説明

核ホルモン受容体機能のモジュレーターとして有用な縮合ヘテロ環化合物

式(I)の縮合ヘテロ環化合物:


(I)
またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体を開示する。そのような化合物を、たとえば癌などの少なくとも1つのアンドロゲン受容体関連症状の治療において使用する方法、およびそのような化合物を含む医薬組成物も開示する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(I)
[式中、
Lは、単結合、CR89、またはCR89CR1011であり;
1は、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、CN、−C(=O)Rb、−C(=O)NRbc、または−C(=O)ORaであり;
2は、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、ハロ、CN、−C(=O)Rb、−C(=O)NRbc、−C(=O)ORa、−NRbc、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)NRbc、−NRaC(=O)ORa、−NRaSO2a、−NRaSO2NRbc、−NO2、−ORa、または−SO2aであり;
3は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールであり、R3は、R3の炭素原子を介してコア環のN原子と結合しており;
4は、H、アルキル、または置換アルキルであり;
5は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロ、CN、−C(=O)Rb、−C(=O)NRbc、−NRbc、−C(=O)ORa、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaSO2a;−NO2、−ORa、または−SO2aであり;
6およびR7は、それぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、F、Cl、Br、CN、−C(=O)NRbc、−C(=O)ORa、−NRbc、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)NRbc、−NRaC(=O)ORa、−NRaSO2a、−NRaSO2NRbc、NO2、−ORa、−OC(=O)Rb、−OC(=O)NRbc、−SO2a、および/または−SO2NRbcであり、ただし、Lが単結合である場合、R6およびR7は、F、Cl、Br、−NRbc、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)NRbc、−NRaC(=O)ORa、−NRaSO2a、−NRaSO2NRbc、NO2、−ORa、−OC(=O)Rb、−OC(=O)NRbc、−SO2a、または−SO2NRbcではなく;
8およびR9は、それぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、F、Cl、Br、CN、−C(=O)NRbc、−C(=O)ORa、−NRbc、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)NRbc、−NRaC(=O)ORa、−NRaSO2a、−NRaSO2NRbc、NO2、−ORa、−OC(=O)Rb、−OC(=O)NRbc、−SO2a、および/または−SO2NRbcであり、ただし、LがCR89である場合、R8およびR9は、F、Cl、Br、−NRbc、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)NRbc、−NRaC(=O)ORa、−NRaSO2a、−NRaSO2NRbc、NO2、−ORa、−OC(=O)Rb、−OC(=O)NRbc、−SO2a、または−SO2NRbcではなく;
10およびR11は、それぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、−C(=O)NRbc、および/または−C(=O)ORaであり;
1、Q2、Q3、およびQ4は、それぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、ヒドロキシルアミド、チオール、アルキルチオ、置換アルキルチオ、ハロ、CN、−C(=O)Rb、−C(=O)NRbc、−C(=O)ORa、−NRbc、−NRbORa、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)NRbc、−NRaC(=O)ORa、−NRaSO2a、−NRaSO2NRbc、N3、NO2、−ORa、−OC(=O)Rb、−OC(=O)NRbc、−SO2a、−SO2NRbc、および/または−SO2ORaであるか;あるいは
1およびQ2は、一緒になって、=CRdd、=O、=NRd、=NORb、もしくは=NNRcdを形成するか;かつ/またはQ3およびQ4は、一緒になって、=CRdd、=O、=NRd、=NORb、もしくは=NNRcdを形成するか;あるいは
1およびQ3は、一緒になって、−O−またはNRbを形成し、Q2およびQ4が、それぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、ヒドロキシルアミン、CN、−C(=O)Rb、−C(=O)NRbc、および/または−C(=O)ORaであり;
それぞれのRaが、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、および/または置換ヘテロシクロであり;
それぞれのRbは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、および/または置換ヘテロシクロであり;
それぞれのRcは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、および/もしくは置換ヘテロシクロであるか;または、RbおよびRcは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4〜7員のヘテロシクロもしくは置換ヘテロシクロ環を形成することができ;
それぞれのRdは、独立して、H、−C(=O)ORa、−C(=O)NRbc、−ORa、−SO2a、−SO2NRbc、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、および/または置換ヘテロシクロであり、および/または置換ヘテロシクロである]
の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項2】
1が、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、−CN、−C(=O)NRbc、または−C(=O)ORaであり;
2が、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、−C(=O)NRbc、または−C(=O)ORaであり;
3が、適宜置換されている1または2環のアリールまたはヘテロアリールであり;
4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびR11が、それぞれ独立して、H、アルキル、および/または置換アルキルであり;
1、Q2、Q3、およびQ4が、それぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、CN、−C(=O)Rb、−C(=O)NRbc、−C(=O)ORa、−NRbc、−NRbORa、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)NRbc、−NRaC(=O)ORa、−NRaSO2a、−NRaSO2NRbc、N3、−ORa、−OC(=O)Rb、−OC(=O)NRbc、−SO2a、−SO2NRbc、および/または−SO2ORaであるか;あるいは
1およびQ2が、一緒になって、=CRdd、=O、=NRd、=NORb、もしくは=NNRcdを形成するか;かつ/またはQ3およびQ4が、一緒になって、=CRdd、=O、=NRd、=NORb、もしくは=NNRcdを形成するか;あるいは
1およびQ3が、一緒になって、−O−またはNRbを形成し、Q2およびQ4が、それぞれ独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、CN、−C(=O)Rb、−C(=O)NRbc、および/または−C(=O)ORaである、
請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項3】
1が、H、OHで適宜置換されたC1~4アルキル、−C(=O)ORa[式中、Raは、HもしくはC1~4アルキルである]、または−C(=O)NRbc[式中、RbおよびRcは、独立して、Hおよび/もしくはC1~4アルキルである]であり;
2が、i)H、ii)OHで適宜置換されたC1~4アルキル、iii)−C(=O)ORa[式中、Raは、アリールで適宜置換されたC1~4アルキルである]、またはiv)−C(=O)NHRc[式中、Rcは、アリールもしくは−CF3で適宜置換されたフェニルもしくはC1~2アルキルである]であり;
3が、メチル、シクロプロピル、−CF3、ハロゲン、−C≡CH、−CN、−NH2、−NO2、および/または−ORaから独立して選択される1〜3個の置換基で適宜置換されている、1または2環のアリールまたはヘテロアリールであり、それぞれのRaが、独立して、1つまたは複数のハロゲンで適宜置換されているC1~3アルキルであり;
4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびR11が、独立して、Hおよび/またはC1~4アルキルであり;
1、Q2、Q3、およびQ4が、それぞれ独立して:
i)H、ii)OH、iii)−N3、iv)CN、v)OH、−C(=O)NHCH3、または−C(=O)N(CH32で適宜置換されたC1~4アルキル、vi)単環のヘテロ環、vii)−NHORa[式中、RaはC1~4アルキルである]、viii)−C(=O)Rb[式中、Rbは、HまたはC1~4アルキルである];ix)−C(=O)ORa[式中、Raは、HまたはC1~4アルキルである]、x)−C(=O)NRbc[式中、RbおよびRcは、独立して、HまたはC1~4アルキルである]、xi)−NHC(=O)ORa[式中、Raは、OH、OCH3または単環のヘテロ環で適宜置換されたC1~4アルキルである]、xii)−NHC(=O)Ra[式中、Raは、−OCH3、−N(CH32、または単環のヘテロ環で適宜置換されたC1~4アルキルである]、xiii)−NRbc[式中、RbおよびRcは、独立して、Hまたはハロゲンもしくは−CF3で適宜置換された単環のヘテロ環である]、xiv)−NHSO2a[式中、Raは、単環のヘテロ環、−CF3、C3~6シクロアルキル、もしくはフェニルで適宜置換されたC1~4アルキル、またはハロゲンもしくは−NHC(=O)(C1~4アルキル)で適宜置換されたフェニルである]、xv)−NHSO2NRbc[式中、RbおよびRcは、独立して、Hおよび/またはC1~4アルキルである]、あるいはxvi)−SO2a[式中、Raは、ハロゲンで適宜置換されたC1~4アルキルまたはフェニルである]であるか;
1およびQ2が一緒になって、またはQ3およびQ4が一緒になって、
i)=CHRd[式中、Rdは、H、−C(=O)ORaまたは−C(=O)NRbcであり、Ra、Rb、およびRcは、独立して、Hおよび/またはC1~4アルキル]、ii)=O、iii)=NORb[式中、Rbは、H、フェニル、単環のヘテロ環、またはフェニルで適宜置換されたC1~4アルキルである]、iv)=NRd[式中、Rdは単環のヘテロ環である]、v)=NNRcd[式中、RcおよびRdは、独立して、HまたはC1~4アルキルである]であるか;あるいは
1およびQ3が、一緒になって、=Oであり、Q2およびQ4が、それぞれHである、
請求項2に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項4】
1が、H、メチル、エチル、−C(=O)NHCH3、−C(=O)N(CH32、−CH2OH、−C(=O)OH、または−C(=O)OCH3であり;
2が、H、メチル、−CH2OH、−C(=O)OCH2−フェニル、−C(=O)NHCH2−フェニル、−C(=O)NHCH2CF3、−C(=O)NHCH2CH3、または−C(=O)NH−フェニルであり;
3が、i)フェニル、またはii)メチル、シクロプロピル、−CF3、ハロゲン、−C≡CH、−CN、−NH2、−OCF3、および−NO2から独立して選択される1〜3個の置換基で置換された、フェニル、ナフチル、ピリジル、もしくはキノリニルであり;
4が、Hまたはメチルであり;
5、R6、R7、R10、およびR11が、それぞれHであり;
8およびR9が、独立して、Hおよび/またはメチルであり;
1、Q2、Q3、およびQ4が、それぞれ独立して、H、OH、−CH3、−CH2OH、−CN、−N3、−NH2、−NHOCH3、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)NHCH3、−C(=O)N(CH32、−NHC(=O)OCH3、−NHC(=O)OCH2CH3、−NHC(=O)OCH(CH32、−NHC(=O)OCH2CH2OH、−NHC(=O)OCH2CH2OCH3、−NHC(=O)CH3、−NHC(=O)CH2CH3、−CH2C(=O)NHCH3、−CH2C(=O)N(CH32、−NHC(=O)CH(CH32、−NHC(=O)CH2OCH3、−NHC(=O)CH2N(CH32
【化2】

であるか;
あるいは、Q1およびQ2が一緒になって、もしくはQ3およびQ4が一緒になって、=CH2、=CHC(=O)OH、=CHC(=O)NHCH3、=CHC(=O)OCH3、=CHC(=O)N(CH32、=O、=NOH、=NOCH3、=NOCH2CH3、=NOCH(CH32、=NOC(CH33、=N−O−フェニル、
【化3】

であるか;または
1およびQ3が、一緒になって、=Oであり、Q2およびQ4が、それぞれHである、
請求項3に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項5】
LがCR89である、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項6】
1、Q2、Q3、およびQ4のうちの少なくとも2つがHである、請求項5に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項7】
3が、
【化4】

であり、
n、Rm、Rx、Ry、およびRzが、それぞれ独立して、H、C1~4アルキル、置換C1~4アルキル、シクロプロピル、置換シクロプロピル、アルキニル、置換アルキニル、ORe、ハロ、および/またはCNであり;
eが、アルキルまたは置換アルキルであり;
ただし、Rn、Rm、Rx、Ry、およびRzのうちの少なくとも1つは、Hではない、
請求項6に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項8】
Lが−CH2−であり;
1がメチルであり;
2、R4、R5、R6、R7、R8およびR9がHであり;
3が、置換アリールまたは置換ヘテロアリールである、
請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項9】
前記化合物が、
【化5】

またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体と;医薬上許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項11】
治療を必要としている哺乳動物に、治療上有効な量の請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与することを含む、症状または障害を治療する方法であって、前記症状または障害が、良性前立腺過形成、多毛症、ざ瘡、前立腺の腺腫および新形成、アンドロゲン受容体を含む良性または悪性の腫瘍細胞、過多毛症、脂漏症、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、アンドロゲン性脱毛症、性腺機能低下症、骨粗鬆症、精子形成の抑制、性欲、悪液質、無食欲症、男性における加齢に伴うテストステロンレベルの低下のためのアンドロゲン補充、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、子宮癌、ホットフラッシュ、ならびにケネディ病である方法。
【請求項12】
前記症状または障害が乳癌、子宮内膜癌、子宮癌、または前立腺癌である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記症状または障害が前立腺癌である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
治療を必要としている哺乳動物に、アンドロゲン受容体を調節させる有効な量の請求項1に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与することを含む、哺乳動物においてアンドロゲン受容体の機能を調節する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−531894(P2010−531894A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515098(P2010−515098)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/068272
【国際公開番号】WO2009/003077
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】