説明

望ましい形状に注型し次いで金属又は高特性セラミック層で被覆することによるコンクリートのような低コストのセラミック又はポリマーから高度に機械的に要求される部品および特殊工具の製造方法

【課題】高度に要求された物品を低コストで製造するための方法、特に深絞りダイに適して他の任意の工具にも適している方法、また風車でのローターおよびケージのような大きい寸法と高い機械的要請の機械部品および他の大きい機械を製造するための方法を提供する。
【解決手段】高強度コンクリート(特記するとHPC又はUHPC)のような低コストセラミック又は低水混合キャスタブルあるいは他の任意の低コスト高機械的強度材料(低コストセラミック又は高強度ポリマーが特に適している。)を用いて部品又は工具を注型し、ダイ又は部品の作業面を金属、金属間化合物又は高機能性セラミックで被覆し、その際に高価値作業面を得るために投射又は堆積法が用いられる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低コストの高強度基材(高強度および超高強度コンクリート[UPC、UHPC]、高強度低水混合キャスタブル又は高強度熱硬化性ポリマーのような)を望ましい形状に注型する工程、そして次いでその表面を金属又は工業用セラミックで少なくとも部分的に被覆する工程による、高度に応答型の、そして特に工具およびダイスに適している部品の製造方法に関する。通常、金属層を提供するためにコールドスプレー法、CVD、PVD、又はアーク、プラズマ、レーザー、オキシ−燃料のような熱スプレー技術のような投射又は堆積技術が用いられ得る。また、金属層は部分的に又は完全に溶融および/又はショットブラストされ得る。また、工業用セラミックが投射又は堆積され得る。また、回転図形の場合、金属製の裏地又は輪が用いられ得る。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば米国特許第4588443号におけるように、コンクリート製工具の建造のための技術が存在している。しかしながら、この方法は、使用されるコンクリート又は金属層の強度が作業ゾーンにおいて余りに低いため、機械強度が不足しているときはシート圧伸又は他の高度に要求される用途には適用され得ない。また、高強度の強化ポリマーコンクリートを得る技術(英国特許公開第2250703号)、射出成形鋳型の建造のための繊維で強化したコンクリート(特開2003−170410号)又は強化高強度ポリマーの用途(国際特許公開第2003−039779号)がある。しかしながら、これらすべての場合において、高品質シートおよび他の金属間接触用途に成形するためにこれらの技術を用いる可能性は非常に小さい。コンクリート又はポリマーを強化するために用いられる成分は延伸シートに傷をつけ、そして表面の微小欠陥は、後に延伸されるシート内に順に付着力を生じさせるシート粒子の堆積を可能とする。この影響を避けるために、金属層の表面溶融による(独特開第69908273号)、又はコンクリートミックスのために形作られるとき用いられ得る1層を用いることになる(特開2002−346663号、DE202006010493(U1))いくつかの技術が開発された。
どの場合も、金属−コンクリート結合体の品質はわずかの用途にとってのみ満足のいくものである。
【0003】
製造された部品における金属の熱的投射よる、支持要素としてのそして主な強度要素としてではないコンクリートの使用(本発明の場合のように)は公知である。通常、コンクリートが支持要素として用いられるこれらの技術では、一度金属物品が他の型に熱的投射によって得られると、コンクリートが金属物品中に流し込まれる(特開昭63−309332号、米国特許第3631745号、特許第2104424号、特許第2251323号)。
【0004】
また、コンクリートが強度要素であるときに、腐食又は火に対するコンクリートの保護において、コンクリートへの熱的投射を実現することは、米国特許第6224943号、ヨーロッパ特開第0669299号および米国特許第5879817号に記載されているように、公知である。また、低強度樹脂への熱的投射は、機械的要求が低い低コスト型の製造において公知である(特開昭60−108122号公報)。
金属基材、特にセラミックおよび硬質金属と比較して耐摩耗性又は耐食性である複数の層を熱的投射によって挿入するための多くの技術がある(特開2004−175112号)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シート加工業界において、工具コストは、一般に製造された部品のコストの重要な部分を示す。その理由で、低コスト工具の製作は、特にこれらの工具のいくつかが非常に長いライフサイクルを有する必要がないとき、非常に興味深い。
多くの他の産業において、大きな構造的又は機械的部品の使用は、特にそれらの要素が高度に応答型であり且つ高価な鋳造金属であるかあるいは鍛金属であっても必要な高荷重に耐えるために用いられねばならないときに、高コストを意味する。この事例は、エネルギーを変換する機械および処理する機械においてのものである。
【0006】
シートを成形するために用いられる工具の大部分は、鉄合金を鋳造しそしてそれに続く望ましい形状の最終機械加工により製造される。また、それは、望ましい形状を得るまで機械加工される金属ブロックから出発して製造される。しかしながら、これは通常、機械加工による大量の材料の除去を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、大きな深絞りダイスを製造するために特に有利である。通常、深絞りダイスは以下の工程:
- 型を得る工程(最も一般的に用いられる材料は発泡ポリスチレンであるが、発泡ポリスチレンの寸法安定性が低いので、特に最終の機械加工が最小化されるべきときには、他のものも用いられ得る。)
- 前記型の周囲に置かれる砂鋳型を得る工程
- 砂鋳型内に溶融鋼鉄混合物を注型する工程(溶融物自体が型を除去し、ポリスチレンを用いない場合は、型は前もって取り除かれ得てそして溶融物は中空の空洞に注型され得る)
- 鋳型を取り除きそして溶融物を清浄化する工程−任意的工程
- 任意の溶融物を熱処理する工程
- 最終の機械加工する工程
- 最終の熱処理工程
による鋳造によって製造される。
【0008】
場合によってはそして、中でも、大きい時間の圧力がありそして工具が小さい系の製造を対象とする場合は、ダイは、機械加工が容易でそしてアルミニウム合金又は低合金鋼で造られている金属ブロックから切りくず除去機械加工法によって製造される。
【0009】
完成した深絞りダイが有する必要がある特性は、
- 望ましい部品が得られることを保証するための寸法安定性。これは、用いられる材料が十分な機械的強度を有する必要があることを意味している。その目的のために一般に用いられるアルミニウムは、通常300MPaの強度を有し、そして通常一般に用いられる鋼鉄は400MPaより大きい機械的強度を有する。
- 工具が壊れないことを保証するための強靭性。それが、金属が用いられる平均的理由である。
- 工具寿命の間、得られる部品の形状がほとんど変化しないことを保証するための耐摩耗性。これが、必要とされる工具寿命および成形されるシートの種類に依存して異なる材料が用いられる基本的な理由である。
- 製造される部品の良好な表面品質を保証するための表面条件。工具は製造される部品に傷をつけてはならない。傷は、はるかに多く変形可能又は分解可能な母材によって取り囲まれている工具材料中の非常に角々しい且つ大きな粒子の存在により引き起こされ得る。これは、実際の接触面積が大幅に低減されるとき接触圧力を増加させる。また、部品の傷又はへこみは、部品の材料と工具の間の親和性がある場合、付着力によって引き起こされ得る。あるいは、それらは、順に後続の処理部品と高い親和性を有するいくつかの部品材料をその中に堆積する、工具上の孔又は表面欠陥により引き起こされ得る。
である。
また、5番目の要件:すなわち、高い寸法公差を有する部品を得る必要性が考えら得る。工具が高い寸法精度と安定性を有する必要があるといっているわけである。
【0010】
上記要件の全て又はそれらの少なくともいくつかは、多くの他の用途によって共有され、そしてそれ故、本発明で示される解決策が適用され得る。これは、機械における多くの構造的および能動的部品の事例である。大きな機械部品の場合、本発明方法を適用する経済的利点はさらに大きい。ケージ、回転軸、回転翼、ロール、滑動部、接触部、モーター台、作業台およびそれ以外の多くが本発明の適用候補である。
さらに、本発明は、ほとんどの任意の可能な望ましい鋳型内で加熱、冷却、知覚、アクチュエータ、伝導又は誘導のような非常にさまざまな表面あるいは表面下の機能を有する製造された部品の提供を可能とする。これは、例として役立つインダクタ、ステータ、加熱成形冷却プロトタイプのダイスなどの数え切れない範囲の用途にとって非常に興味深い。
【0011】
工具の要件を考慮すると、本発明は、高度に応答型の、低コスト基材を用い且つ高価な材料で製造されていてそして前の段落で記載した必要な特性を提供する表面層を用いて目的の部品を製作することにより必要な特性を有し且つ大幅に低コストで、大きい深絞りダイスのような工具にとって特に有利な、部品を得る方法を提供する。通常、前記層は熱的投射又は堆積技術によって追加される。通常、追加される層は、金属的特質のもので、多くは鋼鉄である。しかしながら、高い耐摩耗性又は電気的もしくは熱的絶縁効果を有する必要がある部品の場合は、前記層はまた工業用セラミックであり得て、最終的には表面層は金属間化合物又は記載された任意の3種の材料群(金属、金属間化合物および工業用セラミック)を含む複合材料であり得る。圧電物質、ピロエレクトリック、強磁又は他のセンサーあるいはアクチュエータ効果の場合は、通常、望ましい特性を有するセラミックがしばしば金属支持層と組み合わせて投射される。製造された部品の表面における決定された熱的又は電気的伝導経路の場合は、異なる対応特性(主として熱的又は電気的伝導性あるいは透磁率)を有する複数の材料が適切なマスキングを通して望ましい形状で投射される。
【0012】
従って、本発明の第一の態様は、60MPaより大きい機械的強度を有するセラミック又はポリマー基材を含み少なくとも部分的に金属、金属間化合物又は工業用セラミックで被覆されている部品あるいは工具に関する。
【0013】
本発明の第二の態様は、物品又は工具の製造方法であって、以下の工程:
a)60MPaより大きい機械的強度を有するセラミック又はポリマー基材を望ましい形状に注型する工程、
b)前記基材を少なくとも部分的に固化又は硬化させる工程、および
c)工程b)で得られた部品の表面を、金属、金属間化合物又は工業用セラミックで少なくとも部分的に被覆する工程、
を含む、前記方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、表面および表面下応力を示すグラフである。
【図2a】図2aは、本発明によって実現した圧伸ダイの概略図である。
【図2b】図2bは、従来のダイに対する違いを示すための横切断略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施態様を、例の目的でのみ以下に記載する。
本発明において、用いられる低コスト基材は、通常コンクリート又は低水混合キャスタブルである。少し適性は劣るが、高強度熱硬化性ポリマーも用いられ得る。その代わりに、十分な機械的特性を有する高強度のポリマー又は任意の低コストセラミックが用いられ得る。支持基材の必要とされる強度レベルは、成形されるべきシートに(その機械的強度、厚さおよび延伸形状に)、そして中でも用いられる表面層の厚さに依存する。自動車産業における外板製造のための大規模ダイスにとっては、約240MPaの機械的強度および約200MPaの弾性限界を有し圧伸成形のための能力の高いシートが用いられる。画像において、全くの鋭角を有する延伸形状にとって、200MPaより大きい表面強度が必要であり得るが、表面からほんの0.5mmから離れると必要な強度は150MPa未満であることが分かる。100MPaより大きい圧縮強度を有する低コスト材料、特にコンクリートおよび熱安定品がある。追加のフラックス剤および/又はシリカを含む陶材(porcelainates)に基づいた従来のコンクリートは140MPaの強度を達成し得る。120MPaより大きい強度を有するポリマーセメントがある。低加湿セメントと繊維強化材に基づいた予混合コンクリート(「低水混合キャスタブル」)は250MPaより大きい強度に達し得る。また、300MPaより大きい強度を有する熱硬化性ポリマーが基材として又はセラミックに部分的に置き替えて用いられ得る。また、このポリマー基材は、特にボイドが金属又は工業セラミック層の用途にとって有害である場合、基材の注型の間、残り得る表面のボイドを満たすための非常に優れた候補である。用いられる熱投射プロセスが基盤を高温にさらすかあるいは最終用途が特定の温度で特定の強度を必要とする場合は、アルミン酸塩又はアルミナに基づいた低水混合セメントに基づいた耐熱性コンクリートが用いられ得る。内部および/又は外部振動機が混合プロセスの間に用いられると、これらの多くのコンクリートの特性が実質的に向上され得る。これら高強度を有する低コスト材料のいくつかは高エネルギー投入混合を必要とする。これらの材料のうちのいくつかは高温にさらされることを必要とし得るエージングプロセスを必要とする。特定の用途に用いられ得る他の材料は、低コストセラミックの強化材でもある金属又はセラミック強化材を用いたポリマーダイの組成物であるか、又は金属あるいはポリマー強化材を用いたセラミックダイの組成物である。
【0016】
本発明のいくつかの例において、低コスト基材が可能な限り高い機械的強度を有するということは興味深い。これが、例えば多くの機械要素の事例であり、そしてまた非常に硬いAHSSシートを成形するための工具を製作するために本発明を使用するときの事例である。この場合、非常に高い強度のコンクリートが用いられ得る。高強度コンクリート(HPC)の既に高い機械的強度を上げるためには、例えば、部品にその注型直後に圧力工程を適用して混合物のいくらかの水を突然排出する方法で、充填の間にコンクリートを流れさせるために必要であるがコンクリートの凝結の間は望ましくなく(特別な鋳型構造を必要とし得る)、この方法では400MPaを上回る機械的強度が達成可能である、いくらかの乾燥物に置替えるための金属ボール又は骨材の使用(被覆され得る)で、この方法では1000MPaを上回る機械的強度が達成可能である、セメントに部分的に置替えるためのナノ金属粉末の使用(被覆され得る)で、この方法では1300MPaを上回る機械的強度が達成可能であり、また前の対策は組み合わせられ得る、のようないくつかの手段が用いられ得る。また、基材の引張強度が重要なときは、複数の金属繊維(異なる性質と長さ)、ポリマー又は織物繊維および他の強化材の使用が非常に有利であり得る。
【0017】
本発明のある場合には、達成され得る要素の低い質量が認められる。さらにこの特徴を増進するために、基材の質量は、低コスト基材中のボイドを意図的に残す、又は注型前の混合物中にある低質量の材料を混合することによって低下させられ得る。この実施の例示的な例は、望ましい形状のボール又は大きな塊の形状の発泡ポリスチレンの添加であり得て、セラミックの注型後にこの添加した材料を取り除いてコンクリートにボイドを残存させる(材料は、温度、酸、任意の他の手段によって取り除かれ得る)か、又は単に適当な位置に残され得る。ボイドが望ましい場合は、他の取り除き可能な材料、又は例えばボールあるいは粒子で低密度ポリマー、セルロース、ワックスのような基材中に残存される低質量の材料が用いられ得る。また、基材中のボイドは鋳型の充填の間にガスをブローさせることによって残存され得る。
【0018】
鋳型に望ましい形状を与えるために、非常に高強度のコンクリート又は他の非常に高強度の低コスト材料を含む鋳型の製作のためには、一般に発泡ポリスチレンが用いられる。機械加工を避けるため又はセラミック被覆膜を製造するために大幅な精度が必要とされる用途には、通常、大幅な寸法安定性の材料、例えば高密度のポリプロピレン又は木材成分が用いられる。また、もし入手可能であれば、望ましい形状を有するシートが用いられ得る。この場合、取り除き易くそして後で熱的に投射された層で置き替えられ得る厚いセパレーターを得るためにパテが用いられる。前記の鋳型を得るために多くの材料とプロセスが用いられ得る。
【0019】
金属と比較して、セラミックおよび高強度ポリマーの大幅な脆弱性が問題である。打つあるいは落下の可能性に関して大幅な耐性を有するダイが得られるべき場合は、基材は外装しているべきである。低加湿セメント(「低水混合キャスタブル」)の場合、エージングプロセスの間にダイスの亀裂を避けるために、基材に対して類似の線膨張係数を有する金属が用いられるべきである。相当な温度変化にさらされるダイの場合でも、基材自体と類似の線膨張係数の金属、陶材に基づいたコンクリート、およびポリマーコンクリートに対して鉄又はニッケル(又はベースの合金元素としてそれらの物質の1種を有する任意の合金)、アルミナおよび/又はシリカの高含量を有するセメントに対するインバール、コンスタンタン、タングステン又はモリブデン(又はベースの合金元素としてそれらの物質の1種を有する任意の合金)、を用いることが都合が良い。
【0020】
コンクリートは高圧縮負荷に対して耐久性があるが、引張応力状態の下での耐久性は低い。ほとんど全てのセラミックおよび多くの高強度ポリマーは引張強度が低い。それが、本発明の部品がしばしば外装している主要な理由である。部品が引張応力にさらされないことを保証する他の形態は、輪又は外部の金属製圧縮リングあるいはフレームの使用である。また、輪又はリングは外装のロッドに圧縮応力を与えるために用いられ得る。この方法では、全ての部品のゾーンにおいて複雑な形状の製造を可能とする圧縮緊張性の状態が得られ得る。しかしながら、いくつかの用途にとって、低コスト基材の引張機械的強度は十分である。また、特に作業層が金属の投射又は堆積によって適用されるときには、通常は、投射された又は堆積された被覆膜に特別な固定を与えるために投射される表面の低コスト基材に外装のロッドがかろうじて突き刺さることを可能にすることが有利である。
【0021】
金属板、鋳造物又はフレームが、スパイクを備えていて且つ注型時又はまだ新しいときに低コスト材料に結合されていると、単に輸送又はモンタージュ/固定手段に役立つが、また事故の場合に復元力を提供し得る金属製土台、平板、フレーム又は鋳造物を有する物品を提供することはしばしば興味深い。
【0022】
本発明において、作業ゾーンにおける強靭性を高めるため表面への荷重に耐えるため、機械加工性を促進するためそして、中でも製造された部品の良好な表面仕上げを可能にするために、しばしば鋼鉄又は他の金属合金(Fe、Ni、Co、Al、Mo、W又はその他の基づく)である金属膜が順々に表面に重ねられ得る。必要とされる機能を提供し、表面作業層のために用いられる得るもの以外の材料は、金属間化合物および工業用セラミックである(又はそれらに似たものを包含する任意の化合物は硬質金属の実例である)。この金属、金属間又は工業用セラミックの表面層を得るためには投射又は堆積法が最良の候補であるが、特に最初の投射/堆積中間層が既に存在するときは、溶融物又はスラリーあるいは高度結合粒子含有塗料(ゾル−ゲルのように)へのディッピング法も用いられ得る。そして、コールドスプレー投射、プラズマ投射(「プラズマスプレー」)、HVOF投射(「高速オキシ燃料スプレー」)、HFPD投射(「高周波パルスデトネーション」)、オキシ−アセチレン投射(「火炎スプレー」)、アーク投射(アークスプレー)、又は任意の他の変形の一つにおける熱的投射(投射された材料の促進/運搬の速度および手段、投射された材料又は運搬流体を加熱する手段、投射された材料の形状およびサイズ[粉末、他の粒子、ロッド]にかかわらず、投射された材料が軟化又は部分的に溶融しようとしなくても、そしてそれがコールド又はホットスプレー法と見なされようがされなくても)は、表面層を得るために非常に適したプロセスである。また、表面被覆膜は、液又は蒸気の堆積手段(CVD−化学蒸着、PVD−物理蒸着、EB−電子線衝突、イオン注入、プラズマ蒸着)によって生成され得る。これらのプロセスのうちいくつかは、それらが制御された大気圧チャンバー内で実現される(加圧又は低圧とともに大気圧で)ならば、投射された又は堆積された層および結合品質のいくつかの特徴を高め得る。十分に厚い層の挿入を可能とし且つ層と基材間の良好な結合を提供する任意の他のプロセスは、陰極コーティング、又は望ましい材料の溶融物あるいは、望ましい材料を含有し後で乾燥され、エッチングされ又はキャリヤを除くために焼成されるスラリー中への浸漬として用いられ得る。どの場合においても、選択される技術は、同じく多くのプロセスのパラメーターおよび形状条件に依存し、基材の低コストセラミックと作業面との接合部分で必要とされる特性に依存する。考慮されるべき1つの重要な態様は、可能性のある異なる技術によって残されそして非常に多くの場合同じく層の厚さに左右される投射/堆積層への残留引張り応力である。
【0023】
円筒状対称性を有する部品を作成するときは、表面層は固形物として適用され得る。外部円筒状対称性にとっては任意の種類の軸およびロールでの場合と同様に、加熱しそして拡張させ、圧力の助けで入れてそしてそれを冷却させそしてそれ故に基材の低コスト材料を収縮させて固定を向上させる金属製の輪とスリーブが作業面として用いられ得る。内部円筒状対称性にとってはモーターブロック中のシリンダーホール又は多くの他のものと同様に、作業面として金属製の裏地が用いられ得る(また、圧力取付けしそして急速冷却しそして固定を向上させるために低コスト材料が加熱され得る。)。
【0024】
工具表面上の望ましい機能としてはあらゆる用途で異なり、表面層として適用され得る無限の材料がある。特に、望ましい硬度を有するが改良された機能化を有する鋼鉄、潤滑油又は抗粘着性粒子を有する鋼鉄、最適化トライボロジー挙動を有する材料および/又は高度の耐磨耗性を有する材料、および特定の、熱的、磁気的、電気的、圧電又はピロ電気的、又は任意の他の特定の特性を有する蒸気の材料が投射又は堆積され得る。原則として、あらゆる種類の金属、金属合金、金属間化合物又はセラミックあるいはそれらの化合物さえもが挿入され得る。
【0025】
金属を用いて被覆するとき、付着力は全体の性能に非常に驚くべき影響力を有し、それゆえ接合部分での付着力を向上させることは非常に重要である。そうするために、金属繊維が用いられ得る。また、前記繊維が引張応力状態における強度を増加させるために低コスト基材の本体に望まれていない限り、通常前記繊維は低コスト基材および注型物と混合され、繊維は、最大の繊維引抜き強度を得るために表面に展開され、そして好適には表面に対して直角に配向され得る。これは、繊維を配向させるために電気又は磁気の場を適用することによって達成され得る。例えば、ある体積百分率の強磁性繊維が組み入れられた低コスト基材を充填するとき、そして混合物の振動の間に、表面に正しく垂直に広がる力線に合わせて磁石に向って繊維が流れ得るように、いくつかの永久磁石が成形鋳型に接続され得る。投射表面への金属の量をさらに増加させるために、部品はショットペン又はショットブラストされ得る。投射された金属は基材の金属に特によく付着し、ましてや温度が投射の間又は後の処理において十分高い場合、これが塑性的に変形しそして何らかの拡散接合が得られるならばなおさらである。
【0026】
金属をセラミック又はポリマーに投射するとき、結合は主として機械的結合であり、そしてそれ故に表面がいくぶん粗く、良好な固定点を提供するときそれはより良い。また、基材が金属繊維を有するとき、熱的投射又は堆積の前に繊維が活性化される(活性化は、可能な限り金属的である繊維表面を有するために全ての表面酸化物の除去と理解される。)と、固定が非常に向上される。この目的のため金属繊維および低コスト基材表面を活性化するために、サンドブラスト(コランダム、ガラスボール又は微粒子)あるいはショットペン(特に金属ボールを用いて)の使用が特に指示されるが、任意の他の方法(研削、研磨、粗化)も用いられ得る。
【0027】
表面作業層の付着力を向上させるために、中間層の適用が考慮され得る。そのような層は、例えば、耐湿性および耐アルカリ成分性である(中間相で用いられる金属層の腐食を避けるため)熱安定層であり得るかも知れない。
機械的に投射された層の付着力を向上させるために、表面の多孔性がガスを抜く型を用いて、腐食攻撃又はその他により、基材内に生じさせられ得る。金属製の格子が型の表面に置かれ得る。格子が最終的にコンクリート工具の表面にあるように、コンクリートが型の中に充填される。また、特に、表面作業材料又は支持中間層として用いられる材料がセラミック又はポリマーよりも金属製基材を良く突き通す場合、熱的投射又は堆積が実現され得る各側上のコンクリート品を見る方法で、外装の金属製のロッドが鋳型内に固定され得る。
【0028】
前記の熱的投射技術、特に制御された大気圧での技術のいくつかを用いると、99%より大きい密度を得ることができる。より高い表面密度が必要であれば、表面緻密化処理が局所溶融により実現され得る。十分に集中したエネルギー源が局所溶融、例えばレーザー又は集中赤外(HDIR−「高密度赤外」)のために適用されるべきである。密度を増やすための任意の他の方法又はただの表面応力状態が、それらが溶融(溶接のように)又はただの純然たる機械的作用(ショットペンのように)であろうとなかろうと、用いられ得る。
【0029】
投射又は堆積表面材料は、例えば1回又は数回のアニーリングプロセスあるいは浸炭窒化若しくはスルホン化、表面焼き戻し(誘導、レーザー、炎などによる)のような表面処理のような統合的な又は表面的な熱処理を必要とし得る。低コスト基材および表面材の全ての組み合わせが全ての処理をできるようになるわけではない。高温が表面処理にとって必要であれば、複数の線膨張係数の適合性、また処理に必要な温度に耐える基材の能力も考慮されなければならない。
【0030】
運搬のためそして、特に機械内に工具を固定するために、機械加工するのが容易である工具又は部品の固定側に領域を有することがしばしば興味深い。本発明において、必要があれば前述のように鉄製プレートのフレーム又は溶融物がその目的のために設置され得る。また、複数の誘導領域内に、それらが構造内に埋め込まれて残るが後で機械加工し易いように低コスト基材が注型されるときに、金属製形材が取付けられる。固定プレート又は誘導ゾーンが用いられる場合、それらは、通常基材を注型する前に鋳型中に、又はまだ新しいときにセラミック又はポリマー中に挿入される。一般に、そのようなプレート又は形材は、低コスト基材への固定を向上させるために溶接した金属製のロッド又はスパイクを有する。
【0031】
本発明は特に大きな延伸ダイスの製作に適しているが、相当な利点を有するいくつかの工具類の製作に用いられ得る。これらの工具のうちのいくつかは、プラスチック射出用の鋳型、プラスチックの熱的成形用鋳型、軽金属射出用鋳型、鍛造ダイス、自由鍛造用ダイス、曲げダイス、打ち抜きダイスなどであり得る。作業温度が高いそれらの場合、複数の線膨張係数は矛盾のないものでなければならないので、基材と熱投射用材料の選択には制限がある。
【0032】
また、本発明は、移動、アクチェータ、感覚の又は構造物のものであろうとなかろうと、機械部品の製作に適している。それは、多くの例で質量の低減を可能とし、本発明を用いるときコスト低減に対する大きな将来性があり、またいくつかの機能、特に特定の機能を有する複雑な形態を含むそれらは、どのような他の製造方法でも得ることは困難である。実際、複雑な機能を要求する高応答型の部品又は物品は本発明から恩恵を受けることが可能である。
本発明のさらなる実施態様は特許請求の範囲の従属項に記載されている。
【実施例】
【0033】
実施例1
図2に、本発明の適用の1つの例を見ることが出来る。それは、圧伸ダイの略図である。通常、それらのダイスは、ブランクホルダーおよび側面カムを有して著しく複雑である。図2a)における概略図は、本発明により実現された圧伸ダイに相当する。画像は、溶融支持プレートおよび、熱間工具鋼鉄と容易に機械加工され得る添加剤とを用いる熱的投射HVOF(それはまた、同等に満足のいく結果とさらに達成し得る厚い厚さを有する、HVOF投射された金属の第一の薄い層の最上部へのコールドスプレーで実現された。)によって被覆されている弓形に湾曲した高強度コンクリート品のみに焦点を合わせている。原則として、作業ゾーン内でのこのダイと従来法により製作されたダイとの違いは、機械加工後には容易には分からない。プレストレストロッドを有する圧縮フレームゾーンのみがコンクリートの存在を示している。この鋳型は、以下の工程:
- 発泡ポリスチレン内に鋳型の製作。その内部の下側に工具形状のネガを有するボックス。
- 後に、熱投射によって金属が投射される部品の領域内の、ポリスチレンの鋳型中に0.5mm挿入されたロッドで、鋳型内に外装の配置。作業ゾーンに平行である外装ロッドのいくつかが、後に圧縮フレーム内でロッドを固定することが可能であるために、ポリスチレンボックス内の各側に0.5mm挿入される。
- 主としてアルミニウムおよびシリカ酸化物に基づいた非常に高い機械的強度(エージング後に250MPa)そして低湿度のコンクリート(「耐熱低水混合キャスタブル」)で空洞を充填する工程。振動台を用いる外部振動および針による内部振動が充填プロセスの間に実現された。
- プラスチックを用いて全鋳型を24時間硬化する工程。
- ポリスチレン型鋳型の抜き取り。
- 湿気を取り除くためにコンクリート乾燥および焼成する工程、制御された大気炉内での高温での反応
- 長いロッドのための孔を有する取り外し可能な鋼鉄ボックスを用いるコンクリートダイをたがで取り巻く工程
- ロッドの圧縮応力を与える工程
- コンクリートダイから表面よごれの除去およびコランダムサンドブラストを用いる表面の活性化
- 容易に機械加工され得る熱間加工鋼鉄層の熱的投射
- 最終機械加工
によって得られた。
【0034】
図2b)は、従来型のダイに対する相違点を示すための横断的切断略図である。コンクリートの外装用ロッドを有する基礎の輸送プレートおよびダイ固定具(22)が画像に確かめられ得る。また、外装ロッド(20)が確かめられ得る。それらのいくつかは、輪(23)の支援で圧縮応力を与えられている(20A)。用いられた高強度コンクリート(25)は、制御された大気炉中で焼成されたアルミナに基づく「低水混合キャスタブル」である。外装ロッドは、熱的投射層(26)に入っている。最後に、画像は局所レーザー融合部(30)による緻密化処理を受けた層を示している。
【0035】
実施例2
局部加熱プロファイリングロールを本発明を用いて得た。前記ロールはその作業面に伝導性加熱パターンを組み込んだ。このプロファイリングロールは以下の工程:
- 発泡ポリスチレン内に鋳型の製作。プロファイリングの外形のネガを有する空のシリンダー状ケージを作製した。
- 10%の金属繊維強化材の高機械的強度コンクリート(HPC)で空洞を充填する工程。振動台を用いる外部振動および針による内部振動が充填プロセスの間実現された。
- プラスチックを用いて全鋳型を24時間湿潤硬化する工程
- ポリスチレン型の鋳型の抜き取り
- 湿気を除きそして機械的強度を実現するためのコンクリート乾燥工程
- コンクリートダイから表面よごれの除去およびコランダムサンドブラストを用いる表面および繊維の活性化
- 低伝導性チタニウム中間層のコールドスプレー
- 隔離性をさらに増すためにTiNのPVD堆積
- 伝導性加熱機能を持たねばならないプロファイルのみを暴露するためのマスキング工程
- Cuの熱的投射
- マスキングの除去
- 投射された層から伝導性加熱プロファイルの端部を機械加工する工程
- Cuプロファイルの周囲に薄い絶縁層を得るためにマスキングする工程
- アルミナの熱的投射
- マスキングの除去
- 既にCuおよびAlが投射されたゾーンのマスキング工程
- 低熱伝導性、高強度のNi−Fe−Mn合金のコールドスプレー
- マスキングの除去
- 最終機械加工
によって得られた。
【0036】
実施例3
統合冷却を有する熱間鍛造プロトタイプダイを得た。このダイは、製造された部品に高強度を実現するために高伝導性を有するいくつかのゾーン、および部品の後の切断を容易にするために伝導性が低い領域を有している。このダイは、以下の工程:
- 発泡ポリスチレン内に鋳型の製作。その内部の下側に工具形状のネガを有するボックス。
- 作業面に相当する鋳型表面にスパイクを有する管を配置し、管はポリスチレン中に0.5mm押し込まれて、スパイクは鋳型から離れた空洞の中をのぞき込んでいる。2つの独立した回路が用いられ、1つは高熱除去速度が望ましくそしてそれゆえに冷却が行われる領域用で、1つは低熱除去速度が望ましくそしてそれゆえに焼き戻しが用いられる領域用である。
- 後に、熱投射によって金属が投射される部品の領域内の、ポリスチレンの鋳型中に0.5mm挿入されたロッドで、鋳型内に外装の配置。作業ゾーンに平行である外装ロッドのいくつかが、後に圧縮フレーム内でロッドを固定することが可能であるために、ポリスチレンボックス内の各側に0.5mm挿入される。
- 10%の金属繊維強化材の高機械的強度コンクリート(HPC)で空洞を充填する工程。振動台を用いる外部振動および針による内部振動が充填プロセスの間実現された。
- プラスチックを用いる全鋳型を24時間湿潤硬化する工程(代りに、型を取り除いた後に水中に浸漬することによる硬化工程)
- ポリスチレン型の鋳型の抜き取り
- 湿気を除きそして機械的強度を実現するためのコンクリート乾燥工程
- コンクリートダイから表面よごれの除去およびコランダムサンドブラストを用いる表面、管および繊維の活性化
- 長いロッド用の孔を有する取り外し可能な鋼鉄製ボックスでコンクリートダイスをたがで取り巻く工程
- ロッドに圧縮応力を加える工程
- 0.5mm厚さのモリブデン又はアルミニウム層をHVOF熱的スプレーする工程
- 高い熱除去速度が望ましい領域のマスキング工程
- 切断される部品ゾーン又は部品が高変形能を有しなければならないそしてそれゆえ工具における低い熱除去速度が望ましい領域(焼き戻しゾーン)に相当する領域に厚い(20mm)Ti低熱伝導性合金を用いたコールドスプレー
- マスキングの除去
- 既に投射された低伝導性ゾーンをマスキングする工程
- 容易に機械加工され得る高伝導性モリブデン合金又はアルミニウムの厚い(20mm)層のコールドスプレー
- マスキングの除去
- 最終機械加工
によって得られた。
【図2a)】

【図2b)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に金属、金属間化合物又は工業用セラミックで被覆されていて、60MPaより大きい機械的強度を有するセラミック又はポリマー基材を含有する部品又は工具。
【請求項2】
前記基材が、被覆膜の付着力を向上させるために任意の形状又はサイズの金属粒子をさらに含有する請求項1に記載の部品又は工具。
【請求項3】
前記基材が、
- 200MPaより大きい機械的強度を有する陶材トセメントに基づくコンクリート、
- 繊維強化材の有無にかかわらず200MPaより大きい機械的強度を有するアルミナに基づく低水混合キャスタブル材料、および
- 150MPaより大きい機械的強度を有する高強度又は超高強度コンクリート(HPC又はUHPC)からなる群から選択される請求項1又は2に記載の部品又は工具。
【請求項4】
前記高強度又は超高強度コンクリート(HPC又はUHPC)の乾燥物の一部が金属粒子で少なくとも部分的に置き換えられている請求項3に記載の部品又は工具。
【請求項5】
前記高強度又は超高強度コンクリート(HPC又はUHPC)のセメントの一部が金属ナノ粒子によって置き換えられている請求項3に記載の部品又は工具。
【請求項6】
前記基材が、150MPaより大きい機械的強度を有する熱硬化性ポリマーを含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の部品又は工具。
【請求項7】
前記表面被覆膜が、500MPaより大きい機械的強度を有する耐摩耗性金属を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品又は工具。
【請求項8】
得られる部品の引張応力の強度を高めるために、前記基材が金属ロッドで内部を外装され且つ圧縮リングによってたがで取り巻かれている請求項1〜7のいずれか1項に記載の部品又は工具。
【請求項9】
前記基材が、空隙又は、基材よりも低密度を有する粒子を含有していて、それによって得られる部品のために全体として低減された質量を与える請求項1〜7のいずれか1項に記載の部品又は工具。
【請求項10】
前記表面被覆膜が、熱的投射被覆膜である請求項1〜9のいずれか1項に記載の部品又は工具。
【請求項11】
特定の表面又は表面下のパターンにおける高い積載能力、加熱、冷却、知覚又はアクチュエータ機能のような特定の機能を達成するために異なる性質の表面層をさらに含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の部品又は工具。
【請求項12】
前記基材の表面又は表面下に置かれた複数の管を含有して、液体が管を通って循環されるとき部品又は工具に冷却/加熱機能を与える請求項1〜11のいずれか1項に記載の部品又は工具。
【請求項13】
プラスチックの成形、シート成形又は合金ダイス注型のための工具である請求項1〜12のいずれか1項に記載の部品又は工具。
【請求項14】
部品又は工具の製造方法であって、下記の工程:
a)60MPaより大きい機械的強度を有するセラミック又はポリマー基材を望ましい形状に注型する工程、
b)前述の基材を少なくとも部分的に固化又は硬化させる工程、および
c)工程b)から得られた物品の表面を金属、金属間化合物又は工業用セラミックを用いて少なくとも部分的に被覆する工程
を含む、前記方法。
【請求項15】
前記基材が被覆膜の付着力を向上させるために任意の形状又はサイズの金属粒子を含有し、且つ前記金属粒子が表面の望ましい面に追い出されそして磁気又は電気場によって適切に配向される請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記基材の表面が、金属粒子を含有し存在しているとき、サンドブラスト、ショットペニング又はエッチングによって工程c)より前に活性化される請求項14又は15に記載の製造方法。
【請求項17】
工程c)において、工程b)から得られる部品の表面の被覆膜が、内筒対称性を有する物品の場合は金属ライナを用いて部品を内部被覆することによってなされ、外筒対称性を有する部品の場合は輪又はスリーブを用いて部品を外部被覆することによってなされる請求項14〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項18】
被覆膜の付着力を向上させるために、前記基材が注型されている鋳型の表面に金属スパイク又はセラミックロッドを部分的に沈める工程により、又はまだ新しい基材の表面に前記金属スパイク又はセラミックロッドを直接的に沈める工程のいずれかによって、前記基材の表面に金属スパイク又はセラミックロッドを置く工程をさらに含む請求項14〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項19】
工程c)の表面被覆が、液体又は蒸気の熱的投射によってあるいは堆積によってなされる請求項14〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項20】
特定の表面又は表面下のパターンにおける高い積載能力、加熱、冷却、知覚又はアクチュエータ機能のような特定の機能を達成するために、マスキングと投射、堆積又は直接溶接/局所注型によって得られる部品に異なる性質の表面層を適用する追加的な工程をさらに含む請求項14〜19のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項21】
気孔率を調整するために、例えば局所レーザー融解又はHDIR−高密度赤外局所融解によって追加的な表面緻密化処理をさらに含む請求項13〜20のいずれか1項に記載の製造方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−508715(P2011−508715A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538644(P2010−538644)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067610
【国際公開番号】WO2009/077524
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(509037938)ロバルマ,ソシエダッド アノニマ (5)
【氏名又は名称原語表記】ROVALMA,S.A.
【Fターム(参考)】