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木材乾燥装置および木材乾燥方法
説明

木材乾燥装置および木材乾燥方法

【課題】 乾燥効率が向上した、木材乾燥装置および木材乾燥方法を提供する。
【解決手段】 高周波発振器9によって高周波を印加して木材Wを乾燥したり、導入管4から導入される熱風によって木材Wを乾燥したりできる。ファン3によって熱風が容器2内を循環する。高周波発生手段や熱風発生手段は制御手段によって制御され、高周波の印加や容器2への熱風の導入を選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は木材乾燥装置および木材乾燥方法に関する。詳しくは、熱風発生手段および高周波発生手段、並びにこれらの発生手段を制御する制御手段を用いて、乾燥効率を向上させようとした、木材乾燥装置および木材乾燥方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、木材を乾燥させる方法として、例えば蒸気を用いて木材を加熱し、次に減圧して内部水分を除去する方法(例えば、特許文献1参照。)や、煙および熱風を循環させて木材を燻煙乾燥する方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−58304号公報
【特許文献2】特開平9−229555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、蒸気や熱風を用いた乾燥方法では、低温だと時間がかかり高温では乾燥が速くなるものの設備の耐久性を向上させなければならず、また燻煙を用いた乾燥方法では、乾燥コストは安いが目的とする含水率まで乾燥することが難しい等さまざまな問題があり、これら問題点を解消し、より一層、乾燥効率が向上した木材乾燥装置・木材乾燥方法が望まれている。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、乾燥効率が向上した、木材乾燥装置および木材乾燥方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の木材乾燥装置は、開閉自在の戸を備えた容器と、容器に取り付けられた、容器内の気体を攪拌する攪拌手段と、容器に接続された熱風発生手段と、容器内に配置された互いに対向する少なくとも2つの電極および互いに対向する2つの電極と接続された高周波発振器を有する高周波発生手段と、熱風発生手段および高周波発生手段を制御する制御手段を備える。
【0006】
攪拌手段によって、容器内の熱風を攪拌して均一に木材を乾燥できる。容器に接続された熱風発生手段によって、容器内に収納された木材に熱風を当てて乾燥できる。高周波発生手段によって、容器内に収納された木材に高周波を当てて乾燥できる。制御手段によって、適宜、熱風および高周波の中から1種若しくは2種の乾燥手段を選択でき、さまざまな種類の木材を乾燥できる。
【0007】
また、本発明の木材乾燥装置は、開閉自在の戸を備えた容器と、容器に取り付けられた、容器内の気体を攪拌する攪拌手段と、容器に接続された熱風発生手段と、容器内に配置された互いに対向する少なくとも2つの電極および互いに対向する2つの電極と接続された高周波発振器を有する高周波発生手段と、熱風発生手段および高周波発生手段を制御する制御手段を備えた木材乾燥装置であって、容器に接続され、制御手段によって制御された熱水発生手段と、熱水発生手段に接続され、制御手段によって制御された蒸気発生手段と、熱風発生手段に接続され、制御手段によって制御された薫煙発生手段と、蒸気または熱水を容器内へ噴射する噴射手段を備える。
【0008】
熱水発生手段によって、木材の含水率を急速に湿潤状態にすることができ、乾燥を短時間で行なえる。蒸気発生手段によって、容器内に蒸気を供給して、容器内を飽和状態にすることができ、木材の内部まで水分が強制的に浸入し、木材の表面および内部がそれぞれ均一な含水率になると共に、これ以上水分を保持できない飽和状態となり、木材内部の均衡が図られ内部応力が解消される。薫煙発生手段によって、容器内に収納された木材に薫煙を当てて防虫効果を高める等、木材を改質できる。噴射手段によって、効率よく木材に蒸気や熱水を当てることができる。
【0009】
本発明の木材乾燥方法は、開閉自在の戸を備えた容器内に木材を収納して乾燥する木材乾燥方法であって、熱風によって木材を乾燥する工程および高周波によって木材を乾燥する工程から選ばれる少なくとも1つの工程を有し、木材を乾燥する工程の前に、蒸気または熱水を木材に掛ける工程を有する。
【0010】
木材を乾燥させる前に、蒸気を木材に掛けることによって、木材の内部まで水分が強制的に浸入し、木材の表面および内部がそれぞれ均一な含水率になると共に、これ以上水分を保持できない飽和状態となり、木材内部の均衡が図られ内部応力が解消され、その後の乾燥を行なっても木材の割れが抑制されて乾燥でき、また、熱水を木材に掛けることによって、木材の含水率を急速に湿潤状態にすることができ、その後の乾燥を短時間で行なえる。
【0011】
また、本発明の木材乾燥方法は、側面の一部が切除されている丸太を乾燥する。
【0012】
丸太の側面の一部を切除したものは、内部を表面に露出させることにより、蒸気や熱水が内部に浸透し易くなり乾燥をより短時間に行なえるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る木材乾燥装置によれば、複数の異なる乾燥手段を用いることができるので乾燥能力が低下することなく、むらなく乾燥できて乾燥効率が向上する。
【0014】
本発明に係る木材乾燥方法によれば、複数の異なる乾燥手段を用いることができるので乾燥能力が低下することなく、乾燥効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0016】
図1は、本発明の乾燥装置を実施した一態様の概略平面図である。図1において、乾燥装置1は、一端に容器内部を密閉できる扉2aが蝶番を介して開閉自在に設けられた略円筒形状の圧力容器2と、圧力容器2の斜め上部に圧力容器の内部に向けて取り付けられたファン3と、圧力容器2の側面に4箇所並設された、熱風や薫煙を容器へ導入するための導入管4と、導入管4が設けられた圧力容器2の側面に対向する側面に4箇所並設された、熱風や薫煙を容器から排気するための排気管5と、各排気管5が接続された排気調整ダクト5aと、排気調整ダクト5aに接続された排気煙突5bと、容器内を減圧する真空ポンプ5cと、蒸気や熱水を容器内に噴射するスプレーノズル(不図示)を有するソケット6aと、電線取付絶縁盲板9eと、高圧部電線9fと、熱風・燃焼調整装置10dと接続した薫煙発生炉10と、薫煙発生炉10に接続されたガス冷却装置11と、ガス冷却装置11に接続された熱風発生装置12と、各導入管4と熱風発生装置12が接続された供給ダクト10cと、深井戸ポンプ16により汲み上げられた水を薫煙発生炉10へ送出するシャワー配管13と、熱水発生装置17に接続された蒸気ボイラ14と、深井戸ポンプ16に接続された薬液注入・軟水化装置15と、蒸気ボイラ14、薬液注入・軟水化装置15、深井戸ポンプ16および圧力容器2に接続された熱水発生装置17と、熱風発生装置、薫煙発生炉、高周波発振器、蒸気ボイラ、深井戸ポンプおよび熱水発生装置等を制御する制御盤18aとで構成されている。
薫煙発生炉10は設置しなくてもよく、これに伴いガス冷却装置11およびシャワー配管13も設置しなくてもよい。また、蒸気ボイラ14、薬液注入・軟水化装置15および熱水発生装置17も設置しなくてもよい。
【0017】
容器2は、長さ8.6m、直径2.6m、厚さ9mm、耐圧196kPaの略円筒形状の第1種圧力容器であるが、木材を収納できて導入管等が備え付けられるものであれば、どのような形状・寸法・材質の容器でもよく、角柱形状であってもよい。扉2aは蝶番を介して取り付けられた開き戸であるが、開閉自在の戸であればどのようなものでもよく、例えば引き戸でもよい。
【0018】
木材の含水率を測定するセンサ(不図示)、木材の芯温を測定するセンサ(不図示)、容器内の温湿度を測定するセンサ(不図示)等を用いてもよい。
【0019】
容器2上部には、所定間隔で4箇所にスプレーノズルを有するソケット6aが取り付けられている。ソケット6aは熱水発生装置17と管によって接続され、スプレーノズルを通じて蒸気や熱水を容器内へ噴射できる。
【0020】
攪拌手段としてファン3が容器に備え付けられているが、容器内の気体を攪拌できればどのようなものでもよい。ファン3は、例えば直径6cm、出力0.4kWのもので圧力容器2の斜め上部に設けられているが、容器内の気体を攪拌できればどのような寸法や出力のものでもよく、またどのような位置に設けられてもよく、例えば容器2の上部、下部、斜め下部、そして扉2aと対向する容器の面に設けられてもよい。
【0021】
導入管4は、圧力容器2の側面に4箇所並設されているが、熱風や薫煙を容器へ導入できればどのような位置にいくつでも設けられてもよく、例えば容器の上部、下部、斜め上部、斜め下部、そして扉2aと対向する容器の面に、それぞれ4〜8個ずつ、並べて若しくは段違いに設けられてもよい。
【0022】
排気管5は、圧力容器2の側面に4箇所並設されているが、熱風や薫煙を容器から排気できればどのような位置にいくつでも設けられてもよく、例えば容器の上部、下部、斜め上部、斜め下部、そして扉2aと対向する容器の面に、それぞれ4〜8個ずつ、並べて若しくは段違いに設けられてもよい。排気管5より排気して常時新しい熱風および/または薫煙を導入することで圧力容器2内の温度を一定に維持できる。
【0023】
シャワー配管13は、燃焼調整用として深井戸ポンプ16によって汲み上げられた水を、薫煙発生炉10に送出する。蒸気ボイラ14は、発生させた蒸気を、配管を通じて熱水発生装置17に供給する。薬液注入・軟水化装置15は、深井戸ポンプ16によって汲み上げられた水に所定の薬液を注入したり、汲み上げられた水にイオン交換膜等により軟水化処理を施したりする装置であり、薬液注入されたり軟水化処理されたりした水は、熱水発生装置17において蒸気ボイラ14の蒸気によって熱水化され、配管を通じて圧力容器2に供給される。また、深井戸ポンプ16から汲み上げられた水を直接、熱水発生装置17に供給してもよい。深井戸ポンプ16から汲み上げられた水を直接、熱水発生装置17へ供給するか、または薬液注入・軟水化装置15へ水を供給してそこから熱水発生装置17へ供給するかは、制御手段によって制御されたポンプ内の弁によって切り替えできる。
【0024】
制御盤18aは、熱風発生装置、薫煙発生炉、高周波発振器、蒸気ボイラ、および熱水発生装置等を制御するものであり、管理室18に置かれている。制御盤18aは、薫煙発生炉10、熱風発生装置12、高周波発振器9(図5参照。)、蒸気ボイラ14、深井戸ポンプ16および熱水発生装置17と接続している(配線は不図示。)。
【0025】
具体的には例えば、薫煙発生炉10に設置されている着火バーナー(不図示)、薫煙発生炉に設置された煙を送り出す送風機(不図示)、熱風発生装置12のバーナー12bおよびファン12c(図7参照。)、高周波発振器9、熱水発生装置内のミキシングノズルと呼ばれる弁(不図示)、蒸気ボイラ内の燃焼室(不図示)、深井戸ポンプのポンプ(不図示)、深井戸ポンプ内の弁(不図示)、蒸気ボイラに設けられた蒸気を送り出す送風機(不図示)と、制御盤18aとが電気的に接続し、制御盤18aの入りスイッチおよび切りスイッチで、薫煙の発生、容器内への薫煙の導入、熱風の発生、容器内への熱風の導入、木材への高周波の印加、蒸気の発生、熱水発生装置への蒸気の導入、熱水発生装置への水の導入、軟水化装置を通しての熱水発生装置への水の導入、熱水の発生、容器内への蒸気や熱水の導入等を制御できる。
これにより、熱風発生装置のみを作動させて木材を乾燥することも、薫煙発生炉のみを作動させて木材を乾燥することも、高周波発振器のみを作動させて木材を乾燥することも、さらには熱風発生装置と薫煙発生炉のみを作動させて木材を乾燥することも、熱風発生装置と高周波発振器のみを作動させて木材を乾燥することも、薫煙発生炉と高周波発振器のみを作動させて木材を乾燥することも、そして熱風発生装置、薫煙発生炉および高周波発振器を一緒に作動させて木材を乾燥することもでき、効率的である。また、このような乾燥を行う前に、適宜、蒸気ボイラや熱水発生装置を作動させて木材に蒸気や熱水を掛けることもでき、これによって乾燥時間を短くできてさらに効率的である。
【0026】
このように本発明の木材乾燥装置は、乾燥方法に応じた乾燥装置を別々に用意することなく様々な乾燥方法を一台の乾燥装置で実施でき、さまざまな木材を低コストで乾燥できる。本発明の木材乾燥装置および木材乾燥方法によって乾燥する木材としては、例えば原木、製材、合板、木屑等からなる合成板等が挙げられる。
また、木材の含水率を測定するセンサ、木材の芯温を測定するセンサおよび容器内の温湿度を測定するセンサ等の測定結果を表示できる計器類も制御盤に備わっており、これらの測定結果を考慮して、周波数、熱風・薫煙の風量、等を調整でき、常に最適な条件下で乾燥工程を実施できる。
【0027】
図1において、レール19は、圧力容器2の長手軸線と直交方向に敷設されている。横行台車(図1では不図示。)がレール19上に走行自在に置かれ、横行台車上には台車8が置かれている。圧力容器2に木材を搬入する場合、木材を載せた台車8を横行台車に載せ、横行台車をレール19上で走行させて圧力容器の位置まで持って行き、横行台車に設けたスライドレール(図1では不図示。)に沿って台車8を動かし、台車8ごと圧力容器2内に搬入する。このような搬入方法は、木材が重くまた大量である場合に便利であるが、木材が軽くまた少量である場合は台車等を使わずに搬入することができ、レールの敷設等は必要に応じて行なえばよい。
【0028】
図2は、本発明の木材乾燥装置を実施した一態様の概略側面図である。図2中、図1と同じ符号は図1と同じものを示す。横行台車20がレール19上に置かれ、横行台車20上には台車8が置かれている。台車8はスライドレール20aに沿って動かせる。
【0029】
図3は、本発明の木材乾燥装置に用いられる容器の概略側面図である。図3中、図1と同じ符号は図1と同じものを示す。圧力容器2には、支持脚2b、圧力容器の内部を見るための小窓2cおよび排水路(ドレン)2dが備え付けられている。容器が安定して載置できるならば支持脚2bは設けなくてもよい。小窓2cは設けなくてもよく、また乾燥された木材が再びぬれなければドレン2dも設けなくてもよい。図4は、本発明の木材乾燥装置に用いられる容器の概略平面図である。図4中、図1と同じ符号は図1と同じものを示す。
【0030】
図5は、本発明の木材乾燥装置に用いられる容器の、扉を省略した概略前面図である。図5中、図1と同じ符号は図1と同じものを示す。木材として丸太状態の木材Wを用いた場合を説明する。
木材Wを載せた台車8は、容器内部の底面に設けられたレール7上に走行自在に置かれている。台車8上に置かれたアース電極板9aの上には、桟木9gがアース電極板9aの長手方向に対して垂直に所定間隔を置いて複数本並べて置かれ、さらにこれら桟木9gの上に木材Wが桟木9gの長手方向に対して垂直に複数本並べて置かれ、これら木材Wの上に、別の桟木9gが木材Wの長手方向に対して垂直に所定間隔を置いて複数本並べて置かれ、これら桟木9gの上に別の木材Wが桟木9gの長手方向に対して垂直に複数本並べて置かれ、これら木材Wの上に別の桟木9gが木材Wの長手方向に対して垂直に所定間隔を置いて複数本並べて置かれ、これら桟木9gの上に木材Wの長手方向と中間電極板9cの長手方向とが平行となるよう中間電極板9cが置かれ、中間電極板9cの上に別の桟木9gが中間電極板9cの長手方向に対して垂直に所定間隔を置いて複数本並べて置かれ、さらに別の木材Wがこれら桟木9gの長手方向に対して垂直に複数本並べて置かれ、これら木材Wの上に、別の桟木9gが木材Wの長手方向に対して垂直に所定間隔を置いて複数本並べて置かれ、さらに別の木材Wがこれら桟木9gの長手方向に対して垂直に複数本並べて置かれ、これら木材Wの上に別の桟木9gが木材Wの長手方向に対して垂直に所定間隔を置いて複数本並べて置かれ、4層の木材層とし、一番上に陽極板9bが置かれる。層数は増減させてもよい。
各層の木材群は、各桟木に備え付けられた、非金属製のころげ止め(ストッパー)Sによって固定され、落下を防止しているが、ころげ止めSは設けなくてもよい。
【0031】
アース電極板9aと陽極板9bはそれぞれ高周波発振器9と連絡しており、高周波を木材Wに印加して木材Wを乾燥させることができる。高周波を印加する際、容器内を減圧するが、その場合、バルブ4aおよびバルブ5dは閉じられる。バルブ4aおよびバルブ5dは制御盤18aと電気的に接続しており、バルブ4aおよびバルブ5dの開閉を制御できる。電極板は金属板であればどのようなものでもよいが、アルミ平板が経済的で軽く、セットし易いので好ましい。
また、高周波を印加する場合、容器を絶縁する必要があり、例えば、電線取付絶縁盲板9eを容器外側側面に取り付け、さらに中間電極板9cと極板接続ケーブル9dで接続された高圧部電線9f(直径80cmのパイプ)を容器側面と電線取付絶縁盲板9eを貫通して取り付けたり、また、電極板と容器内壁との距離を充分にとったりする。
このように桟木9g上に木材Wを積み上げることで、一度に大量の木材を乾燥できて便利であると共に、同一平面に配置された桟木間の空間を容器側面からの熱風や薫煙が層流のように通り、より一層乾燥効率が向上するが、桟木を用いずに合板等を用いて木材を積み上げてもよい。図5に示すように風遮断板3aを容器内の上方と下方に取り付け、熱風や薫煙を木材Wに集中的に当てさせることもできるが、風遮断板3aは取り付けなくてもよい。また、台車を用いず、容器底面に直に木材を置いてもよい。高周波発振器9は容器内に配置されても容器外に配置されてもよい。
【0032】
図5において、蒸気または熱水を容器内へ噴射する噴射手段としてスプレーノズル6bが、容器上部に取り付けられたソケット6aに取り付けられている。スプレーノズル6bは、蒸気または熱水を容器内部の中心方向に噴射できるよう、所定間隔をおいて4箇所に取り付けられている。蒸気または熱水を容器内へ噴射できればどのようなものでもよく、またどのような位置にいくつでも設けてもよい。前述のように蒸気ボイラ14、薬液注入・軟水化装置15および熱水発生装置17は設けなくてもよく、これに伴いスプレーノズル6bやこれに接続する配管も設けなくてもよい。
【0033】
図6は、本発明の乾燥装置で用いられる薫煙発生炉とその配管の概略図である。図6中、図1と同じ符号は図1と同じものを示す。薫煙発生炉10の炉体10a内で、木質の建築廃材、チップ、間伐材等の木質燃料10bを燃焼させ、熱風・燃焼調整装置10dで燃焼用一次空気を極力絞って煙の発生を多くする。発生した400℃の薫煙をガス冷却装置11へ送出し、ガス冷却装置11で二次空気を混合して薫煙を約120〜150℃まで冷却する。冷却された薫煙は熱風発生装置12へ送出される。また、冷却された薫煙を熱風発生装置に通さず、直接容器へ送出してもよい。この場合、容器内が100〜120℃となるように薫煙温度を調節する。
【0034】
薫煙発生炉体10aと熱風・燃焼調整装置10dを接続する管、薫煙発生炉体10aとガス冷却装置11を接続する管、およびガス冷却装置11と外気取入れファン11aを接続する管にはそれぞれ制振器(ダンパー)21が取り付けられている。薫煙発生炉体10aとガス冷却装置11を接続する管、ガス冷却装置11と外気取入れファン11aを接続する管、およびガス冷却装置11と熱風発生装置12を接続する管にはそれぞれ温度測定器23が取り付けられている。薫煙発生炉体10aとガス冷却装置11を接続する管には風量測定器22が取り付けられている。これらダンパー21、風量測定器22および温度測定器23があれば振動の振幅を軽減でき、風量や温度の管理も容易にできるが、これらは取り付けなくてもよい。また、薫煙発生炉も設けなくてもよい。
【0035】
図7は、本発明の乾燥装置で用いられる熱風発生装置とその配管の概略図である。熱風発生装置12において、ファン12cで外気を燃焼室12aに導入し、バーナー12bで燃焼させて空気を加熱するとともに所定風量の熱風を生じさせる。薫煙発生炉を設けて薫煙を発生させる場合、生じた熱風は、ガス冷却装置11から送出された薫煙と混じり、薫煙に求めるカロリーを満足させる温度と風量を薫煙に与える。燃焼室12aと供給ダクト10cを接続する管には温度測定器23が、ガス冷却装置11付近の供給ダクト10cには風量測定器22および温度測定器23がそれぞれ取り付けられているが、これらは取り付けなくてもよい。
【0036】
乾燥方法について説明する。
木材を容器2内に搬入した後、扉2aを閉めて容器を密閉する。扉2aは開いたままでもよい。そして木材を電極板で挟む。
次に、深井戸ポンプ16で汲み上げられた水(薬液注入や軟水化処理された水を含む。)を、配管を通じて熱水発生装置17に送出し、一方、蒸気ボイラ14から熱を帯びた蒸気を、配管を通じて熱水発生装置17に送出する。熱水発生装置17において、汲み上げられた水(薬液注入や軟水化処理された水を含む。)は、蒸気の熱によって温められて熱水となる。熱水発生装置17内のミキシングバルブと呼ばれる弁によって、熱を帯びた蒸気と熱水のどちらか一方または両方を容器へ送出するよう切り替えることができる。
【0037】
熱水発生装置から送出される蒸気や熱水の温度は、容器内の温度が70〜80℃になるような温度が好ましく、例えば100〜120℃が好ましい。容器内の温度が70℃より低いと、蒸し焼き効率が悪く、また80℃より高いと木材の強度が落ちて好ましくない。容器へ送られる蒸気の圧力は、約98〜196kPaが好ましい。98kPaより低いと蒸し焼き効率が悪く、また196kPaより高いと木材の強度が落ちて好ましくない。
かかる蒸気や熱水は、配管を通じて容器2上部に位置する各ソケット6aへ送出され、容器内部に突出するスプレーノズル6bから木材へ噴射される。同時に各ファン3を作動させて容器2内の空気および蒸気を攪拌させて均一にする。熱水をスプレーノズル6bから噴射する場合は、直接、木材に2〜5時間散布する。
蒸気をスプレーノズル6bから噴射する場合、木材内部に徐々に水分が浸入して飽和含水率状態となり、この状態を5〜7日間維持する。そして木材の内部応力が解消され、乾燥処理に移る。木材の対向する両側面を切除することで、密度の高い外側に対して内部を表面に露出させることにより、蒸気や熱水が木材W内部に浸透し易くなり、木材Wの含水率をより速く飽和状態にすることができる。図8は、対向する両側面が切除された木材の概略断面図である。
【0038】
次に乾燥工程を行う。熱風および高周波のうち、乾燥処理に用いたい手段に対応する入りスイッチを押して乾燥処理を開始する。熱風による乾燥では、120〜132℃の熱風が、導入管4から容器2内へ導入され、ファン3によって容器2内を循環し、容器内が110〜120℃に保たれ、木材を14〜16日で含水率15%以下に乾燥する。熱風による乾燥時、容器内の温度が110℃より低いと乾燥に時間がかかり、120℃より高いと木材強度が落ちて好ましくない。
高周波による乾燥では、木材の中心温度が表層より上昇し、木材内の水分が中心付近から表層に向かって押し出されるように移動し、木材の表面から流出しておよそ3〜4日で乾燥する。高周波による乾燥工程では、容器内を真空ポンプ5cによって23.9〜29.3kPa(180〜220Torr)、好ましくは26.6kPa(200Torr)まで減圧しこの状態を3〜4時間維持した後、1時間大気開放し、また同様に23.9〜29.3kPa、好ましくは26.6kPaまで減圧した状態を3〜4時間維持する。この減圧―大気開放を5〜6回繰り返しながら、高周波を木材に印加して木材を乾燥させる。印加する高周波の周波数は、例えば2mの木材を処理する場合、20kWで13〜15MHz、好ましくは13.56MHzとすることができる。この周波数範囲が乾燥に一番適している。
乾燥工程の前に木材の含水率を高めて表面および内部共に飽和状態にすると、乾燥時に内部応力に作用されず、割れが生じ難くなって好ましいが、木材を乾燥できるのであれば、前述の蒸気または熱水の噴射は行なわなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の木材乾燥装置を実施した一態様の概略平面図である。
【図2】本発明の木材乾燥装置を実施した一態様の概略側面図である。
【図3】本発明の木材乾燥装置に用いられる容器の概略側面図である。
【図4】本発明の木材乾燥装置に用いられる容器の概略平面図である。
【図5】本発明の木材乾燥装置に用いられる容器の、扉を省略した概略前面図である。
【図6】本発明の木材乾燥装置で用いられる薫煙発生炉とその配管の概略図である。
【図7】本発明の木材乾燥装置で用いられる熱風発生装置とその配管の概略図である。
【図8】対向する両側面が切除された木材の概略断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 乾燥装置
2 圧力容器
2a 扉
2b 支持脚
2c 小窓
2d ドレン
3 ファン
3a 風遮断板
4 導入管
4a バルブ
5 排気管
5a 排気調整ダクト
5b 排気煙突
5c 真空ポンプ
5d バルブ
6a ソケット
6b スプレーノズル
7 レール
8 台車
9 高周波発振器
9a アース電極板
9b 陽極板
9c 中間電極板
9d 極板接続ケーブル
9e 電線取付絶縁盲板
9f 高圧部電線
9g 桟木
10 薫煙発生炉
10a 炉体
10b 木質燃料
10c 供給ダクト
10d 熱風・燃焼調整装置
11 ガス冷却装置
11a 外気取入れファン
12 熱風発生装置
12a 燃焼室
12b バーナー
12c ファン
13 シャワー配管
14 蒸気ボイラ
15 薬液注入・軟水化装置
16 深井戸ポンプ
17 熱水発生装置
18 管理室
18a 制御盤
19 レール
20 横行台車
20a スライドレール
21 制振器(ダンパー)
22 風量測定器
23 温度測定器
S ころげ止め(ストッパー)
W 木材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在の戸を備えた容器と、
前記容器に取り付けられた、容器内の気体を攪拌する攪拌手段と、
前記容器に接続された熱風発生手段と、
前記容器内に配置された互いに対向する少なくとも2つの電極および互いに対向する2つの電極と接続された高周波発振器を有する高周波発生手段と、
熱風発生手段および高周波発生手段を制御する制御手段を備える
ことを特徴とする木材乾燥装置。
【請求項2】
前記容器に接続され、制御手段によって制御された熱水発生手段と、
該熱水発生手段に接続され、制御手段によって制御された蒸気発生手段と、
前記熱風発生手段に接続され、制御手段によって制御された薫煙発生手段と、
蒸気または熱水を容器内へ噴射する噴射手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の木材乾燥装置。
【請求項3】
開閉自在の戸を備えた容器内に木材を収納して乾燥する木材乾燥方法であって、
熱風によって木材を乾燥する工程および高周波によって木材を乾燥する工程から選ばれる少なくとも1つの工程を有する
ことを特徴とする木材乾燥方法。
【請求項4】
木材を乾燥する工程の前に、蒸気または熱水を木材に掛ける工程を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の木材乾燥方法。
【請求項5】
前記木材が丸太であり、その側面の一部が切除されている
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の木材乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−44135(P2006−44135A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230584(P2004−230584)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(504301111)
【出願人】(504301122)ヒット株式会社 (2)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】