説明

映像表示装置

【課題】画面の半分が黒色で残り半分が白色の様な映像や、映像中に白色の文字テロップなどの情報がある画面においても、十分な黒浮き抑制効果を行え、映像信号の品位を向上させる映像表示装置を提供する。
【解決手段】入力映像信号の輝度のヒストグラム分布と輝度信号レベル毎の暗さの度合いをあらわす暗さパラメータに基づいて光変調素子に照射する光量の制御を行い、入力映像の輝度の平均値が高い場合や、ピーク値が高い場合でも黒浮きの原因となる黒い部分が多い場合には光量を抑制して黒浮きを抑制し、コントラストの高い映像を出力する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像表示装置及び映像表示用の信号処理装置に関するものであり、透過型、あるいは反射型の光変調素子を有するプロジェクタ、液晶ディスプレイ等の映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタ、液晶ディスプレイにおいて、暗いシーンで黒色が浮いてしまういわゆる黒浮きによりコントラストが低下する問題が発生している。黒浮きを改善する方法として、映像のシーンに応じて光量を動的に変化させる方法がいくつか提案されている。例えば、入力映像の輝度の平均値により光量を制御する方法として、特許文献1のプロジェクタ装置があり、入力映像の輝度の最大値により制御する方法としては、例えば特許文献2の投射型表示装置がある。
【0003】
特許文献1のプロジェクタ装置について図21を用いて説明する。図21において、211は光源、212は光反射素子、213は表示パネル、214はレンズ、215は輝度検出部、216は光反射制御部、217はスクリーン、Y1,Y2,Y3は光路をあらわしている。従来のプロジェクタ装置では、図21に示すように光源211から表示パネル213に至る光路上に光反射素子212を設け、輝度検出部215では入力映像の輝度の平均値を検出し、光反射素子212にて、輝度平均値が低い場合には光源211から出力される光路Y1の光を反射させ、表示パネル213以外へ向かう光路Y3の光量が多くなるように制御することにより黒浮きを抑制している。
【0004】
また特許文献2の投射型表示装置では、光量を制御する光シャッタを備えており、入力映像信号のピークレベルを検出し、該ピークレベルが所定の基準レベルよりも小さい場合に光を遮断させることにより黒浮きを改善している。
【特許文献1】特開2004−29075号公報
【特許文献2】特開2001−264728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1のプロジェクタ装置のように、入力映像信号の輝度の平均値で光量の制御を行う方法では、映像中に黒浮きが目立つ黒い部分が多く存在しても、映像中に白い部分が多く存在する場合には輝度平均値が高くなるため、黒浮き抑制効果が少ない場合がある。例えば画面の半分が黒色、残り半分が白色の場合には、黒浮きが目立つ黒色があるのにも関わらず、輝度の平均値は中央値となるため光量制御が行われず黒浮き抑制効果がなくなる場合があった。
【0006】
また特許文献2の投射型表示装置では、入力映像信号の輝度の最大値で光源の輝度の制御を行うため、映像中に白色の文字テロップなどの情報がある場合には、映像の内容に関わらず輝度レベルが高いと判断されるため光量制御が行われず、黒浮き抑制効果が十分でない場合があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、入力映像信号の輝度のヒストグラム分布と輝度信号レベル毎の暗さの度合いをあらわす暗さパラメータに基づいて光変調素子に照射する光量を制御するため、入力映像の輝度の平均値が高い場合や、ピーク値が高い場合でも黒浮きの原因となる黒い部分が多い場合には光量を抑制して黒浮きを抑制し、コントラストの高い映像を出力することができる映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の映像表示装置は、映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正処理を行う映像信号処理手段と、前記映像処理手段の出力を光変調作用に適した駆動信号に変換する光変調素子駆動手段と、前記光変調素子駆動手段の出力を映像信号に応じた映像光に光変調する光変調素子と、前記光変調素子に光を照射するための制御可能な光源と、前記映像信号の輝度信号をその輝度レベル区分に応じて輝度ヒストグラム分布を作成する輝度ヒストグラム作成手段と、前記輝度レベル区分に応じて暗さの度合いを示す暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段と、前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を制御量とする光量制御データ作成手段と、 前記光量制御データ作成手段により作成した前記制御量に基づいて前記光源の制御を行う光源駆動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
さらに本発明の映像表示装置において、前記映像信号の輝度の平均値を算出する輝度平均値算出手段と、前記光量制御データ作成手段と前記光源駆動手段の間に接続されたローパスフィルタと、前記輝度平均値算出手段で算出した輝度平均値の変化からシーンの変化を検出し、シーンの変化を検出した時には前記ローパスフィルタをオフにし、シーン変化を検出しない時には前記ローパスフィルタをオンにするシーン変化検出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の映像表示装置によれば、入力映像信号の輝度ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数と、その輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を輝度レベル区分毎に加算し、その加算した値を制御量として光変調素子に照射する光量を制御するため、入力映像の輝度の平均値が高い場合や輝度のピーク値が高い場合でも、入力映像中に黒浮きの原因となる黒い部分が多い場合には光量を減らす制御を行うため、黒浮きを抑制し、コントラストを改善することができる。
【0011】
また本発明の映像表示装置によれば、入力映像信号のシーンの変化を検出するシーン変化検出手段を有し、シーン変化が検出されない場合には、ローパスフィルタにより光量制御量が平滑化され、映像信号にノイズがある場合でもノイズに影響されることなく光源の光量制御を行うことができる。またシーン変化が検出された場合にはローパスフィルタがオフとなるため、シーン変化に合わせた光量制御を行うことができる。
【0012】
また本発明の映像表示装置によれば、光源と光変調素子との間に光量を制御する絞りを有し、該絞りにより光量を制御することで黒浮きを抑制し、コントラストを改善することができるとともに、光源の安定点灯性の劣化や、寿命特性の劣化を防止することができる。
【0013】
また本発明の映像表示装置によれば、入力映像信号の輝度ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数と、その輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を輝度レベル区分毎に加算し、その加算した値を制御量として、光変調素子に照射する光量を光源と絞りの両方で制御するため、光源の制御による黒浮き抑制、コントラストの改善と、絞りの制御による黒浮き抑制、コントラストの改善が積算されるため、より大きな画質の改善を図ることができる。
【0014】
また本発明の映像表示装置によれば、光量制御データ作成手段により作成した制御量に基づいて階調補正データを階調補正データ作成手段で作成し、その階調補正データをもとに映像信号処理手段で階調補正を行うため、光量制御に伴う光量低下を抑制し、中間輝度部、高輝度部の輝度が低下してコントラスト感がなくなることを防ぐことができる。
【0015】
また本発明の映像表示装置によれば、映像信号の輝度ヒストグラムの輝度レベル区分毎の分布数と、その輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータとを乗じた値を輝度レベル区分毎に加算した値から、光源の光量を制御する第1の制御量を作成し、また映像信号の輝度信号の輝度平均値から光源の光量を制御する第2の制御量を作成し、映像信号のダイナミックレンジが所定の値より大きい場合は、第1の制御量を第2の制御量より大きな値にして第2の制御量に加算して制御量とし、ダイナミックレンジが所定の値より小さい場合は、第2の制御量を第1の制御量より大きな値にして第1の制御量に加算して制御量とすることで、入力映像信号のダイナミックレンジが小さく、ヒストグラム分布の輝度分割数が少ない場合でも光量制御量が不安定になることなく光源光量を制御することができる。
【0016】
また本発明の映像表示装置によれば、映像信号のダイナミックレンジが所定の値より大きい場合には前記第1の制御量を前記第2の制御量より大きな値にして第2の制御量に加算して制御量とし、ダイナミックレンジが所定の値より小さい場合は、第2の制御量を第1の制御量より大きな値にして第1の制御量に加算して制御量とすることで、入力映像信号のダイナミックレンジが小さく、ヒストグラム分布の輝度分割数が少ない場合でも光量制御量が不安定になることなく光源光量を制御することができるとともに、入力映像信号のシーンの変化を検出するシーン変化検出手段と、ローパスフィルタを有しているため、シーン変化が検出されない場合には、ローパスフィルタにより光量制御量が平滑化され、映像信号にノイズがある場合でもノイズに影響されることなく光源の光量制御を行うことができる。またシーン変化が検出された場合にはローパスフィルタがオフとなるため、シーン変化に合わせた光量制御を行うことができる。
【0017】
また本発明の映像表示装置によれば、光源と光変調素子との間に光量を制御する絞りを有し、映像信号の輝度ヒストグラムの輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータとを乗じた値を輝度レベル区分毎に加算した値から前記絞りを制御する第1の制御量を作成し、また映像信号の輝度信号の輝度平均値から前記絞りを制御する第2の制御量を作成し、ダイナミックレンジが所定の値より大きい場合は、第1の制御量を第2の制御量より大きな値にして第2の制御量に加算して制御量とし、ダイナミックレンジが所定の値より小さい場合は、第2の制御量を第1の制御量より大きな値にして第1の制御量に加算して制御量とすることで、入力映像信号のダイナミックレンジが小さく、ヒストグラム分布の輝度分割数が少ない場合でも絞り制御量が不安定になることなく光量を制御することができるとともに、絞りにより光量を制御するため光源の安定点灯性の劣化や、寿命特性の劣化を防止することができる。
【0018】
また本発明の映像表示装置によれば、映像信号のダイナミックレンジの大きさに応じて光源を制御するため、ダイナミックレンジが小さく、さらにヒストグラム分布の輝度分割数が少ない場合でも光源の制御が不安定になることを防止できるとともに、光量制御データ作成手段により作成した制御量に基づいて階調補正データを階調補正データ作成手段で作成し、その階調補正データをもとに映像信号処理手段で階調補正を行うため、光量制御により中間輝度部、高輝度部の輝度が低下してコントラスト感がなくなることを防ぐことができる。
【0019】
また本発明の映像表示措置によれば、前記ダイナミックレンジを映像信号の最大値と最小値との差から正確に算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の映像表示装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の第1の実施例における映像表示装置の構成を示すブロック図を示すものである。図1において、101は入力映像信号の輝度ヒストグラムを作成する輝度ヒストグラム作成手段、102は輝度レベル区分に応じて暗さの度合いをあらわす暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段、103は光量制御データを作成する光量制御データ作成手段、104は光量制御データにより光源を駆動する光源駆動手段、105は光源、106は光学系、107は光変調素子、108は映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正を行う映像信号処理手段、109は光変調素子駆動手段である。107の光変調素子は例えばDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)素子や、液晶素子がある。DMD素子とはシリコンベースの素子上に微小な鏡が多数配置され、個々の鏡の向きを変えることにより映像を生成するものである。
【0022】
以下に第1の実施例における映像表示装置の動作について入力映像信号が8ビットの場合について説明する。
【0023】
映像表示装置に入力される映像信号は、輝度ヒストグラム作成手段101と映像信号処理手段108に入力される。映像信号処理手段108では入力映像信号のコントラスト補正、明るさ補正の階調補正処理を行った後、光変調素子駆動手段109により光変調作用に適した駆動信号に変換し、光変調素子107にて映像信号に応じた映像光に光変調されることで画像が表示される。
【0024】
輝度ヒストグラム作成手段101では、入力映像信号の輝度信号から1フィールド毎、または1フレーム毎の輝度ヒストグラムを作成する。輝度ヒストグラムは入力映像の輝度レベル毎の度数分布比率をあらわすものであり、例えば図2に示すようになる。図2において横軸は輝度レベル、縦軸は輝度レベル毎の画素の度数分布比率をあらわしている。この分布の形状により暗い部分にどれだけ多くの画素が分布しているかがわかる。図2の場合には黒浮きの原因である輝度の低い分布が多いことがわかる。
【0025】
次に暗さパラメータ作成手段102について説明する。暗さパラメータは入力輝度信号のレベル毎の暗さの度合いをあらわすパラメータであり、例えば図3に示すような値をとる。図3において横軸は輝度レベル、縦軸は輝度レベル毎の暗さパラメータの値を示している。輝度レベルが低いほど暗さパラメータは大きな値となり、輝度レベルが高い程暗さパラメータは小さな値となる。図3の場合は輝度レベルが128以上になるとその輝度レベルは暗くないレベルの輝度となるため、暗さパラメータは0となっている。この暗さパラメータについては図3の特性だけでなく、例えば図4に示すようにパラメータを設定してもよい。図4では輝度レベルが低いほど暗さパラメータが大きな値となるのは図3の場合と同じであるが、輝度レベルが高い場合には暗さパラメータが負の値となるところが異なる。映像中に輝度が高い領域が多く存在する場合には、この暗さパラメータにより光量制御量を抑制できる。
【0026】
次に光量制御データ作成手段103について説明する。光量制御データ作成手段103では、前記ヒストグラム作成手段101で作成した輝度ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数と、前記暗さパラメータ作成手段102で作成した輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータとを乗じた値を輝度レベル区分毎に加算することで、どれだけの暗さの画素がどれだけ多く存在するかを定量化した暗さ量を算出する。この暗さ量から光量を制御する光量制御データを作成する。
【0027】
暗さ量は、輝度レベルをiとし、輝度レベル毎の分布比率をXi、暗さの度合いをあらわす暗さパラメータをKiとした場合、(数1)であらわされる。
【0028】
【数1】

【0029】
例えば画面全体が輝度レベル0、すなわち画面全体が黒色の場合で、輝度レベル毎の暗さパラメータが図3に示したような値をとる場合には、輝度レベル0にだけヒストグラム分布が100%存在し、輝度レベルが0の時の暗さパラメータは1.0であるため、黒さ量は100となる。
【0030】
次に算出した暗さ量から光量制御データを作成する。データ作成の一例を図5を用いて説明する。図5は黒さ量と光量の関係をあらわしており、横軸は黒さ量、縦軸は光量をあらわしている。黒さ量が多くなるにつれて光量を減らすように制御データが作成される。そのため、例えば前記したように画面全体が輝度レベル0で輝度レベル毎の暗さパラメータが図3に示したような値となる場合には暗さ量は100となり、図5において暗さ量100の時の光量制御データは0%と算出されるため、暗部コントラストの高い黒を表現できる。
【0031】
また別の光量制御データの作成例として、映像信号の輝度ヒストグラムが図2に示すような輝度分布を示し、暗さパラメータが図3に示したような値となる場合について述べる。この場合には、輝度分布と暗さパラメータを乗じて輝度レベル区分毎に加算して暗さ量を算出すると50となり、図5において暗さ量が50の時の光量は50%となるため、光量が50%に制御される。図2の輝度ヒストグラムでは高輝度部にも分布があり、輝度の最大値が255となるため、従来の輝度の最大値で光源の輝度を制御する方法では、光量の制御が行われないが、本発明では映像の黒の量に応じて光量が制御されることがわかる。
【0032】
また光源がキセノンランプや高圧水銀の場合には光量が一定以下になると安定した点灯が不可能になる。そこで光量制御データを図6に示すように黒さ量が多い場合でも一定以上の明るさで点灯させるように作成してもよい。図6の場合には光源が安定して点灯できる最小光量をLとし、光量がLより小さくならないように制限をかけている。このようにすることで安定して光源を点灯させることができる。
【0033】
また図3、図4では輝度レベルと暗さパラメータの関係を線形としているが、非線形な関係を持つようにしてもよい。同様に図5、図6において黒さ量と光量の関係を線形としているが、非線形な関係を持つようにしてもよい。
【0034】
また図7に示すように光量制御データ作成手段で作成した光量制御データにローパスフィルタをかけて時間軸方向で平均化するようにしてもよい。図7において112がローパスフィルタである。光量制御データ作成手段103から出力される光量制御データにローパスフィルタをかけることにより、映像信号にノイズがある場合でもノイズに影響されることなく光源の光量制御を行うことができる。さらにシーン変化検出手段111にてシーン変化を抽出し、シーン変化がある場合にはローパスフィルタ処理をオフにするようにしてもよい。シーン変化がある場合には光源制御データにローパスフィルタがかかったままだと光量制御量がすぐには変わらないため、画面の変化に対して光源の変化に遅れが生じ、画質に悪影響を及ぼす場合がある。そこでシーン変化がある場合にはローパスフィルタ処理をやめ、光量制御データ作成手段103で作成した光量制御データにより光源を駆動する。シーン変化は輝度平均値算出手段110を用いて映像信号の輝度の平均値を算出し、シーン変化検出手段111にて前回までの輝度値と現在の輝度値の変化を検出し、変化量がある閾値より大きい場合にシーン変化があったと判断する。
【0035】
また図1において光量を制御する方法について光源を動的に制御する場合について説明を行ったが、絞り機構のように物理的に光量を制御する手段により光量を制御してもよい。この場合の映像表示装置の構成を図8に示す。
【0036】
図8において、113は絞り制御データ作成手段、114は絞り駆動手段、115は絞り手段である。絞り制御データ作成手段113では前述した方法により輝度ヒストグラム作成手段101で作成された輝度ヒストグラムと暗さパラメータ作成手段102で作成された暗さパラメータとから暗さ量を算出し、暗さ量から絞り制御データを作成する。暗さ量と絞り制御データとの関係は例えば前述した図5,図6の暗さ量と光量との関係になるように絞り制御データを作成する。作成した絞り制御データは絞り駆動手段114に入力され、絞り駆動手段114では絞り制御データに基づき絞り手段115の絞りを制御する。この際に前述したように絞り制御データにローパスフィルタをかけるようにしてもよい。
【0037】
また図9に示すように、前述した光源の光量制御と絞り制御とを同時に行うようにしてもよい。光源の制御による黒浮き抑制、コントラストの改善と、絞りの制御による黒浮き抑制、コントラストの改善が積算されるため、より大きな画質の改善を図ることができる。また光源が安定点灯のために一定光量以下にできない場合でも、絞り制御を併用することにより、光量をさらに絞ることができるため、コントラストをさらに向上させることができる。
【0038】
また図10に示すように、光量制御データ作成手段103から出力される光量制御データに応じて階調補正を行うようにしてもよい。入力映像に応じて光量の制御を行い、光源の光量を下げた場合には、輝度が高い部分の輝度が低下してコントラストがなくなる場合がある。そこで光源の光量制御量に応じて階調補正を行うことでコントラストが低下するのを防止する。
【0039】
図10において116は階調補正データ作成手段であり、光量制御データ作成手段103で作成される光量制御データに基づいて階調補正のデータを作成し、そのデータを基に映像信号処理装置108にて階調の補正を行う。この場合の階調補正データの作成方法を図11にて用いて説明する。
【0040】
図11に光量MAX時と表記されている実線は、光量制御が行われていない場合、すなわち光量が最大の時の階調特性をあらわしており、入力に対して出力がそのまま出力される特性となっている。光量MIN時と表記されている実線は、光量制御量が最大の場合、すなわち光量が最小の時の階調特性をあらわしており、輝度低下を補正するような階調特性となっている。光量X時と表記されている点線は、光量制御データ作成手段103にて作成された光量制御データの光量がXの場合の階調補正量の入出力特性をあらわしている。光量Xは光量MINと光量MAXの間の値となる。
【0041】
光量がXの時の階調補正量をCとした場合、光量がMAXの時の光量をL_MAX、その時の階調補正量をA、光量がMINの時の光量をL_MIN、その時の階調補正量をBとすると、階調補正量Cは(数2)であらわされる。
【0042】
【数2】

【0043】
このようにして光量の制御量に基づいて映像信号処理手段で階調補正を行うため、光量制御により中間輝度部、高輝度部の輝度が低下してコントラスト感がなくなることを防ぐことができる。
【0044】
なお階調補正量の入出力特性としては図11に示すものに限るものではなく、例えば図12(a)、図12(b)に示すような特性にしてもよい。図12(a)は、入出力関係の傾きを光量MIN時と、光量MAX時で変えるような階調特性となっており、高輝度部の輝度の低下を補正できる。
【0045】
また図12(b)の場合には、低輝度部では光量MAX時と光量MIN時とで階調特性を変えないようにし、中間輝度部から高輝度部にかけて光量MIN時の出力特性が大きくなるような特性となっている。このような特性にすることで低輝度部の黒浮きを抑えるとともに、中、高輝度部の階調を上げることで、コントラストが低下するのを抑えることができる。
【0046】
以上のように、本実施の形態1においては、入力映像信号の輝度ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数と、その輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を輝度レベル区分毎に加算し、その加算した値を制御量として光変調素子に照射する光量を制御するため、入力映像の輝度の平均値が高い場合や輝度のピーク値が高い場合でも、入力映像中に黒浮きの原因となる黒い部分が多い場合には光量を減らす制御を行うため、黒浮きを抑制し、コントラストを改善することができる。
【0047】
また本実施の形態1においては、シーン変化検出手段と、光量制御量を平滑化するローパスフィルタとを有しており、シーン変化が検出されない場合には、ローパスフィルタにより光量制御量を平滑化して、映像信号にノイズがある場合でもノイズに影響されることなく光源の光量制御を行い、シーン変化が検出された場合にはローパスフィルタをオフにすることで、シーン変化に合わせた光量制御を行うことができる。
【0048】
また本実施の形態1においては、光量を制御する絞りを有しているため、絞りにより光量を制御することで黒浮きを抑制し、コントラストを改善することができるとともに、光源の安定点灯性の劣化や、寿命特性の劣化を防止することができる。
【0049】
また本実施の形態1においては、光変調素子に照射する光量を光源と絞りの両方で制御するため、光源の制御による黒浮き抑制、コントラストの改善と、絞りの制御による黒浮き抑制、コントラストの改善が積算されるため、より大きな画質の改善を図ることができる。
【0050】
また本実施の形態1においては、光量の制御量に基づいて映像信号処理手段で階調補正を行うため、光量制御に伴う光量低下を抑制し、中間輝度部、高輝度部の輝度が低下してコントラスト感がなくなることを防ぐことができる。
【実施例2】
【0051】
図13は本発明の実施の形態2における映像表示装置の構成を示すブロック図を示すものである。図13において117は第1の光量制御データ作成手段、118は第2の光量制御手段、119は輝度最大値算出手段、120は輝度最小値算出手段、121はダイナミックレンジ算出手段である。
【0052】
本実施の形態2は、図14(a)に示すように、輝度レベルの最大値と最小値の差があまりなくて映像信号のダイナミックレンジが小さく、輝度ヒストグラムの輝度レベル区分数が少ない場合に有効な光量制御を行うことができる画像表示装置について説明する。
【0053】
映像信号の輝度ヒストグラムが図14(a)の場合、輝度レベル区分を8とした場合の輝度ヒストグラムは図14(b)のようになる。このように映像信号のダイナミックレンジが小さく、輝度ヒストグラムの輝度レベル区分数が少ない場合には、映像信号の輝度レベルが徐々に変化して輝度分布が輝度レベル区分の境界を移動していくような時に、輝度区分毎の分布数が急激に変化するため、輝度ヒストグラムと暗さパラメータから算出した光量制御量が急激に変化し、画質に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0054】
そこで前述した方法により輝度ヒストグラムと暗さパラメータから第1の光量制御データを作成し、さらに輝度の平均値から光量制御量を算出して第2の光量制御データを作成し、入力映像信号のダイナミックレンジが所定の値より大きい場合は、前記第1の制御量を前記第2の制御量より大きな値にして前記第2の制御量に加算して制御量とし、前記ダイナミックレンジが所定の値より小さい場合は、前記第2の制御量を前記第1の制御量より大きな値にして前記第1の制御量に加算して制御量とすることで、図14に示したように映像信号のダイナミックレンジが小さい場合には、輝度の平均値で算出した第2の制御量が主な制御量となるため、光量制御量が急激に変化するのを防止できる。
【0055】
ダイナミックレンジは、輝度最大値算出手段119と輝度最小値算出手段120とから輝度レベルの最大値と最小値を算出し、最大値と最小値との差からダイナミックレンジ算出手段121にて算出する。
【0056】
これら一連の動作を図15のフローチャートを用いて説明する。まず映像信号を入力し(S01)、映像信号の輝度ヒストグラムを算出する(S02)。次に暗さパラメータを算出する(S03)。算出した輝度ヒストグラムと暗さパラメータから前述した方法により第1の光量制御データを算出する(S04)。次に輝度の平均値を算出し(S05)、輝度の平均値から第2の光量制御データを算出する(S06)。輝度の平均値から光量制御量を算出する方法としては、例えば図16に示すように、輝度平均値が低い場合には光量を小さくし、輝度平均値が高くなるにつれて光量を大きくするようにしてもよい。図16において縦軸のLは光源が安定して発光できる最小の光量を示しており、LED等の光源の場合にはL=0とすることもできる。このようにして輝度の平均値から第2の光量制御データを作成する。
【0057】
次に輝度の最大値、最小値をそれぞれ算出し(S07,S08)、最大値と最小値の差からダイナミックレンジを算出する(S09)。そしてダイナミックレンジが大きい場合には輝度ヒストグラムと暗さパラメータから算出した第1の光量制御データの割合を多くし、輝度の平均値から算出した第2の光量制御データの割合を少なくして合成するように両データの合成比率を算出し、反対にダイナミックレンジが小さい場合には、輝度ヒストグラムと暗さパラメータから算出した第1の光量制御データの割合を少なくし、輝度の平均値から算出した第2の光量制御データの割合を多くして合成するように合成比率を算出する(S10)。算出した合成比率の一例を図17に示す。図17において、第1の光量制御データはダイナミックレンジが大きくなるにつれて合成比率が高くなり、反対に輝度の平均値から算出される第2の光量制御データはダイナミックレンジが大きくなるにつれて低くなっている。その後、合成比率により第1の光量制御データと、第2の光量制御データとから光量制御量を算出し(S11)、その値を光源駆動手段104に入力することで光源105を制御する。このようにして光量制御量を算出することにより、ダイナミックレンジが大きい場合には、輝度ヒストグラムの低輝度部の度数分布に応じて、正確な光量制御を行うことができ、ダイナミックレンジが小さい場合には、主に輝度の平均値から算出した制御量で光量制御を行うので、光量光量制御量が急激に変化するのを防止できる。
【0058】
また、実施の形態1と同様に光量制御データ作成手段で作成した光量制御データにローパスフィルタをかけて時間軸方向で平均化するようにしてもよい。この場合の映像表示装置の構成を図18に示す。輝度平均値算出手段110により輝度の平均値を算出し、輝度の平均値の変化によりシーン変化を判断し、シーン変化がある場合にはローパスフィルタ処理をやめる。時間軸方向でローパスフィルタをかけることにより、映像にノイズがある場合でもノイズに影響されることなく光源の光量を制御することができる。
【0059】
また、実施の形態1と同様に絞り機構のように物理的に光量を制御する手段により光量を制御するようにしてもよい。この場合の映像表示装置の構成を図19に示す。輝度ヒストグラム作成手段101で作成された輝度ヒストグラムと暗さパラメータ作成手段102で作成された暗さパラメータとから第1の絞り制御データ作成手段122にて第1の絞り制御データを作成する。次に輝度平均値算出手段110から算出された輝度の平均値から第2の絞り制御データ作成手段123にて第2の絞り制御データを作成する。輝度の最大値と最小値とからダイナミックレンジ算出手段121にてダイナミックレンジを算出し、図17に示したように、ダイナミックレンジが大きい場合には輝度ヒストグラムと暗さパラメータから算出した第1の絞り制御データの割合を多くし、輝度の平均値から算出した第2の絞り制御データの割合を少なくして合成した値により絞り制御データ作成手段113にて絞り制御データを作成し、反対にダイナミックレンジが小さい場合には、輝度ヒストグラムと暗さパラメータから算出した第1の絞り制御データの割合を少なくし、輝度の平均値から算出した第2の絞り制御データの割合を多くして合成した値により絞り制御データを作成し、絞り駆動手段114にて絞り手段115を制御する。
【0060】
また、実施の形態1と同様に光源の光量制御量に応じて階調補正を行うようにしてもよい。この場合の映像表示装置の構成を図20に示す。輝度最大値と最小値とからダイナミックレンジ算出手段121にてダイナミックレンジを算出し、ダイナミックレンジに応じて輝度ヒストグラムと暗さパラメータとから算出した第1の光量制御データと、輝度の平均値から算出した第2の光量制御データとを合成して光量制御データを光量制御データ作成手段103にて作成する。その光量制御データから光源駆動手段104にて光源を駆動すると同時に、階調補正データ作成手段116にて階調補正データを作成し、映像信号処理手段108にて階調補正を行う。光量制御データから階調補正データを作成する方法は前述したように、光量MAX時と光量MIN時の階調補正量を用いて算出する。光源の光量に応じて階調補正を行うことで中、高輝度部の明るさが低下するのを抑制することができるので、コントラストが低下するのを防止することができる。
【0061】
以上のように、本実施の形態2においては、前述した輝度ヒストグラムと暗さパラメータから第1の光量制御データを作成し、輝度の平均値から算出した第2の光量制御データを作成し、ダイナミックレンジの大きさに応じて、ダイナミックレンジが大きい場合には主に第1の光量制御データから、ダイナミックレンジが小さい場合には主に第2の光量制御データから光量制御データを作成することで、ダイナミックレンジが小さい場合には主に輝度の平均値から光量を制御することになり、光量制御量が急激に変化するのを防止できる。
【0062】
以上のように、本実施の形態2においては、映像信号の輝度ヒストグラムの輝度レベル区分毎の分布数と、その輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータとを乗じた値を輝度レベル区分毎に加算した値から、光源の光量を制御する第1の制御量を作成し、また映像信号の輝度信号の輝度平均値から光源の光量を制御する第2の制御量を作成し、映像信号のダイナミックレンジが所定の値より大きい場合は、第1の制御量を第2の制御量より大きな値にして第2の制御量に加算して制御量とし、ダイナミックレンジが所定の値より小さい場合は、第2の制御量を第1の制御量より大きな値にして第1の制御量に加算して制御量とすることで、入力映像信号のダイナミックレンジが小さく、ヒストグラム分布の輝度分割数が少ない場合でも光量制御量が不安定になることなく光源光量を制御することができる。
【0063】
また本実施の形態2においては、シーン変化検出手段と、光量制御量を平滑化するローパスフィルタとを有しており、シーン変化が検出されない場合には、ローパスフィルタにより光量制御量を平滑化して、映像信号にノイズがある場合でもノイズに影響されることなく光源の光量制御を行い、シーン変化が検出された場合にはローパスフィルタをオフにすることで、シーン変化に合わせた光量制御を行うことができる。
【0064】
また本実施の形態2においては、光量を制御する絞りを有しているため、絞りにより光量を制御することで黒浮きを抑制し、コントラストを改善することができるとともに、光源の安定点灯性の劣化や、寿命特性の劣化を防止することができる。
【0065】
また本実施の形態2においては、光量の制御量に応じて映像信号処理手段で階調補正を行うため、光量制御に伴う光量低下を抑制し、中間輝度部、高輝度部の輝度が低下してコントラスト感がなくなることを防ぐことができる。
【0066】
また本実施の形態2においては、ダイナミックレンジを映像信号の最大値と最小値との差から正確に算出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明にかかる映像表示装置は、入力映像信号の輝度のヒストグラム分布と輝度信号レベル毎の暗さの度合いをあらわす暗さパラメータに基づいて光変調素子に照射する光量を制御するため、入力映像の輝度の平均値が高い場合や、ピーク値が高い場合でも黒浮きの原因となる黒い部分が多い場合には光量を抑制することができるものであり、映像のコントラストを向上させるのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1における映像表示装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における輝度ヒストグラムをあらわす図
【図3】本発明の実施の形態1における暗さパラメータの説明図
【図4】本発明の実施の形態1における暗さパラメータの説明図
【図5】本発明の実施の形態1における暗さ量と光量との関係図
【図6】本発明の実施の形態1における暗さ量と光量との関係図
【図7】本発明の実施の形態1における映像表示装置のブロック図
【図8】本発明の実施の形態1における映像表示装置のブロック図
【図9】本発明の実施の形態1における映像表示装置のブロック図
【図10】本発明の実施の形態1における映像表示装置のブロック図
【図11】本発明の実施の形態1における階調補正量の説明図
【図12】本発明の実施の形態1における階調補正量の説明図
【図13】本発明の実施の形態2における映像表示装置のブロック図
【図14】本発明の実施の形態2における輝度ヒストグラムをあらわす図
【図15】本発明の実施の形態2における映像表示装置の処理フローチャート
【図16】本発明の実施の形態2における輝度平均値と光量との関係図
【図17】本発明の実施の形態2における光量制御量の説明図
【図18】本発明の実施の形態2における映像表示装置のブロック図
【図19】本発明の実施の形態2における映像表示装置のブロック図
【図20】本発明の実施の形態2における映像表示装置のブロック図
【図21】従来例のプロジェクタ装置のブロック図
【符号の説明】
【0069】
101 輝度ヒストグラム作成手段
102 暗さパラメータ作成手段
103 光量制御データ作成手段
104 光源駆動手段
105 光源
106 光学系
107 光変調素子
108 映像信号処理手段
109 光変調素子駆動手段
110 輝度平均値算出手段
111 シーン変化検出手段
112 ローパスフィルタ
113 絞り制御データ作成手段
114 絞り駆動手段
115 絞り手段
116 階調補正データ作成手段
117 第1の光量制御データ作成手段
118 第2の光量制御データ作成手段
119 輝度最大値算出手段
120 輝度最小値算出手段
121 ダイナミックレンジ算出手段
122 第1の絞り制御データ作成手段
123 第2の絞り制御データ作成手段
211 光源
212 光反射素子
213 表示パネル
214 レンズ
215 輝度検出部
216 光反射制御部
217 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正処理を行う映像信号処理手段と、
前記映像処理手段の出力を光変調作用に適した駆動信号に変換する光変調素子駆動手段と、
前記光変調素子駆動手段の出力を映像信号に応じた映像光に光変調する光変調素子と、
前記光変調素子に光を照射するための制御可能な光源と、
前記映像信号の輝度信号をその輝度レベル区分に応じて輝度ヒストグラム分布を作成する輝度ヒストグラム作成手段と、
前記輝度レベル区分に応じて暗さの度合いを示す暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段と、
前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を制御量とする光量制御データ作成手段と、
前記光量制御データ作成手段により作成した前記制御量に基づいて前記光源の制御を行う光源駆動手段と、を備えた映像表示装置。
【請求項2】
前記映像信号の輝度の平均値を算出する輝度平均値算出手段と、
前記光量制御データ作成手段と前記光源駆動手段の間に接続されたローパスフィルタと、
前記輝度平均値算出手段で算出した輝度平均値の変化からシーンの変化を検出し、シーンの変化を検出した時には前記ローパスフィルタをオフにし、シーン変化を検出しない時には前記ローパスフィルタをオンにするシーン変化検出手段と、を備えた請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正処理を行う映像信号処理手段と、
前記映像処理手段の出力を光変調作用に適した駆動信号に変換する光変調素子駆動手段と、
前記光変調素子駆動手段の出力を映像信号に応じた映像光に光変調する光変調素子と、
前記光変調素子に光を照射するための光源と、
前記光源と前記光変調素子の間に設けられた制御可能な絞り手段と、
前記映像信号の輝度信号をその輝度レベル区分に応じて輝度ヒストグラム分布を作成する輝度ヒストグラム作成手段と、
前記輝度レベル区分に応じた暗さの度合いをあらわす暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段と、
前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を制御量とする絞り制御データ作成手段と、
前記絞り制御データ作成手段により作成した前記制御量に基づいて前記絞り手段の制御を行う絞り駆動手段と、を備えた映像表示装置。
【請求項4】
映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正処理を行う映像信号処理手段と、
前記映像処理手段の出力を光変調作用に適した駆動信号に変換する光変調素子駆動手段と、
前記光変調素子駆動手段の出力を映像信号に応じた映像光に光変調する光変調素子と、
前記光変調素子に光を照射するための制御可能な光源と、
前記光源と前記光変調素子の間に設けられた制御可能な絞り手段と、
前記映像信号の輝度信号をその輝度レベル区分に応じて輝度ヒストグラム分布を作成する輝度ヒストグラム作成手段と、
前記輝度レベル区分に応じた暗さの度合いをあらわす暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段と、
前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を制御量とする絞り制御データ作成手段と、
前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を制御量とする光量制御データ作成手段と、
前記絞り制御データ作成手段により作成した前記制御量に基づいて前記絞り手段の制御を行う絞り駆動手段と、
前記光量制御データ作成手段により作成した前記制御量に基づいて前記光源の制御を行う光源駆動手段と、を備えた映像表示装置。
【請求項5】
映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正処理を行う映像信号処理手段と、
前記映像処理手段の出力を光変調作用に適した駆動信号に変換する光変調素子駆動手段と、
前記光変調素子駆動手段の出力を映像信号に応じた映像光に光変調する光変調素子と、
前記光変調素子に光を照射するための制御可能な光源と、
前記映像信号の輝度信号をその輝度レベル区分に応じて輝度ヒストグラム分布を作成する輝度ヒストグラム作成手段と、
前記輝度レベル区分に応じて暗さの度合いを示す暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段と、
前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を制御量とする光量制御データ作成手段と、
前記光量制御データ作成手段により作成した制御量に基づいて前記映像信号処理手段の階調の補正データを作成する階調補正データ作成手段と、
前記光量制御データ作成手段により作成した前記制御量に基づいて前記光源の制御を行う光源駆動手段と、を備えた映像表示装置。
【請求項6】
映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正処理を行う映像信号処理手段と、
前記映像処理手段の出力を光変調作用に適した駆動信号に変換する光変調素子駆動手段と、
前記光変調素子駆動手段の出力を映像信号に応じた映像光に光変調する光変調素子と、
前記光変調素子に光を照射するための制御可能な光源と、
前記映像信号の輝度信号をその輝度レベル区分に応じて輝度ヒストグラム分布を作成する輝度ヒストグラム作成手段と、
前記輝度レベル区分に応じて暗さの度合いを示す暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段と、
前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を前記光源の光量を制御する第1の制御量とする第1の光量制御データ作成手段と、
前記映像信号のダイナミックレンジを算出するダイナミックレンジ算出手段と、
前記映像信号の輝度信号の輝度平均値を算出する輝度平均値算出手段と、
前記輝度平均値より前記光源の光量を制御する第2の制御量を作成する第2の光量制御データ作成手段と、
前記ダイナミックレンジが所定の値より大きい場合は、前記第1の制御量を前記第2の制御量より大きな値にして前記第2の制御量に加算して制御量とし、前記ダイナミックレンジが所定の値より小さい場合は、前記第2の制御量を前記第1の制御量より大きな値にして前記第1の制御量に加算して制御量とする光量制御データ作成手段と、
前記光量制御データ作成手段により作成した前記制御量に基づいて前記光源の制御を行う光源駆動手段と、を備えた映像表示装置。
【請求項7】
映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正処理を行う映像信号処理手段と、
前記映像処理手段の出力を光変調作用に適した駆動信号に変換する光変調素子駆動手段と、
前記光変調素子駆動手段の出力を映像信号に応じた映像光に光変調する光変調素子と、
前記光変調素子に光を照射するための制御可能な光源と、
前記映像信号の輝度信号をその輝度レベル区分に応じて輝度ヒストグラム分布を作成する輝度ヒストグラム作成手段と、
前記輝度レベル区分に応じて暗さの度合いを示す暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段と、
前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を前記光源の光量を制御する第1の制御量とする第1の光量制御データ作成手段と、
前記映像信号のダイナミックレンジを算出するダイナミックレンジ算出手段と、
前記映像信号の輝度信号の輝度平均値を算出する輝度平均値算出手段と、
前記輝度平均値より前記光源の光量を制御する第2の制御量を作成する第2の光量制御データ作成手段と、
前記ダイナミックレンジが所定の値より大きい場合は、前記第1の制御量を前記第2の制御量より大きな値にして前記第2の制御量に加算して制御量とし、前記ダイナミックレンジが所定の値より小さい場合は、前記第2の制御量を前記第1の制御量より大きな値にして前記第1の制御量に加算して制御量とする光量制御データ作成手段と、
前記光量制御データ作成手段と前記光源駆動手段の間に接続されたローパスフィルタと、
前記輝度平均値算出手段で算出した輝度平均値の変化からシーンの変化を検出し、シーンの変化を検出した時には前記ローパスフィルタをオフにし、シーン変化を検出しない時には前記ローパスフィルタをオンにするシーン変化検出手段と、
前記ローパスフィルタの出力に基づいて前記光源の制御を行う光源駆動手段と、を備えた映像表示装置。
【請求項8】
映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正処理を行う映像信号処理手段と、
前記映像処理手段の出力を光変調作用に適した駆動信号に変換する光変調素子駆動手段と、
前記光変調素子駆動手段の出力を映像信号に応じた映像光に光変調する光変調素子と、
前記光変調素子に光を照射するための光源と、
前記光源と前記光変調素子の間に設けられた制御可能な絞り手段と、
前記映像信号の輝度信号をその輝度レベル区分に応じて輝度ヒストグラム分布を作成する輝度ヒストグラム作成手段と、
前記輝度レベル区分に応じた暗さの度合いをあらわす暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段と、
前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を前記絞りを制御する第1の制御量とする第1の絞り制御量データ作成手段と、
前記映像信号のダイナミックレンジを算出するダイナミックレンジ算出手段と、
前記映像信号の輝度信号の輝度平均値を算出する輝度平均値算出手段と、
前記輝度平均値より前記絞りを制御する第2の制御量を作成する第2の絞り制御データ作成手段と、
前記ダイナミックレンジが所定の値より大きい場合は、前記第1の制御量を前記第2の制御量より大きな値にして前記第2の制御量に加算して制御量とし、前記ダイナミックレンジが所定の値より小さい場合は、前記第2の制御量を前記第1の制御量より大きな値にして前記第1の制御量に加算して制御量とする絞り制御データ作成手段と、
前記絞り制御データ作成手段により作成した前記制御量に基づいて前記絞り手段の制御を行う絞り駆動手段と、を備えた映像表示装置。
【請求項9】
映像信号のコントラスト及び輝度の階調補正処理を行う映像信号処理手段と、
前記映像処理手段の出力を光変調作用に適した駆動信号に変換する光変調素子駆動手段と、
前記光変調素子駆動手段の出力を映像信号に応じた映像光に光変調する光変調素子と、
前記光変調素子に光を照射するための制御可能な光源と、
前記映像信号の輝度信号をその輝度レベル区分に応じて輝度ヒストグラム分布を作成する輝度ヒストグラム作成手段と、
前記輝度レベル区分に応じて暗さの度合いを示す暗さパラメータを作成する暗さパラメータ作成手段と、
前記ヒストグラム分布の輝度レベル区分毎の分布数とその輝度レベル区分毎に作成された暗さパラメータを乗じた値を前記輝度レベル区分毎に加算した値を前記光源の光量を制御する第1の制御量とする第1の光量制御データ作成手段と、
前記映像信号のダイナミックレンジを算出するダイナミックレンジ算出手段と、
前記映像信号の輝度信号の輝度平均値を算出する輝度平均値算出手段と、
前記輝度平均値より前記光源の光量を制御する第2の制御量を作成する第2の光量制御データ作成手段と、
前記ダイナミックレンジが所定の値より大きい場合は、前記第1の制御量を前記第2の制御量より大きな値にして前記第2の制御量に加算して制御量とし、前記ダイナミックレンジが所定の値より小さい場合は、前記第2の制御量を前記第1の制御量より大きな値に
して前記第1の制御量に加算して制御量とする光量制御データ作成手段と、
前記光量制御データ作成手段により作成した制御量に基づいて前記映像信号処理手段の階調の補正データを作成する階調補正データ作成手段と、
前記光量制御データ作成手段により作成した前記制御量に基づいて前記光源の制御を行う光源駆動手段と、を備えた映像表示装置。
【請求項10】
前記ダイナミックレンジ算出手段は、前記映像信号の輝度の最大値を算出する輝度最大値算出手段と、前記映像信号の輝度の最小値を算出する輝度最小値算出手段とをもち、前記輝度最大値から前記輝度最小値の差をダイナミックレンジとする請求項6から9に記載の映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−272023(P2007−272023A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−98845(P2006−98845)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】