説明

有機化合物の組合せ

【課題】 血圧低下を導き、そして高血圧の多様な病的続発症およびいくつかの他の心血管疾患を軽減する作用の補助的形態を有する降圧薬を提供すること。
【解決手段】 血圧低下を導き、そして高血圧の多様な病的続発症およびいくつかの他の心血管疾患を軽減する作用の補助的形態を有する降圧薬を見いだした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧低下を導き、そして高血圧の多様な病的続発症およびいくつかの他の心血管疾患を軽減する作用の補助的形態を有する降圧薬である、有機化合物の組合せに関する。さらに、本発明は、年齢および/または民族性に基づき、降圧性単独療法に対して異なる応答性のヒトに注意を向ける(Campo C, Segura J, Ruilope LM, J Clin Hypertens(Greenwich)2002 Jan, 4(1):35-40)。最後に、薬物および組合せ療法でのそれぞれの投薬量の選択は、個々の薬物と関係する、用量依存性副作用のリスクを最小とすることにより、耐容性を増強するよう設計される。
【背景技術】
【0002】
多くの臨床試験が、高血圧患者での血圧降下が死亡率および罹患率を低減させることを示した(Collins R, Peto R, MacMahon S, Hebert P, Fiebach NH, Eberlein KA, Godwin J, Qizilbash N, Taylor JO, Hennekens CH, Lancet 1990, 335(8693):827-38)。該臨床状態の処置における様々な種類の薬物の有効性および用途にもかかわらず、血圧がいつも十分にコントロールされるわけではない(Waeber B, Brunner HR, Am J Hypertens 1997, 10(7 Pt 2):131S-137S)。薬物の組合せを用いることは、所望の治療結果を得る1つの方法である。組合せ療法で含まれる異なる種類の降圧薬の任意の選択が、ヒトを含む高血圧の哺乳類において標的レベルの血圧を得ることを必ずしも助けるわけではない(MacGregor GA, Markandu ND, Banks RA, Bayliss J, Roulston JE, Jones JC, Br Med J (Clin Res Ed), 284(6317):693-6)。従って、処置方法、組合せ、および医薬組成物のさらなる発展の必要性が明らかに存在する。
【発明の概要】
【0003】
具体的には、本発明は、(i)カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、E−4177、SC−52458、およびZD8731からなる群から選択されるアンジオテンシン受容体(タイプ1、AT)遮断薬(ARB)、およびその医薬的に許容される塩;(ii)アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、リオシジン、アニパミル、ジルチアゼム、フェンジリン、フルナリジン、ガロパミル、ミベフラジル、プレニラミン、チアパミル、およびベラパミルからなる群から選択されるカルシウムチャンネル遮断薬(CCB)、およびその医薬的に許容される塩;(iii)ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トルセミド、アミロリド、スピロノラクトン、トリアムテレン、クロロタリドン、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、メトラゾン、およびジクロルフェナミドからなる群から選択される利尿薬、および必要に応じて(すなわち、利尿薬化合物が医薬的に許容される塩としてまだ存在しないなら(例えば、ヒドロクロロチアジドの場合))、その医薬的に許容される塩を、必要に応じて、医薬的に許容される担体の存在下で含む、医薬組成物に関する。本発明はさらに、(i)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、(ii)カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)、および(iii)利尿薬を含む医薬組成物を、ヒトを含む哺乳類に投与することによる、高血圧および以下で挙げられる様々な心血管疾患、およびその続発症を処置する方法を提供する。
【0004】
従って、本発明は、さらに、例えば、高血圧、(急性および慢性)鬱血性心不全の様な心不全、左心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム性動脈硬化症、狭心症(不安定性または安定性に関わらない)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性および続発性肺高血圧、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿、および腎血管性高血圧の様な腎不全状態、糖尿病性網膜症からなる群から選択される状態または疾患の処置または予防、片頭痛、末梢血管疾患、レイノー病、管腔細胞の過形成(luminal hyperplasia)、認知障害(例えば、アルツハイマー病)、緑内障、および発作の様な他の血管疾患の管理のための、医薬組成物またはパーツからなるキットに関し、そして組成物(またはパーツからなるキット)は、(i)カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、E−4177、SC−52458、およびZD8731からなる群から選択されるARB、またはその医薬的に許容される塩;および(ii)アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、およびリオシジン(全て、ジヒドロピリジン系(DHP)群に属する)、および非DHP CCBであるアニパミル、ジルチアゼム、フェンジリン、フルナリジン、ガロパミル、ミベフラジル、プレニラミン、チアパミル、およびベラパミルからなる群から選択されるCCB、またはその医薬的に許容される塩;および(iii)ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トルセミド、アミロリド、スピロノラクトン、トリアムテレン、クロロタリドン、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、メトラゾン、およびジクロルフェナミドからなる群から選択される利尿薬、または必要に応じて、その医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む。
【0005】
本発明のさらなる態様は、高血圧、(急性および慢性)鬱血性心不全の様な心不全、左心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム性動脈硬化症、狭心症(不安定性または安定性に関わらない)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性および続発性肺高血圧、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿、および腎血管性高血圧の様な腎不全状態、糖尿病性網膜症からなる群から選択される状態または疾患の処置または予防方法、片頭痛、末梢血管疾患、レイノー病、管腔細胞の過形成、認知障害(例えば、アルツハイマー病)、緑内障、および発作の様な他の血管疾患の管理方法であり、これは、治療上有効量の、(i)カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、E−4177、SC−52458、およびZD8731からなる群から選択されるARB、またはその医薬的に許容される塩;および(ii)アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、およびリオシジン(全て、ジヒドロピリジン系(DHP)の群に属する)、および非DHP CCBであるアニパミル、ジルチアゼム、フェンジリン、フルナリジン、ガロパミル、ミベフラジル、プレニラミン、チアパミル、およびベラパミルからなる群から選択されるCCB、またはその医薬的に許容される塩;および(iii)ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トルセミド、アミロリド、スピロノラクトン、トリアムテレン、クロロタリドン、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、メトラゾン、およびジクロルフェナミドからなる群から選択される利尿薬、または必要に応じて、その医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体の組合せを、該処置の必要な哺乳類に投与することを含む。
【0006】
本発明は、キット形で別々の医薬組成物を組み合わせることにも関する。それは、2または3個の別々の単位:例えば、ARBを含む医薬組成物、CCBを含む医薬組成物、および利尿薬を含む医薬組成物;またはARBおよび利尿薬を含む医薬組成物、およびCCBを含む医薬組成物;またはCCBおよび利尿薬を含む医薬組成物、およびARBを含む医薬組成物を含むキットである。キット形は、別々の構成要素が異なる投薬形態(例えば、非経腸バルサルタン製剤、および経口アムロジピンまたはヒドロクロロチアジド製剤)で投与されなければならないか、あるいは異なる投薬間隔で投与される場合に特に利点があるが、パーツからなる該キットの1構成要素の投与が、同時、連続、または時間をずらして無制限に作用するかもしれない。
【0007】
好ましい実施態様において、(商業用)製品は、本明細書で記載の疾患の進行の遅延、または処置において、有効成分として本発明による組合せ(構成要素(i)から(iii)である2または3個の別々の単位形)を、その同時、別々、または連続使用についての指示書と共に、またはその任意の組合せを含む商業用パッケージである。好ましい商業用パッケージは、ARB(i)および利尿薬(iii)がCo-DIOVAN[登録商標]の形で存在するか、またはACE阻害薬(i)、CCB(ii)、および利尿薬(iii)がCo-DIOVAN[登録商標]およびNORVASC[登録商標]の形で存在するものである。
【0008】
本発明の医薬製剤は、恒温動物への経口投与の様な経腸投与、および直腸投与または非経腸投与のための、薬理学的に活性な化合物を単独、あるいは慣習上の医薬的補助物質と共に含む製剤である。例えば、医薬製剤は、約0.1%から90%、好ましくは、約1%から約80%の活性化合物からなる。経腸投与または非経腸投与のための医薬製剤は、例えば、被覆錠剤、錠剤、カプセル剤または座剤、およびアンプル剤の様な単位用量形である。これらは、それ自体既知の方法(例えば、通常の混合、造粒、被覆、溶解、または凍結乾燥工程を用いて)で製造される。従って、経口使用のための医薬製剤は、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせること、所望なら得られた混合物を造粒すること、そして、必須または必要なら適当な補助物質の添加後、混合物または顆粒を錠剤または被覆錠剤コアに処理することにより、得られ得る。
【0009】
活性化合物の投薬量は、投与方法、恒温動物種、年齢、および/または個々の状態の様な様々な因子に依存し得る。本発明による医薬の組合せの有効成分についての好ましい投薬量は、治療上有効な投薬量、特に、通常利用可能な量である。通常、経口投与の場合、およその1日用量である、活性薬物(すなわち、ARB+CCB+利尿薬)約20mgから約900mgが、例えば、体重約75kgの患者に対して見積もられるべきである。
【0010】
本発明において、好ましいARBは、例えば、バルサルタンおよびロサルタンとして販売されている該薬物である。同じものが、本発明で利用されるCCBに適用され、このうちアムロジピンおよびフェロジピンが好ましい。最も好ましい利尿薬は、ヒドロクロロチアジド(HCTZ)である。
【0011】
大変驚くべきことに、(i)ARB、(ii)CCB、および(iii)利尿薬の組合せ、具体的には、バルサルタン、アムロジピン、およびHCTZを含む組合せが、バルサルタン、アムロジピン、またはHCTZ単独、あるいは該薬物のうちの2個の組合せでの投与より、治療上非常に有効であることを発見した。高い有効性は、長期持続作用としても証明され得る。持続作用は、次の投与までにベースラインまで戻る時間として、または曲線下面積(AUC)としてモニターされ、そして水銀柱ミリメートルでの血圧の変化(mmHg変化)の結果、および持続作用(分、時間、または日)として現される。上記組合せ処置はまた、速やかかつ持続した方法で、高血圧の哺乳類の血圧を予想外に低下させる。該組合せにより示される、最低血圧:最高血圧の比は、投薬期間中、より均一な血圧コントロールを導く単一性に近づく。該組合せ療法は、起立性低血圧または初回投与低血圧をほぼ完全に回避し、そして処置中止後の高血圧へのリバウンドの発生は非常に希である。本発明による組合せ療法は、高血圧の哺乳類での脈圧の低下を導くことが示され得る。
【0012】
さらに、該組合せ療法は内皮障害を改善し、かつ高血圧の哺乳類での血管コンプライアンスおよび伸展性を改善し得る。それは、該哺乳類において心臓、腎臓、および大脳の末端器官損傷の進行も遅延させ得る。さらなる効果は、本発明により組み合わされるべき個々の薬物のより少ない用量を用いて投薬量を減らし得ること、例えば、投薬量がより少ないことがしばしば要求されるだけでなく、より少ない頻度で適用されることも必要とされること、または副作用の発生を少なくするために用いられ得ることである。驚くべきことに、バルサルタン、アムロジピン、およびHCTZの組合せは、アムロジピン単独で処置された哺乳類で観察されるものと比較して、末梢浮腫の発生を有意に低減させる。また、血清脂質、グルコース、および尿酸濃度へのHCTZの望ましくない作用は、バルサルタン、アムロジピン、およびHCTZの組合せ療法で処置された哺乳類において、驚くことに軽減される。
【0013】
特に、バルサルタンまたはその医薬的に許容される塩、アムロジピンまたはその医薬的に許容される塩、およびHCTZの組合せ投与は、根底にある病因の状態に関わらず、単独療法または組合せ療法(例えば、バルサルタンおよびHCTZ)と比較して、より多くのパーセンテージの処置患者において有意な応答、いわゆる、高い応答率結果となる。このことは、処置されるべき患者の望みおよび要求と一致する。該組合せ処置は、閉経前および閉経後の女性を含む全年齢群の高血圧患者において、血圧を効果的に低下させる。バルサルタン、アムロジピン、およびHCTZでの組合せ療法は、より効果的な降圧性療法(悪性、本態性、腎血管性、糖尿病性、心臓収縮性、または他の続発性形の高血圧のためのいずれか)、および改善された効果による脈圧の低下を生じることが示され得る。該組合せは、(急性および慢性)鬱血性心不全の様な心不全、左心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、または有害な血管リモデリングの処置または予防でも有効である。バルサルタン、アムロジピン、およびHCTZの組合せ療法が、心筋梗塞およびその続発症の処置および予防で有効であると立証されることがさらに示され得る。バルサルタン、アムロジピン、およびHCTZの組合せは、アテローム性動脈硬化症、狭心症(安定または不安定)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、末梢血管疾患、認知障害、および発作を処置する際にも有効である。さらに、バルサルタン、アムロジピン、およびHCTZを用いた組合せ療法による内皮機能の改善は、心不全、狭心症、および糖尿病の様な正常内皮機能が損なわれている疾患において有効となる。さらに、本発明の組合せは、続発性アルドステロン症、原発性および続発性肺高血圧、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿、および腎血管性高血圧の様な腎不全状態、糖尿病性網膜症の処置または予防、片頭痛、末梢血管疾患、レイノー病、管腔細胞の過形成、認知障害(例えば、アルツハイマー病)、緑内障、および発作の様な他の血管疾患の管理のために用いられる。該組合せ療法はまた、心臓、腎臓、および大脳末端器官の損傷の進行速度を有意に低減させる。増強された有効性、安全性、耐容性をもたらすことにより、本発明で示される薬物の組合せはまた、高血圧の薬理学的処置において主に考慮されることである、患者コンプライアンスを進める可能性も有する。
【0014】
当該技術分野の技術者は、上記および下記の治療効果で本発明の組合せの有効性を証明するための適切な試験モデルを充分に選択できる。
【0015】
本組合せの利点は、例えば、本質的に以下で記載される臨床試験または試験方法で示される。我々の組合せを試験するのに適した多くの臨床試験プロトコールは、当該技術分野の技術者に知られている。我々の新規組合せの予測外の利点を示すために有用な臨床試験の例は、Waeber B et al.(J Hypertens. 2001 Nov;19(11):2097-104)により記載されている。同じプロトコールは、組合せ、好ましくは、バルサルタン80mg、ヒドロクロロチアジド12.5mg、およびアムロジピン5mgである用量固定の組合せの様な我々の好ましい組合せで行われる。該プロトコールは、本公報への引用により本明細書に取り込まれる。
【0016】
代表的な試験は、以下の方法論を適用するバルサルタン、アムロジピン、およびHCTZの組合せにより、実行される。薬物の有効性は、酢酸デオキシコルチコステロン・塩ラット(DOCA塩)、および正常塩量の食事または塩を添加した食事(ラットの飼料中4〜8%の塩、または飲料水として1% NaCl)のいずれかで維持された自然発症高血圧ラット(SHR)を含む様々な動物モデルで評価される。
【0017】
DOCA・塩試験モデルは、急性または慢性試験プロトコールのいずれかを利用する。急性試験の方法は、大腿動脈および大腿静脈カテーテルを挿着するラットを用いて、6時間に渡る実験時間で、様々な試験物質の効果を評価することを含む。該急性試験の方法は、DOCA・塩高血圧の確立期(established phase)に血圧を下げる効力について試験物質を評価する。対照的に、慢性試験の方法は、DOCA・塩高血圧の展開期(development phase)に血圧の上昇を予防または遅延させる試験物質の効力を評価する。それゆえ、慢性試験方法では、血圧は無線送信機によりモニターされる。該無線送信機は、DOCA・塩処置の開始前、従って高血圧誘導前に腹部大動脈に外科的に埋め込まれる。血圧は、最大6週間(DOCA・塩投与前およそ1週間、そしてその後5週間)継続的にモニターされる。
【0018】
ラットは、2〜3%のイソフルレンを含む酸素吸入に続いて、アミターナルナトリウム(アモバルビタール)(100mg/kg、腹腔)により麻酔される。麻酔レベルは、安定したリズムの呼吸パターンにより、確認される。
【0019】
急性試験の方法:
ラットは、DOCA移植時に片側性腎摘出を受ける。左側腹部および首の後の毛が刈られ、清潔なアルコール綿およびポピドン/ヨウ素で消毒される。手術中、ラットは電気パッドの上に置かれ、体温が37℃で維持される。
【0020】
皮膚とその下の筋肉が20mm切開され、左の腎臓が露出される。腎臓は、周囲の組織から離され、体外に出され、そして2度の結紮(3〜0シルク)が、大動脈との結合部に隣接する腎動脈および腎静脈の周りでしっかりとなされる。次に、腎動脈および腎静脈が切断され、腎臓が取り出される。筋肉および皮膚の傷口は、それぞれ4〜0シルク縫合糸およびステンレススチール傷用クリップで閉じられる。同時に、首の後が15mm切開され、酢酸デオキシコルチコステロン(100mg/kg)を含有する3週間放出ペレット(Innovative Research of America, Sarasota, Florida)が皮下に埋め込まれる。次に、この傷が、ステンレススチールクリップで閉じられ、そして両方の傷がポピドン/ヨウ素で処置される;ラットへのプロカインペニシリンG(100,000U)の筋肉注射およびブプレノルフィン(0.05〜0.1mg/kg)の皮下注射が、術後になされる。該ラットは、直ちに、1% NaCl+0.2% KCl飲料水の元に置かれる;この処置は、少なくとも3週間、該動物が高血圧となり、実験に利用可能となるまで続けられる。
【0021】
実験の48時間前に動物はイソフルレンで麻酔され、動脈圧の測定、血液採取、および試験化合物の投与のため、大腿動脈および大腿静脈にカテーテルが入れられる。ラットは、実験チャンバーにもなるプレキシグラスケージに入れられ、48時間かけて回復させられる。
【0022】
慢性研究の方法:
この方法は、ラットが片側性腎摘出およびDOCAおよび塩の開始7〜10日前に無線送信機を埋め込まれることを除き、上記と同じである。さらに、該ラットは、大腿動脈および大腿静脈にカテーテルを入れる手術を受けない。無線送信機は、M.K. Bazil, C. Krulan and R.L. Webbに記載されるように埋め込まれる。心血管の遠隔モニタリングは、非麻酔自然発症高血圧ラットのパラメーターとされる。J.Cardiovasc. Pharmacol. 22: 897-905, 1993を参照されたい。
【0023】
次に、事前に決めた時間ポイントで血圧、心拍数などを測定するために、コンピューターにプロトコールがセットアップされる。ベースラインのデータは、様々な時間ポイントおよび様々な時間間隔で集められる。例えば、ベースラインまたは投与前の値は、普通、薬物投与前24時間で集められたデータおよび3つの連続するデータの平均からなる。
【0024】
血圧、心拍数、および活動は、薬物投与前、投与中、および投与後の事前に選択された時間ポイントで測定される。測定は全て、非拘束(unrestrained)かつ平静(undisturbed)の動物で行われる。バッテリーの寿命で決まる試験の最長時間は、9ヶ月にも達し得る。該継続時間の試験のため、ラットは1日当たり2回未満で経口投与(1〜3ml/kg ビークル)されるか、または薬物が飲料水を介して、または飼料と混ぜられて投与される。より短い継続時間、つまり最大8週間の試験のため、薬物は、皮下に埋め込まれた浸透圧性ミニポンプを介して与えられる。浸透圧性ミニポンプは、薬物送達率および時間に基づき、選択される。バルサルタン投薬量は、1から100mg/kg/日の範囲であり、アムロジピン投薬量は、1から75mg/kg/日の範囲であり、そしてHCTZ投薬量は、1から75mg/kg/日の範囲である。
【0025】
さらに、SHRを利用して、アムロジピンと組み合わせたバルサルタン、およびHCTZの有効性が試験される。SHRの高血圧のバックグランドは、RAASを抑制しようと努力しての慢性的な塩添加、またはSHRでのRAASを活性化しての慢性的な塩の減少により、変更される。これらの操作を行い、様々な試験物質の有効性をより広く評価する。自然発症高血圧ラット(SHR)で行われる実験は、Taconic Farms, Germantown, New York (Tac:N(SHR)fBR)で代行される。無線遠隔測定装置(Data Sciences International, Inc., St. Paul, Minnesota)は、14から16週齢の全試験動物のより下部の腹部大動脈に埋め込まれる。SHRは全て、実験開始前の少なくとも2週間で外科的埋め込み手術から回復可能である。心血管パラメーターは、無線送信機を介して連続してモニターされ、デジタルシグナルが集められて、電子データ取得システムを用いて保存される受信機に送信される。血圧(動脈の心臓収縮期圧および心臓拡張期圧の平均)および心拍数が、そのホームケージにいる非麻酔、自由に動く、および平静のSHRでモニターされる。動脈血圧および心拍数は、10分間毎に10秒間測定され、記録される。それぞれのラットについて報告されるデータは、24時間の平均値を表し、1日毎に集められる144個の10分の試料からなる。血圧および心拍数のベースラインの値は、薬物処置の開始前に行われた3回の連続24時間の測定の平均からなる。ラット全てが、温度と湿度の制御された部屋で個別に飼育され、12時間の明暗サイクルで維持される。
【0026】
心血管のパラメーターに加えて、体重も毎週、全てのラットで記録される。処置は、飲料水、毎日の経口栄養補給を介して、または上記の浸透圧性ミニポンプで成される。飲料水に入れられる場合、飲料水量は1週間当たり5回測定される。次に、個々のラットに対するバルサルタン、アムロジピン、およびHCTZ投薬量が、それぞれのラットの飲料水量、飲料水中の薬物濃度、および個々の体重に基づき計算される。飲料水中の薬物溶液は全て、3〜4日毎に新しいものにされる。飲料水中のバルサルタンの典型的な投薬量は、1から100mg/kg/日の範囲であり、アムロジピンの投薬量は、1から75mg/kg/日の範囲であり、そしてHCTZの投薬量は、1から75mg/kg/日の範囲である。単独療法として投与される大抵の場合で、1日用量は100mg/kg/日を超えない。組合せでは、より少量の投薬量のそれぞれの薬物が用いられ、対応して、バルサルタンは、1から30mg/kg/日の範囲で与えられ、そしてアムロジピンおよびHCTZは、50mg/kg/日以下の投薬量で与えられる。
【0027】
薬物が経口栄養補給により投与される場合、バルサルタンの用量は、1から50mg/kg/日の範囲であり、そしてアムロジピンおよびHCTZの用量は、それぞれ75mg/kg/日を超えない。
【0028】
慢性試験の終了時に、SHRまたはDOCA・塩ラットは麻酔され、血液試料が生化学分析のために採取され、そして心臓が迅速に取り出される。心房の付属器の分離および除去後、左心室、および左心室+右心室(合計)重量が測定され、そして記録される。次に、左心室および心室合計重量が、体重について標準化され、記録される。
【0029】
血管の機能および構造は、組合せの有効性を評価するために処理された後、評価される。SHRは、Intengan HD, Thibault G, Li JS, Schiffrin EL, Circulation 1999, 100 (22): 2267-2275に記載される方法に従い、試験される。同様に、DOCA・塩ラットでの血管の機能を評価する方法論は、Intengan HD, Park JB, Schiffrin, EL, Hypertension, 1999, 34(4 Part 2): 907-913に記載されている。組合せ療法での処置に続いて、血管コンプライアンスおよび伸展性の評価が、Ceiler DL, Nelissen-Vrancken HJ, De Mey JG, Smits JF, J Cardiovasc Pharmacol 1998, 31(4):630-7に記載される方法に従い行われる。高血圧に続発した心臓、腎臓、および大脳損傷の改善は、Nagura J, Yamamoto M, Hui C, Yasuda S, Hachisu M, Konno F, Clin Exp Pharmacol Physiol 1996, 23(3):229-35に記載される方法に従い、塩添加の発作傾向の自然発症高血圧ラットにおいて、組合せ療法での処置後に評価される。体位性低血圧または起立性低血圧を誘発する組合せ療法の傾向は、Nabata H, Aono J, Ishizuka N, Sakai K, Arch Int Pharmacodyn Ther 1985, 277(1):104-18に記載される方法により、SHRで評価される。組合せ療法により末梢浮腫が生じる傾向は、Lacolley P, Poitevin P, Koen R, Levy BI, J Hypertens 1998, 16(3):349-55に記載される方法により、評価された。
【0030】
バルサルタンは、適当な単位用量剤形、例えば、カプセル剤または錠剤の形、および患者に適用される、治療上有効量、例えば、約20mgから約320mgまたは640mgのバルサルタンを含んだ形で供給される。有効成分の適用は1日当たり最大3回であり、例えば、1日用量であるバルサルタン20mgまたは40mgで開始され、1日当たり80mg、さらに1日当たり160mg、最大1日当たり320または640mgまで増加される。好ましくは、バルサルタンは、心不全患者において、1日当たり1回または2回、それぞれ用量80mgまたは160mgで適用される。対応する用量は、例えば、朝、昼、または夜に取られてもよい。心不全では、1日1回、または1日2回の投与が好ましい。
【0031】
アムロジピンの場合、好ましい単位投与剤形は、例えば、1日当たり約1mgから約60mg、好ましくは、2.5から20mg、より好ましくは、2.5から10mg(経口投与される場合)を含む錠剤またはカプセル剤である。
【0032】
HCTZの場合、好ましい単位投与剤形は、例えば、1日1回経口投与される約5mgから約200mg、好ましくは、約50mgから約150mg、より好ましくは、約25mgから約100mg、そしてなおより好ましくは、約5mgから約25mgを含む錠剤またはカプセル剤である。
【0033】
好ましい組成の例は、バルサルタン量60から100mg(例えば、80mg)、アムロジピン量2から12mg(例えば、2.5または5mg)、およびHCTZ量8から16mg(例えば、12.5mg)を含む。
【0034】
好ましい組成の別の例は、バルサルタン量140から180mg(例えば、160mg)、アムロジピン量2から12mg(例えば、2.5または5または10mg)、およびHCTZ量8から16mg(例えば、12.5mg)を含む。
【0035】
好ましい組成の別の例は、バルサルタン量140から180mg(例えば、160mg)、アムロジピン量4から12mg(例えば、5mgまたは10mg)、およびHCTZ量20から30mg(例えば、25mg)を含む。
【0036】
(i)ARB、(ii)CCB、および(iii)利尿薬の組合せは、本発明に従い、製造され、そして自由用量または固定用量のそれぞれの医薬的に活性な薬物の組合わせ剤で投与される。有利なことは、それぞれの個々の薬剤の投与される用量を容易に調整できる組合わせ剤で処置を開始できることである。一般に処置されるべき個体の特異的状態に依存する、理想的な投与療法の場合、個体重量、個体に投与される他の医薬などが調べられ、1日1回、または例えば、1日2回または3回の投与により血圧が有効かつ十分にコントロールされる場合、固定用量の組合せが投与される。
【0037】
現時点では、構成要素(i)から(iii)のうち2個を組合せ、3番目を同時または別の時間に別々に投与することが好ましい。
【0038】
バルサルタンは、商標名Diovan[登録商標]で販売されている。バルサルタンおよびHCTZの組合せは、商標名Co-Diovan[登録商標]で販売され、そしてアムロジピンは、商標名Norvasc[登録商標]で販売されている。該商業用製品全てが、例えば、本発明による組合せ療法のために利用される。
【0039】
次の実施例は、上記の発明を説明し、該発明の範囲をいかなる点においても制限することを意図していない。
【実施例】
【0040】
製剤例1:
Diovan[登録商標]錠剤の組成およびバッチ量
【表1】

【0041】
Diolackの組成
【表2】

【0042】
Diovan薬物、微結晶性セルロース、クロスポビドン、無水コロイダルシリカ/コロイド状二酸化ケイ素/アエロジル200の一部、二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグネシウムの混合物を、拡散ミキサーで混合し、次に選別ミルを通してふるう。生じた混合物を、拡散ミキサーで再度混合し、ローラー圧縮機で圧縮し、次に選別ミルを通してふるう。生じた混合物に、無水コロイダルシリカ/コロイド状二酸化ケイ素/アエロジル200の残りを加え、最終的な混合を拡散ミキサーで行う。該混合物全てを、ロータリー打錠機で圧縮し、錠剤をせん孔パンで適当な組成のDiolackを用いて、フィルムで被覆する。
【0043】
製剤例2:
Co-Diovan[登録商標]錠剤の組成および量
【表3】

【0044】
Opadryの組成
【表4】

【0045】
Diovan薬物、Esidrex薬物(μ)、微結晶セルロース、クロスポビドン、無水コロイダルシリカ/アエロジル200、およびステアリン酸マグネシウムの一部の混合物を、拡散ミキサーで混合し、次に選別ミルを通してふるう。生じた混合物を再度拡散ミキサーで混合し、ローラー圧縮機で圧縮し、次に選別ミルを通してふるう。残りのステアリン酸マグネシウムを加え、最終的な混合を拡散ミキサーで行い、手にとり検査する。混合物全てを、ロータリー打錠機で圧縮し、せん孔パンで適当な組成のOpadryを用いて、錠剤をフィルムで被覆する。
【0046】
製剤例3:
バルサルタンおよびアムロジピンの組合せの組成および量
【表5】


錠剤は、例えば、製剤例1で本質的に記載されたように、製造される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)またはその医薬的に許容される塩、
(ii)カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)またはその医薬的に許容される塩、および
(iii)利尿薬、またはその医薬的に許容される塩、
を含む医薬組成物。
【請求項2】
(i)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)が、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、E−4177、SC−52458、およびZD8731からなる群から選択され;(ii)カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)が、アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、リオシジン、アニパミル、ジルチアゼム、フェンジリン、フルナリジン、ガロパミル、ミベフラジル、プレニラミン、チアパミル、およびベラパミルからなる群から選択され;そして(iii)利尿薬が、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トルセミド、アミロリド、スピロノラクトン、トリアムテレン、クロロタリドン、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、メトラゾン、およびジクロルフェナミドからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
(i)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)がバルサルタンであり;(ii)カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)がアムロジピンであり;そして(iii)利尿薬がヒドロクロロチアジドである、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
バルサルタンが、量約20から約640mgで含有され、アムロジピンが、量約1mgから約60mgで含有され、そしてヒドロクロロチアジドが、量約5mgから約200mgで含有される、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
バルサルタンが、量約40から320mgで含有され、アムロジピンが、量約2.5mgから約10mgで含有され、そしてヒドロクロロチアジドが、量約5mgから約25mgで含有される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
(i)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)の医薬組成物、
(ii)カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)の医薬組成物、および
(iii)利尿薬の医薬組成物、
を構成要素(i)から(iii)の2または3個の別々の単位形態で含む、パーツからなるキット。
【請求項7】
(i)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)が、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、E−4177、SC−52458、およびZD8731からなる群から選択され;(ii)カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)が、アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、リオシジン、アニパミル、ジルチアゼム、フェンジリン、フルナリジン、ガロパミル、ミベフラジル、プレニラミン、チアパミル、およびベラパミルからなる群から選択され;そして(iii)利尿薬が、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トルセミド、アミロリド、スピロノラクトン、トリアムテレン、クロロタリドン、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、メトラゾン、およびジクロルフェナミドからなる群から選択される、請求項6に記載のパーツからなるキット。
【請求項8】
(i)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)がバルサルタンであり;(ii)カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)がアムロジピンであり;そして(iii)利尿薬がヒドロクロロチアジドである、請求項7に記載のパーツからなるキット。
【請求項9】
バルサルタンが、量約20から約640mgで含有され、アムロジピンが、量約1mgから約60mgで含有され、そしてヒドロクロロチアジドが、量5mgから約200mgで含有される、請求項8に記載のパーツからなるキット。
【請求項10】
バルサルタンが、量約40から320mgで含有され、アムロジピンが、量約2.5mgから約10mgで含有され、そしてヒドロクロロチアジドが量約5mgから約25mgで含有される、請求項9に記載のパーツからなるキット。
【請求項11】
高血圧、(急性および慢性)鬱血性心不全の様な心不全、左心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム性動脈硬化症、狭心症(不安定性または安定性に関わらない)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性および続発性肺高血圧、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿、および腎血管性高血圧の様な腎不全状態、糖尿病性網膜症からなる群から選択される状態または疾患の処置または予防、片頭痛、末梢血管疾患、レイノー病、管腔細胞の過形成、認知障害(例えば、アルツハイマー病)、緑内障、および発作の様な他の血管疾患の管理方法であって、治療上有効量の、(i)カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、E−4177、SC−52458、およびZD8731からなる群から選択されるARB、またはその医薬的に許容される塩;および(ii)アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、およびリオシジン(全て、ジヒドロピリジン系(DHP)の群に属する)、および非DHP CCBであるアニパミル、ジルチアゼム、フェンジリン、フルナリジン、ガロパミル、ミベフラジル、プレニラミン、チアパミル、およびベラパミルからなる群から選択されるCCB、またはその医薬的に許容される塩;および(iii)ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トルセミド、アミロリド、スピロノラクトン、トリアムテレン、クロロタリドン、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、メトラゾン、およびジクロルフェナミドからなる群から選択される利尿薬、または必要に応じて、その医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体の組合せを、該処置の必要な哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項12】
(i)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)の医薬組成物、
(ii)カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)の医薬組成物、および
(iii)利尿薬の医薬組成物、
を構成要素(i)から(iii)の2または3個の別々の単位形態で、
高血圧、(急性および慢性)鬱血性心不全の様な心不全、左心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム性動脈硬化症、狭心症(不安定性または安定性に関わらない)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性および続発性肺高血圧、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿、および腎血管性高血圧の様な腎不全状態、糖尿病性網膜症からなる群から選択される状態または疾患の処置または予防、片頭痛、末梢血管疾患、レイノー病、管腔細胞の過形成、認知障害(例えば、アルツハイマー病)、緑内障、および発作の様な他の血管疾患の管理のためのその同時、別々、連続使用についての指示書と共に含む、商業用パッケージ。
【請求項13】
(i)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)がバルサルタンであり;(ii)カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)がアムロジピンであり;そして(iii)利尿薬がヒドロクロロチアジドである、請求項12に記載の商業用パッケージ。
【請求項14】
アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)(i)および利尿薬(iii)が、Co-DIOVAN[登録商標]の形で存在するか、あるいはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)(i)、CCB(ii)、および利尿薬(iii)が、Co-DIOVAN[登録商標]およびNorvasc[登録商標]の形で存在する、請求項13に記載の商業用パッケージ。
【請求項15】
高血圧、(急性および慢性)鬱血性心不全の様な心不全、左心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム性動脈硬化症、狭心症(不安定性または安定性に関わらない)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性および続発性肺高血圧、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿、および腎血管性高血圧の様な腎不全、糖尿病性網膜症からなる群から選択される状態または疾患の処置または予防、片頭痛、末梢血管疾患、レイノー病、管腔細胞の過形成、認知障害(例えば、アルツハイマー病)、緑内障、および発作の様な他の血管疾患の管理のための医薬の製造のための、請求項1から5のいずれか1項に記載の組合せ、または請求項6から10のいずれか1項に記載のパーツからなるキットの使用。
【請求項16】
高血圧、(急性および慢性)鬱血性心不全の様な心不全、左心室機能障害および肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性不整脈および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム性動脈硬化症、狭心症(不安定性または安定性に関わらない)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性および続発性肺高血圧、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿、および腎血管性高血圧の様な腎不全、糖尿病性網膜症からなる群から選択される状態または疾患の処置または予防、片頭痛、末梢血管疾患、レイノー病、管腔細胞の過形成、認知障害(例えば、アルツハイマー病)、緑内障、および発作の様な他の血管疾患の管理のための、請求項1から5のいずれか1項に記載の組合せ、または請求項6から10のいずれか1項に記載のパーツからなるキットの使用。

【公開番号】特開2010−209123(P2010−209123A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152053(P2010−152053)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【分割の表示】特願2004−505044(P2004−505044)の分割
【原出願日】平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】