説明

染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法

【課題】染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法において、脱染性を向上させるとともに、再酸化を抑制することができる染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法を提供することにある。
【解決手段】(A)酸化染料を含有する酸化染毛剤と、(B)アスコルビン酸類と、(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種と、を含有する脱染剤とからなる染毛・脱染キットであって、前記(A)酸化染料のオクタノール/水分配係数[log(POW)]は、前記(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内であるとともに前記脱染剤中には(C)成分が0.5〜30.0質量%含有されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法に関し、さらに詳しくは、十分な脱染性が得られ、脱染処理後の毛髪の変色を抑制することができる染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、毛髪を染色する方法としては、アルカリ剤の働きで酸化染料を毛髪のキューティクル内部に浸透させ、酸化剤でメラニン色素の分解と酸化染料の発色(重合)を行わせる酸化染毛剤が知られている。また、特許文献1に記載されているように、かかる酸化染毛剤により染色した毛髪に対し、アスコルビン酸等の還元剤による還元作用を用いて脱染(還元分解、解重合)するための毛髪脱染剤も知られている。しかしながら、酸化染毛剤を毛髪に適用したときに生成する酸化染料重合体によっては、脱染しにくいものも存在するという問題があった。そこで従来より特許文献2に記載されるように、酸化染毛剤に重合抑制剤を含有させることにより、毛髪内で生成する酸化染料重合体の重合割合を抑え、アスコルビン酸による還元分解を促す方法が存在する。
【特許文献1】特開2005−060352号公報
【特許文献2】特開2004−149483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、酸化染毛剤に重合抑制剤を含有させる場合、その後の脱染処理において脱染性が良好になる場合も存在するものの、未だ不十分な場合もあった。また、脱染処理をされた毛髪は、数時間又は数日経過すると空気酸化によって毛髪内に残存する酸化染料及び解重合物が再酸化して脱染された毛髪が再び変色(例えば、黒色化)するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、脱染性に優れ、脱染処理後の毛髪の変色を抑制することができる染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の染毛・脱染キットにおいて、(A)酸化染料を含有する酸化染毛剤と、(B)アスコルビン酸類と、(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種と、を含有する脱染剤とからなる染毛・脱染キットであって、
前記(A)酸化染料のオクタノール/水分配係数[log(POW)]は、前記(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内であるとともに前記脱染剤中には(C)成分が0.5〜30.0質量%含有されることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の染毛・脱染キットにおいて、前記脱染剤は(C)成分を含有する第1剤と、(B)成分を含有する第2剤とからなることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の染毛・脱染キットにおいて、前記(C)成分は、多価アルコール、低級アルコール、多価アルコールアルキルエーテル及び芳香族アルコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか1項記載の毛髪の染色・脱染方法において、(A)酸化染料を含有する酸化染毛剤により毛髪を染色する工程、次に、(B)アスコルビン酸類と(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種とを含有する脱染剤により、染色された毛髪を脱染する工程よりなる毛髪の染色・脱染方法であって、前記(A)酸化染料のオクタノール/水分配係数[log(POW)]は、前記(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内であるとともに前記脱染剤中には(C)成分が0.5〜30.0質量%含有されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法において、脱染性を向上させるとともに、再酸化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の染毛・脱染キットは、(A)酸化染料を含有する酸化染毛剤と、(B)アスコルビン酸類と(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種とを含有する脱染剤とから構成されている。
【0011】
前記酸化染毛剤には、オクタノール/水分配係数[log(POW)]が、前記脱染剤に含有される(C)成分のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内である(A)酸化染料が用いられる。そして、この酸化染毛剤によって染色された毛髪は、前記脱染剤に含有する(B)アスコルビン酸類の還元作用により脱染することができる。
まず、酸化染毛剤について詳細に説明する。
【0012】
<酸化染毛剤>
本実施形態における酸化染毛剤には、(A)酸化染料が含有されている。前記酸化染毛剤は、染毛剤第1剤と染毛剤第2剤とから構成される。染毛剤第1剤には、(A)酸化染料、アルカリ剤等が含有される。染毛剤第2剤には酸化剤等が含有される。染毛剤第1剤と染毛剤第2剤を使用時に混合調製され、それにより得られた染毛剤混合物が毛髪に塗布されることにより毛髪が染色される。しかし、染毛剤第2剤を使用せず、染毛剤第1剤に含有される酸化染料を空気酸化によって発色させる空気酸化型の一剤式酸化染毛剤として使用してもよい。
【0013】
<染毛剤第1剤>
本実施形態における染毛剤第1剤には、(A)酸化染料、アルカリ剤が含有される。また、この染毛剤第1剤にはその他の成分として酸化染毛剤の染毛剤第1剤に通常用いられる成分が含有される。
【0014】
(A)酸化染料は、染毛剤第2剤に含有される酸化剤による酸化重合によって発色可能な化合物を示し、具体的には、主要中間体及びカプラーに分類される。ここで、(A)成分が酸化重合することによって生成する化合物を多核化合物という。毛髪はこれらの多核化合物によって染色される。
【0015】
主要中間体としては、フェニレンジアミン類,アミノフェノール類,ジアミノピリジン類及びこれらの塩酸塩,硫酸塩,酢酸塩等の塩類等が挙げられる。これらの主要中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0016】
主要中間体の具体例としては、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、N−β−ヒドロキシエチル−N−エチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェニルスルファミン酸、2,5−ジアミノピリジン及びそれらの塩類等が挙げられる。
カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、o−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール、フロログルシン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール等や、それらの塩等が挙げられる。これらのカプラーは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0017】
これらの(A)酸化染料の中でも、脱染性を向上させるとともに、再酸化を抑制させることができることから、オクタノール/水分配係数が、前記(C)成分のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内である(A)酸化染料が用いられる。
【0018】
染毛剤第1剤中における(A)成分の含有量は、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.2〜15質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、15質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
【0019】
尚、前記オクタノール/水分配係数[log(POW)]は、水相と有機相(オクタノール相)での物質(例えば、酸化染料)の分配のための尺度であり、下記の式(1)のように定義される。本実施形態のオクタノール/水分配係数は、経済協力開発機構(OECD理事会決定「C(81)30最終別添(1)」107又は日本工業規格Z7260−107(2000)「分配係数(1−オクタノール/水)の測定−フラスコ浸とう法」並びにOECDテストガイドライン117に定められた方法で測定した値をいう。
log(POW)=log([P]/[P])…(1)
[P]:オクタノール相中における物質のモル数
[P]:水相中における物質のモル数
【0020】
例えば、このlog(POW)値が高いほど、その物質は疎水性となる。例えば、log(POW)の値が1である物質は水相よりも有機相に10倍よく溶け、log(POW)の値が2である物質は水相よりも有機相に100倍よく溶ける。
【0021】
その他、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料及び酸化染料以外の染料として直接染料等を適宜、配合することもできる。
【0022】
アルカリ剤は、染毛剤第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させることにより毛髪に対する染料の浸透性を向上させ、染色性を向上させるために含有される。アルカリ剤としては、アンモニア、アルカノールアミン、アンモニウム塩、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。
【0023】
これらのアルカリ剤は単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。このアルカリ剤の含有量は、染毛剤第1剤のpHが8〜12の範囲となる量に設定することが好ましい。染毛剤第1剤のpHが8未満では、染毛剤第1剤を染毛剤第2剤と混合したときに酸化剤の作用を十分に促進することができない場合がある。一方、pHが12を超えると、染毛剤混合物を毛髪に施したとき毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
【0024】
また、この染毛剤第1剤には、還元剤である(B)アスコルビン酸類、亜硫酸塩等の重合抑制剤を含有させることが好ましい。これにより、(A)成分が酸化剤により酸化重合される際、脱染剤により脱染され易い重合割合の低い多核化合物が生成されるため、脱染性を向上させることができる。
【0025】
また、この染毛剤第1剤には、その他の成分として、水、界面活性剤、油性成分、ラウリン酸、ミリスチン酸、リノレン酸等の脂肪酸、ソルビトール、マルトース等の糖類、多価アルコール、バチルアルコール、キミルアルコール等のアルキルグリセリルエーテル、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、架橋ポリアクリル酸、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウム等の水溶性高分子化合物、パラベン等の防腐剤、EDTA−2Na等のキレート剤、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定剤、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等のpH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤、水等が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
【0026】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0027】
油性成分としては、高級アルコール、油脂類、ロウ類、炭化水素類、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。
【0028】
高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0029】
油脂類の具体例としては、ホホバ油、オリーブ油のグリセライド等、ロウ類の具体例としては、ミツロウ、ラノリン等、炭化水素類の具体例としては、流動パラフィン、固形パラフィン、イソパラフィン、スクワラン等が挙げられる。エステル類の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等、シリコーン類の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。
【0030】
この染毛第1剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
【0031】
<染毛剤第2剤>
この染毛剤第2剤には酸化剤が含有される。また、この染毛剤第2剤にはその他の成分として酸化染毛剤の染毛剤第2剤に通常用いられる成分が含有される。
酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色すると共に、染毛剤第1剤に含有する酸化染料を酸化して発色させるために含有させる。酸化剤は、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムおよび過酸化水素等が挙げられる。
染毛剤第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜15.0質量%である。
【0032】
この染毛剤第2剤には、前記染毛剤第1剤に記載のその他の成分を適宜含有させることができる。また、酸化剤として過酸化水素を含有させた場合、過酸化水素の分解を抑制するために、安定化剤を含有させることが好ましい。安定化剤としては、尿素、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、リン酸等が挙げられる。
【0033】
この染毛第2剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
<染毛剤混合物>
【0034】
酸化染毛剤を使用する際に、前記染毛剤第1剤及び染毛剤第2剤を所定の割合で混合調製することによって染毛剤混合物を得ることができる。この染毛剤混合物の剤型は、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
本実施形態の酸化染毛剤は、毛髪に塗布することにより酸化染毛剤として好適に使用することができる。
【0035】
次に、脱染剤について説明する。
【0036】
<脱染剤>
本実施形態における脱染剤には、(B)アスコルビン酸類と、(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が含有されている。前記脱染剤は、脱染剤第1剤と脱染剤第2剤とから構成されている。
【0037】
脱染剤第1剤には、(B)アスコルビン酸類等が含有されている。この脱染第1剤は粉末状の組成物である。一方、脱染剤第2剤には、(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が含有されている。この脱染剤第2剤は液状、ゲル状又はクリーム状の組成物である。脱染剤第1剤と脱染剤第2剤が、使用の際に混合調製されることにより、脱染剤第1剤に含有する(B)アスコルビン酸類が脱染剤第2剤に溶解した脱染剤混合物を得ることができる。
【0038】
<脱染剤第1剤>
脱染剤第1剤には、(B)アスコルビン酸類の他に、フマル酸、分散剤等を配合することができる。
【0039】
(B)アスコルビン酸類は、毛髪を染色している多核化合物を還元するために配合される。多核化合物は、(B)成分の還元作用によって解重合又は非共鳴化させると、その発色が失われることによって容易に無色化される。
【0040】
前記(B)アスコルビン酸類の具体例としては、アスコルビン酸、その塩及び誘導体が挙げられる。アスコルビン酸塩の具体例としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸アンモニウム、アスコルビン酸モノエタノールアミン、アスコルビン酸ジエタノールアミン等が挙げられる。アスコルビン酸誘導体の具体例としては、アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ミリスチン酸アスコルビル、ラウリン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、プロピオン酸アスコルビル、酒石酸アスコルビル、クエン酸アスコルビル、コハク酸アスコルビル、安息香酸アスコルビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビルエチル、アスコルビン酸アラントイン、アスコルビン酸キトサン、アスコルビン酸メチルシラノール、テトラデシルヘキシルアスコルビル、アミノプロピルアスコルビルフォスフェート、アスコルビン酸ポリペプタイド、アスコルビルグルコシド、アスコルビルメチルシラノールペクチネート等が挙げられる。
【0041】
これらの(B)成分の中でも、多核化合物の解重合の作用に優れることから、アスコルビン酸が好ましい。また、アスコルビン酸は水溶液中での保存安定性が悪いため、粉末状として保存することによって脱染性の長期安定性を向上させることができる。ここで、粉末状とは一定の力をかけても流動性がなく、一定の形状を持つ固体が破砕されて細かくなったものである。
【0042】
また、粉末状のアスコルビン酸として、市販の製品を使用してもよい。その市販品の具体例としては、商品名アスコルビン酸(細粒)(ロシュ社製)、アスコルビン酸(結晶)(ロシュ社製)、アスコルビン酸(微粉末)(ロシュ社製)、アスコルビン酸(超微粉末)(ロシュ社製)が挙げられる。これらの中でも、混合性向上の観点から、アスコルビン酸(結晶)(ロシュ社製)が好ましい。
【0043】
脱染剤中における(B)成分の含有量は、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは8〜15質量%、特に好ましくは8〜10質量%である。この含有量が7質量%未満であると、十分な脱染性が得られないおそれがある。ただし、上記のように2剤式脱染剤として構成した場合、脱染剤第1剤中における(B)成分の含有量は、70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%である。この含有量が70質量%未満であると、十分な脱染性が得られないおそれがある。
【0044】
フマル酸は、重合割合の低い多核化合物の解重合又は非共鳴化によって生成する成分の再酸化を抑制し、毛髪の変色を抑制するために配合される。
【0045】
分散剤は、(B)アスコルビン酸類等が凝集して塊状態を形成することを抑制し、脱染剤第1剤と脱染剤第2剤の混合調製の際、脱染剤第2剤中における脱染第1剤の分散性を向上させるために配合される。分散剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩、タルク、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン等が挙げられる。
【0046】
<脱染剤第2剤>
脱染剤第2剤には、(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の他に、水、水溶性高分子化合物等を配合することができる。
【0047】
(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種は、脱染性を向上させるとともに、再酸化を抑制させるために配合される。そして、これらの(C)成分の中でも、脱染性を向上させるとともに、再酸化を抑制させることができることから、(A)酸化染料のオクタノール/水分配係数が、前記(C)成分のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内となるような(C)成分が用いられる。
【0048】
(C)成分の具体例としては、多価アルコール、低級アルコール、多価アルコールアルキルエーテル及び芳香族アルコール等の溶剤、並びに非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤等の界面活性剤が挙げられる。
【0049】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、へキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。これらの多価アルコールは単独で含有させてもよく、二種以上を組み合わせて含有させても良い。
【0050】
低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。これらの低級アルコールは単独で含有させてもよく、二種以上を組み合わせて含有させても良い。
【0051】
多価アルコールアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。これらの多価アルコールアルキルエーテルは、単独で含有させてもよく、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0052】
芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、シンナミルアルコール、フェニルプロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、α−メチルベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール、p−アニシルアルコール等が挙げられる。これらの芳香族アルコールの中でも、多核化合物の解重合の作用に優れることから、ベンジルアルコールが好ましい。これらの芳香族アルコールは、単独で含有させてもよく、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。また、皮膚刺激性も低く、脱染率も向上し、再酸化を抑制できることから、エタノール及びベンジルアルコールを含有させることが好ましい。
【0053】
非イオン性界面活性剤としては、エーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)セチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEアルキル(C12−C14)エーテル等が挙げられる。
【0054】
エステル型非イオン性界面活性剤としては、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル等が挙げられる。
【0055】
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0056】
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。
【0057】
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独で含有させてもよく、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0058】
脱染剤中における(C)成分の含有量は、0.5〜30.0質量%、好ましくは1.0〜15.0質量%、より好ましくは3.0〜10.0質量%である。この含有量が0.5質量%未満であると、脱染性が低下するとともに、再酸化抑制効果が得られないおそれがある。一方、30.0質量%を超えると、再酸化抑制効果が得られないとともに、皮膚刺激が強くなるおそれがある。
【0059】
水は、脱染剤第1剤に含有される(B)成分の可溶化剤として配合される。
【0060】
水溶性高分子化合物は、脱染剤に適度な粘度を与える増粘剤として配合される。水溶性高分子化合物の具体例としては、セルロース系水溶性高分子化合物、デンプン系水溶性高分子化合物、アルギン酸系水溶性高分子化合物、植物系水溶性高分子化合物、微生物系水溶性高分子化合物、ビニル系水溶性高分子化合物等が挙げられる。セルロース系水溶性高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。デンプン系水溶性高分子化合物としては、デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン等が挙げられる。アルギン酸系水溶性高分子化合物としては、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。植物系水溶性高分子化合物としては、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、ガラクタン、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、カラギーナン等が挙げられる。微生物系水溶性高分子化合物としては、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン等が挙げられる。ビニル系水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらの(B)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0061】
さらに、その他の成分として、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン類、炭化水素等の油性成分、ソルビトール、マルトース、キシロース等の糖類、パラベン等の防腐剤、EDTA−2Na、ヒドロキシエタンジホスホン酸等のキレート剤、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤、塩酸、硫酸、乳酸等のpH調整剤等が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を含有させてもよい。
【0062】
次に、本実施形態の毛髪の染色・脱染方法について説明する。
【0063】
本実施形態の毛髪の染色・脱染方法は、まず前記酸化染毛剤により毛髪を染色する工程、次に染毛処理を施した毛髪に対して前記脱染剤による脱染処理を施す工程を備えている。前記酸化染毛剤により毛髪を染色する工程は、上記のように特定のオクタノール/水分配係数の範囲にある(A)成分を含有する前記染毛剤第1剤と、酸化剤を含有する前記染毛剤第2剤を混合調製して得られた前記染毛剤混合物を毛髪に塗布して発色させる工程である。このとき、単量体である(A)成分は酸化剤の酸化力を利用して重合し、多核化合物を形成する。該多核化合物が発色することで、毛髪を染色している。その後、前記染毛剤混合物を洗い流し、風乾させ、染毛処理毛髪が得られる。次に、かかる染毛処理毛髪に対して前記脱染剤による脱染処理を施す工程は、ある特定のオクタノール/水分配係数の範囲にある(C)成分を含有する前記脱染剤を、前記染毛処理毛髪に塗布する工程である。このとき、(A)成分と(C)成分との関係は、前記(A)成分のオクタノール/水分配係数が、前記(C)成分のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内であるように設定されている。この関係にあるとき、毛髪を染色している多核化合物は、脱染剤に含有する(B)成分の還元作用によって解重合されやすくなる。このとき、該多核化合物が解重合されると、単量体や低重合物にまで還元分解され、その発色が失われることによって容易に無色化される。その後、前記脱染剤を洗い流し、風乾させることにより、脱染することができる。
【0064】
本実施形態の染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
(1)本実施形態の染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法によれば、(A)成分のオクタノール/水分配係数が、前記(C)成分のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内であるとともに、脱染剤中には(C)成分が0.5〜30.0質量%含有される。これにより、脱染処理工程において毛髪内部に生じた解重合物が、(C)成分に溶解されやすくなるため、毛髪内部から解重合物を容易に排出させることができる。その結果、良好な脱染性及び再酸化(脱染後の毛髪の変色)抑制効果を得ることができる。
【実施例】
【0066】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
【0067】
(実施例1〜12、比較例1〜4)
染毛・脱染キット及び毛髪の染色・脱染方法
表1〜2に示される染毛剤第1剤と染毛剤第2剤を1:1の割合で混合調製し、実施例1〜12、比較例1〜4の染毛剤混合物を得た。得られた染毛剤混合物をミディアムブラウン毛の人毛毛束に適用後20分間放置した後、通常のシャンプーにて洗浄し、次いで乾燥させることにより酸化染毛処理毛束とした。その後、表1〜2に示される脱染剤第1剤と脱染剤第2剤を10:1の質量比で混合調製し、実施例1〜12、比較例1〜4の脱染剤を得た。得られた脱染剤を酸化染毛処理毛束に刷毛を用いて塗布し、室温で30分間放置し、通常のシャンプーにて洗浄し、次いで乾燥させることにより脱染処理毛束とした。かかる脱染処理毛束について、脱染率、再酸化力について評価を行った。また、前記脱染剤について、皮膚刺激について評価を行った。それらの評価結果を表1〜2に示す。なお、表1〜2における各成分の含有を示す数値の単位は質量%である。
【0068】
<脱染率>
上記染毛処理前の毛束(未処理毛束)において、分光測色計(ミノルタ株式会社製、型番:CM−508d)でL***値(L、a及びb)を測定した。上記のようにして得た酸化染毛処理毛束において、同様にL***値(L、a及びb)を測定した。かかる酸化染毛処理毛束を脱染処理した後、脱染処理毛束において、同様にL***値(L、a及びb)を測定した。上記の染毛処理毛束と脱染処理毛束のL***値を対比させて下記の(2)式によって脱染度合い(ΔE)を算出した。
ΔE={(L−L2+(a−a2+(b−b21/2…(2)
:染毛又は脱染処理毛束のL*
:染毛又は脱染処理毛束のa*
:染毛又は脱染処理毛束のb*
:未処理毛束のL*
:未処理毛束のa*
:未処理毛束のb*
次に、ΔE及びΔEから下記の(3)式によって脱染性(D)(%)を算出した。算出した数値が大きいほど脱染性が優れることを示す。
D=(1−ΔE/ΔE)×100…(3)
【0069】
<再酸化力>
各実施例及び比較例の脱染処理毛束について、常温で20日間保存した後、再酸化しているかどうかを脱染処理毛束の色の変化を目視で、毛髪の色は脱染直後と全く変化していない:◎、毛髪の色は脱染直後とほとんど変化していない:○、毛髪の色が脱染直後からみて多少変化している:△、毛髪の色が脱染直後からみて非常に変化している:×とし、再酸化力の評価結果とした。
【0070】
<皮膚刺激性>
上記のようにして得た実施例1〜12、比較例1〜4の脱染剤を、それぞれ0.5mLずつ2.5cm角のリント布に均一に浸し、健常人である被検者10名の前額部に15分間貼付した。そしてその間、皮膚刺激の度合いを被験者に対する問診により評価した。その評価は、全く又はほとんど刺激を感じない:◎、僅かに刺激を感じる:○、やや刺激を感じる:△、はっきりと刺激を感じる:×とした。被験者10名の各評価のうち、最も人数の多かった評価を代表的な評価結果とした。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
表1及び表2に示されるように、各実施例における特定のオクタノール/水分配係数を持つ(A)成分を含有する酸化染毛剤と特定のオクタノール/水分配係数を持つ(C)成分を含有する脱染剤を使用して染毛脱染処理を行う場合、各評価項目において良好な結果が得られることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)酸化染料を含有する酸化染毛剤と、(B)アスコルビン酸類と、(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種と、を含有する脱染剤とからなる染毛・脱染キットであって、
前記(A)酸化染料のオクタノール/水分配係数[log(POW)]は、前記(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内であるとともに前記脱染剤中には(C)成分が0.5〜30.0質量%含有されることを特徴とする染毛・脱染キット。
【請求項2】
前記脱染剤は(C)成分を含有する第1剤と、(B)成分を含有する第2剤とからなることを特徴とする請求項1記載の染毛・脱染キット。
【請求項3】
前記(C)成分は、多価アルコール、低級アルコール、多価アルコールアルキルエーテル及び芳香族アルコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の染毛・脱染キット。
【請求項4】
(A)酸化染料を含有する酸化染毛剤により毛髪を染色する工程、次に、(B)アスコルビン酸類と(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種とを含有する脱染剤により、染色された毛髪を脱染する工程よりなる毛髪の染色・脱染方法であって、
前記(A)酸化染料のオクタノール/水分配係数[log(POW)]は、前記(C)溶剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種のオクタノール/水分配係数の+1.5〜−3.0の範囲内であるとともに前記脱染剤中には(C)成分が0.5〜30.0質量%含有されることを特徴とする毛髪の染色・脱染方法。

【公開番号】特開2008−56635(P2008−56635A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238207(P2006−238207)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000113274)ホーユー株式会社 (278)
【Fターム(参考)】