説明

柵および柵の施工方法

【課題】複数の柱材を容易に所定間隔で平行に並設できる柵および柵の施工方法を提供する。
【解決手段】複数の柱材本体3と、これら柱材本体3の下端が固定された基板5と、複数の柱材本体3の下端から所定長さだけ上方に位置する部位に水平方向から係合された補強材6とによって柵骨組が構成されており、補強材6を前記柵骨組の下端部が地盤中に埋設さ前記化粧材4が補強材6より上前記柱材本体3に外挿されて固定されているので、複数の柱材3を容易に所定間隔で平行に並設できる。また、複数の柱材本体3を柵骨組の下端部を地盤中に設置することによって、容易に並設でき、施工が容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の敷地等に設けられる防護柵等の柵および柵の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
柵の一例として、特許文献1に記載のものが知られている。この柵は、管状芯材に合成樹脂によりその表面に木目調の被覆がなされた支柱と横木とからなる合成樹脂被覆擬木柵において、適宜間隔をおいて立設された支柱間の上下に横木が架設され、この上下の横木に対して多数の縦棧の両端部が固定されたものである。
このような柵では、上下2本の横木を備えているので、人が横木に手や足を掛けて、柵を乗り越えるのが比較的容易である。このため、柵を、多数の上下に長尺な柱材を平行に並設することによって形成すれば、横木がないため、柵を乗り越え難くすることができる。
【特許文献1】特開2000−282718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、柵を多数の柱材を平行に並設することによって形成する場合、これら柱材の下端部を地盤に埋設して支持する必要があるが、柱材の下端部を地盤に埋設するだけでは、柱材が前後左右に傾き易く、多数の柱を平行に並設するのが困難である。
また、多数の柱を1本ずつ地盤に埋設しつつ施工するのには非常に手間がかかる。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、複数の柱材を容易に所定間隔で平行に並設できる柵および柵の施工方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1、図2、図8等に示すように、複数の柱材3が所定間隔で平行に並設されてなる柵1であって、
前記柱材2は、所定間隔で平行に並設される金属製の複数の柱材本体3と、これら柱材本体3それぞれに外挿される筒状の化粧材4とを備えており、
前記複数の柱材本体3と、これら柱材本体3の下端が固定された基板5と、前記複数の柱材本体3の下端から所定長さだけ上方に位置する部位に水平方向から係合された補強材6とによって柵骨組7が構成されており、
前記補強材6を含む前記柵骨組7の下端部が地盤中に埋設され、前記化粧材4は前記補強材6より上方の前記柱材本体3に外挿されて固定されていることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、柵骨組7を構成する複数の柱材本体3の下端が基板5に固定され、複数の柱材本体3の下端から所定長さだけ上方に位置する部位に補強板6が係合しているので、柱材本体3は下端部の2箇所で固定される。そして、補強材6を含む柵骨組7の下端部が地盤中に埋設されているので、地盤上に突出する柱材本体3を所定間隔で平行に並設することができ、これら柱材本体3に化粧材4が外挿されて固定されているので、複数の柱材3を容易に所定間隔で平行に並設できる。
また、複数の柱材本体3を柵骨組7の下端部を地盤中に設置することによって、容易に並設でき、施工が容易となる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の柵において、
前記補強材6は、前記複数の柱材本体3の正面に当接して固定される当接板6aと、この当接板6aに前記複数の柱材本体3の並設方向に所定間隔で形成されて、隣り合う柱材本体3,3間に、対向する柱材本体3,3の側面に当接するようにして挿入される複数の挿入板6bとを備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、補強材6が当接板6aと、この当接板6aに複数の柱材本体3の並設方向に所定間隔で形成された挿入板6bとを備えており、当接板6aが柱材本体3の正面に当接して固定され、挿入板6bが隣り合う柱材本体3,3間に、対向する柱材本体3,3の側面に当接するようにして挿入されるので、各柱材本体3は、前後左右方向への傾きが規制される。したがって、複数の柱材本体3を確実に所定間隔で平行に並設でき、この結果、柱材2を確実に所定間隔で平行に並設できる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、例えば図8に示すように、請求項1または2に記載の柵を施工する柵の施工方法であって、
まず、前記柵骨組7を、その基板5を地盤面または地盤に形成された凹部10の底面に設置するようにして立て、
次に、前記補強材6を含む前記柵骨組7の下端部を地盤中に埋設し、
次に、前記柵骨組7の前記補強材6より上方の前記柱材本体3に、前記化粧材4を上方から外挿して固定することを特徴とする。
【0010】
ここで、柵骨組7の基板5を地盤面に設置した場合に、補強材6を含む柵骨組7の下端部を地盤中に埋設するには、地盤面に盛り土を行って、柵骨組7の下端部を地盤中に埋設すればよい。
また、柵骨組7の基板5を地盤に形成された凹部の底面に設置した場合に、補強材6を含む柵骨組7の下端部を地盤中に埋設するには、凹部に土を埋め戻すことによって柵骨組7の下端部を地盤中に埋設すればよい。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、柵骨組7を地盤面または地盤に形成された凹部10の底面に設置して、補強材6を含む前記柵骨組7の下端部を地盤中に埋設するので、地盤上に柵骨組7の柱材本体3を容易に突出させて立設できる。そして、これら柱材本体3に化粧材4を上方から外挿して固定することによって、柵1の施工を容易に行える。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の柵を複数並設して施工する柵の施工方法であって、
まず、前記柵骨組7(7a,7a,7b,7b)を複数用意しておき、
次に、前記複数の柵骨組7a,7a,7b,7bを、それらの基板5を地盤面または地盤に形成された凹部10の底面に設置するようにして立てることによって、一直線上に並設し、
次に、隣り合う柵骨組7a,7b(7a,7a)のうち、一方の柵骨組7a(7a)の少なくとも一部の柱材本体3の上端部と、他方の柵骨組7b(7a)の少なくとも一部の柱材本体3の上端部とに、連結部材15を隣り合う柵骨組7a,7b(7a,7a)を連結するようにして、仮固定し、
次に、前記補強材15を含む前記柵骨組7(7a,7a,7b,7b)の下端部を地盤中に埋設し、
次に、前記仮固定した連結部材15を外した後、前記柵骨組7の前記補強材6より上方の前記柱材本体3に、前記化粧材4を上方から外挿して固定することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、複数の柵骨組7a,7a,7b,7bを、それらの基板5を地盤面または地盤に形成された凹部10の底面に設置するようにして立てることによって、一直線上に並設した後、隣り合う柵骨組7a,7b(7a,7a)のうち、一方の柵骨組7a(7a)の複数の柱材本体3の少なくとも一部の柱材本体3の上端部と、他方の柵骨組7b(7a)の複数の柱材本体3の少なくとも一部の柱材本体3の上端部とに、連結部材15を隣り合う柵骨組7a,7b(7a,7a)を連結するようにして、仮固定するので、複数の柵骨組7a,7a,7b,7bをそれらの柱材本体3の上端部を揃えて、一直線上に並設できる。そして、補強材6を含む柵骨組7a,7a,7b,7bの下端部を地盤中に埋設した後、仮固定した連結部材15を外したうえで、柵骨組7a,7a,7b,7bの補強材6より上方の柱材本体3に、化粧材4を上方から外挿して固定するので、所望の長さの柵の施工を容易に行える。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の柵の施工方法において、
前記補強材6を含む前記柵骨組7の下端部を地盤中に埋設するに際し、
前記補強材6を含む前記柵骨組7の下端部の周囲にコンクリートCを打設して、該柵骨組7の下端部を根巻きコンクリートで固めることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、補強材6を含む柵骨組7の下端部の周囲にコンクリートCを打設して、該柵骨組7の下端部を根巻きコンクリートで固めるので、柵骨組7の下端部を地盤中に強固に固定できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の柱材本体と、これら柱材本体の下端が固定された基板と、複数の柱材本体の下端から所定長さだけ上方に位置する部位に水平方向から係合された補強材とによって柵骨組が構成されており、この柵骨組を構成する複数の柱材本体の下端が基板に固定され、複数の柱材本体の下端から所定長さだけ上方に位置する部位に補強板が係合しているので、柱材本体は下端部の2箇所で固定される。そして、補強材を含む柵骨組の下端部が地盤中に埋設されているので、地盤上に突出する柱材本体を所定間隔で平行に並設することができ、これら柱材本体に化粧材が外挿されて固定されているので、複数の柱材を容易に所定間隔で平行に並設できる。
また、柵骨組を地盤面または地盤に形成された凹部の底面に設置して、補強材を含む柵骨組の下端部を地盤中に埋設し、地盤上に突出する柱材本体に化粧材を上方から外挿して固定することによって、柵の施工を容易に行える。
さらに、設置した隣り合う柵骨組のうち、一方の柵骨組の少なくとも一部の柱材本体の上端部と、他方の柵骨組の少なくとも一部の柱材本体の上端部とに、連結部材を隣り合う柵骨組を連結するようにして、仮固定するので、柵骨組を複数の柵骨組の柱材本体の上端部を揃えて、一直線上に並設でき、柵骨組の下端部を地盤中に埋設した後、連結部材を外したうえで、柵骨組の補強材より上方の柱材本体に、化粧材を上方から外挿して固定するので、所望の長さの柵の施工を容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る柵の一例を示す斜視図、図2は同柵の柵骨組を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、柵1は、複数(本実施の形態では20本)の柱材2・・・が所定間隔で平行に並設されてなるものであり、柱材2は、所定間隔で平行に並設される金属製の複数(本実施の形態では20本)の柱材本体3・・・と、これら柱材本体3・・・それぞれに外挿される筒状の化粧材4とを備えている。
【0018】
複数の柱材本体3・・・の下端は、これら柱材本体3・・・の並設方向に長尺な基板5にその長手方向に所定(一定)間隔で固定されている。
柱材本体3は、図3に示すように、アルミで形成された、上下に長尺な四角筒状のものであり、この柱材本体3の4つの角部には、それぞれ突条3aが柱材本体3の長手方向(上下方向)に延在して形成されている。突条3aは、図4に示すように、柱材本体3の横断面において、L字型または逆L字型に形成されたものであり、その一片は柱材本体3の断面における短辺と平行に形成されている。また、柱材本体3の内部には、横断面略C字型のビス挿入部3b,3bが柱材本体3の長手方向に延在して形成されている。ビス挿入部3b,3bは柱材本体3の横断面における対向する短辺の中央部にそれぞれ形成されている。
【0019】
前記基板5は、図5(a)に示すように、左右に長尺なアルミの板材で形成されたものであり、基板本体5aと、この基板本体5aの一方の縁部に直角に立ち上がるようにして形成された立上部5bとで構成されている。基板本体5aには、この基板本体5aの長手方向に一定間隔でビス穴5cが複数、2列に形成されている(図5(b)参照)。また、ビス穴5c・・・は立上部5b側に寄せて形成されている。
【0020】
また、図1および図2に示すように、複数の柱材本体3の下端から所定長さだけ上方に位置する部位には、補強材水平方向から係合された補強材6が水平方向から係合されている。なお、柱材本体3の下端から所定長さだけ上方に位置する部位とは、柱材本体3の下端部を地盤に埋設した際に、地盤の上面(地盤面)より若干下方に位置する部位のことである。
前記補強材6は、図1および図6に示すように、横断面略L型に形成された左右に長尺のアルミの板材で形成されており、当接板6aと、複数の挿入板6b・・・と、端部板6c,6cとによって構成されている。
【0021】
当接板6aは、左右に長尺なものであり、複数の柱材本体3・・・の正面に当接されるようになっている。また、当接板6aには、その上下縁部にビス穴6d,6dが当接板6aの長手方向に所定間隔で形成されている。
挿入板6b・・・は、当接板6aに複数の柱材本体3・・・の並設方向に所定間隔で形成されている。また、挿入板6bは、隣り合う柱材本体3,3間に、対向する柱材本体3,3の側面に挿入板6bの側部が当接するようにして挿入されるようになっている。隣り合う挿入板6b,6b間の間隔は、柱材本体3の厚さと等しくなっており、これによって、この間隔に柱材本体3がはめ込まれるようになっている。なお、当接板6aに形成されているビス穴6dは、隣り合う挿入板6b,6bの間に位置するように配置されている。
端部板6c,6cは、補強板6の両端部に位置しており、両端側にある挿入板6b,6bと所定の間隔、つまり柱材本体3の厚さと等しい間隔で配置されている。そして、この端部板6cと端部にある挿入板6bとの間に、端部にある柱材本体3が挿入されるようになっている。
【0022】
そして、図2に示すように、前記複数の柱材本体3・・・と、これら柱材本体3・・・の下端が固定された基板5と、複数の柱材本体3・・・の下端から所定長さだけ上方に位置する部位に水平方向から係合された補強材6とによって柵骨組7が構成されている。
柵骨組7を組み立てるには、まず、基板5の基板本体5aのビス穴5bが形成されている上面に、柱材本体3の下端を当接したうえで、基板本体5aの下面からビスをビス穴5bに通し、柱材本体3のビス挿入部3bにねじ込むことによって、柱材本体3をそれぞれ固定する。次に、複数の柱材本体3の正面に補強板6の当接板6aを当接するとともに、隣り合う柱材本体3,3間に挿入板6bを挿入し、さらに、端部の柱材本体3bの外側の面に端部板6cを当接する。次に、当接板6aの表面からビス8をビス穴6dに通し、柱材本体3の正面壁にねじ込むことによって、補強板6を柱材本体3・・・に固定する。
【0023】
このようにして組み立てられた柵骨組7の柱材本体3には、上方から筒状の化粧材4が外挿され、これによって、柵1が組み立てられている。
化粧材4は、図7に示すように、上下に長尺な四角筒状の筒体4aとこの筒体4aの上端開口を閉塞する蓋部4bとから構成されている。筒体4aは、木粉と樹脂を混合してなる混合材料を押出成形したものであり、その下端部にはビス穴4c,4cが上下に離間して形成されている。また、化粧材4の長さは柱材本体3より短くなっている。さらに、化粧材4の内部には、図4に示すように、突条4d,4dが化粧材4の長手方向に延在して形成されている。また、突条4d,4dは化粧材4の横断面における対向する短辺の中央部にそれぞれ形成されている。さらに、突条4dの幅は、柱材本体3の突条3a,3a間の距離より若干小さくなっている。また、突条4dの下端部には前記ビス穴4cが形成されている。
そして、上記のような化粧材4は、図1および図4に示すように、柱材本体3にその上方から外挿されたうえで、化粧材4の下端部の正面からビス穴4c,4cにビス9,9を通し、柱材本体3の正面壁にねじ込むことによって、柱材本体3に固定されている。化粧材4を柱材本体3に外挿する場合、その突条4d,4dが柱材本体3の突条3a,3a間に嵌まり込むようにして外挿する。
【0024】
なお、上記のような柵1(柵骨組7)では、柱材2(柱材本体3)の本数は20本に限らず、施工すべき柵の長さ(幅)に応じて適宜設定される。
例えば、柵1としては、柱材2(柱材本体3)が6本程度のもの、柱材2(柱材本体3)が30本程度のもの等、複数種類のものが挙げられる。そして、これら複数種類の柵1(柵骨組7)を適宜選択して、地盤に一直線状に並設することによって、所望の長さに柵1を施工する。
【0025】
この柵の施工の一例について図8を参照して説明する。
まず、図4(a)に示すように、地盤Gに凹部10を掘削施工する。凹部10は施工すべき柵の長さに対応した長さを有する溝状に形成されたものである。
次に、凹部10の底部に割栗石11を敷き詰めるとともにその上面を平らにならしたうえで、該上面に複数の柵骨組7を、その基板5を設置するように立てることによって、一直線上に並設する。なお、本実施の形態では、2種類の柵骨組7aと7bを使用している。柵骨組7aは柵骨組7bより柱材本体3の本数が多くなっており、それぞれ2組ずつ使用する。また、柵骨組7a,7aは凹部10の長手方向中央部に隣接して配置し、柵骨組7b,7bはそれぞれ柵骨組7a,7aの外側に隣接して配置する。
【0026】
次に、図4(b)に示すように、隣り合う柵骨組7a,7bのうち、一方の柵骨組7aの半数の柱材本体3の上端部と、他方の柵骨組7bの半数の柱材本体3の上端部とに、連結部材15を隣り合う柵骨組7a,7bを跨いで連結するようにして、仮固定し、同様に、隣り合う柵骨組7a,7aのうち、一方の柵骨組7aの半数の柱材本体3の上端部と、他方の柵骨組7aの半数の柱材本体3の上端部とに、連結部材15を隣り合う柵骨組7a,7aを跨いで連結するようにして、仮固定する。
【0027】
連結部材15は、図9に示すように、左右に長尺なアルミの板材で形成されたものであり、上面板15aと、この上面板15aの一方の縁部から垂下するようにして形成された垂下板15bとで構成されている。上面板15aには、その長手方向に一定間隔でビス穴15cが複数、2列に形成されている。
そして、このような連結部材15は、図2に示すように、その上面板15aを柱材本体3・・・の上端に当接するとともに、垂下板15bを柱材本体3・・・の正面に当接したうえで、上面板15aの上方からビス16を柱材本体3のビス挿入部3bにねじ込むことによって、柱材本体3・・・の上端部に仮固定される。
【0028】
上記のようにして、連結板15を隣り合う柵部材7a,7b(7a,7a)の柱材本体3・・・に仮固定することによって、柵部材7a,7a,7b,7bをそれらの柱材本体3・・・の上端を揃えて一直線上に配置する。
【0029】
次に、図4(c)に示すように、補強材6を含む柵骨組7(7a,7b)の下端部を地盤中に埋設する。この際、補強材6を含む柵骨組7(7a,7b)の下端部の周囲にコンクリートCを打設して、該柵骨組7の下端部を根巻きコンクリートで固める。
【0030】
次に、図4(d)に示すように、前記コンクリートCが硬化した後、仮固定した連結部材15・・・を柵骨組7から外した後、柵骨組7の補強材6より上方の柱材本体3に化粧材4を上方から外挿して固定して、柵1の施工を終了する。
【0031】
本実施の形態によれば、柵骨組7を構成する複数の柱材本体3・・・の下端が基板5に固定され、複数の柱材本体3・・・の下端から所定長さだけ上方に位置する部位に補強板6が係合しているので、柱材本体3・・・は下端部の2箇所で固定される。そして、補強材6を含む柵骨組7の下端部が地盤中に埋設されているので、地盤上に突出する柱材本体3・・・を所定間隔で平行に並設することができ、これら柱材本体3・・・に化粧材4が外挿されて固定されているので、複数の柱材2・・・を容易に所定間隔で平行に並設できる。
また、補強材6が当接板6aと、この当接板6aに複数の柱材本体3・・・の並設方向に所定間隔で形成された挿入板6bとを備えており、当接板6aが柱材本体3・・・の正面に当接して固定され、挿入板6bが隣り合う柱材本体3,3間に、対向する柱材本体3,3の側面に当接するようにして挿入されるので、各柱材本体3は、前後左右方向への傾きが規制される。したがって、複数の柱材本体3・・・を確実に所定間隔で平行に並設でき、この結果、柱材2を確実に所定間隔で平行に並設できる。
【0032】
さらに、柵骨組7を地盤Gに形成された凹部10の底面に設置して、補強材6を含む柵骨組7の下端部を地盤中に埋設するので、地盤上に柵骨組7の柱材本体3を容易に突出させて立設できる。そして、これら柱材本体3に化粧材4を上方から外挿して固定することによって、柵1の施工を容易に行える。
また、複数の柵骨組7a,7a,7b,7bを、それらの基板5を地盤Gに形成された凹部10の底面に設置するようにして立てることによって、一直線上に並設した後、隣り合う柵骨組7a,7a(7a,7b)のうち、一方の柵骨組7a(7a)の複数の柱材本体3の少なくとも一部の柱材本体3の上端部と、他方の柵骨組7a(7b)の複数の柱材本体3の少なくとも一部の柱材本体3の上端部とに、連結部材15を隣り合う柵骨組7a,7a(7a,7b)を連結するようにして、仮固定するので、複数の柵骨組7a,7a,7b,7bをそれらの柱材本体3の上端部を揃えて、一直線上に並設できる。そして、補強材6を含む柵骨組7a,7a,7b,7bの下端部を地盤中に埋設した後、仮固定した連結部材15を外したうえで、柵骨組7a,7a,7b,7bの補強材15より上方の柱材本体3に、化粧材4を上方から外挿して固定するので、所望の長さの柵の施工を容易に行える。
加えて、補強材6を含む柵骨組7の下端部を地盤中に埋設するに際し、補強材6を含む柵骨組7の下端部の周囲にコンクリートCを打設して、該柵骨組7の下端部を根巻きコンクリートで固めるので、柵骨組7の下端部を地盤中に強固に固定できる。
【0033】
なお、本実施の形態では、柵を施工するに際し、複数種類の柵骨組7a,7bを並設するようにしたが、1つの柵骨組7のみによって、柵1を施工してもよい。この場合、柵骨組7の上端部に連結部材15を仮固定してもよいが、柱材本体3の本数が少ない場合は連結部材15を使用しないで施工しもよい。連結部材15を使用しない場合、柵骨組7を、その基板5を地盤面または地盤に形成された凹部の底面に設置するようにして立て、次に、補強材6を含む柵骨組7の下端部を地盤中に埋設し、次に、柵骨組7の補強材6より上方の柱材本体3に、化粧材4を上方から外挿して固定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る柵の一例を示すもので、その斜視図である。
【図2】同、柵骨組を示す斜視図である。
【図3】同、柱材本体を示す斜視図である。
【図4】同、柱材の横断面図である。
【図5】同、(a)は基板を示す斜視図、(b)は基板の一部の平面図である。
【図6】同、補強材を示す斜視図である。
【図7】同、化粧材を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る柵の施工方法の一例を示すもので、その工程図である。
【図9】同、柵の施工方法に使用される連結部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 柵
2 柱材
3 柱材本体
4 化粧材
5 基板
6 補強材
6a 当接板
6b 挿入板
7,7a,7b 柵骨組
10 凹部
15 連結部材
G 地盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の柱材が所定間隔で平行に並設されてなる柵であって、
前記柱材は、所定間隔で平行に並設される金属製の複数の柱材本体と、これら柱材本体それぞれに外挿される筒状の化粧材とを備えており、
前記複数の柱材本体と、これら柱材本体の下端が固定された基板と、前記複数の柱材本体の下端から所定長さだけ上方に位置する部位に水平方向から係合された補強材とによって柵骨組が構成されており、
前記補強材を含む前記柵骨組の下端部が地盤中に埋設され、前記化粧材は前記補強材より上方の前記柱材本体に外挿されて固定されていることを特徴とする柵。
【請求項2】
請求項1に記載の柵において、
前記補強材は、前記複数の柱材本体の正面に当接して固定される当接板と、この当接板に前記複数の柱材本体の並設方向に所定間隔で形成されて、隣り合う柱材本体間に、対向する柱材本体の側面に当接するようにして挿入される複数の挿入板とを備えていることを特徴とする柵。
【請求項3】
請求項1または2に記載の柵を施工する柵の施工方法であって、
まず、前記柵骨組を、その基板を地盤面または地盤に形成された凹部の底面に設置するようにして立て、
次に、前記補強材を含む前記柵骨組の下端部を地盤中に埋設し、
次に、前記柵骨組の前記補強材より上方の前記柱材本体に、前記化粧材を上方から外挿して固定することを特徴とする柵の施工方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の柵を複数並設して施工する柵の施工方法であって、
まず、前記柵骨組を複数用意しておき、
次に、前記複数の柵骨組を、それらの基板を地盤面または地盤に形成された凹部の底面に設置するようにして立てることによって、一直線上に並設し、
次に、隣り合う柵骨組のうち、一方の柵骨組の少なくとも一部の柱材本体の上端部と、他方の柵骨組の少なくとも一部の柱材本体の上端部とに、連結部材を隣り合う柵骨組を連結するようにして、仮固定し、
次に、前記補強材を含む前記柵骨組の下端部を地盤中に埋設し、
次に、前記仮固定した連結部材を外した後、前記柵骨組の前記補強材より上方の前記柱材本体に、前記化粧材を上方から外挿して固定することを特徴とする柵の施工方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の柵の施工方法において、
前記補強材を含む前記柵骨組の下端部を地盤中に埋設するに際し、
前記補強材を含む前記柵骨組の下端部の周囲にコンクリートを打設して、該柵骨組の下端部を根巻きコンクリートで固めることを特徴とする柵の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−59669(P2010−59669A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225731(P2008−225731)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】