説明

有機電界発光表示装置

【課題】携帯用端末に備えられる平板表示装置としての有機電界発光表示装置において、同一面に第1ディスプレイパネル及び第2ディスプレイパネルが備えられ、前記第1及び2ディスプレイパネルの上面に一体型タッチパネルが形成され、前記第1及び第2ディスプレイパネルが1つの制御部により制御される。
【解決手段】本発明は、 同一面に形成された第1ディスプレイパネル(100)及び第2ディスプレイパネル(102)と、前記第1及び第2ディスプレイパネル(100,102)上に一体に形成されたタッチパネル(200)と、前記タッチパネル(200)を駆動させるタッチパネル制御部(300)と、前記第1及び第2ディスプレイパネル(100,102)を制御するディスプレイ制御部(400)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機電界発光表示装置に関し、特に、同一面に第1ディスプレイパネル及び第2ディスプレイパネルが備えられ、前記第1及び2ディスプレイパネルの上面に一体型タッチパネルが形成される有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、携帯電話又はPDAなどの携帯用端末の急速な普及により、多くの人が携帯用端末を用いている。また、前記携帯用端末の携帯性を向上させるために、携帯用端末の小型化、スリム化、軽量化が持続的に進められている。これにより、前記携帯用端末に装着される部品が小型化、半導体集積化されている。
【0003】
但し、このような携帯用端末の小型化傾向にも拘らず、携帯用端末に搭載されるディスプレイ、即ち、表示装置はユーザの便宜を図るために、1つ以上備えられることが要求されている。
【0004】
これにより、近年、携帯用端末に搭載される表示装置は、メインディスプレイ部と、サブディスプレイ部とに区分されて機構的に前記携帯用表示装置の両面に備えられるのが一般的である。ここで、メインディスプレイ部は通話情報を含む多様な映像を表示し、サブディスプレイ部は時計、文字によるお知らせ、電話受信のお知らせなどの簡単な情報のみを表示する。
【0005】
また、前記携帯用端末に搭載される表示装置としては、LCDなどのような平板表示装置(Flat Panel Display)が用いられる。平板表示装置は既存のCRTに比べて厚さが薄くて広い空間を必要としない上に、電力の消耗が少ないことから、前記携帯用端末のディスプレイ条件を備えているといえる。
【0006】
しかしながら、このような従来の構造による場合、前記サブディスプレイ部は単純な機能のため、活用度が低下してしまうという短所がある。即ち、ユーザの立場ではメインディスプレイ部を通じてのみメニューの選択、文字の伝送、DMB受信、写真撮影、画像通話などの特定アプリケーションの実現が可能である。そして、メインディスプレイ部と異なる面に備えられるサブディスプレイ部を通じては、前述した単純な機能以外に前記メインディスプレイ部のような多様なアプリケーションが困難であるという問題点がある。
【特許文献1】韓国特許公開第2007−0045868号
【特許文献2】韓国特許公開第2001−0083787号
【特許文献3】特開2007−109240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、携帯用端末に備えられる平板表示装置としての有機電界発光表示装置において、同一面に第1ディスプレイパネル及び第2ディスプレイパネルが備えられ、前記第1及び2ディスプレイパネルの上面に一体型タッチパネル(Touch Screen Panel、TSP)が形成され、前記第1及び第2ディスプレイパネルが1つの制御部により制御される有機電界発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明の一側面による有機電界発光表示装置は、同一面に形成された第1ディスプレイパネル及び第2ディスプレイパネルと、前記第1及び第2ディスプレイパネル上に一体に形成されたタッチパネルと、前記タッチパネルを駆動させるタッチパネル制御部と、前記第1及び第2ディスプレイパネルを制御するディスプレイ制御部とを含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記第1及び第2ディスプレイパネルは、複数の薄膜トランジスタ及び発光素子が含まれている画像表示部が形成された第1基板と、前記第1基板上に形成されて前記画像表示部を封止する封止基板とを含んで構成されることを特徴とする。
【0010】
更に、前記タッチパネルは前記封止基板上に一体に形成され、前記封止基板の一面に形成される透明電極と、前記透明電極のエッジ又は各辺に形成された金属電極と、前記封止基板の上面に形成された偏光フィルムとを含んで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯用端末に備えられた2つ以上のディスプレイパネルが一面に形成され、多数のディスプレイパネル上に1つの一体型タッチパネルが形成される。これにより、携帯用端末ユーザの便宜を図り、それぞれのディスプレイパネル上に別途のタッチパネルを形成することに比べて生産コストを低減できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
下記の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態だけを詳細に記載します。本発明の技術分野において通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で下記の実施形態を多様に変形できる。従って、添付する図面と説明は、本発明を説明するだけであって、これに限定されない。また、1つの構成要素が他の構成要素と「接触している(on)」ということはそれがその他の構成要素と直接接触したり、1つ以上の要素を2つの間に介在させて間接的に接触していることを意味する。また、ある要素が他の要素に「結合されている」ということは、それがその他の要素に直接的に連結されているか、1つ以上の要素を2つの間に介在させて間接的に連結されていることを意味する。以下では、同じ参照番号は同じ構成要素を意味する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態による有機電界発光表示装置を概略的に示すブロック図である。
【0014】
図1を参照すれば、本発明の実施形態による有機電界発光表示装置は、同一面に形成された第1ディスプレイパネル100及び第2ディスプレイパネル102と、タッチパネル200と、タッチパネル制御部300及びディスプレイ制御部400が含まれて構成される。ここで、タッチパネル(Touch Screen Panel、TSP)200は第1及び第2ディスプレイパネル上に一体に形成され、タッチパネル制御部300はタッチパネルを駆動させる。そして、ディスプレイ制御部400は第1及び第2ディスプレイパネルを制御する。
【0015】
このような本発明の実施形態による有機電界発光表示装置の概略的な動作を説明すれば、以下の通りである。
【0016】
まず、ディスプレイ制御部400により第1ディスプレイパネル100に備えられた画像表示部にメニュー画面が表示されると、ユーザは出力されたメニュー画面のうち、特定メニューを選択するために第1ディスプレイパネル100上部に形成されたタッチパネル200の一領域を接触することで、これを選択する。
【0017】
これにより、前記タッチパネル200は接触した地点に対する情報をタッチパネル制御部300に伝達する。このとき、前記情報はその地点に対する電圧情報などのアナログ信号であり、タッチパネル制御部300はこのようなアナログ信号をデジタル信号に変換してディスプレイ制御部400に伝送する。
【0018】
これにより、ディスプレイ制御部400は入力を受けたデジタル信号を処理して第1及び/又は第2ディスプレイパネル100、102にこれに対応するデータを出力する。これを通じてユーザは自分の選択による結果を第1及び/又は第2ディスプレイパネルの画像表示部を介して確認できる。
【0019】
このとき、第1ディスプレイパネル100及び第2ディスプレイパネル102は、有機電界発光表示パネルで実現される。
【0020】
また、第1及び第2ディスプレイパネル上に1つのタッチパネル200が前記ディスプレイパネル100、102と一体に形成されることを特徴とし、これについては下記の図2を通じてより詳細に説明する。
【0021】
このような本発明の実施形態による構造によれば、第1及び第2ディスプレイパネル100、102が一面に形成され、第1及び第2ディスプレイパネル100、102上に1つの一体型タッチパネル200が形成される。これにより、メインディスプレイと、サブディスプレイの区分がなくなり、ユーザの側面で第1及び第2ディスプレイパネル100、102を用いて多様なアプリケーションを駆動できるようになる。また、それぞれのディスプレイパネル上に別途のタッチパネルを形成することに比べて生産コストを低減できるようになる。
【0022】
図2は、図1に示した第1及び第2ディスプレイパネル及びタッチパネルの一領域に対する断面図である。
【0023】
図2を参照すれば、有機電界発光表示装置は、第1基板111と、封止基板140と、タッチパネル200とを含んで構成される。ここで、第1基板111は第1及び第2ディスプレイパネルの画像表示部110がそれぞれ形成され、封止基板140は第1基板に形成された画像表示部を封止するために第1基板の上部に形成される。そして、タッチパネル200は封止基板上に一体に形成される。
【0024】
このとき、図2の場合、第1及び第2ディスプレイパネルの各画像表示部が同じ第1基板111上に形成され、それぞれの画像表示部を封止するために同じ封止基板140が備えられるものと説明している。しかしながら、これは説明の便宜のための1つの実施形態に過ぎず、前記第1及び第2ディスプレイパネルの画像表示部は別途の基板上にそれぞれ形成されることができ、これにより、前記封止基板も別途に形成されることができる。
【0025】
但し、タッチパネル200は、前記第1及び第2ディスプレイパネル上、即ち、封止基板が1つで実現されるか否かに関係なく、少なくとも1つ以上の封止基板上に一体に形成されることを特徴とする。
【0026】
ここで、本発明は、二つのディスプレイ部(第1及び第2ディスプレイパネル100、102)が互いに異なる基板上に形成されることではなく、二つのディスプレイ部が一つの基板上に形成され、前記二つのディスプレイ部上に一つのタッチパネル200が一体型で形成される。本発明のディスプレイ部は、すべてOLED(有機電界発光素子)で具現されるとともに、上部基板が封止基板140により具現されて、前記封止基板111上にタッチパネル200が形成されるものです。これにより、第1基板111上に二つ以上のディスプレイパネル100、102を配置し、前記ディスプレイパネル上にタッチパネル200を形成することは、ディスプレイ部がOLEDである場合に限って可能になる。
【0027】
第1基板111上に形成されたそれぞれの画像表示部110は、複数の薄膜トランジスタ120と複数の発光素子130とを含む。即ち、第1基板111上にはバッファ層112と半導体層117が順次形成され、半導体層117上にはゲート絶縁膜113、ゲート電極121、層間絶縁膜114、ソース及びドレイン電極123及び保護膜115が形成される。このとき、薄膜トランジスタ120は半導体層117、ゲート電極120、ソース及びドレイン電極122などからなり、薄膜トランジスタ120上には保護膜115に形成されたコンタクトトホール(図示せず)を介して薄膜トランジスタ120と電気的に連結される発光素子130が形成される。
【0028】
発光素子130はアノード電極131、発光層133及びカソード電極135を含む。アノード電極131と保護膜115上には画素定義膜116が形成される。
【0029】
また、薄膜トランジスタ120及び発光素子130を含む画像表示部上には封止基板140が形成されて第1基板111と共に薄膜トランジスタ120及び発光素子130を封止する。このとき、第1基板111と封止基板140は封止材118により封止され、封止基板140は透明性を有するガラスなどのような絶縁基板で実現され得る。そして、封止基板140の下部面には封止基板140と第1基板111との間に残存する水分を吸湿する透明吸湿剤(図示せず)が設置され得る。
【0030】
本発明の実施形態は、封止基板140上にタッチパネル200が一体に形成されることを特徴とし、タッチパネル200は静電容量方式のタッチパネルで実現されることが好ましい。
【0031】
即ち、図2に示す実施形態の場合、封止基板140の上面に透明電極210がコーティングされており、透明電極210のエッジ又は各辺には金属電極220が形成されている。
【0032】
このとき、透明電極210はITO(Indium Tin Oxide)などを用いる。また、金属電極220は透明電極210周辺に抵抗ネットワークを形成する。抵抗ネットワークは透明電極210の表面全体に均等に制御信号を送出するために、線形パターンに形成される。
【0033】
一方、金属電極220の材質は銀などで実現されることができる。そして、金属電極220は透明電極210に直接シルクスクリーン印刷した後、熱処理して形成するか、一般的な導電性物質を蒸着した後にパターニングして形成する。
【0034】
そして、金属電極220を含む封止基板140の全面に偏光フィルム230が形成される。
【0035】
偏光フィルム230は柔軟性があり、外部から入射する光を選別して透過させる機能を行う。このような偏光フィルム230を介して外部光の反射を防止することで、有機電界発光表示装置を介して表示される画像の視認性を向上させることができるようになる。
【0036】
また、偏光フィルム230は導電性ペン(conductive stylus)又は指と透明電極210との電気的な短絡を防止する。従って、静電容量方式のタッチパネル200は導電性ペン又は指が偏光フィルム33の上部に位置したり、又は偏光フィルム230をタッチした場合に電圧ドロップが発生してタッチ位置を検出する。
【0037】
一方、このような静電容量方式のタッチパネル200は充電と放電を持続的に行なう。このとき、タッチパネル200の四隅にアナログ測定回路(電流センサ)を連結して充電量を測定する。このような静電容量方式のタッチパネル200は透明な金属酸化膜でコーティングされた曲面又は平面ガラスであって、均一な電界が生成されるように各コーナーに電圧が印加され、指又はペンで書くと、電圧ドロップが発生してタッチ位置を決定する。
【0038】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態による有機電界発光表示装置を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1に示した第1及び第2ディスプレイパネル及びタッチパネルの一領域に対する断面図である。
【符号の説明】
【0040】
100 第1ディスプレイパネル
102 第2ディスプレイパネル
200 タッチパネル
300 タッチパネル制御部
400 ディスプレイ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一面に形成された第1ディスプレイパネル及び第2ディスプレイパネルと、
前記第1及び第2ディスプレイパネル上に一体に形成されたタッチパネルと、
前記タッチパネルを駆動させるタッチパネル制御部と、
前記第1及び第2ディスプレイパネルを制御するディスプレイ制御部と、
を含むことを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項2】
前記第1及び第2ディスプレイパネルは、複数の薄膜トランジスタ及び発光素子が含まれている画像表示部が形成された第1基板と、
前記第1基板上に形成されて前記画像表示部を封止する封止基板と、
を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項3】
前記タッチパネルは前記封止基板上に一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項4】
前記タッチパネルは、
前記封止基板の一面に形成される透明電極と、前記透明電極のエッジ又は各辺に形成された金属電極と、前記封止基板の上面に形成された偏光フィルムとを含んで構成されることを特徴とする請求項3に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項5】
前記タッチパネルは静電容量方式で駆動されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−252738(P2009−252738A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272939(P2008−272939)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】