説明

有機EL素子の配線パターンの形成方法及び有機EL素子の形成装置

【課題】有機化合物層や透明電極層にダメージを与えることなく、微細な電極パターンを形成可能な極めて実用性に秀れた有機EL素子の電極パターンの形成方法を提供する。
【解決手段】基板1上に陽極2,有機化合物層3,金属電極層4を順次積層して成る有機EL素子の配線パターン化に際してレーザーアブレーション現象を利用する配線パターンの形成方法において、真空中若しくは不活性ガス雰囲気中にて、波長が近赤外領域で、パルス幅が10fs〜10ps、レーザーフルーエンスが0.1〜0.3J/cmのレーザー6を前記金属電極層4表面にパルス発振により照射する際、その照射位置の膜厚分の金属電極層4のみをエッチングするために必要な積算照射時間をパルス周波数に応じて制御し、当該金属電極層4のみを選択的にエッチングするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL素子の配線パターンの形成方法及び有機EL素子の形成装置に関するものである。更に詳しくは、有機EL素子の配線パターンの形成に際して、所定のレーザーを用いて行なう方法及びその方法を実現する機構を備えた有機EL素子の形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、基板上に例えば透明電極層(陽極),有機化合物層(発光層等)及び金属電極層(陰極)を順次形成して成る「基板/透明電極層/有機化合物層/金属電極層」の構成であり、この有機EL素子を表示素子として利用するためには電極のパターン化が必要である。従来、電極のパターン化方法としては、例えば特許第3556990号公報(特許文献1)に開示されるような方法がある。ここで用いられているフッ化クリプトンを光源とするエキシマレーザー(波長248nm)による電極のパターン加工は、レーザーのフルーエンスが0.01〜0.22J/cmの範囲において、金属電極層側からそのレーザーを照射した際に、その金属電極層並びにその下層として存在する有機化合物層の両方にレーザーアブレーション現象を誘起させて、それらの層を同時にエッチングすることを特徴としている。
【0003】
【特許文献1】特許第3556990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のエキシマレーザーによる電極のパターン化では、最表層の金属電極層をエッチングする際、下層にレーザーアブレーション現象を起こさせるための犠牲層が必要となり、有機化合物層を残したい場合などに活用できなかった。更に、特許文献1の発明に従ってパルス幅を数百ナノ秒程度に設定した場合、金属電極層への所定のレーザーの照射により、熱伝導が生じてしまい、有機化合物層並びにその下層となる透明電極層にまでもエッチングや熱歪など、製品品質(輝度や画質)に波及する熱的な影響を及ぼすことがあった。一方では、金属電極層を直接レーザーにより加工しようとする場合、有機化合物よりも2桁高いフルーエンスのレーザーで加工する必要があり、この場合も、前記した状況と同様であり、レーザー照射位置周囲への熱拡散による悪影響を回避できない状況があった。
【0005】
本発明は、上述のような問題点を解決したもので、有機化合物層でなく金属電極層(陰極)でレーザーアブレーション現象を生じさせ、有機化合物層(発光層)や透明電極層(陽極)にダメージを与えることなく、微細な電極パターンを形成可能な極めて実用性に秀れた有機EL素子の電極パターンの形成方法及び有機EL素子の形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
基板1上に陽極2,有機化合物層3,金属電極層4を順次積層して成る有機EL素子の配線パターン化に際してレーザーアブレーション現象を利用する配線パターンの形成方法において、真空中若しくは不活性ガス雰囲気中にて、波長が近赤外領域で、パルス幅が10fs〜10ps、レーザーフルーエンスが0.1〜0.3J/cmのレーザー6を前記金属電極層4表面にパルス発振により1回又は複数回に分割して照射する際、その照射位置の膜厚分の金属電極層4のみをエッチングするために必要な積算照射時間をパルス周波数に応じて制御し、当該金属電極層4のみを選択的にエッチングすることを特徴とする有機EL素子の配線パターンの形成方法に係るものである。
【0008】
また、前記レーザー6の波長が、近赤外領域のうち0.7〜2μmであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の配線パターンの形成方法に係るものである。
【0009】
また、前記レーザーフルーエンスを、開口率(NA)が0.2以上である集光レンズを用いてレーザー密度を変化させて調整することを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の有機EL素子の配線パターンの形成方法に係るものである。
【0010】
また、有機EL素子を載置する基板用ステージと、このステージに載置した基板1に対向するように設けた、波長が近赤外領域でパルス幅が10fs〜10ps、レーザーフルーエンスが0.1〜0.3J/cmのパルス発振型のレーザー発振器と、前記レーザー発振器によるレーザー6のパルス周波数に応じた速度にて前記基板用ステージ又は前記レーザー発振器の少なくともいずれか一方を三軸方向に移動させる駆動機構とを備えたことを特徴とする有機EL素子の形成装置に係るものである。
【0011】
また、前記レーザー発振器は、レーザー6の照射位置におけるレーザー密度を調節するための集光レンズと、その集光レンズの位置を制御する集光レンズ固定機構とを備えたものであることを特徴とする請求項4記載の有機EL素子の形成装置に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上述のように構成したから、陰極でレーザーアブレーション現象を生じさせこの陰極のみをエッチングすることで、有機化合物層のエッチングが抑制され、この有機化合物層下の透明電極層等の陽極にダメージを与えることなく、微細な電極パターンが形成可能な、極めて実用性に秀れた有機EL素子の電極パターンの形成が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0014】
基板1上に例えば陽極2としての透明電極層2、有機化合物層3及び陰極4としての金属電極層4を順次積層して形成された有機EL素子の前記金属電極層4の所定部位にレーザー6を吸収させ、レーザーアブレーション現象を生じさせることで金属電極層4をエッチングして金属電極層4を所望の配線パターンに形成する。
【0015】
即ち、本発明は、特許文献1に開示される方法と異なり、有機化合物層3にはレーザーアブレーション現象を生じさせず、金属電極層4でレーザーアブレーション現象を生じさせてこの金属電極層4のみをエッチングするもので、特許文献1の方法のように有機化合物層3をエッチングすることがなく、有機化合物層3下の透明電極層2までもをエッチングすることを阻止でき、少なくとも透明電極層2にダメージを与えることは確実に阻止できることになる。
【0016】
従って、本発明は、有機化合物層3に多くのレーザーエネルギーを吸収させレーザーアブレーション現象によりこの有機化合物層3と金属電極層4とを同時にエッチングするのではなく、金属電極層4のみをエッチングするから、仮に有機化合物層3がこの金属電極層4で生じたレーザーアブレーション現象に伴いエッチングされたとしても、この有機化合物層3と金属電極層4との境界部が僅かにエッチングする程度であり、この透明電極層2がレーザーアブレーション現象に伴いエッチングされたり、この有機化合物層3下の透明電極層2でレーザーアブレーション現象が生じることがなく、透明電極層2がダメージを受けることは確実に阻止され、製品の表示品位の低下を阻止できることになる。金属電極層4にのみレーザーアブレーション現象を誘起させるには、所定のレーザー照射の積算時間をレーザーのパルス周波数に応じて制御することにより、エッチングするために必要なレーザーエネルギー量だけを金属電極層4に照射することで達成される。
【0017】
具体的には、例えば、ステージ上に載置した基板1に対して、金属陰極層4側からレーザーを照射する場合に、波長が0.7〜2μm、パルス幅が10フェムト秒(fs)〜10ピコ秒(ps)であり、0.1〜0.3J/cmのフルーエンスであるパルスレーザーを、前記金属電極層4をアブレーション現象によりエッチングするのに必要な積算時間だけ1回又は複数回に分割して照射することで、その下にある有機化合物層や透明電極層に悪影響を及ぼすことなくエッチング可能となる。また、その際に、基板1を載置したステージをX−Y−Z方向に前記した必要な積算時間に合わせて適宜移動させながら前記金属電極層4にレーザー6を照射する事で、確実に有機化合物層3でなく金属電極層4でレーザーアブレーション現象を生じさせ、この金属電極層4のみをエッチングすることができることになる。また、基板1を載置したステージを移動せずとも、レーザー発振器(のレーザー照射部5)を移動させて同様の効果が得られるようにしても良い。
【0018】
よって、本発明は、透明電極層(陽極)にダメージを与えることなく、金属電極層(陰極)を微細な配線パターンに形成可能な極めて実用性に秀れた有機EL素子の電極パターンの形成方法となる。
【実施例】
【0019】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0020】
本実施例は、基板1上に透明電極層2(ITO),有機化合物層3,金属電極層4(Al)を順次積層して成る有機EL素子の配線パターンの形成方法であって、有機化合物層3上に積層された前記金属電極層4にレーザー6を照射し、これにレーザーアブレーション現象を誘起させて、これのみを選択的にエッチングすることで、この金属電極層4の配線パターンを形成するものである。
【0021】
本実施例のサンプルは、ガラス基板上に透明電極層2としてITO、その上部に有機化合物層3としてCuPc(正孔注入層;20nm)/α‐NPD(正孔輸送層;400nm)/Alq(発光層兼電子輸送層;600nm)からなる膜厚が0.12μmの蒸着膜層、最上部に金属電極層4として膜厚が0.15μmのAlの蒸着膜層の構成を持つ有機EL素子である。また、レーザー6は、エルビウム系光パルスエネルギーモデルのフェムト秒(fs)ファイバーレーザーであり、レーザー中心波長が1560nm、レーザーフルーエンスが0.2J/cm、パルス周波数が150kHzである。連続的に前記レーザー6による加工を施すために、基板を載置したステージを150mm/secで配線パターンに従い適宜移動させた。
【0022】
本実施例は、前記金属電極層4側から、この金属電極層4に吸収され易い波長として、近赤外領域の波長のレーザー6を照射することで金属電極層4にレーザーエネルギーを吸収させ、この金属電極層4でのみレーザーアブレーション現象が生じるようにした。
【0023】
従って、金属電極層4にのみレーザーエネルギーを吸収させるため、有機化合物層3にはレーザー6が到達せずにレーザーアブレーション現象は生じないことになる。仮に、金属電極層4で生じるレーザーアブレーション現象の影響により金属電極層4と共に有機化合物層3がエッチングしたとしても、この有機化合物層3と金属電極層4との境界部がわずかにエッチングするに留まり、この有機化合物層3下の透明電極層2まではエッチングしない。
【0024】
また、本実施例は、パルス発振方式のレーザー発振器、具体的にはfsレーザー発振器を用いてレーザー6を発振させ、レンズ等の集光光学系を介してレーザー照射部5から、パルス幅及びレーザーフルーエンスをそれぞれ所定値に調節したレーザー6を、金属電極層4側から照射するようにした。なお、集光光学系としては、集光レンズが汎用的であり、開口率(NA)が0.2以上のものがより好適である。この集光レンズを用いてレーザー密度を変化させてレーザーフルーエンスが調整可能となる。
【0025】
従って、極めて短時間(超短パルス幅)に高エネルギー密度のレーザー6を金属電極層4に照射することで、金属電極層4を良好にエッチングすることができるのは勿論、この金属電極層4のみでレーザーアブレーション現象を誘起させるように制御した結果、図3に示した電子顕微鏡による観察において、透明電極層2上の有機化合物層3がほとんどダメージを受けずに存在している事を確認した。
【0026】
ここで、レーザーのパルス幅に関してもう少し詳細に説明するが、金属は一般に光の吸収長が短く、入射光の強度が1/eに減少する距離は、近赤外光(波長が概ね0.75〜3μm)から可視光(波長が概ね0.38〜0.75μm)に対してはAlでは7nm程度であり、レーザー照射の初期には、この程度より薄い厚さの表面金属層がエネルギーを吸収し、溶融、蒸発等により除去される。それよりも厚い金属膜の除去では、レーザーにより極薄い表面金属層が除去される過程、それによって現れた新たな表面が再び光を吸収して除去される過程及びその吸収したエネルギーが熱として伝導し、金属層下部の温度上昇とそれに伴う溶融により蒸発する過程との複合によって行われる。従って、最表層部の除去が生じる程度の、あるいは金属層内部の熱の伝導が始まる程度の極短時間にレーザー照射が終結するような場合に除去されるのは、光の吸収長で決まる程度の厚さの金属層ということになる。例えば、金属層をAlとし、その厚みを100nmの程度とすると、Alの熱拡散率から概算すれば、近赤外光の場合、レーザーのパルス幅が1ns以下であればこの様な条件が満たされることが確認されている。この点、本実施例は近赤外光領域のfsレーザーを照射するものであるから、上記条件を満たし、有機化合物層3にダメージを与えることなく金属電極層4のみを除去することが可能となる。
【0027】
ところで、上述のようなレーザー出力範囲であっても、同一箇所へのレーザーの必要以上の繰り返し照射は、有機化合物層3の除去を引き起こしてしまうため、高速でレーザーを走査し、同一箇所への必要以上の繰り返し照射を避ける必要がある。
【0028】
そこで、本実施例は、基板1をステージ(図示省略,例えば公知のNC三軸リニアステージ)に固定し、このステージ上に固定された基板1に対して対向状態に前記レーザー6を照射するレーザー照射部5を設け、前記ステージを適宜な駆動機構を用いて三軸に高速移動し得るように構成し、前記レーザー照射部5が、レーザー6を前記金属電極層4の同一箇所を1回または複数回に分割して照射し且つこの層のみをエッチングし得る積算時間だけ照射されるように逐次移動させながら前記陰極4にレーザー6を照射するようにしている。この際、一箇所の照射時間は、その照射位置の金属電極層4の膜厚に対して、前記レーザー6のパルス周波数に応じて制御する。即ち、1点への照射の積算時間は、パルス周波数に応じて、その周波数とパルス幅との関係のもとで、アブレーション現象により、エッチングする素材とその層厚に対して必要な積算時間になるように該レーザー照射部5の固定時間を定めることで制御する。
【0029】
従って、既にレーザー6を照射して金属電極層4を除去した部位に繰り返しレーザーを照射することがないから、露出した有機発光層3にレーザーアブレーション現象を生じさせることはなく、また、金属電極層4のみをエッチングし得る時間だけレーザー6を照射するから、有機発光層3へのダメージは低減され、透明電極層2へのダメージは確実に阻止できる。尚、レーザー6の照射位置を高速で移動させる構造を備えた構成としても良い。例えば、ミラー等のレーザー照射位置移動光学系を設けてレーザー6の照射位置を高速で移動できるように構成しても良い。この場合、上記テーブルは固定状態としても良いが、上述のように高速で移動させる構成とすると、一層良好にレーザー6の照射位置を高速で移動させることが可能となる。
【0030】
本実施例は上述のように構成したから、基板1上に陽極2としての透明電極層2、有機化合物層3及び陰極4としての金属電極層4を順次積層して形成された有機EL素子の前記金属電極層4の所定部位にレーザーエネルギーを吸収させ、レーザーアブレーション現象を生じさせることで金属電極層4をエッチングして金属電極層4を所望の配線パターンに形成する。
【0031】
即ち、本実施例は、有機化合物層3に多くのレーザーエネルギーを吸収させレーザーアブレーション現象によりこの有機化合物層3と金属電極層4とを同時にエッチングする特許文献1とは異なり、金属電極層4にのみレーザー6を吸収させて、この層のみレーザーアブレーション現象によるエッチングをするから、仮に有機化合物層3がこの金属電極層4で生じたレーザーアブレーション現象に伴いエッチングしたとしても、この有機化合物層3と金属電極層4との境界部が僅かにエッチングする程度で、この有機化合物層3下の透明電極層2でレーザーアブレーション現象が生じたり、この透明電極層2がレーザーアブレーション現象に伴いエッチングされたりすることはなく、透明電極層2がダメージを受けることは確実に阻止され、表示品位の低下を阻止できることになる。
【0032】
具体的には、ステージ上に載置した基板1に対して、金属陰極層4側からレーザー6を照射する場合に、波長、パルス幅、レーザーフルーエンスを所定範囲に設定したfsパルスレーザーによって前記金属電極層4にアブレーション現象を誘起させエッチングするのに必要な積算時間だけ1回又は複数回に分割して照射することで、その下にある有機化合物層や透明電極層に悪影響を及ぼすことなくエッチング可能となる。その必要な時間は、対象となるエッチング位置の膜厚によりパルス周波数に応じて決定し制御する。また、その際に、基板1を載置したステージあるいは前記レーザー照射部5を三軸(X−Y−Z)方向に、前記した必要な積算時間に合わせて移動させながら前記金属電極層4にレーザー6を照射する事で、確実に有機化合物層3でなく金属電極層4でレーザーアブレーション現象を生じさせ、この金属電極層4のみをエッチングすることができることになる。
【0033】
よって、本実施例は、透明電極層(陽極)にダメージを与えることなく、金属電極層(陰極)を微細な配線パターンに形成可能な極めて実用性に秀れた有機EL素子の電極パターンの形成方法となる。
【0034】
本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施例に係る有機EL素子の概略説明側断面図である。
【図2】本実施例の実施形態を示す概略説明側断面図である。
【図3】本実施例によるレーザー加工の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0036】
1 基板
2 陽極(透明電極層)
3 有機化合物層
4 陰極(金属電極層)
5 レーザー照射部
6 レーザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に陽極,有機化合物層,金属電極層を順次積層して成る有機EL素子の配線パターン化に際してレーザーアブレーション現象を利用する配線パターンの形成方法において、真空中若しくは不活性ガス雰囲気中にて、波長が近赤外領域で、パルス幅が10fs〜10ps、レーザーフルーエンスが0.1〜0.3J/cmのレーザーを前記金属電極層表面にパルス発振により1回又は複数回に分割して照射する際、その照射位置の膜厚分の金属電極層のみをエッチングするために必要な積算照射時間をパルス周波数に応じて制御し、当該金属電極層のみを選択的にエッチングすることを特徴とする有機EL素子の配線パターンの形成方法。
【請求項2】
前記レーザーの波長が、近赤外領域のうち0.7〜2μmであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の配線パターンの形成方法。
【請求項3】
前記レーザーフルーエンスを、開口率(NA)が0.2以上である集光レンズを用いてレーザー密度を変化させて調整することを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の有機EL素子の配線パターンの形成方法。
【請求項4】
有機EL素子を載置する基板用ステージと、このステージに載置した基板に対向するように設けた、波長が近赤外領域でパルス幅が10fs〜10ps、レーザーフルーエンスが0.1〜0.3J/cmのパルス発振型のレーザー発振器と、前記レーザー発振器によるレーザーのパルス周波数に応じた速度にて前記基板用ステージ又は前記レーザー発振器の少なくともいずれか一方を三軸方向に移動させる駆動機構とを備えたことを特徴とする有機EL素子の形成装置。
【請求項5】
前記レーザー発振器は、レーザーの照射位置におけるレーザー密度を調節するための集光レンズと、その集光レンズの位置を制御する集光レンズ固定機構とを備えたものであることを特徴とする請求項4記載の有機EL素子の形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−157659(P2007−157659A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355360(P2005−355360)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(591065413)トッキ株式会社 (57)
【出願人】(304021288)国立大学法人長岡技術科学大学 (458)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】