説明

有機ドライジェット印刷ヘッド及びそれを使用した印刷装置及び方法

【課題】有機ドライジェット印刷ヘッド及びそれを使用した印刷装置及び方法を提供する。
【解決手段】開閉バルブ及びそれを制御する制御ユニットを使用して、パターンを形成する期間で、バルブを規則的に反復開閉させながら、短い高速ジェットの反復噴射方式で有機薄膜を構成してパターンを形成する。これによって、常圧条件でのパターン印刷が可能になり、基板の大面積化及び高精細パターンの印刷が可能になる。また、有機電子デバイス製造の生産性及び経済性を高めることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ディスプレイ(以下、OLEDとする)、有機太陽電池(以下、OPVとする)、有機薄膜トランジスター(以下、OTFTとする)などの有機電子デバイスを製造する場合に、有機半導体薄膜を形成する印刷装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機電子デバイスは、次世代電子産業分野で大きく脚光を浴びている分野である。OLEDは、次世代平板ディスプレイ及びフレキシブルディスプレイの核心技術になるとみられていて、OPVは、エネルギー産業の重要性と共に最近活発な研究がなされている分野である。OTFTも、有機電子デバイスの駆動素子として脚光を浴びている。
【0003】
このような有機電子デバイスで最も核心になる部分が、有機半導体薄膜であり、一般に、真空蒸着したり溶液工程を使用したりして製造されている。
現在、最も常用化された技術としては、超高真空チャンバー中での熱蒸着昇華方式が使用されている。このような高真空方式は、最も優れた性質の有機電子デバイスを製造する方法として従来より活用されているが、次のような短所を有している。
【0004】
第一に、高真空を生成するための装備の費用が高く、装置の維持管理も困難である。
第二に、昇華して気化した有機半導体物質の大部分は、素子製造用に使用することができず、チャンバーの内壁などに付着してそのまま廃棄される。したがって、高価である有機半導体物質の損失が大きい。
【0005】
第三に、真空チャンバーの大きさが制限されたり、垂れなどによってシャドーマスクの大面積化にも限界がある。したがって、高精細パターンの実現が困難である。
上記のような理由で、高真空チャンバーを使用した昇華方式では、有機電子デバイスの設計に必須な高精細パターンの実現が難しい。また、大面積化が困難であるため、単位時間当りの生産量が顕著に低下することによって、有機電子デバイスの生産時間が長くなり、製品価格の上昇が不可避であるという短所を有している。
【0006】
高真空チャンバーを使用した昇華方式では、有機半導体物質の損失を低減し、大面積化を可能にするために、下向式蒸着が可能な有機蒸気状態蒸着法(以下、OVPDとする)が考案された。しかし、OVPDも印刷方式の蒸着法ではないため、シャドーマスクが必ず必要になり、既存の蒸着法の限界を越えることはできない。
【0007】
このような高真空チャンバー中での熱蒸着昇華法の代案として、インクジェット印刷方法やスタンピング方法を使用した溶液工程製法がある。溶液工程では、有機溶媒に比較的によく溶解する高分子有機半導体が使用される。このような、印刷やスタンピング工程は、常圧での製造が可能であり、特に、インクジェット印刷技法は、すでに液晶ディスプレイ(LCD)のカラーフィルター製造工程などで使用されている。また、溶液工程は、熱蒸着昇華方式の短所である高精細パターン印刷及び大面積化が可能である。
【0008】
しかし、インクジェット印刷やスタンピング方法を使用した溶液工程製法は、高分子有機半導体の特性上、熱蒸着昇華法で製造した有機半導体に比べてかなり低い効率と、寿命が短いという短所がある。また、溶液工程で生じるコーヒーステイン現象のような膜の不均一性等の問題により、均一な厚さの有機半導体薄膜を得るのが困難である。また、通常の有機電子素子は、多層の薄膜で構成される場合に優れた性能を示すことが多いが、インクジェット印刷方法やスタンピング方法には、多層の薄膜を形成しにくいという問題点がある。
【0009】
最近、有機蒸気状態蒸着法(OVPD)と印刷方法とを組み合わせたものとして、ノズルを通じて有機蒸気状態物質を蒸着させる有機蒸気ジェット印刷(以下、OVJPとする)法が考案された(特許文献1参照)。
【0010】
M.Shteinの特許出願技術によると、大きく二つの方法があり、ガードフロー気体を使用する場合と、そうではない場合とがある。前者の場合は、ノズル周辺の気圧が常圧であっても使用可能であるが、ガードフローを生成するための装置を追加する必要があり、また、気体が消耗する。後者の場合は、高精細パターンのため、大気圧(760Torr)より低い真空(約10Torr未満程度)状態で蒸着する必要がある。前記の方法は、連続的な気体の流れによって蒸着されるため、例えば、コーナーで厚くなる等、パターンによっては厚さが不均一になりやすく、厚さの微細調節のためには、遅い流速で気体を流さなければならない。よって、周辺の大気環境などの影響を受けやすいといった問題点がある。
【0011】
一方、図1は、特許文献2に開示された有機蒸気ジェット蒸着のための装置を示す図で、前記公開特許技術では、ソースセル910とノズルブロック930との間に、タイミングバルブ920が設置されている。このタイミングバルブ920は、基板950に有機フィルム960を一定間隔ごとに離隔して蒸着する時に使用される。連続した一つの有機フィルム960を形成する場合は、有機物質を継続噴射しながら基板950上に有機フィルム960を蒸着する。一定間隔を置いて離れた他の有機フィルム960を形成する場合のみ、キャリアガスを遮断した状態、すなわち、タイミングバルブ920を閉めた状態で、基板950が移動するように構成されている。
【0012】
このような技術でもやはり、有機フィルム960を形成せずに基板950が移動する場合を除き、M.Shteinの特許出願技術と同様に、連続的な気体の流れによって有機フィルム(パターン)が形成される。このため、パターンの厚さ調節が難しく、厚さの微細調節のためには遅い流速で気体を流さなければならない。よって、周辺が常圧である条件下では、パターンが周辺に広がる等の問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許公開第2005/0087131 A1号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10−2004−44534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたもので、常圧条件での製造、大面積化、高精細パターンの印刷等が可能になり、生産性及び経済性が向上する有機ドライジェット印刷ヘッド、及びそれを使用した印刷装置及び方法を提供することを目的としている。
【0015】
特に、本発明は、開閉バルブ及びそれを制御する制御ユニットを使用して、パターン(薄膜)を形成する期間において、バルブを規則的に反復開閉し、短い高速ジェットの反復噴射を通じてパターンを形成することによって、周辺の気体圧力が常圧であっても、パターンの広がりを最小化して、パターンを均一かつ精密に形成することのできる有機ドライジェット印刷ヘッド、及びそれを使用した印刷装置及び方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を実現するために本発明による有機ドライジェット印刷ヘッドは、基板上に薄膜またはパターンを形成するための有機物質が貯蔵され、この有機物質を基板に噴射するためのノズルに連結されたヘッドボディと、ヘッドボディの内側にてキャリアガスを移動させて、ヘッドボディ内の有機物質を、ノズルを通じて基板上に噴射させるキャリアガス供給器と、キャリアガス供給器、またはヘッドボディにおいてキャリアガスが通過する部分に具備されてキャリアガスの流動を調節する開閉バルブと、基板上に薄膜又はパターンを形成する薄膜形成期間で、開閉バルブを規則的に反復開閉させながら、ノズルを通じて有機物質を噴射するように制御する制御ユニットとを含む。
【0017】
ヘッドボディは、有機物質を加熱できるように加熱器を具備することが好ましい。
開閉バルブは、ヘッドボディとキャリアガス供給器との間でキャリアガスが通過する管路上に設置することが好ましい。
【0018】
ここで、ヘッドボディとキャリアガス供給器を連結する管路上には、ヘッドボディで発生した熱が開閉バルブに伝達しないようにするための断熱装置を備えたり、ヘッドボディから開閉バルブに伝達される熱を冷却するための冷却装置を備えたりすることが好ましい。
【0019】
開閉バルブは、ヘッドボディにおいて有機物質が貯蔵される部分とノズルとの間の通路、または、ノズル近傍で開閉するように構成することが好ましい。
開閉バルブは、制御ユニットの信号にしたがって作動するソレノイド開閉構造からなることが好ましい。
【0020】
また、開閉バルブは、ノズルの微細調節が可能なMEMSシャッター型の開閉構造からなることが好ましい。
制御ユニットは、開閉バルブの規則的反復開閉のために、ソレノイドまたはMEMSを制御するパルスジェネレーターを含むことが好ましい。
【0021】
一方、ヘッドボディは、複数の有機物質貯蔵部を有し、各有機物質貯蔵部には、ノズルに連結される通路が連結され、各有機物質貯蔵部に貯蔵された有機物質は、キャリアガス供給器から供給されるキャリアガスによってノズルを通じて噴射されることが好ましい。
【0022】
ここで、ヘッドボディにおいて各有機物質貯蔵部に連結される複数の通路が合流する地点には、有機物質を混合するためのミキシングチャンバーが具備されて、このミキシングチャンバーがノズルと連結されていることが好ましい。
【0023】
また、各有機物質貯蔵部とミキシングチャンバーとの間の通路、またはミキシングチャンバーとノズルとの間の通路には、開閉バルブを設置することが好ましい。
次に、上述した課題を実現するための本発明による有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷装置は、上述したような有機ドライジェット印刷ヘッドを含み、ノズルと対向するように位置して、上部に薄膜又はパターンを形成する基板を載置するのと同時に、制御ユニットによってノズルと基板との相対位置を調節可能なステージを含む。
【0024】
ここで、ステージには、基板の温度を調節できるように温度調節機を設置することが好ましい。
次に、上述した課題を実現するための本発明による有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷方法は、ヘッドボディに貯蔵された有機物質を加熱して昇華させる工程と、有機物質を昇華させた後、キャリアガスの流れを使用して加熱された有機物質をノズルの外に噴射して、それにより、基板上に有機物質を蒸着して薄膜又はパターンを形成する工程とを備え、基板上に薄膜又はパターンを形成する薄膜形成期間で、キャリアガスの流れを規則的に遮断及び供給することを反復しながら、基板上に有機物質を蒸着して薄膜またはパターンを形成することを特徴とする。
【0025】
そして、基板上に薄膜又はパターンを形成しない薄膜未形成期間では、キャリアガスの流れを遮断することが好ましい。
このような印刷方法は、基板の周辺が常圧である条件下で、基板上に有機物質を蒸着して薄膜又はパターンを形成することができる。
【0026】
基板上に有機物質を蒸着する場合、複数の有機物質を混合して噴射しながら薄膜を形成することが好ましい。
前記のような印刷方法においては、キャリアガスの流れは、キャリアガスが通過する管路上に設置された開閉バルブを使用して調節され、基板上に形成される薄膜又はパターンの厚さは、開閉バルブの単位時間当りの開閉周期、開閉バルブのオンオフ時間比を調節して形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明による有機ドライジェット印刷ヘッド及びそれを使用した印刷装置及び方法は、常圧条件での工程が可能で、大面積化が可能であるのと同時に、高精細パターンの印刷が可能であるため、生産性及び経済性が向上する。
【0028】
すなわち、本発明は、開閉バルブ及びバルブを制御する制御ユニットを通じて、パターンを形成する期間で、バルブを規則的に反復開閉させながら、短い高速ジェットの反復噴射方式でパターンを形成することができる。したがって、周辺の圧力が常圧であっても、パターンの広がりを低減することができ、高精度のパターン形成が可能になる。それと同時に、一定の流速で有機物質を噴射しながら、バルブの開閉と同期したパルスの幅や反復回数、オンオフ比などによって、薄膜の厚さを容易に調節することができる。
【0029】
本発明は、背景技術で言及したように基板上に均一な薄膜又はパターンを形成することが可能であり、性能が検証された高真空チャンバーを使用した熱蒸着昇華法と、高精細パターン印刷及び大面積化が可能なインクジェット印刷方法の長所とを共に実現することができる。
【0030】
したがって、現在、量産化が問題とされている有機電子デバイスの製造に新しい突破口を開くことができ、今後の有機電子デバイスの市場の拡大に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】韓国公開特許に開示された先行技術の構成図。
【図2】本発明による一実施例の有機ドライジェット印刷ヘッドを示す構成図。
【図3】有機ドライジェット印刷ヘッドの制御信号設定の一例を示すタイミングチャート。
【図4】他の実施例の有機ドライジェット印刷ヘッドを示す構成図。
【図5】他の実施例の有機ドライジェット印刷ヘッドを示す構成図。
【図6】他の実施例の有機ドライジェット印刷ヘッドを示す構成図。
【図7】図6のA方向から見た開閉バルブの概略図。
【図8】本発明によるマルチ型有機ドライジェット印刷ヘッドを示す構成図。
【図9】本発明による有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷装置の構成図。
【図10】有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷制御方法の一例を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例を説明する。
図2は、本発明による一実施例の有機ドライジェット印刷ヘッドを示す構成図で、図3は、本発明による有機ドライジェット印刷ヘッドの制御信号設定の一例を示すタイミングチャートである。
【0033】
本発明による一実施例の有機ドライジェット印刷ヘッドには、基板に有機半導体薄膜または微細パターンを形成するための有機半導体物質(以下、有機物質と称す)など、パターンを形成する物質を貯蔵するヘッドボディ10が具備されている。ヘッドボディ10には、有機物質を貯蔵する有機物質貯蔵部12がチャンバー型構造で形成され、また、有機物質貯蔵部12の中心には、ヘッドボディ10を貫通するキャリアガス通路14が形成されている。
【0034】
キャリアガス通路14は、図2でヘッドボディ10を前後に貫通する構造を示しているが、キャリアガスが有機物質貯蔵部12を通過しながら有機物質を移送して噴射されるのであれば、キャリアガス通路14の経路は、多様に変更することができる。
【0035】
ヘッドボディ10のキャリアガス通路14の末端には、有機物質を噴射するようにノズル16が具備されている。このノズル16は、ヘッドボディ10に一体に設置されるのが好ましいが、必要に応じて、ヘッドボディ10と分離して、ヘッドボディ10のキャリアガス通路14と管路で連結された状態で、有機物質を噴射するように構成することもできる。
【0036】
ヘッドボディ10は、熱蒸着昇華法と類似の原理で200℃〜500℃程度の熱を加えて、有機物質貯蔵部12内の有機物質を昇華させた後、昇華した高分子を、キャリアガスの流れを使用してノズル16外に噴射させることができるように構成されたものである。
【0037】
そのために、ヘッドボディ10には、有機物質貯蔵部12に貯蔵された有機物質を昇華させる加熱器18が具備されている。加熱器18は、電気を使用してヘッドボディ10を加熱する電気ヒーターで構成することが好ましい。
【0038】
ヘッドボディ10の後方、すなわち、ノズル16の反対側には、キャリアガス供給器20が具備されている。キャリアガス供給器20は、キャリアガス通路14を通じてキャリアガスを供給することにより、ヘッドボディ10内の有機物質をノズル16を通じて基板に噴射する。キャリアガス供給器20は、本技術分野で公知の構成であるため、具体的な図及び説明は省略する。
【0039】
ここで、キャリアガスは、窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)などの不活性気体を使用することが好ましい。
このようなキャリアガスの噴射圧力は、ノズル外部の気圧以上、及びノズルと基板との間の気圧以上に設定することが好ましく、ノズル外部の気圧、及びノズルと基板との間の気圧が常圧である場合には、噴射圧力を1気圧以上に設定する。
【0040】
特に、本実施例では、ヘッドボディ10とキャリアガス供給器20との間のキャリアガスが通過する管路には、開閉バルブ30が設置されている。開閉バルブ30は、キャリアガスの供給を調節すると同時に、規則的な反復開閉を通じて有機物質を均一に噴射させる機能を有する。
【0041】
このような開閉バルブ30は、規則的な反復開閉のために、ソレノイドバルブ構造で構成することができる。図2を参照すれば、開閉バルブ30は、管路と一体に形成されたり或いは管路との間に設置されたりするバルブボディ31と、このバルブボディ31の内側で直線往復運動しながらバルブホール32(または管路)を開閉するバルブロード33と、このバルブロード33を規則的に往復運動させるソレノイド35と、このソレノイドに対向する力を提供するスプリング36とを備えている。開閉バルブ30は、ソレノイド35で発生した磁気力とスプリング36の相互作用力とによってバルブロード33を直線往復運動させながらバルブホール32を開閉するように構成されている。
【0042】
図2では、開閉バルブ30が、管路と同一線上に構成された実施例を例示したが、これに限定されるものではなく、キャリアガスが通過する管路を規則的に反復開閉させることができる構造であれば、公知のソレノイドバルブ構造を用いて構成することができる。また、バルブロード33の後方(ソレノイドが位置した部分)には、キャリアガスが通過する部分が示されていないが、バルブロードの後方に貫通流路を形成することも可能である。
【0043】
開閉バルブ30を規則的に反復開閉させるため、ソレノイド35に制御信号を提供する制御ユニット40が具備されている。
制御ユニット40は、制御コンピューターで構成することができ、開閉バルブ30のソレノイド35に、図3に示す規則的な開閉信号を提供するパルスジェネレーター(図9参照)を含むことが好ましい。このような制御ユニット40は、開閉バルブ30のソレノイド35にパルスジェネレーターを通じてデジタル信号を提供して、バルブを反復開閉するように制御する。ここで、バルブの開閉周期または開閉(オンオフ)時間比(デューティ比)などを制御しながらパターンを印刷する。
【0044】
パターン形成期間で連続的に有機物質を噴射し、パターン未形成期間で開閉バルブ30を閉めて有機物質の噴射を中断する従来の開閉方式とは異なり、本発明の制御構造によれば、連続したパターン形成期間で反復的に開閉バルブ30を開閉しながら有機物質を噴射してパターンを形成するように制御する。
【0045】
特に、基板に形成される薄膜の厚さを微細に調節する場合、従来のようにキャリアガスの流速(高速または低速など)を調節する方式を使用せずに、本発明ではバルブ30の開閉周期、又はオンオフ時間比を異ならせる高速ジェットの反復噴射方式を使用することで、周辺の圧力が常圧であっても、パターンの広がりを防止することができる。したがって、薄膜の厚さを微細に調節することができ、公知のインクジェット印刷技法により実現することができる高精細パターンの形成が可能になる。
【0046】
本発明は、反復開閉方式を使用してパターンを印刷することで、基板に形成された薄膜の均一性を確保することができ、公知のインクジェット印刷方法と同様に、高精細パターン印刷及び大面積化を可能にする。
【0047】
ここで、高精細印刷のために最も重要な要因は、ノズル16の径と形状であり、ノズル16の径は、印刷しようとするパターンの大きさに比例して決定することが好ましく、ノズル16の形状は、ジェット印刷に支障のない範囲で製造する有機電子デバイスのパターン模様によって最適化することが好ましい。
【0048】
一方、上記で説明したように、ヘッドボディ10は、有機物質の昇華のため、加熱器18によって加熱される。このため、ヘッドボディ10の熱が開閉バルブ30に伝達されると、ソレノイド35などが正常に作動しなくなることがある。したがって、ヘッドボディ10と開閉バルブ30との間には、熱を遮断する断熱装置(未図示)や、開閉バルブ30を冷却する冷却装置50が必要になる。
【0049】
断熱装置は、ヘッドボディ10の開閉バルブ30が連結される部分、ヘッドボディ10と開閉バルブ30との間の管路、及び開閉バルブ30のボディの少なくともいずれか一つ以上に断熱部材を設置して構成することができる。このような断熱装置は、当業者であれば多様に適用して実施することができるため、それに対する具体的な図面及び説明は省略する。
【0050】
クーリングシステム50は、ヘッドボディ10から伝達される熱を冷却するために設置されるもので、一般的な構造と共に冷却流体を通過させる構成の方式や、空冷式構造、または熱伝達構造を使用した方式などの多様な構成により設置することができる。図2は、上記の冷却装置50を設置可能な位置を示す。
【0051】
以下、本発明による有機ドライジェット印刷ヘッドの多様な実施例を、図4〜図8を参照して説明する。以下、図2を参照して説明した印刷ヘッドと異なる部分を中心に説明し、同一又は類似の構成部分には同じ参照番号を付与してそれに対する詳細な説明は省略する。
【0052】
図4は、本発明による他の実施例の有機ドライジェット印刷ヘッドを示す図である。
図4に示す有機ドライジェット印刷ヘッドは、図2を通じて説明した有機ドライジェット印刷ヘッドと基本的に類似の構造からなり、開閉バルブ30の開閉部分がノズル近傍に位置した構成を示す。バルブの開閉部分を、有機物質貯蔵部12とノズル16との間の通路14’に設置して構成することもできる。また、バルブロード33は、ヘッドボディ10を貫通しているが、開閉バルブ30全体を、有機物質貯蔵部12とノズル16との間の通路14’上に設置して構成することもできる。
【0053】
このように開閉バルブ30を有機物質が流動する通路14’上に設置した場合、開閉バルブ30が完全に閉じられた状態で、有機物質がノズル16外に噴射されたり流出したりすることを防止できる。
【0054】
図5は、本発明による他の実施例の有機ドライジェット印刷ヘッドを示す図である。
図5に示す有機ドライジェット印刷ヘッドは、上記の実施例と異なり、ソレノイドコイル35Aを含む開閉バルブ30Aの全体をヘッドボディ10の前部に配置して、有機物質貯蔵部12をヘッドボディ10の後部に配置した構造を示している。
【0055】
ここで、開閉バルブ30A及びノズル16の連結部分の温度を有機物質貯蔵部12の温度より高くする必要があるため、高温でも充分に耐えることができるバルブを使用しなければならない。ソレノイド式バルブを使用する場合、電磁石に使用されるソレノイドコイル35Aも高温に耐えられなければならない。そのような耐熱型コイルとしては、酸化マグネシウムがコーティングされたものや、グラス・ファイバーで被覆されたものなどがあり、これらは、本技術分野で公知の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
【0056】
部材番号34は、ノズル穴を開閉するためのバルブ体を示す。図5において、説明しない残りの部材番号の構成は、前述の実施例の構成と同一又は類似の機能を有する部分であるため、同一部材番号を付与してそれに対する説明は省略する。
【0057】
図6は、本発明による他の実施例の有機ドライジェット印刷ヘッドを示す図で、図7は、図6のA方向から見た開閉バルブ300の概略図である。
図6及び図7に示す有機ドライジェット印刷ヘッドは、数百マイクロメーターの高精細パターン印刷のために、ソレノイドバルブ構造の開閉バルブに代えて、MEMSシャッターを使用して構成したものである。有機ドライジェット印刷方法は、ノズルの径によってパターンの大きさが決定されるため、ノズルの径が小さくなる場合に、微細調節可能なMEMSシャッター型開閉バルブ300を使用することが好ましい。
【0058】
このようなMEMSシャッター型開閉バルブ300は、ヘッドボディ10の噴射通路15の末端に設置することが好ましく、その構成は、噴射通路15を塞ぐ遮蔽板310と、その遮蔽板310の中心に形成されて事実上ノズルの役割をするピンホール320と、このピンホール320を開閉するシャッター330と、このシャッターを移動させるマイクロアクチュエーター340とを備えることができる。
【0059】
遮蔽板310には、加熱器とともに有機物質を加熱するようにマイクロヒーター350を付加して構成することもできる。
一方、MEMSシャッター型開閉バルブ300に代えて、圧電シャッターなどを使用して微細ホールの開閉を制御可能な公知のバルブ装置を適用することもできる。
【0060】
このような開閉バルブ300を除いた残りの構成は、上述の本発明の実施例と同様に構成することができるため、それに対する説明は省略する。
図8は、本発明によるマルチ型有機ドライジェット印刷ヘッドを示す実施例の図である。
【0061】
マルチ型ヘッドは、二つの以上の有機物質を同時に噴射して基板に蒸着させるように構成したものである。マルチ型ヘッドを使用して、一つの有機物質を噴射することもできる。
【0062】
マルチ型ヘッドは、一例として、図8に示すように、ヘッドボディ100の中央部にミキシングチャンバー110を備え、このミキシングチャンバー110の両側に有機物質貯蔵部12、キャリアガス通路14、キャリアガス供給器20、開閉バルブ30、加熱器18、クーリングシステム50などを備えることができる。
【0063】
ここで、開閉バルブ30は、図4に示す構成を例示したが、図2に示す開閉バルブ30を適用することもできる。
また、マルチ型ヘッドには、ミキシングチャンバー110を貫通するキャリアガス通路114が形成され、このキャリアガス通路114の末端には、ノズル116が設置されている。特に、ノズル116を規則的に反復開閉させるように、図4に示す開閉バルブ30と類似の構造を有する開閉バルブ130がヘッドボディ10の中央に設置されると共に、キャリアガス供給器120がヘッドボディ10の後部に設置されている。
【0064】
このようなマルチ型ヘッドを適用した装置を使用すると、制御ユニット及び各開閉バルブ30(130)をデジタル方式で反復開閉させる制御が可能になり、それによって、OLED、OPV、OTFTに一つ以上の有機半導体物質を混合してパターンを容易に形成することができ、有機電子デバイスの性能を向上させることができる。
【0065】
前記で説明した本発明による有機ドライジェット印刷ヘッドは、印刷装置に設置して基板に薄膜(パターン)を形成するのに適用される。次に、本発明による有機ドライジェット印刷装置について説明する。
【0066】
図9は、本発明による有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷装置の一実施例の構成図である。次に、図4に示す印刷ヘッドを図9の印刷装置に適用した構成を例示して説明する。
【0067】
印刷装置は、上部に薄膜(パターン)を形成する基板(S)が載置されるステージ60を具備している。このステージ60は、制御ユニット40によって印刷ヘッド1のノズル16と基板(S)との相対位置を変化させながら基板(S)上にパターン(P)を印刷できるように構成されている。
【0068】
そのために、ステージ60は、X−Y軸方向に基板を移動させるように構成することができ、必要に応じて、Z軸方向に基板を移動させるように構成することもできる。もちろん、ステージ60とは別に、印刷ヘッド1を、X、Y、Z軸のうち少なくとも一方向に移動させるように構成することもできる。
【0069】
このようにノズル16と基板(S)との相対位置を変化させるため、ステージ60または印刷ヘッド1の位置が制御される。制御コンピューター40’などを使用して統合制御する技術は、公知の構成であるため、具体的な説明は省略する。
【0070】
但し、制御コンピューター40’は、開閉バルブ30を規則的に反復開閉する制御が可能な制御ユニット40を含むことができ、この制御ユニット40は、図9に示すパルスジェネレーター45とともに、またはパルスジェネレーター45から分離して構成することができる。
【0071】
一方、ステージ60は、印刷ヘッド1から噴射された有機物質の温度が比較的高いため、有機半導体薄膜が形成される基板(S)の温度を調節できるように温度調節機65を設けることが好ましく、ここで、基板の温度は、有機物質貯蔵部12の温度より低く設定することが好ましく、一般に、0℃〜30℃の常温程度であれば好ましいが、場合によっては、薄膜の結晶性などを良くするためにこれよりも高い温度で維持することもできる。また、ノズル16とステージ60との間には、過度な熱伝達によって温度調節機65にかかる過度な負荷を防止する防熱装置を具備することが好ましい。
【0072】
下記では、本発明による有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷方法に対して説明する。
図9を参照すれば、ステージ60上にパターン(P)を印刷する基板(S)を載置して、基板(S)とノズル16との相対位置を調節して、初期パターン形成位置をセッティングする。
【0073】
初期位置セッティングの前後に、ヘッドボディ10の加熱器18を作動させて、有機物質貯蔵部12に貯蔵された有機物質を100℃〜500℃に加熱して昇華させる。ここで、有機物質が通り過ぎるすべての通路は、有機物質貯蔵部12の温度と同じか、或いはそれよりも高く維持して、有機物質を固着させないようにすることが好ましい。
【0074】
このような状態で、キャリアガス供給器20を作動させてキャリアガスをヘッドボディ10内に流動させると同時に、制御ユニット40から制御パルス信号を出力して開閉バルブ30を規則的に反復開閉させながら、ノズル16を通じて有機物質を噴射する。
【0075】
ここで、キャリアガスの供給圧力は、有機物質を基板(S)に対し常圧の状態で噴射させなければならないため、1気圧以上の圧力を使用することが好ましい。
また、開閉バルブ30の開閉周期、又はオンオフ時間比は、基板に形成するパターンの厚さ、有機物質の種類、周辺圧力などを考慮して、制御ユニット40に予め設定された制御データによって決定される。こうして、ノズル16を通じて噴射される有機物質は、高速ジェットの反復噴射方式で、基板上にパターンを形成するように噴射される。
【0076】
このような方式で基板(S)に有機物質を噴射するのと同時に、基板(S)とノズル16との相対位置を変化させながら、基板上における所望の位置にパターンを形成する。
開閉バルブを反復開閉する制御による本発明の印刷方法は、一つの連続したパターンを形成する場合、開閉バルブ30を反復開閉させながら、パターンを連続的に形成する。このため、前述したように、反復噴射方式によるパターン形成によって、パターンの広がりを低減することができ、また高精細パターンを形成することが可能になる。
【0077】
すなわち、従来は、基板に蒸着するパターンの厚さを調節するためにキャリアガスを低い流速で供給して、有機物質をゆっくり噴射させながらパターンを形成していた。このため、パターンの厚さの調節が容易でないだけでなく、低い流速によって、基板に蒸着した有機物質がパターン形成領域外に広がる現象が発生した。このような有機物質の広がりは、常圧条件でパターンを形成する時、さらに顕著であった。
【0078】
しかし、本発明のように反復開閉方式で有機物質を噴射しながらパターンを形成する場合には、相対的に早い流速(高速)でキャリアガスを供給し、ON/OFF反復制御方式で有機物質を噴射することにより、常圧条件であっても、パターンの微細な厚さ調節、及び高精細パターンの形成が可能になる。
【0079】
また、パターンの厚さ調節は、開閉バルブ30の単位時間当り開閉周期及び回数またはオンオフ時間比を適切に設定することによって可能になる。例えば、同一流速の噴射条件でパターンを厚くするには、図10に示すように、薄膜(パターン)形成期間Iのように、開閉バルブ30の開放時間を長くし、閉塞時間を短く設定する方式で、オンオフ時間比を設定すればよい。反対に、パターンを薄くするには、薄膜(パターン)形成期間IIのように、開閉バルブ30を閉塞時間を長くし、開放時間を短くする方式で、オンオフ時間比を設定すればよい。もちろん、薄膜(パターン)未形成期間では、開閉バルブをオフして、キャリアガスの流れを遮断し、有機物質の噴射を停止する。
【0080】
本発明では、開閉バルブ30の開閉周期などを適切に設定して、反復開閉する方式で制御しながら、基板(S)上に有機物質を蒸着させる。このため、常圧条件であっても、パターンの広がりを低減することができ、高精度のパターン形成が可能になる。それと同時に、一定の流速で有機物質を噴射しながらも、パターンの厚さを容易に調節することができ、高精細なパターン印刷が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
有機電子デバイスは、OLEDのように市場を形成する段階から今後、大きな市場を創出する潜在力がある。しかし、現在までの技術では、高精細パターンの実現が難しく、大面積化の課題があり、大規模生産が難しいため、製品の単価が高くなり、生産時間が長くなる等の問題がある。本発明に係る常圧の有機ドライジェット印刷ヘッド及びそれを使用した装置及び方法によれば、このような問題を解決することができるため、有機電子デバイスの市場の形成に大きく役立つことが期待されている。特に、OLEDは、現在小型ディスプレイにのみ適用可能だったが、TVやインフォメーションディスプレイのような大型ディスプレイへの適用可能性を高めることができる。また、常圧の有機ドライジェット印刷技術は、有機電子デバイスの量産化に大きく寄与することもできる。
【符号の説明】
【0082】
10…ヘッドボディ、12…有機物質貯蔵部、14…キャリアガス通路、16…ノズル、18…加熱器、20…キャリアガス供給器、30…開閉バルブ、31…バルブボディ、32…バルブホール、33…バルブロード、35…ソレノイド、36…スプリング、40…制御ユニット、50…クーリングシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に薄膜またはパターンを形成するための有機物質が貯蔵され、前記有機物質を前記基板に噴射するためのノズルに連結されたヘッドボディと、
前記ヘッドボディの内側でキャリアガスを移動させて、前記ヘッドボディ内の有機物質を、前記ノズルを通じて前記基板上に噴射させるキャリアガス供給器と、
前記キャリアガス供給器、または前記ヘッドボディにおいて前記キャリアガスが通過する部分に具備されて前記キャリアガスの流動を調節する開閉バルブと、
前記ヘッドボディと前記ノズル、またはキャリアガス供給器管路上に具備されて前記有機物質を加熱する加熱器と、
前記基板上に薄膜又はパターンを形成する薄膜形成期間で、前記開閉バルブを規則的に反復開閉させながら、前記ノズルを通じて有機物質を噴射するように制御する制御ユニットとを含み、
前記開閉バルブは、前記ヘッドボディと前記キャリアガス供給器との間で前記キャリアガスが通過する管路上、前記ヘッドボディで有機物質が貯蔵された部分と前記ノズルとの間の通路、又は前記ノズル近傍で開閉するように構成されていることを特徴とする有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項2】
前記ヘッドボディと前記キャリアガス供給器とを連結する管路上に、前記ヘッドボディで発生した熱が前記開閉バルブ又は前記基板に伝達しないようにする断熱装置を具備することを特徴とする請求項1に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項3】
前記ヘッドボディと前記キャリアガス供給器とを連結する管路上に、前記ヘッドボディから前記開閉バルブ又は前記基板に伝達する熱を冷却する冷却装置を具備することを特徴とする請求項1に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項4】
前記開閉バルブは、前記制御ユニットの信号によって作動するソレノイド開閉構造からなることを特徴とする請求項1に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項5】
前記開閉バルブは、前記ノズルの微細調節が可能なMEMSシャッター型の開閉構造、又は圧電物質からなるシャッター型の開閉構造により構成され、前記制御ユニットの信号によって作動することを特徴とする請求項1に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記開閉バルブの規則的な反復開閉のための駆動回路としてパルスジェネレーターを含むことを特徴とする請求項4に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記開閉バルブの規則的な反復開閉のための駆動回路としてパルスジェネレーターを含むことを特徴とする請求項5に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項8】
前記パルスジェネレーターは、ソレノイド、MEMSシャッター、又は圧電シャッターを制御することを特徴とする請求項6に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項9】
前記パルスジェネレーターは、ソレノイド、MEMSシャッター、又は圧電シャッターを制御することを特徴とする請求項7に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項10】
前記ヘッドボディは、複数の有機物質貯蔵部を有し、前記各有機物質貯蔵部には、前記ノズルに連結される通路が連結され、
前記各有機物質貯蔵部に貯蔵された有機物質は、前記キャリアガス供給器から供給されるキャリアガスによって前記ノズルを通じて噴射されることを特徴とする請求項1に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項11】
前記ヘッドボディにおいて前記各有機物質貯蔵部に連結される複数の通路が合流する地点には、前記有機物質を混合するためのミキシングチャンバーが具備され、前記ミキシングチャンバーは、前記ノズルに連結されていることを特徴とする請求項10に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項12】
前記各有機物質貯蔵部と前記キャリアガス供給器との間、前記各有機物質貯蔵部と前記ミキシングチャンバーとの間の通路、又は前記ミキシングチャンバーと前記ノズルとの間の通路には、前記開閉バルブが設置されていることを特徴とする請求項11に記載の有機ドライジェット印刷ヘッド。
【請求項13】
請求項1に記載された有機ドライジェット印刷ヘッドと、
前記ノズルと対向するように配置され、上部に薄膜又はパターンを形成する基板が載置されると同時に、前記制御ユニットによって、前記ノズルと前記基板との相対位置が変化させられるステージと
を含むことを特徴とする有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷装置。
【請求項14】
前記ステージには、前記基板の温度を調節する温度調節機が設置されていることを特徴とする請求項13に記載の有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷装置。
【請求項15】
前記ヘッドボディに貯蔵された有機物質を加熱して昇華させる工程と、
前記有機物質を昇華させた後、キャリアガスの流れを使用して前記加熱された有機物質をノズルの外に噴射し、それにより、前記基板上に有機物質を蒸着して薄膜又はパターンを形成する工程とを備え、
前記基板上に前記薄膜又はパターンを形成する薄膜形成期間で、前記キャリアガスの流れを規則的に遮断及び供給することを反復しながら、前記基板上に前記有機物質を蒸着して薄膜又はパターンを形成することを特徴とする有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷方法。
【請求項16】
前記基板上に前記薄膜又はパターンを形成しない薄膜未形成期間では、前記キャリアガスの流れを遮断することを特徴とする請求項13に記載の有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷方法。
【請求項17】
前記基板の周辺が常圧である条件下で、前記基板上に有機物質を蒸着して前記薄膜又はパターンを形成することを特徴とする請求項13に記載の有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷方法。
【請求項18】
前記基板上に前記有機物質を蒸着する場合、複数の有機物質を混合して噴射しながら前記薄膜又はパターンを形成することを特徴とする請求項13に記載の有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷方法。
【請求項19】
前記キャリアガスの流れが、前記キャリアガスが通過する管路上に設置された開閉バルブを使用して調節され、
前記基板上に形成される薄膜又はパターンの厚さは、前記開閉バルブの単位時間当りの開閉周期、前記バルブの開閉反復回数、又は開閉バルブのオンオフ時間比を調節して設定されることを特徴とする請求項13に記載の有機ドライジェット印刷ヘッドを使用した印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−103087(P2010−103087A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107014(P2009−107014)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(596071752)コリア アドバンスト インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (60)
【Fターム(参考)】