる。ストリーム伝送が終了したことを認識した映像蓄積再生装置101は、時刻t35から時刻t36において、未蓄積となっているフレームを、メモリ106に保持している蓄積管理情報から判断し、未蓄積となっているフレームの識別番号情報を撮像装置200へ伝え、再度そのフレームを伝送するよう要求する。
【0065】
時刻t36から時刻t37において、撮像装置200は、映像蓄積再生装置101へ要求を受けたフレームを伝送する。映像蓄積再生装置101は、HDD107に受信したフレームを蓄積させる。時刻t38において、HDD107には、全てのフレームが蓄積されることでストリーム全体の蓄積が終了する。
【0066】
本実施例では、撮像装置200から映像蓄積再生装置101へストリームを伝送しながら再生と蓄積を並行して実行する場合において、伝送するストリームに対してトリックプレイを行うことができる。また、トリックプレイを実行した場合であっても、対象となるストリームを蓄積することを可能とする。
【0067】
[実施例2]
図6は、図1の映像蓄積再生システムにおいて、圧縮ストリームを用い、通常再生の途中で巻戻しを行い、その後通常再生に戻り終了する場合のタイムチャートである。本実施例では、実施例1と異なり、圧縮ストリームの伝送を想定しているが、特段の記載が無い限り、映像蓄積再生装置101における再生と蓄積の制御において圧縮ストリームと非圧縮ストリームの相違は無いものとして説明する。
【0068】
図6の縦軸は時間経過を示し、上から下へ処理を行う。尚、図5で示したタイムチャートと同一の処理であるt41からt43までの説明は省略する。
【0069】
時刻t43から時刻t44において、撮像装置200は、ユーザから巻戻しの指示を受け、パケットを間引きして伝送を行う。映像蓄積再生装置101は、取得したパケットの識別情報が連続していないことから、当該パケットから不連続の伝送が開始されたと判断する。そして、このパケットはHDD107へ蓄積を行わずに再生のみを行う。
【0070】
時刻t44において、ユーザが撮像装置200へ通常再生の指示を行うと、時刻t44から時刻t45において、撮像装置200は、映像蓄積再生装置101へ連続したパケットと識別情報を伝送する。映像蓄積再生装置101は、取得したパケットが連続したパケットであることを識別番号情報判断する。
【0071】
時刻t44から時刻t45において受信したパケットは連続したパケットであるが、受信したパケットの識別情報と既に受信してメモリ106に管理情報として記憶されている識別情報とを比較する。このことで、t44からt45において受信したパケットは既にHDD107へ蓄積したパケットであることが判断できる。従って、これらのパケットについては、蓄積制御部104は連続したパケットであってもHDD107への蓄積は行わない。
【0072】
時刻t45から時刻t46においては、過去に受信していない新規のパケットであり、かつ連続したパケットであるので、HDD107へパケットを伝送し、蓄積する。
【0073】
時刻t46において、ユーザが撮像装置200へ再生終了の指示を行うと、撮像装置200は、映像蓄積再生装置101へストリーム伝送を停止することを示すステータスフラグを送信する。これにより、映像再生を目的としたストリーム伝送は終了となる。ストリーム伝送が終了したことを認識した映像蓄積再生装置101は、時刻t46から時刻t47において、未蓄積となっているパケットがあるか否かをメモリ106に記憶しているパケットの蓄積管理情報から判断する。ここで、未蓄積となっているパケットがあれば、そのパケットの識別情報を撮像装置200へ伝え、再度そのパケットを伝送するよう要求する。
【0074】
本実施例の場合は未蓄積のパケットがないため、未蓄積のパケットがないことを映像蓄積再生装置101から撮像装置200へ伝えて時刻t47にて処理終了となる。
【0075】
本実施例では、上述した実施例1に加えて、既に蓄積したパケットやフレームが再度伝送された場合には、そのデータの蓄積を回避するように制御する。これにより、無駄なデータの蓄積処理を実行することを抑制することが可能となる。
【0076】
上述した実施例1及び実施例2では、CPU102は、映像音声再生部103、蓄積制御部104を制御することで、統括的に以下の機能手段を構成する。
【0077】
即ち、外部装置(撮像装置200)から受信したストリームの再生表示を実行する再生表示手段である。また、外部装置から受信したストリームが通常再生によるストリームであるか否かをストリームに含まれる識別情報から判断する判断手段である。また、蓄積手段である。蓄積手段は、判断手段により、受信したストリームが通常再生によるストリームであると判断された場合には、再生表示手段による再生表示と並行して蓄積部(HDD107)に当該ストリームを蓄積する。また、蓄積手段は、受信したストリームが通常再生以外のストリームであると判断された場合には、当該ストリームを蓄積しない制御を行う。
【0078】
また、蓄積手段によって蓄積されなかった未蓄積ストリームが存在する場合に、当該ストリームを伝送するよう外部装置に要求するとともに、当該要求に基づいて送信された未蓄積ストリームを蓄積部に蓄積するよう蓄積手段を制御する制御手段である。
【0079】
ここで、蓄積手段は、判断手段が通常再生によるストリームであると判断した場合であっても、当該ストリームが既に蓄積済みのストリームと同じである場合には、当該ストリームを蓄積部に蓄積しない。
【0080】
尚、上述した実施例1及び実施例2では、フレームやパケットの識別情報から、受信したフレームやパケットが連続したものであるか否かを判定していた。しかしながら、ステータスフラグにトリックプレイを示すフラグを設けることで、少なくとも、どのフレームまたはパケットからトリックプレイされているかを識別することが可能となる。そのため、連続したものか否かについての判定は、ステータスフラグを、トリックプレイを示す内容まで拡張することで実現することが可能となる。つまり、ステータスフラグが識別情報として機能することになる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像蓄積再生装置と撮像装置が接続された映像蓄積再生システムのブロック図である。
【図2】図1における撮像装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1における撮像装置から映像蓄積再生装置への伝送例を示す図である。
【図4】図1における映像蓄積再生装置によって実行される映像蓄積再生処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の映像蓄積再生システムにおいて、非圧縮ストリームを用い、通常再生の途中で早送りを行い、その後通常再生に戻り終了する場合のタイムチャートである。
【図6】図1の映像蓄積再生システムにおいて、圧縮ストリームを用い、通常再生の途中で巻戻しを行い、その後通常再生に戻り終了する場合のタイムチャートである。
【符号の説明】
【0082】
101 映像蓄積再生装置
102 CPU
103 映像音声再生部
104 蓄積制御部
105 HDMI I/F
106 メモリ
107 HDD
108 ディスプレイ
200 撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置が再生したストリームの蓄積部への蓄積と再生表示を実行する映像蓄積再生装置において、
前記外部装置から受信したストリームの再生表示を実行する再生表示手段と、
前記外部装置から受信したストリームが通常再生によるストリームであるか否かをストリームに含まれる識別情報から判断する判断手段と、
前記判断手段により、受信したストリームが通常再生によるストリームであると判断された場合には、前記再生表示手段による再生表示と並行して前記蓄積部に当該ストリームを蓄積し、受信したストリームが通常再生以外のストリームであると判断された場合には、当該ストリームを蓄積しない制御を行う蓄積手段と、
前記蓄積手段によって蓄積されなかった未蓄積ストリームが存在する場合に、当該ストリームを伝送するよう前記外部装置に要求するとともに、当該要求に基づいて送信された未蓄積ストリームを前記蓄積部に蓄積するよう蓄積手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする映像蓄積再生装置。
【請求項2】
前記蓄積手段は、前記判断手段が通常再生によるストリームであると判断した場合であっても、当該ストリームが既に蓄積済みのストリームと同じである場合には、当該ストリームを前記蓄積部に蓄積しないことを特徴とする請求項1に記載の映像蓄積再生装置。
【請求項3】
前記外部装置から送信されるストリームには、所定のサイズ単位のデータに対して、ストリームの順序を識別するための識別情報が付与されており、前記判断手段は当該識別情報に基づいて、受信したストリームが通常再生によるストリームであるか否かを判断することを特徴とする請求項1または2に記載の映像蓄積再生装置。
【請求項4】
外部装置が再生したストリームの蓄積部への蓄積と再生表示を実行する映像蓄積再生装置の制御方法において、
前記外部装置から受信したストリームの再生表示を実行する再生表示ステップと、
前記外部装置から受信したストリームが通常再生によるストリームであるか否かをストリームに含まれる識別情報から判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、受信したストリームが通常再生によるストリームであると判断された場合には、前記再生表示ステップでの再生表示と並行して前記蓄積部に当該ストリームを蓄積し、受信したストリームが通常再生以外のストリームであると判断された場合には、当該ストリームを蓄積しない制御を行う蓄積ステップと、
前記蓄積ステップによって蓄積されなかった未蓄積ストリームが存在する場合に、当該ストリームを伝送するよう前記外部装置に要求するとともに、当該要求に基づいて送信された未蓄積ストリームを前記蓄積部に蓄積するよう蓄積手段を制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする映像蓄積再生装置の制御方法。
【請求項5】
前記蓄積ステップでは、前記判断ステップで通常再生によるストリームであると判断した場合であっても、当該ストリームが既に蓄積済みのストリームと同じである場合には、当該ストリームを前記蓄積部に蓄積しないことを特徴とする請求項4に記載の映像蓄積再生装置の制御方法。
【請求項6】
前記外部装置から送信されるストリームには、所定のサイズ単位のデータに対して、ストリームの順序を識別するための識別情報が付与されており、前記判断ステップでは当該識別情報に基づいて、受信したストリームが通常再生によるストリームであるか否かを判断することを特徴とする請求項4または5に記載の映像蓄積再生装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−252265(P2009−252265A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96351(P2008−96351)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】