木材の検査方法及び装置及びプログラム
【課題】木材表面の彩度分布を利用して、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することができるようにすること。
【解決手段】撮影手段8で木材毎のカラー撮影を行い、画像処理手段1で前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とする。
【解決手段】撮影手段8で木材毎のカラー撮影を行い、画像処理手段1で前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材の丸太等から切り出した単板又はひき材等の木質材料にある変色による欠陥部分の検出を行う木材の検査方法及び装置及びプログラムに関する。例えば、合板を製造するには、丸太を刃物により切削して連続的に厚さ数ミリの単板を得、この単板を所定の大きさに揃え且つ乾燥した後、複数枚の単板を接着剤により接着して一体化させる。
【0002】
これらの製造工程で、単板の品質に影響を及ぼす表面の変色による欠陥、歪み、単板にある節が抜け落ちて穴となった個所、割れ等の欠陥の位置、数、面積等の程度により、合板となった時の表層を構成するもの(美観上、欠点の少ないもの)と、合板の内層を構成するもの(欠点が多くても問題とならない)とに選別(例えば5〜7段階に選別)する必要がある。
【背景技術】
【0003】
従来、合板となった時の表層を構成するものと、合板の内層を構成するものとに選別するには、コンベアで搬送される単板を作業者の肉眼より判定して行われている。
【0004】
また、従来、木材の検査方法として、撮影手段で木材のカラー撮影を行い、画像処理手段で前記撮影手段により撮影されたカラー画像の色分布の明度ヒストグラムを求め、該求めた色分布の明度ヒストグラムを予め定めた正常な木材の色分布の明度ヒストグラムと比較し、該求めた色分布の明度ヒストグラムが前記正常な木材の色分布の明度ヒストグラムから所定値以上離れたものを明度異常部(異常色分布)とし、該明度異常部が前記撮影手段により撮影された木材面上での領域で所定値より大きいものを木材の欠陥として検出するものがあった(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−147442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来のものは次のような課題があった。
【0006】
肉眼による判定では、人により判定にバラツキがある(不正確である)こと、コンベアの速度を大きくできない(生産性が悪い)等の問題があった。
【0007】
また、従来の撮影されたカラー画像の色分布の明度ヒストグラムを求め、該求めた色分布の明度ヒストグラムを予め定めた正常な木材の色分布の明度ヒストグラムと比較するものは、木材の品質に影響を及ぼすカビなどは、木材の種別や産地により色が異なるので、単一の方法では全てを精度よく検出するのは難しく、また、青カビなどの変色部の検査は特定色を検出することで行われてきたため1%以下の小さな木材の変質(変色)部を精度よく検出することが難しいものであった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決し、木材表面の彩度分布に適用することで、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図1は単板選別装置の説明図である。図1中、1は画像処理装置(画像処理手段)、2は選別機制御装置(選別機制御手段)、3は操作盤(操作手段)、4はベルトコンベア、5は透過光用LED照明、6は反射光用LED照明、7は等級別積載装置、8はラインセンサカメラ(撮影手段)、9は単板(木材)、11は画像入力部(画像入力手段)、12は画像メモリ(格納手段)、13は表面反射光画像処理部(表面反射光画像処理手段)、14は透過光画像処理部(透過光画像処理手段)、15は等級判定処理部(等級判定処理手段)である。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するため次のように構成した。
【0011】
(1):撮影手段8で木材毎のカラー撮影を行い、画像処理手段1で前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とする。このため、木材表面の彩度分布で、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することができる。
【0012】
(2):撮影手段8で木材毎のカラー撮影を行い、画像処理手段1で前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とする。このため、木材表面の彩度分布で、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することができる。
【0013】
(3):前記(2)の木材の検査方法及び装置において、前記候補とされた木材の異常彩度領域の部分で少なくとも1箇所の部分の面積が、予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とする。このため、大きな変色のある木材を選別することができる。
【0014】
(4):前記(2)の木材の検査方法及び装置において、前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布から求め、該求めた彩度分布の低彩度から累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較する時、閾値として、累積度数が0.5以下の統計精度的に有意な度数領域にあり、且つ(欠陥を有する)前記候補とされた木材の累積度数分布との差が最大となる彩度位置において、両者の累積度数を比較する。このため、撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と閾値との比較を容易に行うことができる。
【0015】
(5):前記(1)の木材の検査方法及び装置において、前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較するとき、前記撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と前記正常な木材の累積度数分布との差を、予め定めた彩度まで積算した面積について、その面積が所定値以上になった該木材を選別すべき木材(異常彩度分布)とする。このため、木材表面の彩度分布で、小さな変色であっても、より感度よく検出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば次のような効果がある。
【0017】
(1):画像処理手段で撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とするため、木材表面の彩度分布で、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することができる。
【0018】
(2):画像処理手段で撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とするため、木材表面の彩度分布で、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することができる。
【0019】
(3):候補とされた木材の異常彩度領域の部分で少なくとも1箇所の部分の面積が、予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とするため、大きな変色のある木材を選別することができる。
【0020】
(4):撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求め、該求めた彩度分布の低彩度から累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較する時、閾値として、累積度数が0.5以下の統計精度的に有意な度数領域にあり、且つ(欠陥を有する)前記候補とされた木材の累積度数分布との差が最大となる彩度位置において、両者の累積度数を比較するため、撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と閾値との比較を容易に行うことができる。
【0021】
(5):撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較するとき、前記撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と前記正常な木材の累積度数分布との差を、予め定めた彩度まで積算した面積について、その面積が所定値以上になった該木材を選別すべき木材(異常彩度分布)とするため、木材表面の彩度分布で、小さな変色であっても、より感度よく検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(1):単板選別装置の説明
図1は単板選別装置の説明図である。図1において、木材の検査装置を含めた単板選別装置の全体構成を示しており、単板選別装置には、画像処理装置1、選別機制御装置2、操作盤3、ベルトコンベア4、透過光用LED照明5、反射光用LED照明6、等級別積載装置7、ラインセンサカメラ8が設けてある。画像処理装置1には、画像入力部11、画像メモリ12、表面反射光画像処理部13、透過光画像処理部14、等級判定処理部15が設けてある。
【0023】
画像処理装置1は、ラインセンサカメラ8からの画像データの処理を行い、単板品質等級等の処理結果を選別機制御装置2に出力する画像処理手段である。選別機制御装置2は、画像処理装置1の出力によりコンベアの運転、停止等の選別機コンベア制御信号の出力と等級別積載装置7の制御信号を出力するものである。操作盤3は、画像処理装置1の設定値の変更、選別機制御装置2の制御等の操作を行う操作手段である。ベルトコンベア4は、単板9を搬送する搬送手段である。透過光用LED照明5は、単板9の穴、割れ等を検出するための照明手段(光源)で、反射光用LED照明6と異なる色の照明(例えば緑色の照明)を使用する。これは、反射光用LED照明6からの反射光と区別(色及び強度により区別)して、単板の穴(節穴)、割れ等を検出するためである。反射光用LED照明6は、単板9の反射光を検出するための照明手段(光源)で、通常白色の照明を使用する。等級別積載装置7は、単板9を等級別に分配して積載する等級別分配装置である。ラインセンサカメラ8は、単板9のラインの画像を撮影する撮影手段である。
【0024】
画像入力部11は、ラインセンサカメラ8からの画像が入力される画像入力手段である。画像メモリ12は、画像入力部11からの画像を格納する格納手段である。表面反射光画像処理部13は、反射光用LED照明6により照明された単板9の表面からの反射光の画像を処理する処理部(処理手段)である。透過光画像処理部14は、透過光用LED照明5から単板9を透過した透過光の画像を処理する処理部(処理手段)である。等級判定処理部15は、単板9の等級の判定の処理を行う処理部(処理手段)である。
【0025】
この単板選別装置の動作は、ベルトコンベア4で送られてきた単板9をラインセンサカメラ8で撮影して画像データを画像処理装置1に出力する。画像処理装置1ではこの画像データの処理を行い、単板品質等級等の処理結果を選別機制御装置2に出力する。選別機制御装置2は等級別積載装置7に制御信号を出力して、単板9を等級別に選別するものである。この選別は、虫穴数、穴・抜け節数、生節数、死節数、欠け数、割れ数、ヤニ・入皮数、青変数、歪み(あばれ値)等及びこれらの大きさ(面積)等の程度により行われる。
【0026】
画像処理装置1の動作は、搬送されてきた単板9を透過光用光源5と反射光用光源6からの光線で照明し、ラインセンサカメラ8から1ラインの画像を画像入力部11から取り込み、画像メモリ12に格納し、1枚の全体画像として合成される。
【0027】
単板9の表面からの反射光の画像を表面反射光画像処理部13で処理し、単板9を透過した透過光の画像を透過光画像処理部14で処理し、それぞれ等級判定処理部15に出力する。等級判定処理部15では、単板9の等級の判定の処理を行うものである。
【0028】
(2):単板表面の変色による欠陥部の検出の説明
単板の品質に影響を及ぼす表面の変色による欠陥部分を、以下の手段と方法により検出することができる。
【0029】
変色による欠陥部とは、木材に外部から進入してきたカビ等による変色部がある他、合板に用いる単板などでは、乾燥機による焦げや、木材の樹皮跡、木材の内部に形成されたヤニが表面に現われたものなどがある。
【0030】
これらのものを欠陥部として、検出できるようにすることである。
【0031】
(欠陥部の検出手段の説明)
1)単板の表面を、カラーのラインセンサカメラ8で撮影し、その画像をコンピュータに入力装置(画像入力手段)を用いて取り込む。
【0032】
2)その撮影画像をコンピュータメモリ上(画像メモリ)に、各画素がRGB(赤、緑、青)で構成されるカラー画像として保存する。
【0033】
3)コンピュータ画像処理プログラム(画像処理装置の表面反射光画像処理部13)により、RGB画像をHSV(色相、彩度、明度)画像に変換する。
【0034】
4)HSV画像から下記方法により欠陥部の検出を行う。
【0035】
(欠陥部の検出方法の説明)
同一樹種の正常な(健全な)単板の表面色は、その濃淡(明度)に関係なく、ほぼ特定の彩度と色相の領域に分布する。ところが、カビなどの欠陥部は、材質の違いに起因して、健全色の分布からは、彩度、色相にずれが生じる。
【0036】
特に、「青カビ」と呼ばれる変色部は、健全部に比べ彩度が低くなる傾向にあることを利用し、検出可能である。
【0037】
従って、検査対象単板表面の色分布の、健全単板表面の色分布に対して彩度、色相の偏差を調べ、大きな偏差値の部分を欠陥部として検出する方法を特徴としている。
【0038】
(3):基準となる健全単板表面の色分布を取得する方法の説明
1)検査対象となる樹種について、原木を切削して得られた単板であって検査する単板と同じ長さ、例えば、繊維方向長さ2m、同方向と直交する方向の長さ1mとした20枚程度の単板の表面をカラーのラインセンサカメラ8により撮影する。
【0039】
2)上記は、同一樹種について、十分な統計精度が得られるよう、異なる状態の表面を複数枚(20枚程度以上)撮影する。
【0040】
3)上記の全ての画像の各画素色を、コンピュータメモリ上の3次元色空間に配置し3次元色分布を作成する。
【0041】
3次元色空間としては、RGB(赤、緑、青色空間)を採るものと、HSV(色相、彩度、明度色空間)あるいはLab色空間(「L」は明度、「a」はグリーンからレッドへ、「b」はブルーからイエローへの色相の要素を表す)などを用いることができる。
【0042】
4)3次元色分布の等明度面毎に、2次元分布を求め、最大頻度を示す点を得る。
【0043】
5)明度を段階的に変化させながら上記4)の最大頻度点を近似的に結ぶ曲線を得ることができる。この曲線を、3次元色分布の基準中心軸と称することにする。
【0044】
例えば、HSV色分布で明度が0.0 〜 1.0の範囲の値をとる場合、明度区分0.02毎の等明度の値を持つ画素の色相、彩度の2次元分布を求め、その最大頻度点を結ぶ曲線を得、それを3次元色分布の基準中心軸とする。また同時に色相、彩度の2次元分布の標準偏差σc(v)も求める。
【0045】
6)欠陥部面積が検査対象領域に対して相対的に小さいことが予め分かっている場合には、この基準分布は、検査対象毎に取得した画像分布で置き換えることもできる。すなわち、健全部の分布の平均と標準偏差の値が分かればよいためである。
【0046】
(4):HSV色空間における色分布の説明
図2はHSV色空間における色分布の説明図である。図2において、上方向は明度(V:ここではV=0.0 〜1.0 )、同じ明度平面の直径方向が彩度(S:ここではS=0.0 〜1.0 )、円周方向が色相(H:ここではH= 0°〜 360°)を表している。健全単板の色分布は大きい上下の色分布の領域があり、この色分布の中心軸(基準中心軸)を上方向の矢印で示してある。
【0047】
また、カビ等の変色部である色彩異常部の色分布は右側に色彩異常領域として示してある。さらに、乾燥機による焦げ等の明度異常部は下側で小さな色分布の領域として示してある。
【0048】
(5):色彩異常による欠陥検査方法の説明
1)検査対象の単板表面をカラーのラインセンサカメラ8により撮影する。
【0049】
2)その画像の各画素を3次元色空間に配置し、3次元色分布を作成する。
【0050】
3)3次元色分布の基準中心軸からの色彩偏差値を次のように求める。
【0051】
例えば、対象画像のx,y 位置の画素をg[x,y]と、そのHSV色分布空間での色を
色相値:h(g[x,y]) 彩度値:s(g[x,y]) 明度値:v(g[x,y]) とし
先の求めた3次元色分布の基準中心軸の特定の明度vにおける基準中心軸の座標を
色相値:H(v)、彩度値:S(v)とし
その等明度平面の横軸をX,縦軸をYとすると図3のようになる。図3は画像g各点の色をHS平面上に変換する説明図である。図3において、対象画像の単板の画素をg[x,y]をHS平面上の直行座標X2,Y2 に変換するものである。なお、色の分布(網かけ参照)は円ではなく様々な形に分布するが、標準偏差では略円となる。
【0052】
ここで、基準中心軸座標 H(v),S(v) の直交座標X1,Y1 は、次のようになる。
【0053】
X1=S(v)・cos(2 π・H(v)/360)
Y1=S(v)・sin(2 π・H(v)/360)
画素g[x,y]のh(v),s(v) の直交座標X2,Y2 は、次のようになる。
【0054】
X2=s(v)・cos(2 π・h(v)/360)
Y2=s(v)・sin(2 π・h(v)/360)
基準中心軸からの二乗空間距離dは、次のようにして求められる。
【0055】
d2 =(X1 − X2)2 + (Y1− Y2)2
そこで、色彩偏差値Zc[x,y] は、次のようになる。
【0056】
Zc[x,y] = (√d) / ( σc(v)×βc)
ここで、σc(v)は基準中心軸の明度vにおける色相、彩度2次元分布の標準偏差σc(v)である。βc は、基準中心軸からσc(v)の何倍離れた色を異常とするかを定める係数で、例えば、1.0 〜2.0 程度の値をとる。
【0057】
また、Lab色空間など他の色分布を用いても同様に空間距離の偏差を求めることができる。
【0058】
4)次に、実際の欠陥部分の領域を求めるためには、色分布空間で標準から隔たった色の画素が、元の単板画像g[x,y]で局所的に塊を形成している画素だけを選択する必要がある。それには、周辺の画素の色を考慮しながら不連続な孤立点を除去し、偏差の大きな部分を強調するような処理として、画像処理技法で一般的な弛緩法と称される方法などを用いることができる。
【0059】
一例としては、基準中心軸からの色彩偏差値Zc[x,y] を初期ラベルとする弛緩法によりクラスター化処理を行って、色彩異常による欠陥領域を決定することができる(図4の説明参照)。
【0060】
(6):弛緩法の説明
図4は弛緩法の説明図である。以下図4の処理S1〜S3に従って説明する。
【0061】
この処理では、対象となる画像の画素g(x,y)各々に対して、欠陥確率Pi(x,y) を設定する。ここでPi(x,y) は、i 回目の繰り返し後の画素g(x,y)に対する欠陥確率である。
【0062】
S1:画像処理装置は、対象となる画像の画素g(x,y)各々に対して、初期確率P0(x,y) ( 0〜1.0 )を与え、処理S2に移る。ここでP0(x,y) は、色偏差値Z(x,y)の値から次のようにする。
【0063】
P0(x,y) = Z(x,y) : 0 < Z< 1.0
1.0 : Z ≧ 1.0
S2:画像処理装置は、全ての画素に対して
もし( 0.0 < Pi(x,y) < 1.0 ) のとき
Pi(x,y) の近隣の画素の確率平均値<P> を求め、
Pi+1 = Pi + α(<P> - Pi)
(αは、周辺画素の影響係数で 1.0〜4.0 程度)
として確率を更新し、処理S3に移る。
【0064】
(Pi(x,y)≦ 0.0もしくは Pi(x,y)≧ 1.0 )のときは
Pi+1 = Pi
として確率は更新しないで、処理S3に移る。
【0065】
S3:画像処理装置は、収束条件を調べる。
【0066】
もし、Pi(x,y) に対して、
繰返回数Iが指定数より大きく(I>指定数)、
Pi=0.0と pi=1.0 の画素数の全画素に対する割合が指定率より大きい(>指定率)
であれば、処理を終了する。
【0067】
そうでなければ、処理S2を繰り返す。
【0068】
ここで、繰り返しの指定数は、10回程度、Pi=0.0と pi=1.0 の画素数の全画素に対する指定率は、99% 程度とする。
【0069】
(7):色彩異常による欠陥部分の検出の詳細な説明
同一樹種の健全な単板の表面色は、その明度に関係なく、ほぼ特定の彩度と色相の領域に分布する。ところが、カビなどの欠陥部は、材質の違いに起因して、健全色の分布からは、彩度、色相にずれが生じる。特に、「青カビ」と呼ばれる変色部は、健全部に比べ彩度が低くなる傾向にあることを利用し、検出可能である。
【0070】
1)健全単板の表面の彩度分布の説明
図5は健全単板の表面の彩度分布の説明図である。図5において、健全単板の表面の彩度分布図の縦軸は度数(画素数)、横軸は彩度である。健全単板の表面の彩度分布(ヒストグラム)は、ほぼ正規分布となる。
【0071】
2)青カビを含む場合の彩度分布の説明
図6は青カビを含む1枚の単板の場合の彩度分布の説明図である。図6において、青カビを含む場合の彩度分布の縦軸は度数(画素数)、横軸は彩度である。青カビを含む場合の彩度分布で、実際に得られるのは、健全単板の分布域と青カビの分布域が合わさった、実線で示されたような分布(ヒストグラム)であり、青カビなどの欠陥の存在を検出するには、低彩度部分の分布形状を検出する必要がある。しかし、一般的には、よほど大きな欠陥が存在しない限り、図6のように顕著な分布形状の変化は、確認できない。そこで、前述したヒストグラムを元に、以下のように累積度数分布を作成して青カビを検出することができる。
【0072】
3)累積確率分布関数の説明
図7は一般的な正規分布の累積度数F(x)の説明図である。図7において、点線のグラフは、彩度の分布確率(正規分布)である。一般的な正規分布の累積度数F(x)は、度数分布の度数を全数Nで割り、規格化したものである。この場合には、ヒストグラムが標準正規分布に従うものとして、規格化された累積確率分布関数F(x)が、次のように表すことができる。
【0073】
【数1】
【0074】
(ここで、x は測定値、μは平均値、σは標準偏差である。)
そこでは、例えば
x1 =μ−2.0 σ
x2 =μ−1.0 σ
x3 =μ−0.5 σ
x4 =μ
として
p1 = F( x1 ) = 0.0228
p2 = F( x2 ) = 0.1587
p3 = F( x3 ) = 0.3085
p4 = F( x4 ) = 0.5
などのような関係がある。これを、青カビを含む単板表面の彩度分布に適用すると、図8のようになる。
【0075】
図8は青カビを含む1枚の単板の表面の彩度分布の説明図である。図8において、点線は健全部の累積度数分布であり、実線が青カビが存在する場合の累積度数分布である。ここで、彩度ヒストグラムを彩度の低いほうから積算し、その積算値を全画素数で割った値(累積度数)がp1、p2、p3、p4となるx1、x2、x3、x4を求めると、その点は、健全部と比べて低彩度の方向に移動することとなる。この移動する割合は、健全部の累積度分布の中間の値より少ない値になるほど大きくなっている。
【0076】
これは、青カビなどに起因する彩度変化が、人間の目で確認できるような局所的な変色欠陥だけでなく、人が気付かないほど単板表面に均一に広く分布しているという特性を検出することに他ならない。
【0077】
従って、この変化は、密度分布を用いて分布形状を調べる場合に比べて、遥かに顕著に現れる傾向があり、この変化を捉えれば、青カビの存在有無を精度よく検出することが可能となる。
【0078】
(実際の検出方法の説明)
(a)実際に青カビの存在の有無を検出するには、閾値として、健全部の累積度分布の中間の値(p4 = F( x4 ) = 0.5)より少ない値で、できるだけ少ない値を選ぶと青カビの存在を精度よく検出できる。但し、累積度分布の画素数があまり少ないと、誤差が大きくなるので、ある程度の画素数(累積度数)が必要となる。例えば、図9のように、閾値として、累積度数Pと彩度xを設定し、その値を超過したら欠陥が存在するものとする方法がある。
【0079】
図9は一枚の単板表面での青カビの存在の有無を検出する方法の説明図(1)である。図9において、点線は健全部の累積度数分布であり、実線が青カビが存在する場合の累積度数分布である。白丸で示すように、閾値として、累積度数Pと彩度xを設定(健全部の分布の左側に設定)し、その値を超過(実線が白丸を越える)したら欠陥が存在するものとする。すなわち、設定した彩度xまでの累積度数が、設定した累積度数Pを超過する、又は、設定した累積度数Pまでの彩度が設定した彩度xに到達していない場合に欠陥が存在するものである。なお、閾値としての累積度数Pと彩度xは、図9に示したように、予め求められた健全木材表面の彩度分布に対して、青カビの彩度分布は、その分布最大値より低彩度側に分布していることを利用して、健全木材表面の彩度分布で累積度数F(x)=0.5 となる基準値:mよりは、低彩度側で、且つ、Pに対する累積度数すなわち、n(x)=P×N(全数)において、統計精度√n(x)/n(x)が有意な精度、例えば、1%以上となる領域にあり、健全木材の累積度数F(x)との差が最大となる位置を採ることができる(この文中の√n(x)/n(x)は、分子のみ全体にルートがかかったものである。)。
【0080】
(b)実際に青カビの存在の有無を検出する他の方法として、次のようにすることもできる。
【0081】
図10は一枚の単板表面での青カビの存在の有無を検出する方法の説明図(2)である。図10において、点線は健全部の累積度数分布であり、実線が青カビが存在する場合の累積度数分布である。実線の測定された累積度数分布と、点線の予め健全と認められた単板表面の累積度数分布との差を、予め設定された彩度xまで積算した面積(網かけ参照)について、その大きさが設定閾値以上になった場合に欠陥が存在するものとする方法がある。これら(a)、(b)の方法により、前記欠陥があると判断されたものを選別すべき単板として、等級別積載装置7により前記欠陥が無い単板とは別の通路へと選別しても良い。
【0082】
また、前記欠陥があると判断されたものを選別すべき単板の候補として、さらに、次のように検査しても良い。
【0083】
すなわち、選別すべき単板の候補とした対象材について、前記説明した(5)、(6)の方法により、彩度異常領域のクラスター化処理を行い、その塊となった面積を検査する。
【0084】
該検査した面積が、所定の値以上になった場合に選別すべき単板として検出し、同じく等級別積載装置7により、前記欠陥が無い単板や、選別すべき単板の候補とした対象材であって該検査した面積が所定の値未満の単板とは別の通路へと選別する。
【0085】
さらには、前記(a)、(b)の方法により、欠陥があると判断されたものを選別すべき単板の候補として、次のように検査しても良い。
【0086】
すなわち、前記クラスター化処理により面積を求めると共に、予め設定した面積の値以上となる箇所が、1枚の単板の中で予め定めた個数以上あった場合に、該単板を選別すべき単板として検出して他の単板と別の通路へと選別しても良い。
【0087】
このように、これまでは、木材の自動品質検査においては、木材の品質に影響を及ぼすカビなどは、木材の種別や産地により色が異なるので、単一の方法では全てを精度よく検出するのは難しかった。また、青カビなどの変色部の検査は特定色を検出することで行われてきたため、小さな変色部は、見逃すことが多かった。しかし、本方法によれば、見逃しやすい小さな変色であっても、表面全体を累積して検査するため、感度よく検出することが可能となる。
【0088】
(8):青カビ検出処理の説明
図11は青カビ検出処理フローチャートである。以下、図11の処理S11〜S16に従って、青カビ検出処理の説明をする。
【0089】
S11:画像処理装置1の表面反射光画像処理部13は、画像メモリ12の入力画像から検査対象物の画像(青カビ検出処理の画像)を切り分け、処理S12に移る。なお、青カビ検出処理以外の画像の場合はその他の処理に移る。
【0090】
S12:表面反射光画像処理部13は、彩度の全画素のヒストグラムと累積度数分布を作成し、処理S13に移る。
【0091】
S13:表面反射光画像処理部13は、作成した累積度数分布を判定用閾値と比較し、青カビの有無を判定する。この判定で、欠陥無しの場合は処理S16に移り、欠陥有りの場合は処理S14に移る。
【0092】
S14:表面反射光画像処理部13は、弛緩法によりクラスター化処理を行い、処理S15に移る。
【0093】
S15:表面反射光画像処理部13は、クラスター部の面積を求め、処理S16に移る。
【0094】
S16:等級判定処理部15は、青カビの等級設定値を用いて、クラスター部の面積により、等級の判定の処理を行い、青カビ等級を格納手段に保管(又は選別機制御装置2に出力)する。
【0095】
(9):プログラムインストールの説明
画像処理装置(画像処理手段)1、選別機制御装置(選別機制御手段)2、操作盤(操作手段)3、画像入力部(画像入力手段)11、表面反射光画像処理部(表面反射光画像処理手段)13、透過光画像処理部(透過光画像処理手段)14、等級判定処理部(等級判定処理手段)15等はプログラムで構成でき、主制御部(CPU)が実行するものであり、主記憶に格納されているものである。このプログラムは、コンピュータで処理されるものである。このコンピュータは、主制御部、主記憶、ファイル装置、表示装置等の出力装置、入力装置などのハードウェアで構成されている。
【0096】
このコンピュータに、本発明のプログラムをインストールする。このインストールは、フロッピィ、光磁気ディスク等の可搬型の記録(記憶)媒体に、これらのプログラムを記憶させておき、コンピュータが備えている記録媒体に対して、アクセスするためのドライブ装置を介して、或いは、LAN等のネットワークを介して、コンピュータに設けられたファイル装置にインストールされる。これにより、木材の品質に影響を及ぼす木材表面の変色による欠陥部分を色分布を利用して正確に検出できる木材の検査装置を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の単板選別装置の説明図である。
【図2】本発明のHSV色空間における色分布の説明図である
【図3】本発明の画像g各点の色をHS平面上に変換する説明図である。
【図4】本発明の弛緩法の説明図である。
【図5】本発明の健全単板の表面の彩度分布の説明図である。
【図6】本発明の青カビを含む1枚の単板の場合の彩度分布の説明図である。
【図7】本発明の一般的な正規分布の累積度数F(x)の説明図である。
【図8】本発明の青カビを含む1枚の単板の表面の彩度分布の説明図である。
【図9】本発明の一枚の単板表面での青カビの存在の有無を検出する方法の説明図(1)である。
【図10】本発明の一枚の単板表面での青カビの存在の有無を検出する方法の説明図(2)である。
【図11】本発明の青カビ検出処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
1 画像処理装置(画像処理手段)
2 選別機制御装置(選別機制御手段)
3 操作盤(操作手段)
4 ベルトコンベア
5 透過光用LED照明(照明手段)
6 反射光用LED照明(照明手段)
7 等級別積載装置
8 ラインセンサカメラ(撮影手段)
9 単板(木材)
11 画像入力部(画像入力手段)
12 画像メモリ(格納手段)
13 表面反射光画像処理部(表面反射光画像処理手段)
14 透過光画像処理部(透過光画像処理手段)
15 等級判定処理部(等級判定処理手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材の丸太等から切り出した単板又はひき材等の木質材料にある変色による欠陥部分の検出を行う木材の検査方法及び装置及びプログラムに関する。例えば、合板を製造するには、丸太を刃物により切削して連続的に厚さ数ミリの単板を得、この単板を所定の大きさに揃え且つ乾燥した後、複数枚の単板を接着剤により接着して一体化させる。
【0002】
これらの製造工程で、単板の品質に影響を及ぼす表面の変色による欠陥、歪み、単板にある節が抜け落ちて穴となった個所、割れ等の欠陥の位置、数、面積等の程度により、合板となった時の表層を構成するもの(美観上、欠点の少ないもの)と、合板の内層を構成するもの(欠点が多くても問題とならない)とに選別(例えば5〜7段階に選別)する必要がある。
【背景技術】
【0003】
従来、合板となった時の表層を構成するものと、合板の内層を構成するものとに選別するには、コンベアで搬送される単板を作業者の肉眼より判定して行われている。
【0004】
また、従来、木材の検査方法として、撮影手段で木材のカラー撮影を行い、画像処理手段で前記撮影手段により撮影されたカラー画像の色分布の明度ヒストグラムを求め、該求めた色分布の明度ヒストグラムを予め定めた正常な木材の色分布の明度ヒストグラムと比較し、該求めた色分布の明度ヒストグラムが前記正常な木材の色分布の明度ヒストグラムから所定値以上離れたものを明度異常部(異常色分布)とし、該明度異常部が前記撮影手段により撮影された木材面上での領域で所定値より大きいものを木材の欠陥として検出するものがあった(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−147442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来のものは次のような課題があった。
【0006】
肉眼による判定では、人により判定にバラツキがある(不正確である)こと、コンベアの速度を大きくできない(生産性が悪い)等の問題があった。
【0007】
また、従来の撮影されたカラー画像の色分布の明度ヒストグラムを求め、該求めた色分布の明度ヒストグラムを予め定めた正常な木材の色分布の明度ヒストグラムと比較するものは、木材の品質に影響を及ぼすカビなどは、木材の種別や産地により色が異なるので、単一の方法では全てを精度よく検出するのは難しく、また、青カビなどの変色部の検査は特定色を検出することで行われてきたため1%以下の小さな木材の変質(変色)部を精度よく検出することが難しいものであった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決し、木材表面の彩度分布に適用することで、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図1は単板選別装置の説明図である。図1中、1は画像処理装置(画像処理手段)、2は選別機制御装置(選別機制御手段)、3は操作盤(操作手段)、4はベルトコンベア、5は透過光用LED照明、6は反射光用LED照明、7は等級別積載装置、8はラインセンサカメラ(撮影手段)、9は単板(木材)、11は画像入力部(画像入力手段)、12は画像メモリ(格納手段)、13は表面反射光画像処理部(表面反射光画像処理手段)、14は透過光画像処理部(透過光画像処理手段)、15は等級判定処理部(等級判定処理手段)である。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するため次のように構成した。
【0011】
(1):撮影手段8で木材毎のカラー撮影を行い、画像処理手段1で前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とする。このため、木材表面の彩度分布で、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することができる。
【0012】
(2):撮影手段8で木材毎のカラー撮影を行い、画像処理手段1で前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とする。このため、木材表面の彩度分布で、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することができる。
【0013】
(3):前記(2)の木材の検査方法及び装置において、前記候補とされた木材の異常彩度領域の部分で少なくとも1箇所の部分の面積が、予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とする。このため、大きな変色のある木材を選別することができる。
【0014】
(4):前記(2)の木材の検査方法及び装置において、前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布から求め、該求めた彩度分布の低彩度から累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較する時、閾値として、累積度数が0.5以下の統計精度的に有意な度数領域にあり、且つ(欠陥を有する)前記候補とされた木材の累積度数分布との差が最大となる彩度位置において、両者の累積度数を比較する。このため、撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と閾値との比較を容易に行うことができる。
【0015】
(5):前記(1)の木材の検査方法及び装置において、前記撮影手段8により撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較するとき、前記撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と前記正常な木材の累積度数分布との差を、予め定めた彩度まで積算した面積について、その面積が所定値以上になった該木材を選別すべき木材(異常彩度分布)とする。このため、木材表面の彩度分布で、小さな変色であっても、より感度よく検出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば次のような効果がある。
【0017】
(1):画像処理手段で撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とするため、木材表面の彩度分布で、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することができる。
【0018】
(2):画像処理手段で撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とするため、木材表面の彩度分布で、見逃しやすい小さな変色であっても、感度よく検出することができる。
【0019】
(3):候補とされた木材の異常彩度領域の部分で少なくとも1箇所の部分の面積が、予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とするため、大きな変色のある木材を選別することができる。
【0020】
(4):撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求め、該求めた彩度分布の低彩度から累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較する時、閾値として、累積度数が0.5以下の統計精度的に有意な度数領域にあり、且つ(欠陥を有する)前記候補とされた木材の累積度数分布との差が最大となる彩度位置において、両者の累積度数を比較するため、撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と閾値との比較を容易に行うことができる。
【0021】
(5):撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較するとき、前記撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と前記正常な木材の累積度数分布との差を、予め定めた彩度まで積算した面積について、その面積が所定値以上になった該木材を選別すべき木材(異常彩度分布)とするため、木材表面の彩度分布で、小さな変色であっても、より感度よく検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(1):単板選別装置の説明
図1は単板選別装置の説明図である。図1において、木材の検査装置を含めた単板選別装置の全体構成を示しており、単板選別装置には、画像処理装置1、選別機制御装置2、操作盤3、ベルトコンベア4、透過光用LED照明5、反射光用LED照明6、等級別積載装置7、ラインセンサカメラ8が設けてある。画像処理装置1には、画像入力部11、画像メモリ12、表面反射光画像処理部13、透過光画像処理部14、等級判定処理部15が設けてある。
【0023】
画像処理装置1は、ラインセンサカメラ8からの画像データの処理を行い、単板品質等級等の処理結果を選別機制御装置2に出力する画像処理手段である。選別機制御装置2は、画像処理装置1の出力によりコンベアの運転、停止等の選別機コンベア制御信号の出力と等級別積載装置7の制御信号を出力するものである。操作盤3は、画像処理装置1の設定値の変更、選別機制御装置2の制御等の操作を行う操作手段である。ベルトコンベア4は、単板9を搬送する搬送手段である。透過光用LED照明5は、単板9の穴、割れ等を検出するための照明手段(光源)で、反射光用LED照明6と異なる色の照明(例えば緑色の照明)を使用する。これは、反射光用LED照明6からの反射光と区別(色及び強度により区別)して、単板の穴(節穴)、割れ等を検出するためである。反射光用LED照明6は、単板9の反射光を検出するための照明手段(光源)で、通常白色の照明を使用する。等級別積載装置7は、単板9を等級別に分配して積載する等級別分配装置である。ラインセンサカメラ8は、単板9のラインの画像を撮影する撮影手段である。
【0024】
画像入力部11は、ラインセンサカメラ8からの画像が入力される画像入力手段である。画像メモリ12は、画像入力部11からの画像を格納する格納手段である。表面反射光画像処理部13は、反射光用LED照明6により照明された単板9の表面からの反射光の画像を処理する処理部(処理手段)である。透過光画像処理部14は、透過光用LED照明5から単板9を透過した透過光の画像を処理する処理部(処理手段)である。等級判定処理部15は、単板9の等級の判定の処理を行う処理部(処理手段)である。
【0025】
この単板選別装置の動作は、ベルトコンベア4で送られてきた単板9をラインセンサカメラ8で撮影して画像データを画像処理装置1に出力する。画像処理装置1ではこの画像データの処理を行い、単板品質等級等の処理結果を選別機制御装置2に出力する。選別機制御装置2は等級別積載装置7に制御信号を出力して、単板9を等級別に選別するものである。この選別は、虫穴数、穴・抜け節数、生節数、死節数、欠け数、割れ数、ヤニ・入皮数、青変数、歪み(あばれ値)等及びこれらの大きさ(面積)等の程度により行われる。
【0026】
画像処理装置1の動作は、搬送されてきた単板9を透過光用光源5と反射光用光源6からの光線で照明し、ラインセンサカメラ8から1ラインの画像を画像入力部11から取り込み、画像メモリ12に格納し、1枚の全体画像として合成される。
【0027】
単板9の表面からの反射光の画像を表面反射光画像処理部13で処理し、単板9を透過した透過光の画像を透過光画像処理部14で処理し、それぞれ等級判定処理部15に出力する。等級判定処理部15では、単板9の等級の判定の処理を行うものである。
【0028】
(2):単板表面の変色による欠陥部の検出の説明
単板の品質に影響を及ぼす表面の変色による欠陥部分を、以下の手段と方法により検出することができる。
【0029】
変色による欠陥部とは、木材に外部から進入してきたカビ等による変色部がある他、合板に用いる単板などでは、乾燥機による焦げや、木材の樹皮跡、木材の内部に形成されたヤニが表面に現われたものなどがある。
【0030】
これらのものを欠陥部として、検出できるようにすることである。
【0031】
(欠陥部の検出手段の説明)
1)単板の表面を、カラーのラインセンサカメラ8で撮影し、その画像をコンピュータに入力装置(画像入力手段)を用いて取り込む。
【0032】
2)その撮影画像をコンピュータメモリ上(画像メモリ)に、各画素がRGB(赤、緑、青)で構成されるカラー画像として保存する。
【0033】
3)コンピュータ画像処理プログラム(画像処理装置の表面反射光画像処理部13)により、RGB画像をHSV(色相、彩度、明度)画像に変換する。
【0034】
4)HSV画像から下記方法により欠陥部の検出を行う。
【0035】
(欠陥部の検出方法の説明)
同一樹種の正常な(健全な)単板の表面色は、その濃淡(明度)に関係なく、ほぼ特定の彩度と色相の領域に分布する。ところが、カビなどの欠陥部は、材質の違いに起因して、健全色の分布からは、彩度、色相にずれが生じる。
【0036】
特に、「青カビ」と呼ばれる変色部は、健全部に比べ彩度が低くなる傾向にあることを利用し、検出可能である。
【0037】
従って、検査対象単板表面の色分布の、健全単板表面の色分布に対して彩度、色相の偏差を調べ、大きな偏差値の部分を欠陥部として検出する方法を特徴としている。
【0038】
(3):基準となる健全単板表面の色分布を取得する方法の説明
1)検査対象となる樹種について、原木を切削して得られた単板であって検査する単板と同じ長さ、例えば、繊維方向長さ2m、同方向と直交する方向の長さ1mとした20枚程度の単板の表面をカラーのラインセンサカメラ8により撮影する。
【0039】
2)上記は、同一樹種について、十分な統計精度が得られるよう、異なる状態の表面を複数枚(20枚程度以上)撮影する。
【0040】
3)上記の全ての画像の各画素色を、コンピュータメモリ上の3次元色空間に配置し3次元色分布を作成する。
【0041】
3次元色空間としては、RGB(赤、緑、青色空間)を採るものと、HSV(色相、彩度、明度色空間)あるいはLab色空間(「L」は明度、「a」はグリーンからレッドへ、「b」はブルーからイエローへの色相の要素を表す)などを用いることができる。
【0042】
4)3次元色分布の等明度面毎に、2次元分布を求め、最大頻度を示す点を得る。
【0043】
5)明度を段階的に変化させながら上記4)の最大頻度点を近似的に結ぶ曲線を得ることができる。この曲線を、3次元色分布の基準中心軸と称することにする。
【0044】
例えば、HSV色分布で明度が0.0 〜 1.0の範囲の値をとる場合、明度区分0.02毎の等明度の値を持つ画素の色相、彩度の2次元分布を求め、その最大頻度点を結ぶ曲線を得、それを3次元色分布の基準中心軸とする。また同時に色相、彩度の2次元分布の標準偏差σc(v)も求める。
【0045】
6)欠陥部面積が検査対象領域に対して相対的に小さいことが予め分かっている場合には、この基準分布は、検査対象毎に取得した画像分布で置き換えることもできる。すなわち、健全部の分布の平均と標準偏差の値が分かればよいためである。
【0046】
(4):HSV色空間における色分布の説明
図2はHSV色空間における色分布の説明図である。図2において、上方向は明度(V:ここではV=0.0 〜1.0 )、同じ明度平面の直径方向が彩度(S:ここではS=0.0 〜1.0 )、円周方向が色相(H:ここではH= 0°〜 360°)を表している。健全単板の色分布は大きい上下の色分布の領域があり、この色分布の中心軸(基準中心軸)を上方向の矢印で示してある。
【0047】
また、カビ等の変色部である色彩異常部の色分布は右側に色彩異常領域として示してある。さらに、乾燥機による焦げ等の明度異常部は下側で小さな色分布の領域として示してある。
【0048】
(5):色彩異常による欠陥検査方法の説明
1)検査対象の単板表面をカラーのラインセンサカメラ8により撮影する。
【0049】
2)その画像の各画素を3次元色空間に配置し、3次元色分布を作成する。
【0050】
3)3次元色分布の基準中心軸からの色彩偏差値を次のように求める。
【0051】
例えば、対象画像のx,y 位置の画素をg[x,y]と、そのHSV色分布空間での色を
色相値:h(g[x,y]) 彩度値:s(g[x,y]) 明度値:v(g[x,y]) とし
先の求めた3次元色分布の基準中心軸の特定の明度vにおける基準中心軸の座標を
色相値:H(v)、彩度値:S(v)とし
その等明度平面の横軸をX,縦軸をYとすると図3のようになる。図3は画像g各点の色をHS平面上に変換する説明図である。図3において、対象画像の単板の画素をg[x,y]をHS平面上の直行座標X2,Y2 に変換するものである。なお、色の分布(網かけ参照)は円ではなく様々な形に分布するが、標準偏差では略円となる。
【0052】
ここで、基準中心軸座標 H(v),S(v) の直交座標X1,Y1 は、次のようになる。
【0053】
X1=S(v)・cos(2 π・H(v)/360)
Y1=S(v)・sin(2 π・H(v)/360)
画素g[x,y]のh(v),s(v) の直交座標X2,Y2 は、次のようになる。
【0054】
X2=s(v)・cos(2 π・h(v)/360)
Y2=s(v)・sin(2 π・h(v)/360)
基準中心軸からの二乗空間距離dは、次のようにして求められる。
【0055】
d2 =(X1 − X2)2 + (Y1− Y2)2
そこで、色彩偏差値Zc[x,y] は、次のようになる。
【0056】
Zc[x,y] = (√d) / ( σc(v)×βc)
ここで、σc(v)は基準中心軸の明度vにおける色相、彩度2次元分布の標準偏差σc(v)である。βc は、基準中心軸からσc(v)の何倍離れた色を異常とするかを定める係数で、例えば、1.0 〜2.0 程度の値をとる。
【0057】
また、Lab色空間など他の色分布を用いても同様に空間距離の偏差を求めることができる。
【0058】
4)次に、実際の欠陥部分の領域を求めるためには、色分布空間で標準から隔たった色の画素が、元の単板画像g[x,y]で局所的に塊を形成している画素だけを選択する必要がある。それには、周辺の画素の色を考慮しながら不連続な孤立点を除去し、偏差の大きな部分を強調するような処理として、画像処理技法で一般的な弛緩法と称される方法などを用いることができる。
【0059】
一例としては、基準中心軸からの色彩偏差値Zc[x,y] を初期ラベルとする弛緩法によりクラスター化処理を行って、色彩異常による欠陥領域を決定することができる(図4の説明参照)。
【0060】
(6):弛緩法の説明
図4は弛緩法の説明図である。以下図4の処理S1〜S3に従って説明する。
【0061】
この処理では、対象となる画像の画素g(x,y)各々に対して、欠陥確率Pi(x,y) を設定する。ここでPi(x,y) は、i 回目の繰り返し後の画素g(x,y)に対する欠陥確率である。
【0062】
S1:画像処理装置は、対象となる画像の画素g(x,y)各々に対して、初期確率P0(x,y) ( 0〜1.0 )を与え、処理S2に移る。ここでP0(x,y) は、色偏差値Z(x,y)の値から次のようにする。
【0063】
P0(x,y) = Z(x,y) : 0 < Z< 1.0
1.0 : Z ≧ 1.0
S2:画像処理装置は、全ての画素に対して
もし( 0.0 < Pi(x,y) < 1.0 ) のとき
Pi(x,y) の近隣の画素の確率平均値<P> を求め、
Pi+1 = Pi + α(<P> - Pi)
(αは、周辺画素の影響係数で 1.0〜4.0 程度)
として確率を更新し、処理S3に移る。
【0064】
(Pi(x,y)≦ 0.0もしくは Pi(x,y)≧ 1.0 )のときは
Pi+1 = Pi
として確率は更新しないで、処理S3に移る。
【0065】
S3:画像処理装置は、収束条件を調べる。
【0066】
もし、Pi(x,y) に対して、
繰返回数Iが指定数より大きく(I>指定数)、
Pi=0.0と pi=1.0 の画素数の全画素に対する割合が指定率より大きい(>指定率)
であれば、処理を終了する。
【0067】
そうでなければ、処理S2を繰り返す。
【0068】
ここで、繰り返しの指定数は、10回程度、Pi=0.0と pi=1.0 の画素数の全画素に対する指定率は、99% 程度とする。
【0069】
(7):色彩異常による欠陥部分の検出の詳細な説明
同一樹種の健全な単板の表面色は、その明度に関係なく、ほぼ特定の彩度と色相の領域に分布する。ところが、カビなどの欠陥部は、材質の違いに起因して、健全色の分布からは、彩度、色相にずれが生じる。特に、「青カビ」と呼ばれる変色部は、健全部に比べ彩度が低くなる傾向にあることを利用し、検出可能である。
【0070】
1)健全単板の表面の彩度分布の説明
図5は健全単板の表面の彩度分布の説明図である。図5において、健全単板の表面の彩度分布図の縦軸は度数(画素数)、横軸は彩度である。健全単板の表面の彩度分布(ヒストグラム)は、ほぼ正規分布となる。
【0071】
2)青カビを含む場合の彩度分布の説明
図6は青カビを含む1枚の単板の場合の彩度分布の説明図である。図6において、青カビを含む場合の彩度分布の縦軸は度数(画素数)、横軸は彩度である。青カビを含む場合の彩度分布で、実際に得られるのは、健全単板の分布域と青カビの分布域が合わさった、実線で示されたような分布(ヒストグラム)であり、青カビなどの欠陥の存在を検出するには、低彩度部分の分布形状を検出する必要がある。しかし、一般的には、よほど大きな欠陥が存在しない限り、図6のように顕著な分布形状の変化は、確認できない。そこで、前述したヒストグラムを元に、以下のように累積度数分布を作成して青カビを検出することができる。
【0072】
3)累積確率分布関数の説明
図7は一般的な正規分布の累積度数F(x)の説明図である。図7において、点線のグラフは、彩度の分布確率(正規分布)である。一般的な正規分布の累積度数F(x)は、度数分布の度数を全数Nで割り、規格化したものである。この場合には、ヒストグラムが標準正規分布に従うものとして、規格化された累積確率分布関数F(x)が、次のように表すことができる。
【0073】
【数1】
【0074】
(ここで、x は測定値、μは平均値、σは標準偏差である。)
そこでは、例えば
x1 =μ−2.0 σ
x2 =μ−1.0 σ
x3 =μ−0.5 σ
x4 =μ
として
p1 = F( x1 ) = 0.0228
p2 = F( x2 ) = 0.1587
p3 = F( x3 ) = 0.3085
p4 = F( x4 ) = 0.5
などのような関係がある。これを、青カビを含む単板表面の彩度分布に適用すると、図8のようになる。
【0075】
図8は青カビを含む1枚の単板の表面の彩度分布の説明図である。図8において、点線は健全部の累積度数分布であり、実線が青カビが存在する場合の累積度数分布である。ここで、彩度ヒストグラムを彩度の低いほうから積算し、その積算値を全画素数で割った値(累積度数)がp1、p2、p3、p4となるx1、x2、x3、x4を求めると、その点は、健全部と比べて低彩度の方向に移動することとなる。この移動する割合は、健全部の累積度分布の中間の値より少ない値になるほど大きくなっている。
【0076】
これは、青カビなどに起因する彩度変化が、人間の目で確認できるような局所的な変色欠陥だけでなく、人が気付かないほど単板表面に均一に広く分布しているという特性を検出することに他ならない。
【0077】
従って、この変化は、密度分布を用いて分布形状を調べる場合に比べて、遥かに顕著に現れる傾向があり、この変化を捉えれば、青カビの存在有無を精度よく検出することが可能となる。
【0078】
(実際の検出方法の説明)
(a)実際に青カビの存在の有無を検出するには、閾値として、健全部の累積度分布の中間の値(p4 = F( x4 ) = 0.5)より少ない値で、できるだけ少ない値を選ぶと青カビの存在を精度よく検出できる。但し、累積度分布の画素数があまり少ないと、誤差が大きくなるので、ある程度の画素数(累積度数)が必要となる。例えば、図9のように、閾値として、累積度数Pと彩度xを設定し、その値を超過したら欠陥が存在するものとする方法がある。
【0079】
図9は一枚の単板表面での青カビの存在の有無を検出する方法の説明図(1)である。図9において、点線は健全部の累積度数分布であり、実線が青カビが存在する場合の累積度数分布である。白丸で示すように、閾値として、累積度数Pと彩度xを設定(健全部の分布の左側に設定)し、その値を超過(実線が白丸を越える)したら欠陥が存在するものとする。すなわち、設定した彩度xまでの累積度数が、設定した累積度数Pを超過する、又は、設定した累積度数Pまでの彩度が設定した彩度xに到達していない場合に欠陥が存在するものである。なお、閾値としての累積度数Pと彩度xは、図9に示したように、予め求められた健全木材表面の彩度分布に対して、青カビの彩度分布は、その分布最大値より低彩度側に分布していることを利用して、健全木材表面の彩度分布で累積度数F(x)=0.5 となる基準値:mよりは、低彩度側で、且つ、Pに対する累積度数すなわち、n(x)=P×N(全数)において、統計精度√n(x)/n(x)が有意な精度、例えば、1%以上となる領域にあり、健全木材の累積度数F(x)との差が最大となる位置を採ることができる(この文中の√n(x)/n(x)は、分子のみ全体にルートがかかったものである。)。
【0080】
(b)実際に青カビの存在の有無を検出する他の方法として、次のようにすることもできる。
【0081】
図10は一枚の単板表面での青カビの存在の有無を検出する方法の説明図(2)である。図10において、点線は健全部の累積度数分布であり、実線が青カビが存在する場合の累積度数分布である。実線の測定された累積度数分布と、点線の予め健全と認められた単板表面の累積度数分布との差を、予め設定された彩度xまで積算した面積(網かけ参照)について、その大きさが設定閾値以上になった場合に欠陥が存在するものとする方法がある。これら(a)、(b)の方法により、前記欠陥があると判断されたものを選別すべき単板として、等級別積載装置7により前記欠陥が無い単板とは別の通路へと選別しても良い。
【0082】
また、前記欠陥があると判断されたものを選別すべき単板の候補として、さらに、次のように検査しても良い。
【0083】
すなわち、選別すべき単板の候補とした対象材について、前記説明した(5)、(6)の方法により、彩度異常領域のクラスター化処理を行い、その塊となった面積を検査する。
【0084】
該検査した面積が、所定の値以上になった場合に選別すべき単板として検出し、同じく等級別積載装置7により、前記欠陥が無い単板や、選別すべき単板の候補とした対象材であって該検査した面積が所定の値未満の単板とは別の通路へと選別する。
【0085】
さらには、前記(a)、(b)の方法により、欠陥があると判断されたものを選別すべき単板の候補として、次のように検査しても良い。
【0086】
すなわち、前記クラスター化処理により面積を求めると共に、予め設定した面積の値以上となる箇所が、1枚の単板の中で予め定めた個数以上あった場合に、該単板を選別すべき単板として検出して他の単板と別の通路へと選別しても良い。
【0087】
このように、これまでは、木材の自動品質検査においては、木材の品質に影響を及ぼすカビなどは、木材の種別や産地により色が異なるので、単一の方法では全てを精度よく検出するのは難しかった。また、青カビなどの変色部の検査は特定色を検出することで行われてきたため、小さな変色部は、見逃すことが多かった。しかし、本方法によれば、見逃しやすい小さな変色であっても、表面全体を累積して検査するため、感度よく検出することが可能となる。
【0088】
(8):青カビ検出処理の説明
図11は青カビ検出処理フローチャートである。以下、図11の処理S11〜S16に従って、青カビ検出処理の説明をする。
【0089】
S11:画像処理装置1の表面反射光画像処理部13は、画像メモリ12の入力画像から検査対象物の画像(青カビ検出処理の画像)を切り分け、処理S12に移る。なお、青カビ検出処理以外の画像の場合はその他の処理に移る。
【0090】
S12:表面反射光画像処理部13は、彩度の全画素のヒストグラムと累積度数分布を作成し、処理S13に移る。
【0091】
S13:表面反射光画像処理部13は、作成した累積度数分布を判定用閾値と比較し、青カビの有無を判定する。この判定で、欠陥無しの場合は処理S16に移り、欠陥有りの場合は処理S14に移る。
【0092】
S14:表面反射光画像処理部13は、弛緩法によりクラスター化処理を行い、処理S15に移る。
【0093】
S15:表面反射光画像処理部13は、クラスター部の面積を求め、処理S16に移る。
【0094】
S16:等級判定処理部15は、青カビの等級設定値を用いて、クラスター部の面積により、等級の判定の処理を行い、青カビ等級を格納手段に保管(又は選別機制御装置2に出力)する。
【0095】
(9):プログラムインストールの説明
画像処理装置(画像処理手段)1、選別機制御装置(選別機制御手段)2、操作盤(操作手段)3、画像入力部(画像入力手段)11、表面反射光画像処理部(表面反射光画像処理手段)13、透過光画像処理部(透過光画像処理手段)14、等級判定処理部(等級判定処理手段)15等はプログラムで構成でき、主制御部(CPU)が実行するものであり、主記憶に格納されているものである。このプログラムは、コンピュータで処理されるものである。このコンピュータは、主制御部、主記憶、ファイル装置、表示装置等の出力装置、入力装置などのハードウェアで構成されている。
【0096】
このコンピュータに、本発明のプログラムをインストールする。このインストールは、フロッピィ、光磁気ディスク等の可搬型の記録(記憶)媒体に、これらのプログラムを記憶させておき、コンピュータが備えている記録媒体に対して、アクセスするためのドライブ装置を介して、或いは、LAN等のネットワークを介して、コンピュータに設けられたファイル装置にインストールされる。これにより、木材の品質に影響を及ぼす木材表面の変色による欠陥部分を色分布を利用して正確に検出できる木材の検査装置を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の単板選別装置の説明図である。
【図2】本発明のHSV色空間における色分布の説明図である
【図3】本発明の画像g各点の色をHS平面上に変換する説明図である。
【図4】本発明の弛緩法の説明図である。
【図5】本発明の健全単板の表面の彩度分布の説明図である。
【図6】本発明の青カビを含む1枚の単板の場合の彩度分布の説明図である。
【図7】本発明の一般的な正規分布の累積度数F(x)の説明図である。
【図8】本発明の青カビを含む1枚の単板の表面の彩度分布の説明図である。
【図9】本発明の一枚の単板表面での青カビの存在の有無を検出する方法の説明図(1)である。
【図10】本発明の一枚の単板表面での青カビの存在の有無を検出する方法の説明図(2)である。
【図11】本発明の青カビ検出処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
1 画像処理装置(画像処理手段)
2 選別機制御装置(選別機制御手段)
3 操作盤(操作手段)
4 ベルトコンベア
5 透過光用LED照明(照明手段)
6 反射光用LED照明(照明手段)
7 等級別積載装置
8 ラインセンサカメラ(撮影手段)
9 単板(木材)
11 画像入力部(画像入力手段)
12 画像メモリ(格納手段)
13 表面反射光画像処理部(表面反射光画像処理手段)
14 透過光画像処理部(透過光画像処理手段)
15 等級判定処理部(等級判定処理手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段で木材毎のカラー撮影を行い、
画像処理手段で前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とすることを特徴とした木材の検査方法。
【請求項2】
撮影手段で木材毎のカラー撮影を行い、
画像処理手段で前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、
該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とすることを特徴とした木材の検査方法。
【請求項3】
前記候補とされた木材の異常彩度領域の部分で少なくとも1箇所の部分の面積が、予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とすることを特徴とした請求項2記載の木材の検査方法。
【請求項4】
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求め、該求めた彩度分布の低彩度から累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較する時、
閾値として、累積度数が0.5以下の統計精度的に有意な度数領域にあり、且つ前記候補とされた木材の累積度数分布との差が最大となる彩度位置に於いて、両者の累積度数を比較することを特徴とした請求項2記載の木材の検査方法。
【請求項5】
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較するとき、前記撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と前記正常な木材の累積度数分布との差を、予め定めた彩度まで積算した面積について、その面積が所定値以上になった該木材を選別すべき木材とすることを特徴とした請求項1記載の木材の検査方法。
【請求項6】
木材毎のカラー撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とする画像処理手段とを備えることを特徴とした木材の検査装置。
【請求項7】
木材毎のカラー撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とする画像処理手段とを備えることを特徴とした木材の検査装置。
【請求項8】
前記画像処理手段は、前記候補とされた木材の異常彩度領域の部分で少なくとも1箇所の部分の面積が、予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とすることを特徴とした請求項7記載の木材の検査装置。
【請求項9】
前記画像処理手段は、前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求め、該求めた彩度分布の低彩度から累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較する時、閾値として、累積度数が0.5以下の統計精度的に有意な度数領域にあり、且つ前記候補とされた木材の累積度数分布との差が最大となる彩度位置に於いて、両者の累積度数を比較することを特徴とした請求項7記載の木材の検査装置。
【請求項10】
前記画像処理手段は、前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較するとき、前記撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と前記正常な木材の累積度数分布との差を、予め定めた彩度まで積算した面積について、その面積が所定値以上になった該木材を選別すべき木材とすることを特徴とした請求項6記載の木材の検査装置。
【請求項11】
撮影手段でカラー撮影した木材毎の画像を入力する画像入力手段と、
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とする画像処理手段として、
コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項12】
撮影手段でカラー撮影した木材毎の画像を入力する画像入力手段と、
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とする画像処理手段として、
コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
撮影手段で木材毎のカラー撮影を行い、
画像処理手段で前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とすることを特徴とした木材の検査方法。
【請求項2】
撮影手段で木材毎のカラー撮影を行い、
画像処理手段で前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、
該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とすることを特徴とした木材の検査方法。
【請求項3】
前記候補とされた木材の異常彩度領域の部分で少なくとも1箇所の部分の面積が、予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とすることを特徴とした請求項2記載の木材の検査方法。
【請求項4】
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求め、該求めた彩度分布の低彩度から累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較する時、
閾値として、累積度数が0.5以下の統計精度的に有意な度数領域にあり、且つ前記候補とされた木材の累積度数分布との差が最大となる彩度位置に於いて、両者の累積度数を比較することを特徴とした請求項2記載の木材の検査方法。
【請求項5】
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較するとき、前記撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と前記正常な木材の累積度数分布との差を、予め定めた彩度まで積算した面積について、その面積が所定値以上になった該木材を選別すべき木材とすることを特徴とした請求項1記載の木材の検査方法。
【請求項6】
木材毎のカラー撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とする画像処理手段とを備えることを特徴とした木材の検査装置。
【請求項7】
木材毎のカラー撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とする画像処理手段とを備えることを特徴とした木材の検査装置。
【請求項8】
前記画像処理手段は、前記候補とされた木材の異常彩度領域の部分で少なくとも1箇所の部分の面積が、予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とすることを特徴とした請求項7記載の木材の検査装置。
【請求項9】
前記画像処理手段は、前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求め、該求めた彩度分布の低彩度から累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較する時、閾値として、累積度数が0.5以下の統計精度的に有意な度数領域にあり、且つ前記候補とされた木材の累積度数分布との差が最大となる彩度位置に於いて、両者の累積度数を比較することを特徴とした請求項7記載の木材の検査装置。
【請求項10】
前記画像処理手段は、前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較するとき、前記撮影されたカラー画像の彩度分布から求めた累積度数分布と前記正常な木材の累積度数分布との差を、予め定めた彩度まで積算した面積について、その面積が所定値以上になった該木材を選別すべき木材とすることを特徴とした請求項6記載の木材の検査装置。
【請求項11】
撮影手段でカラー撮影した木材毎の画像を入力する画像入力手段と、
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材とする画像処理手段として、
コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項12】
撮影手段でカラー撮影した木材毎の画像を入力する画像入力手段と、
前記撮影手段により撮影されたカラー画像の彩度分布を木材毎に求め、該求めた彩度分布の累積度数分布を予め定めた正常な木材の累積度数分布と比較し、該求めた彩度分布の累積度数分布が前記正常な木材の累積度数分布から所定値以上離れた分布を示す該木材を、選別すべき木材の候補とし、該候補とされた木材の彩度異常領域の個数及び該領域の面積の少なくとも一方の値を算出し、該算出した値が予め定めた所定値より大きい木材を、選別すべき木材とする画像処理手段として、
コンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−74967(P2009−74967A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244946(P2007−244946)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000155182)株式会社名南製作所 (77)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000155182)株式会社名南製作所 (77)
【Fターム(参考)】
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