説明

暗号処理回路及び印刷装置

【課題】それを用いることにより、暗号化/復号化処理と他の処理とを並列的に行うタイプのパフォーマンスの高い装置を製造することが出来る暗号化処理回路を、提供する。
【解決手段】暗号処理回路を、データに対する,処理によりデータ長が変わらない暗号化処理及び復号化処理を実行可能な暗号コア28と、処理結果用レジスタを備えた指示受付部26とを備え、メモリ上の,CPUにより指定されたデータに対する暗号化/処理を行うように暗号コア28を制御し、暗号コアによる処理結果を処理結果用レジスタに記憶すべきことがCPUにより指定されていた場合には、当該処理結果を処理結果用レジスタに記憶し、処理結果を処理結果用レジスタに記憶すべきことがCPUにより指定されていなかった場合には、当該処理結果を,メモリの指定されている記憶領域上にDMA転送する回路として構成おく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗号化/復号化処理を行うための暗号処理回路と、暗号処理回路が用いられている印刷装置に、関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年、情報が漏洩することや改竄されることを防ぐために、情報の授受時には、当該情報を暗号化することが当然のこととして行われるようになってきているが、情報の暗号化/復号化を,ソフトウェアで行ったのでは時間がかかってしまう。
【0003】
このため、情報の暗号化/復号化を高速に(短時間で)行えるハードウェア(半導体集積回路;以下、暗号処理回路と表記する)が、開発されている。
【0004】
ただし、既存の暗号処理回路は、いずれも、処理結果をメモリ上にDMA転送するもの(例えば、特許文献1参照)となっている。このため、既存の暗号処理回路が用いられた、暗号化/復号化処理結果以外のデータもメモリ上にDMA転送される装置(暗号化/復号化処理と他の処理とを並列的に行う装置)は、暗号化/復号化処理結果のメモリ上へのDMA転送が,他のデータのメモリ上へのDMA転送により遅れることがある装置となっっている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−320533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、それを用いることにより、暗号化/復号化処理と他の処理とを並列的に行うタイプのパフォーマンスの高い装置を製造することが出来る暗号化処理回路を、提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の課題は、暗号化/復号化処理と他の処理とを並列的に行うタイプのパフォーマンスの高い印刷装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の、メモリ及びCPUに接続されて使用される暗号処理回路は、データに対する,処理によりデータ長が変わらない暗号化処理及び復号化処理を実行可能な暗号コアと、暗号コアによる処理結果を記憶するための処理結果用レジスタと、メモリ上の,CPUにより指定されたデータに対する暗号化処理或いは復号化処理を行うように暗号コアを制御し、そのデータに対する暗号コアによる処理結果を処理結果用レジスタに記憶すべきことがCPUにより指定されていた場合には、当該処理結果を処理結果用レジスタに記憶し、そのデータに対する暗号コアによる処理結果を処理結果用レジスタに記憶すべきことがCPUにより指定されていなかった場合には、当該処理結果を,メモリの指定されている記憶領域上にDMA転送する制御回路とを、備える。
【0009】
すなわち、本発明の第1の態様の暗号処理回路は、比較的に小さなサイズ(処理結果用レジスタのサイズ以下のサイズ)のデータに関しては、そのデータの暗号化/復号化処理結果を,処理結果用レジスタに記憶させることが可能な構成を有している。そして、比較的に小さなサイズのデータの暗号化/復号化処理結果は、通常、CPUが読み出すことが必要なデータである(CPUが、他の回路に処理させるデータではない)ので、この暗号処理回路を用いれば、各種データの暗号化/復号化処理結果の格納完了タイミングが,RAM上への他のデータのDMA転送により遅れることが少ない装置(つまり、パフォーマンスが高い装置;例えば、請求項4記載の印刷装置)を製造できることになる。
【0010】
また、本発明の第2の態様の、メモリ及びCPUに接続されて使用される暗号処理回路は、データに対する,処理によりデータ長が変わらない暗号化処理及び復号化処理を実行可能な暗号コアと、暗号コアによる処理結果を記憶するための処理結果用レジスタと、処理結果用レジスタのサイズ以下の閾値を記憶しておくための閾値用レジスタと、メモリ上の,CPUにより指定されたデータに対する暗号化処理或いは復号化処理を行うように暗号コアを制御し、データ長が閾値用レジスタに記憶されている閾値よりも大きいデータについては、そのデータに対する暗号コアによる処理結果を,メモリの,CPUにより指定されている記憶領域上にDMA転送し、データ長が閾値用レジスタに記憶されている閾値以下のデータについては、そのデータに対する暗号コアによる処理結果を,処理結果用レジスタに記憶する回路であると共に、データに対する処理の完了時に、処理結果をメモリに記憶したか処理結果用レジスタに記憶したかを示す,CPUへの割込信号を出力する回路である制御回路とを、備える。
【0011】
すなわち、本発明の第2の態様の暗号処理回路は、閾値用レジスタに設定されている閾値以下のサイズのデータの暗号化/復号化処理結果を,処理結果用レジスタに記憶し、閾値よりも大きなサイズのデータの暗号化/復号化処理結果をメモリ上にDMA転送する回路であると共に、処理の完了時に、処理結果を処理結果用レジスタ/メモリのいずれに記憶したかを示す割込信号を出力する回路となっている。従って、この暗号処理回路を用いた場合には、本発明の第1の態様の暗号処理回路を用いた場合と同様の機能を有する装置であって、メモリとの接続に用いられているバスの負荷状態が低い場合には、閾値用レジスタに小さな閾値を設定することにより、データの暗号化/復号化処理結果をメモリ上にDMA転送させることが出来る装置(例えば、請求項5記載の印刷装置)を製造できることになる。
【0012】
本発明の第2の態様の暗号処理回路を実現するに際しては、メモリとの接続に用いられているバスの負荷状態を検出し、検出した負荷状態に応じた閾値を前記閾値用レジスタに設定する閾値設定回路であって、検出した負荷状態が高い程、大きな閾値を設定する閾値設定回路を付加しておくことが出来る。そして、閾値設定回路を付加した本発明の第2の態様の暗号処理回路を用いた場合には、閾値設定回路が付加されていない暗号処理回路を用いた場合と同様の機能を有する装置(例えば、請求項6記載の印刷装置)を、より単純な内容のファームウェア/プログラム(バスの,予想される負荷状態に応じた閾値を閾値用レジスタに設定するためのステップを含まないファームウェア/プログラム)を用意するだけで、製造できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
まず、図1を用いて、本発明の第1〜第3実施形態に係る印刷装置の概要を説明する。
【0015】
本発明の各実施形態に係る印刷装置は、図1に示した構成のコントローラを備えた装置である。すなわち、第X(X=1,2,3)実施形態に係る印刷装置は、複数のDMA回路(図では,“DMA”),暗号回路20X,画像処理回路(色変換処理等を行うための回路)等からなる暗号処理回路10Xを介して、各種デバイス(CPU,RAM,ネットワークインタフェース回路等)が接続された構成を有するコントローラを備えた装置となっている。
【0016】
各実施形態に係る印刷装置(内のコントローラ)に用いられている暗号処理回路10Xは、複数のDMA回路を有していることから明らかなように、各種のDMA転送処理を行うことが可能な半導体集積回路(ASIC)である。また、各暗号処理回路10Xは、既存のASICに、暗号回路20X(及びその周辺回路)を追加することにより製造されたもの(実装されている暗号回路20Xの構成/機能のみが異なるもの)となっている。
【0017】
以上のことを前提に、以下、第1〜第3実施形態に係る印刷装置の構成,動作を、さらに具体的に説明する。
【0018】
《第1実施形態》
第1実施形態に係る印刷装置に用いられている暗号処理回路101は、図2に示した構成の暗号回路201を備えている。
【0019】
この暗号回路201に設けられているリードDMA制御部21は、リード用のDMA回路(RAM上のデータを読み出して暗号回路201に供給するためのDMA回路;図1参照)を制御するための回路である。入力バッファ22は、リード用のDMA回路からのデータ(RAM上から読み出されたデータ)を一時的に記憶しておくためのバッファである。ライトDMA制御部24は、ライト用のDMA回路(暗号回路201による処理結果をRAM上に記憶するためのDMA回路)を制御するための回路である。出力バッファ23は、ライト用のDMA回路にDMA転送させるデータを一時的に記憶しておくためのバッファである。
【0020】
暗号コア28は、暗号化処理/復号化処理を行うための回路である。この暗号コア28は、図中に模式的に示してあるように、DES(Data Encryption Standard)方式の暗号化/復号化処理と、AES(Advanced Encryption Standard)方式の暗号化/復号化処理とを行えるもの(処理によりデータ長が変わらない暗号化/復号化処理を行うもの)となっている。
【0021】
コア制御部27は、入力データ(入力バッファ32からのデータ)に対するDES/AES方式の暗号化/復号化処理を暗号コア28に行わせる回路(入力データを暗号化/復号化したデータを出力するように、暗号コア28を制御する回路)である。
【0022】
出力切替部25は、暗号コア28から入力されたデータを,指示受付部26からの出力切替信号のレベルに応じて、出力バッファ23又は指示受付部26へ供給する回路である。なお、この出力切替部25は、出力バッファ23へデータを最初に供給する際に、ライトDMA制御部24を起動する(ライトDMA制御部24の動作を開始させる)回路となっている。
【0023】
指示受付部26は、転送元先頭アドレスレジスタ,データ長レジスタ,処理内容指定レジスタ,転送先先頭アドレスレジスタ及び処理結果レジスタ等を備えた回路である。
【0024】
この指示受付部26内の転送元先頭アドレスレジスタ、データ長レジスタは、それぞれ、RAM上の或るデータ(暗号化/復号化すべきデータ)の先頭アドレス,データ長が、CPUにより設定されるレジスタである。これらのレジスタは、設定されている値を表す信号が,制御信号としてリードDMA制御部21に供給されるレジスタとなっている。
【0025】
処理内容指定レジスタは、暗号回路201に実行させる処理の内容を指定する処理内容指定情報が、CPUにより設定されるレジスタである。この処理内容指定レジスタに設定される処理内容指定情報には、処理結果を暗号回路201内に記憶するかRAM上にDMA転送するかを指定する出力先指定値と、暗号コア28に実行させる処理(コア制御部27に実行させる制御処理)の内容を指定する処理指定情報とが含まれている。そして、処理内容指定レジスタは、設定されている出力先指定値を示す信号が,制御信号(図における出力切替信号)として出力切替部25に供給され、設定されている処理指定情報を示す信号が,制御信号としてコア制御部27に供給されるレジスタとなっている。
【0026】
転送先先頭アドレスレジスタは、処理結果をRAM上にDMA転送させる場合に、処理結果を格納すべきRAM上の記憶領域の先頭アドレスが、CPUにより設定されるレジスタである。この転送先先頭アドレスレジスタは、設定されている値を示す信号が、制御信号としてライトDMA制御部に供給されるレジスタとなっている。
【0027】
処理結果レジスタは、出力切替部25からのデータ(暗号コア28による処理結果)を記憶しておくためのレジスタ(本実施形態では、256byteのデータを記憶可能なもの)である、この処理結果レジスタは、CPUがアクセス可能なものとなっている。
【0028】
暗号処理回路101に設けられている指示受付部26は、上記のような各種レジスタを備えた回路であると共に、処理内容指定レジスタに処理内容指定情報が設定されたときに、設定されているデータ長が処理結果レジスタのサイズ(処理結果レジスタに記憶可能なデータの最大長)以下であることを確認してから、暗号回路の各内部回路への制御信号の出力を開始する回路(確認できなかった場合には、各内部回路への制御信号の出力を開始することなく、その旨を示す情報を出力する回路)となっている。
【0029】
また、指示受付部26は、暗号化/復号化処理の処理状況を監視し、暗号化/復号化処理が完了したときには、CPUに処理の完了を通知するための終了割込を発生する回路(CPUへの割込信号のレベルを変化させる回路)ともなっている。
【0030】
そして、第1実施形態に係る印刷装置は、このような暗号回路201を有する暗号処理回路101を備えた装置であると共に、そのファームウェアとして、比較的に小さなサイズのデータを暗号化/復号化する場合,当該データの処理結果を暗号処理回路101(暗号回路201)内に記憶させるものが用いられた装置となっている。
【0031】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態に係る印刷装置に用いられている暗号処理回路102は、図3に示した構成の暗号回路202を備えている。
【0032】
この暗号回路202内のリードDMA制御部31,入力バッファ32,出力バッファ33,ライトDMA制御部34,コア制御部37,暗号コア38は、それぞれ、暗号回路201(図2参照)内のリードDMA制御部21,入力バッファ22,出力バッファ23,ライトDMA制御部24,コア制御部27,暗号コア28と同じ回路である。
【0033】
指示受付部36は、転送元先頭アドレスレジスタ,データ長レジスタ,処理指定情報レジスタ,閾値レジスタ,転送先先頭アドレスレジスタ及び処理結果レジスタを備えた回路である。
【0034】
この指示受付部36が備える転送元先頭アドレスレジスタ,データ長レジスタ,転送先先頭アドレスレジスタ及び処理結果レジスタは、指示受付部26が備える同名のレジスタと同じ情報が設定されるレジスタである。ただし、指示受付部36内の転送先先頭アドレスレジスタは,暗号回路202を利用する際には、常に、転送先アドレスが設定されるレジスタとなっている。また、指示受付部36内のデータ長レジスタは,設定されているデータ長が出力切替部25にも通知されるレジスタとなっている。
【0035】
処理指定情報レジスタは、指示受付部26内の処理内容指定レジスタに相当するレジスタである。ただし、この処理指定情報レジスタは、処理指定情報のみが設定されるレジスタ(出力先指定値が設定されず、出力先切替信号を出力しないレジスタ)となっている。閾値レジスタは、設定されている値が,閾値として出力切替部25に通知されるレジスタである。この閾値レジスタは、処理結果レジスタのサイズ”以下の値が設定されるレジスタであると共に,他のレジスタとは、値が設定されるタイミングが異なるレジスタとなっている(詳細は後述)。
【0036】
そして、指示受付部36は、指示受付部26と同様に暗号化/復号化処理が完了したときに終了割込を発生する回路ではあるが、処理結果が処理結果レジスタに記憶されて処理が完了したことを示す終了割込(以下、レジスタ保存割込と表記する)と、RAMへ処理結果がRAM上へDMA転送されて処理が完了したことを示す終了割込(以下、RAM保存割込と表記する)とを、発生可能な回路となっている。
【0037】
出力切替部35は、出力切替部25と同様の機能を有する回路である。ただし、出力切替部35は、指示受付部36からのデータ長が,指示受付部36からの閾値以下であった場合に、暗号コア38からのデータを指示受付部36へ供給し、そうでなかった場合には、暗号コア38からのデータを出力バッファ33に供給する回路となっている。
【0038】
そして、第2実施形態に係る印刷装置は、そのファームウェアとして、図4に示してあるような手順の処理を、CPUに行わせるものが用いられた装置となっている。
【0039】
すなわち、第2実施形態に係る印刷装置のファームウェアは、CPUが、或る処理(何回か暗号回路制御処理が実行される処理)を開始する前に、当該処理におけるRAMのアクセス頻度に応じた閾値(アクセス頻度と正の相関を有する閾値)を暗号回路202に設定する処理を行うもの(図4(a))であると共に、データを暗号化/復号化する必要が生ずる度(図4(a)参照)に、CPUが、『暗号回路202を起動(S101)してから,RAM保存割込/レジスタ保存割込の発生を待機(S102)し、レジスタ保存割込が発生した場合(S102;レジスタ)には、暗号回路202内の処理結果レジスタから処理結果を読み出し(S103)、RAM保存割込が発生した場合(S102;RAM)には、RAMから処理結果を読み出す(ステップS104)暗号回路制御処理』(図4(b))を、行うものとなっている。
【0040】
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態に係る印刷装置に用いられている暗号処理回路103は、図5に示した構成の暗号回路203を備えている。
【0041】
この暗号回路203内のリードDMA制御部41,入力バッファ42,出力バッファ43,ライトDMA制御部44,出力切替部45,コア制御部47,暗号コア48は、それぞれ、暗号回路202(図3参照)内のリードDMA制御部31,入力バッファ32,出力バッファ33,ライトDMA制御部34,出力切替部35,コア制御部37,暗号コア38と同じ回路である。ただし、出力切替部45は、閾値が,閾値テーブル50(詳細は後述)から供給される回路となっている。
【0042】
指示受付部46は、指示受付部36から,閾値レジスタを取り除いた回路である。
【0043】
バス負荷検出部49は、リードDMA制御部41がリクエストを出してから,当該リクエストに対するアクノリッジが返ってくるまでのクロック数を検出し、検出したクロック数(以下、バス負荷とも表記する)を閾値テーブル50に出力する回路である。このバス負荷検出部49は、暗号回路203の起動後、リードDMA制御部41が最初に出したリクエストに対して機能する回路となっている。
【0044】
閾値テーブル50は、図6に模式的に示してあるように、バス負荷検出部49が検出することがある各バス負荷(クロック数)について、閾値(処理結果アドレスのサイズ以下の値)を記憶したテーブル(メモリ)である。この閾値テーブル50は、CPUがその内容を書き換えることが可能なテーブルとなっている。
【0045】
そして、第3実施形態に係る印刷装置は、そのファームウェアとして、第2実施形態に係る印刷装置に用いられているファームウェア(図4(a),(b)参照)から、閾値を暗号回路203(第2実施形態では、暗号回路202)に設定するステップを取り除いたものに相当するプログラムを用いた装置となっている。
【0046】
以上、詳細に説明したように、本発明の各実施形態に係る印刷装置は、データの暗号化/復号化結果を,RAM上にDMA転送することなく、内部に記憶する機能を有する暗号処理回路10X(暗号回路20X)を備えた装置であると共に、当該機能を利用して,各種データの暗号化/復号化を行う装置となっている。従って、各実施形態に係る印刷装置は、各種データの暗号化/復号化処理結果の格納完了タイミングが,RAM上への他のデータのDMA転送により遅れることが少ない装置(つまり、パフォーマンスが高い装置)となっていると言うことが出来る。
【0047】
《変形形態》
各実施形態に係る印刷装置,暗号処理回路10Xは、各種の変形を行うことが出来る。例えば、暗号処理回路10Xを、暗号化/復号化処理のみを行える回路(画像処理回路等を備えない回路)に変形することや、他の回路(図1に示されていない回路)も備える回路に変形することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】各実施形態に係る印刷装置が備えるコントローラの構成図。
【図2】第1実施形態に係る印刷装置が備える暗号処理回路に設けられている暗号回路の構成図。
【図3】第2実施形態に係る印刷装置が備える暗号処理回路に設けられている暗号回路の構成図。
【図4】第2実施形態に係る印刷装置に用いられているファームウェアの説明図。
【図5】第3実施形態に係る印刷装置が備える暗号処理回路に設けられている暗号回路の構成図。
【図6】第3実施形態に係る暗号回路内の閾値テーブルの説明図。
【符号の説明】
【0049】
101〜103 暗号処理回路、 201〜203 暗号回路
21,31,41 リードDMA制御部、 22,32,42 入力バッファ
23,33,43 出力バッファ、 24,34,44 ライトDMA制御部
25,35,45 出力切替部、 26,36,46 指示受付部
27,37,47 コア制御部、 28,38,48 暗号コア
49 バス負荷検出部、 50 閾値テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ及びCPUに接続されて使用される暗号処理回路であって、
データに対する,処理によりデータ長が変わらない暗号化処理及び復号化処理を実行可能な暗号コアと、
前記暗号コアによる処理結果を記憶するための処理結果用レジスタと、
前記メモリ上の,前記CPUにより指定されたデータに対する暗号化処理或いは復号化処理を行うように前記暗号コアを制御し、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を前記処理結果用レジスタに記憶すべきことが前記CPUにより指定されていた場合には、当該処理結果を前記処理結果用レジスタに記憶し、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を前記処理結果用レジスタに記憶すべきことが前記CPUにより指定されていなかった場合には、当該処理結果を,前記メモリの指定されている記憶領域上にDMA転送する制御回路と
を、備えることを特徴とする暗号処理回路。
【請求項2】
メモリ及びCPUに接続されて使用される暗号処理回路であって、
データに対する,処理によりデータ長が変わらない暗号化処理及び復号化処理を実行可能な暗号コアと、
前記暗号コアによる処理結果を記憶するための処理結果用レジスタと、
前記処理結果用レジスタのサイズ以下の閾値を記憶しておくための閾値用レジスタと、
前記メモリ上の,前記CPUにより指定されたデータに対する暗号化処理或いは復号化処理を行うように前記暗号コアを制御し、データ長が前記閾値用レジスタに記憶されている前記閾値よりも大きいデータについては、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を,前記メモリの,前記CPUにより指定されている記憶領域上にDMA転送し、データ長が前記閾値用レジスタに記憶されている前記閾値以下のデータについては、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を,前記処理結果用レジスタに記憶する回路であると共に、前記データに対する処理の完了時に、処理結果を前記メモリに記憶したか前記処理結果用レジスタに記憶したかを示す,前記CPUへの割込信号を出力する回路である制御回路と
を、備えることを特徴とする暗号処理回路。
【請求項3】
前記メモリとの接続に用いられているバスの負荷状態を検出し、検出した負荷状態に応じた閾値を前記閾値用レジスタに設定する閾値設定回路であって、検出した負荷状態が高い程、大きな閾値を設定する閾値設定回路
を、さらに備える
ことを特徴とする請求項2記載の暗号処理回路。
【請求項4】
メモリ及びCPUと,それらに接続された暗号化処理回路とを有するコントローラを備えた印刷装置であって、
前記暗号処理回路が、
データに対する,処理によりデータ長が変わらない暗号化処理及び復号化処理を実行可能な暗号コアと、
前記暗号コアによる処理結果を記憶するための処理結果用レジスタと、
前記メモリ上の,前記CPUにより指定されたデータに対する暗号化処理或いは復号化処理を行うように前記暗号コアを制御し、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を前記処理結果用レジスタに記憶すべきことが前記CPUにより指定されていた場合には、当該処理結果を前記処理結果用レジスタに記憶し、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を前記処理結果用レジスタに記憶すべきことが前記CPUにより指定されていなかった場合には、当該処理結果を,前記メモリの指定されている記憶領域上にDMA転送する制御回路と
を、備えた回路であり、
前記処理結果用レジスタのサイズ以下のデータを,暗号化或いは復号化する必要が生じた場合、前記CPUが、そのデータの処理結果を前記処理結果用レジスタに記憶すべきことを指定して前記暗号化処理回路に当該データの暗号化或いは復号化を行わせることになるように作成されたファームウェアが、用いられている
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
メモリ及びCPUと,それらに接続された暗号化処理回路とを有するコントローラを備えた印刷装置であって、
前記暗号処理回路が、
データに対する,処理によりデータ長が変わらない暗号化処理及び復号化処理を実行可能な暗号コアと、
前記暗号コアによる処理結果を記憶するための処理結果用レジスタと、
前記処理結果用レジスタのサイズ以下の閾値を記憶しておくための閾値用レジスタと、
前記メモリ上の,前記CPUにより指定されたデータに対する暗号化処理或いは復号化処理を行うように前記暗号コアを制御し、データ長が前記閾値用レジスタに記憶されている前記閾値よりも大きいデータについては、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を,前記メモリの,前記CPUにより指定されている記憶領域上にDMA転送し、データ長が前記閾値用レジスタに記憶されている前記閾値以下のデータについては、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を,前記処理結果用レジスタに記憶する回路であると共に、前記データに対する処理の完了時に、処理結果を前記メモリに記憶したか前記処理結果用レジスタに記憶したかを示す,前記CPUへの割込信号を出力する回路である制御回路と
を、備える回路であり、
前記CPUが、随時、前記メモリとの接続に用いられているバスの,予想される負荷状態に応じた閾値を前記閾値用レジスタに設定し、データを暗号化或いは復号化する必要が生じた場合には、前記暗号化処理回路に当該データの暗号化或いは復号化を行わせた後、前記暗号化処理回路によって出力された割込信号が示す場所から処理結果を読み出すことになるように作成されたファームウェアが、用いられている
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
メモリ及びCPUと,それらに接続された暗号化処理回路とを有するコントローラを備えた印刷装置であって、
前記暗号処理回路が、
データに対する,処理によりデータ長が変わらない暗号化処理及び復号化処理を実行可能な暗号コアと、
前記暗号コアによる処理結果を記憶するための処理結果用レジスタと、
前記処理結果用レジスタのサイズ以下の閾値を記憶しておくための閾値用レジスタと、
前記メモリ上の,前記CPUにより指定されたデータに対する暗号化処理或いは復号化処理を行うように前記暗号コアを制御し、データ長が前記閾値用レジスタに記憶されている前記閾値よりも大きいデータについては、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を,前記メモリの,前記CPUにより指定されている記憶領域上にDMA転送し、データ長が前記閾値用レジスタに記憶されている前記閾値以下のデータについては、そのデータに対する前記暗号コアによる処理結果を,前記処理結果用レジスタに記憶する回路であると共に、前記データに対する処理の完了時に、処理結果を前記メモリに記憶したか前記処理結果用レジスタに記憶したかを示す,前記CPUへの割込信号を出力する回路である制御回路と、
前記メモリとの接続に用いられているバスの負荷状態を検出し、検出した負荷状態に応じた閾値を前記閾値用レジスタに設定する閾値設定回路であって、検出した負荷状態が高い程、大きな閾値を設定する閾値設定回路と
を、備える回路であり、
前記CPUが、データを暗号化或いは復号化する必要が生じた場合には、前記暗号化処理回路に当該データの暗号化或いは復号化を行わせた後、前記暗号化処理回路によって出力された割込信号が示す場所から処理結果を読み出すことになるように作成されたファームウェアが、用いられている
ことを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−208696(P2007−208696A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25665(P2006−25665)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】