説明

有機発光ダイオード表示装置およびその製造方法

【課題】改善された有機発光ダイオード表示装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に定義され、映像を表示する表示領域と、表示領域を囲むように定義され、表示領域に含まれたピクセルに信号を提供する非表示領域と、基板の非表示領域に形成された第1薄膜トランジスタと、基板の表示領域に形成された第2薄膜トランジスタと、第1および第2薄膜トランジスタの上部に形成された平坦化膜140と、非表示領域内の平坦化膜上に形成され、少なくとも1つの第1開口を含む第1電極175と、平坦化膜上に形成され、第2薄膜トランジスタの電極に連結される第2電極145と、第2電極と第1電極の上に形成され、第2電極の一部を露出させるように構成され、第1電極に隣接するように配置されたバンクパターン150と、第2電極上に形成された有機発光層155と、有機発光層上に形成された第3電極160とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオード表示装置に関し、特に信頼性を向上させることができる有機発光ダイオード表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、陰極線管(Cathode Ray Tube)の短所である重さと体積を減らすことができる各種平板表示装置が開発されている。
【0003】
このような平板表示装置としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display:FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)及び電界発光素子(Electroluminescence Device:EL)等がある。
【0004】
電界発光素子は、発光層の材料によって無機電界発光素子と有機電界発光素子(以下、OLEDと称する)に大別され、自ら発光する自発光素子として、応答速度が速く、発光効率、輝度および視野角が大きいという長所がある。
【0005】
OLEDは、電界発光する有機電界発光化合物層と、前記有機電界発光化合物層を挟んで対向するカソード電極およびアノード電極を含む。
【0006】
前記有機電界発光化合物層は、正孔注入層(Hole injection layer:HIL)、正孔輸送層(Hole transport layer:HTL)、発光層(Emission layer:EML)、電子輸送層(Electron transport layer:ETL)および電子注入層(Electron injection layer:EIT)を含む。
【0007】
OLEDは、カソード電極と陰極に注入された正孔と電子が発光層(EML)における再結合時の励起過程で励起子(excition)が形成され、励起子からのエネルギーによって発光する。有機発光ダイオード表示装置は、OLEDの発光層から発生する光の量を電気的に制御して映像を表示する。
【0008】
前記有機発光ダイオード表示装置は、薄膜トランジスタ(TFT)と、前記薄膜トランジスタ上に形成された平坦化膜と、前記薄膜トランジスタに接続されたアノード電極と、前記薄膜トランジスタとアノード電極上に形成されたバンクパターンと、前記バンクパターンとアノード電極上に形成された有機電界発光化合物層と、前記有機電界発光化合物層上に形成されたカソード電極とを含む。
【0009】
前記有機発光ダイオード表示装置の基板上には、バッファー層、半導体アクティブパターン、ゲート絶縁膜、ゲート金属パターン、層間絶縁膜、ソース/ドレーン金属パターン、保護膜が形成される。前記ゲート金属パターンは、薄膜トランジスタのゲート電極を含む。
【0010】
前記ソース/ドレーン金属パターンは、薄膜トランジスタのソース電極とドレーン電極を含む。アノード電極は、保護層を貫通するコンタクトホールを介して薄膜トランジスタのドレーン電極に接続される。
【0011】
一方、前記有機発光ダイオード表示装置は、映像を表示する表示領域と、前記表示領域のエッジを取囲む非表示領域に区分することができる。前記非表示領域には、前記表示領域に形成された多数の駆動ラインに駆動電圧を提供する回路部およびグラウンド接続部などを設けることができる。
【0012】
このような非表示領域の回路部上にも、表示領域と同様に薄膜トランジスタと、平坦化膜およびアノード電極などが形成される。
【0013】
この時、前記非表示領域の回路部に形成された平坦化膜内に残留物質が時間経過によってアウトガッシング(Out-gassing)形態で発生し、前記表示領域に形成された有機電界発光化合物層に影響を及ぼし、前記有機電界発光化合物層の劣化を誘発することになる。
【0014】
前記有機電界発光化合物層の劣化によって不良が発生し、製品の信頼性を低下させるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記した問題点を解決するためのものとして、非表示領域の回路部に形成されたアノード電極上にホールを形成して、前記回路部で発生するアウトガッシングの表示領域への移動を最小化することで、表示領域の有機発光ダイオードの劣化を防止できる有機発光ダイオード表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、製品の信頼性を向上させることができる有機発光ダイオード表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記技術的課題を達成するために、本発明の有機発光ダイオード表示装置は、基板上に定義され、映像を表示するように構成された表示領域と、前記表示領域を囲むように定義され、前記表示領域に含まれたピクセルに信号を提供するように構成された非表示領域と、前記基板の非表示領域に形成された第1薄膜トランジスタと、前記基板の表示領域に形成された第2薄膜トランジスタと、前記第1および第2薄膜トランジスタの上部に形成された平坦化膜と、前記非表示領域内の前記平坦化膜上に形成され、少なくとも1つの第1開口を含む第1電極と、前記平坦化膜上に形成され、前記第2薄膜トランジスタの電極に連結される第2電極と、前記第2電極と第1電極の上に形成され、前記第2電極の一部を露出させるように構成され、第1電極に隣接するように配置されたバンクパターンと、前記第2電極上に形成された有機発光層と、前記有機発光層上に形成された第3電極と、を含む。
【0018】
上記技術的課題を達成するために、本発明の有機発光ダイオード表示装置の製造方法は、映像を表示する表示領域と、前記表示領域の外側に位置する非表示領域とに区分される基板を提供する段階と、前記基板の非表示領域および表示領域にそれぞれ第1および第2薄膜トランジスタを形成する段階と、前記第1および第2薄膜トランジスタが形成された基板上に、前記第2薄膜トランジスタの電極の一部を露出させる第1コンタクトホールを備えた平坦化膜を形成する段階と、前記第1コンタクトホールを備えた平坦化膜上に透明電極を形成する段階と、前記第1コンタクトホールが設けられた前記平坦化膜上にあり、前記第1薄膜トランジスタに対面する、少なくとも1つの第1開口を含む第1電極と、前記第2薄膜トランジスタの前記電極に連結される第2電極と、を形成する段階と、前記第2電極の一部を露出させるように構成され、第1電極に隣接するように配置されたバンクパターンを、前記第2電極と第1電極の上に形成する段階と、前記第2電極上に有機発光層を形成する段階と、前記有機発光層上に第3電極を形成する段階と、を含む。
【0019】
上記技術的課題を達成するために、本発明の有機発光ダイオード表示装置は、基板上に定義され、映像を表示するように構成された表示領域と、前記表示領域を囲むように定義され、前記表示領域に含まれたピクセルに信号を提供するように構成された非表示領域と、前記基板の非表示領域に形成された第1薄膜トランジスタと、前記基板の表示領域に形成された第2薄膜トランジスタと、前記第1および第2薄膜トランジスタの上部に形成された平坦化膜と、前記非表示領域内の前記平坦化膜上に形成された第1電極と、前記平坦化膜上に形成され、前記第2薄膜トランジスタの電極に連結される第2電極と、前記第2電極と第1電極の上に形成され、前記第2電極の一部を露出させるように構成され、第1電極に隣接するように配置されたバンクパターンと、前記第2電極上に形成された有機発光層と、前記有機発光層上に形成された第3電極と、を含み、前記第1電極は、前記平坦化膜からアウトガスされた物質を、前記バンクパターンに排出されるように導く構成である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の有機発光ダイオード表示装置およびその製造方法によれば、非表示領域の回路部に形成されたアノード電極にホールを形成して、前記回路部で発生するアウトガッシングを前記ホールを介して放出することで、前記アウトガッシングの表示領域への移動を防止し、表示領域の有機発光ダイオードの劣化を防止することができる。
【0021】
また、本発明の有機発光ダイオード表示装置およびその製造方法によれば、表示領域の有機発光ダイオードの劣化を防止して製品の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の平面図を概略的に現わした図面である。
【図2】図1のピクセルの回路構成を現わした図面である。
【図3】図1のI〜I’に沿って切断した断面図である。
【図4−10】図1の有機発光ダイオード表示装置を工程順に現わした図面である。
【図11】本発明の別の実施例に係る図1のI〜I’領域の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明の実施例を詳しく説明する。
【0024】
図1は本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の平面図を概略的に現わした図面であり、図2は図1のピクセルの回路構成を現わした図面である。
【0025】
図1および図2に示すように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置1000は、基板190上に形成され、映像を表示する表示領域AAと、前記表示領域AAのエッジに形成され、前記表示領域AAに駆動電圧を提供する回路部が実装された非表示領域(Non-Display Area:NDA)を含む。
【0026】
前記非表示領域NDAは、パッド部PAを介して外部から提供される多数の信号および多数の電圧を前記表示領域AAに提供する多数の配線が形成された配線部WAと、前記表示領域AAに形成されたピクセルSPのデータラインと電気的に連結されるICとを含む。
【0027】
また、前記非表示領域NDAは、GIP(Gate In Panel)形態で基板190上に形成され、前記ピクセルSPのスキャンラインにスキャン信号を提供する回路部をさらに含む。
【0028】
前記表示領域AAは、マトリックス形態で配置されたピクセルSPを含む。前記ピクセルSPは、配線部WAに含まれたデータラインを介して前記ICに連結され、前記配線部WAに含まれたスキャンラインを介して前記回路部と連結され、配線部WAに含まれた電源配線を介して電源端に連結される。
【0029】
前記ピクセルSPは、スイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ、キャパシターおよび有機発光ダイオードを含む2T(Transistor)1C(Capacitor)構造、またはトランジスタおよびキャパシターがさらに追加された構造にすることができる。
【0030】
2T1C構造の場合、ピクセルSPに含まれた素子は図2のように連結することができる。
【0031】
スイッチングトランジスタS1は、スキャン信号が供給されるスキャンラインSLにゲートが連結され、データ信号が供給されるデータラインDLに一端が連結され、第1ノードN1に他端が連結される。
【0032】
駆動トランジスタT1は、前記第1ノードN1にゲートが連結され、高電位電源が供給される第1電源配線VDDに一端が連結され、有機発光ダイオードDに他端が連結される。
【0033】
キャパシターCstは、第1ノードN1に一端が連結され、前記第1電源配線VDDに他端が連結される。前記有機発光ダイオードDは、前記駆動トランジスタT1の他端にアノードが連結され、低電位電源が供給される第2電源配線GNDにカソードが連結される。
【0034】
上記説明では、ピクセルSPに含まれるトランジスタS1、T1がP-Typeに構成されたものを例として説明したが、本発明の実施例はこれに限定されない。
【0035】
また、第1電源配線VDDを介して供給される高電位電源は第2電源配線GNDを介して供給される低電位電源より高いが、第1電源配線VDDおよび第2電源配線GNDを介して供給される電源のレベルは、駆動方法によりスイッチング可能である。
【0036】
上述したピクセルSPは、次のように動作することができる。
【0037】
スキャンラインSLを介してスキャン信号が供給されると、スイッチングトランジスタS1がターンオンされる。次に、データラインDLを介して供給されたデータ信号がターンオンされたスイッチングトランジスタS1を経て第1ノードに供給されると、前記データ信号はキャパシターCstにデータ電圧として保存される。
【0038】
次に、スキャン信号が遮断され、スイッチングトランジスタS1がターンオフされると、駆動トランジスタT1はキャパシターCstに保存されたデータ電圧に対応して駆動される。
【0039】
次に、第1電源配線VDDを介して供給された高電位電源が第2電源配線GNDを介して流れると、有機発光ダイオードDは光を発光することになる。なお、これは駆動方法の一例であり、本発明の実施例はこれに限定されない。
【0040】
前記パッド部PAは基板190の外郭領域に位置する。前記パッド部PAは異方性導電フィルムなどによって外部基板と連結され、外部から供給される各種駆動信号および電源などを前記表示領域AA、IC、回路部などに伝達するように配線部WAに連結される。
【0041】
前記配線部WAは、前記パッド部PAから供給された各種駆動信号および電源などを表示領域AA、IC、回路部などに伝達する。前記配線部WAには、ICにデータ信号を伝達するデータリンク配線と、回路部にクロック信号などを伝達するクロック信号配線と、表示領域AAに高電位電圧と低電位電圧を伝達する電源配線VDD、GNDが含まれる。
【0042】
以下、低電位電源を伝達する配線をグラウンド配線と称する。
【0043】
図3は、図1のI〜I’に沿って切断した断面図である。
【0044】
図1および図3に示すように、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置1000は、表示領域AAと非表示領域NDAとに区分される。ここで、前記非表示領域NDAはGIP領域とGND Contact領域を含む。
【0045】
前記有機発光ダイオード表示装置1000は、基板100上に形成された第1および第2薄膜トランジスタTFT-1、TFT-2と、前記第1および第2薄膜トランジスタTFT-1、TFT-2上に形成された保護層135と、平坦化膜140と、第1電極175と、第2電極145と、バンクパターン150と、有機電界発光化合物層155と、第3電極160とを含む。第2及び第3電極145、160は、アノード電極又はカソード電極である。第2電極145がアノード電極であるときは、第3電極160はカソード電極であり、第2電極145がカソード電極であるときは、第3電極160はアノード電極である。
【0046】
この時、前記第1薄膜トランジスタTFT-1は前記非表示領域NDA中のGIP領域に形成され、前記第2薄膜トランジスタTFT-2は前記表示領域AAに形成される。
【0047】
また、前記基板100上にはバッファー層105と、半導体アクティブパターン110a、110bと、ゲート絶縁膜127と、ゲート金属パターンと、層間絶縁膜130と、ソース/ドレーン金属パターンと、保護層135と、スペーサー165が形成される。
【0048】
前記ゲート金属パターンは前記第1および第2薄膜トランジスタTFT-1、TFT-2のゲート電極115a、115bを含み、前記ソース/ドレーン金属パターンは前記第1および第2薄膜トランジスタTFT-1、TFT-2の第4及び第5電極120a、120bと、第6及び第7電極125a、125bと、導電性パターン170を含む。第4、第5、第6及び第7電極120a、120b、125a、125bは、ドレーン電極又はソース電極である。第4電極120aがソース電極であるときは、第6電極125aはドレーン電極であり、第4電極120aがドレーン電極であるときは、第6電極125aは、ソース電極である。また、第5電極120bがソース電極であるときは、第7電極がドレーン電極であり、第5電極120bがドレーン電極であるときは、第7電極125bは、ソース電極である。
【0049】
前記第2電極145は、第1コンタクトホールH1を介して前記第2薄膜トランジスタTFT-2の第7電極125bと電気的に接続される。第1コンタクトホールは、前記表示領域AA内で、前記平坦化膜140と前記保護膜135を貫通するように形成される。ここで、第2電極145がアノード電極であるときは、第7電極はドレーン電極であり、第2電極145がカソード電極であるときは、第7電極はソース電極である。
【0050】
前記第1薄膜トランジスタTFT-1は、バッファー層105上に形成された第1半導体アクティブパターン110aと、前記ゲート絶縁膜127を挟んで前記第1半導体アクティブパターン110a上に形成された第1ゲート電極115aと、前記層間絶縁膜130を挟んで前記第1ゲート電極115a上に形成され、相互一定間隔離隔された第4及び第6電極120a、125aとを含む。
【0051】
前記第2薄膜トランジスタTFT-2は、前記バッファー層105上に形成された第2半導体アクティブパターン110bと、前記ゲート絶縁膜127を挟んで前記第2半導体アクティブパターン110b上に形成された第2ゲート電極115bと、前記層間絶縁膜130を挟んで前記第2ゲート電極115b上に形成され、相互一定間隔離隔された第5及び第7電極120b、125bとを含む。
【0052】
前記第1電極175は、前記非表示領域NDAに形成される。
特に、前記第1電極175は、第2コンタクトホールH2を介して、前記GND Contact領域で前記導電性パターン170と電気的に接続される。少なくとも1つの第1開口H3が前記非表示領域NDA中のGIP領域で前記第1電極175に形成される。複数の第1開口がGIP領域で前記第1電極175に形成される場合、それらは互いに一定間隔離隔される。
【0053】
前記第2電極145は、前記表示領域AA上に形成され、前記第1電極175と同一材料および同一工程によって形成されるが、前記第1電極175とは電気的に連結されない。
【0054】
前記GIP領域で前記第1電極175に形成された第1開口H3によって、前記GIP領域の平坦化膜140からアウトガスされた物質を、前記バンクパターン150に排出されるように導くことが可能になる。
【0055】
これによって、前記GIP領域の平坦化膜140からアウトガスされた物質が、表示領域AAの有機電界発光化合物層155に影響を及ぼす程度を最小化し、前記有機電界発光化合物層155の劣化を防止することができる。
【0056】
従って、本発明による有機発光ダイオード表示装置の信頼性を向上させることができる。
【0057】
上記に記載した第1電極175の形態は、前記GIP領域の平坦化膜140からアウトガスされた物質を、前記バンクパターン150に排出されるように導く第1電極の一例である。
【0058】
図4〜図10は、図1の有機発光ダイオード表示装置を工程順に現わした図面である。
【0059】
図4に示すように、基板100上に第1および第2薄膜トランジスタTFT-1、TFT-2を形成する段階を実施する。
【0060】
まず、CVD(Chemical Vapor Deposition technique)によって酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiNx)を蒸着して基板100上にバッファー層105を形成した後、その上にCVDによってn+p Si:Hを蒸着して結晶化し、ポリシリコン(P-So)からなる第1および第2アクティブパターンを形成する。
【0061】
次に、前記第1および第2アクティブパターンにp+イオンをドーピングして、第1および第2半導体アクティブパターン110a、110bを形成する。
【0062】
前記第1および第2半導体アクティブパターン110a、110b上に酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiNx)を蒸着して、前記第1および第2半導体アクティブパターン110a、110bを覆うようにバッファー層105上にゲート絶縁膜127を蒸着する。
【0063】
次に、アルミニウム(Al)、アルミニウムネオジム(AlNd)、モリブデン(Mo)中のいずれか1つの金属または2つ以上の金属や合金をスパッタリング(Sputtering)によって蒸着した後、フォトリソグラフィ(Photolithograph)工程によってパターニングして第1および第2ゲート電極115a、115bを形成する。
【0064】
前記第1および第2ゲート電極115a、115bを覆うように、CVDによって酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiNx)を前記ゲート絶縁膜127上に蒸着して層間絶縁膜130を形成する。
【0065】
次に、フォトリソグラフィ工程によって層間絶縁膜130とゲート絶縁膜127で前記第4、第5、第6及び第7電極120a、120b、125a、125bの位置をエッチングして前記第1および第2半導体アクティブパターン110a、110bのそれぞれの一部を露出させるコンタクトホールを、前記層間絶縁膜130およびゲート絶縁膜127に形成する。
【0066】
続いて、CVDによってモリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)等から選択された金属、これの積層または合金からなるソース/ドレーン金属を蒸着する。フォトリソグラフィ工程によって前記ソース/ドレーン金属を蒸着して、ホールを介してそれぞれ第1および第2半導体アクティブパターン110a、110bに接続される第4、第5、第6及び第7電極120a、120b、125a、125bを前記層間絶縁膜130上に形成する。
【0067】
これと同時に、外部の接地部と電気的に接続される導電性パターン170が、前記非表示領域NDA中のGND Contact領域に位置した層間絶縁膜130上に形成される。
【0068】
続いて、前記第4、第5、第6及び第7電極120a、120b、125a、125bを覆うように、CVDによって酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiNx)を前記層間絶縁膜130上に蒸着、または有機材料を前記層間絶縁膜130上に塗布して保護膜135を形成する。
【0069】
続いて、フォトリソグラフィ工程によって前記保護膜135をパターニングして、前記第7電極125bを露出させる第1コンタクトホールH1および前記非表示領域NDAに形成された導電性パターン170の一部を露出させる第2コンタクトホールH2を形成する。
【0070】
続いて、図5に示すように、前記保護膜135上には、ポリイミド、ベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)、アクリレート(acrylate)等の有機物などを液状形態でコーティングした後硬化させるスピンコーティング(spin coating)法によって形成された平坦化膜140が形成される。
【0071】
前記平坦化膜140は、前記第1コンタクトホールH1に対応して前記第7電極125bの一部を露出させるようにパターニングされる。
【0072】
続いて、図6に示すように、前記平坦化膜140が形成された基板100上に、スパッタリング法によってITO(Indium Tin Oxide)、TO(Tin Oxide)、ITZO(Indium Tin Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)等から選択された透明導電膜200を全面蒸着する。
【0073】
続いて、銀金属層(図示しない)および透明導電膜を前記基板100上に順次形成する。
【0074】
続いて、前記透明導電膜200、銀金属層(図示しない)および透明導電膜を、フォトリソグラフィ工程によって図7に示すように、前記表示領域AAでの第2電極145と非表示領域NDAでの第1電極175とにパターニングする。
【0075】
前記第2電極145および第1電極175は、透明導電膜、銀金属層および透明導電膜からなる三重構造に形成されている。
【0076】
前記表示領域AAに形成された第2電極145は、前記第1コンタクトホールH1を介して前記第7電極125bと電気的に接続される。
【0077】
前記非表示領域NDAに形成された第1電極175は、前記フォトリソグラフィ工程によって形成された少なくとも1つ以上の第1開口H3を介して一定間隔離隔された少なくとも2つ以上の電極パターンを含む。
【0078】
前記少なくとも1つ以上の第1開口H3は、円形、菱形、四角形の形態にすることができるが、これに限定されない。また、前記第1電極175の2つ以上の電極パターンの間隔は、前記第1開口H3の幅によって決定される。
【0079】
前記第1電極175に含まれた少なくとも2つ以上の電極パターンの中、前記非表示領域NDAのGND Contact領域に配置された電極パターンは、前記導電性パターン170と電気的に接続されてグラウンドGNDの役割をする。
【0080】
図8に示すように、前記第2電極145および第1電極175が形成された基板100上に、ポリイミドまたはフォトレジスト等の感光性有機材料を全面塗布した後、フォトリソグラフィ工程によって前記有機材料をパターニングして、発光セルを区画するためのバンクパターン150を形成する。
【0081】
続いて、図9に示すように、前記バンクパターン150が形成された基板100上に、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiNx)を利用したスペーサー165を形成する。続いて、前記スペーサー165が形成された基板100上に、有機電界発光化合物層155を形成する。
【0082】
この時、前記有機電界発光化合物層155は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層を含む。
【0083】
前記有機電界発光化合物層155は、表示領域AAで第2電極145上に位置する。
【0084】
続いて、図10に示すように、前記有機電界発光化合物層155が形成された基板100上に、アルミニウム(Al)等の金属を全面蒸着した後、フォトリソグラフィ工程によって前記金属をパターニングして、第3電極160を形成する。
【0085】
前記第3電極160は、前記非表示領域NDAで前記第1電極175と電気的に接続され、前記表示領域AAで前記有機電界発光化合物層155上に位置する。
【0086】
このように、本発明による有機発光ダイオード表示装置は、非表示領域NDA上に少なくとも1つ以上の第1開口H3を形成して、前記非表示領域NDAの平坦化膜140からアウトガスされた物質が前記第1開口H3を介して前記非表示領域NDAのバンクパターン150に排出されるようにする。
【0087】
従って、本発明による有機発光ダイオード表示装置は、非表示領域NDAからアウトガスされた物質の表示領域AAへの移動を防止して、前記表示領域AAに形成された有機電界発光化合物層155の劣化を防止することができる。
【0088】
図11は、本発明の別の実施例に係る図1に図示されたI〜I’領域の断面図である。図11において、上述した有機発光ダイオード表示装置と同一な構成要素に対しは同一図面符号を付与し、それに対する詳細な説明を省略することにする。
【0089】
図11に示すように、有機発光ダイオード表示装置は、映像が表示される表示領域AAと、前記表示領域AAのエッジに位置した非表示領域NDAとに区分される。
【0090】
前記非表示領域NDAには、少なくとも1つ以上の第1開口H3が第1電極275に形成される。
【0091】
また、前記非表示領域NDAには、第2開口H4がさらに形成される。この第2開口は、前記表示領域AA内の外側のピクセルSPの第2電極145と前記第1電極275の間に形成される。
【0092】
前記第2開口H4によって、前記表示領域AA内の外側のピクセルSPの第2電極145と第1電極275の一定間隔Aは、一例として1ピクセル以上に離隔されることができる。
【0093】
前記非表示領域NDAに前記第1及び第2開口H3、H4が形成されることで、前記非表示領域NDAの平坦化膜140からアウトガスされた物質が、前記第1及び第2開口H3、H4を介して前記非表示領域NDAのバンクパターン150に排出される。
【0094】
従って、本発明による有機発光ダイオード表示装置は、非表示領域NDAからアウトガスされた物質の表示領域AAへの移動を防止して、前記表示領域AAに形成された有機電界発光化合物層155の劣化を防止することができる。
【0095】
有機発光ダイオード表示装置の構造は、上述した実施例に限定されるものではなく、非表示領域にホールを有する任意のアレイ構造も含む。
【0096】
本発明はその技術的思想や特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることは、本発明が属する技術分野の当業者にとって自明である。
【0097】
従って、以上で記述した実施例は例示であり、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。本発明の範囲は、詳細な説明よりは下記の特許請求の範囲によって定められるべきであり、特許請求の範囲の意味および範囲、そして等価概念から導出される全ての変更および変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0098】
100 基板
140 平坦化膜
145 第2電極
150 バンクパターン
155 有機電界発光化合物層
160 第3電極
175、275 第1電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に定義され、映像を表示するように構成された表示領域と、
前記表示領域を囲むように定義され、前記表示領域に含まれたピクセルに信号を提供するように構成された非表示領域と、
前記基板の非表示領域に形成された第1薄膜トランジスタと、
前記基板の表示領域に形成された第2薄膜トランジスタと、
前記第1および第2薄膜トランジスタの上部に形成された平坦化膜と、
前記非表示領域内の前記平坦化膜上に形成され、少なくとも1つの第1開口を含む第1電極と、
前記平坦化膜上に形成され、前記第2薄膜トランジスタの電極に連結される第2電極と、
前記第2電極と第1電極の上に形成され、前記第2電極の一部を露出させるように構成され、第1電極に隣接するように配置されたバンクパターンと、
前記第2電極上に形成された有機発光層と、
前記有機発光層上に形成された第3電極と、を含むことを特徴とする有機発光ダイオード表示装置。
【請求項2】
前記表示領域内の外側のピクセル上の第2電極は、第2開口により、非表示領域内の第1電極から一定間隔離隔されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項3】
前記一定間隔は、1つのピクセルの幅であることを特徴とする請求項2に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項4】
前記第2電極および第1電極は、同一材料および同一工程によって形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項5】
前記第2電極および第1電極のそれぞれは、ITO(Indium Tin Oxide)、TO(Tin Oxide)、ITZO(Indium Tin Zinc Oxide)、およびIZO(Indium Zinc Oxide)の1つから形成される透明電極と、前記透明電極上に形成された銀金属層と、前記銀金属層上に形成された第2透明電極と、を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項6】
前記非表示領域は、前記第1薄膜トランジスタが形成された回路部と、前記回路部の外側に形成され、グラウンドと接続されたグラウンドコンタクト部とを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項7】
映像を表示する表示領域と、前記表示領域の外側に位置する非表示領域とに区分される基板を提供する段階と、
前記基板の非表示領域および表示領域にそれぞれ第1および第2薄膜トランジスタを形成する段階と、
前記第1および第2薄膜トランジスタが形成された基板上に、前記第2薄膜トランジスタの電極の一部を露出させる第1コンタクトホールを備えた平坦化膜を形成する段階と、
前記1コンタクトホールが設けられた前記平坦化膜上にあり、前記第1薄膜トランジスタに対面する、少なくとも1つの第1開口を含む第1電極と、前記第2薄膜トランジスタの前記電極に連結される第2電極と、を形成する段階と、
前記第2電極の一部を露出させるように構成され、第1電極に隣接するように配置されたバンクパターンを、前記第2電極と第1電極の上に形成する段階と、
前記第2電極上に有機発光層を形成する段階と、
前記有機発光層上に第3電極を形成する段階と、を含むことを特徴とする有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記表示領域内の外側のピクセル上の第2電極は、第2開口により、非表示領域内の第1電極から一定間隔離隔されることを特徴とする請求項7に記載の有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記一定間隔は、1つのピクセルの幅であることを特徴とする請求項8に記載の有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2開口は、前記第1開口と同時に形成されることを特徴とする請求項8に記載の有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2電極および第1電極のそれぞれは、ITO(Indium Tin Oxide)、TO(Tin Oxide)、ITZO(Indium Tin Zinc Oxide)、およびIZO(Indium Zinc Oxide)の1つから形成される透明電極と、前記透明電極上に形成された銀金属層と、前記銀金属層上に形成された第2透明電極と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の有機発光ダイオード表示装置の製造方法。
【請求項12】
基板上に定義され、映像を表示するように構成された表示領域と、
前記表示領域を囲むように定義され、前記表示領域に含まれたピクセルに信号を提供するように構成された非表示領域と、
前記基板の非表示領域に形成された第1薄膜トランジスタと、
前記基板の表示領域に形成された第2薄膜トランジスタと、
前記第1および第2薄膜トランジスタの上部に形成された平坦化膜と、
前記非表示領域内の前記平坦化膜上に形成された第1電極と、
前記平坦化膜上に形成され、前記第2薄膜トランジスタの電極に連結される第2電極と、
前記第2電極と第1電極の上に形成され、前記第2電極の一部を露出させるように構成され、第1電極に隣接するように配置されたバンクパターンと、
前記第2電極上に形成された有機発光層と、
前記有機発光層上に形成された第3電極と、を含み、
前記第1電極は、前記平坦化膜からアウトガスされた物質を、前記バンクパターンに排出されるように導く構成であることを特徴とする有機発光ダイオード表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−68951(P2013−68951A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−205772(P2012−205772)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】