説明

有機発光表示装置

【課題】有機発光表示装置を提供する。
【解決手段】コントラストを向上できるように、基板と、基板に配置されて画像を具現する有機発光素子と、有機発光素子上に形成される密封部材と、密封部材の両面のうち、外部に向かう一面の上部に形成されて、外光の一部は透過させ、一部は反射する半透過膜と、半透過膜上に半透過膜を覆うように形成されて半透過膜を保護する保護膜と、有機発光素子と密封部材との間に形成されてコントラストを改善する透過型黒色層と、を備え、半透過膜は、保護膜の屈折率より大きい屈折率値を持つ有機発光表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に係り、より詳細には、コントラストと耐衝撃性を向上させる有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近来にディスプレイ装置は、携帯可能な薄型の平板表示装置に代替される勢いである。平板ディスプレイ装置のうちでも、有機または無機発光表示装置は、自発光型ディスプレイ装置であり、視野角が広くてコントラストが優秀なだけでなく、応答速度が速いという長所を持っていて、次世代ディスプレイ装置として注目されている。また、発光層の形成物質が有機物で構成される有機発光表示装置は、無機発光表示装置に比べて輝度、駆動電圧及び応答速度特性が優秀で多色化が可能であるという長所を持っている。
【0003】
一方、平板表示装置は携帯が可能であり、野外で使用可能に軽量かつ薄型に製造する。この時、野外で画像を見る時に陽光が反射されてコントラスト及び視認性が低下するという問題がある。特に、有機発光表示装置では金属反射膜でこのような反射が激しく、さらに大きい問題になる。
【0004】
また、外部から加えられる衝撃により有機発光表示装置の外面が損傷しやすいという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、コントラスト及び耐衝撃性が向上した有機発光表示装置を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基板と、前記基板に配置されて画像を具現する有機発光素子と、前記有機発光素子上に形成される密封部材と、前記密封部材の両面のうち、外部に向かう一面の上部に形成されて、外光の一部は透過させ、一部は反射する半透過膜と、前記半透過膜上に前記半透過膜を覆うように形成されて前記半透過膜を保護する保護膜と、前記有機発光素子と前記密封部材との間に形成されてコントラストを改善する透過型黒色層と、を備え、前記半透過膜は、前記保護膜の屈折率より大きい屈折率値を持つ有機発光表示装置を開示する。
【0007】
本発明において、前記透過型黒色層は、黒鉛またはダイアモンドライクカーボン(Diamond Like Carbon:DLC)を含む。
【0008】
本発明において、前記保護層は、熱硬化性樹脂で形成され、ウレタンアクリレートまたはエポキシ樹脂を含む。
【0009】
本発明において、前記半透過膜は、40ないし80パーセントの透光率値を持つ。
【0010】
本発明において、前記半透過膜は、屈折率が1.5ないし5値を持つ。
【0011】
本発明において、前記半透過膜は、金属コロイドで形成される。
【0012】
本発明において、前記半透過膜は、銀、金またはチタンを含む。
【0013】
本発明の他の側面によれば、基板と、前記基板に配置されて画像を具現する有機発光素子と、前記有機発光素子上に形成される密封部材と、前記密封部材の両面のうち、外部に向かう一面の上部に形成されて、外光の一部は透過させ、一部は反射する半透過膜と、前記半透過膜上に前記半透過膜を覆うように形成されて前記半透過膜を保護する保護膜と、前記有機発光素子の非発光領域に対応するように形成されるブラックマトリックス層と、前記有機発光素子と前記密封部材との間に形成されてコントラストを改善する透過型黒色層と、を備え、前記半透過膜は、前記保護膜の屈折率より大きい屈折率値を持つ有機発光表示装置を開示する。
【0014】
本発明の他の側面によれば、基板と、前記基板上に形成され、第1電極、第2電極及び前記第1電極と前記第2電極との間に有機発光層を備える有機発光素子と、前記第1電極上に配置されて、前記第1電極が露出されるように開口部が形成された絶縁膜と、前記有機発光素子を密封する密封部材と、前記密封部材の両面のうち、外部に向かう一面の上部に形成されて、外光の一部は透過させ、一部は反射する半透過膜と、前記半透過膜上に前記半透過膜を覆うように形成されて前記半透過膜を保護する保護膜と、前記有機発光素子と前記密封部材との間に形成されてコントラストを改善する透過型黒色層と、を備え、前記開口部に露出された第1電極上に前記有機発光層及び前記第2電極が順に形成され、前記半透過膜は、前記保護膜の屈折率より大きい屈折率値を持ち、前記絶縁層は黒度の高い色相を持つ有機発光表示装置を開示する。
【0015】
本発明の他の側面によれば、基板と、前記基板上に形成され、第1電極、第2電極及び前記第1電極と前記第2電極との間に有機発光層を備える有機発光素子と、前記第1電極上に配置され、前記第1電極が露出されるように開口部が形成された絶縁膜と、前記有機発光素子を密封する密封部材と、前記密封部材の両面のうち、外部に向かう一面の上部に形成されて、外光の一部は透過させ、一部は反射する半透過膜と、前記半透過膜上に前記半透過膜を覆うように形成されて、前記半透過膜を保護する保護膜と、前記有機発光素子の非発光領域に対応するように形成されるブラックマトリックス層と、前記有機発光素子と前記密封部材との間に形成されて、コントラストを改善する透過型黒色層と、を備え、前記開口部で露出された第1電極上に前記有機発光層及び前記第2電極が順に形成され、前記半透過膜は、前記保護膜の屈折率より大きい屈折率値を持ち、前記絶縁層は、黒度の高い色相を持つ有機発光表示装置を開示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に関する有機発光表示装置は、コントラストを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付された図面らに図示された本発明に関する実施形態を参照して本発明の構成及び作用を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に関する有機発光表示装置を図示した概略的な断面図である。有機発光表示装置は、能動駆動型(active matrix type:AM)と受動駆動型(passive matrix:PM)とに大別される。図1は、本発明の一実施形態に関する有機発光表示装置として能動駆動型を図示しているが、本発明はこれに限定されず、受動駆動型にも適用できる。
【0019】
図1から分かるように、本発明の一実施形態に関する有機発光表示装置は、基板10、有機発光素子30、密封部材50、半透過膜51、保護膜52、透過型黒色層21及びブラックマトリックス層22を備える。
【0020】
基板10は、SiOを主成分とする透明なガラス材質からなりうる。基板10は、必ずしもこれに限定されるものではなく、透明なプラスチック材で形成することもある。画像が基板10方向に具現される背面発光型の場合に、基板10は透明な材質で形成せねばならない。しかし、図1に図示されたように、画像が密封部材50方向に具現される前面発光型の場合に、基板10は、必ずしも透明な材質で形成する必要はない。
【0021】
基板10の上面には、基板10の平滑性及び不純元素の侵入を遮断するためにバッファ層11を形成できる。バッファ層11は、SiO及び/またはSiNxなどで形成できる。
【0022】
基板10の上面に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)が形成されている。このTFTは、各画素別に少なくとも一つずつ形成されるが、有機発光素子30に電気的に連結される。
【0023】
具体的に、バッファ層11上に所定パターンの半導体層12が形成される。半導体層12は、アモルファスシリコンまたはポリシリコンのような無機半導体や有機半導体で形成され、ソース領域、ドレイン領域及びチャンネル領域を備える。
【0024】
半導体層12の上部には、SiO、SiNxなどで形成されるゲート絶縁膜13が形成され、ゲート絶縁膜13の上部の所定領域にはゲート電極14が形成される。ゲート電極14は、TFTオン/オフ信号を印加するゲートライン(図示せず)と連結されている。
【0025】
ゲート電極14の上部には層間絶縁膜15が形成され、コンタクトホールを通じてソース電極16及びドレイン電極17がそれぞれ半導体層12のソース及びドレイン領域に接するように形成される。このように形成されたTFTは、パッシベーション膜18で覆われて保護される。パッシベーション膜18は、無機絶縁膜及び/または有機絶縁膜を使用できるが、無機絶縁膜としては、SiO、SiNx、SiON、Al、TiO、Ta、HfO、ZrO、BST、PZTなどが含まれ、有機絶縁膜としては、一般汎用高分子PMMA、PS、フェノールグループを持つ高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p−キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子及びこれらのブレンドなどが含まれる。パッシベーション膜18は、無機絶縁膜と有機絶縁膜との複合積層体でも形成できる。
【0026】
パッシベーション膜18の上部には、有機発光素子のアノード電極となる第1電極31が形成され、これを覆うように絶縁物で画素定義膜36が形成される。この画素定義膜36に所定の開口を形成した後、この開口で限定された領域内に有機発光素子の有機発光層32を形成する。そして、全体画素をいずれも覆うように有機発光素子のカソード電極となる第2電極33が形成される。もちろん、第1電極31と第2電極33との極性は互いに逆に変わってもよい。
【0027】
有機発光素子は、電流のフローによって光を発光して画像を表示するものであり、TFTのドレイン電極17にコンタクトホールを通じて電気的に連結された第1電極31、有機発光層32及び第2電極33を備える。
【0028】
第1電極31は、フォトリソグラフィ法により所定のパターンで形成できる。第1電極31のパターンは、受動駆動型の場合には互いに所定間隔離れたストライプ状のラインで形成され、能動駆動型の場合には、画素に対応する形態で形成される。第1電極31の上部に第2電極33が配置されるが、外部端子(図示せず)に連結されてカソード電極として作用できる。第2電極33は、受動駆動型の場合には、第1電極31のパターンに直交するストライプ形状であり、能動駆動型の場合には画像が具現されるアクティブ領域全体にかけて形成されうる。第1電極31の極性と第2電極33の極性とは互いに逆になっても構わない。基板10の方向に画像が具現される背面発光型の場合、第1電極31は透明電極となり、第2電極33は反射電極となりうる。第1電極31は、仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはInなどで形成され、第2電極33は、仕事関数の小さな金属、すなわち、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Caなどで形成されうる。
【0029】
図1に示したように、第2電極33の方向に画像を具現する前面発光型の場合、第1電極31は反射電極で備えられ、第2電極33は透明電極で備えられる。この時、第1電極31となる反射電極は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca及びこれらの化合物で反射膜を形成した後、その上に仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはInなどを形成してなりうる。そして、第2電極43となる透明電極は、仕事関数の小さな金属、すなわち、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca及びこれらの化合物を蒸着した後、その上にITO、IZO、ZnO、またはInなどの透明導電物質で補助電極層やバス電極ラインを形成できる。
【0030】
両面発光型の場合、第1電極31と第2電極33いずれも透明電極で形成できる。
【0031】
第1電極31と第2電極33との間に介在された有機発光層32は、第1電極31と第2電極33との電気的駆動により発光する。有機発光層32は、低分子または高分子有機物を使用できる。有機発光層32が低分子有機物で形成される場合、有機発光層32を中心に第1電極31の方向にホール輸送層及びホール注入層などが積層され、第2電極33方向に電子輸送層及び電子注入層などが積層される。それ以外にも、必要に応じて多様な層が積層されうる。使用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc:copper phthalocyanine)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などをはじめとして多様に適用可能である。
【0032】
一方、高分子有機物で形成された高分子有機層の場合には、有機発光層32を中心に第1電極31の方向にホール輸送層(Hole Transport Layer:HTL)のみ含まれうる。前記高分子ホール輸送層は、ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT)や、ポリアニリン(PANI)などを使用して、インクジェットプリンティングやスピンコーティングの方法により第1電極31の上部に形成され、高分子有機発光層32は、PPV、Soluble PPV’s、シアノ−PPV、ポリフルオレンなどを使用でき、インクジェットプリンティングやスピンコーティングまたはレーザーを利用した熱転写方式などの通常の方法でカラーパターンを形成できる。
【0033】
有機発光素子30上に有機発光素子30を封止する密封部材50が形成される。密封部材50は、外部の水分や酸素などから有機発光素子30を保護するために形成する。図1に示したような前面発光型構造では、密封部材50は透明な材質からなる。このためにガラス基板、プラスチック基板または有機物と無機物との複数の重畳した構造でもありうる。
【0034】
密封部材50の両面のうち、外部に向かう一面の上部に、外光の一部は透過して一部は反射する半透過膜51を形成する。半透過膜51は、屈折率が1.5ないし5の値を持つように形成できる。半透過膜51は、金属コロイド形態で形成できるが、このような金属としては、銀、金またはチタンなどを利用できる。半透過膜51は、スピンコーティング、ディップコーティングまたはバーコーティングで膜を塗布した後、熱処理工程を経て容易に製造できる。半透過膜51は、40ないし80パーセントの透光率値を持つように形成できる。半透過膜51の厚さを調節するか、金属コロイド形成時に工程条件を調節して、このような透光率値を持つことができる。半透過膜51は、10nmないし10μmの厚さを持つように形成できる。半透過膜51の厚さが厚すぎれば、透光率が低くなって有機発光素子30で発生する光の効率が低下するので、半透過膜51は、10μm以下に形成する。半透過膜51の厚さが薄すぎれば、透光率が過度に高くなり、外光が半透過膜51を通過して、結果的に外光の反射量が増加する。
【0035】
半透過膜51上には保護膜52が形成される。保護膜52は、半透過膜51より屈折率の小さな値を持つように形成する。保護膜52は、耐衝撃性の強い熱硬化性樹脂で形成できるが、ウレタンアクリレートまたはエポキシ樹脂で形成できる。したがって、保護膜52は透明な性質を持つ。具体的にスピンコーティング、ディップコーティングまたはバーコーティングなどで膜を塗布した後、熱処理またはUVを利用した硬化工程を経て保護膜52を形成できる。保護膜52は、10nmないし30μmの厚さを持つように形成できる。耐衝撃性を確保するために保護膜52は、10nm以上の厚さを持つように形成する。しかし、厚すぎれば、有機発光表示装置の全体的な厚さが増大するので、保護膜52の厚さを30μm以下になるように形成する。
【0036】
保護膜52は、耐衝撃性の強い熱硬化性樹脂で形成されて、外部の衝撃により薄い半透過膜51が損傷することを防止する。
【0037】
また、密封部材50上に半透過膜51と保護膜52とが重畳した構造で形成され、半透過膜51の屈折率が保護膜52の屈折率より大きい構造であるため、外光の界面反射を防止できる。したがって、半透過膜51と保護膜52との組み合わせで従来の円偏光板機能を行える。特に、半透過膜51の透光率値が40ないし80%であり、保護膜52は透明な物質であるため、これらを組み合わせて従来の円偏光板の透光率と類似して合せることが容易である。
【0038】
密封部材50と有機発光素子30との間に透過型黒色層21が形成される。図1を参照すれば、密封部材50の両面のうち、有機発光素子30に向かう面に透過型黒色層21が形成される。透過型黒色層21は、黒鉛またはDLCを含むことができる。透過型黒色層21は、スパッタリングまたはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を利用し形成し、劣化を防止するために250℃以下で形成する。
【0039】
透過型黒色層21は、コントラストを改善する役割を行う。その役割を行うために透過型黒色層21は、適切な透光率値を持つ必要がある。透光率が低いほどコントラストの改善には有利であるが、有機発光素子30で発生した光の取出率が低くなるので、適切な値を持つ必要がある。特に前述した半透過膜51及び保護膜52の透光率も考慮せねばならない。透過型黒色層21は、35ないし80%の透光率を持つように形成する。透過型黒色層21の透光率が35ないし80%であるため、透過型黒色層21と半透過膜51及び保護膜52を同時に使用しても透光率値を40ないし60%に調節できる。したがって、半透過膜51、保護膜52及び透過型黒色層21を使用しても、従来の円偏光板の透光率値である40%内外の値を維持するか、またはそれより透光率値が向上した範囲で外光の反射防止及びコントラスト向上効果を持つことができる。黒鉛またはDLCで形成される透過型黒色層21が所望の透光率を持つように水素を含めることができる。水素含有量を5ないし35%を含めて所望の透光率を持つ透過型黒色層21を形成できる。
【0040】
また、透過型黒色層21の厚さを調節して所望の透光率値を得ることができる。透光率値を高めるためには透過型黒色層21を厚く形成し、透光率値を低めるためには透過型黒色層21を薄く形成する。透過型黒色層21の厚さを5ないし70nmで形成して所望の透光率値を持つ透過型黒色層21を形成できる。
【0041】
前述した半透過膜51及び保護膜52と有機発光表示装置の使用条件を考慮して、適切な厚さで透過型黒色層21を形成できる。
【0042】
透過型黒色層21により有機発光表示装置のコントラストがさらに向上する。
【0043】
透過型黒色層21上にブラックマトリックス層22が形成できる。ブラックマトリックス層22は、有機発光素子30の非発光領域に配置されるようにパターニングされる。有機発光素子30の発光領域は、有機発光層32が配置された領域であり、非発光領域はそれ以外の領域である。ブラックマトリックス層22は、外光を吸収できるように黒度の高い黒鉛、クロムなどを利用して形成できるが、外光を吸収する物質ならば多様な材料を利用して形成できる。
【0044】
本発明の一実施形態に関する有機発光表示装置は、密封部材50上に半透過膜51と、半透過膜51より屈折率が低くて耐衝撃性の強い保護膜52とが形成される。このような構造を通じて外光の反射を減少させうる。特に、基板10の界面での外光の反射を減少する。また、有機発光表示装置の外面を外部の衝撃から保護することができる。
【0045】
また、有機発光素子30と密封部材50との間に透過型黒色層21を形成し、透光率を調節してコントラストを向上させることができる。非発光領域にブラックマトリックス層22を形成してコントラスト向上効果を増大できる。
【0046】
図2ないし図4は、図1に図示された有機発光表示装置の他の変形例を図示した概略的な断面図である。以下では、本発明の一実施形態と相異なる点を中心に説明する。同じ参照符号は同じ部材を表す。
【0047】
図2を参照すれば、有機発光表示装置は、基板10、有機発光素子30、密封部材50、半透過膜51、保護膜52、透過型黒色層41及びブラックマトリックス層42を備える。透過型黒色層41は、密封部材50の両面のうち、有機発光素子30に向かう一面に形成される。ブラックマトリックス層42は、第2電極33上に形成される。その他の詳細な構造と効果は前述したことと同一であるので省略する。
【0048】
図3を参照すれば、有機発光表示装置は、基板10、有機発光素子30、密封部材50、半透過膜51、保護膜52、透過型黒色層61及びブラックマトリックス層62を備える。密封部材50の両面のうち、有機発光素子30に向かう一面にブラックマトリックス層62及び透過型黒色層61が順に形成される。すなわち、ブラックマトリックス層62が密封部材50と透過型黒色層61との間に配置される。
【0049】
図4を参照すれば、有機発光表示装置は、基板10、有機発光素子30、密封部材50、半透過膜51、保護膜52、透過型黒色層71及びブラックマトリックス層72を備える。有機発光素子30の第2電極33上に透過型黒色層71が形成される。透過型黒色層71上にパターニングされたブラックマトリックス層72が形成される。
【0050】
図5は、本発明の他の実施形態に関する有機発光表示装置を図示した概略的な断面図である。以下では、前述した実施形態と異なる点を中心に説明する。前述した実施形態と同じ参照符号は同じ部材を表す。
【0051】
有機発光表示装置は、基板10、有機発光素子30、密封部材50、半透過膜51、保護膜52、画素定義膜46、透過型黒色層21及びブラックマトリックス層22を備える。
【0052】
パッシベーション膜18の上部には、有機発光素子のアノード電極となる第1電極31が形成され、これを覆うように絶縁物として画素定義膜46が形成される。画素定義膜46に所定の開口を形成した後、開口で限定された領域内に有機発光素子の有機発光層32を形成する。そして、全体画素をいずれも覆うように有機発光素子のカソード電極となる第2電極33が形成される。もちろん、第1電極と第2電極との極性は互いに逆に変わっても構わない。この時、画素定義膜46は絶縁層であり、黒度の高い色相を持つように形成できる。画素定義膜46が黒度の高い色相を持つように形成される場合、外光の反射を最小化してコントラスト向上効果が増大する。
【0053】
また、本実施形態でも図2ないし図4のような変形例が適用されるということは言うまでもない。
【0054】
図面に図示された実施形態を参考して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならばこれより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、ディスプレイ装置に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態に関する有機発光表示装置を図示した概略的な断面図である。
【図2】図1に図示された有機発光表示装置の他の変形例を図示した概略的な断面図である。
【図3】図1に図示された有機発光表示装置の他の変形例を図示した概略的な断面図である。
【図4】図1に図示された有機発光表示装置の他の変形例を図示した概略的な断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に関する有機発光表示装置を図示した概略的な断面図である。
【符号の説明】
【0057】
10 基板
11 バッファ層
12 半導体層
13 ゲート絶縁膜
14 ゲート電極
15 層間絶縁膜
16 ソース電極
17 ドレイン電極
18 パッシベーション膜
30 有機発光素子
31 第1電極
32 有機発光層
33 第2電極
36 画素定義膜
50 密封部材
51 半透過膜
52 保護膜
21、41、61、71 透過型黒色層
22、42、62、72 ブラックマトリックス層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に配置されて画像を具現する有機発光素子と、
前記有機発光素子上に形成される密封部材と、
前記密封部材の両面のうち、外部に向かう一面の上部に形成されて、外光の一部は透過させ、一部は反射する半透過膜と、
前記半透過膜上に前記半透過膜を覆うように形成されて前記半透過膜を保護する保護膜と、
前記有機発光素子と前記密封部材との間に形成されてコントラストを改善する透過型黒色層と、を備え、
前記半透過膜は、前記保護膜の屈折率より大きい屈折率値を持つ有機発光表示装置。
【請求項2】
基板と、
前記基板に配置されて画像を具現する有機発光素子と、
前記有機発光素子上に形成される密封部材と、
前記密封部材の両面のうち、外部に向かう一面の上部に形成されて、外光の一部は透過させ、一部は反射する半透過膜と、
前記半透過膜上に前記半透過膜を覆うように形成されて前記半透過膜を保護する保護膜と、
前記有機発光素子の非発光領域に対応するように形成されるブラックマトリックス層と、
前記有機発光素子と前記密封部材との間に形成されてコントラストを改善する透過型黒色層と、を備え、
前記半透過膜は、前記保護膜の屈折率より大きい屈折率値を持つ有機発光表示装置。
【請求項3】
基板と、
前記基板上に形成され、第1電極、第2電極及び前記第1電極と前記第2電極との間に有機発光層を備える有機発光素子と、
前記第1電極上に配置されて、前記第1電極が露出されるように開口部が形成された絶縁膜と、
前記有機発光素子を密封する密封部材と、
前記密封部材の両面のうち、外部に向かう一面の上部に形成されて、外光の一部は透過させ、一部は反射する半透過膜と、
前記半透過膜上に前記半透過膜を覆うように形成されて前記半透過膜を保護する保護膜と、
前記有機発光素子と前記密封部材との間に形成されてコントラストを改善する透過型黒色層と、を備え、
前記開口部に露出された第1電極上に前記有機発光層及び前記第2電極が順に形成され、
前記半透過膜は、前記保護膜の屈折率より大きい屈折率値を持ち、
前記絶縁層は黒度の高い色相を持つ有機発光表示装置。
【請求項4】
基板と、
前記基板上に形成され、第1電極、第2電極及び前記第1電極と前記第2電極との間に有機発光層を備える有機発光素子と、
前記第1電極上に配置され、前記第1電極が露出されるように開口部が形成された絶縁膜と、
前記有機発光素子を密封する密封部材と、
前記密封部材の両面のうち、外部に向かう一面の上部に形成されて、外光の一部は透過させ、一部は反射する半透過膜と、
前記半透過膜上に前記半透過膜を覆うように形成されて、前記半透過膜を保護する保護膜と、
前記有機発光素子の非発光領域に対応するように形成されるブラックマトリックス層と、
前記有機発光素子と前記密封部材との間に形成されて、コントラストを改善する透過型黒色層と、を備え、
前記開口部で露出された第1電極上に前記有機発光層及び前記第2電極が順に形成され、
前記半透過膜は、前記保護膜の屈折率より大きい屈折率値を持ち、
前記絶縁層は、黒度の高い色相を持つ有機発光表示装置。
【請求項5】
前記透過型黒色層は、黒鉛またはダイアモンドライクカーボンを含む請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記保護層は、熱硬化性樹脂で形成される請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記保護層は、ウレタンアクリレートまたはエポキシ樹脂を含む請求項6に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記半透過膜は、40ないし80パーセントの透光率値を持つ請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記半透過膜は、屈折率が1.5ないし5値を持つ請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記半透過膜は、金属コロイドで形成される請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記半透過膜は、銀、金またはチタンを含む請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の有機発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−147161(P2008−147161A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171084(P2007−171084)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】