核酸標識化合物
【課題】検出可能な部分を含有する複素環式誘導体の提供。
【解決手段】以下の構造:
の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、核酸標識化合物。
【解決手段】以下の構造:
の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、核酸標識化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦政府委託研究により行われる発明の権利書)
本発明は、Advanced Technology Program of
the National Institute of Standards
and Technologyにより与えられた70NANB5H1031と契約を結び、政府の支援により行われた。
【0002】
(技術分野)
本発明は核酸標識化合物に関する。より詳細には、本発明は、検出可能な部分を含有する複素環式誘導体を提供する。本発明はまた、このような複素環式誘導体の作製方法を提供する。本発明はさらに、この複素環式誘導体を核酸に結合させる方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
病気の個体および健常な個体における遺伝子発現は、しばしば異なり、そして特徴付け可能である。このような場合において、遺伝子発現をモニターする能力は、医師に強力な診断ツールを提供する。この形態の診断は、腫瘍学の領域において特に重要であり、ここで癌遺伝子の過剰発現、または腫瘍サプレッサ遺伝子の過小発現が腫瘍形成を引き起こすと考えられる。Mikkelsonら、J.Cell.Biochem.1991,46,3〜8を参照のこと。
【0004】
遺伝子発現は、例えば、標的遺伝子の転写産物である核酸(例えば、mRNA)を測定することによって、間接的にモニターされ得る。核酸は、検出可能部分で化学的または生化学的に標識化され、公知の配列の局在的核酸プローブとハイブリダイズし得る。プローブ位置で標識化された核酸の検出は、標的遺伝子が発現したことを示す。国際出願公開WO97/27317、WO92/10588およびWO97/10365を参照のこと。
【0005】
核酸の標識化は典型的に、検出可能基(ラベル)を内部または末端位に共有結合することによって行われる。科学者は、酵素学的にオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドに取り込まれる、多数の検出可能ヌクレオチドアナログを報告した。例えば、Langerらは、共有結合ビオチン部分を含有するdUTPおよびUTPのアナログを開示した。Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1981,78,6633〜6637。以下に示されるこれらのアナログは、ピリミジン環のC−5位に結合されたアリルアミンリンカーアームを有する。dUTPおよびUTPアナログ(ここで、RはHまたはOHである)は、ポリヌクレオチドに取り込まれた。
【0006】
【化7】
【0007】
Petrieらは、dATPアナログである、3−[5−[(N−ビオチニル−6−アミノカプロイル)アミノ]ペンチル]−1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン−5’−トリホスフェートを開示した。Bioconjugate Chem.1991,2,441〜446。以下に示されるアナログは、3位を、ビオチン部分に結合されるリンカーアームで修飾される。Petrieらは、Rがビオチンである化合物は、ニックトランスレーションによってDNAに取り込まれることを報告した。
【0008】
【化8】
【0009】
Proberらは、各々がスクシニルフルオレセイン色素を含む、4つのジデオキシヌクレオチドのセットを開示した。Science 1987,238,336〜341。これらのジデオキシヌクレオチド(これらのうちの1つが以下に示される)は、プライマーのテンプレート定方向伸長(template directed extension)によってオリゴヌクレオチドに酵素学的に取り込まれる。これらの化合物は、ゲル移動に基づくDNA配列決定法を提供する。
【0010】
【化9】
【0011】
Herrleinらは、4つのDNA塩基の修飾されたヌクレオシド三リン酸を開示した。Helv.Chim.Acta 1994,77,586〜596。これらの化合物(これらのうちの1つが以下に示される)は、放射性部分または蛍光性部分を含有する3’−アミノ基を含む。Herrleinらはさらに、DNA鎖ターミネーターとしてのヌクレオシドアナログの使用を記載した。
【0012】
【化10】
【0013】
Cechらは、3’−アミノ官能化ヌクレオシド三リン酸を開示した。Collect.Czech.Chem.Commun.1996,61,S297〜S300。これらの化合物(これらのうちの1つが以下に示される)は、アミノリンカーを通して3’位に結合されたフルオレセインを含有する。Cechらは、記載された官能化ヌクレオシドはDNA配列決定のためのターミネーターとして有用であることを提案した。
【0014】
【化11】
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によって以下が提供される。
(1)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0016】
【化1】
【0017】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミドアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(2)請求項1に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C(O)NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
(3)請求項2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C(O)NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NHであり、ここでmは1である、
核酸標識化合物。
(4)請求項2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C(O)NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(5)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0018】
【化2】
【0019】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(6)請求項5に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または、−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
(7)請求項6に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(8)請求項6に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(9)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0020】
【化3】
【0021】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(10)請求項9に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここでnは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
(11)請求項10に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは1である、核酸標識化合物。
(12)請求項10に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは1である、核酸標識化合物。
(13)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0022】
【化4】
【0023】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(14)請求項13に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または、CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
(15)請求項14に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは1である、核酸標識化合物。
(16)請求項14に記載の核酸化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは1である、核酸標識化合物。
(17)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0024】
【化5】
【0025】
ここで、Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(18)請求項17に記載の核酸標識化合物であって、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である、核酸標識化合物。
(19)請求項18に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(20)請求項18に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(21)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0026】
【化6】
【0027】
ここで、Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(22)請求項21に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である、
核酸標識化合物。
(23)請求項22に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(24)請求項22に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(25)請求項2に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(26)請求項6に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(27)請求項10に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(28)請求項14に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(29)請求項18に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(30)請求項22に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(31)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項25に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(32)請求項31に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(33)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項26に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(34)請求項33に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(35)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項27に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(36)請求項35に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(37)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項28に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(38)請求項37に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(39)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項29に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(40)請求項39に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(41)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項30に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(42)請求項41に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(43)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項2に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(44)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項6に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(45)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項10に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(46)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項14に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(47)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項18に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(48)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項22に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(49)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項25に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(50)請求項49に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(51)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項26に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(52)請求項51に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(53)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項27に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(54)請求項53に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(55)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項28に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(56)請求項55に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(57)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項29に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(58)請求項57に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(59)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項30に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(60)請求項59に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(発明の開示)
効率的に核酸に取り込まれ、容易に検出可能な組成物を提供する、新規の核酸標識化合物の開発は、遺伝子分析技術に役立った。これは、例えば、遺伝子発現のモニタリング、ならびに突然変異および多型現象の検出およびスクリーニングにおいて、役立つ。このような化合物は、核酸への酵素学的取り込みに適切でなければならない。さらに、標識化合物が結合される核酸は、プローブ(例えば、相補的核酸)に結合するその能力を保持しなければならない。
【0028】
本発明は、核酸に酵素学的に取り込まれ得る、核酸標識化合物を提供する。これらの化合物が結合される核酸は、相補的核酸配列に結合するそれらの能力を維持する。
【0029】
本発明の核酸標識化合物は、以下の構造を有する:
A−O−CH2−T−Hc−L−(M)m−Q
ここで、Aは、水素、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Tは、テンプレート部分であり;Hcは、複素環式基であり;Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約5の範囲の整数である。
【0030】
一実施態様において、核酸標識化合物は以下の構造を有する:
【0031】
【化12】
【0032】
ここで、Aは、H、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミドアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。
【0033】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C(O)NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。
【0034】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C(O)NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NHであり、ここでmは1である。
【0035】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C(O)NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である。
【0036】
一実施態様において、核酸標識化合物は以下の構造を有する:
【0037】
【化13】
【0038】
ここで、Aは、H、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。
【0039】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−またはCO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。
【0040】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である。
【0041】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である。
【0042】
一実施態様において、核酸標識化合物は以下の構造を有する:
【0043】
【化14】
【0044】
ここで、Aは、H、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。
【0045】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここでnは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。
【0046】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは1である。
【0047】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは1である。
【0048】
一実施態様において、核酸標識化合物は以下の構造を有する:
【0049】
【化15】
【0050】
ここで、Aは、H、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。
【0051】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−またはCO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。
【0052】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは1である。
【0053】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは1である。
【0054】
1つの実施態様において、核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0055】
【化16】
【0056】
ここで、Aは、Hまたは核酸標識化合物が核酸に結合することを可能にする官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3までの範囲の整数である。
【0057】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0058】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である。
【0059】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である。
【0060】
1つの実施態様において、核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0061】
【化17】
【0062】
ここで、Aは、Hまたは核酸標識化合物が核酸に結合することを可能にする官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3までの範囲の整数である。
【0063】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0064】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である。
【0065】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である。
【0066】
本発明はまた、核酸標識化合物と核酸および相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含むハイブリダイゼーション産物とを結合させることによって生成される核酸誘導体を提供する。
【0067】
1つの実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0068】
【化18】
【0069】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C(O)NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0070】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0071】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0072】
【化19】
【0073】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0074】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0075】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0076】
【化20】
【0077】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0078】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0079】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0080】
【化21】
【0081】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0082】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0083】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0084】
【化22】
【0085】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0086】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0087】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0088】
【化23】
【0089】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0090】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0091】
本発明はまた、核酸標識化合物を核酸に結合することによって核酸誘導体を合成する方法を提供する。さらに、これは、プローブと共に核酸誘導体をインキュベーションする工程を含む、核酸を検出する方法を提供する。
【0092】
1つの実施態様において、核酸に結合される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0093】
【化24】
【0094】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C(O)NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0095】
この核酸誘導体を使用する核酸検出方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0096】
1つの実施態様において、核酸に結合される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0097】
【化25】
【0098】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0099】
この核酸誘導体を使用する核酸検出方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0100】
1つの実施態様において、核酸に結合される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0101】
【化26】
【0102】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0103】
この核酸誘導体を使用する核酸検出方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0104】
1つの実施態様において、核酸に結合される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0105】
【化27】
【0106】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0107】
この核酸誘導体を使用する核酸検出方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0108】
1実施態様において、核酸に結合した核酸標識化合物は以下の構造を有し:
【0109】
【化28】
【0110】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;YはHまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;ZはH、N3、FまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここでnは約1〜約10の範囲の整数であり;Qはビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは1または0である。
【0111】
核酸誘導体を使用する核酸検出の方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1実施態様において、プローブはガラスチップに結合される。
【0112】
1実施態様において、核酸に結合した核酸標識化合物は、以下の構造を有し:
【0113】
【化29】
【0114】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;YはHまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;ZはH、N3、FまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここでnは約1〜約10の範囲の整数であり;Qはビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは1または0である。
【0115】
核酸誘導体を使用する核酸検出の方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1実施態様において、プローブはガラスチップに結合される。
【0116】
(発明を実施するための最良モード)
(定義)
「アルキル」は、炭素および水素のみを含む直鎖、分枝または環式の化学基をいう。アルキル基には、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、シクロペンチルおよび2−メチルブチルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は1個以上の置換基(例えば、ハロゲン、アルコキシ、アミノ)で置換されないかまたは置換される。
【0117】
「アリール」は、一価の不飽和芳香族炭素環式基をいう。アリール基には、フェニル、ナフチル、アントリルおよびビフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、1個以上の置換基(例えば、ハロゲン、アルコキシ、アミノ)で置換されないかまたは置換される。
【0118】
「アミドアルキル」は、構造−C(O)NR3R4−を有する化学基をいい、ここで、R3は水素、アルキルまたはアリールであり、そしてR4はアルキルまたはアリールである。好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)nR5−であり、ここで、nは約2〜約10の範囲の整数であり、そしてR5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。より好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)nN(H)−であり、ここでnは約2〜約6の範囲の整数である。最も好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)4N(H)−である。
【0119】
「アルキニルアルキル」は、構造−C≡C−R4−を有する化学基をいい、ここでR4はアルキルまたはアリールである。好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−(CH2)nR5−であり、ここでnは1〜約10の範囲の整数であり、R5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。さらに好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−(CH2)nN(H)−であり、ここで、nは1〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−CH2N(H)−である。
【0120】
「アルケニルアルキル」は、構造−CH=CH−R4−を有する化学基をいい、ここでR4はアルキルまたはアリールである。好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH−(CH2)nR5−であり、ここでnは1〜約10の範囲の整数であり、R5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。より好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH−(CH2)nN(H)−であり、ここでnは1〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH−CH2N(H)−である。
【0121】
「官能基化されたアルキル」は、構造−(CH2)nR7−の化学基をいい、ここでnは、1〜約10の範囲の整数であり、そしてR7はO、S、NHまたはC(O)である。好ましくは、官能基化されたアルキル基の構造は、−(CH2)nC(O)−であり、ここでnは、1〜約4の範囲の整数である。より好ましくは、官能基化されたアルキル基の構造は、−CH2C(O)−である。
【0122】
「アルコキシ」は、構造−O(CH2)nR8−の化学基をいい、ここで、nは2〜約10の範囲の整数であり、そしてR8はO、S、NHまたはC(O)である。好ましくは、アルコキシ基の構造は、−O(CH2)nC(O)−であり、ここで、nは2〜約4の範囲の整数である。より好ましくは、アルコキシ基の構造は、−OCH2CH2C(O)−である。
【0123】
「チオ」は、構造−S(CH2)nR8−の化学基をいい、ここでnは2〜約10の範囲の整数であり、そしてR8はO、S、NHまたはC(O)である。好ましくは、チオ基の構造は、−S(CH2)nC(O)−であり、nは、2〜約4の範囲の整数である。より好ましくは、チオ基の構造は、−SCH2CH2C(O)−である。
【0124】
「アミノアルキル」は、アルキル基に結合したアミノ基を有する化学基をいう。好ましくは、アミノアルキルの構造は、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは約2〜約10の範囲の整数である。より好ましくは、アミノアルキルの構造は−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは約2〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、このアミノアルキル基の構造は、−NH(CH2)4NH−である。
【0125】
「核酸」は、2個以上のヌクレオチドを含むポリマーをいい、一本鎖、二本鎖および三本鎖のポリマーが挙げられる。「ヌクレオチド」は、天然に存在するおよび天然に存在しない両方の化合物をいい、複素環式塩基、糖、および結合基、好ましくはリン酸エステルを含む。例えば、構造基が、2’−O位におけるメチルまたはアリル基、あるいは2’−O基と置換するフルオロ基のような、ヌクレオチドのリボシルまたはデオキシリボシル単位に加えられ得る。核酸のホスホジエステルのような結合基は、例えば、メチルホスホネートまたはO−メチルホスホネートで置換され得るか、または改変され得る。塩基および糖はまた、当該分野で公知であるように、改変され得る。本開示の目的のための「核酸」はまた、天然または改変された核酸塩基がポリアミド骨格に結合される「ペプチド核酸」を含む。
【0126】
「プローブ」は、ハイブリダイゼーションによって、標的核酸を検出するために使用され得る核酸をいう。好ましくは、プローブは、プローブの全長に沿って標的核酸に対して相補的であるが、プローブと標的との間の1個以上の塩基ミスマッチの存在下でハイブリダイゼーションが起こり得る。
【0127】
(核酸標識化合物)
本発明の核酸標識化合物は、以下の構造を有し:
【0128】
【化30】
【0129】
ここで、Aは、核酸への核酸標識化合物の結合を可能にする水素または官能基であり;Tはテンプレート部分であり;Hcは複素環式環であり;Lはリンカー部分であり;Qは検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは0〜約5の範囲の整数である。
【0130】
基Aは、核酸への核酸標識化合物の結合を可能にする水素または官能基のいずれかである。このような基の限定しない例には以下が挙げられる:モノホスフェート;ジホスフェート;トリホスフェート(H4O9P);ホスホルアミダイト((R2N)(R’O)P)であり、ここでRは直鎖、分枝または環式アルキルであり、R’は2−シアノエチルのような保護基であり;およびH−ホスホネート(HP(O)O−HNR3)であり、ここでRは直鎖、分枝または環式アルキルである。
【0131】
テンプレート部分(T)は、ある位置でメチレン基(CH2)に共有結合され、そして別の位置で複素環式基(Hc)に共有結合される。テンプレート部分の限定されない組は図1に示され、ここで置換基は以下のように規定される:Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;YはH、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;ZはH、N3、FまたはOR1であり;WはO、SまたはCH2であり;DはOまたはSであり;そしてGはO、NHまたはCH2である。置換基R1およびR2は、互いに独立し、H、アルキル、またはアリールである。
【0132】
複素環式基(Hc)は、炭素およびヘテロ原子の両方を含む環式部分である。本発明により意図される複素環式基の限定されない例は図2に示される:4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;1,3−ジアゾール(イミダゾール);1,2,4−トリアジン−3−オン;1,2,4−トリアジン−3,5−ジオン;および5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オン。
【0133】
核酸標識化合物のリンカー部分(L)は、1つの末端位置にて複素環(Hc)に共有結合される。それは、別の末端位置にて検出可能部分(Q)に、直接にまたは結合基(M)を介して結合される。それは、核酸への挿入に対して立体的にかつ電子的に適した構造を有する。リンカー部分の限定されない例には、アミドアルキル基、アルキニルアルキル基、アルケニルアルキル基、官能基化したアルキル基、アルコキシ基、チオ基およびアミノアルキル基が挙げられる。
【0134】
アミドアルキル基の構造は、−C(O)NR3R4−であり、ここで、R3は水素、アルキルまたはアリールであり、そしてR4はアルキルまたはアリールである。このアミドアルキル基の構造は、好ましくは、−C(O)NH(CH2)nR5−であり、ここでnは約2〜約10の範囲の整数であり、R5はO、NR6またはC(O)であり、そしてここでR6は、水素、アルキルまたはアリールである。さらに好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)nN(H)−であり、ここでnは約2〜約6の範囲の整数である。最も好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)4N(H)−である。
【0135】
アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−R4−であり、ここで、R4は、アルキルまたはアリールである。アルキニルアルキル基の構造は、好ましくは、−C≡C(CH2)nR5−であり、ここで、nは1〜約10の範囲の整数であり、そしてR5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。さらに好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−(CH2)nN(H)−であり、ここでnは、1〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−CH2N(H)−である。
【0136】
アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH−R4−であり、ここでR4はアルキルまたはアリールである。アルケニルアルキル基の構造は、好ましくは、−CH=CH(CH2)nR5−であり、ここで、nは1〜約10の範囲の整数であり、R5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。より好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここでnは、1〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CHCH2NH−である。
【0137】
官能基化したアルキル基の構造は、−(CH2)nR7−であり、ここでnは、1〜約10の範囲の整数であり、そしてR7はO、S、NH、またはC(O)である。官能基化したアルキル基の構造は、好ましくは、−(CH2)nC(O)−であり、ここで、nは、1〜約4の範囲の整数である。より詳細には、官能基化したアルキル基は、−CH2C(O)−である。
【0138】
アルコキシ基の構造は、−O(CH2)nR8−であり、ここで、nは2〜約10の範囲の整数であり、そしてR8はO、S、NH、またはC(O)である。アルコキシ基の構造は、好ましくは、−O(CH2)nC(O)−であり、ここで、nは2〜約4の範囲の整数である。より好ましくは、アルコキシ基の構造は−OCH2CH2C(O)−である。
【0139】
チオ基は、構造−S(CH2)nR8−(ここで、nは、2〜約10の範囲である整数であり、そしてR8は、O、S、NH、またはC(O)である)である。このチオ基は、好ましくは、構造−S(CH2)nC(O)−(ここで、nは、2〜約4の範囲である整数である)である。より好ましくは、このチオ基は、構造−SCH2CH2C(O)−である。
【0140】
アミノアルキル基は、アルキル基に連結するアミノ基を含む。好ましくは、アミノアルキル基は、構造−NH(CH2)nNH−(ここで、nは、約2〜約10の範囲である整数である)である。このアミノアルキル基は、さらに好ましくは、構造−NH(CH2)nNH−(ここで、nは、約2〜約4の範囲である整数である)である。最も好ましくは、このアミノアルキル基は、構造−NH(CH2)4NH−である。
【0141】
検出可能部分(Q)は、シグナルを提供する化学基である。このシグナルは、任意の適切な手段により検出され、これらには、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、電気的手段、光学的手段、または化学的手段が挙げられる。特定の場合において、シグナルは、2以上の手段によって検出可能である。
【0142】
検出可能部分は、直接的または間接的のいずれかのシグナルを提供する。標識基が、自発的にシグナルを放射するか、または適切な刺激を導入してシグナルを発生する場合に、直接的シグナルが生じる。放射標識(例えば、3H、125I、35S、14Cまたは32P)および磁性粒子(たとえば、DynabeadsTM)は、直接的かつ自発的にシグナルを提供する基の非制限例である。刺激の存在下でシグナルを直接的に提供する標識基には、次の非制限例が挙げられる:コロイド金(40〜80nm直径)(これは、高い効率で緑色光を散乱する);蛍光標識(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド(texas red)、ローダミン、および緑色蛍光タンパク質(Molecular Probes、Eugene、Oregon)(これらは、光を吸収し、そして実質的に光を放射する);化学ルミネセンスまたはバイオルミネセンス標識(例えば、ルミノール、ロフィン、アクリジン塩およびルシフェリン)(これらは、化学的反応または生物学的反応の結果として電気的に励起され、そして実質的に光を放射する);スピン標識(例えば、バナジウム、銅、鉄、マンガン、およびニトロオキシド遊離ラジカル)(これらは、電子スピン共鳴(ESR)分光器によって測定される);色素(例えば、キノリン色素、トリアリールメタン色素およびアクリジン色素)(これらは、特定の波長の光を吸収する);ならびに着色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)のビーズ。米国特許第3,817,837;3,850,752;3,939,350;3,996,345;4,277,437;4,275,149および4,366,241号を参照のこと。
【0143】
検出可能部分は、自発的にシグナルを放射するか、または適切な刺激を導入してシグナルを発生する第二化合物と相互作用する場合に直接的シグナルを生じる。例えば、ビオチンは、ストレプトアビジンと結合体を形成することでシグナルを生じ、これは、次いで検出される。Hybridization With Nucleic Acid Probesを参照のこと。Laboratory
Techniques in Biochemistry and Molecular Biology;Tijssen,P.編;Elsevier:New York、1993;第24巻。ホースラディシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼのような酵素(ELISAアッセイにおけるような標識−抗体−抗体の抗体に結合される)はまた、間接的シグナルを生じる。
【0144】
好ましい検出可能部分は、蛍光基である。蛍光基は、高いシグナル対ノイズ比を典型的に生じ、これにより検出手順において増加した分解能および感度を提供する。好ましくは、蛍光基は、約300nmより上、より好ましくは約350nmより上および最も好ましくは、約400nmより上の波長で光を吸収する。蛍光基によって放射される光の波長は、好ましくは、約310nmより上、より好ましくは約360nmより上および最も好ましくは、約410nmより上の波長で光を吸収する。
【0145】
蛍光検出可能部分は、種々の構造クラスから選択され、これらには、以下の非制限的な例が挙げられる:1−および2−アミノナフタレン、p,p’−ジアミノスチルベン、ピレン、四級フェナントリジン塩、9−アミノアクリジン、p,p’−ジアミノベンゾフェノンイミン、アントラセン、オキサカルボシアニン、マロシアニン、3−アミノエキレニン、ペリレン、ビスベンズオキサゾール、ビス−p−オキサゾリルベンゼン、1,2−ベンゾフェナジン、レチノール、ビス−3−アミノピリジニウム塩、ヘレブリゲニン、テトラサイクリン、ステロフェノール(sterophenol)、ベンズイミダゾリルフェニルアミン、2−オキソ−3−クロメン(chromen)、インドール、キサンテン、7−ヒドロキシクマリン、フェノキサジン、サリチラート、ストロファンチジン、ポルフィリン、トリアリールメタン、フラビン、キサンテン色素(例えば、フルオレセインおよびローダミン色素);シアニン色素;4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン色素、ならびに蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質、フィコビリンタンパク質)。
【0146】
多数の蛍光化合物は、本発明に組み込むのに適している。このような化合物の非制限例には、以下が挙げられる:ダンシルクロリド;フルオレセイン(例えば、3,6−ジヒドロキシ−9−フェニルキサントヒドロール;ローダミンイソチオシアネート;N−フェニル−1−アミノ−8−スルホナトナフタレン;N−フェニル−2−アミノ−6−スルホナトナフタレン;4−アセタミド−4−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸;ピレン−3−スルホン酸;2−トルイジノナフタレン−6−スルホナート;N−フェニル,N−メチル2−アミノナフタレン−6−スルホナート;臭化エチジウム;ステブリン(stebrine);アウロミン(auromine)−0,2−(9’−アントロリル)パルミタート;ダンシルホスファチジルエタノールアミン;N−N’−ジオクタデシルオキサカルボシアニン(cycanine);N,N’−ジヘキシルオキサカルボシアニン;メロシアニン、4−(3’−ピレニル)ブトリエート(butryate);d−3−アミノデスオキシ−エキレニン;12−(9’−アントロイル)ステアラート;2−メチルアントラセン;9−ビニルアントラセン;2,2’−(ビニレン−p−フェニレン)ビスベンズオキサゾール;p−ビス[2−(4−メチル−5−フェニルオキサゾリル)]ベンゼン;6−ジメチルアミノ−1,2−ベンゾフェンジン;レチノール;ビス(3’−アミノピリジニウム)−1,10−デカンジイルジヨージド;ヘレブリゲニン(hellibrienin)のスルホナフチルヒドラゾン;クロロテトラサイクリン;N−(7−ジメチルアミノ−4−メチル−2−オキソ−3−クロメニル)マレイミド;N−[p−(2−ベンズイミダゾールイル)フェニル]マレイミド;N−(4−フルオランチル)マレイミド;ビス(ホモバニリン酸);レザズリン(resazarin);4−クロロ−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサジゾール;メロシアニン540;レゾルフィン(resorufin);ローズベンガルならびに2,4−ジフェニル−3(2H)−フラノン。好ましくは、蛍光検出可能部分は、フルオレセインまたはローダミン色素である。
【0147】
別の好ましい検出可能部分は、コロイド金である。このコロイド金粒子は、典型的に、直径40nm〜80nmである。このコロイド金は、種々の方法で標識化合物に結合され得る。1実施態様において、核酸標識化合物のリンカー部分は、チオール基(−SH)で終結し、そしてチオール基は、配位結合を介して直接的にコロイド金に結合する。Mirkinら、Nature 1996、382、607〜609を参照のこと。別の実施態様において、例えば、抗ビオチンのコロイド金結合体とビオチン化標識化合物との相互作用を介して間接的に結合される。金標識化合物の検出は、銀エンハンスメント法(enhancement
method)の使用を介して増強され得る。Danscherら、J.Histotech 1993、16、201−207を参照のこと。
【0148】
結合基(M)mは、リンカー基(L)を検出可能部分(Q)に共有結合するのに役に立ち得る。任意の適切な構造は、標識化合物の機能と相互作用しない構造である。M基の非制限例には、以下が挙げられる:−CO(CH2)5NH−、−CO−、−CO(O)−、−CO(NH)−、および−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−;ここで、mは、0〜約5、好ましくは0〜約3の範囲の整数である。
【0149】
1実施態様において、本発明の核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0150】
【化31】
【0151】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Hcは、複素環式基であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0152】
1実施態様において、複素環式基(Hc)は、イミダゾールであり、そしてこの核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0153】
【化32】
【0154】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0155】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、イミダゾールであり、そして連結部分は、アミノアルキルである:
【0156】
【化33】
【0157】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;R3は、水素またはアルキルであり;R4は、−(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO−、ここでmは、1または0である。より好ましくは、YおよびZは水素であり;R3は水素であり;R4は、−(CH2)4NH−であり;Aは、H4O9P3−であり;そしてQは、ビオチンであり、ここで、Mは、−CO(CH2)5NH−であり、かつmが1であり、あるいは、5−または6−カルボキシフルオレセインであり、かつmが0である。
【0158】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、C3置換4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0159】
【化34】
【0160】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0161】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、C3置換4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンであり、そして結合基は、アルキニルアルキルである:
【0162】
【化35】
【0163】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、1〜約10の範囲の整数であり;R5は、OまたはNHであり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。より好ましくは、YおよびZは、OHであり;nは1であり;R5は、NHであり;Aは、H4O9P3−であり;そしてQは、ビオチンあるいは5−または6−カルボキシフルオレセインであり、ここでmは1である。
【0164】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、C4置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0165】
【化36】
【0166】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0167】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、N4置換4−アミノ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンであり、そして結合基は、アミノアルキルである:
【0168】
【化37】
【0169】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、約2〜約10の範囲の整数であり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。より好ましくは、YおよびZは、水素であり;nは4であり;Aは、H4O9P3−であり;そしてQは、ビオチンあるいは5−または6−カルボキシフルオレセインであり、ここでmは0である。
【0170】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、1,2,4−トリアジン−3−オンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0171】
【化38】
【0172】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0173】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、1,2,4−トリアジン−3−オンであり、そして結合基は、アミノアルキルである:
【0174】
【化39】
【0175】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、約2〜約10の範囲の整数であり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。より好ましくは、YおよびZは、水素であり;nは4であり;Aは、H4O9P3−であり;そしてQは、ビオチンあるいは5−または6−カルボキシフルオレセインであり、ここでMは、−CO(CH2)5NH−であり、そしてmは1である。
【0176】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0177】
【化40】
【0178】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能な部分であり;Xは、O、S、NR1、またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1;Zは、H、N3、F、またはOR1;Aは、Hまたは核酸標識の核酸への付着を可能にする官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立であり、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0179】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンであり、そして結合基は、アルケニルアルキルである:
【0180】
【化41】
【0181】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、約1〜約10の範囲の整数であり;R5は、NR6であり、ここで、R6は、水素、アルキルまたはアリールであり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0182】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0183】
【化42】
【0184】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能な部分であり;Xは、O、S、NR1、またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1;Zは、H、N3、F、またはOR1;Aは、Hまたは核酸標識の核酸への付着を可能にする官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立であり、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0185】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンであり、そして結合基は、アルケニルアルキルである:
【0186】
【化43】
【0187】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、約1〜約10の範囲の整数であり;R5は、NR6であり、ここで、R6は、水素、アルキルまたはアリールであり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0188】
(核酸標識化合物の合成)
図3は、核酸標識化合物8aおよび8bへの合成経路を示し、ここで、複素環式基(Hc)は、イミダゾールであり、そしてリンカー部分(L)は、アミドアルキルである。シリル保護イミダゾール(2)をペントフラノース(1)に添加し、カルボエトキシイミダゾールジデオキシリボシド異性体(3a〜3d)の混合物を得た。この異性体を分離して、精製された3cを得た。3cのカルボエトキシ基を、ジアミンを用いて、アミノカルボキシアミド(carboxamide)(4)に転換した。4の末端アミンを保護し、トリフルオロアセチル化生成物5を得た。5のシリル保護基を除去し、第1級アルコール6を得た。化合物6を5’−トリホスフェートに転換し、7を得た。7のトリフルオロアセチル保護基を除去し、そして脱保護されたアミンを、ビオチン−NH(CH2)5CO−NHSまたは5−カルボキシフルオレセイン−NHSと反応させ、それぞれ核酸標識化合物8aおよび8bを得た。
【0189】
図4は、C3−標識4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートへの合成経路を示す。保護されたプロパルギルアミンリンカーを、パラジウム触媒下で、ヌクレオシド(9)に添加して、カップリングされた生成物(10)を得た。アルキレン置換ヌクレオシド(10)の第1級アルコールをホスホリル化し、5’−トリホスフェート11を得た。トリホスフェート11の保護アミンを、次いで、脱保護し、そして生じた第1級アミンを、反応性ビオチンまたはフルオレセイン誘導体で処理し、それぞれ核酸標識化合物12aおよび12bを得た。
【0190】
図5は、ピラゾロピリミジンヌクレオチドへの合成経路を示す。クロロピラゾロピリミジン(13)を、ペントフラノース1に添加し、アノマーの混合物として付加体14を得た。ジアミンを化合物14に添加し、第1級アミン(15)の混合物を得た。第1級アミン(15)を保護し、そしてクロマトグラフィーによって分離し、純粋なβ−アノマー16を得た。16のシリル基を除去し、そして生じた第1級アルコールをホスホリル化し、トリホスフェート17を得た。17のトリフルオロアセチル基を除去し、そして脱保護されたアミンを、反応性ビオチンまたはカルボキシフルオレセイン誘導体で処理して、それぞれ核酸標識化合物18a〜18dを得た。
【0191】
図6は、N4−標識1,2,4−トリアジン−3−オンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートへの反応経路を示す。1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンリボヌクレオシド19を、トリアゾールおよび三塩化リンで処理して、トリアゾールヌクレオシド20に転換した。ジアミンを20へ添加して、アミノアルキルヌクレオシド21を得た。21の第1級アミンを保護し、トリフルオロアセトアミド22を得た。22の第1級アルコールをホスホリル化し、そして保護アミンを脱保護し、そして、反応性ビオチンまたはカルボキシフルオレセイン誘導体と反応させて、それぞれ核酸標識化合物23aおよび23bを得た。
【0192】
図7は、C5−標識1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンリボシドホスフェートへの反応経路を示す。アルデヒド24をイリド25と反応させ、フタルイミド保護アリルアミン26を得る。化合物26をペントフラノシド27とカップリングし、ヌクレオシド28を得る。28のフタルイミド基をヒドラジンで処理して除去し、第1級アミン29を得る。アミン29を、アミド30として保護する。アミド30をホスホリル化し、脱保護し、そして、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインの反応性誘導体で処理して、それぞれ核酸標識化合物31aおよび31bを得る。
【0193】
図8は、C5−標識5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンリボシドトリホスフェートへの反応経路を示す。化合物28を、塩素化剤およびアンモニアで処理して、アミノ−1,3,6−トリアジン化合物32に転換する。32のフタルイミド基を、ヒドラジンで処理して除去し、そして得られる第1級アミンを保護して、33を得る。化合物33をホスホリル化し、脱保護し、そしてビオチンまたはカルボキシフルオレセインの反応性誘導体で処理して、それぞれ核酸標識化合物34aおよび34bを得る。
【0194】
(核酸標識)
核酸は、生体サンプルから単離され得るか、または、当業者に公知の方法に従って、例えば、固体支持体上または溶液中で、合成され得る。本明細書中で使用されるように、標識化プロセスにおいて使用される核酸の長さまたは起源において、制限は存在しない。核酸の例示的な単離および精製方法は、Theory and Nucleic Acid Preparationに記述される(Laboratory Techniques in Biochemistry
and Molecular Biology:Hybridization
With Nucleic Acid Probes;P.Tijssen,編;第1巻;Elsevier:N.Y.,1993)。単離の好ましい方法は、酸グアニジニウム(guanidinium)−フェノール−クロロホルム抽出に続いて、オリゴdTカラムクロマトグラフィーまたは(dT)n磁気ビードの使用に関係する(Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版;Cold Springs Harbor Laboratory,1989;第1〜3巻;およびCurrent Protocols in Molecular Biology;F.Ausubelら編;Greene Publishing and Wiley Interscience:N.Y.,1987)。
【0195】
特定の場合において、核酸は増幅を通して、量が増加する。適切な増幅法は、以下の例を含むが、それらに限定されない:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Innis,らPCR Protocols.A guide to Methods and Application;Academic Press:San Diego,1990);リガーゼ連鎖反応(LCR)(WuおよびWallace.Genomics 1989,4,560;Landgren,らScience 1988,241,1077;およびBarringer,らGene 1990,89、117);転写増幅(Kwohら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA1989,86,1173);および自己持続配列複製(self−sustained sequence replication)(Guatelli,ら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA1990,87,1874)。
【0196】
核酸標識化合物は、種々の方法を使用して、核酸内に組み込まれ得る。例えば、それは、起源の核酸サンプル(例えば、MRNA、ポリAmRNA、cDNA)または増幅生成物へ直接付着させ得る。標識化合物を核酸に付着する方法は、ニック転位、3−末端−標識、連結反応、インビトロ転写(IVT)またはランダムプライミングを含むが、これだけに限定されない。核酸がRNAである場合、標識化リボリゴヌクレオチドが、例えば、T4 RNAリガーゼのようなRNAリガーゼを使用して連結される(The Enzymes;UhlenbeckおよびGreenspot,編;第15巻,B,pp.31−58;およびSambrookら,pp.5.66−5.69)。末端転位酵素は、例えば、核酸が1本鎖DNAである場合、デオキシ−、ジデオキシ−、またはリボヌクレオシド(dNTP、ddNTPまたはNTP)を付加するために使用される。
【0197】
標識化合物はまた、核酸の内部位置で組み込まれ得る。例えば、標識化合物の存在下でのPCRは、内部に標識された増幅生成物を提供する。例えば、Yuら、Nucleic Acids Research 1994,22,3226−3232を参照。同様に、標識化合物の存在下におけるIVTは、内部に標識化された核酸を提供し得る。
【0198】
(プローブハイブリダイゼーション)
標識化合物が付着する核酸は、核酸プローブとのハイブリダイゼーション後、検出され得る。あるいは、プローブは、使用者によって好まれる実験スキームに依存して、標識され得る。プローブは核酸であるか、または改変された核酸であり、これは、固体支持体に付着されるか、または溶液中に存在するかのいずれである。それは、それがハイブリダイズする標識された核酸に対し、構造において相補的である。固体支持体は、任意の適切な材料であり、これはポリスチレンベースビーズおよびガラスチップを含む。好ましい実施態様において、プローブまたは標的核酸は、GeneChip(登録商標)製品(Affymetrix,Inc.,Santa Clara,CA)のようなガラスチップに付着される。国際出願公開第WO97/10365号、同第WO97/29212号、同第WO97/27317号、同第WO95/11995号、同第WO90/15070号、および米国特許第5,744,305号、同第5,445,934号を参照。これらは、これによって参考として援用される。
【0199】
プローブハイブリダイゼーションは、たいてい核酸の検出における工程であるので、核酸標識化合物は、このプロセスに、実質的に干渉しない構造であるべきである。従って、標識化合物の立体的および電子的性質は、付着された核酸の相補的構造への結合と両立できる。
【実施例】
【0200】
以下の実施例は、例示のために示されるのであり、本発明を限定するためではない。
【0201】
(一般的な実験の詳細)
試薬は、Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)から、入手可能な最高の純度で購入した。列挙する全ての溶媒は、無水物であった。中間体は、1H NMRおよび質量分析により特徴付けた。
【0202】
(実施例1)
フルオレセインおよびビオチンにより標識した、1−(2,3−ジデオキシ−β−D−グリセロペンタフラノシル)イミダゾール−4−カルボキサミドヌクレオチドの合成
1−O−アセチル−5−O−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3−ジデオキシ−D−グリセロ−ペンタフラノース1(9.4g、34.2mmole)(Duelholm,K.;Penderson,E.B.,Synthesis,1992,1を参照のこと)および1−トリメチルシリル−4−カルボエトキシイミダゾール2(6.3g;34.2mmole)(Pochet,Sら、Bioorg.Med.Chem.Lett.,1995,5,1679を参照のこと)を、100mlの乾燥DCM中Ar下で合わせ、そしてトリメチルシリルトリフレート触媒(6.2ml;34.2mmole)を0℃で添加した。この溶液を室温で5時間撹拌し、そして次いで、100mlのNaHCO3飽和水溶液で3回、NaCl飽和水溶液で1回洗浄し、NaSO4で乾燥して、エバポレートし、4種類のカルボエトキシイミダゾールジデオキシリボシド異性体(3a〜d)(これらは、N1およびN3の両方のアルキル化生成物のαおよびβアノマーに対応する)の粗製混合物を14g得た。これらの異性体生成物を精製し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン)で分離して、全収率は52%であった。β−N1異性体(2.2g;18%収率)を、1H−NMRの化学シフトおよびNOEデータにより同定した(Pochet,Sら、Bioorg.Med.Chem.Lett.,1995,5,1679を参照のこと)。精製した3c(0.5g;1.4mmole)を、20倍過剰の1,4−ジアミノブタン(3.0ml、30mmole)と共に、145℃付近で4時間加熱し、次いで、得られた混合物を、50mlのEtOAcで希釈し、水で3回、ブラインで1回洗浄し、NaSO4で乾燥して、エバポレートし、イミダゾール−4−(4−アミノブチル)カルボキサミドジデオキシリボシド4を、無色のオイルとして、500mg(95%)得た。トルエンと共蒸発させた後に、4(393mg;0.75mmole)を、トリフルオロアセチルイミダゾール(94μL;0.83mmole)と5ml乾燥THF中で0℃で合わせ、そして10分間撹拌した。溶媒をエバポレートし、そして油性の残渣を50mlのEtOAcに溶解し、NaHCO3飽和水溶液で2回、NaCl飽和水溶液で1回抽出し、NaSO4で乾燥し、そしてエバポレートして、475mg(99%)のN−TFA保護されたヌクレオシド5を、無色のオイルとして得た。TBDMS基を、20mlの乾燥THF中の過剰のトリエチルアミントリヒドロフルオリド(2.3ml;14.4mmole)を添加し、一晩撹拌することによって、除去した。THFを真空下でエバポレートし、残渣を50mlのEtOAcに溶解し、そしてこの溶液をNaHCO3飽和水溶液とブラインの1:1の混合物で注意深く洗浄して中性とし、次いでNaSO4で乾燥し、そしてエバポレートして、340mg(96%)の5を淡黄色オイルとして得た。NMRおよびMSのデータは、帰属した構造と一致した。
【0203】
ヌクレオシド6を、他の箇所(Prober,J.M.ら、1988、PCT
0 252 683 A2を参照のこと)に報告された手順に従って、5’−トリホスフェートに転換し、脱保護し、ビオチン−NH(CH2)5CO−NHSまたは5−カルボキシフルオレセイン−NHSと反応させ、そして精製して、標識されたヌクレオチド8a、bを得た(HPLC、31P−NMRから、95%より高い純度)。
【0204】
(実施例2)
C3−標識4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートの合成
3−ヨード−4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンリボフラノシド(ribofuranside)(9)の合成を、H.B.Cottamら、1993、J.Med.Chem.36:3424に記載のように実施した。適切なデオキシフラノシド前駆体を使用して、2’−デオキシおよび2’,3’−ジデオキシヌクレオシドの両方を、類似の手順を使用して調製した。例えば、U.NeidballaおよびH.Vorbruggen 1974、J.Org.Chem.39:3654;K.L.DuehomおよびE.B.Pederson 1992、Synthesis 1992:1を参照のこと。あるいは、これらは、確立された手順に従って、リボフラノシド9を脱酸素することにより、調製される。M.J.Robinsら、1983 J.Am.Chem.Soc.103:4059;およびC.K.Chuら、1989 J.Org.Chem.54:2217を参照のこと。
【0205】
保護されたプロパルギルアミンリンカーを、有機パラジウムに媒介される4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンリボシドの3位への置換を経て、4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオシド(9)に付加した(Hobbs(J.Org.Chem.54:3420;Science 238:336)により記載される手順を使用した)。ヨウ化銅(38mg;0.2mmole)、トリエチルアミン(560μL;4.0mmole)、N−トリフルオロアセチル−3−アミノプロピン(700μL;6.0mmole)および3−ヨード−4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン −D−リボフラノシド(9)(H.B.Cottamら、1993、J.Med.Chem.36:3424)(786mg;2.0mmole)を、5mlの乾燥DMF中アルゴン下で合わせた。この撹拌混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(232mg;0.2mmole)を添加した。この溶液は、10分以内に均一になり、そして暗所でさらに4時間撹拌し、この時点で、この反応物を20mLのMeOH−DCM(1:1)で希釈し、3.3gのDowex AG−1アニオン交換樹脂(重炭酸塩形態)を添加して、撹拌をさらに15分間続けた。この樹脂を濾過により除去して、MeOH−DCM(1:1)で洗浄し、そしてあわせた濾液をエバポレートして乾固させた。残渣を4mLの熱MeOHに溶解し、次いで15mLのDCMを添加して、この混合物を昇温状態に保って均一な溶液を維持し、同時にこの溶液を、1:9 MeOH−DCM中に充填したシリカゲルのカラム(5cm×25cm)に装填した。この生成物(Rf約0.4、6:3:1:1 DCM−EtOAc−MeOH−HOAc)を、10〜15〜20% MeOH−DCMの段階的な勾配で溶出した。得られた淡黄色の固体を、2.5mlの氷冷アセトニトリルで3回、次いでエーテルで2回洗浄し、真空下で乾燥して、630mg(75%)の4−アミノ−3−(N−トリフルオロアセチル−3−アミノプロピニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンβ−D−リボフラノシド(10)を得た。この生成物の同定を、1H−nmr、質量分析および元素分析により、確認した。
【0206】
このヌクレオシドを、他の箇所(Prober,J.M.ら、1988、PCT 0 252 683 A2)に報告された手順に従って、5’−トリホスフェート(11)に転換し、脱保護し、オキシスクシニミジル−(N−ビオチノイル−6−アミノ)ヘキサノエート、またはオキシスクシニミジル−(N−(フルオレセイン−5−カルボキシル)−6−アミノ)ヘキサノエートと反応させ、そして精製して、ビオチン−およびフルオレセイン−標識ヌクレオチド(12a、12b)を、95%より高い純度で得た。
【0207】
(実施例3)
フルオレセイン−およびビオチン−N6−ジデオキシ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオチドの合成
1−O−アセチル−5−O(t−ブチルジメチルシリル)−2,3−ジデオキシ−D−グリセロ−ペントフラノース(1)および1−トリメチルシリル−4−クロロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(13)を、文献の手順に従って合成した。Duelholm,K.L.;Penderson,E.B.、Synthesis 1992、1〜22;およびRobins,R.K.、J.Amer Chem Soc.1995、78、784〜790。40mlの乾燥DCM中の2.3g(8.3mmol)の1および1.9g(8.3mmol、1当量)の13に、0℃、アルゴン下で、1.5mL(8.3mmol、1当量)のトリメチルシリルトリフレートを、5分間かけてゆっくりと添加した。30分後、4.2ml(41.5mmol、5当量)の1,2−ジアミノブタンを手早く添加し、そしてこの反応系を室温で1時間撹拌した。溶媒をエバポレートし;残渣を50mlの酢酸エチルに溶解して、50mlのNaHCO3の飽和水溶液で洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥し、濾過して、溶媒をエバポレートし、4.2gの黄色泡状物を得た。この泡状物を、100mlのジエチルエーテルに溶解し、そして100mlのヘキサンを添加して、生成物をオイルとして沈殿させた。この溶媒をデカントし、そしてこのオイルを高真空下で乾燥させて、3.4gの15を淡黄色泡状物として得た。HPLC、UVおよびMSのデータは、α−およびβ−アノマーの2:1混合物に一致した。
【0208】
140mlの乾燥THF中の、異性体の粗製混合物(3.4g、8.1mmol、約50%純粋)に、0℃、アルゴン下で、1.0mlの1−トリフルオロアセチルイミダゾール(8.9mmol、1.1当量)をゆっくりと添加した。この反応系を、RP−HPLCで追跡した。さらなる5%のアシル化剤を添加して、出発物質をTFA−保護されたアノマーの混合物に完全に転換させた。Bergerson,R.G.;McMains,J.S.,J.Org.Chem 1998、53、3108〜3111。この反応系を室温まで昇温させ、次いで溶媒をエバポレートして約25ml容量とし、そして100mlの酢酸エチルで希釈した。この溶液を、25mlの1%NaHCO3水溶液で2回、ブラインで1回抽出し、次いでNa2SO4で乾燥し、そしてエバポレートして、3.4gの黄色泡状物を得た。この粗製物質を、EtOAc−ヘキサン中のシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製して、16の1.3gのα−アノマーおよび0.7gのβ−アノマーを得た(全収率50%)。1H−NMRおよびMSのデータは、帰属した構造および立体化学に一致した。
【0209】
50mlの乾燥THF中の1.3g(2.5mmol)の16(α−アノマー)に、アルゴン下で、1ml(13.6mmol)のトリエチルアミンおよび6.1ml(37.5mmol、15当量)のトリエチルアミントリヒドロフルオリドを添加した。16時間の撹拌の後に、この溶媒をエバポレートし、そして残渣のトリエチルアミントリヒドロフルオリドを、高真空下で除去した。Pirrung,M.C.ら;Biorg.Med.Chem.Lett.1994、4、1345〜1346。その残渣を100mlの酢酸エチルに溶解し、そして100mlのNaHCO3の飽和水溶液で4回、ブラインで1回、注意深く洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥し、そしてエバポレートして、850mg(95%)の白色泡状物を得た。1H−NMR、UVおよびMSのデータは、脱シリル化したヌクレオシドの帰属した構造に一致し、これを、さらに精製することなく次の工程に使用した。
【0210】
このヌクレオシドを、Ecksteinリン酸化手順(Ludwig,J.L.;Eckstein,F.J.Org.Chem.1989、54、631〜635)を使用して、トリホスフェートに転換し、続いてResourceQアニオン交換カラム(緩衝液Aは、20mM Tri pH8、20%CH3CNであり、そして緩衝液Bは、20mM Tris pH8、1M NaCl、20%CH3CNである)におけるHPLCで精製した。31P−NMR、UVおよびMSのデータは、このトリホスフェートの構造に一致した。このトリフルオロアセチル保護基を、過剰のNH4OHで、55℃で1時間処理することによって除去し、続いてエバポレートして乾固させた。質量分析データは、アミノブチルヌクレオチド17に一致した。さらに精製することなく、このヌクレオチドを、他の箇所(Prober,J.M.ら、1988、PCT 0 252 683
A2)に記載のように、ビオチン−NHSエステルまたは5−カルボキシフルオレセイン−NHSのいずれかで処理し、それぞれの標識ヌクレオチド18a〜18dを形成し、これらを記載のように(Prober,J.M.ら、1988、PCT 0 252 683 A2)、HPLCによって精製した(18aの場合には、緩衝液が20mMリン酸ナトリウムpH6であったことを例外とする)。31P−NMRおよびUVのデータは、この標識アナログの構造に一致した。
【0211】
(実施例4)
(N4−標識1,2,4−トリアジン−3−オンβ−D−リボフラノシド三リン酸)
30mL乾燥ACN中の1,2,4−トリアゾール(6.7g;97mmol)の溶液へ、POCl3(2.1mL;22mmol)を攪拌しながらアルゴン下で徐々に添加した。30分後、この溶液を0℃まで冷却し、そして10mLACN中のトリエチルアミン(21mL;150mmol)および2’,3’,5’−トリ−O−アセチル−6−アザウリジン(19、4.14g;11mmol(Aldrich Chemical Companyから市販))の溶液を添加した。さらに1時間室温で攪拌した後、得られた活性化ヌクレオシドの溶液を、20mL MeOH中、1,4−ジアミノブタン(46g;524mmol)の攪拌溶液へ滴下して移した。この溶媒を真空下で除去し、そして残渣を水に溶解し、酢酸で中和し、そして再度エバポレートして乾固した。この粗残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィー(95:5 MeOH−NH4OH)、続いて分取逆層HPLCによって精製し、150mg(0.45mmol;3%)のアミノブチルヌクレオシド(21)を得た。これを、0℃で2時間、3mLのACN中の1−トリフルオロアセチルイミダゾール(300uL;1.8mmol)との反応によって、直接、TFA保護ヌクレオシド(22)へ転換し、この溶媒をエバポレートし、そしてフラッシュクロマトグラフィー(1:9 MeOH−DCM)によって精製した。収量175mg(0.42mmol;93%)この生成物の同定を、1H−nmrおよび質量分析によって確認した。
【0212】
このヌクレオシドを、5’−三リン酸へ転換し、脱保護し、オキシスクシンイミジル−(N−ビオチノイル−6−アミノ)ヘキサノエート、またはオキシスクシンイミジル−(N−(フルオレセイン−5−カルボキシ)−6−アミノ)ヘキサノエートと反応させ、そして他に報告される手順(Prober,J.M.ら、1988,PCT 0 252 683 A2.)に従って精製し、ビオチン−およびフルオレセイン−標識ヌクレオチド(23a、23b)を>95%の純度で得た。
【0213】
(実施例5)
(ビオチンおよびフルオレセインC5−標識1,2,4,−トリアジン−3,5−ジオンリボシド三リン酸の合成)
5−ホルミル−6−アザウラシル(24)を、文献手順に従って調製した。Scopes,D.I.C.1986,J.Chem.Med.,29,809−816、およびそこで引用される参考文献を参照のこと。化合物24を、25のホスホニウムイリド(これは、25を触媒量のt−ブトキシドで処理することによって形成される)と反応させ、フタルイミドイル保護アリルアミン26を得る。Scopesら、1986、J.Chem.Med.,29,809−816の手順に従って、26とβ−D−ペントフラノシド27(Aldrichから市販)とを反応させて、保護アリルアミン26をリボシル化し、β−アノマー28を得る。β−リボヌクレオシド28を、THF中の無水ヒドラジンで脱保護し、アリルアミン29を得る。THF中での一級アミン29とトリフルオロアセチルイジダゾールとの反応によって、保護アミン30を得る。
【0214】
ヌクレオシド30を、5’−三リン酸へ転換し、脱保護し、オキシスクシンイミジル−(N−ビオチオニル−6−アミノ)ヘキサノエートまたはオキシスクシンイミジル−(N−(フルオレセイン−5−カルボキシ)−6−アミノ)ヘキサノエートと反応させ、そしてProber,J.M.ら、1988,PCT 0
252 683 A2)で報告される手順に従って精製し、それぞれビオチン−ならびにフルオレセイン−標識ヌクレオチド31aおよび31bを得る。
【0215】
(実施例6)
(ビオチンおよびフルオレセインC5−標識5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンリボシド三リン酸の合成)
上述のβ−リボヌクレオシド28を、SOCl2またはPOCl3で処理し、そして引き続いてアンモニアと反応させ、4−アミノ−1,3,6−トリアジンヌクレオシド32を得る。32のフタルイミド基を、ヒドラジンとの反応で除去し、そして得られる一級アミンを保護し、ヌクレオシド33を得る。ヌクレオシド33を、5’−三リン酸へ転換し、脱保護し、オキシスクシンイミジル−(N−ビオチノイル−6−アミノ)ヘキサノエート、またはオキシスクシンイミジル−(N−(フルオレセイン−5−カルボキシ)−6−アミノ)ヘキサノエートと反応させ、そして他に報告される手順(Prober,J.M.ら、1988,PCT 0 252 683 A2)に従って精製し、それぞれビオチン−およびフルオレセイン−標識ヌクレオチド34a,34bを得る。
【0216】
(実施例7)
(修飾ヌクレオチドの酵素による組み込みのHPLC分析に関する手順)
(反応条件)
TdT
3uMd T16テンプレート
15(30)uM NTP
40U TdT(Promega)
1X緩衝液、pH7.5(Promega)
手順:1時間37℃で、次いで10分70℃でインキュベートし、続いて50uLの容量のEDTA(2mM 最終濃度)を添加する。
【0217】
(HPLC分析)
(物質および試薬)
4.6mmX250mm Nucleopac PA−100イオン交換カラム(Dionex)
緩衝液A:20mM NaOH(または20mM Tris pH8、色素標識されていないヌクレオチド三リン酸のTdT組み込みの場合)
緩衝液B:20mM NaOH、1M NaCl(または20mM Tris
pH8、1M NaCl、色素標識されていないヌクレオチド三リン酸のTdT組み込みの場合)
(一般的手順)
この反応物を50uLの緩衝液Aで希釈する。50uLのこのサンプルをHPLCカラムへ注入し、そして5〜100%の緩衝液Bの勾配を使用して30分にわたり1mL/分の流速で分画する。この色素の260nmでの吸光度のピークおよび吸光度の極大(この色素のフルオレセイン発光極大)を同時に検出する。
【0218】
この組み込み効率は、標識されたオリゴヌクレオチドの割合として表される。この数値は、標識されたオリゴヌクレオチドの260nmで測定した吸光度ピーク面積を、標識されていないオリゴヌクレオチドおよび標識されたオリゴヌクレオチドの合計ピーク面積で除算することによって、決定した。(フルオレセイン標識されたdT16の保持時間は、2〜3分のオーダーにおいてであり、標識されていないdT16よりも長い)。この種のアッセイにおける誤差は、約10%である。4種の核酸標識化合物についてのパーセンテージ標識効率は、以下の表1において示される。
【0219】
【表1】
【0220】
(実施例8)
(標識されたイミダゾールカルボキサミド(「ITP」)および4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(「APPTP」)ヌクレオチドのハイブリダイゼーション研究)
標識されたイミダゾールカルボキサミドおよび4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオチドの性能を、標準GeneChip(登録商標)プロダクトプロトコル(Affymetrix,Inc.,Santa Clara,CA)を使用してp53アッセイにおいて評価し、これは、例えば、GeneChip(登録商標)p53アッセイのパッケージ挿入物中に詳細に記載される。この実験において使用されるサンプルDNAは、プラスミド「p53mut248」であった。この標識されたヌクレオチドアナログを、通常の標識試薬(フルオレセイン−N6−ddATPまたはビオチン−M−N6−ddATP(ここで、M=アミノカプロイル)、NENから、それぞれパート番号NEL−503およびNEL−508)で置き換えた。標識反応を、このアッセイプロトコルにおいて指定される標準量(25U)のTdT酵素および100Uの酵素の両方を使用して、実施した。標識化後、フルオレセイン標識標的を、この配列にハイブリダイズし、そして直接スキャンした。ビオチン標識標的を使用する実験において、GeneChip(登録商標)チップを、ハイブリダイゼーション工程後において、スキャンの前に、記載される手順(Science 280:1077−1082(1998))に従ってフィコエリトリン−ストレプトアビジン接合体(PE−SA)で染色した。
【0221】
図9は、このチップの「Unit−2」部分でコールされる1300塩基について観察されたハイブリダイゼーション蛍光強度の比較を示す。下方のプロットにおいて、フルオレセイン−ddITP(8b)標識標的についての強度を、標準フルオレセイン−N6−ddATP標識標的(コントロール)についての強度に対してプロットする(両方ともTdTが25Uで)。観察される約0.75の傾きは、8bの標識効率が、これらの条件下でのFluorescein−Nd−ddATPの標識効率の約75%であったことを示す。上方のプロットにおいて、同一の比較が、100UのTdTが8b標識反応において使用されたことを除いてなされた。約1.1の傾きは、標準Fluorescein−N6−ddATP/25Uコントロールの反応よりもわずかに良好かまたは等しいことを示す。
【0222】
図10は、このチップの「Unit−2」部分でコールされる1300塩基に対して観察されたハイブリダイゼーション蛍光強度の比較を示す。ビオチン−(M)2−ddAPPTP(18c、M=アミノカプロイルリンカー;図10においてビオチン−N4−ddAPPTPとして表す)標識標的(PE−SA染色後)についての強度を、標準ビオチン−M−N6−ddATP標識標的(コントロール)についての強度に対してプロットする(両方ともTdTが25Uで)。約0.3の観察された傾きは、ビオチン−(M)2−ddAPPTP(18c)での標識効率が、これらの条件下で、ビオチン−M−N6−ddATPの標識効率の約30%であったことを示す。
【0223】
図11は、チップの「Unit−2」でコールされる1300塩基に対して観察されるハイブリダイゼーション蛍光強度の比較を示す。下方のプロットにおいて、ビオチン−M−ddITP(8a、M=アミノカプロイル;図11においてBio−ddITPとして表す)標識標的についての強度が、標準ビオチン−M−N6−ddATP標識コントロール標的についての強度に対してプロットされる(両方ともTdTが25Uで)。約0.4の観察された傾きは、8aでの標識効率が、これらの条件下で、ビオチン−M−N6−ddATPの標識効率の約40%であったことを示す。上方のプロットにおいて、同一の比較が、8a標識反応において100UのTdTが使用されることを除いて、実施される。約1.1の傾きは、標準ビオチン−M−N6−ddATP/25Uコントロール反応よりもわずかに良いかまたは等しい標識化を示す。
【0224】
図12は、TdTが25Uおよび100Uの両方でのフルオレセイン−ddITP標識標的、ならびに標準フルオレセイン−N6−ddATP/25U TdT標識「コントロール」標的を使用して得られた、両方の鎖についての全ての再塩基配列決定(塩基−コーリング(base−calling))精度の比較を示す。図13は、ビオチン−M−ddIP(8a;図13においてビオチン−ddITPとして表す)およびビオチン−M−N6−ddATP「コントロール」で標識した標的についての同様の比較を示す。続いてPE−SA染色。図14は、ビオチン−(M)2−ddAPPTP/100U TdTおよびビオチン−M−N6−ddATP/25U TdTを使用する、再塩基配列決定精度の比較を示す。これらのデータは、標識されたイミダゾールカルボキサミドおよび4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンジデオキシヌクレオチドアナログが、ハイブリダイゼーションベースアッセイにおけるDNA標識のために使用され得、そして標準標識−N6−ddATP試薬と等価の性能を与えることを示す。
【0225】
(実施例9)
ビオチン標識したイミダゾールカルボキサミドおよび4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンのヌクレオチド(「ビオチン−M−ITP」(8a)および「ビオチン−(M)2−APPTP」(18c))の性能を、シングルヌクレオチド多形遺伝子型(single−polymorphism genotyping)GeneChip(登録商標)チップアレイを使用して評価した。公開されたプロトコル(D.G.Wangら、1998、Science 280:1077〜82)を、これらの実験において、以下の改変を除いて使用した:1)標識反応を、公開されたプロトコルにおいて指定される標準量(15U)のTdT酵素、または3倍(45U)の酵素、の両方を使用して実施した;2)標識ヌクレオチドアナログを標準的な標識試薬(ビオチン−N6−ddATP、NEN:P/N NEL−508から)で置換;3)この標識されたヌクレオチドアナログを、公開プロトコルにおいて指定される標準濃度の2倍(25uM)、または6倍(75uM)のいずれかで使用した。標識後、ビオチン標識標的を、これらのアレイにハイブリダイズさせ、フィコエリトリン−ストレプトアビジン接合体(PE−SA)で染色し、そしてこのアレイを、公開された手順に従ってスキャンして分析した。
【0226】
このデータを以下の表2において示す。観察されたハイブリダイゼーションシグナルの平均強度(全アレイにわたって平均化した)によって示されるように、25uMのビオチン−M−ITP(8a)での標識効率は、12.5uMのビオチン−N6−ddATPと同じぐらい良好であり、そして75uMで8aを使用することによってなおさらに高い強度が得られた(項目1〜3;7、8)。コントロールと比較して、このアナログは、等しいまたはより良好な性能を提供し、コレクトベースコール(correct base call)比として表された。幾分低い平均シグナル強度が、このアナログの低い組み込み効率を反映して、ビオチン−(M)2−APPTP(18c)で観察されるが、等しいアッセイ性能が、幾分高い酵素およびヌクレオチド濃度を使用して、このアナログを用いてさらに達成され得た。
【0227】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0228】
【図1】図1は、限定しない組のテンプレート部分を示す。
【図2】図2は、以下の限定しない組の複素環式基を示す:4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、1、3−ジアゾール(イミダゾール)、1,2,4−トリアジン−3−オン、1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンおよび5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オン。
【図3】図3は、フルオレセインおよびビオチンで標識した1−(2,3−ジデオキシ−D−グリセロ−ペンタフラノシル)イミダゾール−4−カルボキサミドヌクレオチドへの合成経路を示す。
【図4】図4は、C3−標識4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートへの合成経路を示す。
【図5】図5は、フルオレセインおよびビオチンで標識したN6−ジデオキシ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオチドへの合成経路を示す。
【図6】図6は、N4−標識1,2,4−トリアジン−3−オンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートへの合成経路を示す。
【図7】図7は、ビオチンおよびフルオレセインC5標識1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンリボシドトリホスフェートへの合成経路を示す。
【図8】図8は、ビオチンおよびフルオレセインC5標識5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンリボシドトリホスフェートへの合成経路を示す。
【図9】図9は、フルオレセインddITPおよびフルオレセインddATPを使用して観察したハイブリダイゼーション蛍光強度のグラフィカル比較を示す。
【図10】図10は、ビオチン−(M)2−ddAPTP(ここでM=アミノカプロイル)およびビオチン−N6−ddATPを使用して観察したハイブリダイゼーション蛍光強度のグラフィカル比較を示す。
【図11】図11は、ビオチン−M−ddITP(ここでM=アミノカプロイル)およびビオチン−N6−ddATPを使用して観察したハイブリダイゼーション蛍光強度のグラフィカル比較を示す。
【図12】図12は、フルオレセインddITPおよびフルオレセインN6−ddATP標識標的を使用した全体の再配列塩基決定(塩基−コール)精度のグラフィカル比較を示す。
【図13】図13は、ビオチン−M−ddITP(ここでM=アミノカプロイル)およびビオチン−N6−ddATPを使用した全体の再配列塩基決定精度のグラフィカル比較を示す。
【図14】図14は、ビオチン−(M)2−ddAPPTP(ここで、M=アミノカプロイル)およびビオチン−N6−ddATPを使用した再配列塩基決定精度のグラフィカル比較を示す。
【技術分野】
【0001】
(連邦政府委託研究により行われる発明の権利書)
本発明は、Advanced Technology Program of
the National Institute of Standards
and Technologyにより与えられた70NANB5H1031と契約を結び、政府の支援により行われた。
【0002】
(技術分野)
本発明は核酸標識化合物に関する。より詳細には、本発明は、検出可能な部分を含有する複素環式誘導体を提供する。本発明はまた、このような複素環式誘導体の作製方法を提供する。本発明はさらに、この複素環式誘導体を核酸に結合させる方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
病気の個体および健常な個体における遺伝子発現は、しばしば異なり、そして特徴付け可能である。このような場合において、遺伝子発現をモニターする能力は、医師に強力な診断ツールを提供する。この形態の診断は、腫瘍学の領域において特に重要であり、ここで癌遺伝子の過剰発現、または腫瘍サプレッサ遺伝子の過小発現が腫瘍形成を引き起こすと考えられる。Mikkelsonら、J.Cell.Biochem.1991,46,3〜8を参照のこと。
【0004】
遺伝子発現は、例えば、標的遺伝子の転写産物である核酸(例えば、mRNA)を測定することによって、間接的にモニターされ得る。核酸は、検出可能部分で化学的または生化学的に標識化され、公知の配列の局在的核酸プローブとハイブリダイズし得る。プローブ位置で標識化された核酸の検出は、標的遺伝子が発現したことを示す。国際出願公開WO97/27317、WO92/10588およびWO97/10365を参照のこと。
【0005】
核酸の標識化は典型的に、検出可能基(ラベル)を内部または末端位に共有結合することによって行われる。科学者は、酵素学的にオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドに取り込まれる、多数の検出可能ヌクレオチドアナログを報告した。例えば、Langerらは、共有結合ビオチン部分を含有するdUTPおよびUTPのアナログを開示した。Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1981,78,6633〜6637。以下に示されるこれらのアナログは、ピリミジン環のC−5位に結合されたアリルアミンリンカーアームを有する。dUTPおよびUTPアナログ(ここで、RはHまたはOHである)は、ポリヌクレオチドに取り込まれた。
【0006】
【化7】
【0007】
Petrieらは、dATPアナログである、3−[5−[(N−ビオチニル−6−アミノカプロイル)アミノ]ペンチル]−1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン−5’−トリホスフェートを開示した。Bioconjugate Chem.1991,2,441〜446。以下に示されるアナログは、3位を、ビオチン部分に結合されるリンカーアームで修飾される。Petrieらは、Rがビオチンである化合物は、ニックトランスレーションによってDNAに取り込まれることを報告した。
【0008】
【化8】
【0009】
Proberらは、各々がスクシニルフルオレセイン色素を含む、4つのジデオキシヌクレオチドのセットを開示した。Science 1987,238,336〜341。これらのジデオキシヌクレオチド(これらのうちの1つが以下に示される)は、プライマーのテンプレート定方向伸長(template directed extension)によってオリゴヌクレオチドに酵素学的に取り込まれる。これらの化合物は、ゲル移動に基づくDNA配列決定法を提供する。
【0010】
【化9】
【0011】
Herrleinらは、4つのDNA塩基の修飾されたヌクレオシド三リン酸を開示した。Helv.Chim.Acta 1994,77,586〜596。これらの化合物(これらのうちの1つが以下に示される)は、放射性部分または蛍光性部分を含有する3’−アミノ基を含む。Herrleinらはさらに、DNA鎖ターミネーターとしてのヌクレオシドアナログの使用を記載した。
【0012】
【化10】
【0013】
Cechらは、3’−アミノ官能化ヌクレオシド三リン酸を開示した。Collect.Czech.Chem.Commun.1996,61,S297〜S300。これらの化合物(これらのうちの1つが以下に示される)は、アミノリンカーを通して3’位に結合されたフルオレセインを含有する。Cechらは、記載された官能化ヌクレオシドはDNA配列決定のためのターミネーターとして有用であることを提案した。
【0014】
【化11】
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によって以下が提供される。
(1)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0016】
【化1】
【0017】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミドアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(2)請求項1に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C(O)NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
(3)請求項2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C(O)NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NHであり、ここでmは1である、
核酸標識化合物。
(4)請求項2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C(O)NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(5)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0018】
【化2】
【0019】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(6)請求項5に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または、−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
(7)請求項6に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(8)請求項6に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(9)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0020】
【化3】
【0021】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(10)請求項9に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここでnは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
(11)請求項10に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは1である、核酸標識化合物。
(12)請求項10に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは1である、核酸標識化合物。
(13)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0022】
【化4】
【0023】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(14)請求項13に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または、CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
(15)請求項14に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは1である、核酸標識化合物。
(16)請求項14に記載の核酸化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは1である、核酸標識化合物。
(17)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0024】
【化5】
【0025】
ここで、Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(18)請求項17に記載の核酸標識化合物であって、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である、核酸標識化合物。
(19)請求項18に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(20)請求項18に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(21)以下の構造の核酸標識化合物であって:
【0026】
【化6】
【0027】
ここで、Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
(22)請求項21に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である、
核酸標識化合物。
(23)請求項22に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(24)請求項22に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
(25)請求項2に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(26)請求項6に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(27)請求項10に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(28)請求項14に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(29)請求項18に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(30)請求項22に記載の核酸標識化合物と核酸を結合させることによって生成される、核酸誘導体。
(31)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項25に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(32)請求項31に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(33)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項26に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(34)請求項33に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(35)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項27に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(36)請求項35に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(37)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項28に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(38)請求項37に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(39)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項29に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(40)請求項39に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(41)ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合された請求項30に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
(42)請求項41に記載のハイブリダイゼーション産物であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、ハイブリダイゼーション産物。
(43)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項2に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(44)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項6に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(45)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項10に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(46)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項14に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(47)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項18に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(48)標識された核酸を合成する方法であって、該方法は、請求項22に記載の核酸標識化合物を核酸に結合させる工程を包含する、方法。
(49)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項25に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(50)請求項49に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(51)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項26に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(52)請求項51に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(53)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項27に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(54)請求項53に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(55)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項28に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(56)請求項55に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(57)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項29に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(58)請求項57に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(59)核酸を検出する方法であって、該方法は、請求項30に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
(60)請求項59に記載の方法であって、ここで、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
(発明の開示)
効率的に核酸に取り込まれ、容易に検出可能な組成物を提供する、新規の核酸標識化合物の開発は、遺伝子分析技術に役立った。これは、例えば、遺伝子発現のモニタリング、ならびに突然変異および多型現象の検出およびスクリーニングにおいて、役立つ。このような化合物は、核酸への酵素学的取り込みに適切でなければならない。さらに、標識化合物が結合される核酸は、プローブ(例えば、相補的核酸)に結合するその能力を保持しなければならない。
【0028】
本発明は、核酸に酵素学的に取り込まれ得る、核酸標識化合物を提供する。これらの化合物が結合される核酸は、相補的核酸配列に結合するそれらの能力を維持する。
【0029】
本発明の核酸標識化合物は、以下の構造を有する:
A−O−CH2−T−Hc−L−(M)m−Q
ここで、Aは、水素、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Tは、テンプレート部分であり;Hcは、複素環式基であり;Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約5の範囲の整数である。
【0030】
一実施態様において、核酸標識化合物は以下の構造を有する:
【0031】
【化12】
【0032】
ここで、Aは、H、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミドアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。
【0033】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C(O)NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。
【0034】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C(O)NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NHであり、ここでmは1である。
【0035】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C(O)NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である。
【0036】
一実施態様において、核酸標識化合物は以下の構造を有する:
【0037】
【化13】
【0038】
ここで、Aは、H、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。
【0039】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−またはCO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。
【0040】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である。
【0041】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である。
【0042】
一実施態様において、核酸標識化合物は以下の構造を有する:
【0043】
【化14】
【0044】
ここで、Aは、H、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。
【0045】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここでnは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。
【0046】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは1である。
【0047】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは1である。
【0048】
一実施態様において、核酸標識化合物は以下の構造を有する:
【0049】
【化15】
【0050】
ここで、Aは、H、または核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、アミノアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。
【0051】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−またはCO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。
【0052】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは1である。
【0053】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは1である。
【0054】
1つの実施態様において、核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0055】
【化16】
【0056】
ここで、Aは、Hまたは核酸標識化合物が核酸に結合することを可能にする官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3までの範囲の整数である。
【0057】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0058】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である。
【0059】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である。
【0060】
1つの実施態様において、核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0061】
【化17】
【0062】
ここで、Aは、Hまたは核酸標識化合物が核酸に結合することを可能にする官能基であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3までの範囲の整数である。
【0063】
別の実施態様において、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0064】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である。
【0065】
別の実施態様において、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である。
【0066】
本発明はまた、核酸標識化合物と核酸および相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含むハイブリダイゼーション産物とを結合させることによって生成される核酸誘導体を提供する。
【0067】
1つの実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0068】
【化18】
【0069】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C(O)NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0070】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0071】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0072】
【化19】
【0073】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0074】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0075】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0076】
【化20】
【0077】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0078】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0079】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0080】
【化21】
【0081】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0082】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0083】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0084】
【化22】
【0085】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0086】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0087】
別の実施態様において、結合に使用される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0088】
【化23】
【0089】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0090】
この核酸誘導体から形成されるハイブリダイゼーション産物は、相補的なプローブに結合された核酸誘導体を含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0091】
本発明はまた、核酸標識化合物を核酸に結合することによって核酸誘導体を合成する方法を提供する。さらに、これは、プローブと共に核酸誘導体をインキュベーションする工程を含む、核酸を検出する方法を提供する。
【0092】
1つの実施態様において、核酸に結合される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0093】
【化24】
【0094】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C(O)NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0095】
この核酸誘導体を使用する核酸検出方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0096】
1つの実施態様において、核酸に結合される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0097】
【化25】
【0098】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0099】
この核酸誘導体を使用する核酸検出方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0100】
1つの実施態様において、核酸に結合される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0101】
【化26】
【0102】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0103】
この核酸誘導体を使用する核酸検出方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0104】
1つの実施態様において、核酸に結合される核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0105】
【化27】
【0106】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR1であり、ここで、R1は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10までの範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0107】
この核酸誘導体を使用する核酸検出方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1つの実施態様において、プローブは、ガラスチップに結合される。
【0108】
1実施態様において、核酸に結合した核酸標識化合物は以下の構造を有し:
【0109】
【化28】
【0110】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;YはHまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;ZはH、N3、FまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここでnは約1〜約10の範囲の整数であり;Qはビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは1または0である。
【0111】
核酸誘導体を使用する核酸検出の方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1実施態様において、プローブはガラスチップに結合される。
【0112】
1実施態様において、核酸に結合した核酸標識化合物は、以下の構造を有し:
【0113】
【化29】
【0114】
ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;YはHまたはOR1であり、ここで、R1はH、アルキルまたはアリールであり;ZはH、N3、FまたはOR1であり、ここでR1はH、アルキルまたはアリールであり;Lは−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここでnは約1〜約10の範囲の整数であり;Qはビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは1または0である。
【0115】
核酸誘導体を使用する核酸検出の方法は、プローブと誘導体のインキュベーションを含む。1実施態様において、プローブはガラスチップに結合される。
【0116】
(発明を実施するための最良モード)
(定義)
「アルキル」は、炭素および水素のみを含む直鎖、分枝または環式の化学基をいう。アルキル基には、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、シクロペンチルおよび2−メチルブチルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は1個以上の置換基(例えば、ハロゲン、アルコキシ、アミノ)で置換されないかまたは置換される。
【0117】
「アリール」は、一価の不飽和芳香族炭素環式基をいう。アリール基には、フェニル、ナフチル、アントリルおよびビフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、1個以上の置換基(例えば、ハロゲン、アルコキシ、アミノ)で置換されないかまたは置換される。
【0118】
「アミドアルキル」は、構造−C(O)NR3R4−を有する化学基をいい、ここで、R3は水素、アルキルまたはアリールであり、そしてR4はアルキルまたはアリールである。好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)nR5−であり、ここで、nは約2〜約10の範囲の整数であり、そしてR5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。より好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)nN(H)−であり、ここでnは約2〜約6の範囲の整数である。最も好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)4N(H)−である。
【0119】
「アルキニルアルキル」は、構造−C≡C−R4−を有する化学基をいい、ここでR4はアルキルまたはアリールである。好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−(CH2)nR5−であり、ここでnは1〜約10の範囲の整数であり、R5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。さらに好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−(CH2)nN(H)−であり、ここで、nは1〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−CH2N(H)−である。
【0120】
「アルケニルアルキル」は、構造−CH=CH−R4−を有する化学基をいい、ここでR4はアルキルまたはアリールである。好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH−(CH2)nR5−であり、ここでnは1〜約10の範囲の整数であり、R5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。より好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH−(CH2)nN(H)−であり、ここでnは1〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH−CH2N(H)−である。
【0121】
「官能基化されたアルキル」は、構造−(CH2)nR7−の化学基をいい、ここでnは、1〜約10の範囲の整数であり、そしてR7はO、S、NHまたはC(O)である。好ましくは、官能基化されたアルキル基の構造は、−(CH2)nC(O)−であり、ここでnは、1〜約4の範囲の整数である。より好ましくは、官能基化されたアルキル基の構造は、−CH2C(O)−である。
【0122】
「アルコキシ」は、構造−O(CH2)nR8−の化学基をいい、ここで、nは2〜約10の範囲の整数であり、そしてR8はO、S、NHまたはC(O)である。好ましくは、アルコキシ基の構造は、−O(CH2)nC(O)−であり、ここで、nは2〜約4の範囲の整数である。より好ましくは、アルコキシ基の構造は、−OCH2CH2C(O)−である。
【0123】
「チオ」は、構造−S(CH2)nR8−の化学基をいい、ここでnは2〜約10の範囲の整数であり、そしてR8はO、S、NHまたはC(O)である。好ましくは、チオ基の構造は、−S(CH2)nC(O)−であり、nは、2〜約4の範囲の整数である。より好ましくは、チオ基の構造は、−SCH2CH2C(O)−である。
【0124】
「アミノアルキル」は、アルキル基に結合したアミノ基を有する化学基をいう。好ましくは、アミノアルキルの構造は、−NH(CH2)nNH−であり、ここで、nは約2〜約10の範囲の整数である。より好ましくは、アミノアルキルの構造は−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは約2〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、このアミノアルキル基の構造は、−NH(CH2)4NH−である。
【0125】
「核酸」は、2個以上のヌクレオチドを含むポリマーをいい、一本鎖、二本鎖および三本鎖のポリマーが挙げられる。「ヌクレオチド」は、天然に存在するおよび天然に存在しない両方の化合物をいい、複素環式塩基、糖、および結合基、好ましくはリン酸エステルを含む。例えば、構造基が、2’−O位におけるメチルまたはアリル基、あるいは2’−O基と置換するフルオロ基のような、ヌクレオチドのリボシルまたはデオキシリボシル単位に加えられ得る。核酸のホスホジエステルのような結合基は、例えば、メチルホスホネートまたはO−メチルホスホネートで置換され得るか、または改変され得る。塩基および糖はまた、当該分野で公知であるように、改変され得る。本開示の目的のための「核酸」はまた、天然または改変された核酸塩基がポリアミド骨格に結合される「ペプチド核酸」を含む。
【0126】
「プローブ」は、ハイブリダイゼーションによって、標的核酸を検出するために使用され得る核酸をいう。好ましくは、プローブは、プローブの全長に沿って標的核酸に対して相補的であるが、プローブと標的との間の1個以上の塩基ミスマッチの存在下でハイブリダイゼーションが起こり得る。
【0127】
(核酸標識化合物)
本発明の核酸標識化合物は、以下の構造を有し:
【0128】
【化30】
【0129】
ここで、Aは、核酸への核酸標識化合物の結合を可能にする水素または官能基であり;Tはテンプレート部分であり;Hcは複素環式環であり;Lはリンカー部分であり;Qは検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは0〜約5の範囲の整数である。
【0130】
基Aは、核酸への核酸標識化合物の結合を可能にする水素または官能基のいずれかである。このような基の限定しない例には以下が挙げられる:モノホスフェート;ジホスフェート;トリホスフェート(H4O9P);ホスホルアミダイト((R2N)(R’O)P)であり、ここでRは直鎖、分枝または環式アルキルであり、R’は2−シアノエチルのような保護基であり;およびH−ホスホネート(HP(O)O−HNR3)であり、ここでRは直鎖、分枝または環式アルキルである。
【0131】
テンプレート部分(T)は、ある位置でメチレン基(CH2)に共有結合され、そして別の位置で複素環式基(Hc)に共有結合される。テンプレート部分の限定されない組は図1に示され、ここで置換基は以下のように規定される:Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;YはH、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;ZはH、N3、FまたはOR1であり;WはO、SまたはCH2であり;DはOまたはSであり;そしてGはO、NHまたはCH2である。置換基R1およびR2は、互いに独立し、H、アルキル、またはアリールである。
【0132】
複素環式基(Hc)は、炭素およびヘテロ原子の両方を含む環式部分である。本発明により意図される複素環式基の限定されない例は図2に示される:4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;1,3−ジアゾール(イミダゾール);1,2,4−トリアジン−3−オン;1,2,4−トリアジン−3,5−ジオン;および5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オン。
【0133】
核酸標識化合物のリンカー部分(L)は、1つの末端位置にて複素環(Hc)に共有結合される。それは、別の末端位置にて検出可能部分(Q)に、直接にまたは結合基(M)を介して結合される。それは、核酸への挿入に対して立体的にかつ電子的に適した構造を有する。リンカー部分の限定されない例には、アミドアルキル基、アルキニルアルキル基、アルケニルアルキル基、官能基化したアルキル基、アルコキシ基、チオ基およびアミノアルキル基が挙げられる。
【0134】
アミドアルキル基の構造は、−C(O)NR3R4−であり、ここで、R3は水素、アルキルまたはアリールであり、そしてR4はアルキルまたはアリールである。このアミドアルキル基の構造は、好ましくは、−C(O)NH(CH2)nR5−であり、ここでnは約2〜約10の範囲の整数であり、R5はO、NR6またはC(O)であり、そしてここでR6は、水素、アルキルまたはアリールである。さらに好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)nN(H)−であり、ここでnは約2〜約6の範囲の整数である。最も好ましくは、アミドアルキル基の構造は、−C(O)NH(CH2)4N(H)−である。
【0135】
アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−R4−であり、ここで、R4は、アルキルまたはアリールである。アルキニルアルキル基の構造は、好ましくは、−C≡C(CH2)nR5−であり、ここで、nは1〜約10の範囲の整数であり、そしてR5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。さらに好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−(CH2)nN(H)−であり、ここでnは、1〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、アルキニルアルキル基の構造は、−C≡C−CH2N(H)−である。
【0136】
アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH−R4−であり、ここでR4はアルキルまたはアリールである。アルケニルアルキル基の構造は、好ましくは、−CH=CH(CH2)nR5−であり、ここで、nは1〜約10の範囲の整数であり、R5はO、NR6またはC(O)であり、ここでR6は水素、アルキルまたはアリールである。より好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここでnは、1〜約4の範囲の整数である。最も好ましくは、アルケニルアルキル基の構造は、−CH=CHCH2NH−である。
【0137】
官能基化したアルキル基の構造は、−(CH2)nR7−であり、ここでnは、1〜約10の範囲の整数であり、そしてR7はO、S、NH、またはC(O)である。官能基化したアルキル基の構造は、好ましくは、−(CH2)nC(O)−であり、ここで、nは、1〜約4の範囲の整数である。より詳細には、官能基化したアルキル基は、−CH2C(O)−である。
【0138】
アルコキシ基の構造は、−O(CH2)nR8−であり、ここで、nは2〜約10の範囲の整数であり、そしてR8はO、S、NH、またはC(O)である。アルコキシ基の構造は、好ましくは、−O(CH2)nC(O)−であり、ここで、nは2〜約4の範囲の整数である。より好ましくは、アルコキシ基の構造は−OCH2CH2C(O)−である。
【0139】
チオ基は、構造−S(CH2)nR8−(ここで、nは、2〜約10の範囲である整数であり、そしてR8は、O、S、NH、またはC(O)である)である。このチオ基は、好ましくは、構造−S(CH2)nC(O)−(ここで、nは、2〜約4の範囲である整数である)である。より好ましくは、このチオ基は、構造−SCH2CH2C(O)−である。
【0140】
アミノアルキル基は、アルキル基に連結するアミノ基を含む。好ましくは、アミノアルキル基は、構造−NH(CH2)nNH−(ここで、nは、約2〜約10の範囲である整数である)である。このアミノアルキル基は、さらに好ましくは、構造−NH(CH2)nNH−(ここで、nは、約2〜約4の範囲である整数である)である。最も好ましくは、このアミノアルキル基は、構造−NH(CH2)4NH−である。
【0141】
検出可能部分(Q)は、シグナルを提供する化学基である。このシグナルは、任意の適切な手段により検出され、これらには、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、電気的手段、光学的手段、または化学的手段が挙げられる。特定の場合において、シグナルは、2以上の手段によって検出可能である。
【0142】
検出可能部分は、直接的または間接的のいずれかのシグナルを提供する。標識基が、自発的にシグナルを放射するか、または適切な刺激を導入してシグナルを発生する場合に、直接的シグナルが生じる。放射標識(例えば、3H、125I、35S、14Cまたは32P)および磁性粒子(たとえば、DynabeadsTM)は、直接的かつ自発的にシグナルを提供する基の非制限例である。刺激の存在下でシグナルを直接的に提供する標識基には、次の非制限例が挙げられる:コロイド金(40〜80nm直径)(これは、高い効率で緑色光を散乱する);蛍光標識(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド(texas red)、ローダミン、および緑色蛍光タンパク質(Molecular Probes、Eugene、Oregon)(これらは、光を吸収し、そして実質的に光を放射する);化学ルミネセンスまたはバイオルミネセンス標識(例えば、ルミノール、ロフィン、アクリジン塩およびルシフェリン)(これらは、化学的反応または生物学的反応の結果として電気的に励起され、そして実質的に光を放射する);スピン標識(例えば、バナジウム、銅、鉄、マンガン、およびニトロオキシド遊離ラジカル)(これらは、電子スピン共鳴(ESR)分光器によって測定される);色素(例えば、キノリン色素、トリアリールメタン色素およびアクリジン色素)(これらは、特定の波長の光を吸収する);ならびに着色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)のビーズ。米国特許第3,817,837;3,850,752;3,939,350;3,996,345;4,277,437;4,275,149および4,366,241号を参照のこと。
【0143】
検出可能部分は、自発的にシグナルを放射するか、または適切な刺激を導入してシグナルを発生する第二化合物と相互作用する場合に直接的シグナルを生じる。例えば、ビオチンは、ストレプトアビジンと結合体を形成することでシグナルを生じ、これは、次いで検出される。Hybridization With Nucleic Acid Probesを参照のこと。Laboratory
Techniques in Biochemistry and Molecular Biology;Tijssen,P.編;Elsevier:New York、1993;第24巻。ホースラディシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼのような酵素(ELISAアッセイにおけるような標識−抗体−抗体の抗体に結合される)はまた、間接的シグナルを生じる。
【0144】
好ましい検出可能部分は、蛍光基である。蛍光基は、高いシグナル対ノイズ比を典型的に生じ、これにより検出手順において増加した分解能および感度を提供する。好ましくは、蛍光基は、約300nmより上、より好ましくは約350nmより上および最も好ましくは、約400nmより上の波長で光を吸収する。蛍光基によって放射される光の波長は、好ましくは、約310nmより上、より好ましくは約360nmより上および最も好ましくは、約410nmより上の波長で光を吸収する。
【0145】
蛍光検出可能部分は、種々の構造クラスから選択され、これらには、以下の非制限的な例が挙げられる:1−および2−アミノナフタレン、p,p’−ジアミノスチルベン、ピレン、四級フェナントリジン塩、9−アミノアクリジン、p,p’−ジアミノベンゾフェノンイミン、アントラセン、オキサカルボシアニン、マロシアニン、3−アミノエキレニン、ペリレン、ビスベンズオキサゾール、ビス−p−オキサゾリルベンゼン、1,2−ベンゾフェナジン、レチノール、ビス−3−アミノピリジニウム塩、ヘレブリゲニン、テトラサイクリン、ステロフェノール(sterophenol)、ベンズイミダゾリルフェニルアミン、2−オキソ−3−クロメン(chromen)、インドール、キサンテン、7−ヒドロキシクマリン、フェノキサジン、サリチラート、ストロファンチジン、ポルフィリン、トリアリールメタン、フラビン、キサンテン色素(例えば、フルオレセインおよびローダミン色素);シアニン色素;4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン色素、ならびに蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質、フィコビリンタンパク質)。
【0146】
多数の蛍光化合物は、本発明に組み込むのに適している。このような化合物の非制限例には、以下が挙げられる:ダンシルクロリド;フルオレセイン(例えば、3,6−ジヒドロキシ−9−フェニルキサントヒドロール;ローダミンイソチオシアネート;N−フェニル−1−アミノ−8−スルホナトナフタレン;N−フェニル−2−アミノ−6−スルホナトナフタレン;4−アセタミド−4−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸;ピレン−3−スルホン酸;2−トルイジノナフタレン−6−スルホナート;N−フェニル,N−メチル2−アミノナフタレン−6−スルホナート;臭化エチジウム;ステブリン(stebrine);アウロミン(auromine)−0,2−(9’−アントロリル)パルミタート;ダンシルホスファチジルエタノールアミン;N−N’−ジオクタデシルオキサカルボシアニン(cycanine);N,N’−ジヘキシルオキサカルボシアニン;メロシアニン、4−(3’−ピレニル)ブトリエート(butryate);d−3−アミノデスオキシ−エキレニン;12−(9’−アントロイル)ステアラート;2−メチルアントラセン;9−ビニルアントラセン;2,2’−(ビニレン−p−フェニレン)ビスベンズオキサゾール;p−ビス[2−(4−メチル−5−フェニルオキサゾリル)]ベンゼン;6−ジメチルアミノ−1,2−ベンゾフェンジン;レチノール;ビス(3’−アミノピリジニウム)−1,10−デカンジイルジヨージド;ヘレブリゲニン(hellibrienin)のスルホナフチルヒドラゾン;クロロテトラサイクリン;N−(7−ジメチルアミノ−4−メチル−2−オキソ−3−クロメニル)マレイミド;N−[p−(2−ベンズイミダゾールイル)フェニル]マレイミド;N−(4−フルオランチル)マレイミド;ビス(ホモバニリン酸);レザズリン(resazarin);4−クロロ−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサジゾール;メロシアニン540;レゾルフィン(resorufin);ローズベンガルならびに2,4−ジフェニル−3(2H)−フラノン。好ましくは、蛍光検出可能部分は、フルオレセインまたはローダミン色素である。
【0147】
別の好ましい検出可能部分は、コロイド金である。このコロイド金粒子は、典型的に、直径40nm〜80nmである。このコロイド金は、種々の方法で標識化合物に結合され得る。1実施態様において、核酸標識化合物のリンカー部分は、チオール基(−SH)で終結し、そしてチオール基は、配位結合を介して直接的にコロイド金に結合する。Mirkinら、Nature 1996、382、607〜609を参照のこと。別の実施態様において、例えば、抗ビオチンのコロイド金結合体とビオチン化標識化合物との相互作用を介して間接的に結合される。金標識化合物の検出は、銀エンハンスメント法(enhancement
method)の使用を介して増強され得る。Danscherら、J.Histotech 1993、16、201−207を参照のこと。
【0148】
結合基(M)mは、リンカー基(L)を検出可能部分(Q)に共有結合するのに役に立ち得る。任意の適切な構造は、標識化合物の機能と相互作用しない構造である。M基の非制限例には、以下が挙げられる:−CO(CH2)5NH−、−CO−、−CO(O)−、−CO(NH)−、および−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−;ここで、mは、0〜約5、好ましくは0〜約3の範囲の整数である。
【0149】
1実施態様において、本発明の核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0150】
【化31】
【0151】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Hcは、複素環式基であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0152】
1実施態様において、複素環式基(Hc)は、イミダゾールであり、そしてこの核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0153】
【化32】
【0154】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0155】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、イミダゾールであり、そして連結部分は、アミノアルキルである:
【0156】
【化33】
【0157】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;R3は、水素またはアルキルであり;R4は、−(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO−、ここでmは、1または0である。より好ましくは、YおよびZは水素であり;R3は水素であり;R4は、−(CH2)4NH−であり;Aは、H4O9P3−であり;そしてQは、ビオチンであり、ここで、Mは、−CO(CH2)5NH−であり、かつmが1であり、あるいは、5−または6−カルボキシフルオレセインであり、かつmが0である。
【0158】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、C3置換4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0159】
【化34】
【0160】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0161】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、C3置換4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンであり、そして結合基は、アルキニルアルキルである:
【0162】
【化35】
【0163】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、1〜約10の範囲の整数であり;R5は、OまたはNHであり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。より好ましくは、YおよびZは、OHであり;nは1であり;R5は、NHであり;Aは、H4O9P3−であり;そしてQは、ビオチンあるいは5−または6−カルボキシフルオレセインであり、ここでmは1である。
【0164】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、C4置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0165】
【化36】
【0166】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0167】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、N4置換4−アミノ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンであり、そして結合基は、アミノアルキルである:
【0168】
【化37】
【0169】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、約2〜約10の範囲の整数であり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。より好ましくは、YおよびZは、水素であり;nは4であり;Aは、H4O9P3−であり;そしてQは、ビオチンあるいは5−または6−カルボキシフルオレセインであり、ここでmは0である。
【0170】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、1,2,4−トリアジン−3−オンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0171】
【化38】
【0172】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能部分であり;Xは、O、S、NR1またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1またはNHR1であり;Zは、H,N3、FまたはOR1であり;Aは、H、または核酸標識を核酸に結合させる官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立しており、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0173】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、1,2,4−トリアジン−3−オンであり、そして結合基は、アミノアルキルである:
【0174】
【化39】
【0175】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、約2〜約10の範囲の整数であり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である。より好ましくは、YおよびZは、水素であり;nは4であり;Aは、H4O9P3−であり;そしてQは、ビオチンあるいは5−または6−カルボキシフルオレセインであり、ここでMは、−CO(CH2)5NH−であり、そしてmは1である。
【0176】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0177】
【化40】
【0178】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能な部分であり;Xは、O、S、NR1、またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1;Zは、H、N3、F、またはOR1;Aは、Hまたは核酸標識の核酸への付着を可能にする官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立であり、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0179】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンであり、そして結合基は、アルケニルアルキルである:
【0180】
【化41】
【0181】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、約1〜約10の範囲の整数であり;R5は、NR6であり、ここで、R6は、水素、アルキルまたはアリールであり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0182】
別の実施態様において、複素環式基(Hc)は、5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンであり、そして核酸標識化合物は、以下の構造である:
【0183】
【化42】
【0184】
ここで、Lは、リンカー部分であり;Qは、検出可能な部分であり;Xは、O、S、NR1、またはCHR2であり;Yは、H、N3、F、OR1、SR1、またはNHR1;Zは、H、N3、F、またはOR1;Aは、Hまたは核酸標識の核酸への付着を可能にする官能基であり;そしてMは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である。置換基R1およびR2は、互いに独立であり、そしてH、アルキルまたはアリールである。
【0185】
好ましい実施態様において、複素環式基(Hc)は、5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンであり、そして結合基は、アルケニルアルキルである:
【0186】
【化43】
【0187】
ここで、Yは、水素またはヒドロキシルであり;Zは、水素またはヒドロキシルであり;nは、約1〜約10の範囲の整数であり;R5は、NR6であり、ここで、R6は、水素、アルキルまたはアリールであり;Aは、水素またはH4O9P3−であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;Mは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である。
【0188】
(核酸標識化合物の合成)
図3は、核酸標識化合物8aおよび8bへの合成経路を示し、ここで、複素環式基(Hc)は、イミダゾールであり、そしてリンカー部分(L)は、アミドアルキルである。シリル保護イミダゾール(2)をペントフラノース(1)に添加し、カルボエトキシイミダゾールジデオキシリボシド異性体(3a〜3d)の混合物を得た。この異性体を分離して、精製された3cを得た。3cのカルボエトキシ基を、ジアミンを用いて、アミノカルボキシアミド(carboxamide)(4)に転換した。4の末端アミンを保護し、トリフルオロアセチル化生成物5を得た。5のシリル保護基を除去し、第1級アルコール6を得た。化合物6を5’−トリホスフェートに転換し、7を得た。7のトリフルオロアセチル保護基を除去し、そして脱保護されたアミンを、ビオチン−NH(CH2)5CO−NHSまたは5−カルボキシフルオレセイン−NHSと反応させ、それぞれ核酸標識化合物8aおよび8bを得た。
【0189】
図4は、C3−標識4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートへの合成経路を示す。保護されたプロパルギルアミンリンカーを、パラジウム触媒下で、ヌクレオシド(9)に添加して、カップリングされた生成物(10)を得た。アルキレン置換ヌクレオシド(10)の第1級アルコールをホスホリル化し、5’−トリホスフェート11を得た。トリホスフェート11の保護アミンを、次いで、脱保護し、そして生じた第1級アミンを、反応性ビオチンまたはフルオレセイン誘導体で処理し、それぞれ核酸標識化合物12aおよび12bを得た。
【0190】
図5は、ピラゾロピリミジンヌクレオチドへの合成経路を示す。クロロピラゾロピリミジン(13)を、ペントフラノース1に添加し、アノマーの混合物として付加体14を得た。ジアミンを化合物14に添加し、第1級アミン(15)の混合物を得た。第1級アミン(15)を保護し、そしてクロマトグラフィーによって分離し、純粋なβ−アノマー16を得た。16のシリル基を除去し、そして生じた第1級アルコールをホスホリル化し、トリホスフェート17を得た。17のトリフルオロアセチル基を除去し、そして脱保護されたアミンを、反応性ビオチンまたはカルボキシフルオレセイン誘導体で処理して、それぞれ核酸標識化合物18a〜18dを得た。
【0191】
図6は、N4−標識1,2,4−トリアジン−3−オンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートへの反応経路を示す。1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンリボヌクレオシド19を、トリアゾールおよび三塩化リンで処理して、トリアゾールヌクレオシド20に転換した。ジアミンを20へ添加して、アミノアルキルヌクレオシド21を得た。21の第1級アミンを保護し、トリフルオロアセトアミド22を得た。22の第1級アルコールをホスホリル化し、そして保護アミンを脱保護し、そして、反応性ビオチンまたはカルボキシフルオレセイン誘導体と反応させて、それぞれ核酸標識化合物23aおよび23bを得た。
【0192】
図7は、C5−標識1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンリボシドホスフェートへの反応経路を示す。アルデヒド24をイリド25と反応させ、フタルイミド保護アリルアミン26を得る。化合物26をペントフラノシド27とカップリングし、ヌクレオシド28を得る。28のフタルイミド基をヒドラジンで処理して除去し、第1級アミン29を得る。アミン29を、アミド30として保護する。アミド30をホスホリル化し、脱保護し、そして、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインの反応性誘導体で処理して、それぞれ核酸標識化合物31aおよび31bを得る。
【0193】
図8は、C5−標識5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンリボシドトリホスフェートへの反応経路を示す。化合物28を、塩素化剤およびアンモニアで処理して、アミノ−1,3,6−トリアジン化合物32に転換する。32のフタルイミド基を、ヒドラジンで処理して除去し、そして得られる第1級アミンを保護して、33を得る。化合物33をホスホリル化し、脱保護し、そしてビオチンまたはカルボキシフルオレセインの反応性誘導体で処理して、それぞれ核酸標識化合物34aおよび34bを得る。
【0194】
(核酸標識)
核酸は、生体サンプルから単離され得るか、または、当業者に公知の方法に従って、例えば、固体支持体上または溶液中で、合成され得る。本明細書中で使用されるように、標識化プロセスにおいて使用される核酸の長さまたは起源において、制限は存在しない。核酸の例示的な単離および精製方法は、Theory and Nucleic Acid Preparationに記述される(Laboratory Techniques in Biochemistry
and Molecular Biology:Hybridization
With Nucleic Acid Probes;P.Tijssen,編;第1巻;Elsevier:N.Y.,1993)。単離の好ましい方法は、酸グアニジニウム(guanidinium)−フェノール−クロロホルム抽出に続いて、オリゴdTカラムクロマトグラフィーまたは(dT)n磁気ビードの使用に関係する(Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版;Cold Springs Harbor Laboratory,1989;第1〜3巻;およびCurrent Protocols in Molecular Biology;F.Ausubelら編;Greene Publishing and Wiley Interscience:N.Y.,1987)。
【0195】
特定の場合において、核酸は増幅を通して、量が増加する。適切な増幅法は、以下の例を含むが、それらに限定されない:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Innis,らPCR Protocols.A guide to Methods and Application;Academic Press:San Diego,1990);リガーゼ連鎖反応(LCR)(WuおよびWallace.Genomics 1989,4,560;Landgren,らScience 1988,241,1077;およびBarringer,らGene 1990,89、117);転写増幅(Kwohら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA1989,86,1173);および自己持続配列複製(self−sustained sequence replication)(Guatelli,ら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA1990,87,1874)。
【0196】
核酸標識化合物は、種々の方法を使用して、核酸内に組み込まれ得る。例えば、それは、起源の核酸サンプル(例えば、MRNA、ポリAmRNA、cDNA)または増幅生成物へ直接付着させ得る。標識化合物を核酸に付着する方法は、ニック転位、3−末端−標識、連結反応、インビトロ転写(IVT)またはランダムプライミングを含むが、これだけに限定されない。核酸がRNAである場合、標識化リボリゴヌクレオチドが、例えば、T4 RNAリガーゼのようなRNAリガーゼを使用して連結される(The Enzymes;UhlenbeckおよびGreenspot,編;第15巻,B,pp.31−58;およびSambrookら,pp.5.66−5.69)。末端転位酵素は、例えば、核酸が1本鎖DNAである場合、デオキシ−、ジデオキシ−、またはリボヌクレオシド(dNTP、ddNTPまたはNTP)を付加するために使用される。
【0197】
標識化合物はまた、核酸の内部位置で組み込まれ得る。例えば、標識化合物の存在下でのPCRは、内部に標識された増幅生成物を提供する。例えば、Yuら、Nucleic Acids Research 1994,22,3226−3232を参照。同様に、標識化合物の存在下におけるIVTは、内部に標識化された核酸を提供し得る。
【0198】
(プローブハイブリダイゼーション)
標識化合物が付着する核酸は、核酸プローブとのハイブリダイゼーション後、検出され得る。あるいは、プローブは、使用者によって好まれる実験スキームに依存して、標識され得る。プローブは核酸であるか、または改変された核酸であり、これは、固体支持体に付着されるか、または溶液中に存在するかのいずれである。それは、それがハイブリダイズする標識された核酸に対し、構造において相補的である。固体支持体は、任意の適切な材料であり、これはポリスチレンベースビーズおよびガラスチップを含む。好ましい実施態様において、プローブまたは標的核酸は、GeneChip(登録商標)製品(Affymetrix,Inc.,Santa Clara,CA)のようなガラスチップに付着される。国際出願公開第WO97/10365号、同第WO97/29212号、同第WO97/27317号、同第WO95/11995号、同第WO90/15070号、および米国特許第5,744,305号、同第5,445,934号を参照。これらは、これによって参考として援用される。
【0199】
プローブハイブリダイゼーションは、たいてい核酸の検出における工程であるので、核酸標識化合物は、このプロセスに、実質的に干渉しない構造であるべきである。従って、標識化合物の立体的および電子的性質は、付着された核酸の相補的構造への結合と両立できる。
【実施例】
【0200】
以下の実施例は、例示のために示されるのであり、本発明を限定するためではない。
【0201】
(一般的な実験の詳細)
試薬は、Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)から、入手可能な最高の純度で購入した。列挙する全ての溶媒は、無水物であった。中間体は、1H NMRおよび質量分析により特徴付けた。
【0202】
(実施例1)
フルオレセインおよびビオチンにより標識した、1−(2,3−ジデオキシ−β−D−グリセロペンタフラノシル)イミダゾール−4−カルボキサミドヌクレオチドの合成
1−O−アセチル−5−O−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3−ジデオキシ−D−グリセロ−ペンタフラノース1(9.4g、34.2mmole)(Duelholm,K.;Penderson,E.B.,Synthesis,1992,1を参照のこと)および1−トリメチルシリル−4−カルボエトキシイミダゾール2(6.3g;34.2mmole)(Pochet,Sら、Bioorg.Med.Chem.Lett.,1995,5,1679を参照のこと)を、100mlの乾燥DCM中Ar下で合わせ、そしてトリメチルシリルトリフレート触媒(6.2ml;34.2mmole)を0℃で添加した。この溶液を室温で5時間撹拌し、そして次いで、100mlのNaHCO3飽和水溶液で3回、NaCl飽和水溶液で1回洗浄し、NaSO4で乾燥して、エバポレートし、4種類のカルボエトキシイミダゾールジデオキシリボシド異性体(3a〜d)(これらは、N1およびN3の両方のアルキル化生成物のαおよびβアノマーに対応する)の粗製混合物を14g得た。これらの異性体生成物を精製し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc−ヘキサン)で分離して、全収率は52%であった。β−N1異性体(2.2g;18%収率)を、1H−NMRの化学シフトおよびNOEデータにより同定した(Pochet,Sら、Bioorg.Med.Chem.Lett.,1995,5,1679を参照のこと)。精製した3c(0.5g;1.4mmole)を、20倍過剰の1,4−ジアミノブタン(3.0ml、30mmole)と共に、145℃付近で4時間加熱し、次いで、得られた混合物を、50mlのEtOAcで希釈し、水で3回、ブラインで1回洗浄し、NaSO4で乾燥して、エバポレートし、イミダゾール−4−(4−アミノブチル)カルボキサミドジデオキシリボシド4を、無色のオイルとして、500mg(95%)得た。トルエンと共蒸発させた後に、4(393mg;0.75mmole)を、トリフルオロアセチルイミダゾール(94μL;0.83mmole)と5ml乾燥THF中で0℃で合わせ、そして10分間撹拌した。溶媒をエバポレートし、そして油性の残渣を50mlのEtOAcに溶解し、NaHCO3飽和水溶液で2回、NaCl飽和水溶液で1回抽出し、NaSO4で乾燥し、そしてエバポレートして、475mg(99%)のN−TFA保護されたヌクレオシド5を、無色のオイルとして得た。TBDMS基を、20mlの乾燥THF中の過剰のトリエチルアミントリヒドロフルオリド(2.3ml;14.4mmole)を添加し、一晩撹拌することによって、除去した。THFを真空下でエバポレートし、残渣を50mlのEtOAcに溶解し、そしてこの溶液をNaHCO3飽和水溶液とブラインの1:1の混合物で注意深く洗浄して中性とし、次いでNaSO4で乾燥し、そしてエバポレートして、340mg(96%)の5を淡黄色オイルとして得た。NMRおよびMSのデータは、帰属した構造と一致した。
【0203】
ヌクレオシド6を、他の箇所(Prober,J.M.ら、1988、PCT
0 252 683 A2を参照のこと)に報告された手順に従って、5’−トリホスフェートに転換し、脱保護し、ビオチン−NH(CH2)5CO−NHSまたは5−カルボキシフルオレセイン−NHSと反応させ、そして精製して、標識されたヌクレオチド8a、bを得た(HPLC、31P−NMRから、95%より高い純度)。
【0204】
(実施例2)
C3−標識4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートの合成
3−ヨード−4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンリボフラノシド(ribofuranside)(9)の合成を、H.B.Cottamら、1993、J.Med.Chem.36:3424に記載のように実施した。適切なデオキシフラノシド前駆体を使用して、2’−デオキシおよび2’,3’−ジデオキシヌクレオシドの両方を、類似の手順を使用して調製した。例えば、U.NeidballaおよびH.Vorbruggen 1974、J.Org.Chem.39:3654;K.L.DuehomおよびE.B.Pederson 1992、Synthesis 1992:1を参照のこと。あるいは、これらは、確立された手順に従って、リボフラノシド9を脱酸素することにより、調製される。M.J.Robinsら、1983 J.Am.Chem.Soc.103:4059;およびC.K.Chuら、1989 J.Org.Chem.54:2217を参照のこと。
【0205】
保護されたプロパルギルアミンリンカーを、有機パラジウムに媒介される4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンリボシドの3位への置換を経て、4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオシド(9)に付加した(Hobbs(J.Org.Chem.54:3420;Science 238:336)により記載される手順を使用した)。ヨウ化銅(38mg;0.2mmole)、トリエチルアミン(560μL;4.0mmole)、N−トリフルオロアセチル−3−アミノプロピン(700μL;6.0mmole)および3−ヨード−4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン −D−リボフラノシド(9)(H.B.Cottamら、1993、J.Med.Chem.36:3424)(786mg;2.0mmole)を、5mlの乾燥DMF中アルゴン下で合わせた。この撹拌混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(232mg;0.2mmole)を添加した。この溶液は、10分以内に均一になり、そして暗所でさらに4時間撹拌し、この時点で、この反応物を20mLのMeOH−DCM(1:1)で希釈し、3.3gのDowex AG−1アニオン交換樹脂(重炭酸塩形態)を添加して、撹拌をさらに15分間続けた。この樹脂を濾過により除去して、MeOH−DCM(1:1)で洗浄し、そしてあわせた濾液をエバポレートして乾固させた。残渣を4mLの熱MeOHに溶解し、次いで15mLのDCMを添加して、この混合物を昇温状態に保って均一な溶液を維持し、同時にこの溶液を、1:9 MeOH−DCM中に充填したシリカゲルのカラム(5cm×25cm)に装填した。この生成物(Rf約0.4、6:3:1:1 DCM−EtOAc−MeOH−HOAc)を、10〜15〜20% MeOH−DCMの段階的な勾配で溶出した。得られた淡黄色の固体を、2.5mlの氷冷アセトニトリルで3回、次いでエーテルで2回洗浄し、真空下で乾燥して、630mg(75%)の4−アミノ−3−(N−トリフルオロアセチル−3−アミノプロピニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンβ−D−リボフラノシド(10)を得た。この生成物の同定を、1H−nmr、質量分析および元素分析により、確認した。
【0206】
このヌクレオシドを、他の箇所(Prober,J.M.ら、1988、PCT 0 252 683 A2)に報告された手順に従って、5’−トリホスフェート(11)に転換し、脱保護し、オキシスクシニミジル−(N−ビオチノイル−6−アミノ)ヘキサノエート、またはオキシスクシニミジル−(N−(フルオレセイン−5−カルボキシル)−6−アミノ)ヘキサノエートと反応させ、そして精製して、ビオチン−およびフルオレセイン−標識ヌクレオチド(12a、12b)を、95%より高い純度で得た。
【0207】
(実施例3)
フルオレセイン−およびビオチン−N6−ジデオキシ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオチドの合成
1−O−アセチル−5−O(t−ブチルジメチルシリル)−2,3−ジデオキシ−D−グリセロ−ペントフラノース(1)および1−トリメチルシリル−4−クロロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(13)を、文献の手順に従って合成した。Duelholm,K.L.;Penderson,E.B.、Synthesis 1992、1〜22;およびRobins,R.K.、J.Amer Chem Soc.1995、78、784〜790。40mlの乾燥DCM中の2.3g(8.3mmol)の1および1.9g(8.3mmol、1当量)の13に、0℃、アルゴン下で、1.5mL(8.3mmol、1当量)のトリメチルシリルトリフレートを、5分間かけてゆっくりと添加した。30分後、4.2ml(41.5mmol、5当量)の1,2−ジアミノブタンを手早く添加し、そしてこの反応系を室温で1時間撹拌した。溶媒をエバポレートし;残渣を50mlの酢酸エチルに溶解して、50mlのNaHCO3の飽和水溶液で洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥し、濾過して、溶媒をエバポレートし、4.2gの黄色泡状物を得た。この泡状物を、100mlのジエチルエーテルに溶解し、そして100mlのヘキサンを添加して、生成物をオイルとして沈殿させた。この溶媒をデカントし、そしてこのオイルを高真空下で乾燥させて、3.4gの15を淡黄色泡状物として得た。HPLC、UVおよびMSのデータは、α−およびβ−アノマーの2:1混合物に一致した。
【0208】
140mlの乾燥THF中の、異性体の粗製混合物(3.4g、8.1mmol、約50%純粋)に、0℃、アルゴン下で、1.0mlの1−トリフルオロアセチルイミダゾール(8.9mmol、1.1当量)をゆっくりと添加した。この反応系を、RP−HPLCで追跡した。さらなる5%のアシル化剤を添加して、出発物質をTFA−保護されたアノマーの混合物に完全に転換させた。Bergerson,R.G.;McMains,J.S.,J.Org.Chem 1998、53、3108〜3111。この反応系を室温まで昇温させ、次いで溶媒をエバポレートして約25ml容量とし、そして100mlの酢酸エチルで希釈した。この溶液を、25mlの1%NaHCO3水溶液で2回、ブラインで1回抽出し、次いでNa2SO4で乾燥し、そしてエバポレートして、3.4gの黄色泡状物を得た。この粗製物質を、EtOAc−ヘキサン中のシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製して、16の1.3gのα−アノマーおよび0.7gのβ−アノマーを得た(全収率50%)。1H−NMRおよびMSのデータは、帰属した構造および立体化学に一致した。
【0209】
50mlの乾燥THF中の1.3g(2.5mmol)の16(α−アノマー)に、アルゴン下で、1ml(13.6mmol)のトリエチルアミンおよび6.1ml(37.5mmol、15当量)のトリエチルアミントリヒドロフルオリドを添加した。16時間の撹拌の後に、この溶媒をエバポレートし、そして残渣のトリエチルアミントリヒドロフルオリドを、高真空下で除去した。Pirrung,M.C.ら;Biorg.Med.Chem.Lett.1994、4、1345〜1346。その残渣を100mlの酢酸エチルに溶解し、そして100mlのNaHCO3の飽和水溶液で4回、ブラインで1回、注意深く洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥し、そしてエバポレートして、850mg(95%)の白色泡状物を得た。1H−NMR、UVおよびMSのデータは、脱シリル化したヌクレオシドの帰属した構造に一致し、これを、さらに精製することなく次の工程に使用した。
【0210】
このヌクレオシドを、Ecksteinリン酸化手順(Ludwig,J.L.;Eckstein,F.J.Org.Chem.1989、54、631〜635)を使用して、トリホスフェートに転換し、続いてResourceQアニオン交換カラム(緩衝液Aは、20mM Tri pH8、20%CH3CNであり、そして緩衝液Bは、20mM Tris pH8、1M NaCl、20%CH3CNである)におけるHPLCで精製した。31P−NMR、UVおよびMSのデータは、このトリホスフェートの構造に一致した。このトリフルオロアセチル保護基を、過剰のNH4OHで、55℃で1時間処理することによって除去し、続いてエバポレートして乾固させた。質量分析データは、アミノブチルヌクレオチド17に一致した。さらに精製することなく、このヌクレオチドを、他の箇所(Prober,J.M.ら、1988、PCT 0 252 683
A2)に記載のように、ビオチン−NHSエステルまたは5−カルボキシフルオレセイン−NHSのいずれかで処理し、それぞれの標識ヌクレオチド18a〜18dを形成し、これらを記載のように(Prober,J.M.ら、1988、PCT 0 252 683 A2)、HPLCによって精製した(18aの場合には、緩衝液が20mMリン酸ナトリウムpH6であったことを例外とする)。31P−NMRおよびUVのデータは、この標識アナログの構造に一致した。
【0211】
(実施例4)
(N4−標識1,2,4−トリアジン−3−オンβ−D−リボフラノシド三リン酸)
30mL乾燥ACN中の1,2,4−トリアゾール(6.7g;97mmol)の溶液へ、POCl3(2.1mL;22mmol)を攪拌しながらアルゴン下で徐々に添加した。30分後、この溶液を0℃まで冷却し、そして10mLACN中のトリエチルアミン(21mL;150mmol)および2’,3’,5’−トリ−O−アセチル−6−アザウリジン(19、4.14g;11mmol(Aldrich Chemical Companyから市販))の溶液を添加した。さらに1時間室温で攪拌した後、得られた活性化ヌクレオシドの溶液を、20mL MeOH中、1,4−ジアミノブタン(46g;524mmol)の攪拌溶液へ滴下して移した。この溶媒を真空下で除去し、そして残渣を水に溶解し、酢酸で中和し、そして再度エバポレートして乾固した。この粗残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィー(95:5 MeOH−NH4OH)、続いて分取逆層HPLCによって精製し、150mg(0.45mmol;3%)のアミノブチルヌクレオシド(21)を得た。これを、0℃で2時間、3mLのACN中の1−トリフルオロアセチルイミダゾール(300uL;1.8mmol)との反応によって、直接、TFA保護ヌクレオシド(22)へ転換し、この溶媒をエバポレートし、そしてフラッシュクロマトグラフィー(1:9 MeOH−DCM)によって精製した。収量175mg(0.42mmol;93%)この生成物の同定を、1H−nmrおよび質量分析によって確認した。
【0212】
このヌクレオシドを、5’−三リン酸へ転換し、脱保護し、オキシスクシンイミジル−(N−ビオチノイル−6−アミノ)ヘキサノエート、またはオキシスクシンイミジル−(N−(フルオレセイン−5−カルボキシ)−6−アミノ)ヘキサノエートと反応させ、そして他に報告される手順(Prober,J.M.ら、1988,PCT 0 252 683 A2.)に従って精製し、ビオチン−およびフルオレセイン−標識ヌクレオチド(23a、23b)を>95%の純度で得た。
【0213】
(実施例5)
(ビオチンおよびフルオレセインC5−標識1,2,4,−トリアジン−3,5−ジオンリボシド三リン酸の合成)
5−ホルミル−6−アザウラシル(24)を、文献手順に従って調製した。Scopes,D.I.C.1986,J.Chem.Med.,29,809−816、およびそこで引用される参考文献を参照のこと。化合物24を、25のホスホニウムイリド(これは、25を触媒量のt−ブトキシドで処理することによって形成される)と反応させ、フタルイミドイル保護アリルアミン26を得る。Scopesら、1986、J.Chem.Med.,29,809−816の手順に従って、26とβ−D−ペントフラノシド27(Aldrichから市販)とを反応させて、保護アリルアミン26をリボシル化し、β−アノマー28を得る。β−リボヌクレオシド28を、THF中の無水ヒドラジンで脱保護し、アリルアミン29を得る。THF中での一級アミン29とトリフルオロアセチルイジダゾールとの反応によって、保護アミン30を得る。
【0214】
ヌクレオシド30を、5’−三リン酸へ転換し、脱保護し、オキシスクシンイミジル−(N−ビオチオニル−6−アミノ)ヘキサノエートまたはオキシスクシンイミジル−(N−(フルオレセイン−5−カルボキシ)−6−アミノ)ヘキサノエートと反応させ、そしてProber,J.M.ら、1988,PCT 0
252 683 A2)で報告される手順に従って精製し、それぞれビオチン−ならびにフルオレセイン−標識ヌクレオチド31aおよび31bを得る。
【0215】
(実施例6)
(ビオチンおよびフルオレセインC5−標識5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンリボシド三リン酸の合成)
上述のβ−リボヌクレオシド28を、SOCl2またはPOCl3で処理し、そして引き続いてアンモニアと反応させ、4−アミノ−1,3,6−トリアジンヌクレオシド32を得る。32のフタルイミド基を、ヒドラジンとの反応で除去し、そして得られる一級アミンを保護し、ヌクレオシド33を得る。ヌクレオシド33を、5’−三リン酸へ転換し、脱保護し、オキシスクシンイミジル−(N−ビオチノイル−6−アミノ)ヘキサノエート、またはオキシスクシンイミジル−(N−(フルオレセイン−5−カルボキシ)−6−アミノ)ヘキサノエートと反応させ、そして他に報告される手順(Prober,J.M.ら、1988,PCT 0 252 683 A2)に従って精製し、それぞれビオチン−およびフルオレセイン−標識ヌクレオチド34a,34bを得る。
【0216】
(実施例7)
(修飾ヌクレオチドの酵素による組み込みのHPLC分析に関する手順)
(反応条件)
TdT
3uMd T16テンプレート
15(30)uM NTP
40U TdT(Promega)
1X緩衝液、pH7.5(Promega)
手順:1時間37℃で、次いで10分70℃でインキュベートし、続いて50uLの容量のEDTA(2mM 最終濃度)を添加する。
【0217】
(HPLC分析)
(物質および試薬)
4.6mmX250mm Nucleopac PA−100イオン交換カラム(Dionex)
緩衝液A:20mM NaOH(または20mM Tris pH8、色素標識されていないヌクレオチド三リン酸のTdT組み込みの場合)
緩衝液B:20mM NaOH、1M NaCl(または20mM Tris
pH8、1M NaCl、色素標識されていないヌクレオチド三リン酸のTdT組み込みの場合)
(一般的手順)
この反応物を50uLの緩衝液Aで希釈する。50uLのこのサンプルをHPLCカラムへ注入し、そして5〜100%の緩衝液Bの勾配を使用して30分にわたり1mL/分の流速で分画する。この色素の260nmでの吸光度のピークおよび吸光度の極大(この色素のフルオレセイン発光極大)を同時に検出する。
【0218】
この組み込み効率は、標識されたオリゴヌクレオチドの割合として表される。この数値は、標識されたオリゴヌクレオチドの260nmで測定した吸光度ピーク面積を、標識されていないオリゴヌクレオチドおよび標識されたオリゴヌクレオチドの合計ピーク面積で除算することによって、決定した。(フルオレセイン標識されたdT16の保持時間は、2〜3分のオーダーにおいてであり、標識されていないdT16よりも長い)。この種のアッセイにおける誤差は、約10%である。4種の核酸標識化合物についてのパーセンテージ標識効率は、以下の表1において示される。
【0219】
【表1】
【0220】
(実施例8)
(標識されたイミダゾールカルボキサミド(「ITP」)および4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(「APPTP」)ヌクレオチドのハイブリダイゼーション研究)
標識されたイミダゾールカルボキサミドおよび4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオチドの性能を、標準GeneChip(登録商標)プロダクトプロトコル(Affymetrix,Inc.,Santa Clara,CA)を使用してp53アッセイにおいて評価し、これは、例えば、GeneChip(登録商標)p53アッセイのパッケージ挿入物中に詳細に記載される。この実験において使用されるサンプルDNAは、プラスミド「p53mut248」であった。この標識されたヌクレオチドアナログを、通常の標識試薬(フルオレセイン−N6−ddATPまたはビオチン−M−N6−ddATP(ここで、M=アミノカプロイル)、NENから、それぞれパート番号NEL−503およびNEL−508)で置き換えた。標識反応を、このアッセイプロトコルにおいて指定される標準量(25U)のTdT酵素および100Uの酵素の両方を使用して、実施した。標識化後、フルオレセイン標識標的を、この配列にハイブリダイズし、そして直接スキャンした。ビオチン標識標的を使用する実験において、GeneChip(登録商標)チップを、ハイブリダイゼーション工程後において、スキャンの前に、記載される手順(Science 280:1077−1082(1998))に従ってフィコエリトリン−ストレプトアビジン接合体(PE−SA)で染色した。
【0221】
図9は、このチップの「Unit−2」部分でコールされる1300塩基について観察されたハイブリダイゼーション蛍光強度の比較を示す。下方のプロットにおいて、フルオレセイン−ddITP(8b)標識標的についての強度を、標準フルオレセイン−N6−ddATP標識標的(コントロール)についての強度に対してプロットする(両方ともTdTが25Uで)。観察される約0.75の傾きは、8bの標識効率が、これらの条件下でのFluorescein−Nd−ddATPの標識効率の約75%であったことを示す。上方のプロットにおいて、同一の比較が、100UのTdTが8b標識反応において使用されたことを除いてなされた。約1.1の傾きは、標準Fluorescein−N6−ddATP/25Uコントロールの反応よりもわずかに良好かまたは等しいことを示す。
【0222】
図10は、このチップの「Unit−2」部分でコールされる1300塩基に対して観察されたハイブリダイゼーション蛍光強度の比較を示す。ビオチン−(M)2−ddAPPTP(18c、M=アミノカプロイルリンカー;図10においてビオチン−N4−ddAPPTPとして表す)標識標的(PE−SA染色後)についての強度を、標準ビオチン−M−N6−ddATP標識標的(コントロール)についての強度に対してプロットする(両方ともTdTが25Uで)。約0.3の観察された傾きは、ビオチン−(M)2−ddAPPTP(18c)での標識効率が、これらの条件下で、ビオチン−M−N6−ddATPの標識効率の約30%であったことを示す。
【0223】
図11は、チップの「Unit−2」でコールされる1300塩基に対して観察されるハイブリダイゼーション蛍光強度の比較を示す。下方のプロットにおいて、ビオチン−M−ddITP(8a、M=アミノカプロイル;図11においてBio−ddITPとして表す)標識標的についての強度が、標準ビオチン−M−N6−ddATP標識コントロール標的についての強度に対してプロットされる(両方ともTdTが25Uで)。約0.4の観察された傾きは、8aでの標識効率が、これらの条件下で、ビオチン−M−N6−ddATPの標識効率の約40%であったことを示す。上方のプロットにおいて、同一の比較が、8a標識反応において100UのTdTが使用されることを除いて、実施される。約1.1の傾きは、標準ビオチン−M−N6−ddATP/25Uコントロール反応よりもわずかに良いかまたは等しい標識化を示す。
【0224】
図12は、TdTが25Uおよび100Uの両方でのフルオレセイン−ddITP標識標的、ならびに標準フルオレセイン−N6−ddATP/25U TdT標識「コントロール」標的を使用して得られた、両方の鎖についての全ての再塩基配列決定(塩基−コーリング(base−calling))精度の比較を示す。図13は、ビオチン−M−ddIP(8a;図13においてビオチン−ddITPとして表す)およびビオチン−M−N6−ddATP「コントロール」で標識した標的についての同様の比較を示す。続いてPE−SA染色。図14は、ビオチン−(M)2−ddAPPTP/100U TdTおよびビオチン−M−N6−ddATP/25U TdTを使用する、再塩基配列決定精度の比較を示す。これらのデータは、標識されたイミダゾールカルボキサミドおよび4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンジデオキシヌクレオチドアナログが、ハイブリダイゼーションベースアッセイにおけるDNA標識のために使用され得、そして標準標識−N6−ddATP試薬と等価の性能を与えることを示す。
【0225】
(実施例9)
ビオチン標識したイミダゾールカルボキサミドおよび4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンのヌクレオチド(「ビオチン−M−ITP」(8a)および「ビオチン−(M)2−APPTP」(18c))の性能を、シングルヌクレオチド多形遺伝子型(single−polymorphism genotyping)GeneChip(登録商標)チップアレイを使用して評価した。公開されたプロトコル(D.G.Wangら、1998、Science 280:1077〜82)を、これらの実験において、以下の改変を除いて使用した:1)標識反応を、公開されたプロトコルにおいて指定される標準量(15U)のTdT酵素、または3倍(45U)の酵素、の両方を使用して実施した;2)標識ヌクレオチドアナログを標準的な標識試薬(ビオチン−N6−ddATP、NEN:P/N NEL−508から)で置換;3)この標識されたヌクレオチドアナログを、公開プロトコルにおいて指定される標準濃度の2倍(25uM)、または6倍(75uM)のいずれかで使用した。標識後、ビオチン標識標的を、これらのアレイにハイブリダイズさせ、フィコエリトリン−ストレプトアビジン接合体(PE−SA)で染色し、そしてこのアレイを、公開された手順に従ってスキャンして分析した。
【0226】
このデータを以下の表2において示す。観察されたハイブリダイゼーションシグナルの平均強度(全アレイにわたって平均化した)によって示されるように、25uMのビオチン−M−ITP(8a)での標識効率は、12.5uMのビオチン−N6−ddATPと同じぐらい良好であり、そして75uMで8aを使用することによってなおさらに高い強度が得られた(項目1〜3;7、8)。コントロールと比較して、このアナログは、等しいまたはより良好な性能を提供し、コレクトベースコール(correct base call)比として表された。幾分低い平均シグナル強度が、このアナログの低い組み込み効率を反映して、ビオチン−(M)2−APPTP(18c)で観察されるが、等しいアッセイ性能が、幾分高い酵素およびヌクレオチド濃度を使用して、このアナログを用いてさらに達成され得た。
【0227】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0228】
【図1】図1は、限定しない組のテンプレート部分を示す。
【図2】図2は、以下の限定しない組の複素環式基を示す:4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、1、3−ジアゾール(イミダゾール)、1,2,4−トリアジン−3−オン、1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンおよび5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オン。
【図3】図3は、フルオレセインおよびビオチンで標識した1−(2,3−ジデオキシ−D−グリセロ−ペンタフラノシル)イミダゾール−4−カルボキサミドヌクレオチドへの合成経路を示す。
【図4】図4は、C3−標識4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートへの合成経路を示す。
【図5】図5は、フルオレセインおよびビオチンで標識したN6−ジデオキシ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオチドへの合成経路を示す。
【図6】図6は、N4−標識1,2,4−トリアジン−3−オンβ−D−リボフラノシドトリホスフェートへの合成経路を示す。
【図7】図7は、ビオチンおよびフルオレセインC5標識1,2,4−トリアジン−3,5−ジオンリボシドトリホスフェートへの合成経路を示す。
【図8】図8は、ビオチンおよびフルオレセインC5標識5−アミノ−1,2,4−トリアジン−3−オンリボシドトリホスフェートへの合成経路を示す。
【図9】図9は、フルオレセインddITPおよびフルオレセインddATPを使用して観察したハイブリダイゼーション蛍光強度のグラフィカル比較を示す。
【図10】図10は、ビオチン−(M)2−ddAPTP(ここでM=アミノカプロイル)およびビオチン−N6−ddATPを使用して観察したハイブリダイゼーション蛍光強度のグラフィカル比較を示す。
【図11】図11は、ビオチン−M−ddITP(ここでM=アミノカプロイル)およびビオチン−N6−ddATPを使用して観察したハイブリダイゼーション蛍光強度のグラフィカル比較を示す。
【図12】図12は、フルオレセインddITPおよびフルオレセインN6−ddATP標識標的を使用した全体の再配列塩基決定(塩基−コール)精度のグラフィカル比較を示す。
【図13】図13は、ビオチン−M−ddITP(ここでM=アミノカプロイル)およびビオチン−N6−ddATPを使用した全体の再配列塩基決定精度のグラフィカル比較を示す。
【図14】図14は、ビオチン−(M)2−ddAPPTP(ここで、M=アミノカプロイル)およびビオチン−N6−ddATPを使用した再配列塩基決定精度のグラフィカル比較を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化3】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アミノアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項2】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化4】
ここで、
Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アミノアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR9であり、ここでR9はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または、−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項5】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項6】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項7】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項8】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項9】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項10】
請求項1または2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが2である、核酸標識化合物。
【請求項11】
請求項1または2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが2である、核酸標識化合物。
【請求項12】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項13】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項14】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化5】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項15】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化6】
ここで、
Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項16】
請求項14または15に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR9であり、ここでR9はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここでnは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
【請求項17】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは1である、核酸標識化合物。
【請求項18】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは1である、核酸標識化合物。
【請求項19】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−C≡CCH2NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項20】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−C≡CCH2NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項21】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−C≡CCH2NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項22】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−C≡CCH2NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項23】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化44】
ここで、
Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アミノアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項24】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化45】
ここで、
Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アミノアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項25】
請求項23または24に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR9であり、ここでR9はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または、CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
【請求項26】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは1である、核酸標識化合物。
【請求項27】
請求項25に記載の核酸化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは1である、核酸標識化合物。
【請求項28】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHまたはOHであり;ZはOHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項29】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項30】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項31】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項32】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化46】
ここで、
Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9、またはNHR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項33】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化47】
ここで、
Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9、またはNHR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項34】
請求項32または33に記載の核酸標識化合物であって、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である、核酸標識化合物。
【請求項35】
請求項34に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項36】
請求項34に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項37】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化48】
ここで、
Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9、またはNHR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項38】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化49】
ここで、
Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9、またはNHR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項39】
請求項37または38に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である、
核酸標識化合物。
【請求項40】
請求項39に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項41】
請求項39に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項42】
請求項2、16、25、34、または39に記載の核酸標識化合物を核酸と結合させることによって生成される、核酸誘導体。
【請求項43】
ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合される請求項42に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
【請求項44】
前記プローブがガラスチップに結合されている、請求項43に記載のハイブリダイゼーション産物。
【請求項45】
標識された核酸を合成する方法であって、該方法が、請求項2、16、25、34、または39に記載の核酸標識化合物を核酸と結合させる工程を包含する、方法。
【請求項46】
核酸を検出する方法であって、該方法が、請求項42に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法であって、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
【請求項1】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化3】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アミノアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項2】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化4】
ここで、
Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アミノアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR9であり、ここでR9はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または、−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項5】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項6】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項7】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項8】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項9】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項10】
請求項1または2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが2である、核酸標識化合物。
【請求項11】
請求項1または2に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが2である、核酸標識化合物。
【請求項12】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項13】
請求項3に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはHであり;ZはHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項14】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化5】
ここで、Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項15】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化6】
ここで、
Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項16】
請求項14または15に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR9であり、ここでR9はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−C≡C(CH2)nNH−であり、ここでnは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
【請求項17】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは1である、核酸標識化合物。
【請求項18】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−C≡CCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは1である、核酸標識化合物。
【請求項19】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−C≡CCH2NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項20】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−C≡CCH2NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項21】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−C≡CCH2NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項22】
請求項16に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−C≡CCH2NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項23】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化44】
ここで、
Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アミノアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そしてMは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項24】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化45】
ここで、
Aは、H、または該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9またはNHR9であり、ここで、R9はH、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、アミノアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして
Mは、結合基であり、ここでmは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項25】
請求項23または24に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;XはOであり;Yは、HまたはOR9であり、ここでR9はH、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;Lは、−NH(CH2)nNH−であり、ここでnは、約2〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または、CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここでmは、1または0である、核酸標識化合物。
【請求項26】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここで、mは1である、核酸標識化合物。
【請求項27】
請求項25に記載の核酸化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−NH(CH2)4NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−であり、ここでmは1である、核酸標識化合物。
【請求項28】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはHまたはOHであり;ZはOHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項29】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qはビオチンであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項30】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはHであり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項31】
請求項25に記載の核酸標識化合物であって、ここで、AはH4O9P3−であり;YはOHであり;ZはOHであり;Lは−NH(CH2)4NH−であり;Qは5−カルボキシフルオレセインであり;そしてMは−CO(CH2)5NH−であり、ここでmが1である、核酸標識化合物。
【請求項32】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化46】
ここで、
Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9、またはNHR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項33】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化47】
ここで、
Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9、またはNHR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項34】
請求項32または33に記載の核酸標識化合物であって、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である、核酸標識化合物。
【請求項35】
請求項34に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項36】
請求項34に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項37】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化48】
ここで、
Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9、またはNHR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項38】
以下の構造の核酸標識化合物であって:
【化49】
ここで、
Aは、Hまたは該核酸標識化合物を核酸に結合し得る官能基であり;
Xは、O、S、NR1またはCHR2であり、ここで、R1およびR2は、独立して、H、アルキルまたはアリールであり;
Yは、H、N3、F、OR9、SR9、またはNHR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;
Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10はH、アルキルまたはアリールであり;
Lは、官能基化されたアルキル、アルケニルアルキル、またはアルキニルアルキルであり;
Qは、検出可能部分であり;そして、
Mは、結合基であり、ここで、mは、0〜約3の範囲の整数である、
核酸標識化合物。
【請求項39】
請求項37または38に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Aは、HまたはH4O9P3−であり;Xは、Oであり;Yは、HまたはOR9であり、ここで、R9は、H、アルキルまたはアリールであり;Zは、H、N3、FまたはOR10であり、ここで、R10は、H、アルキルまたはアリールであり;Lは、−CH=CH(CH2)nNH−であり、ここで、nは、約1〜約10の範囲の整数であり;Qは、ビオチンまたはカルボキシフルオレセインであり;そしてMは、−CO(CH2)5NH−または−CO(CH2)5NHCO(CH2)5NH−であり、ここで、mは、1または0である、
核酸標識化合物。
【請求項40】
請求項39に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、ビオチンであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項41】
請求項39に記載の核酸標識化合物であって、ここで、Yは、HまたはOHであり;Zは、HまたはOHであり;Lは、−CH=CHCH2NH−であり;Qは、5−カルボキシフルオレセインであり;そしてmは0である、核酸標識化合物。
【請求項42】
請求項2、16、25、34、または39に記載の核酸標識化合物を核酸と結合させることによって生成される、核酸誘導体。
【請求項43】
ハイブリダイゼーション産物であって、ここで、該ハイブリダイゼーション産物が、相補的なプローブに結合される請求項42に記載の核酸誘導体を含む、ハイブリダイゼーション産物。
【請求項44】
前記プローブがガラスチップに結合されている、請求項43に記載のハイブリダイゼーション産物。
【請求項45】
標識された核酸を合成する方法であって、該方法が、請求項2、16、25、34、または39に記載の核酸標識化合物を核酸と結合させる工程を包含する、方法。
【請求項46】
核酸を検出する方法であって、該方法が、請求項42に記載の核酸誘導体をプローブと共にインキュベートする工程を包含する、方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法であって、前記プローブがガラスチップに結合されている、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−258818(P2006−258818A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−77729(P2006−77729)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【分割の表示】特願2000−562553(P2000−562553)の分割
【原出願日】平成11年7月20日(1999.7.20)
【出願人】(399125757)アフィメトリックス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【分割の表示】特願2000−562553(P2000−562553)の分割
【原出願日】平成11年7月20日(1999.7.20)
【出願人】(399125757)アフィメトリックス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
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