最小侵襲性の脊椎固定要素を配置するための方法および装置
【課題】患者の脊椎内の1または複数の脊椎固定部位に脊椎固定要素を導入するための最小侵襲性の方法および装置を提供すること。
【解決手段】患者の脊椎の手術部位に脊椎固定要素を導入するための最小侵襲性の方法および装置。一実施形態では、筋肉に損傷を与えずに筋肉を筋平面に沿って分離するための分離器具を提供する。この分離器具は、ガイドワイヤを受容するために内部を貫通する内腔も含むことができる。この分離器具により、ガイドワイヤを椎骨に対して配置し、適切に配置されたら器具を取り外し、脊椎アンカーをガイドワイヤに沿って椎骨内に移植することができる。
【解決手段】患者の脊椎の手術部位に脊椎固定要素を導入するための最小侵襲性の方法および装置。一実施形態では、筋肉に損傷を与えずに筋肉を筋平面に沿って分離するための分離器具を提供する。この分離器具は、ガイドワイヤを受容するために内部を貫通する内腔も含むことができる。この分離器具により、ガイドワイヤを椎骨に対して配置し、適切に配置されたら器具を取り外し、脊椎アンカーをガイドワイヤに沿って椎骨内に移植することができる。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本願は、脊椎外科手術に使用する器具に関し、詳細には、患者の脊椎内の1または複数の脊椎固定部位に脊椎固定要素を導入するための最小侵襲性の方法および装置に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
様々な既知の理由から、脊椎固定装置が、近接する椎体同士を所望の関係に整合および/または固定するために整形外科手術に用いられている。このような装置は通常、比較的硬質の固定ロッドなどの脊椎固定要素を含む。脊椎固定要素は、フック、ボルト、ワイヤ、またはネジなどの様々な固定装置に取り付けて近接する椎骨に結合する。脊椎固定要素は、目的の移植部位の性質に従ってデザインされる所定の外形を有しており、一旦取り付けられると、この器具は、所望に治癒するか、脊椎が融合するまで、または所定の長期間に亘って所望の空間的関係に椎骨を保持し続ける。
【0003】
脊椎固定要素は、椎骨の特定の部分に固定することができる。各椎骨は形状および大きさが様々であるため、椎骨の特定の部分への係合を容易にするべく様々な固定装置が開発されてきた。例えば、椎弓根スクリュー組立体は、椎弓根骨に係合する形状および大きさに構成されている。このようなスクリューは通常、椎骨内にねじ込まれるように構成されたネジ付きシャンク、および通常はU型スロットの形態であるロッド受容要素が形成された頭部を有する。止めネジ、プラグ、または同様のタイプの締付け機構を用いて、例えば、脊椎ロッドなどの固定要素を椎弓根スクリューのロッド受容頭部内に固定することができる。使用する際は、各スクリューのシャンク部分を椎骨内にねじ込み、適切に配置されたら、ロッドを各スクリューのロッド受容部材内に挿入し、キャップまたは他の締付け機構を締めてロッドを所定の位置に固定し、各スクリューと固定ロッドをしっかりと相互に接続する。
【0004】
近年、脊椎外科手術の流れは、最小侵襲性装置および脊椎固定装置を移植する方法に向かっている。このような方法は、例えば、ジャスティス(Justis)らによる米国特許第6,530,929号に開示されている。この特許文献の開示によれば、2つの経皮的アクセス装置を利用して、脊椎スクリューなどの固定装置を近接する椎骨内に移植する。次いで、脊椎ロッドを、経皮的アクセス部位から離れた第3の切開部内に導入し、ロッドを各脊椎スクリューのロッド係合部分内に向かって横方向に移動させる。次いで、経皮的アクセス装置を用いて閉止機構をロッド係合頭部に取り付けて、ロッドをロッド係合頭部内に固定する。この方法は、従来の侵襲性技術に比べて有利であるが、ロッドを横方向に導入するため、周囲の組織および筋肉に著しい損傷を与えうる。さらに、3つの別個のアクセス部位を使用するため、外科手術の時間が延び、患者の外傷が大きくなり、回復に時間がかかる。
【0005】
したがって、患者の脊椎内に脊椎固定要素を導入するための改善された最小侵襲性装置および方法の必要性が残っている。
【0006】
〔発明の概要〕
患者の脊柱の1または複数の脊椎固定部位に脊椎固定要素を送達するための最小侵襲性の方法および装置をここに開示する。一実施形態では、最小侵襲性の外科手術方法を提供する。この方法は、患者の脊柱の椎骨に近接した組織を通る切開部を形成するステップと、器具の尖っていない先端部を切開部内に挿入し、その器具を切開部と椎骨との間に延在する筋平面に沿って操作して筋肉を分離するステップと、を含む。尖っていない先端部は、実質的に平面の構造を有するか、または実質的に平面である少なくとも1つの表面を含むのが好ましい。例示的な実施形態では、器具の尖っていない先端部は、胸最長筋と多裂筋を分離するように構成されている。この方法はまた、器具を貫通する内腔を介してガイドワイヤを挿入するステップを含むこともできる。ガイドワイヤは、椎骨内に延在するように配置するのが好ましい。適切に配置されたら、器具を取り外し、ガイドワイヤに沿って椎骨に送達されるのが好ましい脊椎アンカーなどの脊椎インプラントを受容する位置にガイドワイヤを残置することができる。上記した方法を繰り返して、1または複数の追加のインプラントを近接した椎骨に送達することができる。次いで、脊椎ロッドなどの脊椎固定要素を、椎体に至る経路の1つに沿って送達し、近接した椎骨内に移植されたインプラントに結合することができる。例示的な実施形態では、固定要素を、第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に経路の1つを介して挿入することができる。ある例示的な実施形態では、脊椎固定要素を、組織表面から椎骨の1つに至る経路に沿って延在するカニューレを介して送達することができる。
【0007】
別の例示的な実施形態では、脊椎外科手術に使用するための医療装置キットが、先端部に尖っていない部材が形成された組織分離器具を含むことができる。この尖っていない部材は、筋肉に損傷を与えずに筋平面に沿って筋肉を分離するように構成されている。例示的な組織分離器具は、内部を貫通する内腔を含むことができる。このキットは、組織分離器具の内腔内に配置するように構成された少なくとも1本のガイドワイヤ、および椎体に移植するように構成された少なくとも1つの脊椎アンカーを含むこともできる。このキットはまた、脊椎アンカーを椎体に送達するための組織表面から椎体に至る経路を備えるように構成された少なくとも1つのカニューレ、および/または少なくとも2つの脊椎アンカーに結合してこれらの間に延在するように構成された少なくとも1つの脊椎固定要素を含むこともできる。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態では、経皮的アクセス装置が結合された脊椎アンカーを、椎体に経皮的に送達する。この経皮的アクセス装置は、内部を貫通する内腔を備え、長軸を画定している。次いで、脊椎固定要素を、この脊椎固定要素が経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行である第1の長手方向に、経皮的アクセス装置の内腔内を前進させる。次いで、脊椎固定要素を操作して、脊椎固定要素を脊椎アンカーに対して配置するべく、脊椎固定要素が第1の方向に対して所定の角度を成すように第2の方向に延在させる。この方法はまた、第2の経皮的アクセス装置が結合された第2の脊椎アンカーを経皮的に椎体まで送達するステップも含むことができる。したがって、脊椎固定要素は、第2の方向に第1のアンカーと第2のアンカーとの間に延在するのが好ましい。
【0009】
例示的な実施形態では、経皮的アクセス装置は、経皮的に送達するように構成され、かつ脊椎アンカーに結合するように構成された細長い概ね円筒状のチューブの形態である。このチューブは、基端部、先端部、およびこれらの端部間に延在する内腔を有する。この内腔は、経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行な第1の長手方向に脊椎固定要素をこの内腔内を移送することができ、かつ第1の方向に対して所定の角度を成し、好ましくは患者の脊柱に対して実質的に平行である第2の方向に脊椎固定要素を脊椎固定部位まで送達できるように構成されている。経皮的アクセス装置はまた、脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への移行を容易にするべく、細長い概ね円筒状のチューブの先端部からその細長い概ね円筒状のチューブの少なくとも一部を貫通する少なくとも1つの側壁開口部を含むこともできる。一実施形態では、この装置は、その先端部に近接して形成された、相反する側壁開口部を含む。この装置はまた、オプションまたは別法として、内腔内に配置される脊椎固定要素を第1の方向から第2の方向に案内するように構成された、内腔内に形成されたガイド部材を含むこともできる。ガイド部材は、例えば、経皮的アクセス装置の内腔内に形成された傾斜シェルフを含むことができる。
【0010】
本発明の別の実施形態では、脊椎固定要素を患者の脊柱上の脊椎固定部位に送達するための最小侵襲性の方法を提供する。この方法は、経皮的アクセス装置の内腔内に脊椎固定要素を導入するステップを含む。この内腔は、患者の椎骨に配置される脊椎アンカーへの経路を形成するのが好ましい。例示的な実施形態では、経皮的アクセス装置は、取り付ける脊椎アンカーの最大幅と実質的に同じまたはそれ以下の外径を有する。当業者であれば、経皮的アクセス装置の外径を、オプションとして、取り付ける脊椎アンカーの外径よりも大きくできることを理解できよう。この方法は、脊椎固定要素を、経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行な第1の長手方向に内腔内を先端側に前進させるステップと、脊椎固定要素を操作して、患者の脊柱に対して実質的に平行な第2の方向にするステップと、をさらに含む。次いで、脊椎固定要素を1または複数の脊椎アンカーに対して配置することができる。
【0011】
本発明の別の態様では、最小侵襲性の外科手術方法を提供する。この方法は、患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、この第1の経皮的切開部から第1の椎体上の固定部位に至る第1の経路を作り出すステップと、を含む。この経路は、複数の固定部位ではなく唯1つの固定部位に至る最小侵襲性の経路であるのが好ましい。これは、例えば、第1の経皮的切開部から第1の椎体上の第1の固定部位まで実質的に均一な幅を有する経皮的アクセス装置によって達成することができる。例示的な実施形態では、第1の経路は、第1の経皮的切開部の幅に実質的に等しいまたはそれ以下の幅、および/または第1のアンカーの幅に実質的に等しいまたはそれ以下の幅を有する。この方法はまた、第1の経皮的切開部内に第1のアンカーを配置するステップと、この第1のアンカーを第1の経路に沿って1つの固定部位まで前進させるステップと、固定要素を、第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に第1の経路を介して配置するステップと、をさらに含む。
【0012】
さらなる実施形態では、患者に第2の経皮的切開部を作り、この第2の経皮的切開部から第2の椎体上の第2の固定部位に至る第2の最小侵襲性の経路を作り出すことができる。次いで、第2のアンカーを、第2の経路に沿って第2の椎体上の第2の固定部位まで前進させる。
【0013】
脊椎固定要素を1または複数の脊椎固定部位に導入するための別の方法および装置も提供する。
【0014】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、患者の脊柱の手術部位に脊椎固定要素を導入するための最小侵襲性の方法および装置を提供する。通常は、この方法では、最小侵襲性経皮的切開部から脊椎固定部に至る最小侵襲性経路に沿って長手方向に脊椎固定要素を前進させる。例示的な実施形態では、経皮的アクセス装置を用いて、脊椎固定要素を受容するため、および固定要素を脊椎固定部位まで送るために最小侵襲性経路を作り出す。脊椎固定要素は、経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行になるように、経皮的アクセス装置の内腔内に長手方向に挿入するのが好ましい。脊椎固定要素が経路の先端部に接近するか、または到達したら、脊椎固定要素を操作して、経皮的アクセス装置に対して所望の角度、好ましくは脊椎固定要素が患者の脊柱に対して実質的に平行になるように配置することができる。次いで、脊椎固定要素は、オプションとして位置合わせして、脊椎固定要素を1または複数の脊椎アンカーに対して直接または間接的に結合することができる。次いで、必要に応じて、締付け要素または他の閉止機構を脊椎固定部位に導入して、脊椎固定要素をアンカーに結合させて固定することができる。
【0015】
本発明の方法および装置は、1または複数の最小侵襲性経皮的切開部を用いて脊柱へのアクセスを達成できるという点で特に有利である。このような切開部により、介在する組織の損傷が最小限になり、回復時間が短縮され、術後の痛みが軽減される。本発明はまた、脊椎固定要素およびアンカーを最小侵襲性経路に沿って送ることで手術部位に大きな操作領域を作らなくても済む技術を有利に提供する。
【0016】
本発明の方法を実施するために様々な装置を用いることができるが、図1および図2に、脊椎アンカー50(図1)に結合して脊椎インプラント組立体10を形成する経皮的アクセス装置12の例示的な実施形態を例示する。図示されているように、装置12は、概ね細長い円筒状のチューブの形態であって、内部に内腔12cが形成されており、基端部12aと先端部12bとの間に延在する長軸Lを画定している。アクセス装置12の大きさは目的に合わせて様々にすることができるが、アクセス装置12の基端部12aを患者の体外に配置でき、かつアクセス装置12の先端部12bを、患者の脊椎の椎骨内に配置されるアンカー50などの脊椎アンカーに結合または近接させることができる長さlを有するべきである。アクセス装置12はまた、脊椎固定要素を送達するための最小侵襲性経路を備えるように構成されるのが好ましい。具体的には、経皮的アクセス装置12は、挿入する装置の直径すなわち幅よりも通常は長さが短い比較的小さい切開部である最小侵襲性経皮的切開部を介して移植できるようにも構成されるべきである。
【0017】
例示的な実施形態では、装置12は、好ましくは長手方向に脊椎固定要素を導入するのに十分な内径diを有する。内径diは、オプションとして、閉止機構を取り付けて脊椎アンカーに脊椎固定要素を固定するために駆動機構を内部に導入できるように構成することができる。アクセス装置12の外径doは、様々にすることができるが、脊椎アンカーの外径drと同じにする、小さくする、または大きくすることができる。例示されている実施形態では、アクセス装置12は、図1に例示されているように脊椎スクリュー50の受容頭部52である脊椎アンカーの外径drと実質的に同じ外径doを有する。これは、切開部の大きさを必要以上に大きくしなくても済むという点で特に有利である。アクセス装置12の外径doとアンカー50の外径drを一致させることにより、アクセス装置12および/またはアンカー50をカニューレ内に導入することができる。アクセス装置12がアンカー50に結合した場合、外径doとdrが一致しているため、これらの周りにスリーブまたは他の装置をスライド可能に配置して、アクセス装置12とアンカー50が外れるのを防止することもできる。別の例示的な実施形態では、アクセス装置12の外径doは、脊椎アンカーの外径drよりもわずかに大きくすることができる。脊椎アンカーの受容頭部が約13mmの外径drを有する限定目的ではない一例では、アクセス装置12は、約15mmの外径doを有するのが好ましい。
【0018】
経皮的アクセス装置12には、少なくとも1つの側壁開口部すなわちスロット14が形成されるのが好ましく、このアクセス装置12の先端部12bから基端方向に延びた2つの相反する側壁開口部(唯1つの開口部14が示されている)が形成されるのがより好ましい。開口部14により、脊椎固定要素を第1の長手方向にアクセス装置12内に導入することができる。この第1の長手方向では、脊椎固定要素がアクセス装置12の長軸Lに対して実質的に平行となる。次いで、脊椎固定要素が、アクセス装置12の長軸Lに対して実質的に横断する方向、例えば患者の脊椎に対して実質的に平行な方向に延在するように、脊椎固定要素を操作して、第1の方向に対して所定の角度に延在させることができる。脊椎固定要素の長さLをアクセス装置12の内径diよりも大きくしなければならないため、開口部14により、脊椎固定要素がこの開口部を通過する際に第1の長手方向から第2の方向に移行することができる。当業者であれば、長軸Lに対する脊椎固定要素の厳密な位置が、脊椎固定要素の構造によって様々であることをもちろん理解できるであろう。
【0019】
各開口部14の形状および大きさは様々にすることができるが、開口部14は、脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への移動が可能となるように構成すべきである。例示的な実施形態では、開口部14は、経皮的アクセス装置12の長さの約半分またはそれ未満に亘って延在する。各スロット14の形状は、概ね細長くすることができ、脊椎固定要素の直径を十分に受容できる幅wを有するべきである。当業者であれば、経皮的アクセス装置12が、脊椎固定要素が第1の方向から第2の方向に十分に移動できる任意の数のあらゆる形状の側壁開口部を含むことができることを理解できよう。
【0020】
本発明の別の実施形態では、図3A‐図3Bに示されているように、経皮的アクセス装置112は、オプションとして、脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への案内を助けるために内腔112cの先端部112b内に形成されたガイド部材120を含むこともできる。ガイド部材120は、様々な構造にすることができるが、脊椎固定要素を第1の方向から、アクセス装置112に取り付けられたまたは近接したアンカー50に向かって、またはオプションとして、近接する椎骨内に移植されたアンカーに向かって案内できる構造にすべきである。例示的な実施形態では、図示されているように、ガイド部材120は、アクセス装置112の内腔112c内に形成された傾斜シェルフの形態であり、好ましくは、アクセス装置112に形成された1つの側壁スロット114の反対側に配置される。傾斜シェルフ120は、使用する固定要素の種類および/またはアクセス装置の形状によって様々な形状および大きさにすることができる。使用する際は、脊椎ロッドなどの脊椎固定要素の前縁がシェルフ120に接触すると、シェルフ120によって脊椎固定要素が第2の方向に案内され始め、これにより脊椎固定要素が、装置112の長軸Lに対して実質的に横断する方向、好ましくは患者の脊柱に対して実質的に平行な方向に延在するようになる。次いで、脊椎固定要素を、詳細を後述するように、1または複数の脊椎アンカーに対して位置合わせするように操作することができる。
【0021】
図1を再び参照すると、経皮的アクセス装置12は、使用する際に、脊椎アンカー50に取り付けできるように構成することができる。したがって、経皮的アクセス装置12の先端部12bは、アンカー50に結合する1または複数の結合要素18をその先端部12b上またはその内部に備えることができる。好適な結合要素の例として、例えば、ネジ、ツイスト・ロック結合、スナップ式結合、または当分野で周知の任意の他の技術を挙げることができる。例示的な実施形態では、結合要素は、アクセス装置12の先端部12bの向かい合う内面に形成されている。好ましくは経皮的アクセス装置12に形成された側壁開口部14に一致する側壁開口部(不図示)を有するスリーブ100(図3Bに部分的に図示)または他の装置を、経皮的アクセス装置12上に配置し、オプションとしてインプラント50上にも配置し、使用の際にアクセス装置12がインプラント50から外れるのを防止することもできる。経皮的アクセス装置12をアンカーに結合させるための例示的な技術が、本願と同時出願の特許出願(名称:「経皮的アクセス装置および骨アンカー組立体(Percutaneous Access Devices and Bone Anchor Assemblies)」)に開示されている。当業者であれば、経皮的アクセス装置をアンカーに取り外し可能に結合させるために用いることができる様々な他の技術を理解できよう。
【0022】
参照目的で、図1は、本発明の方法および装置に使用する例示的な脊椎アンカーを例示している。当業者であれば、例えば、脊椎スクリュー、フック、ボルト、およびワイヤを含む様々なアンカーを本発明の装置および方法に用いることができることを理解できよう。図1は、例えばネジ付きシャンク54である先端骨係合部分および好ましくは脊椎ロッド(不図示)である脊椎固定要素を受容するように構成された基端U型受容頭部52を含む脊椎スクリューを例示している。ネジ付きシャンク54は、受容頭部52に固着して単軸スクリューを形成することができるが、別法では、ネジ付きシャンク54は、受容頭部52に対してこのシャンク54が回動できるように受容頭部52の先端部に形成された開口部を介して回動可能に配置された、図示されている多軸スクリューとして構成することができる。様々な技術を用いて、頭部52をシャンク54に対して回動させることができる。
【0023】
図4A‐図17は、脊椎固定要素を移植するための最小侵襲性の方法を示している。この方法は、ここに開示する経皮的アクセス装置12および脊椎スクリュー50を用いて図示および説明するが、当業者であれば、この方法がこのような装置に使用が限定されるものではなく、当分野で周知の様々な他の装置を使用できることを理解できよう。さらに、唯2つのアクセス装置12および12’と唯2つのアンカー50および50’が図4‐図14に示されているが、本発明の方法は、任意の数のアクセス装置およびアンカーを用いて実施することができる。この方法はまた、ここに開示する方法の一部のステップのみを用いて、かつ/または当分野で周知の他の方法を用いて実施することもできる。
【0024】
この方法は、好ましくは、所望の移植部位に近接した位置にある組織を通る最小侵襲性経皮的切開部を形成して開始する。切開部の位置、形状、および大きさは、移植する脊椎アンカーの種類および個数によって異なるが、図4Aは、患者の背中の胸腰筋膜における3つの近接する椎骨の一側に形成された3つの正中線最小侵襲性経皮的切開部62a‐62cを例示しており、図4Bは、患者の背中の胸腰筋膜における3つの近接する椎骨の反対側に形成された3つのさらなる正中線最小侵襲性経皮的切開部62d‐62fを例示している。各切開部62a‐62fは、直径が約10mm〜20mmの突刺切開部であるが、処置によって様々に変更することができる。例示的な実施形態では、各切開部62a‐62fは、この切開部内に挿入されるアンカーおよび/または経皮的アクセス装置の最大直径と同じまたはそれ以下の直径を有する。
【0025】
必ずしも必要ではないであろうが、経皮的切開部62a‐62fが形成されたら、図5Aおよび図5Bに示されているように、オプションとして、尖っていない指の切開により、胸最長筋と多裂筋を分離し、横突起および上関節突起の小関節面および接合部を露出させる。
【0026】
図5C‐図5Eは、図5F‐図5Gに詳細に示されている尖っていない器具200を用いて胸最長筋と多裂筋を分離する別の例示的な技術を例示している。まず、図5F‐図5Gを参照すると、器具200は通常、基端部202aおよび先端部202bを有する硬質の細長いシャフト202を含む。シャフト202は、Kワイヤなどのガイドワイヤを受容するために基端部202aと先端部202bとの間に延在する内腔202cも含む。内腔202cは、この内腔202c内を送られるガイドワイヤを受容できる大きさにすることができる。基端部202aに、器具200を把持しやすいようにハンドル204を形成することができる。ハンドル204は、実質的にあらゆる形状および大きさを有することができる。例えば、図5F‐図5Gに示されているように、この例示的な実施形態のハンドル204は通常、細長い円筒状であって、この器具を把持しやすいようにリッジ204aが形成されている。
【0027】
器具200の先端部202bには、ブラント部材206が形成されている。ブラント部材206は、筋平面(muscle plane)に沿って筋肉を分離すると同時に分離される組織の損傷を最小限にする、例えば大きさおよび形状に構成することができる。ブラント部材206の形状は様々にすることができるが、例示的な実施形態では、図示されているように、ブラント部材206は、相反する前面206aおよび後面206bを備えた実質的に細長い矩形の形状である。前面206aと後面206bとの間の幅は、先端最大幅Wb2が基端最大幅Wb1よりも小さくなるように先端方向に先細すなわち減少させることができる。このような例示的な構造により、例えば、筋肉などの組織間にブラント部材206を挿入しやすく、組織を分離することができる。前面206aおよび後面206bの相反する側縁間に亘る幅Wsは、様々にすることができるが、例示的な実施形態では、図示されているように、前面206aおよび後面206bの長さに沿って一定である。
【0028】
図示していないが、器具200は、オプションとして、椎骨を準備するために細長いシャフト202内に配置された内側チューブを含むこともできる。具体的には、この内側チューブは、骨内を先端側に移動して椎骨内に窪みを作り出せるように、細長いシャフト202内にスライド可能に配置することができる。これによって、突き錐(awl)またはタップのために骨の下処理ができる。器具200は、オプションとして、ドリルガイドとしても機能することができる。具体的には、細長いシャフト202は、ドリルを受容してそのドリルを椎骨内に向かって案内するように構成された内径を有することができる。シャフト202は、ドリルの保護カニューレとしても機能し、器具200の周囲筋肉とドリルとが接触するのを防止する。当業者であれば、器具200が様々な他の構造を有することができ、様々な他の用途に適合しうることを理解できよう。
【0029】
ここで図5C‐図5Eを参照すると、使用中の例示的な器具200が示されている。図示されているように、上記したように経皮的切開部62a‐62fが形成されたら、分離器具200のブラント部材206を切開部62内に挿入することができる。切開部62は、胸最長筋と多裂筋との間の脂肪層の位置を確認できるように十分に深くすることができる。位置を確認できたら、器具200を操作して胸最長筋と多裂筋を分裂すなわち分離し、これにより横突起および上関節突起の小関節面および接合部を露出させることができる。図5Dに示されているように、器具200を椎骨60に近接して配置する、または接触して配置したら、例えばKワイヤ64などのガイドワイヤを器具200の内腔202c内に挿入して、図5Eに示されているように、Kワイヤ64の先端部を椎骨60またはその内部に配置することができる。Kワイヤ64の適切な配置を容易にするために、蛍光透視または他のイメージングを用いることができる。次いで、器具200を、Kワイヤ64から取り外し、詳細を後述するように、様々な他の装置のガイドとして機能するようにKワイヤ64を残置することができる。この手順を各切開部62a‐62fで繰り返して、複数の脊椎アンカーを容易に配置することができる。
【0030】
器具200を使用しない場合は、切開部を形成する前または後で、例えばKワイヤ64などのガイドワイヤを各脊椎アンカー移植部位に移植することができる。図6に示されているように、Kワイヤ64は、筋肉間を通り、脊椎アンカーの所望の入口点の椎骨内に至るのが好ましい。Kワイヤ64の適切な配置を容易にするために、蛍光透視を用いることができる。
【0031】
次いで、切開部の両端部を広げて、脊椎アンカーを各移植部位に送る経路を備えることができる。図7は、サイズが大きくなる複数の拡張器66bおよび66cが配置されたオブチュレータ66aを用いた切開部62の一端の拡張を例示している。拡張器66bおよび66cは、オブチュレータ66aおよびKワイヤ64の上を移動して、切開部62の周りの皮膚を本質的に伸長させ、固定部位への経路を拡張する。
【0032】
切開部62が適切な大きさまで拡張されたら、図8に示されているように、各固定部位にアンカーを送達することができる。この手順は通常、ドリル、タップ、突き錐、バー、およびプローブなどの1または複数の骨準備器具を用いた椎骨60の準備を含む。必ずしも必要ではないが、骨準備器具および/またはアンカーを挿入するために、1または複数のカニューレを用いて切開部62から固定部位に至る経路を備えることができる。例示的な実施形態では、比較的小さいカニューレを用いて骨準備器具を手術部位内に導入する。次いで、切開部62をさらに拡張し、小さいカニューレを、アンカーを受容するまたはアンカーに結合するように構成された大きいカニューレと交換することができる。
【0033】
椎骨60を準備したら、脊椎アンカーを各移植部位に移植することができる。アンカー50および50’を骨60および60’内に挿入した後にアクセス装置12および12’を各アンカー50および50’に結合させることができるが、アンカー50および50’を骨60および60’内に導入するためのドライバー器具の経路を備えるべく、アンカー50および50’を骨60および60’内に挿入する前に各経皮的アクセス装置12および12’をアンカー50および50’に取り付けるのがより好ましい。図8は、第1の椎骨60内に移植され、アクセス装置12が取り付けられたアンカー50を例示している。図示していないが、アンカー50は、装置50および12を移植部位に案内するために、Kワイヤ64がアンカー50およびアクセス装置12内を貫通できるようにカニューレ状であるのが好ましい。図8は、アクセス装置12’が取り付けられた第2のアンカー50’をさらに例示している。図示されているように、スクリュー50’は、第1の椎骨60に近接した第2の椎骨60’内に移植されようとしている。スクリュー50’が椎骨60’に近接して配置されたら、ドライバー器具90をアクセス装置12’内に配置してスクリュー50’の受容頭部52’に結合し、スクリュー50’を椎骨60’内にねじ込むことができる。
【0034】
別の実施形態では、装置12、12’、50、および50’を移植する前または後で、スリーブを各アクセス装置12および12’の上に配置して、装置12および12’が、取り付けられているアンカー50および50’から外れるのを防止することができる。図3Bに部分的に例示されているスリーブ100は、各アクセス装置12および12’と実質的に同じ構造を有するカニューレの形態にするのが好ましい。アクセス装置12および12’が、各スクリュー頭部52および52’の外面に形成された対応する戻り止め(detent)に係合するピン部材を使用する場合、ピン部材が戻り止めから外れるのをスリーブが防止するため、スリーブを使用するのが特に望ましい。スリーブは、オプションとして、アクセス装置としても機能することができ、アクセス装置12および12’をアンカー50および50’から取り外して除去することができる。
【0035】
アンカー50および50’を移植したら、脊椎固定要素70をその固定部位に送達する。この送達は、アンカー50および50’に取り付けられた経皮的アクセス装置12および12’の一方を介して、またはアンカー50および50’への経路を供する他のある種の経皮的アクセス装置を介して、脊椎固定要素70を導入して達成することができる。図9に示されているように、例えば脊椎ロッド70などの脊椎固定要素は、アクセス装置12の長軸Lに対して実質的に平行になるように、アクセス装置12内に第1の長手方向に導入する。固定要素が湾曲した構造または他の構造を有する場合、この固定要素は、経皮的アクセス装置を介して長手方向に挿入されると「実質的に平行な」方向になることを理解されたい。
【0036】
次いで、図10および図11に示されているように、脊椎固定要素70を経皮的アクセス装置12の先端部12bに向かって先端側に移動させる。この脊椎固定要素70の移動は、操作装置80を用いて行うことができる。操作装置80は様々な構造にすることができるが、固定要素70を制御下で移動させることができるようにすべきである。当業者であれば、様々な他の技術を用いて、経皮的アクセス装置12を介して脊椎固定要素70を案内し、1または複数のアンカー50および50’に対して脊椎固定要素70を配置することができることを理解できよう。さらに、脊椎固定要素70は、経皮的アクセス装置を介して挿入しやすい様々な構造にすることができる。限定目的ではない一例では、本願と同時出願の特許出願(名称:「可撓性脊椎固定要素(Flexible Spinal Fixation Elements)」)に、経皮的アクセス装置内を通過する際に曲がることができ、これにより第1の方向から第2の方向に移行できる脊椎固定要素が開示されている。この特許文献には、ガイドワイヤまたはケーブルに沿って脊椎固定要素を送達し、操作装置を不要にした技術も開示されている。機械式および可撓性の固定要素に加えて、本発明に使用するのに適した他の脊椎固定要素には、例えば、参照することを以って開示内容の全てを本明細書の一部とする、テイテルバウム(Teitelbaum)らによる米国特許出願第2002/0068975号(名称:「架橋結合を有する整形可能な整形外科用固定システム(Formable Orthopedic Fixation System with Cross Linking)」)、シャオリアン(Shaolian)らによる同第2002/0082600号(名称:「整形可能な整形外科用固定システム(Formable Orthopedic Fixation System)」)、およびシャオリアン(Shaolian)らによる同第2002/0198526号(名称:「熱加速での位置固定システムにおける成形(Formed In Place Fixation System With Thermal Acceleration)」)に開示されているような拡張固定要素が含まれる。
【0037】
ここで図11および図12を参照すると、脊椎固定要素70がアクセス装置12の先端部12bに近づいたら、脊椎固定要素70を操作して、好ましくは患者の脊柱に対して実質的に平行であり、かつ/または第1の方向に対して横断する、第1の方向とは異なる第2の方向に脊椎固定要素70を変更することができる。第2の方向における固定要素70の角度は、移植する固定装置の種類およびアクセス装置12の向きによって様々に変化し、アクセス装置12の方向も、アクセス装置12が患者の脊柱に対して複数の角度で配置できるため外科手術中に様々に変化しうることを理解されたい。
【0038】
脊椎固定要素70の第1の方向から第2の方向への移行の際は、脊椎固定要素70の前端が皮下に配置されるべきである。アクセス装置12が複数のスロットまたは開口部(1つの開口部14のみを図示)を含む場合、脊椎固定要素70が回動の際に開口部14の内部を貫通できるため、開口部14を用いることにより、脊椎固定装置70の第2の方向への移動を容易にすることができる。これは、必ずではないが、開口部14の長さ、脊椎固定要素70の長さ、および/または脊椎固定要素70の構造に依存する。図11および図12に示されているように、脊椎固定要素70の前端70aのみが、開口部14の1つを介して経皮的アクセス装置12から延出している。
【0039】
図12に示されているように、脊椎固定要素70が1または複数の脊椎アンカーに対して配置されるまで脊椎固定要素70の操作を続ける。使用する脊椎アンカーの種類によって、直接または間接的に脊椎アンカーに結合するように固定要素を配置することができる。図12に示されているように、固定要素70は、近接する脊椎アンカー50および50’の受容頭部52および52’内に完全に配置されている。次いで、操作装置80を使用している場合は、操作装置80をアクセス装置12から取り出すことができる。
【0040】
別の実施形態では、図3Aおよび図3Bに示されている経皮的アクセス装置112を用いて、外科手術固定部位内への脊椎固定要素の導入を容易にすることができる。上記したように、アクセス装置112には、脊椎固定要素70を第1の方向から第2の方向に案内するためにガイド部材120が形成されている。これは、図13‐図16に例示されている。図示されているように、脊椎固定要素70がガイド部材120に接触するまで先端側に移動すると、ガイド部材120によって脊椎固定要素70が回動し、経皮的アクセス装置112の開口部114に向かって延びる。この結果、脊椎固定要素70は、第2の方向に案内され、これにより脊椎固定要素70が、近接する脊椎インプラント50および50’の受容頭部52および52’内またはその近傍に配置される。
【0041】
再び図12を参照されたい。脊椎固定要素70が近接する脊椎アンカー50および50’の受容頭部52および52’内に完全に受容されたら、プッシャーシャフト80を使用する場合は、プッシャーシャフト80を脊椎固定要素70から除去すなわち取り外し、脊椎固定要素70を受容頭部52および52’内に維持するために、閉止機構を一方または両方の受容頭部52および52’に取り付ける。しかしながら、例示的な実施形態では、閉止機構を各アンカー50および50’に取り付ける前に、押圧器具100を用いてアクセス装置12および12’を互いに向かって押圧する。しかしながら、押圧の前に閉止機構を部分的に取り付けることもできる。
【0042】
図17に、通常は対向したアーム302および304を含む例示的な押圧器具300が示されている。アーム302および304はそれぞれ、実質的に中間点で互いに対して旋回可能に結合されており、経皮的アクセス装置12および12’の周りに配置するように構成された先端部分302bおよび304b、および基端ハンドル部分302aおよび304aを含む。装置300は、アーム302と304の互いに対する制御下での運動を容易にするべく、アーム302と304との間に設けられた支点(不図示)も含むこともできる。使用の際は、各アーム302および304の先端部分302bおよび304bを、アクセス装置12および12’の周り、好ましくは各装置12および12’の先端部12および12b’の周り、および/または各アンカー50および50’の頭部52および52’の周りに配置する。次いで、基端ハンドル部分302aと304aを互いに向かって移動させて、好ましくは図17に示されているようにアクセス装置12と12’との間隔を維持したまま、アクセス装置12と12’を互いに向かって移動させる。
【0043】
適切に配置されたら、脊椎固定要素70を受容頭部52および52’内に維持するために、好ましくはアクセス装置12および12’を介して、閉止機構を各アンカー50および50’に取り付ける。様々な閉止機構および閉止機構を送達するための器具が当分野で知られており、これらを本発明に用いることができる。限定目的ではない一例として、図13は、止めネジなどの閉止機構を脊椎アンカー50の受容頭部52に取り付けて脊椎固定要素70を脊椎アンカー50に固定するために、アクセス装置12を介して配置されたドライバー器具90を例示している。このステップは、近接する脊椎アンカーに対して繰り返すことができる。
【0044】
当業者であれば、脊椎固定要素70を各アンカー50および50’に直接取り付ける必要はなく、例えばバンドクランプ、スロット付きコネクタ、またはオフセットコネクタを用いてアンカー50および50’に間接的に取り付けることができることを理解できよう。
【0045】
固定要素70がインプラント50および50’に対して固定されたら、アクセス装置12および12’をインプラント50および50’から取り外して、各アクセス装置12および12’を導入した患者の最小侵襲性経皮的切開部だけをそのまま残すことができる。これは、患者に対する外傷が減少し、手術部位の周りの筋肉に対する損傷が最小になるという点で特に有利である。
【0046】
上記したように、当業者であれば、任意のステップを用いて任意の順序でこの方法を実施できることを理解できよう。さらに、本発明のアクセス装置は、複数の脊椎固定要素を同時または連続的に送達するため、および/または例示またはここに記載していない様々な他の外科処置を実施するために用いることができる。
【0047】
当業者であれば、上記した実施形態から本発明のさらなる特徴および利点を理解できるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲を除き、特に図示および説明したものに限定されるものではない。ここで参照した全ての刊行物および参照文献は、参照することを以ってそれらの全てを本明細書の一部とする。
【0048】
〔実施の態様〕
(1)脊椎固定要素を脊椎固定部位に送達するための最小侵襲性の方法において、
脊椎アンカーが結合された経皮的アクセス装置を用いて前記脊椎アンカーを椎体に経皮的に送達するステップであって、前記経皮的アクセス装置が、その内部を貫通している内腔を備え、長軸を画定している、前記ステップと、
脊椎固定要素を、前記経皮的アクセス装置の前記長軸に対して実質的に平行な第1の方向に前記経皮的アクセス装置の前記内腔内を前進させるステップと、
前記脊椎固定要素を操作して、前記第1の方向に対して所定の角度を成す第2の方向に延在させて前記脊椎固定要素を前記脊椎アンカーに配置するステップと、
を含む、方法。
(2)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎アンカーおよび前記経皮的アクセス装置を、カニューレを介して前記椎体に経皮的に送達する、方法。
(3)実施態様(2)に記載の方法において、
前記カニューレを、最小侵襲性経皮的切開部を介して配置し、前記カニューレが前記脊椎固定部位への最小侵襲性経路を形成するようにする、方法。
(4)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素が、前記第2の方向において患者の脊柱に対して実質的に平行に延在する、方法。
(5)実施態様(1)に記載の方法において、
前記方法が、第2の脊椎アンカーが係合した第2の経皮的アクセス装置を用いて前記第2の脊椎アンカーを椎体に経皮的に送達するステップであって、前記脊椎固定要素が、前記第2の方向において、前記第1の脊椎アンカーと前記第2の脊椎アンカーとの間に延在する、前記ステップをさらに含む、方法。
【0049】
(6)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素を操作して前記経皮的アクセス装置の開口部から延出するようにするステップをさらに含む、方法。
(7)実施態様(1)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎固定要素が前記第1の方向から前記第2の方向に移行できるようにするために、前記経皮的アクセス装置の先端部に近接して形成された少なくとも1つの側壁開口部を有する細長い概ね円筒状の部材を含む、方法。
(8)実施態様(7)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、その先端部に近接して形成された相反する側壁開口部を含む、方法。
(9)実施態様(7)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置の前記内腔の先端部分が、前記脊椎固定要素を前記第1の方向から前記第2の方向に案内するように構成されたガイド部材を含む、方法。
(10)実施態様(9)に記載の方法において、
前記ガイド部材が、前記経皮的アクセス装置の前記内腔内に形成された傾斜シェルフを含む、方法。
【0050】
(11)実施態様(10)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置に1つの側壁開口部が形成されており、前記傾斜シェルフが、前記脊椎固定要素の前端を前記側壁開口部に向かって案内できるように、前記1つの側壁開口部の反対側に配置されている、方法。
(12)実施態様(1)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎アンカーに螺合している、方法。
(13)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素を操作して前記第2の方向に延在させる前記ステップが、前記脊椎固定要素を操作するために操作装置を用意して、この操作装置を前記脊椎固定要素に結合するステップを含む、方法。
(14)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素が脊椎ロッドである、方法。
(15)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素を1または複数の前記脊椎アンカーに固定するステップをさらに含む、方法。
【0051】
(16)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎アンカーが脊椎スクリューを含み、前記脊椎固定要素が脊椎ロッドを含む、方法。
(17)実施態様(1)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置の外径が、前記脊椎アンカーの外径と実質的に同じまたはそれ以上である、方法。
(18)脊椎固定要素を患者の脊柱の脊椎固定部位に送達するための最小侵襲性の方法において、
患者の椎骨に配置された脊椎アンカーへの経路を形成する経皮的アクセス装置の内腔内に脊椎固定要素を導入するステップであって、前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎アンカーの最大幅と実質的に同じまたはそれ以下の外径を有する、前記ステップと、
前記脊椎固定要素を、前記経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行な第1の長手方向に前記内腔内を先端側に前進させるステップと、
前記脊椎固定要素を操作して、前記患者の脊柱に対して実質的に平行な第2の方向にするステップと、
前記脊椎固定要素を1または複数の前記脊椎アンカーに対して所定の位置に配置するステップと、
を含む、方法。
(19)実施態様(18)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎固定要素が前記第1の方向から前記第2の方向に移行できるようにするために、前記経皮的アクセス装置の先端部に近接して形成された少なくとも1つの側壁開口部を有する細長い概ね円筒状の部材を含む、方法。
(20)実施態様(19)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、その先端部に近接して形成された、相反する側壁開口部を含む、方法。
【0052】
(21)実施態様(19)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置の前記内腔の先端部分が、前記脊椎固定要素を前記第1の方向から前記第2の方向に案内するように構成されたガイド部材を含む、方法。
(22)実施態様(21)に記載の方法において、
前記ガイド部材が、前記経皮的アクセス装置の前記内腔内に形成された傾斜シェルフを含む、方法。
(23)実施態様(18)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎アンカーに螺合している、方法。
(24)実施態様(18)に記載の方法において、
前記脊椎アンカーが脊椎スクリューを含み、前記脊椎固定要素が脊椎ロッドを含む、方法。
(25)実施態様(18)に記載の方法において、
脊椎固定要素を経皮的アクセス装置内に導入する前記ステップの前に、この方法が、前記経皮的アクセス装置に結合した少なくとも1つの前記脊椎アンカーを患者の体内の椎骨内に移植するステップをさらに含む、方法。
【0053】
(26)実施態様(25)に記載の方法において、
前記脊椎アンカーおよび前記経皮的アクセス装置を、最小侵襲性経皮的切開部を介して移植する、方法。
(27)実施態様(18)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素を操作して第2の方向に延在させる前記ステップが、前記脊椎固定要素を操作するために操作装置を前記脊椎固定要素に結合させるステップを含む、方法。
(28)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
前記第1の経皮的切開部から第1の椎体上の1つ固定部位に至る第1の経路を作り出すステップと、
第1のアンカーを前記第1の経皮的切開部を介して配置するステップと、
前記第1のアンカーを前記第1の経路に沿って前記1つの固定部位まで前進させるステップと、
固定要素を、前記第1の経路を介して前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に配置するステップと、
を含む、方法。
(29)実施態様(28)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
前記第2の経皮的切開部から第2の椎体上の1つ固定部位に至る第2の経路を作り出すステップと、
第2のアンカーを前記第2の経皮的切開部を介して配置するステップと、
前記第2のアンカーを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記固定部位まで前進させるステップと、をさらに含む、方法。
(30)実施態様(29)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
【0054】
(31)実施態様(30)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
(32)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
前記第1の経皮的切開部から第1の椎体上の第1の固定部位まで実質的に均一な幅を有する第1の経路を作り出すステップと、
前記第1のアンカーを前記第1の経路に沿って前記第1の固定部位まで前進させるステップと、
固定要素を、前記第1の経路を介して前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に配置するステップと、
を含む、方法。
(33)実施態様(32)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
前記第2の経皮的切開部から第2の椎体上の第2の固定部位まで実質的に均一な幅を有する第2の経路を作り出すステップと、
前記第2のアンカーを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記第2の固定部位まで前進させるステップと、をさらに含む、方法。
(34)実施態様(33)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
(35)実施態様(34)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
【0055】
(36)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
前記第1の経皮的切開部から第1の椎体上の第1の固定部位に至る第1の経路を作り出すステップであって、前記第1の経路が、前記第1の経皮的切開部の幅と実質的に同じまたはそれ以下の幅を有する、前記ステップと、
第1のアンカーを前記第1の経路に沿って前記第1の固定部位まで前進させるステップと、
固定要素を、前記第1の経路を介して前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に配置するステップと、
を含む、方法。
(37)実施態様(36)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
前記第2の経皮的切開部から第2の椎体上の第2の固定部位に至る第2の経路を作り出すステップであって、前記第2の経路が、前記第2の経皮的切開部の幅と実質的に同じまたはそれ以下の幅を有する、前記ステップと、
第2のアンカーを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記第2の固定部位まで前進させるステップと、をさらに含む、方法。
(38)実施態様(37)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
(39)実施態様(38)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
(40)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
第1のアンカーを前記第1の経皮的切開部を介して第1の椎体まで送達するステップであって、前記第1のアンカーがアクセス装置に結合され、これにより前記第1の経皮的切開部から前記第1のアンカーに至る第1の経路が作り出されている、前記ステップと、
固定要素を前記第1の経路に沿って、前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に送達するステップと、
を含む、方法。
【0056】
(41)実施態様(40)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
第2のアンカーを前記第2の経皮的切開部を介して第2の椎体まで送達するステップであって、前記第2のアンカーがアクセス装置に結合され、これにより前記第2の経皮的切開部から前記第2のアンカーに至る第2の経路が作り出されている、前記ステップと、をさらに含む、方法。
(42)実施態様(41)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
(43)実施態様(42)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
(44)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
前記第1の経皮的切開部から第1の椎体上の第1の固定部位に至る第1の経路を作り出すステップであって、前記第1の経路が、第1のアンカーの幅と実質的に同じまたはそれ以下の幅を有する、前記ステップと、
前記第1のアンカーを前記第1の経路に沿って前記第1の固定部位まで前進させるステップと、
固定要素を、前記第1の経路を介して前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に配置するステップと、を含む、方法。
(45)実施態様(44)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
前記第2の経皮的切開部から第2の椎体上の第2の固定部位に至る第2の経路を作り出すステップであって、前記第2の経路が、第2のアンカーの幅と実質的に同じまたはそれ以下の幅を有する、前記ステップと、
前記第2のアンカーを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記第2の固定部位まで前進させるステップと、
をさらに含む、方法。
【0057】
(46)実施態様(45)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
(47)実施態様(46)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
(48)患者の体内に脊椎固定要素を導入するための経皮的アクセス装置において、
脊椎インプラントに結合させて経皮的に送達するように構成され、基端部および先端部を含む、細長い概ね円筒状のチューブと、
前記細長い概ね円筒状のチューブの前記基端部と前記先端部との間に延在する内腔であって、脊椎固定要素を、前記内腔の長軸に対して実質的に平行な第1の方向に前記内腔内を移送し、次いで前記脊椎固定要素を、前記第1の方向とは異なる第2の方向に脊椎固定部位まで送達するように構成されている、前記内腔と、
脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への移行を容易にするべく、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記先端部から前記細長い概ね円筒状のチューブの少なくとも一部分を貫通する少なくとも1つの側壁開口部と、
を含む、経皮的アクセス装置。
(49)実施態様(48)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記内腔が、患者の脊柱に対して実質的に平行な第2の方向に前記脊椎固定要素を送達するように構成されている、経皮的アクセス装置。
(50)実施態様(48)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブが、その先端部に近接して形成された相反する側壁開口部を含む、経皮的アクセス装置。
【0058】
(51)実施態様(48)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブの前記内腔が、その内腔内に配置される脊椎固定要素を前記第1の方向から前記第2の方向に案内するように構成されたガイド部材を含む、経皮的アクセス装置。
(52)実施態様(51)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記ガイド部材が、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記内腔内に形成された傾斜シェルフを含む、経皮的アクセス装置。
(53)実施態様(52)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記傾斜シェルフが、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記先端部のすぐ近位側に形成されている、経皮的アクセス装置。
(54)実施態様(52)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記傾斜シェルフが、前記細長い概ね円筒状のチューブ内に形成された側壁開口部の実質的に反対側に位置し、前記細長い概ね円筒状のチューブの先端部から基端側に延びている、経皮的アクセス装置。
(55)実施態様(48)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブの先端部が、脊椎アンカーに取り外し可能に結合するように構成されている、経皮的アクセス装置。
【0059】
(56)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者の脊柱の椎骨に近接した組織を通る切開部を形成するステップと、
筋平面(muscle plane)を確認するステップと、
器具の実質的に平面の、尖っていない先端部を前記切開部内に挿入し、その尖っていない先端部を前記切開部と前記椎骨との間に延在する前記筋平面に沿って操作して筋肉を分離するステップと、を含む、方法。
(57)実施態様(56)に記載の方法において、
胸最長筋と多裂筋を分離する、方法。
(58)実施態様(56)に記載の方法において、
前記切開部が、最小侵襲性経皮的切開部である、方法。
(59)実施態様(56)に記載の方法において、
ガイドワイヤを、前記器具内を貫通する内腔内に挿入するステップをさらに含む、方法。
(60)実施態様(59)に記載の方法において、
前記ガイドワイヤが前記椎骨内に延在する、方法。
【0060】
(61)実施態様(59)に記載の方法において、
前記ガイドワイヤが前記切開部と前記椎骨との間に延在するように前記器具を前記ガイドワイヤから取り外すステップをさらに含む、方法。
(62)実施態様(61)に記載の方法において、
脊椎アンカーを前記ガイドワイヤに沿って送達し、前記脊椎アンカーを前記椎骨内に移植するステップをさらに含む、方法。
(63)実施態様(61)に記載の方法において、
複数の拡張器を前記ガイドワイヤ上に配置して、前記ガイドワイヤの周囲組織を拡張させるステップをさらに含む、方法。
(64)実施態様(63)に記載の方法において、
前記複数の拡張器上にカニューレを配置して前記拡張器を取り外すステップをさらに含む、方法。
(65)実施態様(64)に記載の方法において、
脊椎アンカーを、前記カニューレ内を送達するステップをさらに含む、方法。
【0061】
(66)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の切開部を作るステップと、
前記第1の切開部を介して器具の尖っていない先端部を挿入し、その尖っていない先端部を操作して、前記第1の切開部から筋平面の間を通って第1の椎体上の第1の部位に至る第1の経路を作り出すステップと、
ガイドワイヤを、前記器具内を前進させて、そのガイドワイヤの先端部を前記第1の部位の近傍に配置するステップと、を含む、方法。
(67)実施態様(66)に記載の方法において、
前記器具を取り外し、第1のインプラントを前記ガイドワイヤに沿って前記第1の椎体上の前記第1の部位まで前進させるステップをさらに含む、方法。
(68)実施態様(67)に記載の方法において、
固定要素を、前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に前記第1の経路内に配置し、前記固定要素の一部を前記第1のインプラントに結合させるステップをさらに含む、方法。
(69)実施態様(66)に記載の方法において、
患者に第2の切開部を作るステップと、
前記第2の切開部を介して器具の尖っていない先端部を挿入し、その尖っていない先端部を操作して、前記第2の切開部から筋平面の間を通って第2の椎体上の第2の部位に至る第2の経路を作り出すステップと、
ガイドワイヤを、前記器具内を前進させて、そのガイドワイヤの先端部を前記第2の部位の近傍に配置するステップと、をさらに含む、方法。
(70)実施態様(69)に記載の方法において、
前記器具を取り外し、第2のインプラントを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記第2の部位まで前進させるステップをさらに含む、方法。
【0062】
(71)実施態様(70)に記載の方法において、
固定要素を前記第1の経路内に配置し、前記固定要素の一部を前記第1のインプラントおよび前記第2のインプラントに結合させるステップをさらに含む、方法。
(72)実施態様(71)に記載の方法において、
固定要素を、前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に前記第1の経路を介して挿入するステップをさらに含む、方法。
(73)筋肉を分離するための分離器具において、
経皮的に送達するように構成され、基端ハンドルおよび先端部を含む、硬質の細長いチューブと、
前記チューブの前記基端部と前記先端部との間に延在し、ガイドワイヤを受容できる大きさの内腔と、
前記器具の先端部に形成された、尖っていない部材であって、筋肉に対する外傷を最小限に抑えながら筋平面に沿って筋肉を分離するように構成されている、前記尖っていない部材と、
を含む、分離器具。
(74)実施態様(73)に記載の分離器具において、
前記尖っていない部材が、概ね平面の矩形部材を含む、分離器具。
(75)実施態様(74)に記載の分離器具において、
前記尖っていない部材が、相反する実質的に平面の表面を含み、前記表面間の幅が、先端方向に減少している、分離器具。
【0063】
(76)医療装置キットにおいて、
先端部に尖っていない部材が形成されている組織分離器具であって、筋肉に対する外傷を最小限に抑えながら筋平面に沿って筋肉を分離するように構成され、内部を貫通する内腔を含む、組織分離器具と、
前記組織分離器具の前記内腔を通って配置されるように構成された少なくとも1本のガイドワイヤと、
椎体内に移植するように構成された少なくとも1つの脊椎アンカーと、
を含むキット。
(77)実施態様(76)に記載のキットにおいて、
脊椎アンカーを椎体に送達するために、組織表面から前記椎体に至る経路を備えるように構成された少なくとも1つのカニューレをさらに含む、キット。
(78)実施態様(77)に記載のキットにおいて、
少なくとも2つの前記脊椎アンカーに結合してこれらの脊椎アンカーの間に延在するように構成された少なくとも1つの脊椎固定要素をさらに含む、キット。
(79)実施態様(76)に記載のキットにおいて、
前記少なくとも1つの脊椎アンカーが、ロッド受容頭部が形成されている骨スクリューを含む、キット。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に従ったアンカーに結合された経皮的アクセス装置の斜視図である。
【図2】図1に示されている経皮的アクセス装置の長軸に沿って切り取った断面図である。
【図3A】内部にガイド部材が形成された経皮的アクセス装置の別の実施形態の部分破断図である。
【図3B】周りにスリーブが配置され、脊椎アンカーが結合された、図3Aに示されている経皮的アクセス装置の部分破断図である。
【図4A】患者の背中の胸腰筋膜に形成された3つの経皮的切開部の後面図である。
【図4B】患者の背中の胸腰筋膜に形成された6つの経皮的切開部の後面図である。
【図5A】患者の椎骨を取り囲んでいる筋肉の鈍的切開を示す端面図である。
【図5B】椎骨にアクセスできるように切開された筋平面に沿って指で筋肉を分離す技術を示す、図5Aに示されている椎骨の端面図である。
【図5C】椎骨にアクセスできるように切開された筋平面に沿って器具で筋肉を分離する技術の別の実施形態を示す、図5Aに示されている椎骨の端面図である。
【図5D】切開された筋平面に沿ってさらに挿入された器具を示す、図5Cに示されている椎骨の端面図である。
【図5E】器具を介したガイドワイヤの患者の椎骨内への配置を示す、図5Cに示されている椎骨の端面図である。
【図5F】図5C‐図5Eに示されている器具の側面図である。
【図5G】線5G‐5Gに沿って切り取った図5Fに示されている器具の断面図である。
【図6】切開部を介したガイドワイヤの患者の椎骨内への配置を示す、図4に示されている椎骨の端面図である。
【図7】組織および筋肉を拡張するためにガイドワイヤ上にオブチュレータおよび複数の拡張器が配置された、図6に示されている椎骨の端面図である。
【図8】患者の組織表面に形成された経皮的切開部を介して椎骨内に移植された、経皮的アクセス装置が結合されている第1の脊椎アンカーと、近接する椎骨内に移植された、結合されている経皮的アクセス装置内にドライバー器具が延在する第2の脊椎アンカーの斜視図である。
【図9】患者の脊椎の近接した椎骨内に配置された脊椎アンカーに取り付けられた2つの経皮的アクセス装置の斜視図である。
【図10】図の9部分破断図に示されている経皮的アクセス装置の1つを介して脊椎固定要素を導入する方法を例示する図である。
【図11】プッシャー装置により脊椎アンカーに向かって前進させられた、図10に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図12】近接した脊椎アンカーの受容頭部内に完全に配置された後の、図11に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図13】図3Aおよび図3Bの部分破断図に示されている経皮的アクセス装置を介して脊椎固定要素を導入する方法を例示する図である。
【図14】プッシャー装置によって脊椎アンカーに向かって前進させられた、図13に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図15】近接した脊椎アンカーの受容頭部に向かってさらに前進させられた、図14に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図16】近接した脊椎アンカーの受容頭部内に配置されようとしている、図15に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図17】図12に示されている経皮的アクセス装置の周りに配置され、互いに向かって経皮的装置を押圧している押圧器具と、脊椎固定要素を脊椎アンカーに固定するべく経皮的アクセス装置の1つを介して取り付けられている閉止機構の斜視図である。
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本願は、脊椎外科手術に使用する器具に関し、詳細には、患者の脊椎内の1または複数の脊椎固定部位に脊椎固定要素を導入するための最小侵襲性の方法および装置に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
様々な既知の理由から、脊椎固定装置が、近接する椎体同士を所望の関係に整合および/または固定するために整形外科手術に用いられている。このような装置は通常、比較的硬質の固定ロッドなどの脊椎固定要素を含む。脊椎固定要素は、フック、ボルト、ワイヤ、またはネジなどの様々な固定装置に取り付けて近接する椎骨に結合する。脊椎固定要素は、目的の移植部位の性質に従ってデザインされる所定の外形を有しており、一旦取り付けられると、この器具は、所望に治癒するか、脊椎が融合するまで、または所定の長期間に亘って所望の空間的関係に椎骨を保持し続ける。
【0003】
脊椎固定要素は、椎骨の特定の部分に固定することができる。各椎骨は形状および大きさが様々であるため、椎骨の特定の部分への係合を容易にするべく様々な固定装置が開発されてきた。例えば、椎弓根スクリュー組立体は、椎弓根骨に係合する形状および大きさに構成されている。このようなスクリューは通常、椎骨内にねじ込まれるように構成されたネジ付きシャンク、および通常はU型スロットの形態であるロッド受容要素が形成された頭部を有する。止めネジ、プラグ、または同様のタイプの締付け機構を用いて、例えば、脊椎ロッドなどの固定要素を椎弓根スクリューのロッド受容頭部内に固定することができる。使用する際は、各スクリューのシャンク部分を椎骨内にねじ込み、適切に配置されたら、ロッドを各スクリューのロッド受容部材内に挿入し、キャップまたは他の締付け機構を締めてロッドを所定の位置に固定し、各スクリューと固定ロッドをしっかりと相互に接続する。
【0004】
近年、脊椎外科手術の流れは、最小侵襲性装置および脊椎固定装置を移植する方法に向かっている。このような方法は、例えば、ジャスティス(Justis)らによる米国特許第6,530,929号に開示されている。この特許文献の開示によれば、2つの経皮的アクセス装置を利用して、脊椎スクリューなどの固定装置を近接する椎骨内に移植する。次いで、脊椎ロッドを、経皮的アクセス部位から離れた第3の切開部内に導入し、ロッドを各脊椎スクリューのロッド係合部分内に向かって横方向に移動させる。次いで、経皮的アクセス装置を用いて閉止機構をロッド係合頭部に取り付けて、ロッドをロッド係合頭部内に固定する。この方法は、従来の侵襲性技術に比べて有利であるが、ロッドを横方向に導入するため、周囲の組織および筋肉に著しい損傷を与えうる。さらに、3つの別個のアクセス部位を使用するため、外科手術の時間が延び、患者の外傷が大きくなり、回復に時間がかかる。
【0005】
したがって、患者の脊椎内に脊椎固定要素を導入するための改善された最小侵襲性装置および方法の必要性が残っている。
【0006】
〔発明の概要〕
患者の脊柱の1または複数の脊椎固定部位に脊椎固定要素を送達するための最小侵襲性の方法および装置をここに開示する。一実施形態では、最小侵襲性の外科手術方法を提供する。この方法は、患者の脊柱の椎骨に近接した組織を通る切開部を形成するステップと、器具の尖っていない先端部を切開部内に挿入し、その器具を切開部と椎骨との間に延在する筋平面に沿って操作して筋肉を分離するステップと、を含む。尖っていない先端部は、実質的に平面の構造を有するか、または実質的に平面である少なくとも1つの表面を含むのが好ましい。例示的な実施形態では、器具の尖っていない先端部は、胸最長筋と多裂筋を分離するように構成されている。この方法はまた、器具を貫通する内腔を介してガイドワイヤを挿入するステップを含むこともできる。ガイドワイヤは、椎骨内に延在するように配置するのが好ましい。適切に配置されたら、器具を取り外し、ガイドワイヤに沿って椎骨に送達されるのが好ましい脊椎アンカーなどの脊椎インプラントを受容する位置にガイドワイヤを残置することができる。上記した方法を繰り返して、1または複数の追加のインプラントを近接した椎骨に送達することができる。次いで、脊椎ロッドなどの脊椎固定要素を、椎体に至る経路の1つに沿って送達し、近接した椎骨内に移植されたインプラントに結合することができる。例示的な実施形態では、固定要素を、第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に経路の1つを介して挿入することができる。ある例示的な実施形態では、脊椎固定要素を、組織表面から椎骨の1つに至る経路に沿って延在するカニューレを介して送達することができる。
【0007】
別の例示的な実施形態では、脊椎外科手術に使用するための医療装置キットが、先端部に尖っていない部材が形成された組織分離器具を含むことができる。この尖っていない部材は、筋肉に損傷を与えずに筋平面に沿って筋肉を分離するように構成されている。例示的な組織分離器具は、内部を貫通する内腔を含むことができる。このキットは、組織分離器具の内腔内に配置するように構成された少なくとも1本のガイドワイヤ、および椎体に移植するように構成された少なくとも1つの脊椎アンカーを含むこともできる。このキットはまた、脊椎アンカーを椎体に送達するための組織表面から椎体に至る経路を備えるように構成された少なくとも1つのカニューレ、および/または少なくとも2つの脊椎アンカーに結合してこれらの間に延在するように構成された少なくとも1つの脊椎固定要素を含むこともできる。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態では、経皮的アクセス装置が結合された脊椎アンカーを、椎体に経皮的に送達する。この経皮的アクセス装置は、内部を貫通する内腔を備え、長軸を画定している。次いで、脊椎固定要素を、この脊椎固定要素が経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行である第1の長手方向に、経皮的アクセス装置の内腔内を前進させる。次いで、脊椎固定要素を操作して、脊椎固定要素を脊椎アンカーに対して配置するべく、脊椎固定要素が第1の方向に対して所定の角度を成すように第2の方向に延在させる。この方法はまた、第2の経皮的アクセス装置が結合された第2の脊椎アンカーを経皮的に椎体まで送達するステップも含むことができる。したがって、脊椎固定要素は、第2の方向に第1のアンカーと第2のアンカーとの間に延在するのが好ましい。
【0009】
例示的な実施形態では、経皮的アクセス装置は、経皮的に送達するように構成され、かつ脊椎アンカーに結合するように構成された細長い概ね円筒状のチューブの形態である。このチューブは、基端部、先端部、およびこれらの端部間に延在する内腔を有する。この内腔は、経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行な第1の長手方向に脊椎固定要素をこの内腔内を移送することができ、かつ第1の方向に対して所定の角度を成し、好ましくは患者の脊柱に対して実質的に平行である第2の方向に脊椎固定要素を脊椎固定部位まで送達できるように構成されている。経皮的アクセス装置はまた、脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への移行を容易にするべく、細長い概ね円筒状のチューブの先端部からその細長い概ね円筒状のチューブの少なくとも一部を貫通する少なくとも1つの側壁開口部を含むこともできる。一実施形態では、この装置は、その先端部に近接して形成された、相反する側壁開口部を含む。この装置はまた、オプションまたは別法として、内腔内に配置される脊椎固定要素を第1の方向から第2の方向に案内するように構成された、内腔内に形成されたガイド部材を含むこともできる。ガイド部材は、例えば、経皮的アクセス装置の内腔内に形成された傾斜シェルフを含むことができる。
【0010】
本発明の別の実施形態では、脊椎固定要素を患者の脊柱上の脊椎固定部位に送達するための最小侵襲性の方法を提供する。この方法は、経皮的アクセス装置の内腔内に脊椎固定要素を導入するステップを含む。この内腔は、患者の椎骨に配置される脊椎アンカーへの経路を形成するのが好ましい。例示的な実施形態では、経皮的アクセス装置は、取り付ける脊椎アンカーの最大幅と実質的に同じまたはそれ以下の外径を有する。当業者であれば、経皮的アクセス装置の外径を、オプションとして、取り付ける脊椎アンカーの外径よりも大きくできることを理解できよう。この方法は、脊椎固定要素を、経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行な第1の長手方向に内腔内を先端側に前進させるステップと、脊椎固定要素を操作して、患者の脊柱に対して実質的に平行な第2の方向にするステップと、をさらに含む。次いで、脊椎固定要素を1または複数の脊椎アンカーに対して配置することができる。
【0011】
本発明の別の態様では、最小侵襲性の外科手術方法を提供する。この方法は、患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、この第1の経皮的切開部から第1の椎体上の固定部位に至る第1の経路を作り出すステップと、を含む。この経路は、複数の固定部位ではなく唯1つの固定部位に至る最小侵襲性の経路であるのが好ましい。これは、例えば、第1の経皮的切開部から第1の椎体上の第1の固定部位まで実質的に均一な幅を有する経皮的アクセス装置によって達成することができる。例示的な実施形態では、第1の経路は、第1の経皮的切開部の幅に実質的に等しいまたはそれ以下の幅、および/または第1のアンカーの幅に実質的に等しいまたはそれ以下の幅を有する。この方法はまた、第1の経皮的切開部内に第1のアンカーを配置するステップと、この第1のアンカーを第1の経路に沿って1つの固定部位まで前進させるステップと、固定要素を、第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に第1の経路を介して配置するステップと、をさらに含む。
【0012】
さらなる実施形態では、患者に第2の経皮的切開部を作り、この第2の経皮的切開部から第2の椎体上の第2の固定部位に至る第2の最小侵襲性の経路を作り出すことができる。次いで、第2のアンカーを、第2の経路に沿って第2の椎体上の第2の固定部位まで前進させる。
【0013】
脊椎固定要素を1または複数の脊椎固定部位に導入するための別の方法および装置も提供する。
【0014】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、患者の脊柱の手術部位に脊椎固定要素を導入するための最小侵襲性の方法および装置を提供する。通常は、この方法では、最小侵襲性経皮的切開部から脊椎固定部に至る最小侵襲性経路に沿って長手方向に脊椎固定要素を前進させる。例示的な実施形態では、経皮的アクセス装置を用いて、脊椎固定要素を受容するため、および固定要素を脊椎固定部位まで送るために最小侵襲性経路を作り出す。脊椎固定要素は、経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行になるように、経皮的アクセス装置の内腔内に長手方向に挿入するのが好ましい。脊椎固定要素が経路の先端部に接近するか、または到達したら、脊椎固定要素を操作して、経皮的アクセス装置に対して所望の角度、好ましくは脊椎固定要素が患者の脊柱に対して実質的に平行になるように配置することができる。次いで、脊椎固定要素は、オプションとして位置合わせして、脊椎固定要素を1または複数の脊椎アンカーに対して直接または間接的に結合することができる。次いで、必要に応じて、締付け要素または他の閉止機構を脊椎固定部位に導入して、脊椎固定要素をアンカーに結合させて固定することができる。
【0015】
本発明の方法および装置は、1または複数の最小侵襲性経皮的切開部を用いて脊柱へのアクセスを達成できるという点で特に有利である。このような切開部により、介在する組織の損傷が最小限になり、回復時間が短縮され、術後の痛みが軽減される。本発明はまた、脊椎固定要素およびアンカーを最小侵襲性経路に沿って送ることで手術部位に大きな操作領域を作らなくても済む技術を有利に提供する。
【0016】
本発明の方法を実施するために様々な装置を用いることができるが、図1および図2に、脊椎アンカー50(図1)に結合して脊椎インプラント組立体10を形成する経皮的アクセス装置12の例示的な実施形態を例示する。図示されているように、装置12は、概ね細長い円筒状のチューブの形態であって、内部に内腔12cが形成されており、基端部12aと先端部12bとの間に延在する長軸Lを画定している。アクセス装置12の大きさは目的に合わせて様々にすることができるが、アクセス装置12の基端部12aを患者の体外に配置でき、かつアクセス装置12の先端部12bを、患者の脊椎の椎骨内に配置されるアンカー50などの脊椎アンカーに結合または近接させることができる長さlを有するべきである。アクセス装置12はまた、脊椎固定要素を送達するための最小侵襲性経路を備えるように構成されるのが好ましい。具体的には、経皮的アクセス装置12は、挿入する装置の直径すなわち幅よりも通常は長さが短い比較的小さい切開部である最小侵襲性経皮的切開部を介して移植できるようにも構成されるべきである。
【0017】
例示的な実施形態では、装置12は、好ましくは長手方向に脊椎固定要素を導入するのに十分な内径diを有する。内径diは、オプションとして、閉止機構を取り付けて脊椎アンカーに脊椎固定要素を固定するために駆動機構を内部に導入できるように構成することができる。アクセス装置12の外径doは、様々にすることができるが、脊椎アンカーの外径drと同じにする、小さくする、または大きくすることができる。例示されている実施形態では、アクセス装置12は、図1に例示されているように脊椎スクリュー50の受容頭部52である脊椎アンカーの外径drと実質的に同じ外径doを有する。これは、切開部の大きさを必要以上に大きくしなくても済むという点で特に有利である。アクセス装置12の外径doとアンカー50の外径drを一致させることにより、アクセス装置12および/またはアンカー50をカニューレ内に導入することができる。アクセス装置12がアンカー50に結合した場合、外径doとdrが一致しているため、これらの周りにスリーブまたは他の装置をスライド可能に配置して、アクセス装置12とアンカー50が外れるのを防止することもできる。別の例示的な実施形態では、アクセス装置12の外径doは、脊椎アンカーの外径drよりもわずかに大きくすることができる。脊椎アンカーの受容頭部が約13mmの外径drを有する限定目的ではない一例では、アクセス装置12は、約15mmの外径doを有するのが好ましい。
【0018】
経皮的アクセス装置12には、少なくとも1つの側壁開口部すなわちスロット14が形成されるのが好ましく、このアクセス装置12の先端部12bから基端方向に延びた2つの相反する側壁開口部(唯1つの開口部14が示されている)が形成されるのがより好ましい。開口部14により、脊椎固定要素を第1の長手方向にアクセス装置12内に導入することができる。この第1の長手方向では、脊椎固定要素がアクセス装置12の長軸Lに対して実質的に平行となる。次いで、脊椎固定要素が、アクセス装置12の長軸Lに対して実質的に横断する方向、例えば患者の脊椎に対して実質的に平行な方向に延在するように、脊椎固定要素を操作して、第1の方向に対して所定の角度に延在させることができる。脊椎固定要素の長さLをアクセス装置12の内径diよりも大きくしなければならないため、開口部14により、脊椎固定要素がこの開口部を通過する際に第1の長手方向から第2の方向に移行することができる。当業者であれば、長軸Lに対する脊椎固定要素の厳密な位置が、脊椎固定要素の構造によって様々であることをもちろん理解できるであろう。
【0019】
各開口部14の形状および大きさは様々にすることができるが、開口部14は、脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への移動が可能となるように構成すべきである。例示的な実施形態では、開口部14は、経皮的アクセス装置12の長さの約半分またはそれ未満に亘って延在する。各スロット14の形状は、概ね細長くすることができ、脊椎固定要素の直径を十分に受容できる幅wを有するべきである。当業者であれば、経皮的アクセス装置12が、脊椎固定要素が第1の方向から第2の方向に十分に移動できる任意の数のあらゆる形状の側壁開口部を含むことができることを理解できよう。
【0020】
本発明の別の実施形態では、図3A‐図3Bに示されているように、経皮的アクセス装置112は、オプションとして、脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への案内を助けるために内腔112cの先端部112b内に形成されたガイド部材120を含むこともできる。ガイド部材120は、様々な構造にすることができるが、脊椎固定要素を第1の方向から、アクセス装置112に取り付けられたまたは近接したアンカー50に向かって、またはオプションとして、近接する椎骨内に移植されたアンカーに向かって案内できる構造にすべきである。例示的な実施形態では、図示されているように、ガイド部材120は、アクセス装置112の内腔112c内に形成された傾斜シェルフの形態であり、好ましくは、アクセス装置112に形成された1つの側壁スロット114の反対側に配置される。傾斜シェルフ120は、使用する固定要素の種類および/またはアクセス装置の形状によって様々な形状および大きさにすることができる。使用する際は、脊椎ロッドなどの脊椎固定要素の前縁がシェルフ120に接触すると、シェルフ120によって脊椎固定要素が第2の方向に案内され始め、これにより脊椎固定要素が、装置112の長軸Lに対して実質的に横断する方向、好ましくは患者の脊柱に対して実質的に平行な方向に延在するようになる。次いで、脊椎固定要素を、詳細を後述するように、1または複数の脊椎アンカーに対して位置合わせするように操作することができる。
【0021】
図1を再び参照すると、経皮的アクセス装置12は、使用する際に、脊椎アンカー50に取り付けできるように構成することができる。したがって、経皮的アクセス装置12の先端部12bは、アンカー50に結合する1または複数の結合要素18をその先端部12b上またはその内部に備えることができる。好適な結合要素の例として、例えば、ネジ、ツイスト・ロック結合、スナップ式結合、または当分野で周知の任意の他の技術を挙げることができる。例示的な実施形態では、結合要素は、アクセス装置12の先端部12bの向かい合う内面に形成されている。好ましくは経皮的アクセス装置12に形成された側壁開口部14に一致する側壁開口部(不図示)を有するスリーブ100(図3Bに部分的に図示)または他の装置を、経皮的アクセス装置12上に配置し、オプションとしてインプラント50上にも配置し、使用の際にアクセス装置12がインプラント50から外れるのを防止することもできる。経皮的アクセス装置12をアンカーに結合させるための例示的な技術が、本願と同時出願の特許出願(名称:「経皮的アクセス装置および骨アンカー組立体(Percutaneous Access Devices and Bone Anchor Assemblies)」)に開示されている。当業者であれば、経皮的アクセス装置をアンカーに取り外し可能に結合させるために用いることができる様々な他の技術を理解できよう。
【0022】
参照目的で、図1は、本発明の方法および装置に使用する例示的な脊椎アンカーを例示している。当業者であれば、例えば、脊椎スクリュー、フック、ボルト、およびワイヤを含む様々なアンカーを本発明の装置および方法に用いることができることを理解できよう。図1は、例えばネジ付きシャンク54である先端骨係合部分および好ましくは脊椎ロッド(不図示)である脊椎固定要素を受容するように構成された基端U型受容頭部52を含む脊椎スクリューを例示している。ネジ付きシャンク54は、受容頭部52に固着して単軸スクリューを形成することができるが、別法では、ネジ付きシャンク54は、受容頭部52に対してこのシャンク54が回動できるように受容頭部52の先端部に形成された開口部を介して回動可能に配置された、図示されている多軸スクリューとして構成することができる。様々な技術を用いて、頭部52をシャンク54に対して回動させることができる。
【0023】
図4A‐図17は、脊椎固定要素を移植するための最小侵襲性の方法を示している。この方法は、ここに開示する経皮的アクセス装置12および脊椎スクリュー50を用いて図示および説明するが、当業者であれば、この方法がこのような装置に使用が限定されるものではなく、当分野で周知の様々な他の装置を使用できることを理解できよう。さらに、唯2つのアクセス装置12および12’と唯2つのアンカー50および50’が図4‐図14に示されているが、本発明の方法は、任意の数のアクセス装置およびアンカーを用いて実施することができる。この方法はまた、ここに開示する方法の一部のステップのみを用いて、かつ/または当分野で周知の他の方法を用いて実施することもできる。
【0024】
この方法は、好ましくは、所望の移植部位に近接した位置にある組織を通る最小侵襲性経皮的切開部を形成して開始する。切開部の位置、形状、および大きさは、移植する脊椎アンカーの種類および個数によって異なるが、図4Aは、患者の背中の胸腰筋膜における3つの近接する椎骨の一側に形成された3つの正中線最小侵襲性経皮的切開部62a‐62cを例示しており、図4Bは、患者の背中の胸腰筋膜における3つの近接する椎骨の反対側に形成された3つのさらなる正中線最小侵襲性経皮的切開部62d‐62fを例示している。各切開部62a‐62fは、直径が約10mm〜20mmの突刺切開部であるが、処置によって様々に変更することができる。例示的な実施形態では、各切開部62a‐62fは、この切開部内に挿入されるアンカーおよび/または経皮的アクセス装置の最大直径と同じまたはそれ以下の直径を有する。
【0025】
必ずしも必要ではないであろうが、経皮的切開部62a‐62fが形成されたら、図5Aおよび図5Bに示されているように、オプションとして、尖っていない指の切開により、胸最長筋と多裂筋を分離し、横突起および上関節突起の小関節面および接合部を露出させる。
【0026】
図5C‐図5Eは、図5F‐図5Gに詳細に示されている尖っていない器具200を用いて胸最長筋と多裂筋を分離する別の例示的な技術を例示している。まず、図5F‐図5Gを参照すると、器具200は通常、基端部202aおよび先端部202bを有する硬質の細長いシャフト202を含む。シャフト202は、Kワイヤなどのガイドワイヤを受容するために基端部202aと先端部202bとの間に延在する内腔202cも含む。内腔202cは、この内腔202c内を送られるガイドワイヤを受容できる大きさにすることができる。基端部202aに、器具200を把持しやすいようにハンドル204を形成することができる。ハンドル204は、実質的にあらゆる形状および大きさを有することができる。例えば、図5F‐図5Gに示されているように、この例示的な実施形態のハンドル204は通常、細長い円筒状であって、この器具を把持しやすいようにリッジ204aが形成されている。
【0027】
器具200の先端部202bには、ブラント部材206が形成されている。ブラント部材206は、筋平面(muscle plane)に沿って筋肉を分離すると同時に分離される組織の損傷を最小限にする、例えば大きさおよび形状に構成することができる。ブラント部材206の形状は様々にすることができるが、例示的な実施形態では、図示されているように、ブラント部材206は、相反する前面206aおよび後面206bを備えた実質的に細長い矩形の形状である。前面206aと後面206bとの間の幅は、先端最大幅Wb2が基端最大幅Wb1よりも小さくなるように先端方向に先細すなわち減少させることができる。このような例示的な構造により、例えば、筋肉などの組織間にブラント部材206を挿入しやすく、組織を分離することができる。前面206aおよび後面206bの相反する側縁間に亘る幅Wsは、様々にすることができるが、例示的な実施形態では、図示されているように、前面206aおよび後面206bの長さに沿って一定である。
【0028】
図示していないが、器具200は、オプションとして、椎骨を準備するために細長いシャフト202内に配置された内側チューブを含むこともできる。具体的には、この内側チューブは、骨内を先端側に移動して椎骨内に窪みを作り出せるように、細長いシャフト202内にスライド可能に配置することができる。これによって、突き錐(awl)またはタップのために骨の下処理ができる。器具200は、オプションとして、ドリルガイドとしても機能することができる。具体的には、細長いシャフト202は、ドリルを受容してそのドリルを椎骨内に向かって案内するように構成された内径を有することができる。シャフト202は、ドリルの保護カニューレとしても機能し、器具200の周囲筋肉とドリルとが接触するのを防止する。当業者であれば、器具200が様々な他の構造を有することができ、様々な他の用途に適合しうることを理解できよう。
【0029】
ここで図5C‐図5Eを参照すると、使用中の例示的な器具200が示されている。図示されているように、上記したように経皮的切開部62a‐62fが形成されたら、分離器具200のブラント部材206を切開部62内に挿入することができる。切開部62は、胸最長筋と多裂筋との間の脂肪層の位置を確認できるように十分に深くすることができる。位置を確認できたら、器具200を操作して胸最長筋と多裂筋を分裂すなわち分離し、これにより横突起および上関節突起の小関節面および接合部を露出させることができる。図5Dに示されているように、器具200を椎骨60に近接して配置する、または接触して配置したら、例えばKワイヤ64などのガイドワイヤを器具200の内腔202c内に挿入して、図5Eに示されているように、Kワイヤ64の先端部を椎骨60またはその内部に配置することができる。Kワイヤ64の適切な配置を容易にするために、蛍光透視または他のイメージングを用いることができる。次いで、器具200を、Kワイヤ64から取り外し、詳細を後述するように、様々な他の装置のガイドとして機能するようにKワイヤ64を残置することができる。この手順を各切開部62a‐62fで繰り返して、複数の脊椎アンカーを容易に配置することができる。
【0030】
器具200を使用しない場合は、切開部を形成する前または後で、例えばKワイヤ64などのガイドワイヤを各脊椎アンカー移植部位に移植することができる。図6に示されているように、Kワイヤ64は、筋肉間を通り、脊椎アンカーの所望の入口点の椎骨内に至るのが好ましい。Kワイヤ64の適切な配置を容易にするために、蛍光透視を用いることができる。
【0031】
次いで、切開部の両端部を広げて、脊椎アンカーを各移植部位に送る経路を備えることができる。図7は、サイズが大きくなる複数の拡張器66bおよび66cが配置されたオブチュレータ66aを用いた切開部62の一端の拡張を例示している。拡張器66bおよび66cは、オブチュレータ66aおよびKワイヤ64の上を移動して、切開部62の周りの皮膚を本質的に伸長させ、固定部位への経路を拡張する。
【0032】
切開部62が適切な大きさまで拡張されたら、図8に示されているように、各固定部位にアンカーを送達することができる。この手順は通常、ドリル、タップ、突き錐、バー、およびプローブなどの1または複数の骨準備器具を用いた椎骨60の準備を含む。必ずしも必要ではないが、骨準備器具および/またはアンカーを挿入するために、1または複数のカニューレを用いて切開部62から固定部位に至る経路を備えることができる。例示的な実施形態では、比較的小さいカニューレを用いて骨準備器具を手術部位内に導入する。次いで、切開部62をさらに拡張し、小さいカニューレを、アンカーを受容するまたはアンカーに結合するように構成された大きいカニューレと交換することができる。
【0033】
椎骨60を準備したら、脊椎アンカーを各移植部位に移植することができる。アンカー50および50’を骨60および60’内に挿入した後にアクセス装置12および12’を各アンカー50および50’に結合させることができるが、アンカー50および50’を骨60および60’内に導入するためのドライバー器具の経路を備えるべく、アンカー50および50’を骨60および60’内に挿入する前に各経皮的アクセス装置12および12’をアンカー50および50’に取り付けるのがより好ましい。図8は、第1の椎骨60内に移植され、アクセス装置12が取り付けられたアンカー50を例示している。図示していないが、アンカー50は、装置50および12を移植部位に案内するために、Kワイヤ64がアンカー50およびアクセス装置12内を貫通できるようにカニューレ状であるのが好ましい。図8は、アクセス装置12’が取り付けられた第2のアンカー50’をさらに例示している。図示されているように、スクリュー50’は、第1の椎骨60に近接した第2の椎骨60’内に移植されようとしている。スクリュー50’が椎骨60’に近接して配置されたら、ドライバー器具90をアクセス装置12’内に配置してスクリュー50’の受容頭部52’に結合し、スクリュー50’を椎骨60’内にねじ込むことができる。
【0034】
別の実施形態では、装置12、12’、50、および50’を移植する前または後で、スリーブを各アクセス装置12および12’の上に配置して、装置12および12’が、取り付けられているアンカー50および50’から外れるのを防止することができる。図3Bに部分的に例示されているスリーブ100は、各アクセス装置12および12’と実質的に同じ構造を有するカニューレの形態にするのが好ましい。アクセス装置12および12’が、各スクリュー頭部52および52’の外面に形成された対応する戻り止め(detent)に係合するピン部材を使用する場合、ピン部材が戻り止めから外れるのをスリーブが防止するため、スリーブを使用するのが特に望ましい。スリーブは、オプションとして、アクセス装置としても機能することができ、アクセス装置12および12’をアンカー50および50’から取り外して除去することができる。
【0035】
アンカー50および50’を移植したら、脊椎固定要素70をその固定部位に送達する。この送達は、アンカー50および50’に取り付けられた経皮的アクセス装置12および12’の一方を介して、またはアンカー50および50’への経路を供する他のある種の経皮的アクセス装置を介して、脊椎固定要素70を導入して達成することができる。図9に示されているように、例えば脊椎ロッド70などの脊椎固定要素は、アクセス装置12の長軸Lに対して実質的に平行になるように、アクセス装置12内に第1の長手方向に導入する。固定要素が湾曲した構造または他の構造を有する場合、この固定要素は、経皮的アクセス装置を介して長手方向に挿入されると「実質的に平行な」方向になることを理解されたい。
【0036】
次いで、図10および図11に示されているように、脊椎固定要素70を経皮的アクセス装置12の先端部12bに向かって先端側に移動させる。この脊椎固定要素70の移動は、操作装置80を用いて行うことができる。操作装置80は様々な構造にすることができるが、固定要素70を制御下で移動させることができるようにすべきである。当業者であれば、様々な他の技術を用いて、経皮的アクセス装置12を介して脊椎固定要素70を案内し、1または複数のアンカー50および50’に対して脊椎固定要素70を配置することができることを理解できよう。さらに、脊椎固定要素70は、経皮的アクセス装置を介して挿入しやすい様々な構造にすることができる。限定目的ではない一例では、本願と同時出願の特許出願(名称:「可撓性脊椎固定要素(Flexible Spinal Fixation Elements)」)に、経皮的アクセス装置内を通過する際に曲がることができ、これにより第1の方向から第2の方向に移行できる脊椎固定要素が開示されている。この特許文献には、ガイドワイヤまたはケーブルに沿って脊椎固定要素を送達し、操作装置を不要にした技術も開示されている。機械式および可撓性の固定要素に加えて、本発明に使用するのに適した他の脊椎固定要素には、例えば、参照することを以って開示内容の全てを本明細書の一部とする、テイテルバウム(Teitelbaum)らによる米国特許出願第2002/0068975号(名称:「架橋結合を有する整形可能な整形外科用固定システム(Formable Orthopedic Fixation System with Cross Linking)」)、シャオリアン(Shaolian)らによる同第2002/0082600号(名称:「整形可能な整形外科用固定システム(Formable Orthopedic Fixation System)」)、およびシャオリアン(Shaolian)らによる同第2002/0198526号(名称:「熱加速での位置固定システムにおける成形(Formed In Place Fixation System With Thermal Acceleration)」)に開示されているような拡張固定要素が含まれる。
【0037】
ここで図11および図12を参照すると、脊椎固定要素70がアクセス装置12の先端部12bに近づいたら、脊椎固定要素70を操作して、好ましくは患者の脊柱に対して実質的に平行であり、かつ/または第1の方向に対して横断する、第1の方向とは異なる第2の方向に脊椎固定要素70を変更することができる。第2の方向における固定要素70の角度は、移植する固定装置の種類およびアクセス装置12の向きによって様々に変化し、アクセス装置12の方向も、アクセス装置12が患者の脊柱に対して複数の角度で配置できるため外科手術中に様々に変化しうることを理解されたい。
【0038】
脊椎固定要素70の第1の方向から第2の方向への移行の際は、脊椎固定要素70の前端が皮下に配置されるべきである。アクセス装置12が複数のスロットまたは開口部(1つの開口部14のみを図示)を含む場合、脊椎固定要素70が回動の際に開口部14の内部を貫通できるため、開口部14を用いることにより、脊椎固定装置70の第2の方向への移動を容易にすることができる。これは、必ずではないが、開口部14の長さ、脊椎固定要素70の長さ、および/または脊椎固定要素70の構造に依存する。図11および図12に示されているように、脊椎固定要素70の前端70aのみが、開口部14の1つを介して経皮的アクセス装置12から延出している。
【0039】
図12に示されているように、脊椎固定要素70が1または複数の脊椎アンカーに対して配置されるまで脊椎固定要素70の操作を続ける。使用する脊椎アンカーの種類によって、直接または間接的に脊椎アンカーに結合するように固定要素を配置することができる。図12に示されているように、固定要素70は、近接する脊椎アンカー50および50’の受容頭部52および52’内に完全に配置されている。次いで、操作装置80を使用している場合は、操作装置80をアクセス装置12から取り出すことができる。
【0040】
別の実施形態では、図3Aおよび図3Bに示されている経皮的アクセス装置112を用いて、外科手術固定部位内への脊椎固定要素の導入を容易にすることができる。上記したように、アクセス装置112には、脊椎固定要素70を第1の方向から第2の方向に案内するためにガイド部材120が形成されている。これは、図13‐図16に例示されている。図示されているように、脊椎固定要素70がガイド部材120に接触するまで先端側に移動すると、ガイド部材120によって脊椎固定要素70が回動し、経皮的アクセス装置112の開口部114に向かって延びる。この結果、脊椎固定要素70は、第2の方向に案内され、これにより脊椎固定要素70が、近接する脊椎インプラント50および50’の受容頭部52および52’内またはその近傍に配置される。
【0041】
再び図12を参照されたい。脊椎固定要素70が近接する脊椎アンカー50および50’の受容頭部52および52’内に完全に受容されたら、プッシャーシャフト80を使用する場合は、プッシャーシャフト80を脊椎固定要素70から除去すなわち取り外し、脊椎固定要素70を受容頭部52および52’内に維持するために、閉止機構を一方または両方の受容頭部52および52’に取り付ける。しかしながら、例示的な実施形態では、閉止機構を各アンカー50および50’に取り付ける前に、押圧器具100を用いてアクセス装置12および12’を互いに向かって押圧する。しかしながら、押圧の前に閉止機構を部分的に取り付けることもできる。
【0042】
図17に、通常は対向したアーム302および304を含む例示的な押圧器具300が示されている。アーム302および304はそれぞれ、実質的に中間点で互いに対して旋回可能に結合されており、経皮的アクセス装置12および12’の周りに配置するように構成された先端部分302bおよび304b、および基端ハンドル部分302aおよび304aを含む。装置300は、アーム302と304の互いに対する制御下での運動を容易にするべく、アーム302と304との間に設けられた支点(不図示)も含むこともできる。使用の際は、各アーム302および304の先端部分302bおよび304bを、アクセス装置12および12’の周り、好ましくは各装置12および12’の先端部12および12b’の周り、および/または各アンカー50および50’の頭部52および52’の周りに配置する。次いで、基端ハンドル部分302aと304aを互いに向かって移動させて、好ましくは図17に示されているようにアクセス装置12と12’との間隔を維持したまま、アクセス装置12と12’を互いに向かって移動させる。
【0043】
適切に配置されたら、脊椎固定要素70を受容頭部52および52’内に維持するために、好ましくはアクセス装置12および12’を介して、閉止機構を各アンカー50および50’に取り付ける。様々な閉止機構および閉止機構を送達するための器具が当分野で知られており、これらを本発明に用いることができる。限定目的ではない一例として、図13は、止めネジなどの閉止機構を脊椎アンカー50の受容頭部52に取り付けて脊椎固定要素70を脊椎アンカー50に固定するために、アクセス装置12を介して配置されたドライバー器具90を例示している。このステップは、近接する脊椎アンカーに対して繰り返すことができる。
【0044】
当業者であれば、脊椎固定要素70を各アンカー50および50’に直接取り付ける必要はなく、例えばバンドクランプ、スロット付きコネクタ、またはオフセットコネクタを用いてアンカー50および50’に間接的に取り付けることができることを理解できよう。
【0045】
固定要素70がインプラント50および50’に対して固定されたら、アクセス装置12および12’をインプラント50および50’から取り外して、各アクセス装置12および12’を導入した患者の最小侵襲性経皮的切開部だけをそのまま残すことができる。これは、患者に対する外傷が減少し、手術部位の周りの筋肉に対する損傷が最小になるという点で特に有利である。
【0046】
上記したように、当業者であれば、任意のステップを用いて任意の順序でこの方法を実施できることを理解できよう。さらに、本発明のアクセス装置は、複数の脊椎固定要素を同時または連続的に送達するため、および/または例示またはここに記載していない様々な他の外科処置を実施するために用いることができる。
【0047】
当業者であれば、上記した実施形態から本発明のさらなる特徴および利点を理解できるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲を除き、特に図示および説明したものに限定されるものではない。ここで参照した全ての刊行物および参照文献は、参照することを以ってそれらの全てを本明細書の一部とする。
【0048】
〔実施の態様〕
(1)脊椎固定要素を脊椎固定部位に送達するための最小侵襲性の方法において、
脊椎アンカーが結合された経皮的アクセス装置を用いて前記脊椎アンカーを椎体に経皮的に送達するステップであって、前記経皮的アクセス装置が、その内部を貫通している内腔を備え、長軸を画定している、前記ステップと、
脊椎固定要素を、前記経皮的アクセス装置の前記長軸に対して実質的に平行な第1の方向に前記経皮的アクセス装置の前記内腔内を前進させるステップと、
前記脊椎固定要素を操作して、前記第1の方向に対して所定の角度を成す第2の方向に延在させて前記脊椎固定要素を前記脊椎アンカーに配置するステップと、
を含む、方法。
(2)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎アンカーおよび前記経皮的アクセス装置を、カニューレを介して前記椎体に経皮的に送達する、方法。
(3)実施態様(2)に記載の方法において、
前記カニューレを、最小侵襲性経皮的切開部を介して配置し、前記カニューレが前記脊椎固定部位への最小侵襲性経路を形成するようにする、方法。
(4)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素が、前記第2の方向において患者の脊柱に対して実質的に平行に延在する、方法。
(5)実施態様(1)に記載の方法において、
前記方法が、第2の脊椎アンカーが係合した第2の経皮的アクセス装置を用いて前記第2の脊椎アンカーを椎体に経皮的に送達するステップであって、前記脊椎固定要素が、前記第2の方向において、前記第1の脊椎アンカーと前記第2の脊椎アンカーとの間に延在する、前記ステップをさらに含む、方法。
【0049】
(6)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素を操作して前記経皮的アクセス装置の開口部から延出するようにするステップをさらに含む、方法。
(7)実施態様(1)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎固定要素が前記第1の方向から前記第2の方向に移行できるようにするために、前記経皮的アクセス装置の先端部に近接して形成された少なくとも1つの側壁開口部を有する細長い概ね円筒状の部材を含む、方法。
(8)実施態様(7)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、その先端部に近接して形成された相反する側壁開口部を含む、方法。
(9)実施態様(7)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置の前記内腔の先端部分が、前記脊椎固定要素を前記第1の方向から前記第2の方向に案内するように構成されたガイド部材を含む、方法。
(10)実施態様(9)に記載の方法において、
前記ガイド部材が、前記経皮的アクセス装置の前記内腔内に形成された傾斜シェルフを含む、方法。
【0050】
(11)実施態様(10)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置に1つの側壁開口部が形成されており、前記傾斜シェルフが、前記脊椎固定要素の前端を前記側壁開口部に向かって案内できるように、前記1つの側壁開口部の反対側に配置されている、方法。
(12)実施態様(1)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎アンカーに螺合している、方法。
(13)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素を操作して前記第2の方向に延在させる前記ステップが、前記脊椎固定要素を操作するために操作装置を用意して、この操作装置を前記脊椎固定要素に結合するステップを含む、方法。
(14)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素が脊椎ロッドである、方法。
(15)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素を1または複数の前記脊椎アンカーに固定するステップをさらに含む、方法。
【0051】
(16)実施態様(1)に記載の方法において、
前記脊椎アンカーが脊椎スクリューを含み、前記脊椎固定要素が脊椎ロッドを含む、方法。
(17)実施態様(1)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置の外径が、前記脊椎アンカーの外径と実質的に同じまたはそれ以上である、方法。
(18)脊椎固定要素を患者の脊柱の脊椎固定部位に送達するための最小侵襲性の方法において、
患者の椎骨に配置された脊椎アンカーへの経路を形成する経皮的アクセス装置の内腔内に脊椎固定要素を導入するステップであって、前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎アンカーの最大幅と実質的に同じまたはそれ以下の外径を有する、前記ステップと、
前記脊椎固定要素を、前記経皮的アクセス装置の長軸に対して実質的に平行な第1の長手方向に前記内腔内を先端側に前進させるステップと、
前記脊椎固定要素を操作して、前記患者の脊柱に対して実質的に平行な第2の方向にするステップと、
前記脊椎固定要素を1または複数の前記脊椎アンカーに対して所定の位置に配置するステップと、
を含む、方法。
(19)実施態様(18)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎固定要素が前記第1の方向から前記第2の方向に移行できるようにするために、前記経皮的アクセス装置の先端部に近接して形成された少なくとも1つの側壁開口部を有する細長い概ね円筒状の部材を含む、方法。
(20)実施態様(19)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、その先端部に近接して形成された、相反する側壁開口部を含む、方法。
【0052】
(21)実施態様(19)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置の前記内腔の先端部分が、前記脊椎固定要素を前記第1の方向から前記第2の方向に案内するように構成されたガイド部材を含む、方法。
(22)実施態様(21)に記載の方法において、
前記ガイド部材が、前記経皮的アクセス装置の前記内腔内に形成された傾斜シェルフを含む、方法。
(23)実施態様(18)に記載の方法において、
前記経皮的アクセス装置が、前記脊椎アンカーに螺合している、方法。
(24)実施態様(18)に記載の方法において、
前記脊椎アンカーが脊椎スクリューを含み、前記脊椎固定要素が脊椎ロッドを含む、方法。
(25)実施態様(18)に記載の方法において、
脊椎固定要素を経皮的アクセス装置内に導入する前記ステップの前に、この方法が、前記経皮的アクセス装置に結合した少なくとも1つの前記脊椎アンカーを患者の体内の椎骨内に移植するステップをさらに含む、方法。
【0053】
(26)実施態様(25)に記載の方法において、
前記脊椎アンカーおよび前記経皮的アクセス装置を、最小侵襲性経皮的切開部を介して移植する、方法。
(27)実施態様(18)に記載の方法において、
前記脊椎固定要素を操作して第2の方向に延在させる前記ステップが、前記脊椎固定要素を操作するために操作装置を前記脊椎固定要素に結合させるステップを含む、方法。
(28)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
前記第1の経皮的切開部から第1の椎体上の1つ固定部位に至る第1の経路を作り出すステップと、
第1のアンカーを前記第1の経皮的切開部を介して配置するステップと、
前記第1のアンカーを前記第1の経路に沿って前記1つの固定部位まで前進させるステップと、
固定要素を、前記第1の経路を介して前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に配置するステップと、
を含む、方法。
(29)実施態様(28)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
前記第2の経皮的切開部から第2の椎体上の1つ固定部位に至る第2の経路を作り出すステップと、
第2のアンカーを前記第2の経皮的切開部を介して配置するステップと、
前記第2のアンカーを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記固定部位まで前進させるステップと、をさらに含む、方法。
(30)実施態様(29)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
【0054】
(31)実施態様(30)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
(32)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
前記第1の経皮的切開部から第1の椎体上の第1の固定部位まで実質的に均一な幅を有する第1の経路を作り出すステップと、
前記第1のアンカーを前記第1の経路に沿って前記第1の固定部位まで前進させるステップと、
固定要素を、前記第1の経路を介して前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に配置するステップと、
を含む、方法。
(33)実施態様(32)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
前記第2の経皮的切開部から第2の椎体上の第2の固定部位まで実質的に均一な幅を有する第2の経路を作り出すステップと、
前記第2のアンカーを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記第2の固定部位まで前進させるステップと、をさらに含む、方法。
(34)実施態様(33)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
(35)実施態様(34)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
【0055】
(36)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
前記第1の経皮的切開部から第1の椎体上の第1の固定部位に至る第1の経路を作り出すステップであって、前記第1の経路が、前記第1の経皮的切開部の幅と実質的に同じまたはそれ以下の幅を有する、前記ステップと、
第1のアンカーを前記第1の経路に沿って前記第1の固定部位まで前進させるステップと、
固定要素を、前記第1の経路を介して前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に配置するステップと、
を含む、方法。
(37)実施態様(36)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
前記第2の経皮的切開部から第2の椎体上の第2の固定部位に至る第2の経路を作り出すステップであって、前記第2の経路が、前記第2の経皮的切開部の幅と実質的に同じまたはそれ以下の幅を有する、前記ステップと、
第2のアンカーを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記第2の固定部位まで前進させるステップと、をさらに含む、方法。
(38)実施態様(37)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
(39)実施態様(38)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
(40)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
第1のアンカーを前記第1の経皮的切開部を介して第1の椎体まで送達するステップであって、前記第1のアンカーがアクセス装置に結合され、これにより前記第1の経皮的切開部から前記第1のアンカーに至る第1の経路が作り出されている、前記ステップと、
固定要素を前記第1の経路に沿って、前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に送達するステップと、
を含む、方法。
【0056】
(41)実施態様(40)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
第2のアンカーを前記第2の経皮的切開部を介して第2の椎体まで送達するステップであって、前記第2のアンカーがアクセス装置に結合され、これにより前記第2の経皮的切開部から前記第2のアンカーに至る第2の経路が作り出されている、前記ステップと、をさらに含む、方法。
(42)実施態様(41)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
(43)実施態様(42)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
(44)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の経皮的切開部を作るステップと、
前記第1の経皮的切開部から第1の椎体上の第1の固定部位に至る第1の経路を作り出すステップであって、前記第1の経路が、第1のアンカーの幅と実質的に同じまたはそれ以下の幅を有する、前記ステップと、
前記第1のアンカーを前記第1の経路に沿って前記第1の固定部位まで前進させるステップと、
固定要素を、前記第1の経路を介して前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に配置するステップと、を含む、方法。
(45)実施態様(44)に記載の方法において、
患者に第2の経皮的切開部を作るステップと、
前記第2の経皮的切開部から第2の椎体上の第2の固定部位に至る第2の経路を作り出すステップであって、前記第2の経路が、第2のアンカーの幅と実質的に同じまたはそれ以下の幅を有する、前記ステップと、
前記第2のアンカーを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記第2の固定部位まで前進させるステップと、
をさらに含む、方法。
【0057】
(46)実施態様(45)に記載の方法において、
前記固定要素を操作して、前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに対して所定の位置にするステップをさらに含む、方法。
(47)実施態様(46)に記載の方法において、
前記固定要素を前記第1のアンカーおよび前記第2のアンカーに結合させるステップをさらに含む、方法。
(48)患者の体内に脊椎固定要素を導入するための経皮的アクセス装置において、
脊椎インプラントに結合させて経皮的に送達するように構成され、基端部および先端部を含む、細長い概ね円筒状のチューブと、
前記細長い概ね円筒状のチューブの前記基端部と前記先端部との間に延在する内腔であって、脊椎固定要素を、前記内腔の長軸に対して実質的に平行な第1の方向に前記内腔内を移送し、次いで前記脊椎固定要素を、前記第1の方向とは異なる第2の方向に脊椎固定部位まで送達するように構成されている、前記内腔と、
脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への移行を容易にするべく、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記先端部から前記細長い概ね円筒状のチューブの少なくとも一部分を貫通する少なくとも1つの側壁開口部と、
を含む、経皮的アクセス装置。
(49)実施態様(48)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記内腔が、患者の脊柱に対して実質的に平行な第2の方向に前記脊椎固定要素を送達するように構成されている、経皮的アクセス装置。
(50)実施態様(48)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブが、その先端部に近接して形成された相反する側壁開口部を含む、経皮的アクセス装置。
【0058】
(51)実施態様(48)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブの前記内腔が、その内腔内に配置される脊椎固定要素を前記第1の方向から前記第2の方向に案内するように構成されたガイド部材を含む、経皮的アクセス装置。
(52)実施態様(51)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記ガイド部材が、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記内腔内に形成された傾斜シェルフを含む、経皮的アクセス装置。
(53)実施態様(52)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記傾斜シェルフが、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記先端部のすぐ近位側に形成されている、経皮的アクセス装置。
(54)実施態様(52)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記傾斜シェルフが、前記細長い概ね円筒状のチューブ内に形成された側壁開口部の実質的に反対側に位置し、前記細長い概ね円筒状のチューブの先端部から基端側に延びている、経皮的アクセス装置。
(55)実施態様(48)に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブの先端部が、脊椎アンカーに取り外し可能に結合するように構成されている、経皮的アクセス装置。
【0059】
(56)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者の脊柱の椎骨に近接した組織を通る切開部を形成するステップと、
筋平面(muscle plane)を確認するステップと、
器具の実質的に平面の、尖っていない先端部を前記切開部内に挿入し、その尖っていない先端部を前記切開部と前記椎骨との間に延在する前記筋平面に沿って操作して筋肉を分離するステップと、を含む、方法。
(57)実施態様(56)に記載の方法において、
胸最長筋と多裂筋を分離する、方法。
(58)実施態様(56)に記載の方法において、
前記切開部が、最小侵襲性経皮的切開部である、方法。
(59)実施態様(56)に記載の方法において、
ガイドワイヤを、前記器具内を貫通する内腔内に挿入するステップをさらに含む、方法。
(60)実施態様(59)に記載の方法において、
前記ガイドワイヤが前記椎骨内に延在する、方法。
【0060】
(61)実施態様(59)に記載の方法において、
前記ガイドワイヤが前記切開部と前記椎骨との間に延在するように前記器具を前記ガイドワイヤから取り外すステップをさらに含む、方法。
(62)実施態様(61)に記載の方法において、
脊椎アンカーを前記ガイドワイヤに沿って送達し、前記脊椎アンカーを前記椎骨内に移植するステップをさらに含む、方法。
(63)実施態様(61)に記載の方法において、
複数の拡張器を前記ガイドワイヤ上に配置して、前記ガイドワイヤの周囲組織を拡張させるステップをさらに含む、方法。
(64)実施態様(63)に記載の方法において、
前記複数の拡張器上にカニューレを配置して前記拡張器を取り外すステップをさらに含む、方法。
(65)実施態様(64)に記載の方法において、
脊椎アンカーを、前記カニューレ内を送達するステップをさらに含む、方法。
【0061】
(66)最小侵襲性の外科手術方法において、
患者に第1の切開部を作るステップと、
前記第1の切開部を介して器具の尖っていない先端部を挿入し、その尖っていない先端部を操作して、前記第1の切開部から筋平面の間を通って第1の椎体上の第1の部位に至る第1の経路を作り出すステップと、
ガイドワイヤを、前記器具内を前進させて、そのガイドワイヤの先端部を前記第1の部位の近傍に配置するステップと、を含む、方法。
(67)実施態様(66)に記載の方法において、
前記器具を取り外し、第1のインプラントを前記ガイドワイヤに沿って前記第1の椎体上の前記第1の部位まで前進させるステップをさらに含む、方法。
(68)実施態様(67)に記載の方法において、
固定要素を、前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に前記第1の経路内に配置し、前記固定要素の一部を前記第1のインプラントに結合させるステップをさらに含む、方法。
(69)実施態様(66)に記載の方法において、
患者に第2の切開部を作るステップと、
前記第2の切開部を介して器具の尖っていない先端部を挿入し、その尖っていない先端部を操作して、前記第2の切開部から筋平面の間を通って第2の椎体上の第2の部位に至る第2の経路を作り出すステップと、
ガイドワイヤを、前記器具内を前進させて、そのガイドワイヤの先端部を前記第2の部位の近傍に配置するステップと、をさらに含む、方法。
(70)実施態様(69)に記載の方法において、
前記器具を取り外し、第2のインプラントを前記第2の経路に沿って前記第2の椎体上の前記第2の部位まで前進させるステップをさらに含む、方法。
【0062】
(71)実施態様(70)に記載の方法において、
固定要素を前記第1の経路内に配置し、前記固定要素の一部を前記第1のインプラントおよび前記第2のインプラントに結合させるステップをさらに含む、方法。
(72)実施態様(71)に記載の方法において、
固定要素を、前記第1の経路の長軸に対して実質的に平行な方向に前記第1の経路を介して挿入するステップをさらに含む、方法。
(73)筋肉を分離するための分離器具において、
経皮的に送達するように構成され、基端ハンドルおよび先端部を含む、硬質の細長いチューブと、
前記チューブの前記基端部と前記先端部との間に延在し、ガイドワイヤを受容できる大きさの内腔と、
前記器具の先端部に形成された、尖っていない部材であって、筋肉に対する外傷を最小限に抑えながら筋平面に沿って筋肉を分離するように構成されている、前記尖っていない部材と、
を含む、分離器具。
(74)実施態様(73)に記載の分離器具において、
前記尖っていない部材が、概ね平面の矩形部材を含む、分離器具。
(75)実施態様(74)に記載の分離器具において、
前記尖っていない部材が、相反する実質的に平面の表面を含み、前記表面間の幅が、先端方向に減少している、分離器具。
【0063】
(76)医療装置キットにおいて、
先端部に尖っていない部材が形成されている組織分離器具であって、筋肉に対する外傷を最小限に抑えながら筋平面に沿って筋肉を分離するように構成され、内部を貫通する内腔を含む、組織分離器具と、
前記組織分離器具の前記内腔を通って配置されるように構成された少なくとも1本のガイドワイヤと、
椎体内に移植するように構成された少なくとも1つの脊椎アンカーと、
を含むキット。
(77)実施態様(76)に記載のキットにおいて、
脊椎アンカーを椎体に送達するために、組織表面から前記椎体に至る経路を備えるように構成された少なくとも1つのカニューレをさらに含む、キット。
(78)実施態様(77)に記載のキットにおいて、
少なくとも2つの前記脊椎アンカーに結合してこれらの脊椎アンカーの間に延在するように構成された少なくとも1つの脊椎固定要素をさらに含む、キット。
(79)実施態様(76)に記載のキットにおいて、
前記少なくとも1つの脊椎アンカーが、ロッド受容頭部が形成されている骨スクリューを含む、キット。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に従ったアンカーに結合された経皮的アクセス装置の斜視図である。
【図2】図1に示されている経皮的アクセス装置の長軸に沿って切り取った断面図である。
【図3A】内部にガイド部材が形成された経皮的アクセス装置の別の実施形態の部分破断図である。
【図3B】周りにスリーブが配置され、脊椎アンカーが結合された、図3Aに示されている経皮的アクセス装置の部分破断図である。
【図4A】患者の背中の胸腰筋膜に形成された3つの経皮的切開部の後面図である。
【図4B】患者の背中の胸腰筋膜に形成された6つの経皮的切開部の後面図である。
【図5A】患者の椎骨を取り囲んでいる筋肉の鈍的切開を示す端面図である。
【図5B】椎骨にアクセスできるように切開された筋平面に沿って指で筋肉を分離す技術を示す、図5Aに示されている椎骨の端面図である。
【図5C】椎骨にアクセスできるように切開された筋平面に沿って器具で筋肉を分離する技術の別の実施形態を示す、図5Aに示されている椎骨の端面図である。
【図5D】切開された筋平面に沿ってさらに挿入された器具を示す、図5Cに示されている椎骨の端面図である。
【図5E】器具を介したガイドワイヤの患者の椎骨内への配置を示す、図5Cに示されている椎骨の端面図である。
【図5F】図5C‐図5Eに示されている器具の側面図である。
【図5G】線5G‐5Gに沿って切り取った図5Fに示されている器具の断面図である。
【図6】切開部を介したガイドワイヤの患者の椎骨内への配置を示す、図4に示されている椎骨の端面図である。
【図7】組織および筋肉を拡張するためにガイドワイヤ上にオブチュレータおよび複数の拡張器が配置された、図6に示されている椎骨の端面図である。
【図8】患者の組織表面に形成された経皮的切開部を介して椎骨内に移植された、経皮的アクセス装置が結合されている第1の脊椎アンカーと、近接する椎骨内に移植された、結合されている経皮的アクセス装置内にドライバー器具が延在する第2の脊椎アンカーの斜視図である。
【図9】患者の脊椎の近接した椎骨内に配置された脊椎アンカーに取り付けられた2つの経皮的アクセス装置の斜視図である。
【図10】図の9部分破断図に示されている経皮的アクセス装置の1つを介して脊椎固定要素を導入する方法を例示する図である。
【図11】プッシャー装置により脊椎アンカーに向かって前進させられた、図10に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図12】近接した脊椎アンカーの受容頭部内に完全に配置された後の、図11に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図13】図3Aおよび図3Bの部分破断図に示されている経皮的アクセス装置を介して脊椎固定要素を導入する方法を例示する図である。
【図14】プッシャー装置によって脊椎アンカーに向かって前進させられた、図13に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図15】近接した脊椎アンカーの受容頭部に向かってさらに前進させられた、図14に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図16】近接した脊椎アンカーの受容頭部内に配置されようとしている、図15に示されている脊椎固定要素の斜視図である。
【図17】図12に示されている経皮的アクセス装置の周りに配置され、互いに向かって経皮的装置を押圧している押圧器具と、脊椎固定要素を脊椎アンカーに固定するべく経皮的アクセス装置の1つを介して取り付けられている閉止機構の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内に脊椎固定要素を導入するための経皮的アクセス装置において、
脊椎インプラントに結合させて経皮的に送達するように構成され、基端部および先端部を含む、細長い概ね円筒状のチューブと、
前記細長い概ね円筒状のチューブの前記基端部と前記先端部との間に延在する内腔であって、脊椎固定要素を、前記内腔の長軸に対して実質的に平行な第1の方向に前記内腔内を移送し、次いで前記脊椎固定要素を、前記第1の方向とは異なる第2の方向に脊椎固定部位まで送達するように構成されている、前記内腔と、
脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への移行を容易にするべく、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記先端部から前記細長い概ね円筒状のチューブの少なくとも一部分を貫通する少なくとも1つの側壁開口部と、
を含む、経皮的アクセス装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経皮的アクセス装置において、
前記内腔が、患者の脊柱に対して実質的に平行な第2の方向に前記脊椎固定要素を送達するように構成されている、経皮的アクセス装置。
【請求項3】
請求項1に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブが、その先端部に近接して形成された、相反する側壁開口部を含む、経皮的アクセス装置。
【請求項4】
請求項1に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブの前記内腔が、その内腔内に配置される脊椎固定要素を前記第1の方向から前記第2の方向に案内するように構成されたガイド部材を含む、経皮的アクセス装置。
【請求項5】
請求項4に記載の経皮的アクセス装置において、
前記ガイド部材が、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記内腔内に形成された傾斜シェルフを含む、経皮的アクセス装置。
【請求項6】
請求項5に記載の経皮的アクセス装置において、
前記傾斜シェルフが、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記先端部のすぐ近位側に形成されている、経皮的アクセス装置。
【請求項7】
請求項5に記載の経皮的アクセス装置において、
前記傾斜シェルフが、前記細長い概ね円筒状のチューブ内に形成された側壁開口部の実質的に反対側に位置し、前記細長い概ね円筒状のチューブの先端部から基端側に延びている、経皮的アクセス装置。
【請求項8】
請求項1に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブの先端部が、脊椎アンカーに取り外し可能に結合するように構成されている、経皮的アクセス装置。
【請求項9】
筋肉を分離するための分離器具において、
経皮的に送達するように構成され、基端ハンドルおよび先端部を含む、硬質の細長いチューブと、
前記チューブの前記基端部と前記先端部との間に延在し、ガイドワイヤを受容できる大きさの内腔と、
前記器具の先端部に形成された、尖っていない部材であって、筋肉に対する外傷を最小限に抑えながら筋平面に沿って筋肉を分離するように構成されている、前記尖っていない部材と、を含む、分離器具。
【請求項10】
請求項9に記載の分離器具において、
前記尖っていない部材が、概ね平面の矩形部材を含む、分離器具。
【請求項11】
請求項10に記載の分離器具において、
前記尖っていない部材が、相反する実質的に平面の表面を含み、前記表面間の幅が、先端方向に減少している、分離器具。
【請求項12】
医療装置キットにおいて、
先端部に尖っていない部材が形成されている組織分離器具であって、筋肉に対する外傷を最小限に抑えながら筋平面に沿って筋肉を分離するように構成され、内部を貫通する内腔を含む、組織分離器具と、
前記組織分離器具の前記内腔を通って配置されるように構成された少なくとも1本のガイドワイヤと、
椎体内に移植するように構成された少なくとも1つの脊椎アンカーと、
を含むキット。
【請求項13】
請求項12に記載のキットにおいて、
脊椎アンカーを椎体に送達するために、組織表面から前記椎体に至る経路を備えるように構成された少なくとも1つのカニューレをさらに含む、キット。
【請求項14】
請求項13に記載のキットにおいて、
少なくとも2つの前記脊椎アンカーに結合してこれらの脊椎アンカーの間に延在するように構成された少なくとも1つの脊椎固定要素をさらに含む、キット。
【請求項15】
請求項12に記載のキットにおいて、
前記少なくとも1つの脊椎アンカーが、ロッド受容頭部が形成されている骨スクリューを含む、キット。
【請求項16】
脊椎固定要素を脊椎固定部位に送達するための最小侵襲性の方法において、
脊椎アンカーが結合された経皮的アクセス装置を用いて前記脊椎アンカーを椎体に経皮的に送達するステップであって、前記経皮的アクセス装置が、その内部を貫通している内腔を備え、長軸を画定している、前記ステップと、
脊椎固定要素を、前記経皮的アクセス装置の前記長軸に対して実質的に平行な第1の方向に前記経皮的アクセス装置の前記内腔内を前進させるステップと、
前記脊椎固定要素を操作して、前記第1の方向に対して所定の角度を成す第2の方向に延在させて前記脊椎固定要素を前記脊椎アンカーに配置するステップと、
を含む、方法。
【請求項1】
患者の体内に脊椎固定要素を導入するための経皮的アクセス装置において、
脊椎インプラントに結合させて経皮的に送達するように構成され、基端部および先端部を含む、細長い概ね円筒状のチューブと、
前記細長い概ね円筒状のチューブの前記基端部と前記先端部との間に延在する内腔であって、脊椎固定要素を、前記内腔の長軸に対して実質的に平行な第1の方向に前記内腔内を移送し、次いで前記脊椎固定要素を、前記第1の方向とは異なる第2の方向に脊椎固定部位まで送達するように構成されている、前記内腔と、
脊椎固定要素の第1の方向から第2の方向への移行を容易にするべく、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記先端部から前記細長い概ね円筒状のチューブの少なくとも一部分を貫通する少なくとも1つの側壁開口部と、
を含む、経皮的アクセス装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経皮的アクセス装置において、
前記内腔が、患者の脊柱に対して実質的に平行な第2の方向に前記脊椎固定要素を送達するように構成されている、経皮的アクセス装置。
【請求項3】
請求項1に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブが、その先端部に近接して形成された、相反する側壁開口部を含む、経皮的アクセス装置。
【請求項4】
請求項1に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブの前記内腔が、その内腔内に配置される脊椎固定要素を前記第1の方向から前記第2の方向に案内するように構成されたガイド部材を含む、経皮的アクセス装置。
【請求項5】
請求項4に記載の経皮的アクセス装置において、
前記ガイド部材が、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記内腔内に形成された傾斜シェルフを含む、経皮的アクセス装置。
【請求項6】
請求項5に記載の経皮的アクセス装置において、
前記傾斜シェルフが、前記細長い概ね円筒状のチューブの前記先端部のすぐ近位側に形成されている、経皮的アクセス装置。
【請求項7】
請求項5に記載の経皮的アクセス装置において、
前記傾斜シェルフが、前記細長い概ね円筒状のチューブ内に形成された側壁開口部の実質的に反対側に位置し、前記細長い概ね円筒状のチューブの先端部から基端側に延びている、経皮的アクセス装置。
【請求項8】
請求項1に記載の経皮的アクセス装置において、
前記細長い概ね円筒状のチューブの先端部が、脊椎アンカーに取り外し可能に結合するように構成されている、経皮的アクセス装置。
【請求項9】
筋肉を分離するための分離器具において、
経皮的に送達するように構成され、基端ハンドルおよび先端部を含む、硬質の細長いチューブと、
前記チューブの前記基端部と前記先端部との間に延在し、ガイドワイヤを受容できる大きさの内腔と、
前記器具の先端部に形成された、尖っていない部材であって、筋肉に対する外傷を最小限に抑えながら筋平面に沿って筋肉を分離するように構成されている、前記尖っていない部材と、を含む、分離器具。
【請求項10】
請求項9に記載の分離器具において、
前記尖っていない部材が、概ね平面の矩形部材を含む、分離器具。
【請求項11】
請求項10に記載の分離器具において、
前記尖っていない部材が、相反する実質的に平面の表面を含み、前記表面間の幅が、先端方向に減少している、分離器具。
【請求項12】
医療装置キットにおいて、
先端部に尖っていない部材が形成されている組織分離器具であって、筋肉に対する外傷を最小限に抑えながら筋平面に沿って筋肉を分離するように構成され、内部を貫通する内腔を含む、組織分離器具と、
前記組織分離器具の前記内腔を通って配置されるように構成された少なくとも1本のガイドワイヤと、
椎体内に移植するように構成された少なくとも1つの脊椎アンカーと、
を含むキット。
【請求項13】
請求項12に記載のキットにおいて、
脊椎アンカーを椎体に送達するために、組織表面から前記椎体に至る経路を備えるように構成された少なくとも1つのカニューレをさらに含む、キット。
【請求項14】
請求項13に記載のキットにおいて、
少なくとも2つの前記脊椎アンカーに結合してこれらの脊椎アンカーの間に延在するように構成された少なくとも1つの脊椎固定要素をさらに含む、キット。
【請求項15】
請求項12に記載のキットにおいて、
前記少なくとも1つの脊椎アンカーが、ロッド受容頭部が形成されている骨スクリューを含む、キット。
【請求項16】
脊椎固定要素を脊椎固定部位に送達するための最小侵襲性の方法において、
脊椎アンカーが結合された経皮的アクセス装置を用いて前記脊椎アンカーを椎体に経皮的に送達するステップであって、前記経皮的アクセス装置が、その内部を貫通している内腔を備え、長軸を画定している、前記ステップと、
脊椎固定要素を、前記経皮的アクセス装置の前記長軸に対して実質的に平行な第1の方向に前記経皮的アクセス装置の前記内腔内を前進させるステップと、
前記脊椎固定要素を操作して、前記第1の方向に対して所定の角度を成す第2の方向に延在させて前記脊椎固定要素を前記脊椎アンカーに配置するステップと、
を含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2007−513739(P2007−513739A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545689(P2006−545689)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/039919
【国際公開番号】WO2005/060534
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(504003396)デピュイ・スパイン・インコーポレイテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Spine,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,MA 02767,U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/039919
【国際公開番号】WO2005/060534
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(504003396)デピュイ・スパイン・インコーポレイテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Spine,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,MA 02767,U.S.A.
【Fターム(参考)】
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