説明

映像表示装置および方法およびこれに組み込まれる信号処理回路および液晶バックライト駆動装置

【課題】
バックライト制御による画質の改善や消費電力低減の具現化に有効な手法を提供する。
【解決手段】
入力された映像信号は、輝度ピークが検出され(ブロック412)、ローパスフィルタ414を介して関数Aで処理され(ブロック404−a)、その結果をフィードバックしてゲイン調整が行われる(ブロック408)。このようにゲイン調整が行われた映像信号は、オーバーフローリミッタ410を介して液晶ドライバ24に入力され、液晶パネル10に表示される。一方、ローパスフィルタ414の出力は、液晶側の変調度を変えた影響の逆補償をバックライト側で行うべく、関数Bによって処理され(ブロック404−b)、その結果に基づいて調光制御信号が生成され(ブロック406)、この調光制御信号に基づいてバックライトドライバ26を介したバックライト11の輝度制御が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ランプ駆動制御装置および方法およびこれに組み込まれる信号処理回路および液晶バックライト駆動装置に関し、特に、画質の改善や消費電力の低減に有効な手法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶TVに代表される液晶ディスプレイの動画性能を向上させる手法として、液晶バックライトの光源を複数のブロックに分割し、この分割したブロックごとに点灯タイミングを制御する手法が検討されている。この手法は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
この特許文献1には、同文献の図1に記載されたように、4つのブロックに分割されたバックライト32〜35が駆動回路28〜31によってそれぞれ独立に駆動される構成が示されている。
【0004】
一方で、液晶ディスプレイの消費電力を低減させる手法として、映像の平均輝度に応じてバックライトの輝度を制御するAPL−AGC(Average Picture Level Automatic Gain Control)という手法が知られている。この手法は、例えば、特許文献2乃至特許文献5に記載されている。
【0005】
これらの文献には、映像シーンに連動させたバックライト制御の有効な手法が記載されているが、これらの手法を実際の製品で実現させるためには、LSIで構成された画像処理回路に変更を加える必要があり、バックライト駆動ユニットの構成や制御方法により対応が異なるため、画像処理LSI内でのバリエーション対応が困難であった。
【0006】
また、より消費電力を低減させるためには、バックライト制御手法そのものの高度化や多種類のバックライト制御手法を次々と組み合わせてゆく必要があり、莫大な開発費用のかかる大規模な画像処理回路内でのきめ細かい対応が困難である。
【0007】
また、複数のブロックに分割して制御する場合、従来のようなアナログ制御手段を用いると、ブロック間の電流バランス精度などにも困難が有り、そしてブロックの分割数に比例して制御回路規模も増大し、その分コストも増大するという問題が有った。また、ブロック間のキャリア同期や連動制御も複雑になり連動制御専用に別のデジタル制御回路が必要になった。
【0008】
このように、従来のバックライト制御をより簡易な構成で高度化し、省電力効果や画質改善を向上させることが求められている。
【特許文献1】特開2005−99367号公報
【特許文献2】特開2002−156951号公報
【特許文献3】特開2002−258401号公報
【特許文献4】特開2002−357810号公報
【特許文献5】特開2004−085961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、バックライト制御による画質の改善や消費電力低減の具現化に有効な手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
このような表示素子と光源の協調制御をフィードバック制御で行うことで、従来行われていたような複雑なヒストグラム演算を避けることができる。また、映像の明るさ自身を制御したり、エリア毎にAPL−AGCやピーク輝度を検出したり、エリア毎の映像変調度制御や光源の制御を組み合わせたりする場合にも、フィードフォワード構成では複雑な互いの影響の関数を逆演算して求解する必要が有り、極めて複雑な演算が必要である。輝度ピークをフィードバック制御することにより簡単に高精度に制御することができる。その結果、映像信号のピークにマージンが有る分だけ表示素子の変調度を上げ、その分光源の光出力を下げることができるため、同一輝度映像のまま光源の光出力低減による省エネ化が期待できる。
【0012】
また、表示素子の変調度が上がった分だけコントラスト改善および階調再現性や色シフト減少、視野角改善に効果を発揮する。特に画面全体が暗い時には、表示素子の変調度を大きく上げることで、苦手な低変調度領域の使用を避けることができるため上記効果は大きくなる。
【0013】
この制御構成は、透過直視型液晶ディスプレイのみならず、透過型液晶や、反射型液晶、マイクロミラーデバイスなど別光源を変調するタイプのディスプレイ一般に適用でき、リアプロジェクタやフロントプロジェクタなどにも応用可能である。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号の各原色略輝度が所定の閾値を超える頻度を検出する手段と、前記頻度が略一定になるよう前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、複雑なヒストグラム演算を行うことなく、ヒストグラムの上側一定比率を最大変調付近に制御するのと同等の効果を安価に、即ち、ヒストグラムを取ってレベル再配分する計算方式より簡単なフィードバックだけで実現できる。また、逆にレートカウンタ部でスレシホールド以上の時間連続が短い部分を無視してカウントするなどの工夫により、例えば字幕などの短いピークが大量に出てもそれに影響されないようにマスクできるなど、ヒストグラムだけでは実現できない特長を容易に付加することもできる。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、前記略平均輝度を前記フィードバック制御および/または前記逆補償に入力する手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
このように構成することで、表示素子と光源のフィードバック型協調制御と、APL−ACG制御を同時に行うことができる。尚、検出した平均輝度は、表示素子側のフィードバックループと光源側の逆補償の双方に入力しても良く、いずれか一方に入力しても良い。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、複数の表示エリアに対応して分割構成された光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、前記略平均輝度を前記フィードバック制御および/または前記逆補償に入力する手段とを具備し、前記略平均輝度を検出する手段と、前記光源の光出力量を制御する手段とを前記エリアごとに対応させたことを特徴とする。
【0019】
このように構成することで、光源の光出力を分割したエリアごとに制御できるため、より省電力効果を得ることができるとともに、眩しさの低減や明部、暗部双方共に視認できるような逆光補正等の視聴画質の最適化を図ることができる。
【0020】
また、請求項5記載の発明は、複数の表示エリアに対応して分割構成された光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、前記略平均輝度を前記フィードバック制御および前記逆補償に入力する手段とを具備し、前記略平均輝度を検出する手段と、前記光源の光出力量を制御する手段と、前記表示素子を制御する手段とを前記エリアごとに対応させたことを特徴とする。
【0021】
このように構成することで、エリア別APL成分がフィードバック制御にも回され、映像信号のエリア別輝度むらを減少させる効果が生じるため、全画面ピーク検出にもかかわらず、画面に輝度傾斜が有る場合など、より効果的に表示素子の変調度をピーク一杯まで使用でき、協調制御による省電力、画質改善効果がより高められる。
【0022】
また、請求項6記載の発明は、複数の表示エリアに対応して分割構成された光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、前記略平均輝度を前記逆補償に入力する手段とを具備し、前記略平均輝度を検出する手段と、前記光源の光出力量を制御する手段と、前記各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記表示素子を制御する手段とを前記エリアごとに対応させたことを特徴とする。
【0023】
このように構成することで、APL検出、ピーク検出、光源の調光制御、映像信号ゲイン調整の全てがエリア別に行われ、より完全に表示素子の変調度をピーク一杯まで使用することができるとともに、APL−AGC効果も最大限に発揮できるため、最も省電力でかつ最も見易く、最もコントラストや階調再現性にも優れた効果を得ることができる。
【0024】
また、請求項7記載の発明は、光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、前記略平均輝度を前記フィードバック制御に入力する手段とを具備し、前記略平均輝度を検出する手段と、前記表示素子を制御する手段とを、分割構成された複数の表示エリアに対応させたことを特徴とする。
【0025】
このように構成することで、APL値はエリア別求めるが光源はエリア分割せずに全画面一括調光制御され、エリア別に求められたAPL値と全画面ピーク値に基いて、エリア別のゲイン調整が実施される。光源はその全画面ピークAGCの逆補正のみで変調されるが、ピーク検出側のフィードバック効果により、全画面ピークとエリア別APLの差分で制御されることとなる。そのため画面内に輝度傾斜が有る場合には、全画面バックライト制御にもかかわらず、エリア別制御に近い効果を持つものが安価に構成できる。
【0026】
また、請求項8記載の発明は、光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、前記略平均輝度を前記フィードバック制御および前記逆補償に入力する手段とを具備し、前記略平均輝度を検出する手段と、前記フィードバック制御手段と、前記表示素子を制御する手段とを、分割構成された複数の表示エリアに対応させるとともに、前記略平均輝度のエリア間の差分と共通分をそれぞれ抽出し、該差分を前記フィードバック制御側に入力し、該共通分を前記逆補償側に入力することを特徴とする。
【0027】
このように構成することで、エリアAPLのエリア間共通部分、例えば平均などで光源を制御し、エリア間差分成分を映像信号ゲイン調整側に回すことで、エリア間差分APL値と全画面ピーク値に基いて、エリア別のゲイン調整が実施されるため、全画面一括光源制御で、エリア別制御に近い効果を持つものが安価に構成できる。
【0028】
また、請求項9記載の発明は、複数の表示エリアに対応して分割構成された光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、前記略平均輝度を前記フィードバック制御に入力する手段とを具備し、前記略平均輝度を検出する手段と、前記光源の光出力量を制御する手段と、前記フィードバック制御手段と、前記各原色略ピークを検出する手段と、前記表示素子を制御する手段とを前記エリアごとに対応させたことを特徴とする。
【0029】
このように構成することで、APL検出、ピーク検出、光源の調光制御、映像信号ゲイン調整の全てがエリア別に行われるため、より完全に表示素子の変調度をピーク一杯まで使用することができると共に、APL−AGC効果も最大限に発揮できるため、最も省電力でかつ最も見易く、最もコントラストや階調再現性にも優れた効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明によれば、バックライト制御による画質の改善や消費電力低減が安価な構成で期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。尚、本発明は、以下説明する実施形態に限らず適宜変更可能である。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶バックライト駆動装置の構成を示す概念図である。同図(a)に示すように、本液晶バックライト駆動装置は、液晶パネル10の背面にバックライト光源として分割配置された点灯ブロックBL1〜BL4と、これら分割配置された各点灯ブロックを制御するバックライト制御部16で構成される。
【0033】
同図(a)において、画像処理部14は、所定のフレーム周期で入力される映像信号VDに基づいて所定の画像処理を行い、その結果として、液晶パネル10を駆動する信号を液晶駆動部12に出力し、点灯ブロックBL1〜BL4を制御する信号をバックライト制御部16に出力する。
【0034】
液晶駆動部12は、画像処理部14の出力信号に基づいて、液晶パネル10を構成する液晶素子の配向を制御することで、表示映像を構成する各画素の色彩や階調を設定し、バックライト制御部16は、画像処理部14の出力信号に基づいて、点灯ブロックBL1〜BL4の光量や点灯状態を制御することで、該当する表示領域の光量やバックライトのON/OFFを制御する。
【0035】
ここで、点灯ブロックBL1〜BL4は、液晶の走査方向に沿って4つのブロックに分割され、バックライト制御部16は、液晶駆動部12が駆動する液晶領域に対応する点灯ブロックの点灯状態を制御することで、例えば、液晶の遷移タイミングを避けたバックライトの順次点灯による疑似インパルス駆動型の動画改善が行われる。
【0036】
この分割された各点灯ブロックは、同図(b)に点灯ブロックBL1を代表として例示したように、光源となるランプL1を備え、このランプは、スイッチング素子Q1〜Q4で構成されたブリッジ回路とトランスTR1により駆動される。
【0037】
ここで、ブリッジ回路は、スイッチング素子Q1およびQ4で構成される正方向電流側(iP)のスイッチング部と、スイッチング素子Q3およびQ2で構成される負方向電流側(iN)のスイッチング部とで構成され、図中の点線iPおよびiNで示すように、正方向半サイクル電流iPは、スイッチング素子Q1、トランスTR1、スイッチング素子Q4の方向に流れ、負方向半サイクル電流iNは、スイッチング素子Q3、トランスTR1、スイッチング素子Q2の方向に流れ、その結果、負荷となるランプに対して交流電流が供給される。この動作は各点灯ブロックBL1〜BL4で同様である。
【0038】
図2は、図1に示した液晶バックライト駆動装置の全体構成を示す回路ブロック図である。同図に示すように、本装置では、ブリッジ回路と点灯ブロックとを含むアナログ回路部100がバックライト制御部16によって制御される。
【0039】
点灯ブロックBL1を駆動するブリッジ回路は、制御信号S1−1で駆動されるスイッチング素子対Q1、Q2と、制御信号S1−2で駆動されるスイッチング素子対Q3、Q4とで構成される。他の点灯ブロックBL2、BL3、BL4についても同様に構成される。
【0040】
バックライト制御部16には、ブリッジ回路の制御信号S1−1、S1−2、S2−1、S2−2、S3−1、S3−2、S4−1、S4−2に対応したポートP1〜P4が設けられ、これらのポートから各スイッチング素子対を制御する信号が出力される。
【0041】
また、各点灯ブロックBL1〜BL4には、ランプL1〜L4を流れる電流を検出するための抵抗R1〜R4が設けられ、検出された電流値は、バックライト制御部16の対応ポートP1〜P4に入力される。この入力された電流値に基づいて、点灯ブロックごとに調光制御が行われる。
【0042】
図3は、図2に示したブリッジ回路の動作例を示す回路図およびタイミングチャートである。同図(a)に示すように、ブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q1〜Q4への制御入力をA〜Dとすると、これらA〜Dの制御信号の相対関係によって負荷LOADに供給される電力量が決定される。
【0043】
即ち、同図(b)に示すように、図中「Timing」で示したキャリアタイミングに同期させた出力PWM信号に基づいて、A〜Dのスイッチング波形を生成し、制御信号AがONの期間は負荷LOADに正方向の電流が供給され、制御信号CがONの期間は負荷LOADに負方向の電流が供給される。
【0044】
負荷LOADに供給する電力量は出力PWM波形のデューティによって制御され、負荷LOADに大きな電力を供給する場合は、出力PWM波形のデューティを大きくし、負荷LOADに小さな電力を供給する場合は、出力PWM波形のデューティを小さくする。
【0045】
このような電力供給量の制御を各点灯ブロックごとに検出した電流値に基づいて、点灯ブロックごとに行うことにより、点灯ブロック間の輝度バランスを調整する制御や、映像のシーンに応じて点灯ブロックごとに輝度を変化させるシーン制御を行うことができる。
【0046】
図4は、図2に示したブリッジ回路の他の動作例を示す回路図およびタイミングチャートである。同図(a)に示すように、ブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q1〜Q4への制御入力をA〜Dとすると、これらA〜Dの制御信号の相対関係によって負荷LOADに供給される電力量が決定される。
【0047】
即ち、同図(b)および(c)に示すように、制御信号A〜Dのスイッチングデューティを一定条件とし、制御信号AとBのON状態を相補的に切り替えるとともに、制御信号CとDのON状態を相補的に切り替え、制御信号AとDの重なりによって負荷LOADに正方向の電流が供給され、制御信号BとCの重なりによって負荷LOADに負方向の電流が供給される。
【0048】
即ち、制御信号AとBのペアに対する制御信号CとDのペアの位相を変化させることで、負荷LOADに供給する電力量を制御することができる。負荷LOADに大きな電力を供給する場合は、同図(b)に示すように、両ペアの位相差を大きくすれば良く、負荷LOADに小さな電力を供給する場合は、同図(c)に示すように、両ペアの位相差を小さくすれば良い。
【0049】
このような電力供給量の制御を点灯ブロックごとに検出した電流値に基づいて、点灯ブロックごとに行うことにより、点灯ブロック間の輝度バランスを調整する制御や、映像のシーンに応じて点灯ブロックごとに輝度を変化させるシーン制御を行うことができる。
【0050】
図5は、図1に示した液晶バックライト駆動装置の制御構成を示す回路ブロック図である。同図に示すように、アナログ回路部100に設けられた点灯ブロックBL1〜BL4には、電源回路20からの直流電源が供給され、この直流電流がブリッジ回路によりスイッチングされ、トランスにより昇圧されて高圧交流が生成される。
【0051】
ここで、バックライト制御部16は、デジタル回路によって構成され、点灯ブロックBL1〜BL4ごとに検出抵抗を介して検出されたランプ電流は、入力ポートP1〜P4からバックライト制御部16に入力される。
【0052】
この入力されたランプ電流情報は、点灯ブロックごとに、数値化部58でA/D変換された後、比較部60によって制御目標値と比較され、その結果得られた誤差情報がループフィルタ62で積分され、この積分結果が駆動パルス生成部56により処理されて、各点灯ブロックBL1〜BL4を駆動するための駆動パルスが生成される。
【0053】
これらの駆動パルスは、出力ポートP1〜P4からドライバ22を介して各点灯ブロックBL1〜BL4に出力され、このドライバ出力に基づいてブリッジ回路によるランプの点灯制御が行われる。
【0054】
数値化部58および駆動パルス生成部56には、タイミング発生部70で生成された波形生成の基本信号となるキャリアタイミングが供給され、このキャリアタイミングを利用して、数値化部58によるA/D変換と、駆動パルス生成部56による駆動パルスの生成が行われる。
【0055】
数値化部58により数値化されたデータやループフィルタ出力は、点灯ブロックごとに、ランプのインピーダンス等のパラメータを検出するパラメータ検出部52に出力され、ここで検出されたパラメータに基づいて保護回路50による保護動作と起動制御部54によるランプの起動制御が行われる。
【0056】
保護回路50による保護動作としては、電源回路20の遮断、駆動パルスのデューティ低減、起動制御の停止等が、検出されたパラメータから判断された保護すべき程度に応じて適宜行われる。
【0057】
図6は、図5に示した数値化部および比較部の構成例を示す回路ブロック図である。同図では、点灯ブロックBL1のみを示すが他の点灯ブロックについても同様に構成される。同図に示すように、点灯ブロックのランプ電流情報は、検波部220によって検波され、この結果が平滑平均化RCフィルタ230によって平滑または弱平滑平均化され、その結果がコンパレータ240によってリファレンス三角波と比較され、その結果が検出PWM信号として出力される。
【0058】
検出PWM信号は、入力パルス幅カウント回路322によってカウントされ、その結果が減算回路324によって目標値との差異が算出されて、その結果が非線形特性付加部326によって非線形処理されて入力誤差信号が生成される。
【0059】
図7は、検出PWM信号を生成する例を示す回路ブロック図である。同図に示す例は、検出抵抗R1を介して検出したランプ電流を全波整流、弱平滑平均化し、リファレンス三角波と比較することで検出PWM信号を生成する場合の例である。
【0060】
ここで、検波部220は、全波整流回路222とクリップ回路224によって構成され、このクリップ回路によって整流後の波形の一定値以下の低電流部分がクリップ整形される。
【0061】
平滑平均化RCフィルタ230は、弱平滑平均化特性、即ち、比較的短い放電時定数を持たせたRC充放電回路によって構成され、リファレンス三角波生成部250は、リファレンスとなるパルス信号を短時定数で積分するRC回路によって構成され、このRC回路にキャリアタイミングや電流オフセットPWM信号等のリファレンスパルスが入力されることで、キャリアに同期した三角波が生成される。
【0062】
上記平滑平均化信号とリファレンス三角波がコンパレータ240により比較されて、ランプ電流情報がパルス信号として表現された検出PWM信号が生成される。
【0063】
尚、コンパレータ240に入力するリファレンス信号を変化させることにより、目標電流を可変とする構成としてもよい。例えば、同図のリファレンス三角波生成部250に入力するリファレンスパルスとしてキャリアタイミングを使用する場合には、該キャリアタイミングのデューティを変化させて目標電流を可変としてもよく、また、リファレンスパルスに別途電流オフセットPWMを供給して長時定数平滑フィルタ252によるDCを加算したり、リファレンスパルス自身を高速パルス密度変調PDM等を使用して所定のオフセットと波形を持ったリファレンス三角波として目標電流を可変としてもよく、また、図6内の入力パルス幅カウンタ322の初期ロード値を変化させたり、また図6内の減算回路324に供給する目標値を変化させて目標電流を可変としても良い。
【0064】
図8は、検出PWM信号を生成する第1の例に係るA/D変換動作を示す波形タイミングチャートである。同図(a)に示すように、検出抵抗で検出されたランプ電流は、実線で示した交流波形となり、この波形が全波整流されて同図(b)に示す整流波形となる。
【0065】
その後、同図(c)に示すように、整流後の波形の一定値以下の低い部分がクリップされて、その波形(薄い実線)が弱平滑平均化されて振幅の小さな擬似三角波(濃い実線)が生成される。
【0066】
一方、同図(e)に示すように、キャリアタイミングに同期したリファレンス三角波(濃い実線)が弱平滑平均化波形(薄い実線)と比較されて同図(f)に示した検出PWMパルス波形が生成される。
【0067】
図9は、図6に示した非線形特性付加回路326で付加する非線形特性の例を示す概念図である。同図に示すように、横軸に示す検出PWMデューティの値に応じて縦軸に示す入力誤差出力が決定される。ここで同図中「x2」で示す実線領域は、定常付近に達するまでは定常の2倍ゲインにして速く立ち上げるための特性であり、同図中「x1」で示す実線領域マイナス誤差定常範囲およびプラス誤差定常範囲は、定常値近傍で定常ゲインに切り換えるための特性であり、同図中「x8」で示す実線領域は、感電などの場合の危険な過電流は定常の8倍ゲインにして急速に押さえるための特性である。ここで同図中「x1」で示す実線領域のうちプラス誤差定常範囲がマイナス誤差定常範囲より広く確保されているのは、「x8」の8倍ゲイン領域から一気に「x1」の定常範囲を飛び越えて下がり過ぎないようにするためである。
【0068】
図10は、図5に示したループフィルタの構成を示す回路ブロック図である。同図では、点灯ブロックBL1のみを示すが他の点灯ブロックについても同様に構成される。同図に示すように、ループフィルタ62は、加算回路332と、出力クリップ回路334と、フリップフロップ336によって構成され、このループフィルタによって非線形処理された入力誤差信号の積分処理が行われ、閉ループによる定常制御信号が生成される。
【0069】
図11は、1ブロック共通単一電流制御でブロックごとに独立にソフトスタート/ストップ制御を行う場合の構成例を示す回路ブロック図である。
【0070】
図12は、図11に示した入力誤差生成部342の構成を示す回路ブロック図である。同図に示すように、各ブロックランプ電流の最大値選択兼全波整流回路を通って1本化された整流後電流波形は弱平滑された後コンパレータで検出PWM化される。検出PWMはパルス幅カウンタで数値化された後、目標値から減算され、非線形特性付加後、入力誤差信号として出力される。これらの構成および動作は図6と同様に行われる。
【0071】
上記のようにして生成された入力誤差信号は、図11に示したループフィルタ62によって積分され、定常時の閉ループによる定常制御信号が生成される。
【0072】
そして、この定常制御信号が駆動パルス生成部56内に点灯ブロックごとに設けられたソフト波形生成部350−1〜350−4に出力され、各ソフト波形生成部によってソフトスタート/ストップ波形が生成された後、出力振幅信号としてパルス変換部370−1〜370−4に出力される。このとき、ソフト波形生成部350−1〜350−4によって、定常状態への達成状況を示す定常達成信号がNOR回路344に出力され、定常状態のブロックが存在しない場合、非定常信号としてループフィルタ62に出力される。
【0073】
各点灯ブロックの出力振幅信号は、パルス変換部370−1〜370−4によって、振幅信号がパルス信号に変換され、各点灯ブロックの駆動PWM信号として、図5に示すバックライト制御部16の出力ポートP1〜P4からドライバ22を介して各点灯ブロックBL1〜BL4に出力される。
【0074】
図13は、図11に示したループフィルタの構成を示す回路ブロック図である。同図に示すように、ループフィルタ62は、加算回路332と、出力クリップ回路334と、フリップフロップ336と、AND回路338によって構成され、このループフィルタによって入力誤差信号の積分処理が行われる。
【0075】
AND回路338がフリップフロップ336に出力する信号は、非定常時の開ループ化による出力上昇を防止するためのホールド信号として出力され、出力クリップ回路346がAND回路348に出力する信号は、正の場合に定常制御値の上昇方向を示す。尚、このAND回路は必ずしも必要ではなく非定常時無条件でフリップフロップ336をホールドするようにしてもよい。
【0076】
図14は、図11に示したソフトスタート/ストップ波形生成部の構成を示す概念図である。同図では、点灯ブロックBL1のみを示すが他の点灯ブロックについても同様に構成される。同図に示すように、点灯ブロックごとに生成された閉ループによる定常制御信号は、比較回路354および355、選択回路356に出力され、定常達成状態に応じて選択処理することでPWMデューティを示す出力振幅信号が生成される。
【0077】
ここで、比較回路354が出力するゼロ近傍または 定常値近傍を示す信号に基づいて、複数の傾斜値が傾斜値選択回路351によって選択され、この傾斜値が極性選択回路352によって点灯ブロックのON/OFF信号に基づく極性が適用され、その結果が加算回路353によって積分ループに加算され、強制カーブの生成が行われる。
【0078】
図15は、ソフトスタート/ストップ波形の例を示すタイミングチャートである。同図(a)は、点灯ブロックBL1のON/OFF信号を示し、同図(b)は、図14の傾斜値選択部351によって選択された点灯ブロックBL1の出力振幅の電圧波形を示し、同図(c)は、点灯ブロックBL1出力がゼロ値近傍の傾斜部および定常値近傍の傾斜部に対応したタイミングを示し、同図(d)は点灯ブロックBL1が定常に有るタイミングを示し、同図(e)は、点灯ブロックBL2のON/OFF信号を示し、同図(f)は、図14の傾斜値選択部351によって選択された点灯ブロックBL2の出力振幅の電圧波形を示し、同図(g)は、点灯ブロックBL1またはBL2が定常状態に有るタイミングを示す。
【0079】
同図に示す制御の特徴としては、まず、閉ループのままスタート/ストップ時の出力のスルーレートを強制的に制限し、常時制御し続けたまま強制的に上昇および下降カーブを作ることで、ON/OFFをスムーズに切換える手法がある。
【0080】
この手法では、図5に示した制御構成、即ち、定常時の目標電流に対して誤差を検出し、この誤差成分をループフィルタを介して出力の自動制御を行う構成において、別途、図11に示した各点灯ブロックのON/OFF制御入力に合わせて、図15(b)に折れ線傾斜で図示したような、ON時上昇、OFF時下降の出力制御用強制カーブを生成する。この強制カーブの生成は、図14に示した傾斜値選択部351、極性選択部352、加算回路353により行われる。
【0081】
ここで、図14に示した比較回路354により、生成された強制カーブが上昇時に図15(b)の「閉ループ定常値」で示した自動制御値を超えようとした時には、図14の選択回路356により自動制御側の出力(同図中「閉ループによる定常制御信号」)を選択出力すると共に、その値を次の瞬間の強制カーブ出力用の現在値としても使用する。
【0082】
また、強制カーブで下降しようとする時は、その自動制御値から強制的に下降させて行き、自動制御値より小さい範囲では強制カーブ出力を選択出力する。下降してゼロその他所定の値以下になった時、その所定の値にクリップしその値を出力する。
【0083】
全てのブロックで強制カーブが選択出力されている間は、自動制御値がオープンループとなって過上昇しないように、自動制御出力をホールドさせる。これにより自動制御と開始終了時の強制傾斜カーブとの高精度で連続的な移行が可能となり、静音化が図られる。
【0084】
上記に加え、スタート/ストップ直後やスタート/ストップ完了直前に傾斜を緩やかにしてより静音化を進める方法も有効である。例えば、強制カーブが自動制御値近傍にいる時や下限近傍にいる時には、より緩やかな傾斜値を選択することにより、上昇、下降のカーブを緩やかに構成してもよい。これにより定常値や下限値との切換えが滑らかになり、また電流量変化の高周波成分も抑えられ、さらに静音化される。
【0085】
また、スタートストップ時の強制カーブによる制御は、各点灯ブロック独立の多チャンネル制御で行うことにより、小規模な回路で独立に任意のタイミングでのON/OFF制御が可能になる。
【0086】
例えば、図11に示すように、各点灯ブロックそれぞれの定常電流値を共通の定常自動制御回路で制御し、スタート/ストップにより各点灯ブロックごと独立にON/OFFおよび出力の上昇および下降傾斜を付ける時、共通制御対象のどれか1チャンネルでも定常制御出力が選択されている時は、ホールドせず制御ループを有効にして、全てのチャンネルが定常制御出力選択状態から脱した時、定常制御をホールド状態にする。これにより各チャンネルの状態に依らず1組の定常自動制御回路で、安価に自動制御と独立スタート/ストップ傾斜カーブ生成が可能となる。
【0087】
図16は、図1に示した液晶バックライト駆動装置が行うAPL−AGCの処理例を示す概念図である。同図に示すように、同装置は、映像の入力平均輝度レベルの増加に対応させてバックライトの輝度を低下させる処理を行う。この処理で用いられる映像の入力平均輝度レベルは、映像信号に含まれた各画素の輝度情報を平均することにより算出することができる。尚、同図に示すように、バックライトの減光開始ポイントを一定の入力平均輝度以上に設定することで、暗いシーンまでさらに暗くすること無く見易さを確保することができる。
【0088】
図17は、図1に示した液晶バックライト駆動装置が行う液晶バックライト協調制御の処理例を示す概念図である。同図(a)に示すように、調光信号生成回路は、映像の入力ピーク輝度または入力平均輝度レベルの減少に対応させてバックライトの輝度を減少させる処理を行うとともに、同図(b)に示すように、このバックライト輝度の減少に連動させて、液晶変調度を増加させることで、見た目の映像を変化させることなく暗いシーンにおける省電力化を図ることができる。またこの場合、液晶変調ゲインを上げたことにより、暗部の階調数が増加し、それと連動してバックライト輝度を下げたことにより、黒がしっかり再現できるようになるため暗部コントラストも改善される。
【0089】
尚、バックライトと液晶の合成で表示される映像の表示輝度のゲインは、同図(c)に示すように、バックライトの輝度と液晶変調ゲインの積となり、この値は表示輝度の変化による違和感を与えないよう一定の値に保たれる。
【0090】
図18は、図1に示した液晶バックライト駆動装置が行うAPL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合処理例を示す概念図である。同各図に示すように、点線で示した図16の処理と実線で示した図17の処理を組み合わせることも可能である。これらの制御はそれぞれ独立に行われ、入力ピーク輝度や入力平均輝度のレベルに応じて、両処理の効果をそれぞれ得ることができるが、場合によっては、1点鎖線で示したような両処理の相乗効果による大幅な消費電力削減効果も期待できる。
【0091】
図19は、図1に示した液晶バックライト駆動装置が行うエリア別APL−AGC処理例を示す概念図である。同図に示すように、図1に示した光源BL1〜BL4の照光範囲に対応させて分割された映像領域Area1〜Area4の平均輝度レベルAPLをそれぞれ算出し、映像エリアごとにこの算出した入力平均輝度レベルの増加に対応させてバックライトの輝度を低下させるエリア別APL−AGC制御を行う。
【0092】
同図に示す例では、画面上側の映像領域Area1、Area2の平均輝度レベルがそれぞれ90、80と高くなるため、これに対応させて同図BL輝度例1に示すようにバックライトの輝度をそれぞれ65、75に設定することで眩しさを抑える。また、画面下側の映像領域Area3、Area4の平均輝度レベルは、それぞれ40、30と低くなるため、これに対応させてバックライトの輝度をそれぞれ90、100に設定することで暗部、明部それぞれを見やすい明るさに調整する。これにより、画面全体を一括して行う場合に比べて、暗部とも明部双方の視認性を向上させた逆光補正のような効果をもたらすと共に、より効果的な省電力化が可能になる。
【0093】
このとき、隣接映像領域間に極端なバックライト輝度差をつけることは明るさの変化に段が付き不自然さをもたらすので望ましくない。そのため、隣接映像領域間のバックライト輝度は一定の差または比の範囲に入るように制限を設ける。また、各映像領域の入力平均輝度のモーメントを求めてそれに応じた輝度傾斜をつけるようにしても良い。例えば、同図BL輝度例2に示すように、画面の上側が明るい映像では、Area1、Area2、Area3、Area4の順に70,80,90,100というように徐々に一定傾斜で光源の輝度を増加させる。これにより、より自然な画像で同様の効果を得ることができる。
【0094】
図20は、従来の液晶とバックライトの協調制御の構成を示すブロック図である。同図に示す例では、ヒストグラム解析に基いて(ブロック400)、液晶ドライバ内等に設けられたガンマテーブルを書き換える。ガンマテーブルには、実質的に映像ゲインといわゆるガンマ補正の逆伸張および飽和特性を総合したカーブが内蔵されており、この映像ゲイン部分を可変することにより(ブロック402)、映像の輝度を維持したまま液晶変調度の向上とバックライトの輝度低減を行う例である。
【0095】
この従来例では、映像信号入力のヒストグラム解析を行って映像のピーク輝度が検出され(ブロック400)、このピーク輝度を関数Aで演算することにより(ブロック404−a)、フィードフォワードによりゲイン調整されたガンマテーブルに書き換えられる(ブロック402)。入力された映像信号は、このガンマテーブルによって修正され(ブロック402)、この修正された値によって液晶ドライバ24を介して液晶パネル10が制御される。
【0096】
一方、ヒストグラム解析の結果は、液晶側の変調度を変えた影響の逆補償をバックライト側で行うべく、関数Bによって処理され(ブロック404−b)、その結果に基づいて調光制御信号が生成され(ブロック406)、この調光制御信号に基づいてバックライトドライバ26を介したバックライト11の輝度制御が行われる。
【0097】
図21は、本発明に係るフィードバック式の液晶とバックライトの液晶ピークAGC協調制御の構成を示すブロック図である。同図に示す例は、前述の従来例のようなヒストグラム解析を用いたフィードフォワード型の制御ではなく、映像の輝度ピークを用いたフィードバック制御により、液晶バックライト協調制御を行う場合の例である。
【0098】
同図に示すように、入力された映像信号は、輝度ピークが検出され(ブロック412)、ローパスフィルタ414を介して関数Aで処理され(ブロック404−a)、その結果をフィードバックしてゲイン調整が行われる(ブロック408)。
【0099】
このようにゲイン調整が行われた映像信号は、オーバーフローリミッタ410を介して液晶ドライバ24に入力され、液晶パネル10に表示される。オーバーフローリミッタ410は、瞬間的にピークレベルが少しオーバーした場合の破綻防止のために設けられる。
【0100】
一方、ローパスフィルタ414の出力は、液晶側の変調度を変えた影響の逆補償をバックライト側で行うべく、関数Bによって処理され(ブロック404−b)、その結果に基づいて調光制御信号が生成され(ブロック406)、この調光制御信号に基づいてバックライトドライバ26を介したバックライト11の輝度制御が行われる。
【0101】
上述したような協調制御構成を用いることで、複雑なヒストグラム演算を避けることができるとともに、映像信号のピークにマージンが有る分だけ液晶変調度を上げ、その分バックライトの輝度を下げられるため、同一輝度映像のままバックライトの輝度低減による省エネ化が期待できる。
【0102】
また、液晶の変調度が上がった分だけコントラスト改善および階調再現性や色シフト減少、視野角改善に効果を発揮する。特に画面全体が暗い時には、大きく液晶変調度を上げて、液晶の最も苦手な低変調度領域を使わずに済むので上記効果は大きくなる。
【0103】
この制御構成は、透過直視型液晶ディスプレイのみならず、透過型液晶や、反射型液晶、マイクロミラーデバイスなど別光源を変調するタイプのディスプレイ一般に適用でき、リアプロジェクタやフロントプロジェクタなどにも応用可能である。
【0104】
図22は、図21に示したピーク検出部412の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、このピーク検出部412では、映像信号のRGB各原色の値の最大値を抽出し(ブロック417)、その輝度ピークを検波し(ブロック416)、この検波した値を制御目標値となるピークリファレンスから減算することで(ブロック418)、フィードバック制御用の誤差成分が検出される。ここで、ピークリファレンスは、最大変調度レベルより少し下に置くことにより、常時、液晶の最大変調付近まで使用する構成とすることが望ましい。
【0105】
図23は、図21に示したピーク検出部412の他の構成例を示すブロック図である。同図に示す例では、フルレベルより少し下に設定されたピークスレシホールドを超えた分を検出し(ブロック422)、レートカウンタ部でこの検出した回数をカウントし(ブロック420)、そのレートが僅かな一定値になるようフィードバック制御することにより(ブロック418)、このピーク検出部でヒストグラム分布制御を代替することができる。また、レートカウンタ部では、ピークスレシホールドを超えた分を累積するようにしても良い。
【0106】
この構成によれば、ヒストグラムの上側一定比率を最大変調付近に制御するのと同等の効果を安価に、即ち、ヒストグラムを取ってレベル再配分する計算方式より簡単なフィードバックだけで実現できる。また、逆にレートカウンタ部でスレシホールド以上の時間連続が短い部分を無視してカウントするなどの工夫により、例えば字幕などの短いピークが大量に出てもそれに影響されないようにマスクできるなど、ヒストグラムだけでは実現できない特長を容易に付加することもできる。
【0107】
上述したような、フィードバック式の液晶バックライト協調制御は、複雑なヒストグラム解析などを必要とせず、一定のリファレンスレベルやスレシホールドを基準としたフィードバック制御で行われるため、極めて小規模な回路の簡単な関数計算だけで充分な液晶ピークAGC精度が出しやすい。また、ガンマテーブルを書き換える必要がないため、走査線毎のゲイン調整や、画素毎のゲイン調整にも、連続的に滑らかに対応でき、エリア別制御の効果を最大限発揮できる。
【0108】
図24は、APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成を示すブロック図である。同図に示す例は、液晶バックライト協調制御のピーク変調度AGC負帰還ループと逆補償作用のそれぞれに対して、APLの検出結果を関与させる場合の構成例である。
【0109】
同図に示すように、この構成例では、入力された映像信号のAPL値を検出し(ブロック424)、この検出した値を関数Aおよび関数Bに入力することで、液晶バックライト協調制御とAPL−AGC制御が同時に行われる。尚、液晶バックライト協調制御は前述までに説明した例と同様に行われる。
【0110】
図25は、APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成の第2の例を示すブロック図である。同図に示す例は、APL検出の結果を関数Bにのみ入力し、バックライト側をAPLとピークで関数処理し、液晶ゲイン側をピークで関数処理した場合の例である。その他は、図24と同様に構成される。
【0111】
図26は、APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成の第3の例を示すブロック図である。同図に示す例は、APL検出の結果を関数Aにのみ入力し、バックライト側をピークで関数処理し、液晶ゲイン側をAPLとピークで関数処理した場合の例である。その他は、図24と同様に構成される。
【0112】
図24〜図26に示した構成は全てピーク変調度AGC負帰還ループにより液晶変調度は同じに保たれ、かつAPL検出から同ループへの関与度は異なっているものの、同ループによる映像ゲインの逆補償の作用によりバックライト調光量もAPL検出から直接制御した場合と同等になり、これらの構成差に依らず液晶とバックライトの相乗作用で再現された画像の見え方はほぼ同等となる。
【0113】
図27は、APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGCおよびバックライトをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。尚、以下の説明では、画面を4つのエリアに分割した構成を想定する。
【0114】
同図に示すように、この例では、エリア別にAPLを検出し(ブロック425)、この検出した値を用いてエリアごとに関数処理、調光制御が行われ、エリア別バックライトドライバ27によって、分割構成されたバックライト11が駆動される。
【0115】
即ち、この例では、エリア別のAPL−AGCによるエリア別バックライト制御に、全画面ピーク変調度AGC協調制御を併用した制御構成となる。協調制御分は、乗算によるゲイン調整に回されると共に、バックライト調光制御にも回され、ゲイン調整の逆補正として使用される。
【0116】
逆補正分はゲインの逆数を取って、輝度リニアに戻すためのガンマ伸張を行った上でバックライト制御に回される。この例では、全画面ピークにマージンが有る分だけ協調制御による改善効果が得られる。
【0117】
図28は、APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGC、バックライト、液晶変調ゲインをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。
【0118】
同図に示すように、この例では、APL−AGCおよびバックライトのエリア別制御に加えて、ゲイン調整部408、オーバーフローリミッタ410、液晶ドライバ24、液晶パネル10、関数部404−a、エリア間光量分布関数428がエリア別に構成される。
【0119】
即ち、この例では、図27の例と同様にエリア別のAPL−AGCによるエリア別バックライト制御に、全画面ピーク変調度AGC協調制御が併用され、さらに、エリア別APL成分は協調制御のゲイン調整にも回され、映像信号のエリア別輝度むらを減少させる効果を持つ。つまりエリア別APLとエリア別のピークは同一ではないが、多くの場合、高い相関性を持つ。そのため、全画面ピーク検出にもかかわらず、画面に輝度傾斜が有る場合など、図27の構成よりも、より効果的に液晶変調度をピーク一杯まで使用できることになり、協調制御による省電力、画質改善効果がより高められる。
【0120】
図29は、APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGC、ピークをエリア別に検出し、バックライト、液晶ゲインをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。
【0121】
同図に示すように、この例では、APL−AGC、バックライト、液晶変調ゲインのエリア別制御に加えて、ピーク検出412およびローパスフィルタ414がエリア別に構成される。即ち、この例では、APL検出、ピーク検出、バックライト調光制御、映像信号ゲイン調整の全てがエリア別に行われ、より完全に液晶変調度をピーク一杯まで使用することができると共に、APL−AGC効果も最大限に発揮できるため、最も省電力でかつ最も見易く、最もコントラストや階調再現性にも優れている。尚、破線矢印で示したように、あらかじめAPLの一部を映像信号ゲイン調整側に回してもよい。
【0122】
図30は、APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGCと液晶変調ゲインをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。
【0123】
同図に示すように、この例では、エリア別APL値は求めるがバックライトはエリア分割せずに全画面一括調光制御され、エリア別に求められたAPL値と全画面ピーク値に基いて、エリア別のゲイン調整が実施される。バックライトはその全画面ピークAGCの逆補正のみで変調されるが、ピークAGCループのフィードバック効果により、全画面ピークとエリア別APLの差分で制御されることとなる。この時、エリア別APLとエリア別のピークは同一ではないが、多くの場合、高い相関性を持つ。そのため、画面内に輝度傾斜が有る場合などには、全画面ピーク検出かつ全画面バックライト制御にもかかわらず、エリア別バックライト制御に近い効果を持つものが安価に構成できる。
【0124】
図31は、APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGCと液晶変調ゲインをエリア別に制御する場合の他の構成例を示すブロック図である。
【0125】
同図に示すように、この例では、エリアAPLのエリア間共通部分、例えば平均などでバックライトを制御し、エリア間差分成分を映像信号ゲイン調整側に回すことで(ブロック430)、エリア間差分APL値と全画面ピーク値に基いて、エリア別のゲイン調整が実施される。この例は、図30と同様に全画面一括バックライト制御で、エリア別制御に近い効果を持つものが安価に構成できる。
【0126】
図32は、APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGC、バックライト、ピーク検出、液晶変調ゲインをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、この例では、図29と同様に、APL検出、ピーク検出、バックライト調光制御、映像信号ゲイン調整の全てがエリア別に行われ、APLを図29の破線矢印の映像信号ゲイン調整側のルートにのみ通した例で、ピークAGCループのフィードバック効果により、結果的には図29と同等の制御となる。よって、図29と同様に、より完全に液晶変調度をピーク一杯まで使用することができると共に、APL−AGC効果も最大限に発揮できるため、最も省電力でかつ最も見易く、最もコントラストや階調再現性にも優れている。
【0127】
図33は、図29の制御構成の具体例を示すブロック図である。同図に示すように、この例では、エリア別ピーク検出の余裕分出力をフィードバック・ループフィルタとして積分し(ブロック415)、「1+エリア別ピーク余裕分の積分値」を図34に示すようなエリア間光量分布関数428で近似した曲線で映像入力を乗算し、同時に、輝度制御外部入力を「1+エリア別ピーク余裕分の積分値」で除算し(ブロック434)、その2.2乗、即ち輝度リニアに戻すためのガンマ伸張し(ブロック432−2)、それをさらに「2×エリア別APL値+1(ブロック404−b)」で除算し、その結果でバックライトが調光される。
【0128】
図34は、エリア間光量分布関数の例(一次元4分割の場合)を示すグラフである。
【0129】
図35は、バックライト制御用の調光信号となるバーストパルスの分割発生例を示すタイミングチャートである。同図に示す例では、バックライト制御用の調光信号となるバーストパルスを1フレーム内(F1、F2)に複数発生させることで、光源の点灯期間を制御するバースト信号の50Hzや60Hzの基本波成分が抑圧され、その結果、フリッカの発生が抑圧される。
【0130】
ここで、同図(a)は、バーストパルスを分割発生しない従来の例であり、同図(b)は3分割発生した例であり、同図(c)は2分割発生した例である。このように、バーストパルスの分割発生数は、2分割でも3分割でも、あるいは4分割以上としても良い。また、幅の異なるパルスを混在させても良く、パルスの間隔を異ならせても良い。パルス幅および/または間隔を適宜調整することにより、基本波成分を抑圧してフリッカの発生を防止したり、エリア間の表示ムラをなめらかにすることができる。
【0131】
図36は、位相制御2分割バーストの構成を示す概念図である。同図(a)に示すように、この例では、バーストパルスをフレームに同期させて必ず2連発にし、同図(b)に示すように、デューティに応じてパルス幅Wおよび/またはパルス間隔Gを所定のパターンに従って制御することで、フリッカの抑制や画質改善が行われる。
【0132】
同図(a)および(b)に示すように、この例では、フルデューティから下げる時は、まずバースト信号パルスの立上がり端(図中「t1」)から液晶遷移時間分の間隔を空けてゆき、さらにデューティを下げる場合には、フレーム内に存在する2つのバースト信号パルス間の間隔(図中「G1−1、G1−2、G1−3」)は一定間隔に維持したまま、フレーム間のパルス間隔(図中「G2−1、G2−2」)を均等に増やしていく。また、パルス信号の幅(図中「W1−1、W1−2、W1−3、W2−1、W2−2、W2−3」)および/または位相を所定の関係に従って制御することで、ビートの発生を抑制することができる。尚、図中「G2−1、G2−2」は、フレーム単位で複数存在するパルスのうちの最後尾のパルスと、これに続くフレームに複数存在するパルスのうちの先頭パルスとの間隔を示し、このような異フレーム間のパルス間隔を制御しても良い。
【0133】
図37は、位相制御2分割バーストの他の構成例を示す概念図である。同図(a)に示すように、フルデューティから下げる時は、まず前端の液晶遷移時間分の間隔を空けてゆくことで画質改善を行うとともに、後端のランプOFF時間分の間隔を空けてゆくことで隣接エリア間のクロストークを防止し、次に2発間の間隔も並行して空けることで基本波成分の増加を抑える。さらに絞る時は真中の間隔を保ちながら両端または前端の間隔を増やしていく構成、即ち、液晶遷移およびランプOFF時間のマスクを優先した制御パターンとなる。
【0134】
また、同図(b)では、暗部の動画解像度改善および暗部シャープネスの向上を優先させるため、デューティ50%以下の領域でランプOFF時間のマスクを行うとともに、液晶遷移マスクを最優先させる。
【0135】
図38は、位相制御2分割バーストの他の構成例を示す概念図である。同図(a)は、液晶遷移マスクを最優先させるとともに、フリッカの抑圧を優先させた例であり、同図(b)は、前端パルスの変化を曲線とした場合の例である。
【0136】
図39は、高輝度バーストと低輝度バーストの複合で構成されたバーストパルスの例を示すタイミングチャートである。同図(a)は、高輝度なパルス(高輝度部)で点灯させるとともに、その非点灯区間も低輝度なパルス(低輝度部)で1フレーム内フルデューティで点灯させる例であり、同図(b)は、高輝度なパルス(高輝度部)で点灯させるとともに、非点灯区間は低輝度なパルス(低輝度部)で1フレーム内高デューティで点灯させる例であり、同図(c)は、高輝度低デューティバーストと逆位相の緩やかな輝度変化をもつ低輝度フルデューティバーストで駆動する例である。。
【0137】
このように、バーストパルスを高輝度部と低輝度部の複合構成とすることにより、低輝度高デューティによる動きボケした映像の上に、くっきりした輪郭の高輝度画像を重ねることができ、高輝度画像時の輝度低下を低減させることができるとともに、音鳴きも低減させることができる。また、同図(c)の例では、高輝度バースト前後の低輝度点灯輝度を部分的に下げることにより、輪郭をよりシャープにすることができる。
【0138】
図40は、高輝度バーストと低輝度バーストの複合で構成されたバーストパルスにおいて、低輝度バーストを分割構成した例を示すタイミングチャートである。同各図に示す例は、高輝度低デューティバーストとその前後の余白内にさらに低輝度バーストを複数発生させた例であり、高輝度超低デューティ・バーストを複数発生させて平均的に低輝度バーストと等価にした例であり、図39と同等の視覚効果を得ることができる。
【0139】
ここで、同図(a)は、低輝度部を構成する分割パルスを均一分布とした場合の例であり、同図(b)は、低輝度部を構成する分割パルスを高輝度部の前後だけ低密度とした場合の例であり、同図(c)は、低輝度部を構成する分割パルスを高輝度部の前後だけ低レベルとした場合の例である。
【0140】
図41は、図40の例において、要求バックライト輝度に応じて、高輝度パルスのデューティを可変するとともに低輝度部の電流値も連動可変することにより、フリッカと輝度低下を抑制する場合の例を示す概念図である。高輝度部のパルスデューティと高輝度部電流の積および低輝度部のデューティと低輝度部の電流の積の和が要求輝度に比例するように制御される。同図に示す例では、フリッカの目立つ中間デューティ時の低輝度部分比率を多めに取ることによりフリッカを抑制し、また、高輝度パルスデューティの低い部分をできるだけ多くし、動画解像度改善効果を高める。
【0141】
図42は、要求バックライト輝度に応じてバーストパルスの幅と電流値の双方を連動制御する例を示すタイミングチャートである。同各図に示すように、フレームF1では基準電流値のバーストパルスを発し、フレームF2では、基準値を超えるバーストパルスを発生する構成としても良い。
【0142】
図43は、図42の例のように、要求バックライト輝度に応じてバーストパルスの幅と逆方向に電流を制御し、動画解像度改善効果を高め輝度低下抑制と点灯安定度を確保する場合の例を示す概念図である。同図(a)は、要求バックライト輝度に応じてリニアにデューティを変化させる従来の制御例であり、同図(b)は、要求バックライト輝度に応じてバーストデューティを可変するとともにその逆方向に電流値を連動可変し、できるだけバーストデューティの低い領域を増やすことにより、動画解像度改善効果を高めた例である。具体的には、バーストデューティ低減に応じてまず電流を上げて行き一定電流まで達した後デューティのみ低減することで、動画解像度改善を高め輝度低下抑制と点灯安定度を確保する。
【0143】
図44は、要求バックライト輝度に応じてバーストと逆方向に電流を制御し、動画解像度改善効果を高め輝度低下抑制と点灯安定度を確保する場合の他の例を示す概念図である。同図(a)は、要求バックライト輝度に応じてバーストデューティを曲線特性で可変するとともにその電流値も連動可変する例であり、同図(b)は、バーストデューティ低減に応じてまず電流を上げて行き一定電流まで達した後デューティのみ低減し、さらにその後は、デューティ一定で電流を下げてゆく場合の例である。
【0144】
図45は、バックライトを液晶書換と同期させて分割駆動する順次点灯構成において、バックライトスキャンを液晶書換スキャンよりも速くして隣接エリアの光クロストークを減らす場合の例を示したタイミングチャートである。
【0145】
同図(a)は、従来のバックライトスキャン制御の例であり、垂直方向の液晶書換速度に合わせて、分割したバックライトBL1〜BL4の点灯タイミングが設定される。この図に示すように、低デューティの場合は、点線で示す液晶遷移が終了した後に各バックライトの点灯期間を配置することで、液晶遷移時間のマスクによる画質改善効果が得られる。また、各バックライトの点灯期間には、分割したエリア間の光漏れが生じるため、この影響が液晶書換タイミングと重ならないように配置される。
【0146】
同図(b)は、バックライトBL1とBL2、即ち、その外側に他のエリアが無いため垂直方向のエリア間光漏れの影響が内側のエリア方向にしか生じない両端エリアのバツックライト点灯タイミングを中央エリアよりにシフトさせることで、デューティが上がった場合であっても、可能な限りエリア間光漏れと液晶書換とが重ならない構成とした場合の例である。また、両端部のエリアのみ、隣接エリアとの時間間隔を縮めるなどスキャン間隔を不等間隔にしても良い。
【0147】
図46は、デューティに応じてバックライトスキャンの進行速度を可変制御する例を示した概念図である。同図(a)に示すように、デューティが大きい場合は、図43の例と同様にバックライトスキャンの進行速度を液晶書換の進行速度よりも速くすることで、エリア間光漏れの液晶書換に対する影響を回避し、デューティが小さい場合は、逆にバックライトスキャンの進行速度を液晶書換の進行速度よりも遅くして、1フレーム全体を等間隔スキャンする方向にシフトすることで、フリッカの発生を抑制する。
【0148】
同図(b)は、バックライトスキャンの進行速度をデューティに応じて制御する概念を示した図である。この図に示すように、あるデューティより低デューティの領域では、バックライトスキャンの進行速度を1フレームを等分割した速度と同じとすることでフリッカを抑制し、あるデューティより高デューティの領域では、デューティの増加に比例してバックライトの進行速度を増加させる構成としても良い。
【0149】
即ち、フリッカが目立つデューティの小さめな時には、ブランク部分も含めた1フレーム内を等間隔にスキャンすることにより、全画面トータル輝度の変動を抑えてフリッカを抑制し、エリア間光漏れの影響が生じる高デューティ領域では、バックライトスキャン進行速度を増加させることで、この影響を防止する。尚、バックライトスキャン進行速度の増加比率や増加曲線は、光源の特性や配置等に応じて任意に設定可能である。
【0150】
図47は、バックライトスキャン時の点灯パターンの他の例で、バースト点灯開始と終了時の電流を緩やかに変化させて、エリア間の点灯交代をスムーズにし、フリッカ感の低減を図るものである。
【0151】
図48は、図47と同じ効果を狙った他の例で、バースト前後の電流量を調整する代わりに、短いバーストを付加することにより、メインのバースト前後の平均的な輝度が緩やかに変化するのと同等にしたものである。同図(a)は前後にそれぞれ複数のデューティの違うパルスを付加した例、同図(b)は前後にそれぞれ1パルスを付加した例である。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明によれば、より高度なバックライト制御が可能になるため、高画質化や消費電力の低減が要求される大型液晶ディスプレイへの適用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶バックライト駆動装置の構成を示す概念図である。
【図2】図1に示した液晶バックライト駆動装置の全体構成を示す回路ブロック図である。
【図3】図2に示したブリッジ回路の動作例を示す回路図およびタイミングチャートである。
【図4】図2に示したブリッジ回路の他の動作例を示す回路図およびタイミングチャートである。
【図5】図1に示した液晶バックライト駆動装置の制御構成を示す回路ブロック図である。
【図6】図5に示した数値化部および比較部の構成例を示す回路ブロック図である。
【図7】検出PWM信号を生成する例を示す回路ブロック図である。
【図8】検出PWM信号を生成する第1の例に係るA/D変換動作を示す波形タイミングチャートである。
【図9】図6に示した非線形特性付加回路326で付加する非線形特性の例を示す概念図である。
【図10】図5に示したループフィルタの構成を示す回路ブロック図である。
【図11】1ブロック共通単一電流制御でブロックごとに独立にソフトスタート/ストップ制御を行う場合の構成例を示す回路ブロック図である。
【図12】図11に示した入力誤差生成部342の構成を示す回路ブロック図である。
【図13】図11に示したループフィルタの構成を示す回路ブロック図である。
【図14】図11に示したソフトスタート/ストップ波形生成部の構成を示す概念図である。
【図15】ソフトスタート/ストップ波形の例を示すタイミングチャートである。
【図16】図1に示した液晶バックライト駆動装置が行うAPL−AGCの処理例を示す概念図である。
【図17】図1に示した液晶バックライト駆動装置が行う液晶バックライト協調制御の処理例を示す概念図である。
【図18】図1に示した液晶バックライト駆動装置が行うAPL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合処理例を示す概念図である。
【図19】図1に示した液晶バックライト駆動装置が行うエリア別APL−AGC処理例を示す概念図である。
【図20】従来の液晶とバックライトの協調制御構成を示すブロック図である。
【図21】本発明に係るフィードバック式の液晶とバックライトの液晶ピークAGC協調制御の構成を示すブロック図である。
【図22】図21に示したピーク検出部412の構成例を示すブロック図である。
【図23】図21に示したピーク検出部412の他の構成例を示すブロック図である。
【図24】APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成を示すブロック図である。
【図25】APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成の第2の例を示すブロック図である。
【図26】APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成の第3の例を示すブロック図である。
【図27】APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGCおよびバックライトをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。
【図28】APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGC、バックライト、液晶変調ゲインをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。
【図29】APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGC、ピークをエリア別に検出し、バックライト、液晶ゲインをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。
【図30】APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGCと液晶変調ゲインをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。
【図31】APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGCと液晶変調ゲインをエリア別に制御する場合の他の構成例を示すブロック図である。
【図32】APL−AGCと液晶バックライト協調制御の複合構成において、APL−AGC、バックライト、ピーク検出、液晶変調ゲインをエリア別に制御する場合の構成例を示すブロック図である。
【図33】図29の制御構成の具体例を示すブロック図である。
【図34】エリア間光量分布関数の例(一次元4分割の場合)を示すグラフである。
【図35】バックライト制御用の調光信号となるバーストパルスの分割発生例を示すタイミングチャートである。
【図36】位相制御2分割バーストの構成を示す概念図である。
【図37】位相制御2分割バーストの他の構成例を示す概念図である。
【図38】位相制御2分割バーストの他の構成例を示す概念図である。
【図39】高輝度バーストと低輝度バーストの複合で構成されたバーストパルスの例を示すタイミングチャートである。
【図40】高輝度バーストと低輝度バーストの複合で構成されたバーストパルスにおいて、低輝度バーストを分割構成した例を示すタイミングチャートである。
【図41】図40の例において、要求バックライト輝度に応じて、高輝度パルスデューティを可変するとともに低輝度部の電流値も連動可変することにより、フリッカと輝度低下を抑制する場合の例を示す概念図である。
【図42】要求バックライト輝度に応じてバーストパルスの幅と電流値の双方を連動制御する例を示すタイミングチャートである。
【図43】図42の例のように、要求バックライト輝度に応じてバーストパルスの幅と逆方向に電流を制御し、動画解像度改善効果を高め輝度低下抑制と点灯安定度を確保する場合の例を示す概念図である。
【図44】要求バックライト輝度に応じてバーストと逆方向に電流を制御し、動画解像度改善効果を高め輝度低下抑制と点灯安定度を確保する場合の他の例を示す概念図である。
【図45】バックライトを液晶書換と同期させて分割駆動する順次点灯構成において、バックライトスキャンを液晶書換スキャンよりも速くして隣接エリアの光クロストークを減らす場合の例を示したタイミングチャートである。
【図46】デューティに応じてバックライトスキャンの進行速度を可変制御する例を示した概念図である。
【図47】バックライトスキャンをスムーズにする例を示したタイミングチャートである。
【図48】バックライトスキャンをスムーズにする他の例を示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0154】
10…液晶パネル、11…バックライト、12…液晶駆動部、14…画像処理部、16…バックライト制御部、20…電源回路、22…ドライバ、24…液晶ドライバ、26…バックライトドライバ、27…エリア別バックライトドライバ50…保護回路、52…パラメータ検出部、54…起動制御部、56…駆動パルス生成部、58…数値化部、60…比較部、62…ループフィルタ、70…タイミング発生部、100…アナログ回路部、220…検波部、221…半波整流回路、222…全波整流回路、224…クリップ回路、230…平滑平均化RCフィルタ、240…コンパレータ、250…リファレンス三角波生成フィルタ、300…デジタル回路部、320…入力カウンタ、322…入力パルス幅カウント部、324…減算部、326…非線形特性付加部、330…ループフィルタ、332…加算部、334…出力クリップ部、336…フリップフロップ、340…最大値選択回路、344…NOR回路、348…AND回路、350…ソフト波形生成部、351…傾斜値選択部、352…極性選択部、353…加算回路、354…比較回路、355…比較回路、356…選択回路、357…レジスタ回路、360…A/Dコンバータ、362…フリップフロップ、363…加算器、364…絶対値演算回路、366…平均値演算フリップフロップ、370…パルス変換部、400…ヒストグラム解析部、402…ゲイン調整・ガンマ伸張部、404…関数部、406…調光制御部、409…乗算部、410…オーバーフローリミッタ、412…ピーク検出部、414…ループフィルタ、415…エリア別ループフィルタ、416…ピーク検波部、417…最大値検出部、418…減算部、420…レートカウント、422…比較部、424…APL検出部、425…エリア別APL検出部、428…エリア間光量分布関数、430…エリア差分抽出部、432…ガンマ伸張部、434…除算部、436…除算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、
前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、
前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、
前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号の各原色略輝度が所定の閾値を超える頻度を検出する手段と、
前記頻度が略一定になるよう前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、
前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項3】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、
前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、
前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、
前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、
入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、
前記略平均輝度を前記フィードバック制御および/または前記逆補償に入力する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項4】
複数の表示エリアに対応して分割構成された光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、
前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、
前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、
前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、
入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、
前記略平均輝度を前記フィードバック制御および/または前記逆補償に入力する手段とを具備し、
前記略平均輝度を検出する手段と、前記光源の光出力量を制御する手段とを前記エリアごとに対応させたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項5】
複数の表示エリアに対応して分割構成された光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、
前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、
前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、
前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、
入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、
前記略平均輝度を前記フィードバック制御および前記逆補償に入力する手段とを具備し、
前記略平均輝度を検出する手段と、前記光源の光出力量を制御する手段と、前記表示素子を制御する手段とを前記エリアごとに対応させたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項6】
複数の表示エリアに対応して分割構成された光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、
前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、
前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、
前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、
入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、
前記略平均輝度を前記逆補償に入力する手段とを具備し、
前記略平均輝度を検出する手段と、前記光源の光出力量を制御する手段と、前記各原色略輝度ピークを検出する手段と、前記表示素子を制御する手段とを前記エリアごとに対応させたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項7】
光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、
前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、
前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、
前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、
入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、
前記略平均輝度を前記フィードバック制御に入力する手段とを具備し、
前記略平均輝度を検出する手段と、前記表示素子を制御する手段とを、分割構成された複数の表示エリアに対応させたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項8】
光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、
前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、
前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、
前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、
入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、
前記略平均輝度を前記フィードバック制御および前記逆補償に入力する手段とを具備し、
前記略平均輝度を検出する手段と、前記フィードバック制御手段と、前記表示素子を制御する手段とを、分割構成された複数の表示エリアに対応させるとともに、前記略平均輝度のエリア間の差分と共通分をそれぞれ抽出し、該差分を前記フィードバック制御側に入力し、該共通分を前記逆補償側に入力することを特徴とする映像表示装置。
【請求項9】
複数の表示エリアに対応して分割構成された光源の光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号の各原色略輝度ピークを検出する手段と、
前記各原色略輝度ピークの目標値に対する誤差を検出する手段と、
前記誤差に基づき前記表示素子の変調ゲインをフィードバック制御する手段と、
前記誤差の逆補償により前記光源の光出力量を制御する手段と、
入力された映像信号の略平均輝度を検出する手段と、
前記略平均輝度を前記フィードバック制御に入力する手段とを具備し、
前記略平均輝度を検出する手段と、前記光源の光出力量を制御する手段と、前記フィードバック制御手段と、前記各原色略ピークを検出する手段と、前記表示素子を制御する手段とを前記エリアごとに対応させたことを特徴とする映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2010−139517(P2010−139517A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103976(P2007−103976)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【出願人】(399091511)マイクロスペース株式会社 (15)
【Fターム(参考)】