説明

有機エレクトロルミネッセンス表示装置

【課題】 少なくとも赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各ピクセルを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、緑色の色度を高めて緑色の色再現性を向上させる。
【解決手段】 有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、白色光を発光する有機EL発光層9と、ホール注入電極2と、電子注入電極8と、有機EL発光層の光照射側に設けられる赤色及び青色のカラーフィルタ層CFR及びCFBとを備え、有機EL発光層9がホール注入電極2と電子注入電極8の間に配置されており、有機EL発光層9が、ホスト材料を含有し、電子注入電極側に配置される青色発光層6と、ホスト材料を含有し、ホール注入電極側に配置されるオレンジ色発光層4とを積層した構造を有しており、緑色のピクセルの領域において、青色発光層6とオレンジ色発光層4の間に、ホスト材料を含有した緑色発光層5が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各ピクセルを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報機器の多様化に伴い、薄型でフルカラー表示可能な薄型表示装置への要望が高まっている。その1つとして、高効率・薄型・軽量・低視野角依存性等の特徴を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)が注目されている。
【0003】
このような有機EL素子は、10V程度の低電圧で100〜100000cd/m2以上の高い発光輝度が得られるという利点を有する。このため、有機EL素子のフルカラーディスプレイへの応用が期待されている。
【0004】
有機EL素子を用いた表示装置のフルカラー化技術としては、白色の有機EL素子を光源(バックライト)として用い、3原色のRGB(赤色、緑色及び青色)のカラーフィルタを介して発光するフィルタ方式、青色の有機EL素子を光源として用い、色変換層(CCM)により青色を赤色及び緑色に変換することにより、RGBのそれぞれを表示する方式、及び3原色の有機EL素子を基板上に並列することによりRGBをそれぞれ独立して発光させる方式などが提案されている。
【0005】
特許文献1では、青色発光層と緑色発光層を順に積層し、緑色発光層に赤色発光ドーパントを含有させ、白色光を発光させる有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置が開示されている。このような有機EL表示装置においては、赤色、緑色及び青色(RGB)のカラーフィルタを設けることによりフルカラー表示が可能となる。
【0006】
特許文献2においては、RGBの各色に発光する素子を積層し、各素子に電極を設け、各素子に個別に電力を供給することにより、各色を個別に発光させて表示する有機EL表示装置が開示されている。このような有機EL表示装置では、各素子に個別に電力を供給する必要があるため、配線回路が複雑になるという問題がある。
【0007】
特許文献3においては、白色発光の有機EL層からの発光を、多重共振によりRGBのそれぞれの色に対応するように強調させ、3つのピークの発光をそれぞれ行う有機EL表示装置が開示されている。このような方法では、色の解像度が悪く、鮮明なフルカラー表示を行うことができないという問題があった。
【0008】
上記特許文献1の有機EL表示装置では、青色発光層と、赤色発光ドーパントを含有させた緑色発光層とを積層させ白色光を発光させているが、現在市場において要求されている色温度の高い白色(6500K程度)を点灯させる方法として、青色光とオレンジ色光の補色の関係で白色光を点灯させる方法が提案されている。このような白色発光素子の場合、青色成分の光が強調され、色温度の高い白色を点灯させることができるが、緑色の発光強度が不十分になるという問題があった。
【特許文献1】特開平7−142169号公報
【特許文献2】特表平10−503878号公報
【特許文献3】特開2004−127588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、少なくともRGBの各ピクセルを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、緑色の色度を高めて緑色の色再現性を向上させることができる有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の局面に従う有機EL表示装置は、少なくとも赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各ピクセルを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、白色光を発光する有機EL発光層と、有機EL発光層にホールを供給するためのホール注入電極と、有機EL発光層に電子を供給するための電子注入電極と、赤色及び青色の各ピクセルに対応して有機EL発光層の光照射側に設けられる赤色及び青色のカラーフィルタ層とを備え、有機EL発光層がホール注入電極と電子注入電極の間に配置されており、有機EL発光層が、電子輸送性材料からなるホスト材料を含有し、電子注入電極側に配置される青色発光層と、ホール輸送性材料からなるホスト材料を含有し、ホール注入電極側に配置されるオレンジ色発光層とを積層した構造を有しており、緑色のピクセルの領域において、青色発光層とオレンジ色発光層の間に、電子輸送性材料またはホール輸送性材料からなるホスト材料を含有した緑色発光層が設けられていることを特徴としている。
【0011】
本発明の第1の局面においては、有機EL発光層が、電子注入電極側に配置される青色発光層と、ホール注入電極側に配置されるオレンジ色発光層とを積層した構造を有しており、青色発光層は電子輸送性材料からなるホスト材料と青色発光ドーパントを含有しており、オレンジ色発光層はホール輸送性材料からなるホスト材料とオレンジ色発光ドーパントを含有しており、緑色のピクセルの領域において青色発光層とオレンジ色発光層の間に、電子輸送性材料またはホール輸送性材料からなるホスト材料と緑色発光ドーパントを含有した緑色発光層が設けられている。一般に、有機EL素子においては、電子輸送性材料とホール輸送性材料が接触している界面近傍で電子とホールが再結合し発光することが知られている。
【0012】
本発明の第1の局面における緑色発光層は、電子輸送性材料またはホール輸送性材料からなるホスト材料と緑色発光ドーパントを含有するものであるので、緑色発光層のホスト材料が電子輸送性材料である場合、ホスト材料がホール輸送性材料であるオレンジ色発光層と緑色発光層の界面近傍において発光が生じる。また、緑色発光層のホスト材料がホール輸送性材料である場合、ホスト材料が電子輸送性材料である青色発光層と緑色発光層の界面近傍で発光が生じる。
【0013】
従って、本発明の第1の局面に従えば、緑色のピクセルの領域において、緑色発光層と青色発光層との界面近傍あるいは緑色発光層とオレンジ色発光層との界面近傍で発光させることができる。従って、緑色のピクセルの領域において、緑色成分を含んだ発光を得ることができるので、緑色の色度を高め、緑色の色再現性を向上させることができる。
【0014】
本発明の第1の局面においては、赤色及び青色の各ピクセルに対応して有機EL発光層の光照射側に赤色及び青色のカラーフィルタ層が設けられている。緑色のピクセルの領域においては、青色発光層とオレンジ色発光層の間に緑色発光層が設けられており、この緑色発光層から発光がなされるため緑色成分を含んだ発光がなされる。このため、緑色のピクセルにおいてはカラーフィルタを設けなくてもよい。しかしながら、緑色の純度を高めるため、緑色のカラーフィルタ層を緑色のピクセルに対応して有機EL発光層の光照射側に設けてもよい。
【0015】
また、本発明の第1の局面において、緑色発光層のホスト材料は、青色発光層のホスト材料と同じ材料であってもよい。この場合、緑色発光層のホスト材料は、電子輸送性材料となる。
【0016】
また、本発明の第1の局面において、緑色発光層のホスト材料は、オレンジ色発光層のホスト材料と同じ材料であってもよい。この場合、緑色発光層のホスト材料は、ホール輸送性材料となる。
【0017】
本発明における電子輸送性材料としては、ホールの移動度よりも電子の移動度が高い有機材料であり、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体等の金属錯体、アントラセン誘導体、ジスチリル誘導体、フェナントロリン誘導体等を挙げることができる。具体的には、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、2−ターシャリー−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(TBADN)、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等が好ましい。
【0018】
本発明におけるホール輸送性材料としては、電子の移動度よりもホールの移動度が高い有機材料であり、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルペン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。具体的には、N,N′−ジ(ナフタセン−1−イル)−N,N′−ジフェニルベンジジン(NPB)等が好ましい。
【0019】
また、本発明の第1の局面において、緑色発光層のホスト材料が電子輸送性材料ある場合、緑色発光層とオレンジ色発光層の間にホール輸送性材料の層を設けてもよい。ホール輸送性材料層を設けることにより、ホール輸送性材料層と緑色発光層の界面近傍において発光させることができる。
【0020】
また、本発明の第1の局面において、緑色発光層のホスト材料がホール輸送性材料である場合、緑色発光層と青色発光層の間に電子輸送性材料の層を設けてもよい。電子輸送性材料層を設けることにより、電子輸送性材料層と緑色発光層の界面近傍において発光させることができる。
【0021】
また、本発明の第1の局面において、緑色発光層は複数の発光層を積層して構成されたものであってもよい。例えば、電子輸送性材料からなるホスト材料と第1の緑色発光ドーパントを含有し、青色発光層側に配置される第1の緑色発光層と、ホール輸送性材料からなるホスト材料と第2の緑色発光ドーパントを含有し、オレンジ色発光層側に配置される第2の緑色発光層と積層した構造を有していてもよい。このような積層構造においては、第1の緑色発光層と第2の緑色発光層の界面近傍において発光させることができ、色純度のより高い緑色発光を得ることができる。
【0022】
本発明の第2の局面に従う有機EL表示装置は、少なくとも赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各ピクセルを有する有機EL表示装置であって、白色光を発光する有機EL発光層と、有機EL発光層にホールを供給するためのホール注入電極と、有機EL発光層に電子を供給するための電子注入電極と、赤色及び青色の各ピクセルに対応して有機EL発光層の光照射側に設けられる赤色及び青色のカラーフィルタ層とを備え、有機EL発光層が、電子輸送性材料からなるホスト材料と、青色発光ドーパントと、オレンジ色発光ドーパントを含有し、かつホール注入電極と電子注入電極の間に配置される単層の白色発光層であり、緑色のピクセルの領域において、ホール注入電極と有機EL発光層の間に、電子輸送性材料またはホール輸送性材料からなるホスト材料を含有した緑色発光層が設けられていることを特徴としている。
【0023】
本発明の第2の局面においては、白色光を発光する有機EL発光層として、青色発光ドーパントとオレンジ色発光ドーパントを1つの層に含有させた単層の白色発光層が用いられている。この白色発光層は電子輸送性材料からなるホスト材料を含有している。本発明の第2の局面においては、緑色のピクセル領域においてホール注入電極と白色発光層の間に、電子輸送性材料またはホール輸送性材料からなるホスト材料と緑色発光ドーパントを含有した緑色発光層が設けられている。緑色発光層が電子輸送性材料またはホール輸送性材料からなるホスト材料を含有しているので、緑色発光層とこれに隣接する層との界面近傍において発光させることができ、緑色成分を含む発光を得ることができる。このため、緑色のピクセルにおいて緑色の色度を高めることができ、緑色の色再現性を向上させることができる。
【0024】
本発明の第2の局面においては、赤色及び青色のピクセルに対応して有機EL発光層の光照射側に赤色及び青色のカラーフィルタ層が設けられている。緑色のピクセルの領域においては、上述のように緑色発光層からの緑色成分を含む発光が得られるので、カラーフィルタ層を設けなくてもよいが、色純度を高めるなどの目的で、緑色のピクセルに対応して有機EL発光層の光照射側に緑色のカラーフィルタ層を設けてもよい。
【0025】
本発明の第2の局面において、緑色発光層のホスト材料が電子輸送性材料からなり、緑色発光層がホール注入電極またはホール注入電極の上に設けられるホール注入層と接触している場合には、ホール注入電極またはホール注入層と緑色発光層の界面近傍において発光が得られる。また、緑色発光層のホスト材料がホール輸送性材料からなり、緑色発光層が有機EL発光層(白色発光層)と接触している場合、有機EL発光層との界面近傍から発光が得られる。従って、緑色の色度の高い発光を得ることができる。
【0026】
本発明の第2の局面において、緑色発光層のホスト材料は、有機EL発光層のホスト材料と同じ材料であってもよい。この場合、緑色発光層のホスト材料は電子輸送性材料となる。
【0027】
また、本発明の第2の局面において、ホール注入電極と緑色発光層との間にホール注入層が設けられている場合、緑色発光層のホスト材料は、ホール注入層のホスト材料と同じ材料であってもよい。この場合、緑色発光層のホスト材料は、ホール輸送性材料となる。
【0028】
本発明の第2の局面において、緑色発光層のホスト材料がホール輸送性材料である場合、緑色発光層と有機EL発光層との間に電子輸送性材料の層が設けられていてもよい。このような電子輸送性材料の層は、例えば、有機EL発光層のホスト材料から形成されたものであってもよい。ホール輸送性材料をホスト材料とする緑色発光層と電子輸送性材料層が接して設けられている場合、これらの界面近傍において緑色発光が得られる。
【0029】
本発明の第2の局面においても、緑色発光層は複数の発光層を積層したものであってもよい。例えば、電子輸送性材料からなるホスト材料と第1の緑色発光ドーパントを含有し、有機EL発光層側に配置される第1の緑色発光層と、ホール輸送性材料からなるホスト材料と第2の緑色発光ドーパントを含有し、ホール注入電極側に配置される第2の緑色発光層とを積層した構造を有するものであってもよい。この場合、第1の緑色発光層と第2の緑色発光層の界面近傍において発光するため、緑色の色度がより高い発光が得られる。
【0030】
ホール注入電極と緑色発光層との間にホール注入層が設けられている場合、上記第2の緑色発光層のホスト材料はホール注入層を形成する材料と同じ材料であってもよい。また、第1の緑色発光層のホスト材料は、有機EL発光層のホスト材料と同じ材料あってもよい。
【0031】
本発明において、青色発光層または青色発光ドーパントの発光ピーク波長は、430〜490nmの範囲内であることが好ましく、オレンジ色発光層またはオレンジ色発光ドーパントの発光ピーク波長は550〜640nmの範囲内であることが好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、RGBWなどの少なくともRGBの各ピクセルを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、緑色の色度を高めて緑色の色再現性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明の第1の局面に従う一実施例の有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置を示す断面図である。図1に示すように、本実施例の有機EL表示装置は、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)、及びW(白色)の各ピクセルの領域に分けられている。各ピクセルにおいて所定の色を発光することにより、フルカラー表示することができる。
【0034】
基板1上には、R、G及びBの各領域に対応するように、赤色カラーフィルタ層CFR、緑色カラーフィルタ層CFG、及び青色カラーフィルタ層CFBが設けられている。これらのカラーフィルタ層は、平坦化層1′により覆われている。図1に示すように、Wの領域においてはカラーフィルタ層が設けられておらず、有機EL発光層9からの白色光がそのまま外部に出射される。
【0035】
平坦化層1′の上には、R、G、B及びWの各領域に対応するように、個別に電力を供給することが可能なホール注入電極2が設けられており、ホール注入電極2の上及び隣り合うホール注入電極間にホール輸送層3が設けられている。
【0036】
ホール輸送層3の上には、オレンジ色発光層4が設けられており、R、B及びWのピクセルの領域においては、オレンジ色発光層4の上に青色発光層6が設けられている。Gのピクセルの領域においては、オレンジ色発光層4の上に緑色発光層5が設けられており、緑色発光層5の上に青色発光層6が設けられている。従って、緑色発光層5は、オレンジ色発光層4と青色発光層6の間に配置されている。
【0037】
本実施例の有機EL表示装置においては、オレンジ色発光層4の上に青色発光層6を積層することにより、白色光を発光する有機EL発光層9が構成されている。
【0038】
青色発光層6の上には電子輸送層7が設けられており、電子輸送層7の上には電子注入電極8が設けられている。
【0039】
本実施例においては、Gのピクセルの領域において、オレンジ色発光層4と青色発光層6の間に緑色発光層5が設けられており、それ以外の領域では、オレンジ色発光層4と青色発光層6が直接積層されている。オレンジ色発光層4のホスト材料はホール輸送性材料であり、青色発光層6のホスト材料は電子輸送性材料である。従って、R、B及びWのピクセルの領域においては、オレンジ色発光層4と青色発光層6の界面近傍で発光し白色光が発光される。Gの領域においては、緑色発光層5のホスト材料が電子輸送性材料である場合、オレンジ色発光層4と緑色発光層5の界面近傍で発光する。また、緑色発光層5のホスト材料がホール輸送性材料である場合、緑色発光層5と青色発光層6の界面近傍で発光する。従って、いずれの場合においてもGのピクセルの領域においては緑色成分を含む発光が得られるので、緑色の色度を高めることができる。
【0040】
Rのピクセルの領域においては、有機EL発光層9からの白色光が赤色カラーフィルタ層CFRを通り外部に出射される。従って赤色光が出射される。
【0041】
Gのピクセルの領域においては、緑色発光層5を含んだ有機EL発光層9からの緑色成分を含んだ光が緑色のカラーフィルタ層CFGを通り外部に出射される。従って緑色光が出射される。
【0042】
Bのピクセルの領域においては、有機EL発光層9からの白色光が青色カラーフィルタ層CFBを通り出射される。従って青色光が出射される。
【0043】
Wのピクセルの領域においては、有機EL発光層9からの白色光がそのまま外部に出射される。従って白色光が出射される。
【0044】
上述のように本実施例においては、Gのピクセルの領域において、緑色発光層5が設けられているので、緑色成分を含んだ光が出射される。従って、緑色の色度を高めることができ、緑色の色再現性を高めることができる。
【0045】
図2は、本発明の第1の局面に従う他の実施例の有機EL表示装置を示す断面図である。図2に示す有機EL表示装置においては、Gのピクセルの領域に緑色カラーフィルタ層CFGが設けられていない。その他の構成は、図1に示す実施例と同様である。Gのピクセルの領域においては、緑色発光層5が設けられており、緑色成分を含んだ光が出射されるので、緑色のカラーフィルタ層を設けないことが可能となる。
【0046】
図3は、本発明の第2の局面に従う一実施例の有機EL表示装置を示す断面図である。本実施例においては、ホール輸送層3の上に、青色ドーパントとオレンジドーパントが含有された単層の白色発光層(有機EL発光層)10が設けられており、この白色発光層10の上に電子輸送層7が設けられている。また、Gのピクセルの領域においては、ホール輸送層3の上に緑色発光層5が設けられ、緑色発光層5の上に白色発光層(有機EL発光層)10が設けられている。その他の構成については、図1に示す実施例と同様である。
【0047】
本実施例においては、Gのピクセルの領域に緑色発光層5が設けられている。有機EL発光層10のホスト材料は電子輸送性材料であり、緑色発光層5のホスト材料は電子輸送性材料またはホール輸送性材料である。緑色発光層5のホスト材料が電子輸送性材料である場合、ホール輸送層3と緑色発光層5の界面近傍で発光する。また、緑色発光層5のホスト材料がホール輸送性材料である場合、有機EL発光層10と緑色発光層5の界面近傍で発光する。従って、Gのピクセルの領域においては、緑色成分を含んだ発光を得ることができ、緑色の色度を高めて、緑色の色再現性を向上させることができる。
【0048】
図4は、本発明の第2の局面に従う他の実施例の有機EL表示装置を示す断面図である。図4に示す実施例においては、Gのピクセルの領域に、緑色のカラーフィルタ層が設けられていないこと以外、図3に示す実施例と同様に構成されている。
【0049】
図4に示す実施例のように、Gのピクセルの領域においては、緑色発光層5が設けられており、緑色成分を含んだ発光を得ることができるので、緑色のカラーフィルタ層を設けないことが可能となる。
【0050】
図5は、各ピクセルの有機EL発光層を駆動するための薄膜トランジスタ(TFT)を備えた有機EL表示装置を示す断面図である。
【0051】
図5に示すように、ガラス基板などの基板1の上には、酸化シリコン(SiO2)からなる層と窒化シリコン(SiNx)からなる層の積層膜11が形成されており、積層膜11の上にTFT20が各ピクセル毎に設けられている。
【0052】
TFT20は、多結晶シリコン層12のソース領域の上にソース電極13s、ドレイン領域の上にドレイン電極13dを形成し、チャネル領域の上にゲート酸化膜14を介してゲート電極15を設けることにより構成されている。
【0053】
ゲート電極15を覆うように、ゲート酸化膜14の上には第1の層間絶縁膜16が形成されている。また、ドレイン電極13d及びソース電極13sを覆うように、第1の層間絶縁膜16の上には第2の層間絶縁膜17が設けられている。第1の層間絶縁膜16及び第2の層間絶縁膜17は、例えば、SiO2またはSiNxから形成されている。
【0054】
第2の層間絶縁膜17の上には、例えばアクリル樹脂等から第1の平坦化層18が形成されている。第1の平坦化層18の各ピクセルの領域の上には、それぞれホール注入電極2が形成されている。このホール注入電極2は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜から形成されている。ホール注入電極2は、第1の平坦化層18及び第2の平坦化層17に形成されたビアホールを通り、TFT20のドレイン電極13dに電気的に接続されている。
【0055】
各ピクセルの領域以外の部分のホール注入電極2を覆うように、第2の平坦化層19が設けられている。従って、第2の平坦化層19は各ピクセルの部分には設けられていない。
【0056】
ホール注入電極2及び第2の平坦化層19の上には、図1に示す実施例と同様に、ホール注入層3、オレンジ色発光層4、青色発光層6、電子注入層7、及び電子注入電極8が形成されている。また、Gのピクセルの領域においては、オレンジ色発光層4と青色発光層6の間に緑色発光層5が形成されている。
【0057】
第2の層間絶縁膜17の上には、図1に示す実施例と同様にして、各カラーフィルタ層CFR、CFG、及びCFBを形成し、その上に第1の平坦化層18が形成されている。
【0058】
本実施例に示す有機EL表示装置においては、各ピクセルのTFT20で駆動させることにより、各ピクセルを映像信号に応じて発光させることができ、フルカラー表示が可能となる。
【0059】
本実施例においては、Gのピクセル領域において、緑色発光層5が設けられているので、緑色成分を含んだ光を発光することができ、緑色の色度を高めて、緑色の色再現性を向上させることができる。
【0060】
(実施例1〜6及び比較例1)
緑色ピクセルの有機EL素子構造として、表1に示すような構造の有機EL素子を作製した。各層の組成は表2に示す通りである。表2において、( )は各層の厚みを示しており、単位はnmである。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
ガラス基板上にインジウム錫酸化物(ITO)が形成された基板を用い、このITO膜をホール注入電極として用いた。
【0064】
表2に示すように、ホール輸送層はNPBから形成した。NPBはN,N′−ジ(ナフタセン−1−イル)−N,N′−ジフェニルベンジジンであり、以下の構造を有している。
【0065】
【化1】

【0066】
オレンジ色発光層は、ホール輸送性材料であるNPBをホスト材料として80重量%用い、緑色発光ドーパントであるtBuDPNを20重量%用い、オレンジ色発光ドーパントであるDBzRをNPBとtBuDPNの合計100重量%に対して3重量%用いて形成している。但し、この場合、緑色発光ドーパントであるtBuDPNは発光せず、ホスト材料からの励起エネルギーをオレンジ発光ドーパントであるDBzRに受け渡すエネルギー移動補助ドーパントとして機能する。ここで、エネルギー移動補助ドーパントとは、LUMO(最低空分子軌道)レベル及びエネルギーギャップが、ホストと発光ドーパントの間の値を持つ材料のことであり、ホストからの励起エネルギーを効率良く発光ドーパントに受け渡す役割を持つドーパントのことを示す。
【0067】
tBuDPNは、5,12−ビス(4−ターシャリー−ブチルフェニル)ナフタセンであり、以下の構造を有している。
【0068】
【化2】

【0069】
DBzRは、5,12−ビス{4−(6−メチルベンゾチアゾール−2−イル)フェニル}−6,11−ジフェニルナフタセンであり、以下の構造を有している。
【0070】
【化3】

【0071】
青色発光層は、電子輸送性材料であるTBADNをホスト材料として用い、NPBをキャリア移動補助ドーパントとして用い、TBPを青色発光ドーパントとして用いている。TBADNの含有量は80重量%であり、NPBの含有量は20重量%であり、TBPの含有量はTBADNとNPBの合計100重量%に対して2.5重量%である。ここで、キャリア移動補助ドーパントとは、ホスト材料に比べて補助すべきキャリアの移動度が高い材料であり、一方のキャリアの注入を促進し、発光層内での両キャリア密度を均衝させて再結合確率を高めることで、発光効率を高める役割を持つドーパントのことを示す。この場合、電子輸送性材料であるTBADN中に、TBADNよりもホール輸送移動度の高いNPBを含有させることで、NPBは青色発光層内でのホールの移動を補助し、発光効率を高める役割を担っている。
【0072】
TBADNは、2−ターシャリー−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセンであり、以下の構造を有している。
【0073】
【化4】

【0074】
TBPは、2,5,8,11−テトラ−ターシャリー−ブチルペリレンであり、以下の構造を有している。
【0075】
【化5】

【0076】
電子輸送層は、BCPから形成されている。BCPは、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンであり、以下の構造を有している。
【0077】
【化6】

【0078】
電子注入電極は、LiFとAlの積層膜から形成されている。
【0079】
実施例1においては、青色発光層のホスト材料を用いた緑色発光層を、青色発光層とオレンジ色発光層の間に形成している。具体的には、TBADN80重量%をホスト材料として用い、NPB20重量%をキャリア移動補助ドーパントとして用い、C545Tを緑色発光ドーパントとしてTBADNとNPBの合計100重量%に対して5重量%用いて緑色発光層を形成している。
【0080】
C545Tは、10−(2−ベンゾチアゾリル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル1−1H,5H,11H−〔1〕ベンゾピラノ〔6,7,8,ij〕キノリジン−11−オンであり、以下の構造を有している。
【0081】
【化7】

【0082】
実施例2においては、オレンジ色発光層のホスト材料であるNPBをホスト材料として用いた緑色発光層が、青色発光層とオレンジ色発光層の間に設けられている。緑色発光ドーパントとしては、tBuDPNがNPB100重量%に対し3重量%となるように含有されている。
【0083】
実施例3においては、青色発光層のホスト材料であるTBADNをホスト材料として80重量%用いた緑色発光層が、オレンジ色発光層と青色発光層の間に設けられており、緑色発光層とオレンジ色発光層の間にNPBからなるホール輸送性材料の層が設けられている。緑色発光層においては、青色発光層と同様に20重量%のNPBが用いられており、緑色発光ドーパントとしてTBADNとNPBの合計100重量%に対して5重量%のC545Tが含有されている。
【0084】
実施例4においては、オレンジ色発光層のホスト材料であるNPBをホスト材料として用いた緑色発光層が、青色発光層とオレンジ色発光層の間に設けられており、緑色発光層と青色発光層の間に、青色発光層のホスト材料であるTBADNからなる電子輸送性材料の層が設けられている。緑色発光層には、緑色発光ドーパントとしてtBuDPNがNPB100重量%に対して3重量%含有されている。
【0085】
実施例5においては、実施例4と同様の緑色発光層が、青色発光層とオレンジ色発光層の間に設けられており、緑色発光層と青色発光層の間に、電子輸送層の材料であるBCPからなる電子輸送性材料の層が設けられている。
【0086】
実施例6においては、青色発光層とオレンジ色発光層の間に、第1の緑色発光層と第2の緑色発光層の2つの発光層が設けられている。青色発光層側に設けられる第1の緑色発光層は、青色発光層のホスト材料であるTBADNをホスト材料として80重量%用い、NPBをキャリア移動補助ドーパントとして20重量%用い、緑色発光ドーパントとしてC545TをTBADNとNPBの合計100重量%に対して5重量%含有している。オレンジ色発光層側に設けられる第2の緑色発光層は、オレンジ色発光層のホスト材料であるNPBをホスト材料として用い、NPB100重量%に対して、緑色発光ドーパントであるtBuDPNを3重量%含有している。
【0087】
比較例1においては、青色発光層とオレンジ色発光層が直接積層されており、その間に緑色発光層等が設けられていない。
【0088】
表2に示すように、本発明に従う実施例1〜6の有機EL素子構造においては、比較例1の有機EL素子構造に比べ、緑色成分を含んだ発光が得られていることがわかる。また、実施例1〜6における発光効率は、比較例1と同等あるいはそれよりも高い発光効率が得られている。
【0089】
(実施例7〜11及び比較例2)
緑色ピクセルの有機EL素子構造として、表3に示すような構造の有機EL素子を作製した。各層の組成は表4に示す通りである。
【0090】
【表3】

【0091】
【表4】

【0092】
実施例1〜6と同様に、ガラス基板上にITOが形成された基板を用い、ITO膜をホール注入電極として用いた。
【0093】
実施例1〜6と同様に、電子輸送層はBCPから形成されており、電子注入電極はLiFとAlの積層膜から形成されている。
【0094】
青色発光層は、ホスト材料として80重量%のTBADNを含有し、キャリア移動補助ドーパントとして20重量%のNPBを含有している。また、発光ドーパントとしては、TBADNとNPBの合計100重量%に対して青色発光ドーパントであるTBPを2.5重量%含有し、オレンジ色発光ドーパントであるDBzRを0.2重量%含有している。
【0095】
実施例7においては、白色発光層のホスト材料であるTBADNをホスト材料として80重量%用い、NPBを補助ドーパントとして20重量%用いている。また、緑色発光ドーパントとしてC545Tを、TBADNとNPBの合計100重量%に対して、5重量%含有している。
【0096】
実施例8においては、ホール輸送層の材料であるNPBをホスト材料として用い、NPB100重量%に対して、緑色発光ドーパントtBuDPNを3重量%含有している。
【0097】
実施例9においては、ホール輸送層の材料であるNPBをホスト材料として用い、緑色発光ドーパントtBuDPNをNPB100重量%に対して3重量%含有した緑色発光層が、ホール輸送層と白色発光層の間に設けられている。また緑色発光層と白色発光層の間には、白色発光層のホスト材料であるTBADNからなる電子輸送性材料の層が設けられている。
【0098】
実施例10においては、ホール輸送層の材料であるNPBをホスト材料として用い、NPB100重量%に対し、緑色発光ドーパントtBuDPNを3重量%含有させた緑色発光層が、ホール輸送層と白色発光層の間に設けられている。緑色発光層と白色発光層の間には、電子輸送層の材料であるBCPからなる電子輸送性材料の層が設けられている。
【0099】
実施例11においては、ホール輸送層と白色発光層の間に、第1の緑色発光層と第2の緑色発光層が設けられている。白色発光層側に設けられる第1の緑色発光層は、白色発光層のホスト材料であるTBADNをホスト材料として用い、NPBを補助ドーパントとして用いている。TBADN80重量%とNPB20重量%の合計100重量%に対して緑色発光ドーパントC545Tを5重量%含有している。ホール輸送層側に設けられる第2の緑色発光層は、ホール輸送層の材料であるNPBをホスト材料として用い、NPB100重量%に対し、緑色発光ドーパントtBuDPN3重量%を含有している。
【0100】
表4に示すように、本発明に従う実施例7〜11の有機EL素子においては、比較例2の有機EL素子に比べ、緑色成分を含んだ発光が得られていることがわかる。また、発光効率は、比較例2と同等あるいはそれ以上であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の局面に従う一実施例の有機EL表示装置を示す断面図。
【図2】本発明の第1の局面に従う他の実施例の有機EL表示装置を示す断面図。
【図3】本発明の第2の局面に従う一実施例の有機EL表示装置を示す断面図。
【図4】本発明の第2の局面に従う他の実施例の有機EL表示装置を示す断面図。
【図5】有機EL発光層を駆動するTFTを備えた本発明の第1の局面に従う有機EL表示装置を示す断面図。
【符号の説明】
【0102】
1…基板
1′…平坦化層
2…ホール注入電極
3…ホール輸送層
4…オレンジ色発光層
5…緑色発光層
6…青色発光層
7…電子輸送層
8…電子注入電極
9…有機EL発光層
10…有機EL発光層(白色発光層)
CFR,CFG,CFB…カラーフィルタ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各ピクセルを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、
白色光を発光する有機EL発光層と、
前記有機EL発光層にホールを供給するためのホール注入電極と、
前記有機EL発光層に電子を供給するための電子注入電極と、
赤色及び青色の前記各ピクセルに対応して前記有機EL発光層の光照射側に設けられる赤色及び青色のカラーフィルタ層とを備え、
前記有機EL発光層が前記ホール注入電極と前記電子注入電極の間に配置されており、前記有機EL発光層が、電子輸送性材料からなるホスト材料を含有し、前記電子注入電極側に配置される青色発光層と、ホール輸送性材料からなるホスト材料を含有し、前記ホール注入電極側に配置されるオレンジ色発光層とを積層した構造を有しており、
緑色の前記ピクセルの領域において、前記青色発光層と前記オレンジ色発光層の間に、電子輸送性材料またはホール輸送性材料からなるホスト材料を含有した緑色発光層が設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項2】
緑色の前記ピクセルに対応して前記有機EL発光層の光照射側に緑色のカラーフィルタ層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項3】
前記緑色発光層のホスト材料が、前記青色発光層のホスト材料と同じ材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項4】
前記緑色発光層のホスト材料が、前記オレンジ色発光層のホスト材料と同じ材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項5】
前記緑色発光層のホスト材料が電子輸送性材料であり、前記緑色発光層と前記オレンジ色発光層の間にホール輸送性材料の層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項6】
前記緑色発光層のホスト材料がホール輸送性材料であり、前記緑色発光層と前記青色発光層の間に電子輸送性材料の層が設けられていることを特徴とする請求項1、2または4に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項7】
前記緑色発光層が、電子輸送性材料からなるホスト材料を含有し、前記青色発光層側に配置される第1の緑色発光層と、ホール輸送性材料からなるホスト材料を含有し、前記オレンジ色発光層側に配置される第2の緑色発光層とを積層した構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項8】
少なくとも赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各ピクセルを有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、
白色光を発光する有機EL発光層と、
前記有機EL発光層にホールを供給するためのホール注入電極と、
前記有機EL発光層に電子を供給するための電子注入電極と、
赤色及び青色の前記各ピクセルに対応して前記有機EL発光層の光照射側に設けられる赤色及び青色のカラーフィルタ層とを備え、
前記有機EL発光層が、電子輸送性材料からなるホスト材料と、青色発光ドーパントと、オレンジ色発光ドーパントを含有し、かつ前記ホール注入電極と前記電子注入電極の間に配置される単層の白色発光層であり、
緑色の前記ピクセルの領域において、前記ホール注入電極と前記有機EL発光層の間に、電子輸送性材料またはホール輸送性材料からなるホスト材料を含有した緑色発光層が設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項9】
緑色の前記ピクセルに対応して前記有機EL発光層の光照射側に緑色のカラーフィルタ層をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項10】
前記緑色発光層のホスト材料が、前記有機EL発光層のホスト材料と同じ材料であることを特徴とする請求項8または9に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項11】
前記ホール注入電極と前記緑色発光層との間にホール注入層が設けられており、前記緑色発光層のホスト材料が、前記ホール注入層のホスト材料と同じ材料であることを特徴とする請求項8または9に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項12】
前記緑色発光層のホスト材料がホール輸送性材料であり、前記緑色発光層と前記有機EL発光層の間に電子輸送性材料の層が設けられていることを特徴とする請求項8または9に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項13】
前記電子輸送性材料の層が、前記有機EL発光層のホスト材料から形成されていることを特徴とする請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項14】
前記緑色発光層が、電子輸送性材料からなるホスト材料を含有し、前記有機EL発光層側に配置される第1の緑色発光層と、ホール輸送性材料からなるホスト材料を含有し、前記ホール注入電極側に配置される第2の緑色発光層とを積層した構造を有することを特徴とする請求項8または9に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【請求項15】
前記ホール注入電極と前記緑色発光層との間にホール注入層が設けられており、前記第1の緑色発光層のホスト材料が前記有機EL発光層のホスト材料と同じ材料であり、前記第2の緑色発光層のホスト材料が前記ホール注入層を形成する材料と同じ材料であることを特徴とする請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−11063(P2007−11063A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192656(P2005−192656)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】