説明

有機資源のリサイクル方法及びリサイクル装置

【課題】有機資源に含まれる肥料成分を利用することができ、環境保護にも貢献できるリサイクル方法及びリサイクル装置を提供する。さらに、リサイクルによる生成物を有効利用して、浮き草及び乾燥草を経済的に生産する。
【解決手段】本発明の有機資源のリサイクル装置15は、有機資源21を導入する資源導入口251と、生成するバイオガス23を導出するガス導出口253と、生成する消化液22を導出する消化液導出口252と、を有する嫌気性発酵槽25と、該消化液22が導入され、浮き草を栽培する浮き草栽培槽35と、を有することを特徴とする。前記バイオガス23を燃料とする発電機45と、該発電機45で得られる排熱を用いて栽培液351を加熱する加熱装置55と、を有してもよい。また、前記浮き草を乾燥して乾燥草とする乾燥装置65を有してもよい。前記発電機45で得られる電力及び/または前記排熱を前記乾燥装置65で使用してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性汚泥などの有機資源のリサイクル方法及びリサイクル装置に関し、より詳細には有機資源に含まれるリン化合物や窒素化合物などの肥料成分、及び炭素化合物などのエネルギー成分のリサイクルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護や地球温暖化防止の観点から、あらゆる資源や熱エネルギーの放出を抑制し、リサイクルを図ることが強く要請されている。下水処理施設においても、活性汚泥と呼ばれる微生物により下水中の有機成分を処理して浄化する活性汚泥処理方法が普及している。この処理方法では、薬品などの化学物質やエネルギーの消費は抑制されるが、微生物が増殖して余剰の活性汚泥が生産されてしまう。余剰活性汚泥の一部は水分が除去され乾燥されて粉末状の肥料として利用されるが、残りの大部分は焼却処分されているのが現状である。焼却処分は、有用資源の損失及び浪費エネルギーの放出という、二重の課題を含んでいる。
【0003】
この部分的な解決策として、活性汚泥を嫌気性発酵させてメタンなどを含むバイオガスを取り出し、発電システムに供給すことが行われている。例えば、特許文献1に開示される発電方法及び発電システムでは、活性汚泥に限らず有機物を嫌気性発酵(メタン発酵)させて消化ガスを生成し、これを燃料にして発電することにより、有機物をエネルギーとしてリサイクルしている。
【0004】
しかし、発酵により生じる消化液中に残るリンや窒素などの肥料成分はリサイクルされず、河川や湖沼、海に放流されている。そして、放流された肥料成分により河川や湖沼、海が富栄養化し、ヘドロ発生の原因となっている。消化液中の肥料成分を除去する方法として、リンを鉄に反応させて除去する方法や、窒素成分を消化バクテリア等で窒素ガスにして除去する方法が試みられている。これらの除去方法は河川等の富栄養化を阻止する効果はあるが、肥料成分を積極的に、有効にリサイクルするものではない。
【0005】
一方、日本国内の牧畜業においては、飼料や人件費の高騰により生産価格が上昇している。この一因として、飼料とする乾燥草の生産が困難な点が挙げられる。牧草を自然乾燥して乾燥草とする研究は多くなされているが、日本国内では未だ成功していない。日本国内で乾燥草を生産できない理由は、湿度が高く十分に乾燥した乾燥草とならないことによる。海外では、所定の月日をかけて十分に生育した牧草が刈り取られ、そのまま牧草地で自然乾燥される。ところが、空気中の湿度の高い日本では、牧草地の地面も多くの水分を含んでおり、さらに条件の劣悪な窪地なども存在する。したがって、全ての牧草を均質に乾燥させることは極めて困難である。湿った牧草にはカビが生えて腐敗し、飼料として使用することができなくなる。日本国内にも腐敗しない乾燥草としては稲わらや麦わらがある。何故腐敗しにくいのかについては知られていないが、稲わらや麦わらはケイ素成分が多く、他の植物と大きく異なっているためとも考えられる。
【0006】
日本国内では、乾燥草の代替として、水分の多い牧草の貯蔵に適するサイレージの利用もある。サイレージは、酸素の少ない密閉空間に牧草を収納し、乳酸菌発酵を行い生産される乳酸の酸性により雑菌の繁殖を阻止し、腐敗を防ぐものである。乳酸菌発酵にはある程度の水分が必要であり、刈り取った牧草をその場で少し乾燥する程度の半乾燥の牧草を使用することができ、日本の風土に適している。しかしながら、サイレージには乳酸菌が利用できる糖類が必要であり、糖類の少ない草に適用するのは困難である。
【0007】
結局、日本国内で牧草を自然乾燥させようとしても、湿度が高いため吸湿が避けられず、吸湿した牧草は腐敗し飼料としては使用できない。牧草の乾燥に人工の機械装置を用いることは経済性の点で引き合わないと、従来から考えられていた。
【特許文献1】特開2002−275482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、有機資源に含まれる肥料成分を利用することができ、環境保護にも貢献できるリサイクル方法及びリサイクル装置を提供する。さらに、リサイクルにより得られる生成物を有効利用することにより、浮き草及び乾燥草を経済的に生産する方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の有機資源のリサイクル方法は、有機資源を嫌気性発酵させてメタンガスを含むバイオガスと肥料成分を含む消化液とを得る嫌気性発酵工程と、得られた該消化液を少なくとも一部の肥料として浮き草を栽培する浮き草栽培工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の有機資源のリサイクル方法では、嫌気性発酵工程において、有機資源に含まれる炭素などのエネルギー成分がメタンガスを含むバイオガスとして回収される。このバイオガスは、後述するように発電工程の燃料などに使用することができる。一方、嫌気性発酵工程において得られる消化液にはリン化合物や窒素化合物が含まれ、これらは肥料成分として有用である。この消化液は、浮き草栽培工程において、浮き草の肥料として使用することができる。したがって、本発明によれば、有機資源に含まれるエネルギー成分と肥料成分との両方を有効にリサイクルすることができ、かつ、有機資源の放出を不要として環境保護にも貢献できる。
【0011】
本発明の有機資源のリサイクル方法は、前記バイオガスを燃料として発電する発電工程と、該発電工程で得られる排熱を用いて前記浮き草栽培工程で使用する栽培液を加熱する栽培液加熱工程と、を含むようにしてもよい。また、前記有機資源は活性汚泥であり、前記浮き草はホテイアオイであってもよい。さらに、前記浮き草栽培工程で得られた前記浮き草を乾燥して乾燥草とする乾燥工程を含んでもよい。前記発電工程で得られる電力及び/または前記排熱を前記乾燥工程で使用するようにしてもよい。
【0012】
発電工程に使用するバイオガスの成分は発酵条件に依存するが、容積比率で約50%がメタンガス、残り50%が炭酸ガスである。このバイオガスは、発電のために例えば原動機を駆動する他にも、家庭用のガス燃料として使用することができる。また、ディーゼルエンジン等の内燃機関の燃料として使用することもできる。なお、バイオガスをそのまま使用すること、メタンガスや水素ガスなどの可燃ガスを分離精製して使用すること、のいずれも可能である。
【0013】
有機資源の一例として活性汚泥を示したが、下水処理施設において余剰となり焼却処分されている現状に鑑みたものであり、これに限定されるものではない。バイオマス(生物資源)一般を受け入れることで、リサイクル原料を安定して確保することができる。
【0014】
次に、肥料成分の用途として浮き草の栽培、とりわけホテイアオイを選定した根拠について説明する。浮き草は、根、茎及び葉からなる植物体が水面に浮かんだ状態で、親株から子株が株分かれすることにより増殖し、新たな茎が出て伸張することにより生育する。このため、種蒔き、植え替え等の農作業は必要とされない。また、浮き草は植物体全体が例えば飼料として有用であり、果実や実などの一部を収穫するものではない。しかも浮き草は水面を浮遊するため、栽培液に流れを形成することにより、生育及び収穫作業を流れ作業化することができる。したがって、浮き草栽培工程に自動化された栽培装置を適用することが栽培技術上容易であり、かつ経済性の面でも期待できる。
【0015】
浮き草の種類としてはホテイアオイやボタンウキクサが好ましい。両者ともにに繁殖力が強いため、多くの収穫量が期待でき、バイオマス生産には最適である。また、両者はともに家畜の飼料として有用である。とりわけ、ホテイアオイは粗蛋白を多く含有し、飼料作物として優れている。
【0016】
次に、発電工程で得られる排熱の使用について説明する。本発明では、バイオガスを燃料とする発電工程の副産物として得られる排熱を用い、浮き草栽培工程で使用する栽培液を加熱する栽培液加熱工程を採用することができる。これにより、栽培液は適温に加熱されるため、年間を通じて浮き草を栽培することができる。
【0017】
浮き草栽培工程において、栽培環境の気温及び栽培液の液温の管理は重要である。ホテイアオイ、ボタンウキクサを始めとする多くの浮き草は寒さに弱い。例えばホテイアオイの場合、日本の自然の環境で旺盛な生育を示すのは6月から9月程度である。したがって、年間を通じて栽培を行うために、10月から5月までの間は何らかの寒さ対策を講じることが必要である。第一段階の寒さ対策は温室である。温室内でホテイアオイを栽培した場合、三重県の熊野市付近では、4月から12月までの8ヶ月間、ホテイアオイは旺盛に繁殖する。温室としてはガラス温室、ビニールフイルムを用いたビニール温室が採用できる。
【0018】
しかし、温室による対策だけでは十分でなく、第二段階の対策として本発明の排熱による栽培液の加熱が効果的である。栽培液を15℃程度に加熱することによりホテイアオイの子株の株分かれが促進される。さらに、20℃では茎が伸張して水面上50cmを越える長い大きな葉に生育し、また茎の伸張とともに新しい茎が芽吹いて株が大きくなる。
【0019】
温室内の空気温度を高める暖房の対策も考えられるが、熱が温室外に容易に拡散してしまうため効果的でない。したがって、暖房の対策は経済性の悪化を招き、事業として成り立たなくなることも考えられ、好ましくない。これと比較して栽培液の加熱の対策は、栽培液の比熱が大きく、かつ栽培液の表面が浮き草で覆われて熱が逃げにくいため、一旦加熱して高めた温度を保つことは容易であり、好ましい。なお、熊野市付近では1月、2月の冬場に栽培液を全く加熱しなくとも、太陽光によりビニール温室内の気温は最高で30℃程度になり、栽培液は10℃程度に維持される。したがって、栽培液を10℃から20℃まで加熱すればよく、所要の熱量は多くない。
【0020】
次に、乾燥工程について説明する。乾燥工程では、例えば熱源をもつ機械乾燥装置により浮き草を乾燥してもよいし、自然乾燥でもよい。機械乾燥装置では、浮き草の残存水分量を継続的に測定しつつ乾燥を行い、所定の水分量以下の良好な乾燥草とすることができる。本発明では、年間を通じて浮き草を栽培することができるため、機械乾燥装置も通年使用して、多量の乾燥草を得ることができる。このため、装置自体は高価であっても、浮き草の乾燥費用の単価は小さくて済み、経済性を損なうものとはならない。また、前述の発電工程で得られる排熱を、乾燥工程にも使用することもできる。例えば、熱交換器などにより、発電機の排熱を機械乾燥装置まで伝達することができる。さらに、発電工程で得られる電力自体を機械乾燥装置で使用するようにしてもよい。
【0021】
あるいは熱源を持たずに、降雨や地面の湿気の影響を受けない、例えば温室内の戴置台上に浮き草を並べて、自然乾燥する方法としてもよい。
【0022】
以上説明したように、本発明のリサイクル方法によれば、浮き草の肥料に嫌気性発酵工程で得られる消化液を用いることにより肥料のコストを最低限に抑えることができる。また、バイオガスを燃料とする発電工程で得られる排熱を用いて栽培液を加熱することにより、年間を通じてのて栽培が可能となり、設備稼働率を高めることができる。さらに、排熱を乾燥工程に使用することもできる。この排熱は、従来は廃棄されていたエネルギーであり、有効利用することにより経済性が改善され、さらに環境保護にも貢献できる。また、これらの効果的なリサイクル方法を併用することにより、浮き草の用途が比較的単価の安い飼料用であっても、経済的に引き合う栽培を行うことができる。
【0023】
上述の有機資源のリサイクル方法を実施するためのリサイクル装置について、以降に説明する。本発明の有機資源のリサイクル装置は、有機資源を導入する資源導入口と、生成されるバイオガスを導出するガス導出口と、生成される消化液を導出する消化液導出口と、をもつ嫌気性発酵槽と、該消化液が導入され、浮き草を栽培する浮き草栽培槽と、を有することを特徴とする。
【0024】
嫌気性発酵槽は、メタンバクテリアなどの微生物の働きにより有機物をメタンガス及び炭酸ガス等の低分子化合物に消化分解する槽である。このような嫌気性発酵槽としては従来から公知の装置を使用することができる。発酵温度で20℃程度の低温発酵槽、30℃程度の中温発酵槽及び50〜60℃の高温発酵槽が知られている。発酵温度が高いほど分解速度が速いことが知られている。高温発酵槽は、当然に加熱装置を付属したものになる。
【0025】
嫌気性発酵槽に投入される有機資源は、細かく粉砕されていると消化分解が促進されるので好ましい。このため、資源導入口に有機資源を粉砕する粉砕手段を持つものとすることもできる。また、有機物は、メタンバクテリアで消化される前工程として、加水分解、酸化作用、酢酸形成等の過程により一部が分解される。したがって、嫌気性発酵槽の上流側にこれらの前工程を行う前処理槽を設けることもできる。この前処理槽ではメタンバクテリアなどを含んだ発酵液を使用せず、有機資源そのものの自己消化で前工程を終えることができる。
【0026】
浮き草栽培槽は、栽培液を保持する上端開口のプール状の槽である。浮き草は栽培液の水面に浮遊し、栽培液から肥料成分と水を吸収し、大気中の炭酸ガスを吸収して太陽光のエネルギーで炭酸同化作用を行う。これにより浮き草は生育し、また、子株、孫株を作って増殖する。
【0027】
浮き草栽培槽は、栽培液の温度を適正に保つための加熱装置を有することが好ましい。適正な温度は栽培する浮き草に依存するが、例えばホテイアオイでは15℃以上、より好ましくは20℃程度である。加熱装置をもたないと、日本では冬場に浮き草を増殖させることができなくなり、年間を通じての栽培が困難になる。また、浮き草栽培槽は、温室内に設けられるのが好ましい。ガラス温室あるいはビニール温室により、空気の温度が高く維持されるため、温度低下による浮き草の増殖速度の低下を抑制することができる。
【0028】
本発明の有機資源のリサイクル装置は、前記バイオガスを燃料とする発電機と、該発電機で得られる排熱を用いて前記浮き草栽培槽が保持する栽培液を加熱する加熱装置と、を有してもよい。発電機の出力は、既存の電力会社の送電系統と連係してもよいし、リサイクル装置内の電気設備、例えば後述する乾燥装置や照明設備に連結してもよい。装置内で使い切れない余剰電力を、送電系統を経由して売電するようにすれば、バイオガスを安定して消費することができる。また、排熱の用途として、加熱装置の他に乾燥装置にも適用できる。
【0029】
本発明の有機資源リサイクル装置は、前記浮き草栽培槽で得られた前記浮き草を乾燥して乾燥草とする乾燥装置を有してもよい。乾燥装置は、例えば戴置手段と、乾燥手段と、捕集手段と、屋根手段と、で構成することができる。戴置手段は、浮き草を浮き草栽培槽から乾燥手段に移送する手段であり、例えば浮き草を引っ掛けて移送するフックをもつエンドレスベルトをもつ移送用コンベア装置を用いることができる。乾燥手段は、浮き草の水分を除去して乾燥させる手段であり、自然乾燥装置あるいは機械乾燥装置などを用いることができる。前者には、例えば浮き草が載置されて乾燥されるエンドレスベルトをもつ乾燥用コンベア装置がある。後者には、例えば温風式の乾燥装置がある。屋根手段は、乾燥中の浮き草が雨に濡れるのを避ける手段であり、例えば温室等の屋根部分を利用してもよい。捕集手段は、浮き草を乾燥させた乾燥草を集めて、梱包などの次工程に移送するための手段であり、例えば回収箱を用いることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の有機資源のリサイクル方法は、有機資源を嫌気性発酵させてバイオガスと消化液とを得る嫌気性発酵工程と、消化液を肥料とする浮き草栽培工程と、を含む。このため、有機資源に含まれる肥料成分を有効にリサイクルすることができ、かつ有機資源の放出を不要として環境保護にも貢献できる。さらに、バイオガスを燃料とする発電工程と、発電工程で得られる排熱で栽培液を加熱する栽培液加熱工程と、浮き草を乾燥させる乾燥工程と、を含む方法によれば、リサイクルにより得られる生成物を有効利用して、浮き草及び乾燥草を経済的に引き合うように生産することができる。
【0031】
また、嫌気性発酵槽と浮き草栽培槽とを有する本発明の有機資源のリサイクル装置は、上記リサイクル方法を実現できる。さらに、発電機と加熱装置と乾燥装置とを有する本発明の有機資源のリサイクル装置は、上記浮き草及び乾燥草の経済的な生産を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明を実施するための最良の形態を、図1及び図2を参考にして説明する。図1は、本発明の実施例の活性汚泥のリサイクル方法を示す工程図である。図1で、各工程は矩形で囲んで示し、原材料や生成物は長円形で囲むとともに、矢印で流れを示している。実施例の活性汚泥のリサイクル方法1は、嫌気性発酵工程2、浮き草栽培工程3、発電工程4、栽培液加熱工程5、乾燥工程6、の合計5工程で構成されている。
【0033】
嫌気性発酵工程2では、有機資源である活性汚泥21を原料として、メタンバクテリアなどの微生物の消化分解作用により、バイオガス23と消化液22とを生成する。活性汚泥21中に含まれる炭素などのエネルギー成分は、主にメタンガスとしてバイオガス23に回収される。また、消化液22にはリン化合物や窒素化合物などの肥料成分が含まれる。消化液22は、浮き草栽培工程3で使用されるが、余剰分は濃度調整や成分調整を施すことにより、液体肥料として外部に供給することもできる。
【0034】
発電工程4では、嫌気性発酵工程2で生成されたバイオガス23を燃料として発電し、電力41を得る。発電の方式としては、バイオガス23を燃焼させて機械的動力を得る一般的な原動機方式でよい。その他、蒸気タービン方式などでもよく、設備規模にあわせて適正な発電方式とすることができる。得られた電力41は、乾燥工程6などに用いることができ、また外部に供給するようにしてもよい。発電時の副産物として得られる排熱42は、栽培液加熱工程5で利用される。このため、発電工程4の総合効率は高く、環境保護上好ましい。
【0035】
栽培液加熱工程5では、発電工程4で得られる排熱42を用いて浮き草栽培工程3で使用する栽培液を加熱する。加熱された栽培液51の温度は、例えばホテイアオイの栽培では15℃以上、より好ましくは20℃程度に保持される。なお、気温の高い夏期は、排熱42を用いなくともよい。
【0036】
浮き草栽培工程3では、加熱された栽培液51と消化液22とを用いて浮き草32を栽培する。栽培に際しては、元となる親株31が必要であるが、一旦栽培が始まれば株分かれが進行するため、種蒔きに相当する定期的な作業は不要である。また、不足する養分や水を適宜補充する作業が必要となる。栽培にされた大量の浮き草32は収穫され、次の乾燥工程6に供給される他、そのまま飼料として出荷することもできる。
【0037】
乾燥工程6では、収穫された浮き草32を乾燥させて乾燥草61を生産する。乾燥に際しては、発電工程4で得られた電力41及び/または排熱42を利用することができるが、自然乾燥でもよい。生産された乾燥草61は、乾燥飼料として出荷することができる。
【0038】
図1に示される活性汚泥21のリサイクル方法1を実施する装置が、図2に示される活性汚泥リサイクル装置15である。活性汚泥リサイクル装置15は、嫌気性発酵槽25、前処理槽26、貯留タンク75、浮き草栽培槽35、発電機45、加熱装置55、乾燥装置65、と付帯器具により構成されている。
【0039】
嫌気性発酵槽25には、化学的に安定し耐候性に優れた例えば金属製の堅牢な密閉タンク250を用いることができる。密閉タンク250の側壁下部には活性汚泥21を導入する汚泥導入口251が設けられ、側壁上部には生成されるバイオガス23を導出するガス導出口253が設けられ、側壁中間高さには生成される消化液22を導出する消化液導出口252が設けられている。さらに密閉タンク250の底部には排出弁254が設けられている。密閉タンク250の内部には、メタンバクテリアなどを含む発酵液の供給手段が設けられ、生成されるバイオガス23は密閉タンク250の上部に蓄積し、消化液22は有機汚泥21の上側に分離するようになっている。
【0040】
前処理槽26は、嫌気性発酵槽25に隣接して配設され、汚泥導入管261及び汚泥導入ポンプ262を介して、汚泥導入口251に連通している。前処理槽26には、上方に開口部263をもつ開放タンク260を用いることができる。そして、活性汚泥21は、開口部263から開放タンク260に導入されて前処理が施された後、汚泥導入ポンプ262により、嫌気性発酵槽25に導かれるように構成されている。
【0041】
貯留タンク75は、嫌気性発酵槽25に隣接して配設され、ガス導出管753を介してガス導出口253に連通し、消化液導出管752を介して消化液導出口252に連通している。貯留タンク75には、堅牢な密閉タンク750を用いることができる。そして、嫌気性発酵槽25内のバイオガス23は、圧力差によりガス導出管753内を自然に流れて貯留タンク75に移動し、貯留されるようになっている。また、嫌気性発酵槽25内の消化液22は、消化液導出口252に近い上澄み液から順に流れ出て、消化液導出管752を通って貯留タンク75に移動し、貯留されるようになっている。本実施例では、貯留タンク75は共通に1基としたが、バイオガス23用と消化液22用にそれぞれ、合計2基設けてもよい。
【0042】
浮き草栽培槽35は、貯留タンク75に隣接した温室352内に配設されている。浮き草栽培槽35には、上方に開口したプール状の水槽350を用いることができる。水槽350の内部には栽培液351が満たされ、栽培する浮き草32が液面を浮遊している。さらに、水槽350の上方へは、貯留タンク75の側壁下部から液肥移送管353が配管されている。液肥移送管353の中間には、液肥導入ポンプ354及び開閉弁355が配設され、消化液22が貯留タンク75から浮き草栽培槽35に適量供給されるようになっている。浮き草栽培槽のさらに詳細な構成や付帯器具の例は、実施例の項目で説明する。
【0043】
発電機45は、原動機451と、発電機本体452とで構成されている。原動機451は、ガス移送管453を介して貯留タンク75に連通し、バイオガス23が燃料として供給されるようになっている。原動機451では、バイオガス23が燃焼し、熱エネルギーが機械的エネルギーに変換される。原動機451と発電機本体452との間は、動力伝達ベルト454あるいは共通シャフトによって連結され、機械的エネルギーが伝達されている。発電機本体452では、機械的エネルギーが電気的エネルギーに変換されて電力41が生成され、出力端子455から出力される。発電機45で電力41に変換できなかったエネルギーの大部分は排熱42となる。この排熱42を回収するために熱交換器456が付設されている。
【0044】
加熱装置55は、栽培液351を加熱するものであり、浮き草栽培槽35の下側あるいは近傍に設けられている。加熱装置55と、発電機45の熱交換器456との間は、熱移送配管551により往復連結されている。熱移送配管551内には熱移送流体が往復して流れ、発電時に発生する排熱42を加熱装置55に移送している。移送された排熱42は、加熱装置55により栽培液351に伝達されて、液温が上昇するようになっている。熱移送流体には、比熱が大きく粘性抵抗の小さい冷媒液や水が用いられる。
【0045】
乾燥装置65は、浮き草栽培槽35に隣接して配設されている。乾燥装置65は、移送用コンベア装置651と、乾燥用コンベア装置652と、回収箱653と、屋根654と、で構成されている。移送用コンベア装置651は、栽培液351中に配設される下部ローラと、大気中に配設される上部ローラと、2つのローラ間に傾斜して張設されるメッシュ状のエンドレスベルトと、で形成されている。そして、エンドレスベルトは、図略の駆動源によりコンベア装置のごとくローラ間を回転するようになっている。乾燥用コンベア装置652は、水平方向に浮き草をゆっくり移送しながら乾燥させるコンベアである。本実施例では、コンベアを上下4段に、かつ各段ごとに左右にずらして配設している。
【0046】
浮き草32は、図2中に破線の矢印で示されるように、栽培液351の水面に浮かんだ状態から移送用コンベア装置651のエンドレスベルトにより漉し取られる。漉し取られた浮き草32は、上部ローラに向かって移送され、上部ローラを越えて落下し、乾燥用コンベア装置652の最上段のコンベアに戴置される。浮き草32は、最上段のコンベアによってゆっくり水平に移動しながら乾燥し、コンベアの終端で2段目に落下する。2段目のコンベアは浮き草を逆方向に水平移動させながら乾燥させ、最終的には4段で左右に2往復する工程で乾燥が終了するようになっている。最下段のコンベアの終端の下部には回収箱653が配設され、乾燥の終了した浮き草32(すなわち乾燥草61)が回収箱653の中に落下して、自動的に捕集されるようになっている。屋根654は、乾燥中の浮き草32が雨に濡れるのを避けるように配設されている。
【0047】
なお、浮き草32の乾燥に発電機45の電力41及び/または排熱42を用いることもできる。
【0048】
上述のように構成された実施例の活性汚泥リサイクル装置15は、次のように作用して活性汚泥21をリサイクルし、また飼料となる浮き草32及び乾燥草61を生産する。
【0049】
まず、前処理槽26の開口部263から、下水処理施設で余剰となった活性汚泥21を導入する。すると、活性汚泥21の自己消化により、加水分解、酸化作用、酢酸形成等の前処理が進行する。前処理を終了した活性汚泥21は、汚泥導入ポンプ262により、汚泥導入管261、汚泥導入口251を経て嫌気性発酵槽25の密閉タンク250に導かれる。密閉タンク250内では、活性汚泥21にメタンバクテリアなどを含む発酵液が加えられて消化分解が進み、バイオガス23及び消化液22が生成される。バイオガス23は密閉タンク250の上部空間に蓄積し、圧力が増加するとガス導出口253からガス導出管753を経て、貯留タンク75の密閉タンク750に移動する。また、消化液22も、上澄み液から順に消化液導出口252及び消化液導出管752を経て、貯留タンク75の密閉タンク750に移動する。バイオガス23及び消化液22は貯留タンク75内に、一時的に貯留される。
【0050】
一方、浮き草栽培槽35の水槽350には栽培液351が満たされており、栽培する浮き草32の親株31が浮かべられる。そして、浮き草32の増殖及び生育に必要な養分を補給するために、消化液22が液体肥料として施される。消化液22は、液肥導入ポンプ354により、貯留タンク75から液肥移送管353を経て水槽350に適量移送され、栽培液351に加えられる。
【0051】
また一方、貯留タンク75のバイオガス23は、ガス移送管453を経て発電機45の原動機451に移送される。原動機451では、バイオガス23を燃料として燃焼させ、機械的動力を生成している。この機械的動力は、動力伝達ベルト454によって発電機本体452に伝達されている。発電機本体452では、電磁誘導の原理により交流の電力41が生成され、出力端子455から出力されている。発電機45で電力41に変換されなかったエネルギーの大部分は排熱42となり、熱交換器456の熱移送流体に蓄積され回収されている。熱移送流体は、熱移送配管551により加熱装置55に移送され、排熱42が水槽350内の栽培液351に移される。これにより、栽培液351が加熱される。
【0052】
上述のように、浮き草栽培槽35の栽培液351には消化液22が加えられ、かつ加熱される。さらに、浮き草栽培槽35は温室352内に配設されているため気温も暖かく保持されている。このため、浮き草32の増殖及び生育は促進される。生育した浮き草32は、一部をそのまま飼料として出荷することができる。また、浮き草32の残りは、次代の親株31となる分を除いて乾燥装置65に移送される。
【0053】
乾燥装置65では、まず移送用コンベア装置651が作動し、エンドレスベルトが栽培液351中の浮き草32を漉し取って上部ローラまで移送する。浮き草32は上部ローラを越えて落下し、乾燥用コンベア装置652上に戴置される。次に、乾燥用コンベア装置652が作動すると、浮き草32は4段のコンベア上で順番に左右に2往復して乾燥され、乾燥草61が生産される。乾燥草61は、乾燥用コンベア装置652から回収箱653の中に落下して自動的に捕集され、乾燥飼料として出荷される。
【0054】
以上説明したように、実施例の活性汚泥リサイクル装置15によれば、下水処理施設で余剰となった活性汚泥21をリサイクルして有効活用し、飼料としての浮き草32及び乾燥草61を生産でき、さらに電力41も生成することができる。
【実施例】
【0055】
浮き草栽培槽のさらに詳細な構成及び付帯器具について、図3〜図6を参考にして説明する。図3は、本発明の別の実施例の浮き草栽培槽85を上方から見た鳥瞰図である。浮き草栽培槽85は、水槽850、ガイド壁860、収穫手段870、液管理装置880で構成されている。
【0056】
水槽850は上方の開いた底の浅い箱形をしている。水槽850は、図4の浮き草栽培槽85の垂直断面図に示されるように、海面L上に設けることもできる。海面L上の水槽850は、側面を形成するフレーム851と底部を形成するシート852とで構成されている。
【0057】
フレーム851は海面L上に浮かび、海面Lを矩形に囲んでいる。フレーム851は、断面矩形の強固な枠体853と、枠体853に内蔵され内部空間を持つ浮体854とで構成され、全体の比重が1未満に形成されている。フレーム851の断面形状は矩形に限らず円形その他でもよく、構成部材も限定されず比重が1未満の木材や中空の樹脂などを用いてもよい。
【0058】
シート852は、フレーム851が囲んだ矩形の海面L全面を覆っている。シート852の周縁端部は上方に折り曲げられて箱形とされ、フレーム851の内側上部に固定されている。シート852には、柔軟で水密性のあるゴムシートなどを用いることができる。水槽850の箱形のシート852内部には栽培液351が適量保持されている。栽培液351の増減により水槽850の喫水線は上下するが、シート852の周縁端部は喫水線の上限よりもさらに上側とされ、海水の浸入は阻止されている。
【0059】
ガイド壁860は、水槽850内の栽培液351の液面を、所定幅を有し一端861から終端862に延びる屈曲した帯状に区画して液路を形成している。液路は、図3の左下隅を一端861として、右に向かってジグザグ状に延びて右下隅に達した後、右上隅、左上隅を経て、左下隅を終端862としている。一端861と終端862との間には収穫手段870が設けられている。
【0060】
海面L上に浮かぶ水槽850では、ガイド壁860は、栽培液351の液面に浮かぶ浮き頭部863と、浮き頭部863より下方に垂れ下がり底部のシート852に固定される壁部864と、からなっている。浮き頭部863には、中空の浮体や発泡スチロールなどを用いることができる。壁部864には、シート852と同じゴムシートなどを用いることができる。なお、壁部864の下部とシート852との間は、密着して固定する必要はなく、栽培液351の往来があっても許容される。
【0061】
収穫手段870は、図3に示されるように、水槽850の左下隅に設けられ、ガイド壁860により形成された液路の終端862に誘導される浮き草32を収穫できるように配置されている。図5は、収穫手段870の垂直断面図である。図5に示されるように、収穫手段870は、箱体871、下部ローラ872、上部ローラ873、図略の駆動源、エンドレスベルト874、移送コンベヤ875、とで構成されている。
【0062】
箱体871は、栽培液351の液路の終端862に連通し海水に対して水密性を持つ箱状の部材である。箱体871は、収穫手段870を構成する各部材を支持するとともに、後述の液管理装置880の主要部を内蔵している。下部ローラ872は箱体871内の栽培液351中に配設され、上部ローラ873は下部ローラ872の斜め上方の大気中に配設されている。エンドレスベルト874は、2つのローラ872、873間に傾斜して張設されている。そして、図略の駆動源が上部ローラ873を駆動すると、上部ローラ873は図中右回転して、エンドレスベルト874もローラ872、873間をコンベヤの如く図中右回転する。なお、駆動源は連続使用、定期的な間欠使用、任意の操作による使用、のいずれにも対応できるようになっている。
【0063】
エンドレスベルト874は、一面に孔を有するメッシュ状の部材で形成されるとともに、多数の起立するピン876を備えている。移送コンベヤ875は物品を移送する一般的なベルトコンベヤであり、箱体871の上面に配置され、一方877が上部ローラ873の下側に、他方878が水槽850よりも外側にまで懸架されている。
【0064】
液管理装置880は、栽培液351の取り込み口881、ポンプ882、送液管883、肥料手段890、液誘導手段900、で構成されている。図6は、液管理装置880の主要部を示す説明図である。取り込み口881は、収穫手段870または液路の終端862の底部に連通しており、栽培液351を取り込むことができる。ポンプ882は、取り込み口881から栽培液351を取り込み、送液管883に圧送するものである。ポンプ882から出た送液管883の途中には三方弁の送液バルブ885が設けられ、圧送先を水槽850と排出口886とに切り替えられるようになっている。排出口886は、降雨などが流入して過剰となった栽培液351を排出するためのものである。
【0065】
肥料供給手段890は、肥料タンク891と肥料バルブ892とで構成されている。肥料タンク891には、消化液22では補給できない養分を濃い濃度で含む液体肥料が貯蔵されている。肥料バルブ892は肥料タンク891と送液管883との間を開閉するものであり、開くことにより液体肥料が栽培液351中に流入するようになっている。
【0066】
送液バルブ885及び肥料バルブ892の開閉操作と、ポンプ882の入り切り操作とは人手で行ってもよく、また電気的な制御装置により行うこともできる。電気的な制御装置を用いる場合には、送液バルブ885及び肥料バルブ892を電磁弁とし、液面検出部、液質検出部、流れ検出部などを付属するのが好ましい。これらの検出部により、栽培液351の液面レベルや養分含有濃度、流れの状態を検出することができ、自動制御によって栽培液351を適正な栽培条件に管理することができる。なお、栽培条件に関与する気温なども検出して参照し、制御条件に反映するようにしてもよい。
【0067】
液誘導手段900には、栽培液351を噴出するノズルが用いられる。液誘導手段900は、図3に示されるようにガイド壁860により形成される液路の屈曲部に複数設けられ、ポンプ882から圧送される栽培液351を図中矢印方向の液中または気中に噴出すように構成されている。これにより、栽培液351は全体として液路の一端861から他端862に向かって流れ、浮き草32を収穫手段870へと誘導することができる。
【0068】
なお、液管理装置880は、栽培液351の蒸発による不足を補うための給水タンクあるいは真水生成装置を備え、バルブを介して送液管883に連通するように構成してもよい。給水タンクは雨水を貯留するものであり、水槽850に隣接して海面上に浮かべて設置することができる。また、真水生成装置は、海水から真水を精製する装置である。給水タンクあるいは真水生成装置を備えることにより、降水量の少ない地域への適用も可能となる。さらに、海面L上の浮き草栽培槽85には、波しぶきを防ぐ防波堤や、特定の地点に繋ぎ止めるための繋留装置、移動のための推進装置などを備えてもよい。
【0069】
実施例の浮き草栽培槽85では、ガイド壁860により一端861から終端862に延びる屈曲した液路が形成されている。さらに、液誘導手段900により栽培液351に流れが形成され、栽培槽85全体で均一化された良好な栽培条件が得られるようになっている。これにより、浮き草32を効率的に自動で栽培するとともに、スムーズに収穫手段870に誘導することができる。また、収穫手段870を備えることにより、栽培だけでなく収穫作業までも自動で行え、生産性は極めて高い。さらに、海面L上の浮き草栽培槽85では、内側の栽培液351と外側の海水とが力学的に釣り合うため、小さな機械強度で水槽850を形成することができる。また、設置用地の制約がないので、適切な規模とすることが容易である。このように多くの点で優れた栽培槽85となっている。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施例の活性汚泥のリサイクル方法を示す工程図である。
【図2】図1のリサイクル方法を実施する活性汚泥リサイクル装置を示す説明図である。
【図3】本発明の別の実施例の浮き草栽培槽を示す鳥瞰図である。
【図4】図3の実施例の垂直断面図である。
【図5】図3の実施例における収穫手段を示す垂直断面図である。
【図6】図3の実施例における液管理装置の主要部を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1:活性汚泥のリサイクル方法
2:嫌気性発酵工程
21:活性汚泥(有機資源) 22:消化液 23:バイオガス
3:浮き草栽培工程
31:親株 32:浮き草
4:発電工程
41:電力 42:排熱
5:栽培液加熱工程 51:加熱された栽培液
6:乾燥工程 61:乾燥草
15:活性汚泥リサイクル装置
25:嫌気性発酵槽 26:前処理槽
35:浮き草栽培槽 45:発電機
55:加熱装置 65:乾燥装置
75:貯留タンク
85:浮き草栽培槽
850:水槽 860:ガイド壁
870:収穫手段 880:液管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機資源を嫌気性発酵させてメタンガスを含むバイオガスと肥料成分を含む消化液とを得る嫌気性発酵工程と、
得られた該消化液を少なくとも一部の肥料として浮き草を栽培する浮き草栽培工程と、
を含むことを特徴とする有機資源のリサイクル方法。
【請求項2】
前記バイオガスを燃料として発電する発電工程と、該発電工程で得られる排熱を用いて前記浮き草栽培工程で使用する栽培液を加熱する栽培液加熱工程と、を含む請求項1記載の有機資源のリサイクル方法。
【請求項3】
前記有機資源は活性汚泥であり、前記浮き草はホテイアオイである請求項1または2記載の有機資源のリサイクル方法。
【請求項4】
前記浮き草栽培工程で得られた前記浮き草を乾燥して乾燥草とする乾燥工程を含む請求項1〜3記載の有機資源のリサイクル方法。
【請求項5】
前記発電工程で得られる電力及び/または前記排熱を前記乾燥工程で使用する請求項1〜4記載の有機資源のリサイクル方法。
【請求項6】
有機資源を導入する資源導入口と、生成されるバイオガスを導出するガス導出口と、生成される消化液を導出する消化液導出口と、をもつ嫌気性発酵槽と、
該消化液が導入され、浮き草を栽培する浮き草栽培槽と、
を有することを特徴とする有機資源のリサイクル装置。
【請求項7】
前記バイオガスを燃料とする発電機と、該発電機で得られる排熱を用いて前記浮き草栽培槽が保持する栽培液を加熱する加熱装置と、を有する請求項6記載の有機資源のリサイクル装置。
【請求項8】
前記有機資源は活性汚泥であり、前記浮き草はホテイアオイである請求項6または7記載の有機資源のリサイクル装置。
【請求項9】
前記浮き草栽培槽で得られた前記浮き草を乾燥して乾燥草とする乾燥装置を有する請求項6〜8記載の有機資源のリサイクル装置。
【請求項10】
前記発電機で得られる電力及び/または前記排熱を前記乾燥装置で使用する請求項6〜9記載の有機資源のリサイクル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−305467(P2006−305467A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131636(P2005−131636)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(593016237)
【Fターム(参考)】