有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法
【課題】製造工程が単純化され、かつ開口率が向上した有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板;基板上に形成される補助電極;補助電極上に形成され、活性層、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えるTFT;TFTと電気的に連結され、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一部と同一層に同一物質で形成された画素電極、発光層を含む中間層、及び画素電極と対向するように配置された対向電極が順次積層された有機発光素子;ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で一定ほど離隔して形成されて、補助電極と前記対向電極とを電気的に連結するコンタクト電極;を備える有機発光ディスプレイ装置。
【解決手段】基板;基板上に形成される補助電極;補助電極上に形成され、活性層、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えるTFT;TFTと電気的に連結され、ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一部と同一層に同一物質で形成された画素電極、発光層を含む中間層、及び画素電極と対向するように配置された対向電極が順次積層された有機発光素子;ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で一定ほど離隔して形成されて、補助電極と前記対向電極とを電気的に連結するコンタクト電極;を備える有機発光ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法に係り、さらに詳細には、製造工程が単純化し、開口率が向上した有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置などの平板表示装置は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)及びキャパシタと、これらを連結する配線とを備えるパターンが形成された基板上に製作される。
【0003】
一般的に、平板表示装置が製作される基板は、TFTなどを備える微細構造のパターンを形成するために、かかる微細パターンが描かれたマスクを利用してパターンを前記アレイ基板に転写する。
【0004】
マスクを利用してパターンを転写する工程は、一般的にフォトリソグラフィ工程を利用する。フォトリソグラフィ工程によれば、パターンを形成する基板上にフォトレジストを均一に塗布し、ステッパーなどの露光装備でフォトレジストを露光させた後、(ポジティブ・フォトレジストの場合)感光されたフォトレジストを現像する過程を経る。また、フォトレジストを現像した後には、残存するフォトレジストをマスクとしてパターンをエッチングし、不要なフォトレジストを除去する一連の過程を経る。
【0005】
このようにマスクを利用してパターンを転写する工程では、まず必要なパターンを備えるマスクを用意せねばならないため、マスクを利用する工程段階が増えるほどマスク用意のためのコストが上昇する。また、前述した複雑な段階を経ねばならないため、製造工程が複雑であり、製造時間の延長及びこれによるコストの上昇という問題点が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は製造工程が単純化され、かつ開口率が向上した有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板;前記基板上に形成される補助電極;前記補助電極上に形成され、活性層、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えるTFT;前記TFTと電気的に連結され、前記ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一部と同一層に同一物質で形成された画素電極、発光層を含む中間層、及び前記画素電極と対向するように配置された対向電極が順次積層された有機発光素子;前記ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で一定ほど離隔して形成されて、前記補助電極と前記対向電極とを電気的に連結するコンタクト電極;を備える有機発光ディスプレイ装置を提供する。
【0008】
本発明において、前記補助電極と前記活性層との間には第1絶縁層が介在され、前記活性層と前記ゲート電極との間には第2絶縁層が介在され、前記ゲート電極と前記コンタクト電極との間には層間絶縁膜が介在され、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを通じて、前記コンタクト電極と前記補助電極とが接触する。
【0009】
本発明において、前記コンタクト電極と前記対向電極との間には画素定義膜が介在され、前記画素定義膜を貫通するコンタクトホールを通じて、前記コンタクト電極と前記対向電極とが接触する。
【0010】
本発明において、前記コンタクト電極の一端部は前記対向電極と直接接触し、前記コンタクト電極の他端部は前記補助電極と直接接触する。
【0011】
本発明において、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極が一方向に延長形成されて、前記画素電極を形成する。
【0012】
本発明において、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極と前記画素電極とは、一体に形成される。
【0013】
本発明において、前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型である。
【0014】
ここで、前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含む。
【0015】
ここで、前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含む。
【0016】
他の側面による本発明は、基板上に形成された補助電極;前記補助電極上に形成された第1絶縁層;前記第1絶縁層上に形成された活性層;前記活性層を覆うように形成された第2絶縁層;前記第2絶縁層上に前記活性層と重畳して形成されたゲート電極;前記ゲート電極を覆うように形成された層間絶縁膜;前記層間絶縁膜の上部に形成されて前記活性層と電気的に連結されるソース電極及びドレイン電極;前記ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で形成され、前記補助電極の少なくとも一部と接触するように形成されたコンタクト電極;前記コンタクト電極と前記ソース電極及びドレイン電極を覆うように形成された画素定義膜;前記画素定義膜の上部に形成され、少なくとも一部が前記コンタクト電極と接触するように形成された対向電極;を備える有機発光ディスプレイ装置を提供する。
【0017】
本発明において、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極と前記画素電極とは、一体に形成される。
【0018】
本発明において、前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型である。
【0019】
ここで、前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含む。
【0020】
ここで、前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含む。
【0021】
他の側面による本発明は、基板上に補助電極を形成する段階;前記補助電極上に活性層を形成する第1マスク工程段階;前記活性層の上部にゲート電極を形成する第2マスク工程段階;前記活性層の両側と前記補助電極の一部とを露出する開口を持つ層間絶縁膜を形成する第3マスク工程段階;前記活性層の露出された両側と接触するソース及びドレイン電極と、前記ソース及びドレイン電極から一方向に延長した画素電極と、前記補助電極の露出された一部と接触するコンタクト電極とをそれぞれ形成する第4マスク工程段階;前記画素電極の少なくとも一部と前記コンタクト電極の少なくとも一部とを露出する画素定義膜を形成する第5マスク工程段階;前記画素定義膜の上部に前記コンタクト電極の露出された一部と接触する対向電極を形成する段階;を含む有機発光ディスプレイ装置の製造方法を提供する。
【0022】
本発明において、前記第3マスク工程は、前記ゲート電極の上部に第3絶縁層を蒸着する段階;前記第3絶縁層をパターニングして、前記活性層のソース及びドレイン領域の一部と前記補助電極の一部とを露出する開口を形成する段階;を含む。
【0023】
本発明において、前記第4マスク工程は、前記層間絶縁膜の上部に第4導電層及び/または第5導電層を蒸着する段階;前記第4導電層及び/または第5導電層をパターニングして、前記ソース及びドレイン電極と前記画素電極と前記コンタクト電極とを形成する段階;を含む。
【0024】
本発明において、前記第5マスク工程は、前記基板全面に第4絶縁層を積層する段階;前記第4絶縁層をパターニングして前記コンタクト電極及び前記画素電極の一部を露出する開口を形成する段階;を含む。
【0025】
本発明において、前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型である。
【0026】
ここで、前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含む。
【0027】
ここで、前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明によって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程が単純化され、かつ開口率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図3】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図4】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図5】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図6】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図7】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図8】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図9】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図10】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図11】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参考として、本発明の実施形態について、当業者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は色々な相異なる形態に具現でき、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【0032】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置は、基板10、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)、ストレージキャパシタCst及び有機発光素子(EL)を含む。
【0033】
さらに詳細には、基板10上には補助電極11が形成され、補助電極11の上部にはバッファ層などの第1絶縁層12が形成される。そして、第1絶縁層12の上部には、半導体層がパターニングされて形成されたTFTの活性層213、及びストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313が、同じ層に同じ物質で所定間隔離隔して形成される。
【0034】
活性層213とキャパシタ下部電極313との上部には第2絶縁層14が形成され、第2絶縁層14の上部には第2導電層及び第3導電層がパターニングされて形成されたTFTのゲート電極21gと、ストレージキャパシタCstのキャパシタ上部電極315とが、同じ層に同じ物質で所定間隔離隔して形成される。ここでゲート電極21gは、ゲート下部電極215とゲート上部電極216とを含むことができる。ここで、ゲート電極21gの両側に対応する活性層213のエッジにはソース/ドレイン領域213a/213bが形成され、これらの間にはチャンネル領域が形成されうる。
【0035】
ゲート電極21gとキャパシタ上部電極315との上部には層間絶縁膜217が形成され、層間絶縁膜217の上部には、第4導電層及び第5導電層がパターニングされて形成されたソース電極21s、ドレイン電極21d及びコンタクト電極21cが、同じ層に同じ物質で所定間隔離隔して形成される。ここで、ソース電極21sは、ソース下部電極218sとソース上部電極219sとを含むことができ、ドレイン電極21dは、ドレイン下部電極218dとドレイン上部電極219dとを含むことができ、コンタクト電極21cは、コンタクト下部電極218cとコンタクト上部電極219cとを含むことができる。一方、ソース電極21sの一端部は画素領域方向に長く延長形成され、このように延長形成された部分は画素電極41pを形成できる。このとき、画素電極41pは、画素下部電極418と画素上部電極419とを含むことができる。
【0036】
ここで、ソース電極21s及びドレイン電極21dは、コンタクトホールを通じて活性層213のエッジのソース/ドレイン領域213a/213bと電気的に連結されうる。また、コンタクト電極21cは、コンタクトホールを通じて補助電極11と電気的に連結されうる。
【0037】
ソース電極21s、ドレイン電極21d、コンタクト電極21c及び画素電極41pの上部には、画素定義膜420が形成されて画素領域を定義する。そして、画素電極41pの上部に有機発光層を含む中間層422を形成した後、その上に対向電極423を形成する。この時、対向電極423は、コンタクトホールを通じてコンタクト電極21cと電気的に連結されうる。
【0038】
結果的に補助電極11と対向電極423とは、コンタクト電極21cを通じて電気的に連結される。このような本発明の一実施形態により、開口率の優秀な前面発光構造で、対向電極423にかかる高い抵抗によるIRドロップ問題を解決できる。これについてさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
【0039】
有機発光ディスプレイ装置は画像が具現される方向によって、基板10の逆方向、すなわち、基板10から対向電極423側に画像が具現される前面発光型と、基板10側に画像が具現される背面発光型とに分類できる。このうち、画像が前面に具現される前面発光型の場合、背面発光型に比べてさらに高い開口率を持つという長所を持つ。一方、画像が前面に具現されるためには対向電極423がITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極にならねばならないが、このような透明電極は大体抵抗が高いため、このような抵抗によりIRドロップ現象が発生するという問題点があった。
【0040】
したがって、開口率のさらに高い前面発光を具現すると同時に、対向電極423の高い抵抗を低めるために、本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置は、基板10の真上に補助電極11を配置し、コンタクト電極21cを通じて対向電極423と補助電極11とを電気的に連結させることを一特徴とする。このように抵抗の高いITOなどの透明電極で形成された対向電極423を、メタルからなる補助電極11に電気的に連結することで、対向電極423にかかる抵抗を画期的に低めることができる。このような本発明によって、開口率の高い前面発光型有機発光ディスプレイ装置を具現しつつも、対向電極423の抵抗を低める効果を得ることができる。
【0041】
以下、図1に図示された有機発光ディスプレイ装置の製造方法について詳細に説明する。図2ないし図11は、図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【0042】
図2を参照すれば、基板10上に第1導電層11、第1絶縁層12及び半導体層13を順次形成する。
【0043】
基板10は、SiO2を主成分とする透明材質のガラス材で形成できる。ただし、基板10は必ずしもこれに限定されるものではなく、透明なプラスチック材または金属材など、多様な材質の基板を利用できる。
【0044】
基板10の上面には、補助カソード電極の役割を行う第1導電層11が蒸着される。第1導電層11は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことができる。このように本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置は、基板10の真上に補助電極の役割を行う第1導電層11を形成し、コンタクト電極21c(図1)を通じて、対向電極423(図1)と第1導電層11とを電気的に連結することで、対向電極423(図1)にかかる抵抗を画期的に低めることを一特徴とする。以下では、第1導電層を補助電極と称する。
【0045】
一方、第1導電層11の上面には、不純物イオンが広がることを防止し、水分や外気の浸透を防止し、表面を平坦化するためのバリア層及び/またはバッファ層などの第1絶縁層12が備えられうる。前記第1絶縁層12は、SiO2及び/またはSiNxなどを使用して、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deosition)法、APCVD(atmospheric pressure CVD)法、LPCVD(low pressure CVD)法などの多様な蒸着方法により蒸着できる。
【0046】
一方、第1絶縁層12の上面には、半導体層13が形成される。さらに詳細には、第1絶縁層12の上部に非晶質シリコンをまず蒸着した後、これを結晶化することで、多結晶シリコン層を含む半導体層13を形成する。ここで、非晶質シリコンは、RTA(rapid thermal annealing)法、SPC(solid phase crystallzation)法、ELA(excimer laser annealing)法、MIC(metal induced crystallzation)法、MILC(metal induced lateral crystallzation)法、SLS(sequential lateral solidification)法などの多様な方法により結晶化できる。このように半導体層13は、後述するTFTの活性層213及びストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313にパターニングされる。
【0047】
次いで、図3に示したように、半導体層13をパターニングして第1絶縁層12の上部に、TFTの活性層213とストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313とを形成する。さらに詳細には、半導体層13は、第1マスク(図示せず)を使用したマスク工程により、TFTの活性層213及びストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313にパターニングされる。本実施形態では、活性層213とキャパシタ下部電極313とが分離形成されたが、活性層213とキャパシタ下部電極313とを一体に形成してもよい。このようにTFTの活性層213とストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313とは、同一層に同一物質で形成できる。
【0048】
次いで、図4に示したように、活性層213とキャパシタ下部電極313とが形成された基板10の全面に、第2絶縁層14、第2導電層15及び第3導電層16を順次蒸着する。
【0049】
第2絶縁層14は、SiNxまたはSiOxなどの無機絶縁膜を、PECVD法、APCVD法、LPCVD法などの方法で蒸着できる。前記第2絶縁層14は、TFTの活性層213とゲート電極21g(図1)との間に介在されて、TFTのゲート絶縁膜の役割を行い、キャパシタ上部電極315(図1)と下部電極313との間に介在されて、ストレージキャパシタCstの誘電体層の役割を行う。
【0050】
第2導電層15は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことができる。または第2導電層15は、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3などの透明物質から選択された一つ以上の物質を含んでもよい。そして、前記第2導電層15は、ゲート下部電極215及びキャパシタ上部電極315にパターニングされ得る。
【0051】
一方、第3導電層16も、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことができる。または第3導電層16は、ITO、IZO、ZnO、またはIn2O3などの透明物質から選択された一つ以上の物質を含んでもよい。そして、前記第3導電層16は、ゲート上部電極216にパターニングされ得る。
【0052】
次いで、図5に示したように、第2絶縁層14上にゲート電極21gと、キャパシタ上部電極315とをそれぞれ形成する。さらに詳細には、基板10の全面に順次積層された前記第2導電層15及び前記第3導電層16は、第2マスク(図示せず)を使用したマスク工程によりパターニングされる。
【0053】
この時、活性層213の上部にはゲート電極21gが形成され、前記ゲート電極21gは、第2導電層15の一部で形成されたゲート下部電極215と、第3導電層16の一部で形成されたゲート上部電極216とを含む。
【0054】
ここで、ゲート電極21gは活性層213の中央に対応するように形成され、ゲート電極21gをマスクとして、活性層213にn型またはp型の不純物をドーピングして、ゲート電極21gの両側に対応する活性層213のエッジにソース/ドレイン領域213a/213bと、これら間のチャンネル領域とを形成する。
【0055】
一方、キャパシタ下部電極313の上部には、キャパシタ上部電極315がパターニングされる。ここで、キャパシタ上部電極315は、図5に示したように、第2導電層15の単一層で形成できる。または、図面には図示されていないが、第2導電層15と第3導電層16との二層構造で形成してもよい。
【0056】
次いで、図6に示したように、ゲート電極21g及びキャパシタ上部電極315が形成された基板10の全面に第3絶縁層17を蒸着する。
【0057】
前記第3絶縁層17は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン及びフェノール樹脂からなる群から選択される一つ以上の有機絶縁物質で、スピンコーティングなどの方法で形成される。第3絶縁層17は十分な厚さに形成されて、例えば、前述した第2絶縁層14より厚く形成されて、TFTのゲート電極21gとソース/ドレイン電極21s/21d(図1)との間の層間絶縁膜の役割を行う。一方、第3絶縁層17は、前記のような有機絶縁物質だけでなく、前述した第2絶縁層14などの無機絶縁物質でも形成でき、有機絶縁物質と無機絶縁物質とを交互にして形成してもよい。
【0058】
次いで、図7に示したように、第3絶縁層17をパターニングして、前記補助電極11とソース/ドレイン領域213a/213bとの一部を露出する開口17a、17b、17cを持つ層間絶縁膜217を形成する。
【0059】
さらに詳細には、前記第3絶縁層17は、第3マスク(図示せず)を使用したマスク工程によりパターニングされることで前記開口17a、17b、17cを形成する。ここで、前記開口17b、17cは、前記ソース/ドレイン領域213a/213bの一部を露出させ、前記開口17aは、補助電極11の一部を露出させる。
【0060】
次いで、図8に示したように、前記層間絶縁膜217を覆うように基板10の全面に第4導電層18及び第5導電層19を蒸着する。前記第4導電層18及び第5導電層19は、前述した第2または第3導電層15、16と同じ導電物質から選択できるが、これに限定されずに多様な導電物質で形成できる。また、前記導電物質は、前述した開口17a、17b、17cを充填できるほど十分な厚さに蒸着される。すなわち、開口17aを通じて第4導電層18及び第5導電層19が補助電極11と接触可能になる。
【0061】
次いで、図9に示したように、第4導電層18及び第5導電層19をパターニングして、ソース電極21s、ドレイン電極21d、コンタクト電極21c及び画素電極41pをそれぞれ形成する。
【0062】
さらに詳細には、前記第4導電層18及び第5導電層19を、第4マスク(図示せず)を使用したマスク工程によりパターニングして、ソース電極21s、ドレイン電極21d及びコンタクト電極21cをそれぞれ形成する。したがって、ソース電極21s、ドレイン電極21d及びコンタクト電極21cは同一層に同一物質で形成される。このように形成されたコンタクト電極21cの一端部は補助電極11と接触する。
【0063】
ここで、前記ソース電極21s、ドレイン電極21dのうち一つの電極(本実施形態の場合、ソース電極21s)の一端部は、有機発光素子EL(図1)が形成された領域方向に長く延長形成でき、このように延長形成された部分は画素電極41pを形成できる。この時、画素電極41pは、画素下部電極418と画素上部電極419とを含むことができる。
【0064】
次いで、図10及び図11に示したように、基板10上に画素定義膜(pixel define layer:PDL)420を形成する。
【0065】
さらに詳細には、図10に示したように、前記ソース電極21s、ドレイン電極21d、コンタクト電極21c及び画素電極41pが形成された基板10の全面に第4絶縁層20を蒸着する。この時、前記第4絶縁層20は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン及びフェノール樹脂からなる群から選択される一つ以上の有機絶縁物質でスピンコーティングなどの方法で形成できる。一方、前記第4絶縁層20は、前記のような有機絶縁物質だけでなく、SiO2、SiNx、Al2O3、CuOx、Tb4O7、Y2O3、Nb2O5、Pr2O3などから選択された無機絶縁物質で形成できることはいうまでもない。また前記第4絶縁層20は、有機絶縁物質と無機絶縁物質とが交互になっている複数層構造で形成してもよい。
【0066】
そして、図11に示したように、第4絶縁層20をパターニングして、前記コンタクト電極21c及び画素電極41pの一部を露出する開口20a、20bを持つ画素定義膜420を形成する。
【0067】
さらに詳細には、前記第4絶縁層20は、第5マスク(図示せず)を使用したマスク工程によりパターニングされて、画素電極41pの中央部が露出されるように開口20bを形成することで、画素を定義する画素定義膜420を形成する。これと同時に、コンタクト電極21cの中央部を露出させる開口20aも形成される。
【0068】
このような画素定義膜420は、所定の厚さを持つことで画素電極41pのエッジと対向電極423(図1)との間隔を広げ、画素電極41pのエッジに電界が集中する現象を防止することで、画素電極41pと対向電極423(図1)との短絡を防止する。
【0069】
以後、前記画素電極41pを露出する開口20bに有機発光層を含む中間層422(図1)を形成した後、画素電極41pを露出する開口20bと、コンタクト電極21cを露出する開口20aとに対向電極423を形成すれば、図1に示したような本発明の有機発光ディスプレイ装置の製造が完成される。
【0070】
さらに詳細には、前記中間層422は、有機発光層(emissive layer:EML)や、その他に正孔輸送層(hole transport layer:HTL)、正孔注入層(hole injection layer:HIL)、電子輸送層(electron transport layer:ETL)及び電子注入層(electron injection layer:EIL)などの機能層のうちいずれか一つ以上の層が、単一あるいは複合の構造で積層されて形成できる。
【0071】
前記中間層422は、低分子または高分子有機物で形成されうる。
【0072】
低分子有機物で形成される場合、中間層422は、有機発光層を中心として画素電極41pの方向に正孔輸送層及び正孔注入層などが積層され、対向電極423の方向に電子輸送層及び電子注入層などが積層される。それ以外にも必要に応じて多様な層が積層されうる。この時、使用可能な有機材料として、銅フタロシアニン(CuPc:copper phthalocyanine)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などをはじめとした多様な材料が適用できる。
【0073】
一方、高分子有機物で形成される場合には、中間層422は有機発光層を中心として画素電極41pの方向に正孔輸送層のみ含まれうる。正孔輸送層は、ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT:poly−(2,4)−ethylene−dihydroxythiophene)や、ポリアニリン(PANI)などを使用して、インクジェットプリンティングやスピンコーティングの方法により画素電極41pの上部に形成できる。この時に使用可能な有機材料としてPPV(Poly−Phenylenevinylene)系及びポリフルオレン系などの高分子有機物を使用でき、インクジェットプリンティングやスピンコーティングまたはレーザーを利用した熱転写方式などの通常の方法でカラーパターンを形成できる。
【0074】
前記対向電極423は、基板10の全面に蒸着されて共通電極として形成できる。本実施形態による有機発光ディスプレイ装置の場合、画素電極41pはアノード電極として使われ、対向電極423はカソード電極として使われる。もちろん、電極の極性は逆に適用できるということはいうまでもない。
【0075】
有機発光ディスプレイ装置が基板10の逆方向、すなわち、基板10から対向電極423側に画像が具現される前面発光型の場合、対向電極423は透明電極になり、画素電極41pは反射電極になる。この時、反射電極は仕事関数の小さい金属、例えば、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Alまたはこれらの化合物を薄く蒸着して形成できる。
【0076】
前述した有機発光ディスプレイ装置を形成するための各マスク工程時、積層膜の除去はドライエッチングまたはウェットエッチングで行われうる。
【0077】
このように抵抗の高いITOなどの透明電極からなる対向電極423を、メタルからなる補助電極11に電気的に連結することで、対向電極423にかかる抵抗を画期的に低めることができる。したがって、開口率の高い前面発光型有機発光ディスプレイ装置を具現しつつも、対向電極423の抵抗を低める効果を得ることができる。
【0078】
一方、前述した実施形態では、有機発光ディスプレイ装置を例として説明したが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置をはじめとする多様な表示素子に使用できるということはいうまでもない。
【0079】
また、本発明による実施形態を説明するための図面には一つのTFTと一つのキャパシタのみ図示されているが、これは説明の便宜のためのものであって、本発明はこれに限定されず、本発明によるマスク工程を増やさない限り、複数のTFTと複数のキャパシタとが含まれうるということはいうまでもない。
【0080】
本明細書では本発明を限定された実施形態を中心として説明したが、本発明の範囲内で多様な実施形態が可能である。また説明されていないが、均等な手段も本発明にそのまま結合されるといえる。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、発光ディスプレイ装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0082】
10 基板
11 補助電極
12 第1絶縁層
21g ゲート電極
21s ソース電極
21d ドレイン電極
21c コンタクト電極
217 層間絶縁膜
420 画素定義膜
41p 画素電極
422 中間層
423 対向電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法に係り、さらに詳細には、製造工程が単純化し、開口率が向上した有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置などの平板表示装置は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)及びキャパシタと、これらを連結する配線とを備えるパターンが形成された基板上に製作される。
【0003】
一般的に、平板表示装置が製作される基板は、TFTなどを備える微細構造のパターンを形成するために、かかる微細パターンが描かれたマスクを利用してパターンを前記アレイ基板に転写する。
【0004】
マスクを利用してパターンを転写する工程は、一般的にフォトリソグラフィ工程を利用する。フォトリソグラフィ工程によれば、パターンを形成する基板上にフォトレジストを均一に塗布し、ステッパーなどの露光装備でフォトレジストを露光させた後、(ポジティブ・フォトレジストの場合)感光されたフォトレジストを現像する過程を経る。また、フォトレジストを現像した後には、残存するフォトレジストをマスクとしてパターンをエッチングし、不要なフォトレジストを除去する一連の過程を経る。
【0005】
このようにマスクを利用してパターンを転写する工程では、まず必要なパターンを備えるマスクを用意せねばならないため、マスクを利用する工程段階が増えるほどマスク用意のためのコストが上昇する。また、前述した複雑な段階を経ねばならないため、製造工程が複雑であり、製造時間の延長及びこれによるコストの上昇という問題点が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は製造工程が単純化され、かつ開口率が向上した有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板;前記基板上に形成される補助電極;前記補助電極上に形成され、活性層、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えるTFT;前記TFTと電気的に連結され、前記ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一部と同一層に同一物質で形成された画素電極、発光層を含む中間層、及び前記画素電極と対向するように配置された対向電極が順次積層された有機発光素子;前記ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で一定ほど離隔して形成されて、前記補助電極と前記対向電極とを電気的に連結するコンタクト電極;を備える有機発光ディスプレイ装置を提供する。
【0008】
本発明において、前記補助電極と前記活性層との間には第1絶縁層が介在され、前記活性層と前記ゲート電極との間には第2絶縁層が介在され、前記ゲート電極と前記コンタクト電極との間には層間絶縁膜が介在され、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを通じて、前記コンタクト電極と前記補助電極とが接触する。
【0009】
本発明において、前記コンタクト電極と前記対向電極との間には画素定義膜が介在され、前記画素定義膜を貫通するコンタクトホールを通じて、前記コンタクト電極と前記対向電極とが接触する。
【0010】
本発明において、前記コンタクト電極の一端部は前記対向電極と直接接触し、前記コンタクト電極の他端部は前記補助電極と直接接触する。
【0011】
本発明において、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極が一方向に延長形成されて、前記画素電極を形成する。
【0012】
本発明において、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極と前記画素電極とは、一体に形成される。
【0013】
本発明において、前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型である。
【0014】
ここで、前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含む。
【0015】
ここで、前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含む。
【0016】
他の側面による本発明は、基板上に形成された補助電極;前記補助電極上に形成された第1絶縁層;前記第1絶縁層上に形成された活性層;前記活性層を覆うように形成された第2絶縁層;前記第2絶縁層上に前記活性層と重畳して形成されたゲート電極;前記ゲート電極を覆うように形成された層間絶縁膜;前記層間絶縁膜の上部に形成されて前記活性層と電気的に連結されるソース電極及びドレイン電極;前記ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で形成され、前記補助電極の少なくとも一部と接触するように形成されたコンタクト電極;前記コンタクト電極と前記ソース電極及びドレイン電極を覆うように形成された画素定義膜;前記画素定義膜の上部に形成され、少なくとも一部が前記コンタクト電極と接触するように形成された対向電極;を備える有機発光ディスプレイ装置を提供する。
【0017】
本発明において、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極と前記画素電極とは、一体に形成される。
【0018】
本発明において、前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型である。
【0019】
ここで、前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含む。
【0020】
ここで、前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含む。
【0021】
他の側面による本発明は、基板上に補助電極を形成する段階;前記補助電極上に活性層を形成する第1マスク工程段階;前記活性層の上部にゲート電極を形成する第2マスク工程段階;前記活性層の両側と前記補助電極の一部とを露出する開口を持つ層間絶縁膜を形成する第3マスク工程段階;前記活性層の露出された両側と接触するソース及びドレイン電極と、前記ソース及びドレイン電極から一方向に延長した画素電極と、前記補助電極の露出された一部と接触するコンタクト電極とをそれぞれ形成する第4マスク工程段階;前記画素電極の少なくとも一部と前記コンタクト電極の少なくとも一部とを露出する画素定義膜を形成する第5マスク工程段階;前記画素定義膜の上部に前記コンタクト電極の露出された一部と接触する対向電極を形成する段階;を含む有機発光ディスプレイ装置の製造方法を提供する。
【0022】
本発明において、前記第3マスク工程は、前記ゲート電極の上部に第3絶縁層を蒸着する段階;前記第3絶縁層をパターニングして、前記活性層のソース及びドレイン領域の一部と前記補助電極の一部とを露出する開口を形成する段階;を含む。
【0023】
本発明において、前記第4マスク工程は、前記層間絶縁膜の上部に第4導電層及び/または第5導電層を蒸着する段階;前記第4導電層及び/または第5導電層をパターニングして、前記ソース及びドレイン電極と前記画素電極と前記コンタクト電極とを形成する段階;を含む。
【0024】
本発明において、前記第5マスク工程は、前記基板全面に第4絶縁層を積層する段階;前記第4絶縁層をパターニングして前記コンタクト電極及び前記画素電極の一部を露出する開口を形成する段階;を含む。
【0025】
本発明において、前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型である。
【0026】
ここで、前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含む。
【0027】
ここで、前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明によって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程が単純化され、かつ開口率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図3】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図4】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図5】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図6】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図7】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図8】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図9】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図10】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【図11】図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参考として、本発明の実施形態について、当業者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は色々な相異なる形態に具現でき、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【0032】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置は、基板10、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)、ストレージキャパシタCst及び有機発光素子(EL)を含む。
【0033】
さらに詳細には、基板10上には補助電極11が形成され、補助電極11の上部にはバッファ層などの第1絶縁層12が形成される。そして、第1絶縁層12の上部には、半導体層がパターニングされて形成されたTFTの活性層213、及びストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313が、同じ層に同じ物質で所定間隔離隔して形成される。
【0034】
活性層213とキャパシタ下部電極313との上部には第2絶縁層14が形成され、第2絶縁層14の上部には第2導電層及び第3導電層がパターニングされて形成されたTFTのゲート電極21gと、ストレージキャパシタCstのキャパシタ上部電極315とが、同じ層に同じ物質で所定間隔離隔して形成される。ここでゲート電極21gは、ゲート下部電極215とゲート上部電極216とを含むことができる。ここで、ゲート電極21gの両側に対応する活性層213のエッジにはソース/ドレイン領域213a/213bが形成され、これらの間にはチャンネル領域が形成されうる。
【0035】
ゲート電極21gとキャパシタ上部電極315との上部には層間絶縁膜217が形成され、層間絶縁膜217の上部には、第4導電層及び第5導電層がパターニングされて形成されたソース電極21s、ドレイン電極21d及びコンタクト電極21cが、同じ層に同じ物質で所定間隔離隔して形成される。ここで、ソース電極21sは、ソース下部電極218sとソース上部電極219sとを含むことができ、ドレイン電極21dは、ドレイン下部電極218dとドレイン上部電極219dとを含むことができ、コンタクト電極21cは、コンタクト下部電極218cとコンタクト上部電極219cとを含むことができる。一方、ソース電極21sの一端部は画素領域方向に長く延長形成され、このように延長形成された部分は画素電極41pを形成できる。このとき、画素電極41pは、画素下部電極418と画素上部電極419とを含むことができる。
【0036】
ここで、ソース電極21s及びドレイン電極21dは、コンタクトホールを通じて活性層213のエッジのソース/ドレイン領域213a/213bと電気的に連結されうる。また、コンタクト電極21cは、コンタクトホールを通じて補助電極11と電気的に連結されうる。
【0037】
ソース電極21s、ドレイン電極21d、コンタクト電極21c及び画素電極41pの上部には、画素定義膜420が形成されて画素領域を定義する。そして、画素電極41pの上部に有機発光層を含む中間層422を形成した後、その上に対向電極423を形成する。この時、対向電極423は、コンタクトホールを通じてコンタクト電極21cと電気的に連結されうる。
【0038】
結果的に補助電極11と対向電極423とは、コンタクト電極21cを通じて電気的に連結される。このような本発明の一実施形態により、開口率の優秀な前面発光構造で、対向電極423にかかる高い抵抗によるIRドロップ問題を解決できる。これについてさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
【0039】
有機発光ディスプレイ装置は画像が具現される方向によって、基板10の逆方向、すなわち、基板10から対向電極423側に画像が具現される前面発光型と、基板10側に画像が具現される背面発光型とに分類できる。このうち、画像が前面に具現される前面発光型の場合、背面発光型に比べてさらに高い開口率を持つという長所を持つ。一方、画像が前面に具現されるためには対向電極423がITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極にならねばならないが、このような透明電極は大体抵抗が高いため、このような抵抗によりIRドロップ現象が発生するという問題点があった。
【0040】
したがって、開口率のさらに高い前面発光を具現すると同時に、対向電極423の高い抵抗を低めるために、本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置は、基板10の真上に補助電極11を配置し、コンタクト電極21cを通じて対向電極423と補助電極11とを電気的に連結させることを一特徴とする。このように抵抗の高いITOなどの透明電極で形成された対向電極423を、メタルからなる補助電極11に電気的に連結することで、対向電極423にかかる抵抗を画期的に低めることができる。このような本発明によって、開口率の高い前面発光型有機発光ディスプレイ装置を具現しつつも、対向電極423の抵抗を低める効果を得ることができる。
【0041】
以下、図1に図示された有機発光ディスプレイ装置の製造方法について詳細に説明する。図2ないし図11は、図1の有機発光ディスプレイ装置の製造段階を概略的に示す断面図である。
【0042】
図2を参照すれば、基板10上に第1導電層11、第1絶縁層12及び半導体層13を順次形成する。
【0043】
基板10は、SiO2を主成分とする透明材質のガラス材で形成できる。ただし、基板10は必ずしもこれに限定されるものではなく、透明なプラスチック材または金属材など、多様な材質の基板を利用できる。
【0044】
基板10の上面には、補助カソード電極の役割を行う第1導電層11が蒸着される。第1導電層11は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことができる。このように本発明の一実施形態による有機発光ディスプレイ装置は、基板10の真上に補助電極の役割を行う第1導電層11を形成し、コンタクト電極21c(図1)を通じて、対向電極423(図1)と第1導電層11とを電気的に連結することで、対向電極423(図1)にかかる抵抗を画期的に低めることを一特徴とする。以下では、第1導電層を補助電極と称する。
【0045】
一方、第1導電層11の上面には、不純物イオンが広がることを防止し、水分や外気の浸透を防止し、表面を平坦化するためのバリア層及び/またはバッファ層などの第1絶縁層12が備えられうる。前記第1絶縁層12は、SiO2及び/またはSiNxなどを使用して、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deosition)法、APCVD(atmospheric pressure CVD)法、LPCVD(low pressure CVD)法などの多様な蒸着方法により蒸着できる。
【0046】
一方、第1絶縁層12の上面には、半導体層13が形成される。さらに詳細には、第1絶縁層12の上部に非晶質シリコンをまず蒸着した後、これを結晶化することで、多結晶シリコン層を含む半導体層13を形成する。ここで、非晶質シリコンは、RTA(rapid thermal annealing)法、SPC(solid phase crystallzation)法、ELA(excimer laser annealing)法、MIC(metal induced crystallzation)法、MILC(metal induced lateral crystallzation)法、SLS(sequential lateral solidification)法などの多様な方法により結晶化できる。このように半導体層13は、後述するTFTの活性層213及びストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313にパターニングされる。
【0047】
次いで、図3に示したように、半導体層13をパターニングして第1絶縁層12の上部に、TFTの活性層213とストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313とを形成する。さらに詳細には、半導体層13は、第1マスク(図示せず)を使用したマスク工程により、TFTの活性層213及びストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313にパターニングされる。本実施形態では、活性層213とキャパシタ下部電極313とが分離形成されたが、活性層213とキャパシタ下部電極313とを一体に形成してもよい。このようにTFTの活性層213とストレージキャパシタCstのキャパシタ下部電極313とは、同一層に同一物質で形成できる。
【0048】
次いで、図4に示したように、活性層213とキャパシタ下部電極313とが形成された基板10の全面に、第2絶縁層14、第2導電層15及び第3導電層16を順次蒸着する。
【0049】
第2絶縁層14は、SiNxまたはSiOxなどの無機絶縁膜を、PECVD法、APCVD法、LPCVD法などの方法で蒸着できる。前記第2絶縁層14は、TFTの活性層213とゲート電極21g(図1)との間に介在されて、TFTのゲート絶縁膜の役割を行い、キャパシタ上部電極315(図1)と下部電極313との間に介在されて、ストレージキャパシタCstの誘電体層の役割を行う。
【0050】
第2導電層15は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことができる。または第2導電層15は、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3などの透明物質から選択された一つ以上の物質を含んでもよい。そして、前記第2導電層15は、ゲート下部電極215及びキャパシタ上部電極315にパターニングされ得る。
【0051】
一方、第3導電層16も、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことができる。または第3導電層16は、ITO、IZO、ZnO、またはIn2O3などの透明物質から選択された一つ以上の物質を含んでもよい。そして、前記第3導電層16は、ゲート上部電極216にパターニングされ得る。
【0052】
次いで、図5に示したように、第2絶縁層14上にゲート電極21gと、キャパシタ上部電極315とをそれぞれ形成する。さらに詳細には、基板10の全面に順次積層された前記第2導電層15及び前記第3導電層16は、第2マスク(図示せず)を使用したマスク工程によりパターニングされる。
【0053】
この時、活性層213の上部にはゲート電極21gが形成され、前記ゲート電極21gは、第2導電層15の一部で形成されたゲート下部電極215と、第3導電層16の一部で形成されたゲート上部電極216とを含む。
【0054】
ここで、ゲート電極21gは活性層213の中央に対応するように形成され、ゲート電極21gをマスクとして、活性層213にn型またはp型の不純物をドーピングして、ゲート電極21gの両側に対応する活性層213のエッジにソース/ドレイン領域213a/213bと、これら間のチャンネル領域とを形成する。
【0055】
一方、キャパシタ下部電極313の上部には、キャパシタ上部電極315がパターニングされる。ここで、キャパシタ上部電極315は、図5に示したように、第2導電層15の単一層で形成できる。または、図面には図示されていないが、第2導電層15と第3導電層16との二層構造で形成してもよい。
【0056】
次いで、図6に示したように、ゲート電極21g及びキャパシタ上部電極315が形成された基板10の全面に第3絶縁層17を蒸着する。
【0057】
前記第3絶縁層17は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン及びフェノール樹脂からなる群から選択される一つ以上の有機絶縁物質で、スピンコーティングなどの方法で形成される。第3絶縁層17は十分な厚さに形成されて、例えば、前述した第2絶縁層14より厚く形成されて、TFTのゲート電極21gとソース/ドレイン電極21s/21d(図1)との間の層間絶縁膜の役割を行う。一方、第3絶縁層17は、前記のような有機絶縁物質だけでなく、前述した第2絶縁層14などの無機絶縁物質でも形成でき、有機絶縁物質と無機絶縁物質とを交互にして形成してもよい。
【0058】
次いで、図7に示したように、第3絶縁層17をパターニングして、前記補助電極11とソース/ドレイン領域213a/213bとの一部を露出する開口17a、17b、17cを持つ層間絶縁膜217を形成する。
【0059】
さらに詳細には、前記第3絶縁層17は、第3マスク(図示せず)を使用したマスク工程によりパターニングされることで前記開口17a、17b、17cを形成する。ここで、前記開口17b、17cは、前記ソース/ドレイン領域213a/213bの一部を露出させ、前記開口17aは、補助電極11の一部を露出させる。
【0060】
次いで、図8に示したように、前記層間絶縁膜217を覆うように基板10の全面に第4導電層18及び第5導電層19を蒸着する。前記第4導電層18及び第5導電層19は、前述した第2または第3導電層15、16と同じ導電物質から選択できるが、これに限定されずに多様な導電物質で形成できる。また、前記導電物質は、前述した開口17a、17b、17cを充填できるほど十分な厚さに蒸着される。すなわち、開口17aを通じて第4導電層18及び第5導電層19が補助電極11と接触可能になる。
【0061】
次いで、図9に示したように、第4導電層18及び第5導電層19をパターニングして、ソース電極21s、ドレイン電極21d、コンタクト電極21c及び画素電極41pをそれぞれ形成する。
【0062】
さらに詳細には、前記第4導電層18及び第5導電層19を、第4マスク(図示せず)を使用したマスク工程によりパターニングして、ソース電極21s、ドレイン電極21d及びコンタクト電極21cをそれぞれ形成する。したがって、ソース電極21s、ドレイン電極21d及びコンタクト電極21cは同一層に同一物質で形成される。このように形成されたコンタクト電極21cの一端部は補助電極11と接触する。
【0063】
ここで、前記ソース電極21s、ドレイン電極21dのうち一つの電極(本実施形態の場合、ソース電極21s)の一端部は、有機発光素子EL(図1)が形成された領域方向に長く延長形成でき、このように延長形成された部分は画素電極41pを形成できる。この時、画素電極41pは、画素下部電極418と画素上部電極419とを含むことができる。
【0064】
次いで、図10及び図11に示したように、基板10上に画素定義膜(pixel define layer:PDL)420を形成する。
【0065】
さらに詳細には、図10に示したように、前記ソース電極21s、ドレイン電極21d、コンタクト電極21c及び画素電極41pが形成された基板10の全面に第4絶縁層20を蒸着する。この時、前記第4絶縁層20は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン及びフェノール樹脂からなる群から選択される一つ以上の有機絶縁物質でスピンコーティングなどの方法で形成できる。一方、前記第4絶縁層20は、前記のような有機絶縁物質だけでなく、SiO2、SiNx、Al2O3、CuOx、Tb4O7、Y2O3、Nb2O5、Pr2O3などから選択された無機絶縁物質で形成できることはいうまでもない。また前記第4絶縁層20は、有機絶縁物質と無機絶縁物質とが交互になっている複数層構造で形成してもよい。
【0066】
そして、図11に示したように、第4絶縁層20をパターニングして、前記コンタクト電極21c及び画素電極41pの一部を露出する開口20a、20bを持つ画素定義膜420を形成する。
【0067】
さらに詳細には、前記第4絶縁層20は、第5マスク(図示せず)を使用したマスク工程によりパターニングされて、画素電極41pの中央部が露出されるように開口20bを形成することで、画素を定義する画素定義膜420を形成する。これと同時に、コンタクト電極21cの中央部を露出させる開口20aも形成される。
【0068】
このような画素定義膜420は、所定の厚さを持つことで画素電極41pのエッジと対向電極423(図1)との間隔を広げ、画素電極41pのエッジに電界が集中する現象を防止することで、画素電極41pと対向電極423(図1)との短絡を防止する。
【0069】
以後、前記画素電極41pを露出する開口20bに有機発光層を含む中間層422(図1)を形成した後、画素電極41pを露出する開口20bと、コンタクト電極21cを露出する開口20aとに対向電極423を形成すれば、図1に示したような本発明の有機発光ディスプレイ装置の製造が完成される。
【0070】
さらに詳細には、前記中間層422は、有機発光層(emissive layer:EML)や、その他に正孔輸送層(hole transport layer:HTL)、正孔注入層(hole injection layer:HIL)、電子輸送層(electron transport layer:ETL)及び電子注入層(electron injection layer:EIL)などの機能層のうちいずれか一つ以上の層が、単一あるいは複合の構造で積層されて形成できる。
【0071】
前記中間層422は、低分子または高分子有機物で形成されうる。
【0072】
低分子有機物で形成される場合、中間層422は、有機発光層を中心として画素電極41pの方向に正孔輸送層及び正孔注入層などが積層され、対向電極423の方向に電子輸送層及び電子注入層などが積層される。それ以外にも必要に応じて多様な層が積層されうる。この時、使用可能な有機材料として、銅フタロシアニン(CuPc:copper phthalocyanine)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などをはじめとした多様な材料が適用できる。
【0073】
一方、高分子有機物で形成される場合には、中間層422は有機発光層を中心として画素電極41pの方向に正孔輸送層のみ含まれうる。正孔輸送層は、ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT:poly−(2,4)−ethylene−dihydroxythiophene)や、ポリアニリン(PANI)などを使用して、インクジェットプリンティングやスピンコーティングの方法により画素電極41pの上部に形成できる。この時に使用可能な有機材料としてPPV(Poly−Phenylenevinylene)系及びポリフルオレン系などの高分子有機物を使用でき、インクジェットプリンティングやスピンコーティングまたはレーザーを利用した熱転写方式などの通常の方法でカラーパターンを形成できる。
【0074】
前記対向電極423は、基板10の全面に蒸着されて共通電極として形成できる。本実施形態による有機発光ディスプレイ装置の場合、画素電極41pはアノード電極として使われ、対向電極423はカソード電極として使われる。もちろん、電極の極性は逆に適用できるということはいうまでもない。
【0075】
有機発光ディスプレイ装置が基板10の逆方向、すなわち、基板10から対向電極423側に画像が具現される前面発光型の場合、対向電極423は透明電極になり、画素電極41pは反射電極になる。この時、反射電極は仕事関数の小さい金属、例えば、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Alまたはこれらの化合物を薄く蒸着して形成できる。
【0076】
前述した有機発光ディスプレイ装置を形成するための各マスク工程時、積層膜の除去はドライエッチングまたはウェットエッチングで行われうる。
【0077】
このように抵抗の高いITOなどの透明電極からなる対向電極423を、メタルからなる補助電極11に電気的に連結することで、対向電極423にかかる抵抗を画期的に低めることができる。したがって、開口率の高い前面発光型有機発光ディスプレイ装置を具現しつつも、対向電極423の抵抗を低める効果を得ることができる。
【0078】
一方、前述した実施形態では、有機発光ディスプレイ装置を例として説明したが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置をはじめとする多様な表示素子に使用できるということはいうまでもない。
【0079】
また、本発明による実施形態を説明するための図面には一つのTFTと一つのキャパシタのみ図示されているが、これは説明の便宜のためのものであって、本発明はこれに限定されず、本発明によるマスク工程を増やさない限り、複数のTFTと複数のキャパシタとが含まれうるということはいうまでもない。
【0080】
本明細書では本発明を限定された実施形態を中心として説明したが、本発明の範囲内で多様な実施形態が可能である。また説明されていないが、均等な手段も本発明にそのまま結合されるといえる。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、発光ディスプレイ装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0082】
10 基板
11 補助電極
12 第1絶縁層
21g ゲート電極
21s ソース電極
21d ドレイン電極
21c コンタクト電極
217 層間絶縁膜
420 画素定義膜
41p 画素電極
422 中間層
423 対向電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成される補助電極と、
前記補助電極上に形成され、活性層、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えるTFTと、
前記TFTと電気的に連結され、前記ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一部と同一層に同一物質で形成された画素電極、発光層を含む中間層、及び前記画素電極と対向するように配置された対向電極が順次積層された有機発光素子と、
前記ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で一定ほど離隔して形成されて、前記補助電極と前記対向電極とを電気的に連結するコンタクト電極と、を備える有機発光ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記補助電極と前記活性層との間には第1絶縁層が介在され、前記活性層と前記ゲート電極との間には第2絶縁層が介在され、前記ゲート電極と前記コンタクト電極との間には層間絶縁膜が介在され、
前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを通じて前記コンタクト電極と前記補助電極とが接触することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記コンタクト電極と前記対向電極との間には画素定義膜が介在され、前記画素定義膜を貫通するコンタクトホールを通じて前記コンタクト電極と前記対向電極とが接触することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項4】
前記コンタクト電極の一端部は前記対向電極と直接接触し、前記コンタクト電極の他端部は前記補助電極と直接接触することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項5】
前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極が一方向に延長形成されて、前記画素電極を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極と前記画素電極とは、一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項8】
前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項9】
前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことを特徴とする請求項7に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項10】
基板上に形成された補助電極と、
前記補助電極上に形成された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に形成された活性層と、
前記活性層を覆うように形成された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に前記活性層と重畳して形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆うように形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の上部に形成されて、前記活性層と電気的に連結されるソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で形成され、前記補助電極の少なくとも一部と接触するように形成されたコンタクト電極と、
前記コンタクト電極と前記ソース電極及びドレイン電極を覆うように形成された画素定義膜と、
前記画素定義膜の上部に形成され、少なくとも一部が前記コンタクト電極と接触するように形成された対向電極と、を備える有機発光ディスプレイ装置。
【請求項11】
前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型であることを特徴とする請求項10に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項12】
前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含むことを特徴とする請求項11に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項13】
前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことを特徴とする請求項11に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項14】
基板上に補助電極を形成する段階と、
前記補助電極上に活性層を形成する第1マスク工程段階と、
前記活性層の上部にゲート電極を形成する第2マスク工程段階と、
前記活性層の両側と前記補助電極の一部とを露出する開口を持つ層間絶縁膜を形成する第3マスク工程段階と、
前記活性層の露出された両側と接触するソース及びドレイン電極と、前記ソース及びドレイン電極から一方向に延長した画素電極と、前記補助電極の露出された一部と接触するコンタクト電極とをそれぞれ形成する第4マスク工程段階と、
前記画素電極の少なくとも一部と前記コンタクト電極の少なくとも一部とを露出する画素定義膜を形成する第5マスク工程段階と、
前記画素定義膜の上部に前記コンタクト電極の露出された一部と接触する対向電極を形成する段階と、を含むことを特徴とする有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項15】
前記第3マスク工程は、
前記ゲート電極の上部に第3絶縁層を蒸着する段階と、
前記第3絶縁層をパターニングして、前記活性層のソース及びドレイン領域の一部と、前記補助電極の一部とを露出する開口を形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項16】
前記第4マスク工程は、
前記層間絶縁膜の上部に第4導電層及び/または第5導電層を蒸着する段階と、
前記第4導電層及び/または第5導電層をパターニングして、前記ソース及びドレイン電極と前記画素電極と前記コンタクト電極とを形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項17】
前記第5マスク工程は、
前記基板全面に第4絶縁層を積層する段階と、
前記第4絶縁層をパターニングして、前記コンタクト電極及び前記画素電極の一部を露出する開口を形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項18】
前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項19】
前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成される補助電極と、
前記補助電極上に形成され、活性層、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備えるTFTと、
前記TFTと電気的に連結され、前記ソース電極及びドレイン電極の少なくとも一部と同一層に同一物質で形成された画素電極、発光層を含む中間層、及び前記画素電極と対向するように配置された対向電極が順次積層された有機発光素子と、
前記ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で一定ほど離隔して形成されて、前記補助電極と前記対向電極とを電気的に連結するコンタクト電極と、を備える有機発光ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記補助電極と前記活性層との間には第1絶縁層が介在され、前記活性層と前記ゲート電極との間には第2絶縁層が介在され、前記ゲート電極と前記コンタクト電極との間には層間絶縁膜が介在され、
前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを通じて前記コンタクト電極と前記補助電極とが接触することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記コンタクト電極と前記対向電極との間には画素定義膜が介在され、前記画素定義膜を貫通するコンタクトホールを通じて前記コンタクト電極と前記対向電極とが接触することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項4】
前記コンタクト電極の一端部は前記対向電極と直接接触し、前記コンタクト電極の他端部は前記補助電極と直接接触することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項5】
前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極が一方向に延長形成されて、前記画素電極を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちいずれか一電極と前記画素電極とは、一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項8】
前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項9】
前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことを特徴とする請求項7に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項10】
基板上に形成された補助電極と、
前記補助電極上に形成された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に形成された活性層と、
前記活性層を覆うように形成された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に前記活性層と重畳して形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆うように形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の上部に形成されて、前記活性層と電気的に連結されるソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及びドレイン電極と同一層に同一物質で形成され、前記補助電極の少なくとも一部と接触するように形成されたコンタクト電極と、
前記コンタクト電極と前記ソース電極及びドレイン電極を覆うように形成された画素定義膜と、
前記画素定義膜の上部に形成され、少なくとも一部が前記コンタクト電極と接触するように形成された対向電極と、を備える有機発光ディスプレイ装置。
【請求項11】
前記有機発光ディスプレイ装置は、画像が前記対向電極側に具現される前面発光型であることを特徴とする請求項10に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項12】
前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含むことを特徴とする請求項11に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項13】
前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことを特徴とする請求項11に記載の有機発光ディスプレイ装置。
【請求項14】
基板上に補助電極を形成する段階と、
前記補助電極上に活性層を形成する第1マスク工程段階と、
前記活性層の上部にゲート電極を形成する第2マスク工程段階と、
前記活性層の両側と前記補助電極の一部とを露出する開口を持つ層間絶縁膜を形成する第3マスク工程段階と、
前記活性層の露出された両側と接触するソース及びドレイン電極と、前記ソース及びドレイン電極から一方向に延長した画素電極と、前記補助電極の露出された一部と接触するコンタクト電極とをそれぞれ形成する第4マスク工程段階と、
前記画素電極の少なくとも一部と前記コンタクト電極の少なくとも一部とを露出する画素定義膜を形成する第5マスク工程段階と、
前記画素定義膜の上部に前記コンタクト電極の露出された一部と接触する対向電極を形成する段階と、を含むことを特徴とする有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項15】
前記第3マスク工程は、
前記ゲート電極の上部に第3絶縁層を蒸着する段階と、
前記第3絶縁層をパターニングして、前記活性層のソース及びドレイン領域の一部と、前記補助電極の一部とを露出する開口を形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項16】
前記第4マスク工程は、
前記層間絶縁膜の上部に第4導電層及び/または第5導電層を蒸着する段階と、
前記第4導電層及び/または第5導電層をパターニングして、前記ソース及びドレイン電極と前記画素電極と前記コンタクト電極とを形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項17】
前記第5マスク工程は、
前記基板全面に第4絶縁層を積層する段階と、
前記第4絶縁層をパターニングして、前記コンタクト電極及び前記画素電極の一部を露出する開口を形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項18】
前記対向電極は、ITO、IZO、ZnO及びIn2O3のうち一つ以上を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項19】
前記補助電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo、Ti、W、MoW、Al/Cuから選択された一つ以上の物質を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光ディスプレイ装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−129197(P2012−129197A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249535(P2011−249535)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]