説明

来訪者在室管理システム、および、来訪者在室管理方法

【課題】 応対者の在室状態を確認しながら、来訪者の在室を管理することができる来訪者在室管理システムを提供する。
【解決手段】 在室管理サーバ3の在室管理手段30に備えられたルーム特定手段301は、来訪者10と応対者11が所持するタグ2を認識しているリーダライタ5を特定することで、来訪者10と応対者11がそれぞれ在室している部屋を特定する。そして、来訪者在室管理DB31の在室許可条件テーブル311に記憶され、来訪者が在室している部屋の在室許可条件を参照し、来訪者10の在室状態の正常/異常を判断する。なお、在室許可条件には、来訪者10の在室が許可されるときに、応対者が同室する必要性の有無を示すフラグと、来訪者10の在室が許可される時間帯を示す許可時間帯データとが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会社などの施設への来訪者を管理する技術に関し、更に詳しくは、来訪者の施設内での在室状態を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティが要求される会社や病院など向けに、部屋の在室者を管理する在室管理システムが開発されている。在室管理システムは、入室管理とは異なり、入室の許可を主眼として管理するのではなく、部屋の在室者の状態を主眼において管理するシステムである。
【0003】
例えば、特許文献1で開示されているシステムは、在室者が部屋にいる時間に基づいて、在室者を管理するシステムで、病院の浴室やトイレなどに要介護者がいる時間をタイマ手段で計測し、タイマ手段で計測した時間が設定時間を越えた場合は、報知動作を行うシステムである。
【0004】
また、特許文献2で開示されているシステムは、会社などでの防犯を目的とし、部屋にいる在室者の人数に基づいて、在室者を管理するシステムで、入室者と退室者の差をとることで在室者の人数を算出する在室者数算出手段を備え、在室者の人数が1名になったときに、アラーム発信などの対応処理を行うシステムである。
【特許文献1】特開2002−312815号公報
【特許文献2】特開2000−315271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、会社への来訪者の在室状態を管理するときは、上述した在室時間や在室者の人数以外に、来訪者に応対する応対者の在室状態を確認しながら、来訪者の在室を管理する必要がある。例えば、部屋に設定されたセキュリティレベルによっては、応対者が同室していれば来訪者の在室は許可されるが、応対者が同室していなければ、来訪者の在室は許可されないケースがある。
【0006】
そこで、本発明は、会社などの施設への来訪者の在室管理するときに、応対者の在室状態を確認しながら、来訪者の在室を管理することができる来訪者在室管理システム及び在室管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決する第1の発明は、来訪者と来訪者に応対する応対者が所持し、媒体ごとに固有な情報である固有情報を無線で発信する無線通信タグと、施設内の定められたエリアごとに設置され、前記無線通信タグと無線通信する受信端末と、来訪者の在室状態を管理する在室管理サーバとから少なくとも構成される来訪者管理システムであって、前記在室管理サーバは、それぞれの前記受信端末が設置されている前記エリアを記憶するエリアデータベースと、各々の前記エリアごとに設定され、来訪者の在室を管理する条件である在室管理条件を記憶する在室管理条件データベースと、来訪者および応対者がそれぞれ所持する前記無線通信タグと交信している前記受信端末を特定し、前記エリアデータベースを参照することで、来訪者および対応者がそれぞれいるエリアを特定するエリア特定手段と、前記在室管理条件データベースを参照し、来訪者のいる前記エリアの在室管理条件に基づいて、来訪者の前記エリア内での在室の許可/不許可を判断する在室管理手段と、来訪者の在室を不許可と判断したときにアラームを発信するアラーム手段とを備え、前記在室管理条件データベースに記憶される前記在室管理条件には、少なくとも、来訪者がいる前記エリアと、応対者がいる前記エリアとの相対位置に基づいて、来訪者の前記エリア内での在室の許可/不許可を判断する条件が含まれていることを特徴とする。
【0008】
第1の発明によれば、前記在室管理条件データベースに記憶される前記在室管理条件には、少なくとも、来訪者がいる前記エリアと、応対者がいる前記エリアとの相対位置に基づいて、来訪者の前記エリア内での在室の許可/不許可を判断する条件を含ませ、来訪者と応対者がいるエリアに基づいて、応対者の在室状態を確認しながら、来訪者の在室を管理することができる。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明に記載の来訪者管理システムにおいて、前記在室管理サーバの前記在室管理条件データベースに記憶される前記在室管理条件に含まれる条件の一つは、来訪者と応対者が同じエリアにいる場合に、前記エリア内での来訪者の在室を許可する条件であることを特徴する。
【0010】
第2の発明によれば、応対者の同室を、来訪者の在室の許可条件として設定できる。
【0011】
また、第3の発明は、第1の発明または第2の発明に記載の来訪者管理システムにおいて、前記在室管理サーバの前記在室管理条件データベースに記憶される前記在室管理条件に含まれる条件の一つは、前記エリア内での来訪者の在室を許可する時間帯であることを特徴とする。
【0012】
第3の発明によれば、応対者の在室状態と供に、在室時間によっても、来訪者の在室を管理することができる。
【0013】
また、第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれかに記載の来訪者管理システムにおいて、前記在室管理サーバは、来訪者の在室状態を時系列的に記憶する在室ログ記憶手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明によれば、来訪者の在室状態の履歴を記憶することができ、来訪者の在室状態が異常であった場合に、来訪者および応対者を速やかに特定することができる。
【0015】
また、第5の発明は、媒体ごとに固有な情報である固有情報を無線で発信する無線通信タグと、施設内の定められたエリアごとに設置され、前記無線通信タグと無線通信する受信端末と、来訪者と来訪者に応対する応対者が所持する前記無線通信タグを用いて、来訪者の在室状態を管理する来訪者管理方法であって、前記来訪者管理方法は、
ステップ(a): 来訪者および応対者がそれぞれ所持する前記無線通信タグと交信している前記受信端末が設置されているエリアから、来訪者および対応者がそれぞれいるエリアを特定するステップ、
ステップ(b): 来訪者がいる前記エリアと応対者がいる前記エリアとの相対位置に基づいて、来訪者の前記エリア内での在室の許可/不許可を判断するステップ、
ステップ(c): 前記ステップ(a)において、前記来訪者の在室を不許可と判断したときにアラームを発信するステップを含むことを特徴とする。
【0016】
また、第6の発明は、第5の発明に記載の来訪者管理方法において、前記ステップ(b)では、来訪者がいる前記エリアと応対者がいる前記エリアとの相対位置に加え、来訪者が前記エリアにいる時間に基づいて、来訪者の前記エリア内での在室の許可/不許可を判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上述した本発明によれば、会社などの施設への来訪者の在室管理するときに、応対者の在室状態を確認しながら、来訪者の在室を管理することができる来訪者在室管理システム及び在室管理方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
ここから、本発明に係る来訪者在室管理システムをオフィスに適用した実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る来訪者在室管理システムの構成を説明する図である。
【0019】
図1に示したように、本発明に係る来訪者在室管理システムは、オフィスへの来訪者10および応対者11が所持するアクティブタグ2(以下、タグと略す)と、オフィスの各ルームに設置され、タグ2と無線で通信するリーダライタ5と、オフィスの警備室に設置され、来訪者10の在室を管理する在室管理サーバ3と、エントランスに設置され、来訪者10の受付を管理する来訪者受付PC4(Personal Computer)とから、少なくとも構成され、リーダライタ5、在室管理サーバ3および来訪者受付PC4はLAN6(Local Area Network)に接続されている。
【0020】
来訪者10がオフィスに訪問すると、エントランスで、来訪者10および応対者11には、それぞれタグ2が渡される。タグ2は、タグ2ごとに固有の番号であるタグIDを有し、タグIDを無線で発信する機能を有する。来訪者10および応対者11が所持するタグ2のタグIDは、来訪者10および応対者11にそれぞれタグ2が渡されたときに、来訪者受付PC4から在室管理サーバ3へ送信される。
【0021】
図2は、タグ2を説明する図である。上述しているように、本実施の形態において、来訪者10が所持するタグ2はアクティブタグ(Active Tag)である。図2で示したように、タグ2は、タグIDが記憶されるICチップ2a、アンテナ2bおよび電池2cを内蔵している。タグ2に内蔵されたICチップ2aは電池2cで駆動し、アンテナ2bを用いてタグ2自体から電波を発信することで、タグ2は数十m程度の長距離での交信が可能である。
【0022】
タグ2が無線で発信するタグIDを受信するリーダライタ5は、図1で示したように、オフィスの各部屋に設置され、それぞれのリーダライタ5には、リーダライタ5ごとに固有の番号であるリーダIDを有している。また、オフィスに設置されたそれぞれのリーダライタ5は、設置されている部屋にあるタグ2からの電波のみを受信できるように、利得などのパラメータが調整されている。
【0023】
在室管理サーバ3には、来訪者10の在室を管理するために、来訪者10および応対者11が在室している部屋を特定する手段と、部屋ごとに設定された来訪者の在室許可条件に従い、来訪者10の在室状態を管理する手段を備えている。
【0024】
在室管理サーバ3は、オフィスに設置された3台のリーダライタ5の中から、来訪者10および応対者11がそれぞれ所持しているタグ2と無線で通信している1台のリーダライタ5を特定することで、来訪者10および応対者11がいる部屋を特定することができる。
【0025】
すなわち、来訪者10が所持するタグ2のタグIDを受信しているリーダライタ5が設置されている場所から、来訪者10が在室している部屋を特定でき、応対者11が所持するタグ2のタグIDを受信しているリーダライタ5が設置されている場所から、応対者11が在室している部屋を特定できる。
【0026】
また、在室管理サーバには、予め、各部屋ごとに来訪者10の在室許可の条件を示す在室許可条件が記憶され、在室管理サーバ3は、来訪者10が在室している部屋に設定された在室許可条件を参照することで、来訪者10の在室の許可/不許可を判断する。
【0027】
図3は、図1で示した来訪者在室管理システムのブロック図である。図3で示しように、来訪者10の在室を管理する在室管理サーバ3は、来訪者10の在室を管理する在室管理手段30と、来訪者10の在室管理に必要なデータを記憶する来訪者在室管理データベース31(以下、DB: Data Base)と、来訪者10が在室した状況をログとして記憶する在室ログ記憶手段32とを備えている。
【0028】
在室管理サーバ3に備えられた来訪者在室管理DB31は、来訪者10の氏名や来訪する日時などのデータを記憶される来訪者テーブル310と、来訪者10の在室が許可される条件である在室許可条件が記憶される在室許可条件テーブル311と、各々のリーダライタ5の設置場所を記憶するリーダテーブル312とを備えている。
【0029】
図4は来訪者テーブル310を説明する図である。来訪者テーブル310には、来訪者10ごとにレコードが設けられ、各レコードには、来訪者10が来訪する案件を識別するためのデータである案件ID、来訪者10の会社名、氏名、来訪する日時、来訪目的などの来訪者10に関するデータに加え、来訪者10に応対する応対者11を示すデータ、および、来訪者10ごとに設定された在室許可条件を特定するためデータ(以下、条件ID)を記憶するデータフィールドを備える。在室管理サーバ3は、この来訪者テーブル310を参照することで、来訪者10ごと設定された在室許可条件を特定するための条件IDを取得できる。
【0030】
図5は在室許可条件テーブル311を説明する図で、図5(a)は在室許可条件テーブル311の構造を説明する図、図5(b)は在室許可条件を表すデータの構造を説明する図である。図5(a)に示したように、在室許可条件テーブル311には条件IDごとにレコードが設けられ、各レコードには、各部屋ごとの在室許可条件を記憶するデータフィールドが設けられている。
【0031】
図5(b)で示しているように、一つの在室許可条件は、来訪者10の在室の許可/不許可を意味するフラグである許可フラグと、在室が許可されるときの許可条件を意味するデータとして、来訪者10が在室するときに、応対者同室の必要性の有無を示すフラグである応対者フラグと、来訪者10の在室が許可される時間帯を示す許可時間帯データとから、少なくとも構成されている。
【0032】
例えば、ルーム1の在室許可条件で、来訪者10の在室が許可され、来訪者10が在室するときに応対者同室の必要性が無であれば、来訪者10が、応対者11が同室なくルーム1に在室していても、許可時間帯データで示される間、在室管理サーバ3は来訪者の在室状態は正常と判断する。
【0033】
また、ルーム2の在室許可条件で、来訪者10の在室が許可され、来訪者10が在室するときに応対者同室の必要性が有であれば、来訪者10が、応対者11が同室してルーム2に在室していれば、許可時間帯データで示される間、在室管理サーバ3は来訪者の在室状態は正常と判断する。
【0034】
また、ルーム3の在室許可条件で、来訪者10の応対者11が不許可であれば、応対者11の同室を問わず、在室管理サーバ3は来訪者の在室状態は異常と判断する。
【0035】
なお、図5で示している許可時間帯データとは、来訪者10が在室できる時間帯を示すデータで、来訪者10の在室を許可する開始時間と終了時間や終日を示すデータなどが記述される。例えば、ルーム3の在室許可条件で、許可時間時間データが、来訪者10が在室できる時間帯を13時から18時である場合、18時を過ぎても来訪者10がルーム3に居ると、在室管理サーバ3は来訪者10の在室状態を異常と判断する。
【0036】
在室管理サーバ3の来訪者在室管理DB31が有するリーダテーブル312とは、リーダライタ5が設置されている場所が記憶されるデータベースである。このリーダテーブル312には、各リーダライタ5のリーダIDに関連付けて、リーダIDで特定されるリーダライタ5が設置されている部屋(ここでは、ルーム1からルーム3)を示すデータが記憶される。
【0037】
在室管理サーバ3に備えられた在室管理手段30は、上述した来訪者在室管理DB31の各テーブルを参照することで、来訪者10の在室状態を管理する手段である。在室管理手段30は、図3で示したように、オフィス内のエリアとして来訪者10と応対者11とがそれぞれ在室している部屋を特定するルーム特定手段301と、来訪者10の在室状態が異常の場合にアラームを発生するアラーム手段302とを備える。
【0038】
在室管理手段30のルーム特定手段301は、来訪者10と応対者11がそれぞれ所持するタグ2と交信しているリーダライタ5からリーダIDを取得し、このリーダテーブル312を参照することで、来訪者10と応対者11とがそれぞれ在室している部屋を特定する。
【0039】
そして、在室管理手段30は、上述した来訪者在室管理DB31在室許可条件テーブル311を参照し、来訪者10の在室状態が異常と判断したときはアラーム手段302を作動させ、来訪者10の在室状態が異常であることを警備員などに通知する。なお、在室管理手段の詳細な動作については後述する。
【0040】
在室ログ記憶手段32とは、来訪者10の在室状態を時系列で記憶する手段である。在室管理サーバ3は、ある一定時間が経過するごとに、来訪者10が在室している部屋を特定し、特定した部屋の在室許可条件を参照することで、来訪者10の在室状況の正常/異常を判断した後、その結果をログとして記憶する。
【0041】
在室ログ記憶手段32に記憶するログのフォーマットについては特に制約はないが、少なくとも来訪者10を特定するデータに関連付けて、来訪者10の在室状態を確認した日時、来訪者10が在室している部屋、応対者11の同室の有無、そして、在室状況の正常/異常などのデータがログには記憶されることが望ましい。
【0042】
図3の来訪者受付PC4とは、応対者11と来訪者10が所持するのそれぞれのタグ2のタグIDを在室管理サーバ3に通知する手段である。エントランスの受付者(図示はしていない)は、来訪者受付PC4を用いて在室管理サーバ3にアクセスし、来訪者在室管理DB31の来訪者テーブル310を参照することで、オフィスに来訪した来訪者10を特定し、来訪者10に対応する来訪者テーブル310のレコードを選択するなどし、在室管理サーバ3に選択したレコードで特定される来訪者10が来訪したことを通知する。
【0043】
加えて、エントランスの受付者は、来訪者10および応対者11にそれぞれタグ2を渡したのち、来訪者受付PC4を操作し、在室管理サーバ3に選択したレコードで特定される来訪者10が来訪したことを通知すると共に、応対者11と来訪者10がそれぞれ所持するタグ2のタグIDを在室管理サーバ3に通知する。在室管理サーバ3の在室管理手段は、来訪者受付PC4から通知されたタグIDと来訪者テーブルのレコードを関連付けて記憶し、来訪者10の在室管理が開始される。
【0044】
ここから、図1および図3で説明した来訪者在室管理システムの動作について、図を参照しながら詳細に説明する。図6は、来訪者10を在室管理する処理フローを示したフロー図である。この処理フローで最初に実行される処理は来訪前処理S1で、この来訪前処理S1において、応対者11は、在室管理サーバ3の来訪者在室管理DB31へのデータ入力を行う。
【0045】
本実施の形態において、応対者11は、図5で示した在室許可条件テーブル311に各部屋の在室許可条件を登録する共に、図4で示した来訪者テーブル310に来訪者10の案件ID、氏名、来訪日時及び条件IDなどを登録する。
【0046】
来訪前処理S1の後に実行される処理は来訪者受付処理S2で、来訪者10がオフィスに来訪したときに実行される処理である。この来訪者受付処理S2は、エントランスの受付者または応対者11が来訪者10を確認することで、来訪者テーブル310のレコード番号と、このレコード番号で特定される来訪者10と応対者11がそれぞれ所持するタグ2のタグIDが、LAN6を介して、来訪者受付PC4から在室管理サーバ3に送信される。
【0047】
来訪者受付処理S2の後に実行される処理は在室管理処理S3で、在室管理サーバ3は、来訪者受付PC4から、来訪者テーブル310のレコード番号と、このレコード番号で特定される来訪者10と応対者11がそれぞれ所持するタグ2のタグIDとを受信すると、このレコード番号のレコードに記述された条件IDで特定される在室許可条件テーブル311のレコードを参照し、来訪者10の在室を管理する。そして、来訪者10の在室状態の管理は、来訪者10がオフィスを退出するまで続けられる。
【0048】
図7は、図6で示した在室管理処理S3の詳細なフローを示した図で、図7のフローは、ある一定時間が経過するごとに、繰り返し実行されるフローである。在室管理処理S1で最初に実行されるステップは、在室管理サーバ3が、来訪者10および応対者11がそれぞれ所持するタグ2と交信しているリーダライタ5を特定するステップS30である。
【0049】
このステップS30では、在室管理サーバ3の在室管理手段30に備えられたルーム特定手段301は、各リーダライタ5が交信しているタグ2のタグIDを確認することで、来訪者10が所持するタグ2と交信しているリーダライタ5と、応対者11が所持するタグ2と交信しているリーダライタ5とを特定し、特定した2つのリーダライタ5のリーダIDを取得する。
【0050】
次のステップS31は、来訪者10と応対者11がいるそれぞれの部屋を特定するステップである。このステップS31では、ルーム特定手段301は、リーダテーブル312を参照し、ステップS30で取得した2つのリーダIDで示されるリーダライタ5が設置されている部屋、すなわち、来訪者10がいる部屋と応対者11がいる部屋を特定する。
【0051】
次のステップS32は、来訪者10がいる部屋の在室許可条件を参照し、来訪者10の在室状態の正常/異常を判断するステップである。このステップS32においては、在室管理サーバ3の在室管理手段30は、在室許可条件テーブル311を参照することで、来訪者10がいる部屋の在室許可条件を取得する。そして、応対者11がいる部屋および在室管理処理S3が実行された時間と、取得した在室許可条件とを比較することで、来訪者10の在室状態の正常/異常を判断する。
【0052】
次のステップS33は、来訪者10の在室状態が正常/異常によって、処理が分岐されるステップで、来訪者10の在室状況が正常の場合はステップS35に進み、異常の場合はステップS34に進む。ステップS34では、在室管理サーバ3はアラーム手段302を作動させ、来訪者10の在室状態が異常であることを通知した後、ステップS35に進む。
【0053】
ステップS35では、少なくとも来訪者10を特定するデータに関連付けて、日時、来訪者10が在室している部屋、そして、在室状況の正常/異常に関するデータを、在室ログ記憶手段32に記憶し、このフローは終了する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】来訪者在室管理システムを説明する図。
【図2】タグを説明する図。
【図3】来訪者在室管理システムのブロック図。
【図4】来訪者テーブルを説明する図。
【図5】在室許可条件テーブルを説明する図。
【図6】来訪者の在室管理処理全体のフロー図。
【図7】在室管理処理の詳細なフロー図。
【符号の説明】
【0055】
10 来訪者、11 応対者
2 タグ
3 在室管理サーバ
30 在室管理手段
301 ルーム特定手段、302 アラーム手段
31 来訪者在室管理DB
310 来訪者テーブル、311 在室許可条件テーブル、312 リーダテーブル
32 在室ログ記憶手段
4 来訪者受付PC
5 リーダライタ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者と来訪者に応対する応対者が所持し、媒体ごとに固有な情報である固有情報を無線で発信する無線通信タグと、施設内の定められたエリアごとに設置され、前記無線通信タグと無線通信する受信端末と、来訪者の在室状態を管理する在室管理サーバとから少なくとも構成される来訪者管理システムであって、
前記在室管理サーバは、それぞれの前記受信端末が設置されている前記エリアを記憶するエリアデータベースと、各々の前記エリアごとに設定され、来訪者の在室を管理する条件である在室管理条件を記憶する在室管理条件データベースと、来訪者および応対者がそれぞれ所持する前記無線通信タグと交信している前記受信端末を特定し、前記エリアデータベースを参照することで、来訪者および対応者がそれぞれいるエリアを特定するエリア特定手段と、前記在室管理条件データベースを参照し、来訪者のいる前記エリアの在室管理条件に基づいて、来訪者の前記エリア内での在室の許可/不許可を判断する在室管理手段と、来訪者の在室を不許可と判断したときにアラームを発信するアラーム手段とを備え、前記在室管理条件データベースに記憶される前記在室管理条件には、少なくとも、来訪者がいる前記エリアと、応対者がいる前記エリアとの相対位置に基づいて、来訪者の前記エリア内での在室の許可/不許可を判断する条件が含まれていることを特徴とする来訪者管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の来訪者管理システムにおいて、前記在室管理サーバの前記在室管理条件データベースに記憶される前記在室管理条件に含まれる条件の一つは、来訪者と応対者が同じエリアにいる場合に、前記エリア内での来訪者の在室を許可する条件であることを特徴する来訪者管理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の来訪者管理システムにおいて、前記在室管理サーバの前記在室管理条件データベースに記憶される前記在室管理条件に含まれる条件の一つは、前記エリア内での来訪者の在室を許可する時間帯であることを特徴とする来訪者管理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の来訪者管理システムにおいて、前記在室管理サーバは、来訪者の在室状態を時系列的に記憶する在室ログ記憶手段を備えていることを特徴とする来訪者管理システム。
【請求項5】
媒体ごとに固有な情報である固有情報を無線で発信する無線通信タグと、施設内の定められたエリアごとに設置され、前記無線通信タグと無線通信する受信端末と、来訪者と来訪者に応対する応対者が所持する前記無線通信タグを用いて、来訪者の在室状態を管理する来訪者管理方法であって、前記来訪者管理方法は、
ステップ(a): 来訪者および応対者がそれぞれ所持する前記無線通信タグと交信している前記受信端末が設置されているエリアから、来訪者および対応者がそれぞれいるエリアを特定するステップ、
ステップ(b): 来訪者がいる前記エリアと応対者がいる前記エリアとの相対位置に基づいて、来訪者の前記エリア内での在室の許可/不許可を判断するステップ、
ステップ(c): 前記ステップ(a)において、前記来訪者の在室を不許可と判断したときにアラームを発信するステップを含むことを特徴とする来訪者管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の来訪者管理方法において、前記ステップ(b)では、来訪者がいる前記エリアと応対者がいる前記エリアとの相対位置に加え、来訪者が前記エリアにいる時間に基づいて、来訪者の前記エリア内での在室の許可/不許可を判断することを特徴とする来訪者管理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−86922(P2007−86922A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272628(P2005−272628)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】