説明

映像表示システム及びその制御方法

【課題】複数の映像を時分割表示することにより複数の視聴者が同時視聴可能な映像表示システムにおいて、各視聴者が自分の視聴している映像に関するコマンドをリモコンにより容易に入力できるようにする。
【解決手段】複数の映像を時分割表示する表示装置と、複数の映像の時分割表示に同期して開閉するシャッター装置と、各映像に関するコマンドを入力可能な複数の動作モードに切り替え可能であって、各映像に対応する複数のタッチ操作可能なボタンを表示するタッチパネルを有するリモコン装置と、を有する映像表示システムであって、タッチパネルに表示される複数のボタンは映像の時分割表示と同期して時分割表示され、各ボタンを操作すると、該ボタンに対応する映像に関するコマンドを入力可能な動作モードにリモコン装置が切り替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像を時分割表示切り替え方式で表示する表示装置と時分割表示切り替えと同期して開閉する複数のシャッターを用いることで、1つの表示装置で複数の視聴者が視聴者毎に異なる映像を同時に視聴することができる映像表示システムが提案されている。特許文献1には、一つの画面によって複数の者が、同時に、異なる画像を観察できる画像再生方式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−175631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような映像表示システムにおいて各視聴者が視聴している映像に関する操作を行うためには、視聴者毎又は映像毎に複数個のリモコンが必要になる。そして、各視聴者は自分の視聴している映像に関するコマンドを入力するために、複数のリモコンの中から操作すべきリモコンを探す必要があり、手間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、複数の映像を時分割表示することにより複数の視聴者が同時視聴可能な映像表示システムにおいて、各視聴者が自分の視聴している映像に関するコマンドをリモコンにより容易に入力できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、N個(Nは2以上の整数)の映像を時分割表示する表示装置と、
前記映像の各々に対応するN種類のシャッター装置であって、対応する映像が前記表示装置に表示されている期間のみ光を透過する開状態となり、それ以外の期間は光を遮断する閉状態となるシャッター装置と、
前記表示装置に所定のコマンドを入力可能なリモコン装置と、
を有し、複数の観察者がそれぞれ前記各シャッター装置を介して前記表示装置に表示される映像を観察することにより該シャッター装置に対応する映像を各観察者が同時に観察することができる映像表示システムであって、
前記リモコン装置は、
前記映像の各々に対応するN個の動作モードに切り替え可能であり、n番目(nは1、2、・・・N)の動作モードではn番目の映像に関するコマンドを入力可能であり、
前記動作モードの各々に対応するN個のタッチ操作可能なボタンを異なる位置に表示する表示部、又は、N個の押下操作可能なボタン及び該ボタンの各々を指し示す前記動作モードの各々に対応するN個の標識を表示する表示部、を有し、前記表示部に表示されるn番目のボタン、又は、前記表示部に表示されるn番目の標識により指し示されるボタン、を操作することにより前記リモコン装置をn番目の動作モードに切り替え可能であり、
前記表示部は、n番目の映像が前記表示装置に表示されている期間に、n番目のボタンのみ、又は、n番目の標識のみ、を表示することにより、前記表示装置におけるN個の映像の時分割表示に同期して前記N個のボタン又は前記N個の標識を時分割表示することを特徴とする映像表示システムである。
【0007】
本発明は、N個(Nは2以上の整数)の映像を時分割表示する表示装置と、
前記映像の各々に対応するN種類のシャッター装置であって、対応する映像が前記表示装置に表示されている期間のみ光を透過する開状態となり、それ以外の期間は光を遮断する閉状態となるシャッター装置と、
前記映像の各々に対応するN個の動作モードに切り替え可能であり、n番目(nは1、2、・・・N)の動作モードではn番目の映像に関するコマンドを入力可能なリモコン装置であって、前記映像の各々に対応するN個のタッチ操作可能なボタンを異なる位置に表示する表示部、又は、N個の押下操作可能なボタン及び該ボタンの各々を指し示す前記映像の各々に対応するN個の標識を表示する表示部、を有するリモコン装置と、
を有し、複数の観察者がそれぞれ前記各シャッター装置を介して前記表示装置に表示される映像を観察することにより該シャッター装置に対応する映像を各観察者が同時に観察することができる映像表示システムの制御方法であって、
前記表示部に、n番目の映像が前記表示装置に表示されている期間に、n番目のボタンのみ、又は、n番目の標識のみ、を表示させることにより、前記表示装置におけるN個の映像の時分割表示に同期して前記N個のボタン又は前記N個の標識を時分割表示させるステップと、
前記N個のボタンのいずれかのボタンが操作された場合に、該ボタン又は該ボタンを指し示す標識に対応する映像に関するコマンドを入力可能な動作モードに前記リモコン装置を切り替えるステップと、
を有することを特徴とする映像表示システムの制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の映像を時分割表示することにより複数の視聴者が同時視聴可能な映像表示システムにおいて、各視聴者が自分の視聴している映像に関するコマンドをリモコンにより容易に入力できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例の映像表示システムの構成を示すブロック図
【図2】実施例の映像表示システム各部の動作タイミングを示す図
【図3】実施例のテレビ装置、シャッター式眼鏡及びリモコンの動作例を示す図
【図4】実施例のリモコン装置の動作を示すフローチャート
【図5】実施例のテレビ装置の動作を示すフローチャート
【図6】実施例のリモコン装置のタッチパネルSWの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例は、本発明をテレビ放送受信装置に適用した例である。本実施例の映像表示システムは、時分割表示切り替え方式の表示装置及び該表示装置の時分割表示に同期して開閉するシャッター装置を有し、複数の映像を複数の視聴者が同時視聴することができるシステムである。本実施例では同時視聴可能な映像の数を3とし、3つの映像をそれぞれコンテンツA、B及びCと呼ぶ。
【0011】
<全体構成>
図1は本実施例に係る映像表示システムの全体構成を説明するためのブロック図である。本発明による映像表示システムは、概略、テレビ装置100、リモコン装置200及びシャッター式眼鏡300から構成される。テレビ装置100は3つの映像を時分割切り替え方式で表示する表示装置である。シャッター式眼鏡300は、該3つの映像に対応して複数あり、対応する映像がテレビ装置100に表示されている期間のみ光を透過する開状態となり、それ以外の期間は光を遮断する閉状態となるシャッター装置である。リモコン装置200は、ユーザが操作することによってテレビ装置100に所定のコマンドを入力可能なコントローラ装置である。所定のコマンドとは、例えばチャンネル切り替えやボリ
ューム調整などの映像に関する制御を実行させるコマンドを含む。その他、テレビ装置100の電源ON/OFF等のテレビ装置100全体に関する制御を実行させるコマンドを含んで良い。
【0012】
<テレビ装置100>
まず、テレビ装置100の構成について説明する。テレビ装置100は、テレビ放送映像を含む各種映像や画像の信号を複数入力可能であり、そのうち3つの映像信号を時分割して表示することができる。図示しないアンテナからの放送信号はチューナ101で受信及び選局され、選局されたチャンネルの放送番組の映像及び音声の信号が入力セレクタ105に供給される。メディアカード103は、デジタルカメラ等で撮影した画像や映像などのデータを読み込み、映像信号として入力セレクタ105に供給する。外部入力104は、テレビ装置100に接続されるDVDプレーヤやビデオカメラなどの外部機器から出力される映像及び音声の信号を入力セレクタ105に供給する。Webブラウザ102は、インターネットブラウザであり、HTMLファイル等をレンダリングして得られた画像や音声の信号を入力セレクタ105に供給する。
入力セレクタ105は、後述するリモコン装置200から送信される制御信号に応じて、上記各種映像ソースからの入力信号のうち、3系統の入力処理部111、112及び113へ送る入力信号を選択する。
入力処理部111、112及び113は、TV制御部120の制御により、上記各種映像ソースからの入力信号を処理し、メモリ121へ出力する。これら入力処理部111、112及び113で処理される画像、映像及び音声等のデータが、複数同時視聴に係るコンテンツA、B及びCに対応する。
TV制御部120は、上記入力処理部111、112及び113、入力セレクタ105、メモリ121、画質制御部122、映像時分割処理部123、音声符号処理部124、TV送信部126及びTV受信部127の各ブロックを制御する。制御内容は、後述する。
メモリ121は、入力処理部111、112及び113からの映像データ及び音声データの一時記憶として使用されるメモリである。入力処理部111、112及び113からの映像データは、一時的にこのメモリに蓄積され、映像時分割処理部123からの読み出しによって逐次出力される。また、音声データも、音声符号処理部124からの読み出しによって逐次出力される。
画質制御部122は、メモリ121から読み出した映像データに対し、明るさやコントラスト等の画質の調整を行う。
映像時分割処理部123は、所定のタイミングでメモリ121から映像データを読み出し、表示パネル130に出力する。
TV制御部120は、表示中のコンテンツのコンテンツ情報をTV送信部126に送る。ここで、コンテンツ情報とは、コンテンツの識別情報やコンテンツに対応する映像ソースの識別情報(チューナ101、Webブラウザ102、メディアカード103及び外部入力104テレビそれぞれに割り当てられた識別情報)等である。
表示パネル130は、映像時分割処理部123で生成された時分割した映像を表示する。例えば各コンテンツの映像をフレームレート30fpsで表示させる場合、その3倍の90fpsで各コンテンツの映像を例えばA→B→Cの順で切り替えながら順次表示する。
音声符号処理部124は、表示パネル130に表示する映像と同期を取るように音声データの出力タイミングを調整し、メモリ121から読み出した音声データをTV送信部126へ送る。また、該音声データを音声信号に変換し増幅した後、スピーカ125に送り、スピーカ125を駆動して音声再生を行う。
TV送信部126は、後述するリモコン装置200及びシャッター式眼鏡300に、時分割表示の周期に同期したシャッター開閉制御信号、音声データ及びコンテンツ情報を赤外光通信を用いて無線送出する。
TV受信部127は、後述するリモコン装置200から赤外光通信により送信される制御信号を受信する。受信した制御信号は、TV制御部120に送られ、TV制御部120は受信した制御信号に応じてテレビ装置100の各ブロックを制御する。なお、赤外光を用いた無線通信はTV送信部126及びTV受信部127の通信方式の一例であって、これ以外の種々の無線又は有線による通信方式を用い得る。
本実施例では、テレビ装置100が本発明における「表示装置」を構成する。
【0013】
<シャッター式眼鏡300>
次に、シャッター式眼鏡300について説明する。以下、3つのコンテンツA、B及びCを視聴するためのシャッター式眼鏡の符号をそれぞれ300a、300b及び300cとする。なお、シャッター式眼鏡300a、300b及び300cの相違点はシャッター開閉のタイミングだけで、その他の基本的な構成はいずれのシャッター式眼鏡も共通である。
シャッター式眼鏡300a、300b及び300cは、眼鏡受信部301、眼鏡制御部302、シャッター駆動部303、シャッター部304、音声復号部305及びヘッドホン306を含んで構成される。
眼鏡受信部301は、TV送信部126からのシャッター開閉制御信号、コンテンツ情報及び音声データを受信し、眼鏡制御部302に送る。
眼鏡制御部302は、受信したシャッター開閉制御信号及びコンテンツ情報によって、シャッター駆動部303と音声復号部305の制御を行う。
シャッター駆動部303はシャッター部304の開閉駆動を行う。シャッター部304は、眼鏡のレンズ部に配置される液晶パネルであり、駆動電圧のON/OFFによってレンズ部のシャッター動作を行う。各シャッター式眼鏡300のシャッター部304は、それぞれ対応するコンテンツが表示パネル130に表示されている期間のみ光を透過する開状態となり、それ以外のコンテンツが表示されている期間は光を遮断する閉状態となるように制御される。従って、各視聴者(観察者)がシャッター式眼鏡300a、300b又は300cを介してテレビ装置100に表示される時分割された映像を視聴(観察)することにより、各視聴者には、一つのコンテンツA,B又はCだけが見えるようになる。これにより、複数の視聴者は、装着しているシャッター式眼鏡に対応するコンテンツを同時に視聴することができる。
音声復号部305は音声データを音声信号に変換してヘッドホン306を駆動する。
本実施例では、シャッター式眼鏡300が本発明における「シャッター装置」を構成する。シャッター式眼鏡300は、コンテンツ毎に複数あっても良い。例えば、コンテンツAに対応するシャッター式眼鏡300aを5個用意すれば、5人の視聴者がコンテンツAを視聴することができる。
【0014】
<リモコン装置200>
次に、リモコン装置200について説明する。リモコン装置200は、RC受信部201、RC制御部202、タッチパネルSW制御部203、メモリ204、タッチパネルSW210及びRC送信部205を含んで構成される。
タッチパネルSW210は、タッチセンサ220及びLCD230を含んで構成される。
タッチセンサ220は、LCD230を覆うように重ね合わせて配置される透明なパネルであり、静電容量や電気抵抗の変化によってユーザがタッチした場所の座標を検出する。タッチセンサ220の所定の領域に対してユーザがタッチ操作を行うことによって当該領域に応じたコマンドを入力することができる。
LCD230には、ウィンドウ、ボタン、リスト、キーパッド、テキスト入力エリア等の、タッチセンサ220に対して行うべきタッチ操作に対応するリモコン操作用GUI(グラフィカルユーザインターフェース)が表示される。ユーザは、LCD230においてリモコン操作用GUIが表示されている位置のタッチセンサ220に触れることで、リモ
コン操作が可能である。本実施例に係るリモコン装置200は、このタッチパネルSW210によって操作を行うことができるように構成される。本実施例では、タッチパネルSW210が本発明における「タッチパネル」を構成する。
RC受信部201は、TV送信部126から送信されるシャッター開閉制御信号及びコンテンツ情報を受信する。
RC制御部202は、RC受信部201で受信したシャッター開閉制御信号をタッチパネルSW制御部203に送る。
メモリ204には、LCD230に表示するリモコン操作用GUIのデータが格納されている。
RC制御部202は、RC受信部201で受信したコンテンツ情報に基づき、メモリ204から対応するリモコン操作用GUIのデータを読み出し、タッチパネルSW制御部203に送る。
タッチパネルSW制御部203は、リモコン操作用GUIを、シャッター開閉制御信号に同期させてLCD230上に時分割して表示させる。従って、タッチパネルSW210には、時分割したリモコン操作用GUIが表示される。各視聴者は、シャッター開閉制御信号に同期して開閉するシャッター式眼鏡300を装着しているので、リモコン装置200を見たときに、装着しているシャッター式眼鏡300のシャッター開閉制御信号に同期したリモコン操作用GUIだけが見える。
後述するように、リモコン装置200は3つコンテンツに対応した3つの動作モードに切り換え可能であり、ある動作モードでは対応するコンテンツに関するコマンドを入力可能である。また、該動作モードにおいてリモコン装置200に対して行った操作は他のコンテンツに影響を及ぼさない。そして、あるコンテンツに対応する動作モードでは、当該コンテンツに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUIのみがタッチパネルSW210に表示され、他のコンテンツに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUIは表示されない。そして、このリモコン操作用GUIは、当該コンテンツに対応するシャッター式眼鏡300のシャッター開閉制御信号に同期して、当該シャッター式眼鏡300が開状態の期間のみタッチパネルSW210に表示される。
また、リモコン装置200が3つのコンテンツのうちいずれのコンテンツに関するコマンドを入力可能な動作モードにも設定されていない状態(入力待機状態)では、いずれのコンテンツ用のリモコン操作用GUIは表示されない。代わりに、リモコン装置200を各動作モードに切り替えるための3つのGUI(後述する3つの“ON”ボタンのGUI)が、各コンテンツの時分割表示に同期してタッチパネルSW210に時分割表示される。詳細は後述する。
タッチパネルSW210に入力されたリモコン操作の情報は、タッチパネルSW制御部203によって検出され、RC制御部202に送られる。
RC制御部202は、タッチパネルSW制御部203から送られたリモコン操作の情報を処理し、テレビ装置100への操作コマンドに変換してRC送信部205に送る。
RC送信部205は、送られた操作コマンドを、TV制御信号として赤外線で無線送信する。これにより、ユーザがリモコン装置200を操作することにより、テレビ装置100にチャンネル切り替えや映像ソースの切り替えといった所定のコマンドを入力し、実行させることができる。
【0015】
次に、図2のタイミングチャートを用いて、本実施例に係る映像表示システムの動作について説明する。
図2は、コンテンツ識別信号、各コンテンツの表示タイミング、各シャッター式眼鏡300のシャッター開閉制御信号、タッチパネルSW210のリモコン操作用GUIの表示タイミング及びリモコン信号Aの送信タイミングを示したものである。シャッター開閉制御信号は、TV送信部126及びTV受信部127と、RC受信部201及びRC送信部205と、眼鏡受信部301と、の間での同期信号である。
前述した通り、各コンテンツA、B及びCが時分割で順次切り替えられて表示パネル1
30に表示され、これに同期するシャッター開閉制御信号がTV送信部126から送信される。シャッター開閉制御信号には、図中に示したように、各コンテンツを識別するための識別信号(ID=A、B又はC)が先頭に送信される。
コンテンツAを視聴するためのシャッター式眼鏡300aの眼鏡制御部302は、コンテンツID=Aを検出し、コンテンツAの表示期間に同期してシャッター部304を開く。また、コンテンツID=B又はCを検出し、コンテンツB又はCの表示期間はシャッター部304を閉じる。よって、シャッター式眼鏡300aを装着する視聴者はコンテンツB及びCは見えず、コンテンツAのみ視聴することができる。コンテンツB又はCを視聴するためのシャッター式眼鏡300b又は300cのシャッター部304の動作も同様である。
一方、リモコン装置200のタッチパネルSW210に表示される各コンテンツに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUIも、前述したように、表示パネル130に対応するコンテンツが表示されるタイミングに同期して時分割されて表示される。
すなわち、コンテンツAに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUI Aは、対応するコンテンツAが表示パネル130に表示される期間、すなわちシャッター式眼鏡300aが開状態になる期間のみ、タッチパネルSW210に表示される。これにより、コンテンツAに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUIは、コンテンツAに対応するシャッター式眼鏡300aを掛けた視聴者にしか見えないように構成されている。コンテンツB又はCに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUI B又はCも同様に、シャッター式眼鏡300b又は300cを掛けた視聴者にだけ見えるように構成されている。
図2のリモコン信号送信パルスは、リモコン装置200が、テレビ装置100に対して制御信号を送信するタイミングを示したものである。図2には、リモコン装置200の操作対象がコンテンツAに設定されている場合、換言すると、リモコン装置200がコンテンツAに関するコマンドを入力可能な動作モードに切り替えられている場合のリモコン信号送信パルスを例示している。この場合、リモコン信号送信パルスは、コンテンツAの表示に同期し、かつ、該表示期間中に送信される。なお、リモコン装置200の操作対象コンテンツがコンテンツBに設定された場合は、リモコン信号送信パルスは、コンテンツBの表示期間に同期し、且つ該表示期間中に、送信される。コンテンツCの場合も同様である。
なお、図2は、各コンテンツの表示タイミングと、シャッター式眼鏡300の開閉タイミングと、コンテンツに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUIの表示タイミングと、の同期関係を説明するための図である。本実施例のシステムでは、リモコン装置200をいずれかのコンテンツに関するコマンドを入力可能な動作モードに切り替えることができ、各動作モードでは対応するコンテンツに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUIのみ表示される。例えば、リモコン装置200がコンテンツAに関するコマンドを入力可能な動作モードに切り替えられている場合には、コンテンツBに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUIは、コンテンツBが表示されている期間もOFFである。この状態でコンテンツBの視聴者がコンテンツBに関するコマンド入力を開始するためには、後述するように、リモコン装置200をコンテンツBに関するコマンドを入力可能な動作モードに切り替えるための操作を行う必要がある。その操作を行うためのリモコン操作用GUI(図3の“ON”ボタン212)は、図2に示すように、リモコン装置200の動作モードによらず、常に、コンテンツBの時分割表示に同期してタッチパネルSW210に表示される。
【0016】
次に、図3を用いて、本実施例に係るリモコン装置200によって複数のコンテンツに係る操作を行う方法を説明する。
図3(A)は、表示パネル130及びリモコン装置200上に設けられたタッチパネルSW210における表示状態を時系列的に示した概念図である。表示パネル130には、時間経過に伴ってコンテンツA、コンテンツB及びコンテンツCが順次表示される。シャ
ッター式眼鏡300a、300b又は300cを各々掛けた視聴者には、前述した通り各々対応するコンテンツA、B又はCだけが表示パネル130上に見える。
タッチパネルSW210上のリモコン操作用GUIも、各コンテンツA、B及びCの表示タイミングに同期して順次切り換え表示される。
前述のRC制御部202は、待機状態(視聴者によるリモコン操作を待機する状態)では、リモコン操作を開始するためのGUIである“ON”ボタン211、212及び213を、コンテンツ毎に、タッチパネルSW210上の重ならない異なる位置に表示させる。具体的には、コンテンツAに同期してタッチパネルSW210画面内の左上の位置211に、コンテンツBに同期して画面内の中央上の位置212に、コンテンツCに同期して画面内の右上の位置213に、それぞれ“ON”ボタンを表示する。タッチセンサ220上の、この“ON”ボタンのGUIが表示されている領域に対応する領域にユーザがタッチすることにより、該“ON”ボタンに対応するコンテンツに関するコマンドを入力可能な動作モードにリモコン装置200を切り替えることができる。例えば、コンテンツAを視聴している視聴者がリモコン操作を行う場合には、まずタッチパネルSW210上に表示されている“ON”ボタン211にタッチする。RC制御部202は、タッチパネルSW210における“ON”ボタン211のタッチ操作を受けて、リモコン装置200から入力されるコマンドによる制御対象をコンテンツAに設定する。これにより、リモコン装置200は、コンテンツAの映像に関するコマンドを入力可能な動作モードに切り替えられる。また、RC受信部201で受信したコンテンツAに関するコンテンツ情報に応じて、コンテンツAに関するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUIのデータをメモリ204から読み出し、タッチパネルSW210に表示する。例えば、コンテンツAがテレビ放送番組映像の場合、タッチパネルSW210には、チャンネル切り替えやメニューボタンなど、テレビ放送番組映像に関するコマンド入力を行うためのリモコン操作用GUI214が表示される。
コンテンツAの視聴者Aは、リモコン操作用GUI214が表示されたタッチパネルSW210に対してタッチ操作を行うことにより、テレビ装置100にコンテンツAに関するコマンドを入力し実行させることができる。タッチパネルSW210が操作されると、RC制御部202は、当該操作に対応するコマンドをRC送信部205に送り、コンテンツAの表示に同期し、かつ、その表示期間中に該コマンドをテレビ装置100に送信するようRC送信部205を制御する。
なお、コンテンツAの視聴者Aが“ON”ボタン211にタッチすると、コンテンツAが表示パネル130に表示されている期間のみコンテンツAに関するコマンド入力用のリモコン操作用GUI214がタッチパネルSW210に表示される。これにより、視聴者AにはコンテンツAに関するコマンド入力用のリモコン操作用GUI214がタッチパネルSW210上に見えるようになる。また、このとき、コンテンツBが表示パネルに表示されている期間には、リモコン装置200をコンテンツBに関するコマンドを入力可能な動作モードに切り替えるためにタッチすべき“ON”ボタン212のみが表示される。コンテンツCが表示パネルに表示されている期間には、同様に“ON”ボタン213のみが表示される。よって、コンテンツBの視聴者Bには“ON”ボタン212が見えているだけである。また、コンテンツCの視聴者Cには“ON”ボタン213が見えているだけである。この状態で、タッチパネルSW210に操作入力がされずに所定の時間が経過すると、タッチパネルSW210に表示されているコンテンツAに関するコマンド入力用のリモコン操作用GUI214は消去され、前述の待機状態に戻る。すなわち、リモコン装置200を各コンテンツに対応する動作モードに切り替えるために操作すべきGUIである“ON”ボタン211、212及び213のみが各コンテンツの時分割表示に同期してタッチパネルSW210に時分割表示される状態となる。また、RC制御部202は、“ON”ボタンの操作のみを検出するようにする。これにより、他の視聴者がリモコン装置200を手にしたときの誤操作を防ぐことができる。
【0017】
図3(B)は、図3(A)と同様に、リモコン装置200の待機状態から、コンテンツ
Bの視聴者Bがリモコン装置200の操作を開始する場合のタッチパネルSW210の表示を模式的に示した概念図である。待機状態では、シャッター式眼鏡300bを装着した視聴者Bには、タッチパネルSW210上に“ON”ボタン212のみが見えている。視聴者Bが“ON”ボタン212に対してタッチ操作を行うと、リモコン装置200は、コンテンツBに対応する動作モードに切り替えられ、タッチパネルSW210上には、コンテンツBに関するコマンド入力用のリモコン操作用GUI215が表示される。図3(B)に例示したリモコン操作用GUI215は、コンテンツBの入力ソースがWebブラウザ102である場合の例であり、このGUIには図示するようにURL入力や「戻る」「進む」ボタンが含まれる。図3(A)の場合と同様、視聴者A及びCには、このコンテンツBに関するコマンド入力用のリモコン操作用GUI215は見えない。
【0018】
本実施例においては、各コンテンツに対応する“ON”ボタンのGUIが、本発明における「N個のタッチ操作可能なボタン」の各々を構成し、“ON”ボタンのGUI表示を行うタッチパネルSW210が、本発明における「表示部」を構成する。各コンテンツを制御するコマンド入力用のリモコン操作用GUI214や215が、本発明の「N種類のグラフィカルユーザインターフェース」の各々を構成する。
本実施例では、本発明の「表示部」が1つのタッチパネルSW210における複数の異なる重ならない操作領域として構成されている例を説明したが、各“ON”ボタンのGUIが別個のタッチパネルに表示される構成でも良い。要は、各コンテンツに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えるためにユーザが操作すべきボタンが、異なる位置に存在するように構成されていればよい。これにより、各コンテンツの視聴者は、誤操作することなくリモコン装置200を自分の視聴しているコンテンツに関するコマンドを入力可能な動作モードに切り替えることができる。また、各コンテンツの視聴者は、自分の視聴しているコンテンツに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えるためのボタンしか見えないので、容易に自分の視聴しているコンテンツに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えることができる。
【0019】
図4は、リモコン装置200の動作モードを切り替える処理を表すフローチャートである。リモコン装置200は、RC制御部202により、所定時間入力操作が無い場合に、前述した入力待機状態になるよう制御される(S501)。この初期入力待機状態では、タッチパネルSW210に表示されるリモコン操作用GUIは、図3に示したリモコン装置200の動作モードを切り替えるためのGUIである“ON”ボタン211、212及び213だけである。
S502で、タッチパネルSW210に対してリモコン操作(タッチ操作)が入力されると、S503において、当該リモコン操作が、コンテンツAに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えるための“ON”ボタン211の操作か否かを判定する。“ON”ボタン211の操作と判断された場合、リモコン装置200をコンテンツAに対応する動作モードに切り替え、リモコン信号送信パルスをコンテンツAの表示タイミング同期に切り替える。また、タッチパネルSW210にコンテンツAを制御するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUI(図3(A)のGUI214)を表示する(S504)。次にS509に進む。
S503において、リモコン操作がコンテンツAに対応する動作モードに切り替える“ON”ボタン211の操作ではなかったと判断された場合、S505に進む。S505において、前記入力されたリモコン操作がコンテンツBに対応する動作モードに切り替えるための“ON”ボタン212の操作か否かを判定する。“ON”ボタン212の操作と判断された場合、リモコン装置200をコンテンツBに対応する動作モードに切り替え、リモコン信号送信パルスをコンテンツBの表示タイミング同期に切り替える。また、タッチパネルSW210にコンテンツBを制御するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUI(図3(B)のGUI215)を表示する(S506)。次にS509に進む。
S505において、リモコン操作がコンテンツBに対応する動作モードに切り替える“
ON”ボタン212の操作ではなかったと判断された場合、S507に進む。S507において、前記入力されたリモコン操作がコンテンツCに対応する動作モードに切り替える“ON”ボタン213の操作か否かを判定する。“ON”ボタン213の操作と判断された場合、リモコン装置200をコンテンツCに対応する動作モードに切り替え、リモコン信号送信パルスをコンテンツCの表示タイミング同期に切り替える。また、タッチパネルSW210にコンテンツCを制御するコマンドを入力するためのリモコン操作用GUI(図示省略)を表示する(S508)。次にS509に進む。
S507において、リモコン操作がコンテンツCに対応する動作モードに切り替える“ON”ボタン213の操作ではなかったと判断された場合、S501の初期入力待機状態に戻る。
S509において、タッチパネルSW210にコンテンツA,B又はCのいずれかに関するコマンド入力用のリモコン操作用GUIが各コンテンツの時分割表示に同期して表示された状態で、リモコン操作入力待機状態となる。
S510で、入力待機時間が所定のタイムアウト時間Tを越えたか判定し、入力待機時間がタイムアウト時間Tを超えたと判定された場合、S501の初期入力待機状態に戻る。すなわち、コンテンツA,B又はCに関するコマンド入力用のリモコン操作用GUIの表示を消去し、“ON”ボタン211、212及び213のみがタッチパネルSW210に表示された状態に戻る。タイムアウト時間TはタッチパネルSW210に表示される各コンテンツに関するコマンド入力用のリモコン操作用GUI表示をタイムアウト処理によって初期入力待機状態に戻すための予め定められる待ち時間である。
タイムアウト時間内にリモコン操作入力がされた場合(S511)、当該リモコン操作入力が動作モード切り替え用の“ON”ボタンの操作か判定する(S512)。いずれかの“ON”ボタンの操作と判定された場合(S512:Yes)、S503以降の動作モード切り替え処理を行う。
リモコン操作入力がいずれの“ON”ボタンでもない場合(S512:No)、入力されたリモコン操作に対応するコマンドを判定する(S513)。そして、当該コマンドに対応するTV制御信号をS504、S506又はS508で切り替えられたリモコン信号送信パルスによってテレビ装置100に送信し(S514)、S509の入力待機状態に戻る。
【0020】
図5は、テレビ装置100の動作を表すフローチャートである。S701は、リモコン装置200からのTV制御信号の受信待機状態である。S702では、TV受信部127がTV制御信号を受信する。S703で、受信したTV制御信号が、コンテンツAの表示タイミングに同期しているかを判定する。すなわち、リモコン信号送信パルスの位相(RC信号位相)がコンテンツAの表示タイミングに同期しているか判定する。コンテンツAの表示タイミングに同期している場合、S704でコンテンツAに関するコマンドがテレビ装置100において実行される。S705及びS707でも同様に、受信したTV制御信号がコンテンツBやCの表示タイミングと同期しているか判定し、判定結果に応じてコマンド実行対象のコンテンツを選択し、選択したコンテンツに関して入力されたコマンドを実行する。
【0021】
次に、図6を用いて、リモコン装置200のタッチパネルSW210及びタッチパネルSW制御部203の構成について詳細に説明する。前述したように、タッチパネルSW210は、タッチセンサ220とLCD230を重ねて構成されている。上述したリモコン装置200の動作モードを切り替える“ON”ボタンのGUI211、212及び213は、ボタン図形216、217及び218により構成される。各ボタン図形216、217及び218は、それぞれコンテンツA,B及びCの時分割表示に同期して、LCD230上の異なる位置に表示領域が重ならないように表示される。タッチセンサ220は透明のパネルにより構成され、LCD230に表示されるリモコン操作用GUIを透過するため、LCD230上のリモコン操作用GUIの表示位置(表示領域)がタッチセンサ22
0上の操作位置(操作領域)となる。
タッチパネルSW制御部203は、位置検出部203a、LCD駆動部203b、操作判定部203c及びタイミング発生部203dを含んで構成される。
LCD駆動部203bは、RC制御部202から送られるシャッター式眼鏡300a、300b及び300cの各々のシャッター開閉制御信号に同期して、LCD230にボタン図形216、217及び218を順次表示させる。
位置検出部203aは、タッチセンサ220におけるユーザが操作した位置(タッチした位置)のx座標及びy座標を検出する。x座標及びy座標は図示するようにタッチセンサ220の左下を原点とする。ただし座標の設定方法はこの例に限らない。
操作判定部203cは、位置検出部203aから送られたx座標及びy座標と、LCD駆動部203bが上記各ボタン図形を表示している位置の座標情報とを比較し、ユーザがボタン図形216、217又は218のいずれを操作したか(タッチしたか)を判定する。このとき、ボタン図形216、217及び218は、時分割表示されているが、その表示位置がそれぞれ異なることによって、どのボタン図形が操作されたのか判定することができる。
誤操作を抑制するために、ボタン図形216、217及び218の表示位置には適度な間隔を与える。また、操作判定部203cは、ユーザがタッチセンサ220を操作した位置と各ボタン図形の表示位置とが一致している時間がある程度の長さ持続した場合に限り、ユーザがそのボタン図形を操作したと判定する。これにより、ユーザが意図せずタッチセンサ220におけるボタン図形の表示位置に触れてしまった場合の誤作動を抑制する。
また、ユーザがシャッター式眼鏡300a、300b及び300cを掛けることにより視界が暗くなった場合でも、LCD230のバックライト(図示省略)によってリモコン操作用GUIの視認性が低下することを抑制できる。
【0022】
本実施例では、N個(N=3)のコンテンツのうちn番目(nは1、2、・・・N)のコンテンツがテレビ装置100に表示されている期間に、N個の“ON”ボタンのうちn番目の映像に対応する“ON”ボタンのみがタッチパネルSW210に表示される。これにより、テレビ装置100におけるN個のコンテンツの時分割表示に同期して、N個の“ON”ボタンがタッチパネルSW210において時分割表示されることになる。従って、n番目の映像に対応するシャッター式眼鏡300を介してタッチパネルSW210を見る視聴者には、n番目の映像に対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えるための“ON”ボタンしか見えない。視聴者は、タッチパネルSW210に見えている“ON”ボタンをタッチ操作すれば、リモコン装置200を自分の視聴しているコンテンツを制御するコマンドを入力可能な動作モードに切り替えることができる。すなわち、視聴者は、複数のリモコンの中から自分の視聴しているコンテンツを制御するコマンドを入力可能なリモコンを探したり、該コンテンツに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えるために操作すべきボタンを識別したりする必要がない。よって、各視聴者は、特別な操作を行わなくても、直感的に自分の視聴しているコンテンツに関するコマンド入力を行うためのリモコン操作を行うことができる。また、タッチパネルSW210に表示されるリモコン操作用GUIをリモコン装置200の動作モード及びコンテンツに応じて切り替えるので、各視聴者は、1個のリモコン装置200を用いて各視聴しているコンテンツに関するコマンドを入力することができる。
【0023】
なお、本発明及び本実施例における「複数の映像」「複数のコンテンツ」とは、映像の系統に関する概念を表し、具体的な映像の内容に関する概念を表すものではない。例えば、入力処理部111に入力される映像がテレビ放送の1CH、入力処理部112に入力される映像がブラウザ、入力処理部113に入力される映像がテレビ放送の2CHの場合、コンテンツAは1CH、コンテンツBはブラウザ、コンテンツCは2CHである。この場合、コンテンツAに関するコマンドとは、チャンネル切り替えやボリューム調節などであり、コンテンツBに関するコマンドとは「戻る」や「進む」などである。入力処理部11
1に入力される映像がテレビ放送の1CHからブラウザに変更された場合、コンテンツAはブラウザであり、コンテンツAに関するコマンドは「戻る」や「進む」などである。すなわち「コンテンツAに対応する動作モード」とは、入力処理部111という第1の映像系統の映像に関するコマンドを入力可能な動作モードであり、入力処理部111の入力がテレビ放送の1CHならチャンネル切り替えなど、ブラウザなら「戻る」などである。従って、各系統の映像の具体的な内容が同じである状況もあり得る。例えば、第1の映像(コンテンツA)がテレビ放送の1CH、第2の映像(コンテンツB)もテレビ放送の1CHという場合もある。この場合に、リモコン装置200がコンテンツAに対応する動作モードに切り替えられると、リモコン装置200は、第1の映像系統に入力されている1CHの映像を制御可能だが、第2の映像系統に入力されている1CHの映像を制御することはできない。例えば、リモコン装置200によりコントラストを高める画質調整を行う操作を行うと、シャッター式眼鏡300aを介して見える1CHの映像はコントラストが高まるが、シャッター式眼鏡300bを介して見える1CHの映像のコントラストは変化しない。
【0024】
なお、本実施例では、リモコン装置200のタッチパネルSW210のリモコン操作用GUIのデータをメモリ204から読み出す構成を例示したが、テレビ装置100からGUIのデータを供給することも可能である。この場合、GUIのデータは、シャッター開閉制御信号及び音声データと合わせて、TV送信部126から送信され、リモコンのRC受信部201で受信されるようにする。このようにすれば、リモコン装置200のGUI表示を、各コンテンツに最適なものに更新することができる。
【0025】
また、本実施例では、タッチパネルSW210は、リモコン装置200の動作モードを切り替えるためのボタンに加えて、各動作モードにおいてコンテンツに関するコマンドを入力するためのGUIを表示可能な構成を例示した。しかしながら、リモコン装置200に、タッチパネルSW210以外に通常の操作ボタンも配置し、タッチパネルSW210の構成を最小限に抑えることも可能である。例えば、タッチパネルSW210はリモコン装置200の動作モードを切り替えるための3個のボタンを時分割表示するだけの構成とし、各コンテンツを制御するためのインターフェースは押下操作可能な物理的なボタン等により構成しても良い。例えば、図3のGUI214に対応するチャンネル切り替えボタンや音量調節ボタンや、GUI215に対応する「戻る」「進む」ボタンやURL入力を行うためのキーボードを、押しボタンスイッチによりリモコン装置200に備える。
【0026】
また、リモコン装置200の動作モードを切り替えるための3個のボタンは、本実施例のようなタッチ操作可能なボタンではなく、押下操作可能なボタンであっても良い。その場合、各ボタンがどのコンテンツに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えるためのボタンであるかを指し示す標識を表示する表示部をリモコン装置200に設ける。そして、各コンテンツの映像がテレビ装置100に表示されている期間に、当該コンテンツに対応する動作モードに切り替えるためのボタンを指し示す標識のみを表示部が表示するようにする。例えば、各ボタンに隣接するように3個のLEDを配置し、LEDの発光を各ボタンを指し示す標識とすることができる。この場合、例えばコンテンツAに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えるためのボタンAに隣接するLEDを、コンテンツAがテレビ装置100に表示されている期間のみ発光させ、それ以外の期間は発光させないようにする。コンテンツBに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えるためのボタンBに隣接するLEDを、コンテンツBがテレビ装置100に表示されている期間のみ発光させ、それ以外の期間は発光させないようにする。コンテンツCに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えるためのボタンCに隣接するLEDを、コンテンツCがテレビ装置100に表示されている期間のみ発光させ、それ以外の期間は発光させないようにする。すなわち、3個のLEDを3個のコンテンツの時分割表示に同期させて時分割発光させる。これにより、シャッター式眼鏡300aを介してリモコ
ン装置200を見る視聴者には、ボタンAに隣接するLEDのみが発光しているように見える。シャッター式眼鏡300bを介してリモコン装置200を見る視聴者には、ボタンBに隣接するLEDのみが発光しているように見える。シャッター式眼鏡300cを介してリモコン装置200を見る視聴者には、ボタンCに隣接するLEDのみが発光しているように見える。よって、各視聴者は、発光しているLEDに隣接するボタンを押すことにより、リモコン装置200を、各視聴者が視聴しているコンテンツに対応する動作モードに切り替えることができる。各視聴者は、3つのボタンA,B及びCのうち、どのボタンを押せば自分の視聴しているコンテンツに対応する動作モードにリモコン装置200を切り替えることができるのかを、容易に判断することができる。各コンテンツに対応するボタンを指し示す標識は、ボタンに隣接するLEDの発光に限らず、ボタン自体を発光させるバックライトでも良いし、ボタンに隣接する液晶パネルやELパネルにおける文字、数字、記号、図形、色などの表示であっても良い。
【0027】
本実施例では、リモコン装置200を各コンテンツに対応する動作モードの切り替えるためのボタンが、タッチパネルSW210に表示されるタッチ操作可能なボタンや押下操作可能なボタンにより、コンテンツの数だけリモコン装置200に備えられる。物理的なボタンの場合、各ボタンを指し示す標識をコンテンツの数だけ表示する表示部も備える。タッチパネルSW210のボタンの表示や表示部の標識の表示を、テレビ装置100における3つのコンテンツの時分割表示に同期させて時分割で行う。各視聴者がシャッター式眼鏡300を介してリモコン装置200を見た時にタッチパネルSW210に見えるボタンや指し示す標識が見えるボタンを押すことにより、リモコン装置200が自分の視聴しているコンテンツに対応する動作モードに切り替わる。これにより、リモコン装置200は当該動作モードに対応するコンテンツに関するコマンドのみをテレビ装置100に入力できる状態となる。一方、通常の押しボタン列に隣接して、シャッター開閉制御信号に同期して隣接するボタンの表示を行うLCDを配置し、各コンテンツの操作ボタンを指し示す構成にしてもよい。このとき、各コンテンツに対する操作ボタンは、前述したタッチパネルSWの場合と同様、独立したボタンであって、異なる位置に配置される。本実施例では、映像表示装置をテレビとしたが、それ以外の一般の映像表示システムに対しても、本発明が適用可能である。
上記実施例では、3つの映像コンテンツを同時視聴可能な映像表示システムを例に説明したが、同時視聴可能な映像コンテンツ数Nは2以上の整数であればよい。
【符号の説明】
【0028】
100:テレビ装置、200:リモコン装置、210:タッチパネルSW、300:シャッター式眼鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N個(Nは2以上の整数)の映像を時分割表示する表示装置と、
前記映像の各々に対応するN種類のシャッター装置であって、対応する映像が前記表示装置に表示されている期間のみ光を透過する開状態となり、それ以外の期間は光を遮断する閉状態となるシャッター装置と、
前記表示装置に所定のコマンドを入力可能なリモコン装置と、
を有し、複数の観察者がそれぞれ前記各シャッター装置を介して前記表示装置に表示される映像を観察することにより該シャッター装置に対応する映像を各観察者が同時に観察することができる映像表示システムであって、
前記リモコン装置は、
前記映像の各々に対応するN個の動作モードに切り替え可能であり、n番目(nは1、2、・・・N)の動作モードではn番目の映像に関するコマンドを入力可能であり、
前記動作モードの各々に対応するN個のタッチ操作可能なボタンを異なる位置に表示する表示部、又は、N個の押下操作可能なボタン及び該ボタンの各々を指し示す前記動作モードの各々に対応するN個の標識を表示する表示部、を有し、前記表示部に表示されるn番目のボタン、又は、前記表示部に表示されるn番目の標識により指し示されるボタン、を操作することにより前記リモコン装置をn番目の動作モードに切り替え可能であり、
前記表示部は、n番目の映像が前記表示装置に表示されている期間に、n番目のボタンのみ、又は、n番目の標識のみ、を表示することにより、前記表示装置におけるN個の映像の時分割表示に同期して前記N個のボタン又は前記N個の標識を時分割表示することを特徴とする映像表示システム。
【請求項2】
前記リモコン装置は、前記複数の映像の各々を制御するコマンドを入力するためのN種類のグラフィカルユーザインターフェースを表示可能なタッチパネルを備え、
前記タッチパネルは、前記リモコン装置がn番目の動作モードに切り替えられた場合、n番目の映像が前記表示装置に表示されている期間に、n番目の映像を制御するコマンドを入力するためのグラフィカルユーザインターフェースのみを表示することを特徴とする請求項1に記載の映像表示システム。
【請求項3】
N個(Nは2以上の整数)の映像を時分割表示する表示装置と、
前記映像の各々に対応するN種類のシャッター装置であって、対応する映像が前記表示装置に表示されている期間のみ光を透過する開状態となり、それ以外の期間は光を遮断する閉状態となるシャッター装置と、
前記映像の各々に対応するN個の動作モードに切り替え可能であり、n番目(nは1、2、・・・N)の動作モードではn番目の映像に関するコマンドを入力可能なリモコン装置であって、前記映像の各々に対応するN個のタッチ操作可能なボタンを異なる位置に表示する表示部、又は、N個の押下操作可能なボタン及び該ボタンの各々を指し示す前記映像の各々に対応するN個の標識を表示する表示部、を有するリモコン装置と、
を有し、複数の観察者がそれぞれ前記各シャッター装置を介して前記表示装置に表示される映像を観察することにより該シャッター装置に対応する映像を各観察者が同時に観察することができる映像表示システムの制御方法であって、
前記表示部に、n番目の映像が前記表示装置に表示されている期間に、n番目のボタンのみ、又は、n番目の標識のみ、を表示させることにより、前記表示装置におけるN個の映像の時分割表示に同期して前記N個のボタン又は前記N個の標識を時分割表示させるステップと、
前記N個のボタンのいずれかのボタンが操作された場合に、該ボタン又は該ボタンを指し示す標識に対応する映像に関するコマンドを入力可能な動作モードに前記リモコン装置を切り替えるステップと、
を有することを特徴とする映像表示システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−151457(P2011−151457A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8946(P2010−8946)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】