説明

有機ELプリンタ

【課題】有機ELパネルと感光記録媒体とを相対移動させながら露光する有機ELプリンタにおいて、露光量のバラつきを抑制し、画像の質の向上を図る。
【解決手段】主走査方向Xに配列され、かつ副走査方向Yにそれぞれ間隔を隔てて設けられた有機EL素子からなる複数ずつの発光部421R,421G,421Bを有しており、感光記録媒体Fを露光するための有機ELパネルA1と、有機ELパネルA1と感光記録媒体Fとを副走査方向Yに相対移動させるとともに、発光部421R,421G,421Bが1ピッチ分相対移動する1ピッチ送り時間TPの範囲内で発光部421R,421G,421B毎に割当て時間TR,TG,TBを設定し、発光部421R,421G,421Bを割当て時間TR,TG,TBに対応して発光駆動させる駆動制御手段と、を備えている有機ELプリンタAであって、1ピッチ送り時間TPのうち、各割当て時間TR,TG,TBのいずれもが設定されていない非発光時間TNを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL素子を有する有機ELパネルを備えて構成された有機ELプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光性の有機物質を発光層に用いた有機EL(Electroluminescent)素子は、消費電力量が小さく、自発光素子のため小型化が容易であるなどの利点があり、ディスプレイ用を始めとして、様々な分野への応用が検討されている。近年では、有機EL素子を有する有機ELパネルを備えた感光方式の有機ELプリンタが開発されている。
【0003】
有機ELプリンタの一例として、図5(a)に示すようなものがある。図示された有機ELプリンタBは、有機ELパネルB1と感光記録媒体B2とを備えている。有機ELパネルB1は、基板91上に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に発光する発光部94R,94G,94Bを各色毎に主走査方向Xに複数配列するとともに、それらを副走査方向Yに間隔を隔てて設けた構成を有している。基板91には、主走査方向Xに沿う3本の走査電極95(陰極)と、副走査方向Yに沿う複数の信号電極92(陽極)とが設けられている。各発光部94R,94G,94Bは、走査電極95と信号電極92の各交差部の間に位置している。
【0004】
各発光部94R,94G,94Bは、いわゆるパッシブマトリックス駆動方式によって駆動される。具体的には、各走査電極95に対して順次走査電圧を印加するとともに、各信号電極92に信号電圧を印加することにより、電圧印加がなされた複数の信号電極92および走査電極95の交差部間に位置する複数の発光部が、主走査方向Xに沿うライン状に発光する。感光記録媒体B2を露光する際には、有機ELパネルB1と感光記録媒体B2を副走査方向Yに相対移動させながらRGBの各色の光を感光記録媒体B2に照射すると、各色の印画ドット(潜像)が形成される。これを順次繰り返して副走査方向Yに走査させることにより、感光記録媒体B2にカラーの画像潜像が形成される。
【0005】
ところで、感光記録媒体B2に形成される画像潜像において、この画像潜像を構成する各色の印画ドットは、副走査方向Yにおいて設定された一定のピッチで形成されていることが要請される。このため、上記従来の有機ELプリンタBにおいては、図5(b)に示すように各発光部94R,94G,94Bが1ピッチ副走査方向に相対移動する時間TP(1ピッチ送り時間)に対して、これを均等に3分割してRGBの各色の駆動時間を割り当てて設定しており(以下、「割当て時間」という)、各割当て時間はTP/3とされている。このような構成によれば、各色の発光駆動の周期と1ピッチ送り時間の周期が一致するため、各色の印画ドットを感光記録媒体B2の副走査方向Yに沿った所定のピッチで形成することが容易となる。
【0006】
しかしながら、上記従来の構成によると、図5(c)に示すように、発光部は1ピッチ送り時間TPの1/3の時間において発光したまま感光記録媒体に対して相対移動しており、この間の発光部の相対移動量Pbは、1ピッチPの1/3に相当する長さ(P/3)となる。なお、同図において、発光部の1ピッチ移動後の位置を仮想線で示している。これにより、感光記録媒体に形成される印画ドットは、発光部の相対移動量Pbだけ副走査方向Yに長く、伸長して形成される。すると、印画ドットの副走査方向Yにおける両端側の広い範囲にわたり、中央から両端に向かうにつれて露光時間が発光部の発光時間よりも短くなるため、印画ドットの部位によって露光量のバラつきが大きく生じることとなる。その結果、現像後に形成される画像に濃度ムラが生じ、画像の質が低下するという問題があった。また、上記のように印画ドットが伸長した結果、副走査方向Yに隣り合う印画ドットどうしが重なる場合がある。このような場合、この重複部分が現像後の画像に筋ムラとして出現し、ひいては画像の質が低下するおそれがあった。
【0007】
【特許文献1】特開2000−103114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、有機ELパネルと感光記録媒体とを相対移動させながら感光記録媒体を露光する有機ELプリンタにおいて、露光量のバラつきを抑制し、画像の質の向上を図ることが可能な有機ELプリンタを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によって提供される有機ELプリンタは、主走査方向に配列され、かつ副走査方向にそれぞれ間隔を隔てて設けられた有機EL素子からなる複数ずつの赤色、緑色および青色発光部を有しており、感光記録媒体を露光するための有機ELパネルと、上記有機ELパネルと上記感光記録媒体とを副走査方向に相対移動させるとともに、この相対移動によって発光部が1ピッチ分副走査方向に相対移動するのに要する1ピッチ送り時間の範囲内で上記複数の赤色、緑色および青色の発光部毎に割当て時間を設定し、上記複数ずつの赤色、緑色および青色の発光部を上記割当て時間に対応して切り換えて発光駆動させる駆動制御手段と、を備えている有機ELプリンタであって、上記1ピッチ送り時間のうち、上記各割当て時間のいずれもが設定されていない非発光時間を有することを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、1ピッチ送り時間のうち、赤色、緑色および青色のいずれの発光部も発光しない非発光時間を有しているため、各発光部の割当て時間をそれぞれ1ピッチ送り時間の1/3よりも短くすることができる。このため、各発光部が発光している間の相対移動量は従来よりも小さくなり、感光記録媒体に形成される印画ドットの副走査方向への伸長が抑制される。その結果、感光記録媒体に形成される各印画ドットにおける露光量のバラつきが抑制され、現像後の画像の質の向上を図ることができる。また、このように印画ドットの伸長が抑制されると、副走査方向に隣り合う印画ドットどうしの重複に起因する筋ムラの発生を抑制することができる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記駆動制御手段は、上記複数ずつの赤色、緑色および青色の発光部のうち、発光効率が最小のものに対する割当て時間を最大とし、発光効率が最大のものに対する割当て時間を最小としている。このような構成によれば、発光部毎の発光効率が異なる場合であっても、発光部の発光効率が小さいものほど、割当て時間が長くされているため、発光部毎の感光記録媒体に対する露光量を略同一に揃えることが可能となる。その結果、現像後に形成される画像における発光色毎の濃度が均一化され、画像の質をより高めることができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1ピッチ送り時間に含まれるすべての割当て時間は、連続して設定されている。このような構成によれば、1ピッチ送り時間に含まれる非発光時間は分割されずに一体となるため、後に割当て時間を長くする必要が生じた場合においても、非発光時間の範囲内で割当て時間を長くすることが可能となる。その結果、割当て時間の配分の自由度が大きくなり、好適である。
【0013】
本発明のその他の特徴および利点については、以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
図1(a)および図2は、本発明に係る感光方式の有機ELプリンタの一例を示している。この有機ELプリンタAは、有機ELパネルA1および制御部A2を備えている。有機ELパネルA1は、感光記録媒体Fを露光するためのものであり、基板1、複数の信号電極2(陽極)、絶縁層3、有機層4、3本の走査電極5(陰極)、および封止部材6を備えている。
【0016】
基板1は、主走査方向Xに延びる平面視長矩形の平板状であり、ガラスやプラスチックフィルムなどの光透過率が高い材料で構成されている。基板1上には、複数の信号電極2、絶縁層3、有機層4、3本の走査電極5が順次積層して形成されている。
【0017】
複数の信号電極2は、副走査方向Yに延びる帯状であり、主走査方向Xに間隔を隔てて設けられている。信号電極2を構成する材料としては、ITO(酸化錫インジウム)などの透明電極材料を用いる。信号電極2は、蒸着法やスパッタリング法などにより成膜し、その後エッチングにより不用部分を除去することにより形成される。
【0018】
絶縁層3は、基板1および信号電極2上に跨るように設けられており、後述する有機層4どうしおよび走査電極5どうしの間には、帯状の絶縁リブ3aが形成されている。この絶縁リブ3aは、蒸着などの手段によって有機層4や走査電極5を信号電極2に重ねて形成するときに、これらを分離し、かつ絶縁する役割を果たすものである。ただし、各有機層4や各走査電極5を形成するときに蒸着マスクを利用することにより、絶縁リブ3aを用いることなくこれらを分離することもできる。したがって、絶縁リブ3aが設けられていない場合もある。
【0019】
有機層4は、主走査方向Xに延びる帯状であり、たとえば正孔輸送層41、発光層42、および電子輸送層43の3層からなる。有機層4は、副走査方向Yに間隔を隔てて3箇所に分離して形成されている。発光層42については、分離形成された各有機層4に対応して赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に発光するR発光層42R、G発光層42GおよびB発光層42Bから構成されている。有機層としては、この他にも、正孔注入層や電子注入層を加えた多層構造や、発光層のみからなる単層構造などの種々の構成をとり得る。
【0020】
3本の走査電極5は、各発光層42R,42G,42Bのそれぞれの上に主走査方向Xに延びる帯状に形成されている。走査電極5は、Alなどの導電率の高い金属を蒸着法やスパッタリング法などにより成膜し、フォトリソグラフィ法により不用部分を除去することにより形成される。
【0021】
各信号電極2および各走査電極5は、制御部A2と導通接続されている。制御部A2は、外部から伝送された画像データに基づいて、この制御部A2に含まれる複数の駆動IC(図示略)を介して、各信号電極2および各走査電極5に電圧印加を行なうためのものである。後述する各発光部421R,421G,421Bは、線順次方式によるパッシブマトリックス駆動により発光するように構成されている。すなわち、制御部A2からは、複数の信号電極2に対して一定の信号電圧がクロックパルスに同期して入力され、3本の走査電極5に対して順次走査電圧が印加される。感光記録媒体Fの露光時には、信号電極2および走査電極5に挟まれた発光層42において、正孔と電子が結合して発光する。このようにして各発光層42R,42G,42Bにおいて発光する部分が、それぞれ複数ずつのR発光部421R、G発光部421GおよびB発光部421Bとして機能する。
【0022】
封止部材6は、信号電極2、絶縁層3、有機層4および走査電極5を収容する凹部6aが形成されたものであり、たとえば接着剤を介して基板1に接着することにより設けられている。封止部材6により、外部から封止部材6内への水分の浸入が抑制される。これにより、走査電極5や有機層4などの劣化が抑制される。
【0023】
感光記録媒体Fの露光は、図2に示されているように、たとえば感光記録媒体FをプラテンローラPによって基板1に押圧した状態で、感光記録媒体Fを副走査方向Yに一定の速度で移動させながら、複数ずつの発光部421R,421G,421Bを順次発光駆動させることにより行なわれる。ここで、各発光部421R,421G,421Bが感光記録媒体Fに対して副走査方向Yに所定の1ピッチ相対移動する間(1ピッチ送り時間)に各発光部421R,421G,421Bがそれぞれ1回ずつ発光するように、1ピッチ送り時間の範囲内において発光部421R,421G,421B毎に電圧印加をするための割当て時間が設定されている。そして、各割当て時間の周期を1ピッチ送り時間の周期に同期させて、主走査方向Xに沿ったライン状の光を発光色毎に順次照射させると、感光記録媒体Fには発光色毎に一定ピッチの印画ドット(潜像)が形成される。このようにして、感光記録媒体Fの所定の領域にカラーの画像潜像が形成される。
【0024】
図1(b)は、1ピッチ送り時間における発光部毎の印加電圧波形の一例を示す図である。同図に示すように、R発光部421Rに対応する割当て時間TRと、1ピッチ送り時間TPの開始時期とが揃えられており、G発光部421G,B発光部421Bに対応する割当て時間TG,TBは、割当て時間TRの後に連続して割当てられている。1ピッチ送り時間TPに対する各割当て時間TR,TG,TBの比率は、1/60〜1/20の範囲に設定されている。割当て時間TBの後には、いずれの発光部421R,421G,421Bも発光しない非発光時間TNが設けられている。
【0025】
図3は、1ピッチ送り時間TPに対する割当て時間の比率が1/20に設定されている場合を一例として、発光部が感光記録媒体に対して相対移動しながら発光する際における感光記録媒体に形成される印画ドットと、その印画ドットにおける露光量の分布を模式的に示す図である。ここで、発光部の相対移動量Paは、1ピッチPの1/20に相当する長さ(P/20)となる。なお、同図において、1ピッチP移動後の発光部の位置を仮想線で示している。
【0026】
図1(b)および図3に表れているように、本実施形態によれば、非発光時間TNが1ピッチ送り時間TPのうちの大半を占めるように設けられているため、各発光部421R,421G,421Bが発光している間の相対移動量(そのうちの一例としては図3における相対移動量Pa)は、各割当て時間が1ピッチ送り時間TPの1/3とされていた従来と比較すると極僅かであり、感光記録媒体Fに形成される印画ドットの副走査方向Yへの伸長が抑制される。したがって、感光記録媒体Fに形成される各印画ドットの露光量のバラつきが抑制される。その結果、現像後に形成される画像において濃度ムラが発生することも抑制され、画像の質の向上を図ることができる。また、このように印画ドットの伸長が抑制されると、副走査方向Yに隣り合う印画ドットどうしの重複が抑制される。すると、印画ドットの重複に起因する筋ムラの発生が抑制される。
【0027】
1ピッチ送り時間TPにおける各割当て時間TR,TG,TBの比率は、上記したように1/60〜1/20であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、印画ドットのピッチ寸法や発光部に対する印加電圧などの条件によって適宜変更可能である。各割当て時間TR,TG,TBの設定および変更は、各発光部421R,421G,421Bに対して走査電圧を印加するタイミングの制御により、容易に行うことができる。また、上述したように割当て時間TR,TG,TBが連続して設定されていると、非発光時間TNは分割されずに一体となるため、後に割当て時間を長くする必要が生じた場合であっても、非発光時間TNの範囲内で割当て時間を長くすることが可能となる。その結果、割当て時間TR,TG,TBの配分の自由度が大きくなり、好適である。
【0028】
ところで、有機ELにおける発光層の電気的特性は、発光色毎に異なるため、発光効率についても発光色毎に異なっている。本実施形態においても、各発光部421R,421G,421B毎の発光効率が異なるため、これらに対する供給電流が揃えられていても、その発光輝度はそれぞれ異なることとなる。露光量は発光輝度と発光時間の積算により規定されるため、たとえば発光効率の関係がR発光部421R<B発光部421B<G発光部421Gとなっている場合には、図1(b)に示すように各発光部421R,421G,421Bに対応する割当て時間TR,TG,TBの関係がTR>TB>TGとなるように設定することにより、各発光部421R,421G,421B毎の露光量を略同一に揃えることが可能となる。その結果、現像後に形成される画像の発光色毎の濃度が均一化され、画像の質をより高めることができる。
【0029】
なお、上記したような感光方式の有機ELプリンタAにおいては、印画する画像データに基づいて、各割当て時間TR,TG,TBの範囲内において各発光部421R,421G,421Bに対する電圧の印加時間を可変制御することにより、多段階の階調表現が可能とされている。
【0030】
本発明に係る有機ELプリンタの他の例としては、上述したような割当て時間TR,TG,TBを連続して設定することに代えて、割当て時間TR,TG,TBを断続的に設定してもよい。具体的には、1ピッチ送り時間TPにおける割当て時間の最大値をあらかじめ規定し(以下、「規定時間」という)、この規定時間を連続して設けるとともに、各規定時間の範囲内で各割当て時間を設定する。図4は、たとえば1ピッチ送り時間TPに対する規定時間TSの比率を1/20とし、1ピッチ送り時間TPに対する割当て時間TR,TG,TBの比率をそれぞれ1/30,1/60,1/45とした場合における発光部毎の印加電圧波形を示す。同図に示すように、割当て時間TR,TG,TBの後には、その割当て時間TR,TG,TBにそれぞれ対応する非発光時間TRN,TGN,TBNが存在している。このため、上述したような割当て時間TR,TG,TBが連続して設定される場合とは異なり、割当て時間TR,TG,TBは断続的に設定されることになる。このような構成においても、1ピッチ送り時間TPにおける各割当て時間TR,TG,TBの比率が1/20以下とされているため、各発光部421R,421G,421Bが発光している間の相対移動量は、1ピッチ送り時間TPにおける各割当て時間の比率が1/3とされていた従来と比較して極僅かであり、感光記録媒体Fに形成される印画ドットの伸長が抑制される。したがって、上述したような割当て時間TR,TG,TBが連続して設定される場合と同様に、現像後に形成される画像において濃度ムラの発生が抑制され、画像の質の向上を図ることができる。
【0031】
本発明の内容は、上述した実施形態に限定されない。本発明に係る有機ELプリンタの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、上記実施形態では、各発光部が赤色光、緑色光、および青色光を自発光するように構成されていたが、有機EL素子として白色光を発光するものを用い、カラーフィルタを使用して赤色光、緑色光、および青色光を照射するための赤色、緑色、および青色の発光部を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)は、本発明に係る有機ELプリンタの一例の概略構成を模式的に示す平面図であり、(b)は、(a)に示す有機ELプリンタにおける発光部毎の印加電圧波形の一例を示す図である。
【図2】図1(a)のII−II 断面図である。
【図3】印画ドットと露光量分布の関係を示す図である。
【図4】発光部毎の印加電圧波形の他の例を示す図である。
【図5】(a)は、従来技術の一例を示す概略平面図であり、(b)は、(a)に示す従来技術における発光部毎の印加電圧波形を示す図であり、(c)は、(a)に示す従来技術における印画ドットと露光量分布の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
A 有機ELプリンタ
A1 有機ELパネル
A2 制御部
F 感光記録媒体
TR,TG,TB 割当て時間
TP 1ピッチ送り時間
TN,TRN,TGN,TBN 非発光時間
X 主走査方向
Y 副走査方向
421R,421G,421B 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に配列され、かつ副走査方向にそれぞれ間隔を隔てて設けられた有機EL素子からなる複数ずつの赤色、緑色および青色発光部を有しており、感光記録媒体を露光するための有機ELパネルと、
上記有機ELパネルと上記感光記録媒体とを副走査方向に相対移動させるとともに、この相対移動によって発光部が1ピッチ分副走査方向に相対移動するのに要する1ピッチ送り時間の範囲内で上記複数の赤色、緑色および青色の発光部毎に割当て時間を設定し、上記複数ずつの赤色、緑色および青色の発光部を上記割当て時間に対応して切り換えて発光駆動させる駆動制御手段と、
を備えている有機ELプリンタであって、
上記1ピッチ送り時間のうち、上記各割当て時間のいずれもが設定されていない非発光時間を有することを特徴とする、有機ELプリンタ。
【請求項2】
上記駆動制御手段は、上記複数ずつの赤色、緑色および青色の発光部のうち、発光効率が最小のものに対する割当て時間を最大とし、発光効率が最大のものに対する割当て時間を最小とする、請求項1に記載の有機ELプリンタ。
【請求項3】
上記1ピッチ送り時間に含まれるすべての割当て時間は、連続して設定されている、請求項1または2に記載の有機ELプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−7520(P2006−7520A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186215(P2004−186215)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】