説明

有機化合物のガレヌス製剤

本発明は、a)治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、b)治療有効量のアムロジピンまたはその薬学的に許容される塩を含み;pH2で10分後に60%以下および20分後に98%以下の成分(a)のin vitro溶出、ならびに20分後に50%以上および30分後に70%以上の成分(b)の溶出プロフィールを示し;アリスキレンとアムロジピンとの自由用量配合物と生物学的に同等であるか、あるいは生物学的同等性にほとんど到達している;固定用量経口医薬配合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適切な担体中に活性成分として、経口で活性のあるレニン阻害剤であるアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、およびカルシウムチャネル遮断剤(CCB)であるアムロジピンまたはその薬学的に許容される塩を含む固定用量経口医薬配合物に関する。詳細には、本発明は、アリスキレンのヘミフマル酸塩をアムロジピンのベシル酸塩と組み合わせて含むガレヌス製剤を提供する。本発明は、また、それらの調製方法および薬剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
腎臓から放出されるレニンは、循環中でアンジオテンシノーゲンを開裂して、デカペプチドであるアンジオテンシンIを形成する。これは、次いで、肺、腎およびその他の臓器中でアンジオテンシン変換酵素によって開裂されて、オクタペプチドであるアンジオテンシンIIになる。該オクタペプチドは、直接的には動脈血管を収縮すること、および間接的には細胞外液容積の増大を伴って副腎からナトリウムイオン貯留ホルモンであるアルドステロンを遊離することの双方によって血圧を高める。レニン酵素活性の阻害剤は、アンジオテンシンIの形成低下を引き起こす。結果として、より少ない量のアンジオテンシンIIが産生される。その活性ペプチドホルモンの濃度低下は、例えば、レニン阻害剤の降圧効果の直接原因である。したがって、レニン阻害剤またはその塩は、例えば、降圧剤として、または鬱血性心不全を治療するのに採用できる。
【0003】
レニン阻害剤、アリスキレン、とりわけそのヘミフマル酸塩は、年齢、性別または人種と無関係に血圧降下治療において有効であることが知られており、また、十分に耐容性である。遊離塩基の形態のアリスキレンは、次式
【0004】
【化1】


によって表され、化学的には2(S),4(S),5(S),7(S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)フェニル]−オクタアミドと規定される。前記のように、もっとも好ましいのは、欧州特許出願公開第678503号中で実施例83として具体的に開示されている、そのヘミフマル酸塩である。
【0005】
アムロジピンは、公知のカルシウムチャネル遮断剤(CCB)であり、アリスキレンとの組合せは、例えば、国際公開第02/40007号に記載されている。
【0006】
アリスキレンは、その物理化学的特性のため製剤するのが困難な原薬であり、錠剤形態の経口製剤を信頼性のある確実な方法で調製することは、容易でない。例えば、アリスキレンは、針晶形状の晶癖を有し、その晶癖は、原薬のバルク特性、例えば、流動特性および嵩密度に否定的影響を及ぼす。原薬の圧縮挙動は、貧弱であり、弱い粒子間結合および加圧下での多形現象の変化につながる。アリスキレンは、粒子間結合の弱化にもつながる強い弾性要素を有する。原薬の品質、例えば、粒度分布、嵩密度、流動性、湿潤化挙動、表面積、および固着傾向は、極めて変化しやすく、錠剤の加工性に影響を及ぼす。さらに、アリスキレンは、高度に吸湿性である。水との接触および水の除去の後に、原薬の多形現象は、結晶性状態に比較して安定性の劣る非晶性状態に変化する。加えて、高用量(錠剤当たり300mgまでの遊離塩基)のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩である特定の事例において、錠剤の妥当な大きさを達成するためには、高い装薬量が必須となる。
【0007】
これらの困難の組合せは、標準的な錠剤製造法を極度に困難にする。アリスキレンの固形経口剤形は、国際公開第2005/089729号に記載されている。
【0008】
経口経路を介する医薬の投与は、患者による自己投与を可能にするので、好ましい。一般に、いくつかの活性成分を使用する固定用量経口配合物製剤の開発は、難題である。固定用量経口配合物を製剤化する場合、固定用量配合物の開発における時間および費用を節約するために、対応する同一活性成分の自由用量配合物と生物学的に同等である、患者に好都合な剤形を提供することが有利である。自由用量配合物と生物学的に同等である固定用量配合物の開発は、配合を求められる薬物の薬物動態および医薬特性に由来する多様な困難のため、難題である。
【0009】
錠剤形態の経口製剤を信頼できる確かな方法で調製する場合にアリスキレンが直面する困難は、前述の理由で、アリスキレンをその他の治療薬、とりわけアムロジピンと組み合わせて使用する場合に増強されることがある。
【0010】
アリスキレン、とりわけアリスキレンのヘミフマル酸塩とアムロジピンのベシル酸塩との安定な製剤の調製は、難題である。例えば、フマル酸と2種の活性成分のいずれかとの間のマイケル付加反応の結果として、分解生成物が生じることもあることが見出された。例えば、マイケル付加反応の分解生成物は、アリスキレンとフマル酸との間の反応から生じることがあり、かつ/またはマイケル付加の分解生成物は、アムロジピンとフマル酸との間の、とりわけ高められた温度および/または湿度の条件下での反応から生じることがある。加えて、アルコール、とりわけ湿式造粒を介して製剤を調製するのに使用されているエタノールまたはイソプロパノールなどのアルコールの存在下で、アムロジピンベシル酸塩は、アルコールと反応してスルホン酸エステル誘導体、例えば、ベンゼンスルホン酸エチルまたはベンゼンスルホン酸イソプロピルを形成することがある。これらの起こり得る副反応は、すべて、前記製剤の調製を極度に困難で大変なものにする。
【0011】
アムロジピンおよび/またはアリスキレンの薬用量が高い事例において、2種の薬物を組み合わせるなら、過度に大きな製剤を回避するために、添加剤の量を最小に保持することが極めて望ましい。その事実にもかかわらず、製剤は、上記要件のすべてを相変わらず達成するのは当然である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、アムロジピンと一緒に製剤化する場合のアリスキレンの特性と関係する上記の諸問題を克服する適切で確かなガレヌス製剤を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くべきことに、対応する自由用量配合物と好ましくは生物学的に同等であるか生物学的同等性にほとんど到達している、配合物の確かなガレヌス製剤を得るためには、2種の活性成分の特定の溶出プロフィールが必要とされることが見出された。個々の活性成分の溶解性および吸収特性から、溶解プロフィールが、生物学的同等性に到達する上で決定的であるとは予想しないであろう。
【0014】
本発明は、
a)治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、
b)治療有効量のアムロジピンまたはその薬学的に許容される塩、
を含む固定用量経口医薬配合物を対象とし、
ここで、該固定用量経口医薬配合物は、pH2で、10分後に60%以下および20分後に98%以下の成分(a)のin vitro溶出、ならびに20分後に50%以上および30分後に70%以上の成分(b)の溶出プロフィールを示す。
【0015】
このような固定用量経口医薬配合物は、アリスキレンとアムロジピンとの自由用量配合物と生物学的に同等であるか、生物学的同等性にほとんど到達している。前記の溶出データプロフィールは、製剤、とりわけ、本発明による二層などの多層、および単層錠剤で達成される。
【0016】
本発明による製剤は、確かな製剤である。したがって、本明細書に記載の製剤の場合、6カ月の時点でまでに検出される前述のマイケル付加またはスルホン酸エステル分解生成物は、0.5%または150ppmの仕様より少ない。物理的安定性に関して、本発明の製剤の外観変化は観察されなかった。加えて、本発明による製剤は、高密度ポリエチレン製ボトル中にシリカゲル缶などの乾燥剤と共に25℃以下で貯蔵した場合に、少なくとも12カ月の再試験期間を耐える。同様に、ACLAR4000(ポリ塩化ビニルおよびポリクロロトリフルオロエチレンから作られた2層ブリスターホイル)中のブリスター包装、およびAlu−alu(ヒートシールが可能なラッカー仕上げアルミニウムホイルで裏打ちされた多層ポリアミド−アルミニウムホイル−ポリ塩化ビニルから作られたブリスター包装)は、25℃以下で貯蔵すると、少なくとも12カ月の再試験期間を耐える。
【発明を実施するための形態】
【0017】
種々の用語は、本出願を通して、下記で定義する通りである。
【0018】
本明細書中で使用する場合、「固定用量配合物」は、単一の投与単位(例えば、錠剤またはカプセル剤)で提供され、そういうものとして投与される規定用量の2種の薬物または活性成分の配合物を指し、さらに、本明細書中で使用する場合、「自由用量配合物」は、同時ではあるが2つの異なる投与単位で投与される2種の薬物または活性成分の配合物を指す。
【0019】
用語「有効量」または「治療有効量」は、治療されている状態の進行を停止または減速するか、あるいはそうでなければ該状態を完全もしくは部分的に治癒する、または状態に緩和的に作用する、活性な成分または薬物の量を指す。用語「薬物」、「活性物質」、「活性成分」、「活性薬物」などは、本明細書中で使用する場合、特記しない限り成分(a)および(b)を指す。成分(a)または(b)のそれぞれは、「薬物」、「活性物質」、「活性成分」、「活性薬物」などと呼ぶことができる。
【0020】
これまでおよびこれから、用語「アリスキレン」は、特別に定義されないなら、遊離塩基とその塩、特に、その薬学的に許容される塩、例えばそのヘミフマル酸塩、硫酸水素塩、オロチン酸塩、または硝酸塩、好ましくはそのヘミフマル酸塩の双方であると解されるべきである。もっとも好ましくは、アリスキレンは、そのヘミフマル酸塩として使用される。
【0021】
アリスキレンまたはその薬学的に許容される塩は、例えば、それ自体公知の方法で、特に欧州特許出願公開第678503号の実施例83に記載のように調製することができる。
【0022】
以下において、用語「アムロジピン」は、特別に定義しない限り、遊離塩基、およびその塩、特にその薬学的に許容される塩、もっとも好ましくはそのベシル酸塩の双方であると解されるべきである。もっとも好ましくは、アムロジピンは、そのベシル酸塩として使用される。
【0023】
放出プロフィール:
用語「放出」は、本明細書中で使用する場合、固定用量経口医薬配合物が流体と接触し、そして該流体が、剤形の外側の薬物(群)を、該剤形を取り囲む流体中へ輸送する過程を指す。患者において所定の剤形によって示される送達速度と送達持続時間の組合せは、そのin vivo放出プロフィールとして記述される。剤形の放出プロフィールは、様々な放出速度および持続時間を示す可能性があり、連続的であってもよい。連続的な放出プロフィールには、1種または複数の活性成分が、一定または変化する速度のどちらかで連続的に放出される放出プロフィールが含まれる。
【0024】
異なる放出プロフィールを有する2種またはそれ以上の成分が、1つの剤形中に配合される場合、2種の成分の得られる個々の放出プロフィールは、該成分群の一方だけを有する剤形と比較して、同一または異なる可能性がある。したがって、2種の成分は、互いの放出プロフィールに影響を及ぼし、それぞれの個々の成分について異なる放出プロフィールをもたらすことがある。
【0025】
2成分型剤形は、2種の成分の互いに同一または異なる放出プロフィールを示すことができる。各成分が異なる放出プロフィールを有する2成分型剤形の放出プロフィールは、「非同調性」と記述することができる。このような放出プロフィールは、(1)好ましくは成分(b)が、成分(a)に比べてより遅い速度で放出される様々な連続放出、および(2)成分(a)および(b)の一方、好ましくは成分(b)が、連続放出され、かつ成分(a)および(b)の残り、好ましくは成分(a)が、時間遅延を伴って連続放出されるように調節されるプロフィールの双方を包含する。また、例えば、薬物の50%を連続で、同一薬物の50%を時間遅延を伴って連続で放出する、1種の薬物に対する2つの放出プロフィールの組合せも可能である。
【0026】
即時放出:
本出願の目的に関して、即時放出製剤は、特別な製剤設計または製造方法によって意図的に調節されていない、活性物質(群)の放出を示す製剤である。
【0027】
調節放出:
本出願の目的に関して、調節放出製剤は、特別な製剤設計または製造方法によって意図的に調節された、活性物質(群)の放出を示す製剤である。この調節放出は、典型的には、成分の一方または双方、好ましくは成分(a)の放出時間を遅延させることによって得ることができる。典型的には、本発明の目的の場合、調節放出は、5時間にわたる放出、例えば3時間にわたるまたはさらに短い放出を指す。調節放出は、本明細書で使用する場合、2種の成分の長時間にわたる様々な連続放出、または成分群の一方、好ましくは成分(a)が、遅れ時間の後にのみ放出される遅延された放出の双方を包含することを意味する。このような調節放出形態は、原薬(群)または原薬(群)を含むコアに、放出調節性被覆、例えば拡散被覆を塗布することによって、あるいは原薬(群)を包埋している放出調節マトリックスを創り出すことによって製造することができる。
【0028】
用語「時間遅延」は、本明細書中で使用する場合、本発明の組成物を含む剤形の投与と、個々の成分からの活性成分の放出との間の時間を指す。
【0029】
用語「遅れ時間」は、本明細書中で使用する場合、剤形中の一方の成分からの活性成分の放出と、剤形中の別の成分からの活性成分の放出との間の時間を指す。
【0030】
崩壊:
用語「崩壊」は、本明細書中で使用する場合、固定用量経口医薬配合物が、典型的には流体によって、ばらばらに壊れて個々の粒子になり分散される過程を指す。崩壊は、固形経口剤形が、存在するなら試験装置の網上に残存している不溶性の被覆またはカプセル殻の断片を除く該固形経口剤形の任意の残留物が、米国薬局方<701>による明白に堅いコアを有さない軟質物体である状態にある場合に達成される。崩壊特性を測定するための流体は、水道水または脱イオン水などの水である。崩壊時間は、当業者に公知の標準的方法によって測定され、米国薬局方<701>、欧州薬局方2.9.1、および日本薬局方に示された調和化済みの方法を参照されたい。
【0031】
侵食:
用語「侵食」は、本明細書中で使用する場合、固定用量経口医薬配合物が、摩滅し、縮小するか、あるいは外部環境(例えば、溶出媒質、体液など)に置かれた場合に崩壊する可能性のある過程を指す。崩壊と対照的に、固定用量経口医薬配合物は、ばらばらに壊れることによって分散されず、むしろそれは、侵食過程が進行するにつれて、時間と共により小さくなる。
【0032】
溶出速度:
用語「溶出」は、本明細書中で使用する場合、固体物質、ここでは活性成分が、分子の形態で媒質中に分散される過程を指す。本発明の固定用量経口医薬配合物中の活性成分の溶出速度は、液体/固体界面、温度、および溶媒組成の標準的な条件下で単位時間に溶液中に移行する原薬の量によって規定される。溶出速度は、当業者に公知の標準的な方法で測定され、米国薬局方<711>、欧州薬局方2.9.3、および日本薬局方に示された調和化済みの方法を参照されたい。本発明の目的の場合、個々の活性成分の溶出を測定するための試験は、100rpm(1分間当たりの回転数)のパドル型撹拌要素を使用し、pH2で米国薬局方<711>に従って実施される。溶出媒質は、好ましくは、緩衝液、典型的には、リン酸緩衝液、特に、実施例「溶出試験」中に記載のような1種である。緩衝液のモル濃度は、好ましくは0.01Mである。
【0033】
物理的に隔てられた:
用語「物理的に隔てられた」は、本明細書中で規定する場合、成分(a)および(b)の双方を含み、その溶出プロフィールが、曲線下面積(AUC)および好ましくはさらに最大血漿中濃度(Cmax)に関して生物学的同等性に近づくか到達するように、成分(a)および(b)の自由用量配合物にできる限り類似しているように、物理的接触を最小にするように製剤化された固定用量経口医薬配合物を指す。一実施形態において、「物理的に隔てられた」は、成分(a)および(b)の双方を含み、それらが同一担体中で互いに混合されず、隔てられているように製剤された固定用量経口医薬配合物を指す。1つの剤形中での2種の成分(a)および(b)の物理的隔離は、当技術分野で公知の種々の手段によって、例えば、それぞれの成分(a)および(b)を別々の層または殻中に製剤化して、例えば、二層製剤または乾式被覆(殻中コア)錠剤を得ることによって、あるいはそれぞれ成分(a)および成分(b)の異なる集団の粒子を含む粒子系(多粒子)を使用して、例えば、多粒子で満たされたカプセル剤、サシェ剤、スティックパック剤、多粒子を圧縮することから得られる錠剤、および顆粒またはビーズなどの多粒子を圧縮することから得られ、続いてカプセル中に充填できるミニ錠剤を得ることによって達成できる。物理的隔離の別の形態は、1)成分群の一方の多粒子、および2)残りの成分の顆粒またはビーズなどの多粒子を圧縮することから得られる1つの錠剤、いくつかの錠剤、またはミニ錠剤を充填したカプセル剤である。
【0034】
用語「粒子」は、本明細書中で使用する場合、それらの大きさ、形状または組織形態に無関係に、離散した粒子、ペレット、ビーズまたは顆粒の存在を特徴とする物質の状態を指す。多数の粒子が存在する場合、これらの粒子は、多粒子(multiparticulate)と呼ばれる。典型的には、粒子は、約3mm未満、好ましくは約1μm〜3mmの平均粒径を有する。「平均粒径」とは、粒子の少なくとも50重量%が、ほぼ示した値未満の粒径を有することを意味する。粒径は、当業者に周知の通常的な粒径測定技術によって測定されるような重量平均粒径に基づいて測定できる。このような技術には、例えば、沈降フィールドフロー分別、光子相関分光、光散乱、およびディスク遠心が含まれる。
【0035】
用語「小型錠剤」は、本出願の範囲内で、全体で約3〜5mmの大きさを有する錠剤を意味する。
【0036】
用語「ミニ錠剤」は、本出願の範囲内で、それらの未被覆形態でほぼ2〜30mg、例えば、ほぼ4〜9mg、例えば、ほぼ7mgの全重量を有する小型錠剤を意味する。ミニ錠剤は、本明細書で定義されるような多粒子の特殊な形態である。それらは、顆粒またはビーズなどの他のより小さい多粒子からの調製を含め、本明細書に記載のように調製することができる。ミニ錠剤は、錠剤に関する当業者に公知の任意の形状、例えば約1.25〜3mmの直径を有する例えば丸型の;円筒の直径および高さが互いに独立に1〜3mmmである例えば凸状上面および凸状下面を有する例えば円筒型の;あるいは例えば、その高さおよび直径がほぼ等しく、1.25〜3mmである両凸ミニ錠剤型の形状を有することができる。
【0037】
好ましくは、多粒子は、制御型放出被覆を有する。具体的には、多粒子成分(a)と(b)との混合物を使用するなら、それぞれの多粒子は、異なる制御放出プロフィールを提供するために、異なる制御型放出被覆を含む。
【0038】
生物学的同等性:
用語「生物学的同等性」は、本明細書中で使用する場合、次のようなバイオアベイラビリティーに関する。用語「バイオアベイラビリティー」は、本明細書中で使用する場合、剤形の投与に続いて変化しないで体循環に到達する活性成分の比率および量の尺度と定義される。本発明の固定用量経口医薬配合物のバイオアベイラビリティーは、対応する自由用量配合物のそれと比較される。被試験製剤(固定用量配合物)および参照製剤(自由用量配合物)を対象に経口で投与し、血漿検体を長時間にわたって採取する。血漿検体をアムロジピンおよびアリスキレンの濃度について分析する。被試験および参照製剤で達成された最大血漿中濃度(Cmax)、および血漿中濃度対時間曲線下面積(AUC)について、統計的比較を実施する。生物学的に同等である被試験および参照製剤に関して、AUCおよびCmaxの比率に関する90%信頼区間は、0.8〜1.25の範囲内にあるべきである。被試験と参照製品との間で生物学的同等性を得ることは、特に活性成分の配合物について難題であり、結果は、演繹的には予想できない。
【0039】
実施形態において、本発明の固定用量経口医薬配合物は、活性成分の一方または双方、とりわけアリスキレンに関して、AUC(群)の90%信頼区間が、0.65〜1.35、より好ましくは0.7〜1.30、さらにより好ましくは0.75〜1.25、もっとも好ましくは0.8〜1.25であるような放出プロフィールを有する。
【0040】
別の実施形態において、本発明の固定用量経口医薬配合物は、活性成分の一方または双方、とりわけアリスキレンに関して、Cmax(群)の90%信頼区間が、0.4〜1.35、より好ましくは0.5〜1.30、さらにより好ましくは0.7〜1.25、もっとも好ましくは0.8〜1.25であるような放出プロフィールを有する。
【0041】
少なくともAUC(群)、より好ましくはAUC(群)とCmax(群)の双方が、上述の範囲内にあることが好ましい。これにより、本発明の固定用量経口医薬配合物は、アリスキレンおよびアムロジピンの自由用量配合物と生物学的に同等であるか、あるいは生物学的同等性にほとんど到達している。
【0042】
本発明の一実施形態において、成分(a)は、固定用量経口医薬配合物の総重量を基準にして、10〜45重量%、例えば20〜35重量%の範囲の量で存在する。これらのパーセンテージは、成分(a)の遊離塩基に基づくものであり、塩を使用するなら、パーセンテージはそれに合わせて調整される。
【0043】
本発明の別の実施形態において、成分(a)は、成分(a)を含む顆粒の総重量を基準にして、20〜60重量%、例えば25〜55重量%の範囲の量で存在する。これらのパーセンテージは、成分(a)の遊離塩基に基づくものであり、塩を使用するなら、パーセンテージはそれに合わせて調整される。
【0044】
とりわけ、成分(a)は、単位の固定用量経口医薬配合物につき75mg〜300mgの範囲の遊離塩基量で存在する。
【0045】
本発明の一実施形態において、成分(a)は、単位の固定用量経口医薬配合物につき75mg〜300mg、例えば150〜300mgの範囲の、とりわけ75、150または300mg、例えば150または300mgの遊離塩基量で存在する。
【0046】
本発明の特定の実施形態において、成分(b)は、固定用量経口医薬配合物の総重量を基準にして0.5〜5重量%、例えば0.5〜3重量%、とりわけ0.5〜2重量%の範囲の量で存在する。これらのパーセンテージは、成分(b)の遊離塩基に基づくものであり、塩を使用するなら、パーセンテージはそれに合わせて調整される。
【0047】
本発明の別の特定の実施形態において、成分(b)は、成分(b)を含む顆粒の総重量を基準にして、0.5〜5重量%、例えば1〜4重量%、とりわけ2〜4重量%の範囲の量で存在する。これらのパーセンテージは、成分(b)の遊離塩基に基づくものであり、塩を使用するなら、パーセンテージはそれに合わせて調整される。
【0048】
成分(b)は、単位剤形につき1〜20mg、例えば2.5〜10mg、より好ましくは5〜10mg、とりわけ5または10mgの量で存在することが好ましい。
【0049】
成分(a)と成分(b)との重量比は、(a)および(b)の遊離塩基を基準にして、好ましくは、1:0.001〜1:5、より好ましくは1:0.5〜1:4、または1:0.03〜1:0.07、もっとも好ましくは1:0.05〜1:0.01の範囲である。
【0050】
もっとも好ましくは、成分(a)および(b)は、(a)および(b)の遊離塩基を基準にして、75/1mg、75/5mg、150/10mg、300/1mg、300/5mg、または300/10mg、もっとも好ましくは300/5mgまたは300/10mgの(a)/(b)の量で使用される。一実施形態において、300mgの(a)および/または10mgの(b)、もっとも好ましくは300/10mgの(a)/(b)を使用する高い装薬量を使用することが好ましい。
【0051】
成分(a)としてヘミフタル酸塩など、および/または成分(b)としてベシル酸塩などの塩を使用する場合、上述の比率および量は、それに合わせて調整される。
【0052】
本発明による固定用量経口医薬配合物は、所望の溶出プロフィールを示すように適切に選択される必要がある。予想外に、該固定用量経口医薬配合物は、錠剤の2〜15重量%、例えば2〜12重量%、例えば4、7または10重量%の量の崩壊剤を使用することによって所望の溶出プロフィールを達成する。ここで、前記の重量パーセンテージは、任意選択のフィルム被覆を施す前に決定されたものである。とりわけ、崩壊剤はクロスポビドンである。
【0053】
典型的には、固定用量経口医薬配合物は、固形剤形、例えば、単層錠剤、または二層などの多層錠剤である。
【0054】
したがって、一実施形態において、本発明の固定用量経口医薬配合物は、単層の形態で存在する。本発明による単層は、当技術分野で公知の方法によって、例えば、(1)成分(a)を少なくとも1種の薬学的に許容される添加物と共に、任意選択で造粒用液体の存在下で造粒して、アリスキレン顆粒を形成するステップ、(2)成分(b)を少なくとも1種の薬学的に許容される添加物と共に、例えばローラーコンパクションで造粒して、アムロジピン顆粒を形成するステップ、(3)任意選択で、得られるそれぞれの顆粒を乾燥するステップ、(4)それぞれの顆粒を篩い分けるステップ、(5)任意選択で、それぞれの顆粒を外相用添加剤と混合するステップ、(6)それぞれの顆粒を混合するステップ、(7)ステップ(6)で得られた材料を篩いにかけるステップ、(8)任意選択で、(7)から得られた篩いにかけられた材料を薬学的に許容されるさらなる添加物と一緒に混合するステップ、(9)(8)で得られた混合物を圧縮して単層錠剤を形成するステップ、および(10)任意選択で、得られた単層錠剤をフィルム被覆するステップを含む方法で製造することができる。それぞれの顆粒は、湿式または乾式造粒を利用して調製することができる。湿式造粒の例が、水性または有機湿式造粒、とりわけ後に記載するような有機湿式造粒である。乾式造粒の好ましい例には、例えば、後に記載するようなローラーコンパクションが含まれる。乾式造粒法は、これらが溶媒の使用を回避し、かつ付加的な乾燥ステップを回避するので、好ましい。一実施形態において、成分(a)は、湿式で造粒される。とりわけ、成分(b)はローラーコンパクションで造粒される。
【0055】
別の実施形態において、本発明の固定用量経口医薬配合物は、成分(a)および(b)が物理的に隔てられるような方式で設計される。本発明により必要とされる溶出プロフィールに合致する能力のある固定用量経口医薬配合物のための典型的な技術および製剤原理には、二層錠剤などの多層錠剤が含まれる。
【0056】
したがって、別の実施形態において、本発明は、多層、例えば二層錠剤の形態の固定用量経口医薬配合物に関する。
【0057】
本発明による多層、例えば二層錠剤は、1つの層が成分(a)を含み、別の層が成分(b)を含むことを特徴とする。
【0058】
多層錠剤、とりわけ二層錠剤は、当技術分野で公知の方法、とりわけ成分(a)または成分(b)のどちらかを含む個々の錠剤を調製するために記載されている方法によって製造することができる。好ましくは、それぞれの層は、湿式または乾式造粒を利用して調製することができる。湿式造粒の例が、水性または有機湿式造粒、とりわけ後に記載するような有機湿式造粒である。乾式造粒の好ましい例には、例えば後に記載するようなローラーコンパクションが含まれる。乾式造粒法は、これらが溶媒の使用を回避し、かつ付加的な乾燥ステップを回避するので、好ましい。本発明による多層錠剤、とりわけ二層錠剤の場合、個々の層は、同一または異なる方法で調製することができ、たとえば、1つの層は湿式造粒で調製することができ、次の層は、ローラーコンパクションで調製することができるか、あるいはもっとも好ましくは、双方の層がローラーコンパクターを使用して調製することができる。
【0059】
本発明による二層は、当技術分野で公知の方法で、例えば、(1)成分(a)を少なくとも1種の薬学的に許容される添加物と共に、任意選択で造粒用液体の存在下で造粒して、アリスキレン顆粒を形成するステップ、(2)成分(b)を少なくとも1種の薬学的に許容される添加物と共に造粒して、アムロジピン顆粒を形成するステップ、(3)任意選択で、得られるそれぞれの顆粒を乾燥するステップ、(4)それぞれの顆粒を篩い分けるステップ、(5)任意選択で、それぞれの顆粒を外相用添加剤と混合するステップ、および(6)アムロジピン顆粒およびアリスキレン顆粒を一緒に圧縮して、二層錠剤を形成するステップを含む方法で製造することができる。
【0060】
アリスキレン顆粒は、例えば、(1)アリスキレンおよび薬学的に許容される添加物を混合して、ブレンドされた材料を形成するステップ、(2)ステップ(1)で得られたブレンドされた材料を造粒用液体、例えば、エタノール、イソプロパノールまたはこれらの組合せなどのアルコール液の存在下で、任意選択で薬学的に許容されるさらなる添加物のアルコール溶液の存在下で造粒してアリスキレン顆粒、例えばアリスキレンエタノール顆粒を形成するステップを含む方法に従って調製することができる。得られるアリスキレン顆粒を、次いで、(1)練合、(2)篩い、(3)乾燥、および(4)篩いのステップを含む方法に従って処理することができる。
【0061】
アムロジピン顆粒は、(1)アムロジピンおよび薬学的に許容される添加物を混合して、ブレンドされた材料を形成するステップ、(2)ブレンドされた材料を篩い分けるステップ、(3)さらなる添加剤を混合するステップ、(4)ステップ(3)から得られた材料をローラーコンパクションで圧密し、篩いにかけて、アムロジピン顆粒を形成するステップを含む方法に従って調製することができる。
【0062】
アリスキレン顆粒を形成するのに使用される造粒用液体は、エタノールまたはエタノールとイソプロピルアルコールとの混合物などの、造粒技術の分野で周知の任意の液体または液体混合物でよく、前記混合物は、本明細書に記載のような結合剤を含むことができる。エタノールとイソプロパノールとの好ましい混合物は、約50/50〜約99/1(%w/w)の範囲であり、もっとも好ましくは約95/5(%w/w)である。
【0063】
それぞれのアリスキレンおよびアムロジピン顆粒は、内相と呼ばれる。上記方法のさらなるステップでは、アリスキレン顆粒および/またはアムロジピン顆粒に薬学的に許容されるさらなる添加物を添加することができる。これは、外相中に加える添加物と記述される。したがって、添加物は、部分的に顆粒中に(内相中に)、部分的に外相中に分配される。増量剤、滑沢剤および流動促進剤(存在するなら)、より好ましくは、滑沢剤は、部分的に内相に、部分的に外相に分配することができ、結合剤は、(存在するなら)好ましくは内相部分のみに存在する。
【0064】
任意選択で、前に記載の方法は、単層錠剤、または二層などの多層錠剤をフィルム被覆するステップを含む。フィルム被覆は、任意の適切な手段を使用して完遂できる。適切なフィルム被覆材は、公知であり、市販されているか、あるいは公知の方法により調製することができる。典型的には、フィルム被覆材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、タルク、および着色剤などの材料を含むポリマー系フィルム被覆材料である。典型的には、フィルム被覆材料は、フィルム被覆錠剤の約1重量%〜約6重量%の範囲であるフィルム被覆を提供するような量で塗布される。
【0065】
前記製造工程の中で、作業室の温度および湿気は、注意深く制御される。とりわけ、温度は、好ましくは25℃まで、および/または相対湿度は、好ましくは60%まで、例えば55%までである。加えて、製造工程中に得られる中間体または最終材料は、好ましくはヒートシールされたアルミニウムバッグ内のシールされたポリ袋中に保管される。好ましくは、製造工程は、15〜25℃の温度で実施される。また、相対湿度は40〜55%であることが好ましい。これらのパラメーターを制御することは、なんらかの望ましくない分解生成物を避けるのに有利である。
【0066】
当技術分野で採用される造粒、乾燥、篩い分け、圧縮、およびブレンド化の多くの公知方法、例えば、流動床中での噴霧造粒、高剪断ミキサー中での湿式造粒、溶融造粒、流動床型乾燥機中での乾燥、自由降下またはタンブラーブレンダー中での混合、単発打錠機またはロータリー打錠機での錠剤への圧縮が注目される。ブレンド化のステップは任意の適切な手段を使用して完遂できる。典型的には、活性成分および薬学的に許容される添加物を、拡散ブレンダーまたは拡散ミキサーなどの適切な容器に入れる。篩い分けのステップは、任意の適切な手段、例えば、振動篩いを使用して完遂できる。篩いにかけるステップは、任意の適切な手段を使用して完遂できる。圧密のステップは、任意の適切な手段を使用して完遂できる。典型的には、圧密は、ローラーコンパクターを使用し約10kN〜約60kNの範囲の、好ましくは35kNの圧密力で完遂できる。圧密は、また、ブレンドされた粉末を大きな錠剤に打つことによって実施することができ、次いで、その大きさを縮小する。ブレンド化のステップは、任意の適切な手段を使用して完遂できる。好ましくは、粉砕された材料は、拡散ブレンダー中で、しばしば滑沢剤などの薬学的に許容される添加物とブレンドされる。
【0067】
本発明による錠剤に使用するのに適した薬学的に許容される添加物には、限定はされないが、賦形剤または増量剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、結合剤、着色剤、およびこれらの組合せが含まれる。好ましい薬学的に許容される添加物には、増量剤および結合剤が含まれる。固定用量経口医薬配合物中の各添加物の量は、当技術分野で通常的な範囲内で変更することができる。
【0068】
適切な増量剤には、限定はされないが、微結晶セルロース(例えば、セルロースMKGR)、マンニトール、蔗糖またはその他の糖類もしくは糖誘導体、リン酸水素カルシウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびこれらの組合せ、好ましくは微結晶セルロース、例えば、登録商標AVICEL、FILTRAK、HEWETENまたはPHARMACELの下で入手可能な製品が含まれる。存在するなら、増量剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約1重量%〜約40重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%の範囲の量で採用できる。
【0069】
好ましくは、多層錠剤、とりわけ二層錠剤は、存在するなら双方の層中に増量剤を含む。存在するなら、成分(a)を含む層中の増量剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約1重量%〜約40重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%の範囲の量で採用できる。存在するなら、成分(b)を含む層中の増量剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約1重量%〜約40重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%の範囲の量で採用できる。
【0070】
適切な賦形剤は、例えば、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖または蔗糖もしくはその他の二糖類、セルロース、セルロース誘導体(微結晶セルロースなど)、カオリン、マンニトール、乾燥デンプン、ブドウ糖またはその他の単糖類、デキストリンまたはその他の多糖類、あるいはこれらの混合物である。存在するなら、賦形剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約1重量%〜約60重量%、好ましくは約10重量%〜約55重量%の範囲の量で採用できる。
【0071】
好ましくは、多層錠剤、とりわけ二層錠剤は、双方の層中に賦形剤を含む。存在するなら、成分(a)を含む層中の賦形剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約1重量%〜約40重量%、好ましくは約10重量%〜約35重量%の範囲の量で採用できる。存在するなら、成分(b)を含む層中の賦形剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約1重量%〜約95重量%の範囲の量で採用できる。
【0072】
適切な結合剤には、限定はされないが、例えば、PVP K30またはPVP90Fなどのポリビニルピロリドン(PVP);ポリエチレングリコール(PEG)、例えばPEG4000;双方とも好ましくは中〜高粘度、例えば3または6cpsの粘度級のヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース;α化デンプン、およびこれらの組合せが含まれる。もっとも好ましい結合剤は、PVP K30またはPVP90Fである。存在するなら、結合剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.5重量%〜約15重量%、例えば0.7重量%〜5重量%の範囲の量で採用できる。
【0073】
多層錠剤、とりわけ二層錠剤において、成分(a)を含む層は、好ましくは、内相中に結合剤を含む。存在するなら、成分(a)を含む層中の結合剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.5重量%〜約15重量%、例えば0.7重量%〜10重量%の範囲の量で採用できる。存在するなら、成分(b)を含む層中の結合剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.2重量%〜約10重量%の範囲の量で採用できる。好ましくは、結合剤は、成分(b)を含む層で割愛される。
【0074】
適切な滑沢剤には、限定はされないが、ステアリン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムもしくはカルシウム、ステアリン酸、クチナ、PEG4000〜8000、タルク、およびこれらの組合せ、好ましくはステアリン酸マグネシウムが含まれる。存在するなら、滑沢剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%の範囲の量で採用できる。
【0075】
多層錠剤、とりわけ二層錠剤において、存在するなら、成分(a)を含む層中の滑沢剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%の範囲の量で採用できる。存在するなら、成分(b)を含む層中の滑沢剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%の範囲の量で採用できる。好ましくは、滑沢剤は、成分(a)を含む層中で割愛される。好ましくは、成分(b)を含む層は、内相中に滑沢剤を含む。
【0076】
適切な崩壊剤には、限定はされないが、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、架橋型PVP(例えば、CROSPOVIDONE、POLYPLSDONEまたはKOLLIDON XL)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、およびグアーガム、もっとも好ましくは架橋型PVP(CROSPOVIDONE)、架橋型CMC(Ac−Di−Sol)、カルボキシメチルデンプン−Na(PIRIMOJELおよびEXPLOTAB)が含まれる。もっとも好ましい崩壊剤は、架橋型PVP、好ましくはPVPPXLである。崩壊剤は、錠剤の2〜15重量%、例えば2〜12重量%、例えば、4、7または10重量%の量で採用することができる。ここで、前記重量パーセンテージは、任意選択のフィルム被覆を施す前に決定されたものである。とりわけ、崩壊剤はクロスポビドンである。
【0077】
多層錠剤、とりわけ二層錠剤において、存在するなら、成分(a)を含む層中の崩壊剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.5重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約15重量%の範囲の量で採用できる。存在するなら、成分(b)を含む層中の崩壊剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約1重量%〜約20重量%、好ましくは約2重量%〜約10重量%の範囲の量で採用できる。好ましくは、双方の層が崩壊剤を含む。
【0078】
適切な流動促進剤には、限定はされないが、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、アエロシル200)、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク、およびこれらの組合せが含まれる。存在するなら、流動促進剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.05重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲の量で採用できる。
【0079】
多層錠剤、とりわけ二層錠剤において、存在するなら、成分(a)を含む層中の流動促進剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.05重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲の量で採用できる。存在するなら、成分(b)を含む層中の流動促進剤は、錠剤(任意選択のフィルム被覆を施す前)の約0.05重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲の量で採用できる。好ましくは、成分(b)を含む層において流動促進剤は割愛される。
【0080】
本発明の第一の実施形態の固定用量経口医薬配合物は、低い摩損度の単層錠剤、または多層、例えば二層錠剤の固定用量経口医薬配合物である。好ましくは、摩損度は、0.8%を超えない。摩損度は、当業者に公知の標準的な方法で測定され、米国薬局方<1216>、欧州薬局方2.9.7、および日本薬局方に示された調和化済みの方法を参照されたい。
【0081】
本発明の固定用量経口医薬配合物は、適切な硬度(例えば、二層形態の場合約250N〜約300Nの範囲の平均硬度)の単層錠剤、または多層、例えば二層錠剤の固定用量経口医薬配合物である。このような平均硬度は、固定用量経口医薬配合物上に任意のフィルム被覆を塗布する前に測定される。硬度は、欧州薬局方4、201頁の2.9.8に記載されている方法により測定することができる。該試験は、その一方が他方に向かって移動する2つの対向ジョーからなる装置を採用する。ジョーの平坦な表面は、移動方向に対して垂直である。ジョーの破砕表面は、平坦で、かつ錠剤との接触ゾーンより大きい。装置は、1ニュートンの精度を有するシステムを使用して較正される。錠剤はジョーの間に配置される。各測定について、錠剤は、印加される力の方向に関して同一方法で配置される。測定は、例えば10個の錠剤について実施される。結果は、錠剤を破砕するのに必要とされる力の平均、最小および最大値(ニュートン単位)によって表現される。
【0082】
本発明の好ましい実施形態は、フィルム被覆を施された固定用量経口医薬配合物を対象とする。適切なフィルム被覆材は、公知であり、市販されているか、あるいは公知の方法により調製することができる。典型的には、フィルム被覆材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、タルク、および着色剤などの材料を含むポリマー系フィルム被覆材料である。典型的には、フィルム被覆材料は、フィルム被覆錠剤の約1重量%〜約6重量%の範囲のフィルム被覆を提供するような量で塗布される。
【0083】
本発明により得られる製剤は、次の利点を示す:
・生物学的に同等な、または生物学的同等性にほとんど到達している製剤が達成され、
・比較的高い装薬量が達成され、
・十分な硬度、摩損耐性および崩壊時間を有する固定用量経口医薬配合物の製剤化が可能であり、
・原薬の固着傾向および貧弱な流動が最低限まで修正され、
・確実な製造方法が達成され、
・再現性のある生産力をもたらす製剤化および方法のスケールアップが達成され、
・妥当な貯蔵寿命を達成するのに十分な安定性が達成され、かつ
・12カ月の時点までに検出されるスルホン酸エステルまたはマイケル付加分解生成物は、150ppm未満である。
【0084】
本発明は、さらに、本明細書中で前に記載のような固定用量経口医薬配合物の調製方法に関する。このような固定用量経口医薬配合物は、本明細書中で前に記載のような適切な量の成分をまとめ上げて単位固定用量経口医薬配合物を形成することによって製造することができる。
【0085】
本発明の固定用量経口医薬配合物は、収縮期または拡張期、あるいはその双方の血圧を降下させるのに有用である。本発明が有用である状態には、限定はされないが、高血圧(悪性、本態性、腎血管性、糖尿病性、孤立性収縮期、またはその他の二次性型のいずれにせよ)、鬱血性心不全、狭心症(安定または不安定型のいずれにせよ)、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋症、腎不全、末梢血管疾患、左心室肥大、認知機能不全(アルツハイマー病など)、脳卒中、頭痛、および慢性心不全が含まれる。
【0086】
本発明は、さらに、そのような治療を必要とするヒト患者を含む動物に治療上有効な本発明による固定用量経口医薬配合物を投与することを含む、高血圧(悪性、本態性、腎血管性、糖尿病性、孤立性収縮期、またはその他の二次性型のいずれにせよ)、鬱血性心不全、狭心症(安定または不安定型のいずれにせよ)、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋症、腎不全、末梢血管疾患、左心室肥大、認知機能不全(例えば、アルツハイマー病)、脳卒中、頭痛、および慢性心不全を治療する方法に関する。
【0087】
本発明は、さらに、高血圧(悪性、本態性、腎血管性、糖尿病性、孤立性収縮期、またはその他の二次性型のいずれにせよ)、鬱血性心不全、狭心症(安定または不安定型のいずれにせよ)、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋症、腎不全、末梢血管疾患、左心室肥大、認知機能不全(アルツハイマー病など)、脳卒中、頭痛、および慢性心不全を治療するための薬剤を製造するための、本発明による固定用量経口医薬配合物の使用に関する。
【0088】
本発明は、さらに、高血圧(悪性、本態性、腎血管性、糖尿病性、孤立性収縮期、またはその他の二次性型のいずれにせよ)、鬱血性心不全、狭心症(安定または不安定型のいずれにせよ)、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋症、腎不全、末梢血管疾患、左心室肥大、認知機能不全(アルツハイマー病など)、脳卒中、頭痛、および慢性心不全を治療するための、本発明による固定用量経口医薬配合物を含む医薬組成物に関する。
【0089】
最終的に、投与すべき活性薬剤および個々の製剤の正確な投与量は、いくつかの因子、例えば、治療すべき状態、所望される治療継続期間、および活性薬剤の放出速度に左右される。例えば、必要とされる活性薬剤の量およびその放出速度は、公知のin vitroまたはin vivo技術に基づいて、個々の活性薬剤の血漿中濃度がどのくらい長く、治療効果に関して許容されるレベルで存続するかを測定して、決定することができる。前記の説明は、その好ましい実施形態を含めて本発明を完全に開示している。本明細書中で具体的に開示される実施形態の修正および改良は、後に続く特許請求の範囲に包含される。さらに詳述はしないが、当業者は、前述の説明を活用して、本発明をその最大限度まで利用すると思われる。したがって、本明細書中の実施例は、単なる例示であって、いかなる意味でも本発明の範囲を限定するものではないと解釈すべきである。
【実施例】
【0090】
二層錠剤製剤
アムロジピン層の成分を、本明細書に記載のように混合、造粒、そして圧縮した。すべての二層変形に関して、アリスキレン層を、エキセントリック型打錠機中に充填し、2.5kN未満の圧縮力で圧縮した。アリスキレン層の上部にアムロジピン層を添加し、次いで、錠剤コアを16〜36kNで圧縮して二層錠剤コアを得た。
(実施例1.1):二層錠剤.エタノールアリスキレンの造粒
【0091】
【表1】

【0092】
エタノール造粒単層錠剤製剤
(実施例2−1)
【0093】
【表2】


(実施例2−2)
【0094】
【表3】


(実施例2−3)
【0095】
【表4】

【0096】
(実施例):溶出試験
本発明による製剤の溶出特性は、次のように確認した。
【0097】
組立式装置(assembly)は、次のものからなる:ガラスまたはその他の不活性透明材料で作られた蓋付き容器;電動機;およびブレードとシャフトから構成される撹拌要素としてのパドル。容器は、任意の好都合な大きさの適切な水槽中に部分的に沈められるか、あるいは加熱ジャケット中に配置される。水槽または加熱ジャケットは、試験中に、容器内部の温度を37±0.5℃に保持すること、および槽内流体を絶え間なく円滑に運動する状態に保つことを可能にする。組立式装置が設置される環境を含め、組立式装置の一部が、円滑に回転する撹拌要素によるもの以外に、重大な動き、揺動、または振動の一因となることはない。試験中に試料および撹拌要素の観察を可能にする装置は、次の寸法および収容力を有する:高さは160mm〜210mmであり、その内径は98mm〜106mmである。その側面は、頂端部にフランジが付けられている。蒸発を妨げるために、合致するように作られた蓋を使用することができる。
【0098】
シャフトは、その軸が、どの箇所でも容器の垂直軸から2mmを超えず、かつ重大なぐらつきなしに円滑に回転するように配置される。ブレードの中心垂直線は、ブレードの底面がシャフトの底面と同じ高さであるように、シャフトの軸を通過する。試験中、ブレードと容器の内側底面との間に25±2mmの間隔を維持する。金属製または好ましくは不活性で剛性のブレードおよびシャフトが、一体物を構成している。試験中に組立式装置が堅固にかみ合わせられるなら、適切な2つの部分に分離可能な設計を利用できる。パドルのブレードおよびシャフトは、適切な不活性被覆材で被覆することができる。投与単位は、ブレードの回転を開始する前に、容器底面まで沈下するようにする。数巻きを超えない螺旋ワイヤーなどの小さくゆるい非反応性材料片を、そうしなければ浮かんでしまう投与単位に取り付けることができる。その他の検証されたシンカー素子も使用できる。
【0099】
500mLの溶出媒質*を組み立てられた装置の容器に入れ、溶出媒質を37±0.5℃で平衡状態にし、温度計を取り去る。1つの剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)を、該剤形単位の表面から気泡を排除するように注意しながら装置に入れ、直ちに、装置を100±3rpmの速度で稼動する。指定の時間間隔(例えば、10、20、30、45、60、90および120分)で、または定めたれたそれぞれの時点で、溶出媒質の表面と回転ブレードの頂部との間の、容器壁から1cm以上の中間ゾーンから試料(≧1mL)を抜き取る。[注:分析のために抜き取られたアリコートは、37℃の等容積の新たな溶出媒質で補充されるか、あるいは媒質の補充が不要であることを示すことができるなら、容積変化を計算で補正する。試験継続中、蓋をして容器を保持し、試験下にある混合物の温度を適切な時点で検証する]。試料を、適切なフィルター、例えば0.45μmのPVDFフィルター(Millipore社)を通して濾過し、濾液の最初の数mL(2〜3mL)は廃棄する。分析は、HPLCまたはUV検出によって実施する。試験は、さらなる剤形単位を使用して少なくとも6回繰り返す。
・pH2の場合の溶出媒質:0.85mLの塩酸を1Lの脱イオン水に溶解して得られる溶液
【0100】
本発明により調製される錠剤の例は、すべて、本発明の特許請求範囲に示すような必要とされる溶出特性を有した。結果を下表に示す:
(実施例1.1)
【0101】
【表5】


(実施例2.1)
【0102】
【表6】


(実施例2.2)
【0103】
【表7】


(実施例2.3)
【0104】
【表8】

【0105】
(実施例):生物学的同等性試験
本発明の固定用量経口医薬配合物のバイオアベイラビリティーを、対応する自由用量配合物のそれと比較した。被試験剤形(固定用量配合物)および参照剤形(自由用量配合物)を対象に経口で投与し、48時間にわたって血漿検体を採取した。血漿検体を、アムロジピンおよびアリスキレンの濃度について分析した。被試験および参照剤形で得られた最大血漿中濃度(Cmax)および結晶中濃度対時間曲線下面積(AUC)について統計的比較を実施した。
【0106】
本発明により調製されたアリスキレンとアムロジピンとの(300/10mg)固定用量配合物を、10mgのアムロジピンと300mgのアリスキレン錠剤との自由用量配合物と、健常ヒト志願者におけるオープンラベル、ランダム化、単回投与、3期間、交差研究で比較した。アムロジピンとアリスキレンとの固定用量配合物の錠剤のバイオアベイラビリティーを自由用量配合物と比較すると、AUCおよびCmaxの比率に関する90%信頼区間は、それぞれアリスキレンおよびアムロジピンに関して0.80〜1.25の区間内にあった。
【0107】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、好ましくはそのヘミフマル酸塩、
b)治療有効量のアムロジピンまたはその薬学的に許容される塩、好ましくはそのベシル酸塩を含む固定用量経口医薬配合物であって、pH2で10分後に60%以下および20分後に98%以下の成分(a)のin vitro溶出、ならびに20分後に50%以上および30分後に70%以上の成分(b)の溶出プロフィールを示す、固定用量経口医薬配合物。
【請求項2】
固定用量経口医薬配合物が、固形剤形である、請求項1に記載の固定用量経口医薬配合物。
【請求項3】
単層錠剤の形態にある、請求項1から2のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物。
【請求項4】
成分(a)が、成分(b)から物理的に隔てられている、請求項1から3のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物。
【請求項5】
成分(a)を含む層、および成分(b)を含む層を含む二層錠剤の形態にある、請求項1から4のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物。
【請求項6】
錠剤の2〜15重量%の量の崩壊剤を含み、前記重量パーセンテージが任意選択のフィルム被覆を施す前に決定されたものである、請求項1から5のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物。
【請求項7】
成分(a)が、湿式造粒で入手可能な顆粒の形態である、請求項1から6のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物。
【請求項8】
成分(b)が、ローラーコンパクションで入手可能な顆粒の形態である、請求項1から7のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物。
【請求項9】
成分(a)が、単位剤形につき75〜300mgの範囲、とりわけ300mgの遊離塩基の量で存在する、請求項1から8のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物。
【請求項10】
成分(b)が、単位剤形につき1〜20mgの範囲、とりわけ10mgの量で存在する、請求項1から9のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物。
【請求項11】
高血圧、鬱血性心不全、狭心症、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋症、腎不全、末梢血管疾患、左心室肥大、認知機能不全、脳卒中、頭痛、および慢性心不全、とりわけ高血圧を治療するための、請求項1から10のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物の使用。
【請求項12】
請求項1、2および4から10のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物の調製方法であって、(1)成分(a)を少なくとも1種の薬学的に許容される添加物と共に、任意選択で造粒用液体の存在下で造粒して、アリスキレン顆粒を形成するステップ、(2)成分(b)を少なくとも1種の薬学的に許容される添加物と共に造粒して、アムロジピン顆粒を形成するステップ、(3)任意選択で、生じるそれぞれの顆粒を乾燥するステップ、(4)それぞれの顆粒を篩い分けるステップ、(5)任意選択で、それぞれの顆粒を外相用添加剤と混合するステップ、および(6)アムロジピン顆粒およびアリスキレン顆粒を一緒に圧縮して、二層錠剤を形成するステップを含む方法。
【請求項13】
請求項1から3、および6から10のいずれかに記載の固定用量経口医薬配合物の調製方法であって、(1)成分(a)を少なくとも1種の薬学的に許容される添加物と共に、任意選択で造粒用液体の存在下で造粒して、アリスキレン顆粒を形成するステップ、(2)成分(b)を少なくとも1種の薬学的に許容される添加物と共に造粒して、アムロジピン顆粒を形成するステップ、(3)任意選択で、生じるそれぞれの顆粒を乾燥するステップ、(4)それぞれの顆粒を篩い分けるステップ、(5)任意選択で、それぞれの顆粒を外相用添加剤と混合するステップ、(6)それぞれの顆粒を混合するステップ、(7)ステップ(6)で得られた材料を篩いにかけるステップ、(8)任意選択で、(7)から得られる篩いをかけた材料を薬学的に許容されるさらなる添加物と一緒にブレンドするステップ、(9)(8)で得られたブレンド物を圧縮して、単層錠剤を形成するステップ、および(10)任意選択で、得られる単層錠剤にフィルム被覆を施すステップを含む方法。

【公表番号】特表2012−503020(P2012−503020A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528052(P2011−528052)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/057750
【国際公開番号】WO2010/033954
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】